JP2005110621A - 核酸増幅方法及び核酸増幅用試薬キット - Google Patents

核酸増幅方法及び核酸増幅用試薬キット Download PDF

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    • C12Q1/686Polymerase chain reaction [PCR]

Abstract

【目的】 PCR反応において副産物の増幅を抑制しつつ所望の核酸を増幅することができる核酸増幅方法、PCR反応において副産物の増幅を抑制しつつ所望の核酸を増幅することができる核酸増幅用試薬キットを提供すること。
【構成】 核酸増幅方法は、T.th. RecAタンパク質及びこれを改変したタンパク質であってこのタンパク質と類似する機能を有するRecA改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第1タンパク質と、ファージT4遺伝子32タンパク質及びこれを改変したタンパク質であってこのタンパク質と類似する機能を有するファージT4遺伝子32改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第2タンパク質とを反応液中に混合して、PCRを行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、核酸を増幅させる核酸増幅方法、核酸を増幅させるための核酸増幅用試薬キットに関し、特に、PCRにより特定の核酸を増幅させる核酸増幅方法、及び、PCRにより特定の核酸を増幅させるための核酸増幅用試薬キットに関するものである。
従来より、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により核酸を増幅させる核酸増幅方法が知られている。即ち、反応液中に、鋳型DNA、プライマーDNA、DNAポリメラーゼ等を混合して、鋳型DNAのうち、二種類の(一対の)プライマーDNAによって挟まれた領域を特異的に増幅させ、特定の核酸を得るものである。PCRは、ターゲットとする特定の核酸を短時間で10万倍以上に増幅できる画期的な技術である。しかし、その反応を最適化することは難しく、非特異的な核酸の増幅を抑え、所望の核酸のみを特異的に増幅させる技術が求められている。
このような課題に対して、従来より様々な改善案が提案されている。例えば、非特許文献1では、大腸菌(E.coli)の一本鎖DNA結合タンパク質を反応液中に加えることにより、所望の核酸を特異的に増幅できる旨が開示されている。また、特許文献1では、大腸菌(E.coli)等のRecAタンパク質を利用するPCR方法が開示されている。また、特許文献2〜特許文献5には、ファージT4遺伝子32タンパク質を利用するPCR方法が開示されている。
Escherichia coli single-stranded DNA-binding protein, a molecular tool for improved sequence quality in pyrosequencing. Electrophoresis. 2002 Sep;23(19):3289-99 特許第3010738号公報 特開2003−144169号公報 特開2000−4878号公報 特開2000−342287号公報 特開平5−336971号公報
しかしながら、従来の様々な改善法を利用しても、所望の核酸(特異的なPCR産物)が十分に増幅されなかったり、或いは、所望の核酸(特異的なPCR産物)と一緒に副産物(非特異的なPCR産物)も多く増幅される場合がある。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、PCR反応において副産物の増幅を抑制しつつ所望の核酸を増幅できる核酸増幅方法、PCR反応において副産物の増幅を抑制しつつ所望の核酸を増幅できる核酸増幅用試薬キットを提供することを目的とする。
その解決手段は、PCRにより核酸を増幅させる核酸増幅方法であって、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)に由来するRecAタンパク質及びこのRecAタンパク質を改変したタンパク質であってこのRecAタンパク質と類似する機能を有するRecA改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第1タンパク質と、ファージT4遺伝子32タンパク質及びこのファージT4遺伝子32タンパク質を改変したタンパク質であってこのファージT4遺伝子32タンパク質と類似する機能を有するファージT4遺伝子32改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第2タンパク質と、を反応液中に混合して、PCRを行うことを特徴とする核酸増幅方法である。
本発明によれば、反応液中に、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)に由来するRecAタンパク質等の第1タンパク質と、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質を混合して、PCRを行い、所望の核酸を増幅させる。
このようにPCRを行えば、所望の核酸(正しい特異的なPCR産物)の増幅効率を向上させることができる。一方、副産物(非特異的なPCR産物)の増幅を低く抑えることができる。即ち、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)に由来するRecAタンパク質等の第1タンパク質やファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質が鋳型DNAやプライマーDNAに作用して、プライマーDNAが鋳型DNAの特定配列にのみ結合するのを促すことにより、非特異的なPCR産物の増幅を抑制しつつ、特異的なPCR産物の増幅を促進させることができる。
なお、背景技術で述べたように、PCR反応において大腸菌(E.coli)のRecAタンパク質を加えることは知られている。しかし、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質等の第1タンパク質を加えることは知られていない。しかも、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質等の第1タンパク質は、大腸菌(E.coli)のRecAタンパク質に比べ、当業者の予測を越えるほど、際だって優れた効果を有する。即ち、仮に、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質を加えずに、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質等の第1タンパク質を加えただけでも、当業者の予測以上に、非特異的なPCR産物の増幅を低く抑えつつ、特異的なPCR産物の増幅効率を向上させることができる。
また、背景技術で述べたように、PCR反応においてファージT4遺伝子32タンパク質を加えることは知られている。しかし、これをサーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質等の第1タンパク質との組み合わせで用いることは知られていない。その上、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質等の第1タンパク質とファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質を併せて用いた場合は、ファージT4遺伝子32タンパク質だけを加えた場合に比べ、当業者の予測を越えるほど、更に際だって優れた効果を有する。また、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質等の第1タンパク質とファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質を併用した場合は、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質等の第1タンパク質だけを用いる場合に比べても、当業者の予測を越えるほど、更に際だって優れた効果を有する。
ここで、上記の第1タンパク質は、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質(本明細書では、T.th. RecAタンパク質とも言う。)、及び、T.th. RecAタンパク質を改変したものであってT.th. RecAタンパク質と類似する機能を有するRecA改変タンパク質(T.th. RecA改変タンパク質)、の少なくともいずれかを含むものであれば、いかなるものを用いてもよい。T.th. RecA改変タンパク質としては、例えば、T.th. RecAタンパク質をコードする遺伝子から、部位特異的変位誘発等により作出された遺伝子の産物であって、1または数個のアミノ酸が欠損、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、T.th. RecAタンパク質と類似する機能を有するものが挙げられる。また、T.th. RecAタンパク質のタンパク質断片であって、T.th. RecAタンパク質と類似する機能を有するもの(T.th. RecAフラグメント)などであってよい。
なお、上記の第1タンパク質は、プライマーDNA 1μgあたり、0.1μg〜100μgの範囲で混合するのが好ましく、更には 1μg〜10μgの範囲で混合するのが好ましい。このような範囲でPCRを行えば、より効率よく特異的に、所望の核酸の増幅させることができるからである。
上記の第2タンパク質は、ファージT4遺伝子32タンパク質、及び、ファージT4遺伝子32タンパク質を改変したものであってファージT4遺伝子32タンパク質と類似する機能を有するファージT4遺伝子32改変タンパク質、の少なくともいずれかを含むものであれば、いかなるものを用いてもよい。ファージT4遺伝子32改変タンパク質としては、例えば、ファージT4遺伝子から、部位特異的変位誘発等により作出された遺伝子の産物であって、1または数個のアミノ酸が欠損、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ファージT4遺伝子32タンパク質と類似する機能を有するものが挙げられる。また、ファージT4遺伝子32タンパク質のタンパク質断片であって、ファージT4遺伝子32Aタンパク質と類似する機能を有するもの(ファージT4遺伝子32フラグメント)などであってよい。
なお、上記の第2タンパク質は、プライマーDNA 1μgあたり、0.1μg〜100μgの範囲で混合するのが好ましく、更には 1μg〜10μgの範囲で混合するのが好ましい。このような範囲でPCRを行えば、より効率よく所望の核酸の増幅させることができるからである。
以下に、PCR反応で用いられる種々の試薬などについて説明する。
鋳型DNAは、いかなるものを用いてもよい。即ち、いかなる塩基配列からなるものであってもよく、また、それらの鎖長に上限は存在しない。従って、例えば、3000Mbpといわれるヒトゲノムの全長を持つような巨大なDNAであっても構わない。勿論、その由来は問われない。従って、ウィルスや微生物、動植物のゲノム由来のDNAやそれらを改変したDNAであっても、微生物等のもつプラスミド等やプラスミド等に異種のDNA断片を挿入したキメラDNA等であっても、あるいは、人工的に合成したオリゴヌクレオチドなどであっても構わない。また、鋳型DNAとしては、二本鎖DNAでも一本鎖DNAでも利用することができる。更に、RNAを逆転写することで得られるcDNAを鋳型DNAとして利用することもできる。
プライマーDNAは、鋳型DNAのうち増幅すべき配列(領域)の両端に位置する相当数の配列と実質的に相補的であれば、いかなる塩基配列からなるものであってもよく、その由来も問われない。実質的に相補的な程度は、鋳型DNAに対する塩基のミスマッチが3塩基以内であるのが好ましく、更には、塩基のミスマッチが2塩基以内、また更には、塩基のミスマッチが1塩基以内、特に、100%の相補性を有するのが好ましい。前述したように、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質、及び、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質が存在することにより、PCR反応の特異性が向上するため、プライマーDNAの相補性が低いと、所望の核酸が増幅されにくくなるからである。
なお、プライマーDNAは、各々のプライマーDNAあたり、最終濃度で0.01μM〜10μMの範囲で混合するのが好ましく、更には、0.1μM〜1μMの範囲で混合するのが特に好ましい。このような範囲でPCRを行えば、より効率よく特異的に、所望の核酸の増幅させることができるからである。
DNAポリメラーゼは、PCRにおいてDNA鎖を変性させる際の高温に短時間加熱されても永久的には不活性化されず、しかも、高温における活性を有するものが好適である。例えば、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、メタノサーマス・フェルビドゥス(Methanothermus fervidus)、サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus)、T.フラブス(T.flavus)、T.ラクテウス(T.lacteus)、T.ルベンス(T.rubens)、T.ルバー(T.ruber)及び T.サーモフィルス(T.thermophilus)などの高熱菌由来のDNAポリメラーゼや、デスルフロコッカス・モビリス(Desulfurococcus mobilis)、メタノバクテリウム・サーモオートトロフィルクム(Methanobacterium thermoautotrophilcum)、スルホロブス・ソルファタリクス(Sulfolobus solfataricus)、S.アシドカルダリウス(S.acidocaldarius)及びサーモプラスマ・アシドフィルム(Thermoplasma acidophilum)などの高熱性古細菌由来のDNAポリメラーゼなどが挙げられる。このうち、入手容易性等の理由から、サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus)由来のDNAポリメラーゼ(Taq DNAポリメラーゼ)や、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)由来のDNAポリメラーゼ(T.th. DNAポリメラーゼ)、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)由来のDNAポリメラーゼを利用するのが好ましい。
なお、例えば、Taq DNAポリメラーゼを使用する場合には、100μlあたり、0.05 unit〜50 unitの範囲で混合するのが好ましく、更には、0.5 unit〜5 unitの範囲で混合するのが特に好ましい。このような範囲でPCRを行えば、より効率よく特異的に、所望の核酸の増幅させることができるからである。
更に、PCR反応液に、上記のDNAポリメラーゼに特異的な抗体を混合するようにしても良い。上記のDNAポリメラーゼによる核酸増幅前の活性を阻害するためである。即ち、常温での酵素反応によりプライマーダイマーなどの副産物が生産されるのを抑制したり、プライマーの分解を保護するためである。このような抗体には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え法により製造された抗体、化学的または組換え法により製造された抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント)が挙げられる。このうち、モノクローナル抗体を用いるのが特に好ましい。例えば、Taq DNAポリメラーゼに対する公知のモノクローナル抗体を用いれば、約20℃〜約40℃の温度においてTaq DNAポリメラーゼの酵素活性を阻害することができると共に、PCRの熱的サイクルにおける高温によって不活性化される。
また、PCR反応液に、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質に対し特異的な抗体を加えても良い。
PCRは、一般に4種類のdNTP、即ち、dATP、dCTP、dGTP及びdTTPの存在化において行う。
また、PCRは、一般に適当な緩衝剤を含む反応液中で行われる。効率よく核酸を増幅させるためである。緩衝液は、PCR反応に使用する上記第1タンパク質や上記第2タンパク質、DNAポリメラーゼ等により、反応の最適条件を得るため適宜変更することできる。例えば、pHを適当に調整したトリス(TRIS)系の緩衝液に、塩化カリウムや塩化マグネシウムを加えた緩衝液を利用することができる。また、緩衝剤としては、トリシン(TRICINE)、ビスートリシン(BIS-TRICINE)、ヘペス(HEPES)、モプス(MOPS)、テス(TES)、タプス(TAPS)、ピペス(PIPES)、キャプス(CAPS)なども適宜利用できる。また、塩としては、酢酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、硫酸マンガン、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化リチウム、酢酸リチウムなども適宜利用できる。
また、PCR反応液に各種の添加物を加えても良い。例えば、5%〜10%のDMSOと1%〜2%のベタインを添加しても良い。鋳型DNAの二字構造により目的とする産物が増幅されにくい問題を最小限に留める効果を有するものである。このような変性剤に対し、大腸菌由来のRecAタンパク質等は耐性を有しないが、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質は耐性を有するので、本発明において使用することが可能である。また、添加物として、グリセロール、ホルムアルデヒド、塩化テトラメチルアンモニウム、ジメチルスルフォキシド、ポリエチレングリコール(PEG)、ツイン20(Tween20)、ノニデット-P40(NP40)、エクトイン(ectoine)、トリトン-100(Triton-X100)、ポリオール類なども適宜利用できる。
また、PCR反応液に、ATP-γSを加えてもよい。所望の核酸を更に特異的に増幅することができる可能性があるからである。なお、ATP-γSを加えた場合と同様に、ATPを加えても、PCRの特異性が増すと推測される。しかし、ATPは、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質によりADPに分解され、ADPは、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質がプライマーDNA等に結合するのを阻害する。このため、ATPを加えても、PCRの特異性が向上しにくい場合がある。従って、ADPに分解されないATP-γSを反応液に加えるのが良い。
なお、ATP-γSの濃度は、目的に応じて適宜変更すればよいが、通常、0.01 mM 〜 10 mM、好ましくは、0.1 mM 〜 1 mM とするのが良い。
また、他の解決手段は、PCRにより核酸を増幅させるための核酸増幅用試薬キットであって、DNAポリメラーゼと、4種類のdNTPと、緩衝液と、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質及びこのRecAタンパク質を改変したタンパク質であってこのRecAタンパク質と類似する機能を有するRecA改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第1タンパク質と、ファージT4遺伝子32タンパク質及びこのファージT4遺伝子32タンパク質を改変したタンパク質であってこのファージT4遺伝子32タンパク質と類似する機能を有するファージT4遺伝子32改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第2タンパク質と、を備えることを特徴とする核酸増幅用試薬キットである。
本発明の核酸増幅用試薬キットは、DNAポリメラーゼと、4種類のdNTPと、緩衝液と、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質と、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質とを備える。
このようなキットを利用すれば、反応液に、DNAポリメラーゼ、4種類のdNTP、緩衝液、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質、及び、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質に加え、更に、目的に応じた鋳型DNAとプライマーDNAを用意して反応液に加えるだけで、容易にPCRを行うことができる。しかも、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質やファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質が鋳型DNAやプライマーDNAに作用して、プライマーDNAが鋳型DNAの特定配列にのみ結合するのを促すため、非特異的なPCR産物の増幅を抑制しつつ、特異的なPCR産物の増幅を促進させることができる。従って、本キットを利用すれば、所望の核酸をより特異的に増幅させることができる。
なお、本発明の核酸増幅用試薬キットは、DNAポリメラーゼと、4種類のdNTPと、緩衝液と、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質と、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質とを備えていれば良い。従って、これらのものが各々別個の容器等に分けられていても、あるいは、これらのうち2以上のものが予め混合されていてもよい。
本発明の記載のDNAポリメラーゼ、4種類のdNTP、緩衝液、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質、及び、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質については、前述した通りである。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、鋳型DNAとしてマウスゲノムDNA(Promega)を用意した。また、プライマーDNAとして1セット(2種類)のオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド1及びオリゴヌクレオチド2)を用意した。プライマーDNA1(オリゴヌクレオチド1)は、Mouse DNA sequence from clone RP23-253K17 on chromosome 2, complete sequence.(ACCESSION AL929018)を参考にして設計した。また、プライマーDNA2(オリゴヌクレオチド2)は、Mouse DNA sequence from clone RP23-459P8 on chromosome 11, complete sequence.(ACCESSION AL669902)を参考にして設計した。なお、ACCESSION ナンバーは、Gene Bank のアクセスナンバーを示している。各プライマーDNAは、鋳型DNAと100%相補的な塩基配列からなる。なお、各プライマーDNAは、鋳型DNAの塩基配列に基づいて公知の手法により合成すればよい。
オリゴヌクレオチド1:
5'-gtgggttttcctctgtctcc-3'
オリゴヌクレオチド2:
5'-gaaggtgattatgaagccctgg-3'
また、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質として、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質(T.th. RecAタンパク質)を用意し、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質として、ファージT4遺伝子32タンパク質を用意した。更に、DNAポリメラーゼとして、Expand long template enzyme(Roche)を用意した。また、4種類のdNTP、即ち、dATP、dCTP、dGTP及びdTTPを用意し、緩衝液として、Expand long template buffer(Roche)を用意した。
なお、DNAポリメラーゼと、4種類のdNTPと、緩衝液と、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質と、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質とは、核酸増幅用試薬キットとして用意しておくのが便利である。このようなキットを利用すれば、DNAポリメラーゼ、4種類のdNTP、緩衝液、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質、及び、ファージT4遺伝子32タンパク質等の第2タンパク質を混ぜて反応液を作成し、更に、目的に応じた鋳型DNAとプライマーDNAを用意して反応液に加えるだけで、容易にPCRを行うことができるからである。
次に、PCR反応により核酸を増幅させた。具体的には、50μlのPCR反応液中に、0.5μM(最終濃度)のオリゴヌクレオチド1(プライマーDNA1)と、0.5μM(最終濃度)のオリゴヌクレオチド2(プライマーDNA2)と、50 ngのマウスゲノムDNAと、3.75 unitの Expand long template enzyme と、0.2 mMのdNTP混合液と、0.5μgのT.th. RecAタンパク質を、1×Expand long template bufferに混合した。そして、PCR反応を、1サイクル(94℃,30秒間)、30サイクル(94℃,15秒間−60℃,30秒間−68℃,90秒間)、1サイクル(68℃,7分間)で行った。次に、その反応液について1%のアガロースゲルで電気泳動を行い、アガロースゲルをエチジウムブロミドの溶液に浸してゲル中のDNAを染色し、その後、染色されたDNAを写真に記録した。その結果を図2に示す。
レーン1は、上述した反応を行った結果である。即ち、PCR反応液にT.th. RecAタンパク質は加えたが、ファージT4遺伝子32タンパク質は加えていない場合の結果である。なお、図2中下方にレーン番号が示してある。
レーン2は、上記のPCR反応液に、更に 0.25μgのファージT4遺伝子32タンパク質を加えてPCR反応を行った結果である。
レーン3は、上記のPCR反応液に、更に 0.5μgのファージT4遺伝子32タンパク質を加えてPCR反応を行った結果である。
レーン4は、上記のPCR反応液に、更に 0.75μgのファージT4遺伝子32タンパク質を加えてPCR反応を行った結果である。
レーン5は、PCR反応液にT.th. RecAタンパク質は加えずに、0.75μgのファージT4遺伝子32タンパク質を加えてPCR反応を行った結果である。
レーン6は、DNAサイズマーカーとして、EcoT14Iで Lambda DNA を切断したものを電気泳動した結果である。
図2の結果から明らかなように、PCR反応液にファージT4遺伝子32タンパク質を加えずにT.th. RecAタンパク質のみを加えたレーン1では、約 1.6 kbp の所望の核酸(正しい特異的なPCR産物)がほとんど検出されなかった。また、PCR反応液にT.th. RecAタンパク質は加えずにファージT4遺伝子32タンパク質のみを加えたレーン5では、約 1.6 kbp の所望の核酸が僅かに検出された。
これに対し、PCR反応液にT.th. RecAタンパク質とファージT4遺伝子32タンパク質の両方を加えたレーン2〜レーン4では、約 1.6 kbp の所望の核酸が強く検出された。その一方、副産物(非特異的なPCR産物)はほとんど検出されなかった。
このような結果から、T.th. RecAタンパク質を加えただけでは、所望の核酸の増幅効率を十分に向上させることができない場合があることが判る。同様に、ファージT4遺伝子32タンパク質を加えただけでも、所望の核酸の増幅効率を十分に向上させることができない場合があることが判る。これに対し、T.th. RecAタンパク質とファージT4遺伝子32タンパク質を併せて用いることで、副産物の増幅を抑えつつ、所望の核酸の増幅効率を向上させることができることが判る。
以上において、本発明を実施形態を実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施例では、別途抽出し精製したT.th. RecAタンパク質を反応液に加えてPCR反応を行っている。しかしながら、T.th. RecAタンパク質等の第1タンパク質を発現可能なように形質転換した大腸菌等を用意し、これに熱処理を行ったものをT.th. RecAタンパク質等として利用することもできる。つまり、大腸菌等を熱処理して、耐熱性の高いT.th. RecAタンパク質等を残しつつ、その他のタンパク質を失活させて、これをPCRに利用する方法である。特に、大腸菌のゲノムDNAやプラスミドDNAを鋳型DNAとする場合には、T.th. RecAタンパク質等を発現する大腸菌等に熱処理を行うことで、鋳型DNAとT.th. RecAタンパク質を同時に得ることができるので、PCRを行うための作業効率を向上させることができる。
実施例に関し、鋳型DNAとプライマーDNAとの関係について示す説明図である。 実施例に関し、PCR反応物についての電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。

Claims (2)

  1. PCRにより核酸を増幅させる核酸増幅方法であって、
    サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)に由来するRecAタンパク質及びこのRecAタンパク質を改変したタンパク質であってこのRecAタンパク質と類似する機能を有するRecA改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第1タンパク質と、
    ファージT4遺伝子32タンパク質及びこのファージT4遺伝子32タンパク質を改変したタンパク質であってこのファージT4遺伝子32タンパク質と類似する機能を有するファージT4遺伝子32改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第2タンパク質と、
    を反応液中に混合して、PCRを行う
    ことを特徴とする核酸増幅方法。
  2. PCRにより核酸を増幅させるための核酸増幅用試薬キットであって、
    DNAポリメラーゼと、
    4種類のdNTPと、
    緩衝液と、
    サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)のRecAタンパク質及びこのRecAタンパク質を改変したタンパク質であってこのRecAタンパク質と類似する機能を有するRecA改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第1タンパク質と、
    ファージT4遺伝子32タンパク質及びこのファージT4遺伝子32タンパク質を改変したタンパク質であってこのファージT4遺伝子32タンパク質と類似する機能を有するファージT4遺伝子32改変タンパク質の少なくともいずれかを含む第2タンパク質と、
    を備えることを特徴とする核酸増幅用試薬キット。
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