JP2017031300A - エチレン・α−オレフィン・極性基含有アリルモノマー三元共重合体及びその製造方法 - Google Patents

エチレン・α−オレフィン・極性基含有アリルモノマー三元共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラジカル重合等の重合様式では合成困難であった新規な構造を有し種々の応用が可能な高分子量のエチレン・α−オレフィン・極性基含有アリルモノマー三元共重合体、及びその製造方法の提供。【解決手段】式(3)、(4)、及び(5)で示されるモノマーユニットを有する三元共重合体であって、以下の(A)、(B)及び(C)の要件を満たす三元共重合体、及びその製造方法。(A)Mw/Mnが1.5〜4.0である。(B)(Mn)が、10,000〜1,000,000である。(C)エチレンモノマーユニットのモル比l、及びα−オレフィンモノマーユニットのモル比nが、次式の関係を満たす。{l/(l+n)}×100≧60【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン・α−オレフィン・極性基含有アリルモノマー三元共重合体とその製造方法に関する。
非極性モノマーであるエチレンやプロピレンなどのオレフィンと極性基を有するビニルモノマーとの共重合体は広く知られている。特にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、エチレンとビニルアルコールとからなるランダム共重合体であり、エチレンと酢酸ビニルのラジカル共重合で得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することによって合成される。EVOHはその優れたガスバリア性を生かして、食品包装用途など広い分野で使用されている。
ラジカル重合でエチレンを共重合させて得られる共重合体は、バックバイティング反応により短鎖分岐や長鎖分岐が生成することが広く知られている。例えばEVOHの場合、エチレン含有量約30モル%のEVOH中に約1モル%のアルキル分岐と約0.1〜0.2モル%のアセトキシル分岐が存在することが示されている(日本化学学会誌,11,1698(1977))。一般にポリマー鎖中に分岐が多く存在すると、結晶化度の低下などを招き、重合体の物性が変化することが知られている。
アリル基を有するモノマーの重合はビニルモノマーと比べて難しく、その重合体は殆ど知られていない。その主な理由は、アリル基を有するモノマーをラジカル重合させた場合、モノマーへの退化的連鎖移動反応のためポリマーの生長反応が極めて遅く、重合度の低いオリゴマーしか得られなかったためである(Chem. Rev. 58, 808 (1958))。
特開昭58−49792号公報には、炭化水素油組成物として、エチレン・酢酸アリル共重合体、エチレン・酢酸アリル・酢酸ビニル三元共重合体が開示されている。合成方法はラジカル重合法であり、実施例では、極限粘度で0.12dl/g程度の低分子量体が得られている。
ラジカル重合法とは異なり、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒などの配位重合法による極性基モノマーの共重合は、極性基が触媒毒になってしまうため一般の条件では難しい。米国特許第4423196号明細書には、TiCl3型のチーグラー・ナッタ触媒を使用した重合で得られるプロピレンとアリルアルコールの共重合体が開示されている。アリルアルコールに対して等モルの有機アルミニウム化合物を使用し、アルコール部位を有機アルミニウムで保護することにより重合反応を進行させている。分子量分布に関する記述はないものの、アイソタクティック部分が98%であり、分子量分布及び組成分布が広い重合体であると考えられる。
近年進展しつつあるシングルサイト触媒でも、エチレン、プロピレンなどの非極性ビニルモノマーと極性モノマーの重合が試みられている。
第4族金属錯体を用いた触媒は、従来、エチレンやプロピレンなどのモノマーに対して高い重合活性を有することが知られているが、極性基含有モノマーとの共重合も開示されている。第4族元素のメタロセン触媒を使用したエチレンと極性基含有モノマーとの共重合では、極性基含有モノマーの触媒への保護基の役割として、等モル以上の有機アルミニウムを使用する必要があった。その結果として有機アルミニウムへの連鎖移動反応による成長反応の停止が支配的となり、重合体の末端構造は飽和末端結合のみが観測され、β−水素脱離による末端二重結合が観測されなかった。この場合、過剰の有機アルミニウム使用によるコストアップ、極性基含有モノマー濃度を上げられないことにより極性基含有モノマーの共重合率が高くならない点、重合反応後の未反応モノマー回収のコストアップ等につながり、実用化に向けての問題点となっていた。
後周期金属を用いた触媒系では、保護基としての有機アルミニウムを使用せずに、極性基モノマーとの共重合が可能であることが一般に知られている。例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどとエチレンとの共重合の例がある(J. Am. Chem. Soc., 118, 267 (1996)(非特許文献1)、J. Am. Chem. Soc., 129, 8948 (2007)(非特許文献2)、特開2007−046032号公報(特許文献1))。しかしながら、従来、後周期金属を用いた触媒系は、低活性な上に、長時間重合すると重合活性が低下してゆく。また、高価な後周期遷移金属錯体を使用するため触媒コストが高く、工業的な使用には問題点があった。
J. Am. Chem. Soc., 133, 1232 (2011)(非特許文献3)には、周期律表第10族の金属錯体触媒を使用したエチレンと極性基含有アリルモノマーの配位共重合が示されている。ラジカル重合法では得られなかった極性基含有アリルモノマー共重合体を合成しているが、α−オレフィン等の共重合については述べられてはいない。得られた重合体の分子量は、数平均分子量(Mn)で数千〜数万程度であり、フィルム成形性の面で、向上の余地があった。
特開平3−149207号公報(特許文献2)、国際公開第98/58024号パンフレット(特許文献3)には、エチレン、プロピレン、または酢酸アリル共重合体、及びエチレン、プロピレン、及びアリルアルコール共重合体が開示されている。いずれも、エチレンとプロピレンのランダム共重合体に対して、パーオキサイド系ラジカル重合開始剤を使用して、酢酸アリルまたはアリルアルコールをグラフト重合させて合成させている。
独国特許第3410242号明細書(特許文献4)には、エチレン、アリルアルコール、プロピレン、ホルムアルデヒドをモノマー成分とする重合体の製造方法が記載されており、主鎖構造にホルムアルデヒド由来のアセタール骨格を有するポリエーテル系の重合体が示されている。
以上のように、これまでにエチレン、α−オレフィン、及び極性基含有アリル化合物をそれぞれの二重結合部位でランダムに重合させて、エチレン・α−オレフィン・極性基含有アリル化合物の三元共重合体を製造している技術事例はない。
特開2007−046032号公報 特開平3−149207号公報 国際公開第98/058024号パンフレット 独国特許発明第3410242号明細書
J. Am. Chem. Soc., 118, 267 (1996) J. Am. Chem. Soc., 129, 8948 (2007) J. Am. Chem. Soc., 133, 1232 (2011)
本発明の課題は、ラジカル重合等他の重合様式では合成困難と考えられてきた、新規な構造を有し種々の応用が可能な高分子量のエチレン・α−オレフィン・極性基含有アリルモノマー三元共重合体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来のラジカル重合法や前周期遷移金属触媒とは異なり、周期律表第10族金属錯体を触媒成分としてエチレン、極性基含有アリルモノマー、α−オレフィンを共重合することにより、新規な構造を有し、種々の応用が可能な新規の極性基含有アリルモノマー三元共重合体が提供可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[7]に関する。
[1] 一般式(3)、一般式(4)、及び一般式(5)
(式中、R1は、−OH、−OCOR3(R3は炭素原子数1〜5の炭化水素基を表す。)、−N(R172(R17は水素原子、炭素原子数1〜5の炭化水素基、炭素原子数6〜18の芳香族残基、または−COOR18(R18は炭素原子数1〜10の炭化水素基、または炭素原子数6〜10の芳香族残基を表す。)を表し、2つのR17は同じでも異なっていてもよい。)、またはハロゲン原子を表す。R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。l、m、及びnはそれぞれのモノマーユニットのモル比を表す数値である。)
で示されるモノマーユニットを有する三元共重合体であって、以下の(A)、(B)及び(C)の要件を満たすことを特徴とする三元共重合体:
(A)ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5〜4.0である、
(B)ポリスチレン換算での数平均分子量(Mn)が、10,000〜1,000,000である、
(C)一般式(3)で示されるエチレンモノマーユニットのモル比l、及び一般式(5)で示されるα−オレフィンモノマーユニットのモル比nが、次式:
{l/(l+n)}×100≧60 の関係を満たす。
[2] さらに、以下の(D)及び(E)の要件を満たす前項1に記載の三元共重合体:
(D)主鎖のいずれかの片末端あるいは内部に炭素−炭素二重結合を持つ構造を有する、
(E)炭素原子数2以上の分岐構造が、主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり1個以下である。ただし、ここでの炭素原子数2以上の分岐構造には、一般式(4)及び一般式(5)で示されるモノマーユニットに由来する側鎖構造は含まない。
[3] 一般式(4)のR1が−O−COCH3または−OHである前項1または2に記載の共重合体。
[4] 一般式(5)のR2で示される炭素原子数1〜20の炭化水素基が、n−ブチル基、n−ヘキシル基またはn−オクチル基である前項1〜3のいずれかに記載の三元共重合体。
[5] 一般式(C1)
(式中、Mは周期律表第10族の金属原子を表し、Xはリン原子(P)または砒素原子(As)を表し、R5は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基、炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数7〜30の炭化水素基、炭素数2〜10のアミド基で置換された炭素数3〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素数2〜10のアシロキシ基からなる群より選ばれる置換基を表し、R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基、及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R6とR7は結合して環構造を形成してもよい。4個のR8はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数6〜18のアリールオキシ基、またはハロゲン原子を表し、同じであっても異なっていてもよい。また、Lは電子供与性配位子を表し、qは0、1/2、1または2である。)
で示される金属錯体を触媒として使用し、エチレン、一般式(1)
(式中、R1は、−OH、−OCOR3(R3は炭素原子数1〜5の炭化水素基を表す。)、−N(R172(R17は水素原子、炭素原子数1〜5の炭化水素基、炭素原子数6〜18の芳香族残基、または−COOR18(R18は炭素原子数1〜10の炭化水素基、または炭素原子数6〜10の芳香族残基を表す。)を表し、2つのR17は同じでも異なっていてもよい。)、またはハロゲン原子を表す。)で示される極性基含有アリル化合物、及び一般式(2)
(式中、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
で示されるα−オレフィンを共重合させることを特徴とする一般式(3)、一般式(4)、及び一般式(5)
(式中、l、m、及びnはそれぞれのモノマーユニットのモル比を表す数値であり、R1及びR2は、上記と同様の意味を表す。)
で示されるモノマーユニットを有し、
(C)一般式(3)で示されるエチレンモノマーユニットのモル比l、及び一般式(5)で示されるα−オレフィンモノマーユニットのモル比nが、次式:
{l/(l+n)}×100≧60
の関係を満たす三元共重合体の製造方法。
[6] 一般式(C1)中、R6及びR7のうち少なくとも一方が、一般式(6)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭素原子数1〜14のアルキレン基を表し、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R9及びR10の少なくとも一方は、水素原子ではなく、R9、R10、R11及び前記アルキレン基Rは、それぞれで結合して、環構造を形成してもよい。なお、式中では、炭素原子と一般式(C1)におけるXとの結合も表記している。)で示されるシクロアルキル基である前項5に記載の三元共重合体の製造方法。
[7] 一般式(C1)中、R6またはR7の少なくとも一方が下記式(7)
(式中、炭素原子とXとの結合も表記しており、Xは一般式(C1)の記載と同じ意味を表す。)
で示される2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル基(メンチル基)である前項6に記載の三元共重合体の製造方法。
周期律表第10族の金属錯体を触媒成分として、極性基含有アリルモノマーとエチレンとα−オレフィンを共重合させる本発明の方法により、従来困難であった高分子量の極性基含有アリルモノマーユニットを含む、エチレン・α−オレフィン・極性基含有アリルモノマー三元共重合体を得ることができる。なお、本明細書においては、「極性基含有アリルモノマー三元共重合体」は、その他のモノマーユニットをマイナー成分として含む四元系などの共重合体をも含む。
本発明のエチレン・α−オレフィン・極性基含有アリルモノマー三元共重合体は、以下の好ましい特徴を有する。
(i)従来のラジカル重合で得られる分岐を有する構造ではなく、主鎖のポリメチレン構造が直鎖状の構造を有する。この構造により高い結晶性が実現され、その結果、優れた機械強度などの諸物性が実現する。さらに、ポリマーに取り込まれたα−オレフィン由来の分岐構造が存在することで、結晶性や柔軟性を制御することが可能となり、用途に応じて成形性を制御することできるようになる。
(ii)重合体の主鎖の末端あるいは内部構造に二重結合を有する。この二重結合を利用することにより必要な官能基修飾、ブロック共重合体化、星状ポリマー化などが可能となる。
(iii)また、高価な後周期遷移金属錯体を主成分としつつも、活性の向上と触媒寿命の飛躍的な向上により触媒コストを大幅に抑制することができる。
共重合体の分岐構造を解析するための13C−NMRの3級炭素原子のケミカルシフト値の説明図。 共重合体1(実施例1)の13C−NMRスペクトル図。 共重合体1の13C−NMRスペクトル図の10〜70ppm拡大図。 共重合体2(実施例2)の13C−NMRスペクトル図。 共重合体2の13C−NMRスペクトル図の10〜70ppm拡大図。
1.極性基含有アリルモノマー三元共重合体の製造
本発明の極性基含有アリルモノマー共重合体は、エチレン、前記一般式(1)及び一般式(2)で示される化合物及び必要に応じて使用してもよいその他のモノマーを後述の触媒の存在下で共重合することにより得ることができる。
[モノマー]
エチレンは特に限定なく通常の純度のものを使用することができる。重合時は液化してもよいし、ガス状態であってもよい。
本発明の共重合体の製造方法に用いられる、エチレンと共重合させる第1のコモノマーである極性基含有アリル化合物は、一般式(1)で示される。
式中、R1は、−OH、−OCOR3(R3は炭素原子数1〜5の炭化水素基を表す。)、−N(R172(R17は水素原子、炭素原子数1〜5の炭化水素基、炭素原子数6〜18の芳香族残基、または−COOR18(R18は炭素原子数1〜10の炭化水素基、または炭素原子数6〜10の芳香族残基を表す。)を表し、2つのR17は同じでも異なっていてもよい。)、またはハロゲン原子を表す。
1としては、−OH、OCOR3が好ましい。R3は炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。R17は水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、またはフェニル基が好ましい。−COOR18のR18としては炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、フェニル基、ベンジル基などが好ましい。R2のハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子が好ましい。
一般式(1)で示される極性基含有アリル化合物の具体例としては、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルアミン、N−アリルアニリン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアミン、N−ベンジルオキシカルボニル−N−アリルアミン、N−ベンジル−N−アリルアミン、塩化アリル、臭化アリルが挙げられる。これらの中でも特に、酢酸アリル、アリルアルコールが好ましい。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の共重合体の製造方法に用いられる第2のコモノマーであるα−オレフィンは、一般式(2)で示される。
式中、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。
2としては炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数4〜8のアルキル基がより好ましく、n−ブチル基、n−ヘキシル基、またはn−オクチル基がさらに好ましい。
一般式(2)で示されるα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。この中で、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンが好ましい。これらは2種以上を組み合わせて重合させてもよい。
また、エチレン、一般式(1)、一般式(2)で示される化合物(コモノマー)に加えて、その他のモノマーを共重合することも可能である。
その他のモノマーとして、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、一酸化炭素、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどが挙げられる。
本発明の共重合体の製造方法において、エチレンと共重合させる一般式(1)で示される極性基含有アリル化合物及び一般式(2)で示されるα−オレフィンの組み合わせとしては、酢酸アリルとプロピレン、酢酸アリルと1−ブテン、酢酸アリルと1−ペンテン、酢酸アリルと1−ヘキセン、酢酸アリルと1−ヘプテン、酢酸アリルと1−オクテン、酢酸アリルと1−ノネン、酢酸アリルと1−デセン、アリルアルコールとプロピレン、アリルアルコールと1−ブテン、アリルアルコールと1−ペンテン、アリルアルコールと1−ヘキセン、アリルアルコールと1−ヘプテン、アリルアルコールと1−オクテン、アリルアルコールと1−ノネン、アリルアルコールと1−デセン、塩化アリルとプロピレン、塩化アリルと1−ブテン、塩化アリルと1−ペンテン、塩化アリルと1−ヘキセン、塩化アリルと1−ヘプテン、塩化アリルと1−オクテン、塩化アリルと1−ノネン、塩化アリルと1−デセン、臭化アリルとプロピレン、臭化アリルと1−ブテン、臭化アリルと1−ペンテン、臭化アリルと1−ヘキセン、臭化アリルと1−ヘプテン、臭化アリルと1−オクテン、臭化アリルと1−ノネン、臭化アリルと1−デセン、アリルアミンとプロピレン、アリルアミンと1−ブテン、アリルアミンと1−ペンテン、アリルアミンと1−ヘキセン、アリルアミンと1−ヘプテン、アリルアミンと1−オクテン、アリルアミンと1−ノネン、アリルアミンと1−デセン、N−アリルアニリンとプロピレン、N−アリルアニリンと1−ブテン、N−アリルアニリンと1−ペンテン、N−アリルアニリンと1−ヘキセン、N−アリルアニリンと1−ヘプテン、N−アリルアニリンと1−オクテン、N−アリルアニリンと1−ノネン、N−アリルアニリンと1−デセン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンとプロピレン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンと1−ブテン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンと1−ペンテン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンと1−ヘキセン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンと1−ヘプテン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンと1−オクテン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンと1−ノネン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアニリンと1−デセン、N−ベンジル−N−アリルアミンとプロピレン、N−ベンジル−N−アリルアミンと1−ブテン、N−ベンジル−N−アリルアミンと1−ペンテン、N−ベンジル−N−アリルアミンと1−ヘキセン、N−ベンジル−N−アリルアミンと1−ヘプテン、N−ベンジル−N−アリルアミンと1−オクテン、N−ベンジル−N−アリルアミンと1−ノネン、N−ベンジル−N−アリルアミンと1−デセンなどが挙げられる。これらの中でも重合体の性能と経済性の面で、酢酸アリルとプロピレン、酢酸アリルと1−ヘキセン、アリルアルコールとプロピレン、アリルアルコールと1−ヘキセンが特に好ましい。
[触媒]
本発明で使用する周期表第10族金属錯体からなる触媒は、下記一般式(C1)で示される。
式中、Mは周期律表第10族の金属原子を表す。Xはリン(P)原子または砒素原子(As)を表す。R5は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基、炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数7〜30の炭化水素基、炭素数2〜10のアミド基で置換された炭素数3〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素数2〜10のアシロキシ基からなる群より選ばれる置換基を表す。R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基、及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。R6とR7は結合して環構造を形成してもよい。4個のR8はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数6〜18のアリールオキシ基、またはハロゲン原子を表し、M、R5、R6、R7、L及びqは一般式(C1)と同じ意味を表す。
Lは電子供与性配位子を表し、qは0、1/2、1または2である。また、本明細書では「炭化水素」は飽和、不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素を含む。
以下、一般式(C1)の構造について説明する。
Mは周期律表第10族の元素を表す。周期律表第10族の元素としては、Ni、Pd、Ptが挙げられるが、触媒活性や得られる分子量の観点からNi及びPdが好ましく、Pdがより好ましい。
Xはリン原子(P)または砒素原子(As)であり、Mに2電子配位している。Xとしては入手が容易であることと触媒コストの面からPが好ましい。
5は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基、炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数7〜30の炭化水素基、炭素数2〜10のアミド基で置換された炭素数3〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素数2〜10のアシロキシ基からなる群より選ばれる置換基を表す。なお、R5において、種々の基で置換された炭化水素基の炭素数は当該置換基の炭素数を含む数である。R6〜R8についても同様である。
5が表すハロゲン原子の好ましい具体例は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子である。これらの中で、塩素原子が好ましい。
5が表す炭素数1〜30の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜13の炭化水素基である。好ましい炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、あるいはアリール基である。好ましい具体例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、イソブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、5−デシル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、及びp−エチルフェニル基などが挙げられる。
これらの中で、さらに好ましい置換基は、メチル基、ベンジル基であり、特にメチル基が好ましい。
5が表すハロゲン原子で置換された炭素数1〜30の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜30の炭化水素基をフッ素原子、塩素原子、または臭素原子で置換した置換基であり、具体的に好ましい例として、トリフルオロメチル基またはペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
5が表す炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜30の炭化水素基をメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、またはt−ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭化水素基である。さらに好ましくはメトキシ基またはエトキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基、1−(メトキシエチル)エチル基、1−(エトキシエチル)エチル基、ジ(メトキシメチル)メチル基、ジ(エトキシメチル)メチル基、ジ(フェノキシメチル)メチル基が挙げられる。特に好ましくは、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基である。
5が表す炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数7〜30の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜30の炭化水素基をフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジーt−ブチルフェノキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換した炭化水素基である。さらに好ましくはフェノキシ基または2,6−ジメチルフェノキシ基で置換された炭素数7〜30の炭化水素基であり、特に好ましくは、1−(フェノキシメチル)エチル基、または1−(2,6−ジメチルフェノキシ基メチル)エチル基である。
5が表す炭素数2〜10のアミド基で置換された炭素数3〜30の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜30の炭化水素基をアセトアミド基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、ヴァレリルアミノ基、イソヴァレリルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基で置換した置換基である。さらに好ましくは2−アセトアミドフェニル基、2−プロピオニルアミノフェニル基、2−ヴァレリルアミノフェニル基、2−ベンゾイルフェニル基であり、特に好ましくは、2−アセトアミドフェニル基である。
5が表すアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基である。好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。これらの中で、さらに好ましい置換基は、メトキシ基、エトキシ基、またはイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
5が表す炭素数6〜30のアリールオキシ基は、好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基である。好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。これらの中で、さらに好ましい置換基としては、フェノキシ基、または2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基である。
5が表す炭素数2〜10のアシロキシ基は、好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基である。好ましい具体例は、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ヴァレリルオキシ基、イソヴァレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
これらの中で、さらに好ましい置換基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基であり、特に好ましくは、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基である。
これらのR5として好ましい群のうち、さらに好ましくは、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基である。特に好ましい具体例は、メチル基、ベンジル基、メトキシ基、2−アセトアミドフェニル基、アセチルオキシ基が挙げられる。
6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基、及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。アルコキシ基としては炭素原子数1〜20のものが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。アリールオキシ基としては炭素原子数6〜24のものが好ましく、フェノキシ基などが挙げられる。シリル基としてはトリメチルシリル基、アミノ基としてはアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基などが挙げられる。R6及びR7のハロゲン原子、アルコキシ基、及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基における、炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、フリル基などが挙げられる。ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基における、アルコキシ基、アリールオキシ基の具体例としてはR5で示したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン原子はフッ素原子が好ましい。特に触媒活性の観点から、アルキル基及びアリール基が好ましい。
なお、R6とR7は同じでも、異なっていてもよい。また、R6とR7は結合して環構造を形成してもよい。
4個のR8はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数6〜18のアリールオキシ基、またはハロゲン原子を表し、同じであっても異なっていてもよい。炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基が挙げられる。炭素原子数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。これらの中では水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
電子供与性配位子(L)は、電子供与性基を有し、金属原子Mに配位して金属錯体を安定化させることのできる化合物である。
電子供与性配位子(L)としては、硫黄原子を有するものとしてジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。窒素原子を有するものとして、アルキル基の炭素原子数1〜10のトリアルキルアミン、アルキル基の炭素原子数1〜10のジアルキルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン(別名:2,6−ルチジン)、アニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、アセトニトリル、ベンゾニトリル、キノリン、2−メチルキノリンなどが挙げられる。酸素原子を有するものとして、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンが挙げられる。金属錯体の安定性及び触媒活性の観点から、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン(別名:2,6−ルチジン)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)が好ましく、ジメチルスルホキシド(DMSO)、2,6−ジメチルピリジン(別名:2,6−ルチジン)がより好ましい。
qは0、1/2、1または2である。一般式(C1)の金属錯体を単離する場合、予め電子供与性配位子(L)を配位させて安定化させたものを用いることもできる。この場合、qは1/2、1または2となる。qが1/2とは1つの2価の電子供与性配位子が2つの金属錯体に配位していることを意味する。qは金属錯体触媒を安定化する意味で1/2または1が好ましい。なお、qが0の場合は配位子がないことを意味する。
XがP(リン原子)の場合、[(R6)(R7)P]部位としては、具体的に以下の構造が挙げられる。なお、下記の構造式ではPとM及びY1との結合は省略している。
6及びR7の構造例として、生成する三元共重合体の分子量の観点から、R6及びR7の少なくとも一方が、一般式(6)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭素原子数1〜14のアルキレン基を表し、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R9及びR10の少なくとも一方は、水素原子ではなく、R9、R10、R11及び前記アルキレン基Rは、それぞれで結合して、環構造を形成してもよい。なお、式中では、炭素原子と一般式(C1)におけるXとの結合も表記している。)で示されるシクロアルキル基であることが好ましい。さらには、R6及びR7は、合成の容易さから双方とも前記一般式(6)で示されるシクロアルキル基であることが特に好ましい。
一般式(6)において、Rは置換基を有してもよい炭素原子数1〜14のアルキレン基を表す。R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R9及びR10のうち少なくとも一方は、水素原子でない。この水素原子でない置換基R9またはR10が、重合反応中のβ−水素脱離によるポリマーの連鎖移動を抑制して、得られる重合体の分子量を向上させると考えられる。R9、R10及びR11が表すアルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基の具体例として、前記のR6及びR7の具体例と同様のものが挙げられる。R9、R10及びR11は、同じでも異なっていてもよい。R9、R10、R11及び前記アルキレン基Rは、それぞれで結合して、環構造を形成してもよい。前記アルキレン基Rは、炭素原子数が2〜6であるものが好ましく、炭素原子数が4であるものがより好ましい。
9またはR10の少なくとも一方は、炭素原子数1〜6のアルキル基または炭素原子数3〜8のシクロアルキル基であることが好ましい。さらにR9、R10は少なくとも一方がイソプロピル基であることが好ましい。
以下、R6またはR7が一般式(6)で示される場合のX−R6またはX−R7部位の具体例を挙げる。なお、Meはメチル基を表し、XとM、Xと一般式(C1)のベンゼン環との結合は省略している。

これらの中で、R6またはR7は下記式(7)
(式中、Xは前記と同じ意味を表す。)
で示されるメンチル基が好ましい。さらにR6及びR7は双方ともメンチル基であることがより好ましい。
一般式(C1)で示される触媒の金属錯体は、公知の文献(例えば、非特許文献3;J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 8948)に従って合成することができる。すなわち、0価あるいは2価のMソースと下記一般式(C1−1)
(式中の記号は前記と同じ意味を表す。)
で示される配位子前駆体とを反応させて金属錯体を合成することができる。配位子前駆体(C1−1)とMソース(M)との比率((C1−1)/M)は、0.5〜2.0の範囲で、さらには、1.0〜1.5の範囲で選択することが好ましい。
0価のMソースは、パラジウムソースとして、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが挙げられ、ニッケルソースとして、テトラカルボニルニッケル(0):Ni(CO)4、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルが挙げられる。
2価のMソースは、パラジウムソースとして、(1,5−シクロオクタジエン)(メチル)塩化パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム:PdCl2(CH3CN)2、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム:PdCl2(PhCN)2、(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)ジクロロパラジウム(II):PdCl2(TMEDA)、(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)ジメチルパラジウム(II):PdMe2(TMEDA)、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II):Pd(acac)2、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム(II):Pd(OCOCF32が、ニッケルソースとして、(アリル)塩化ニッケル、(アリル)臭化ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II):Ni(acac)2、(1,2−ジメトキシエタン)ジクロロニッケル(II):NiCl2(DME)、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II):Ni(OSO2CF32が挙げられる。
一般式(C1)で示される金属錯体は、単離して使用することができるが、錯体を単離することなくMを含む金属ソースと配位子前駆体を反応系中で接触させて、これをそのまま(in situ)重合に供することもできる。特に一般式(C1)のR5が水素原子の場合、0価のMを含む金属ソースと配位子前駆体とを反応させた後、錯体を単離することなくそのまま重合に供することが好ましい。
一般式(C1)で示される金属錯体は、担体に担持して重合に使用することもできる。この場合の担体は、特に限定されないが、シリカゲル、アルミナなどの無機担体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機担体などを挙げることができる。金属錯体の担持法としては、金属錯体の溶液を担体に含浸させて乾燥する物理的な吸着方法や、金属錯体と担体とを化学的に結合させて担持する方法などが挙げられる。
[重合方法]
本発明の共重合体の製造方法において、エチレン、一般式(1)及び一般式(2)で示されるモノマーの重合方法は特に制限されるものではなく、一般に使用される方法で重合可能である。すなわち、溶液重合法、懸濁重合法、気相重合法などのプロセス法が可能であるが、特に溶液重合法、懸濁重合法が好ましい。また重合様式は、バッチ様式でも連続様式でも可能である。また、一段重合でも、多段重合でも行うこともできる。
一般式(C1)で示される金属錯体触媒は2種類以上を混合して重合反応に使用してもよい。混合して使用することで重合体の分子量、分子量分布、一般式(3)、一般式(4)及び一般式(5)で示されるモノマーユニットの含有量を制御することが可能であり、所望の用途に適した重合体を得ることができる。一般式(C1)で示される金属錯体触媒とモノマーの総量のモル比は、モノマー/金属錯体の比で、1〜10,000,000の範囲、好ましくは10〜1,000,000の範囲、より好ましくは100〜100,000の範囲が用いられる。
重合温度は、特に限定されない。通常−30〜300℃の範囲で行われ、好ましくは0〜200℃、より好ましくは20〜150℃の範囲で行われる。
エチレンの分圧が内部圧力の大半を占める重合圧力については、常圧から200MPaの範囲内、好ましくは常圧から100MPaの範囲内、より好ましくは常圧から30MPaの範囲内で行われる。
重合時間は、プロセス様式や触媒の重合活性などにより適宜調整することができ、数分の短い時間も、数千時間の長い反応時間も可能である。
重合系中の雰囲気は触媒の活性低下を防ぐため、モノマー以外の空気、酸素、水分などが混入しないように窒素ガスやアルゴンなどの不活性ガスで満たすことが好ましい。また、溶液重合の場合、モノマー以外に不活性溶媒を使用することが可能である。不活性溶媒は、特に限定されないが、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチルなどの脂肪族エステル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどの芳香族エステルなどが挙げられる。
重合反応終了後、生成物である共重合体は、公知の操作、処理方法(例えば、中和、溶媒抽出、水洗、分液、溶媒留去、再沈殿など)により後処理し単離される。
共重合体は、通常の熱可塑性樹脂の条件で、ペレット状、フィルム状、シート状などに成形することができる。
得られた共重合体は、射出成形、押出し成形、フィルム成形などの成形により、それ自体で製品にすることができる。あるいは、ポリオレフィンなどに添加して接着性、印刷性など表面特性の改質剤、無極性なポリオレフィンと極性の高い他の樹脂との相溶化剤、顔料などの分散剤として使用することができる。あるいは、塗料やインキ、接着剤、バインダー、可塑剤、滑剤、潤滑油、界面活性剤などの用途も挙げることができる。
2.極性基含有アリルモノマー共重合体
本発明の極性基含有アリルモノマー共重合体は、一般式(3)、一般式(4)、及び一般式(5)
(式中、l、m、及びnはそれぞれのモノマーユニットのモル比を表す数値であり、R1及びR2は、上記と同様の意味を表す。)
で示されるモノマーユニットを有する極性基含有アリルモノマー三元共重合体であって、以下の(A)、(B)、及び(C)の要件を満たすことを特徴とする。また、(D)及び(E)、さらに(F)の要件を満たすことがより好ましい。
(A)ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5〜4.0である。
(B)ポリスチレン換算での数平均分子量(Mn)が、10,000〜1,000,000である。
(C)一般式(3)で示されるエチレンモノマーユニットのモル比l、及び一般式(5)で示されるα−オレフィンモノマーユニットのモル比nが、次式:
{l/(l+n)}×100≧60 の関係を満たす。
(D)主鎖のいずれかの片末端あるいは内部に炭素−炭素二重結合を持つ構造を有する。
(E)炭素原子数2以上の分岐構造が、主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり1個以下である。ただし、ここでの炭素原子数2以上の分岐構造には、一般式(4)及び一般式(5)で示されるモノマーユニットに由来する側鎖構造は含まない。また、第4のモノマーであるその他のモノマーを含むときは当該モノマーユニットに由来する側鎖構造も含まない。
(F)一般式(3)で示されるエチレンモノマーユニットのモル比l、一般式(4)で示される極性基含有アリルモノマーユニットのモル比m、及び一般式(5)で示されるα−オレフィンモノマーユニットのモル比nが、次式:
0.1≦{m/(l+m+n)}×100≦20 の関係を満たす。
以下、要件(A)〜(F)について説明する。
[要件(A)]
本発明の極性基含有アリルモノマー三元共重合体は、ポリスチレン換算での分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0である。好ましくは、1.5〜3.0であり、さらに好ましくは1.7〜2.2である。Mw/Mnが1.5未満であると成形性が劣る。4.0を超えると低分子量成分の割合が増加し、強度の低下につながる。分子量分布が狭いことで、低分子量成分あるいは高分子量成分がカットされ、一般的に重合体の物性面に良い影響を与えることができる。さらに、物性バランスをとるための分子量分布のコントロールも容易となる。ポリスチレン換算での平均分子量(Mw、Mn)は後述のサイズ排除クロマトグラフィー装置によって測定される値である。
[要件(B)]
本発明の極性基含有アリルモノマー三元共重合体は、ポリスチレン換算での数平均分子量(Mn)が、10,000〜1,000,000である。好ましくは、100,000〜800,000であり、より好ましくは300,000〜500,000である。数平均分子量(Mn)が、10,000未満であると強度が不十分であり、1,000,000を超えると成形性が劣る。
[要件(C)]
一般式(3)で示されるエチレンモノマーユニットのモル比l、及び一般式(5)で示されるα−オレフィンモノマーユニットのモル比nは、次式:
{l/(l+n)}×100≧60 の関係を満たす。
すなわち、エチレンに由来するモノマーユニットが、α−オレフィンモノマーユニットとの合計に対して60モル%以上となる。好ましくは80.0〜99.9モル%、より好ましくは90.0〜99.7モル%、さらに好ましくは99.0〜99.7モル%である。α−オレフィンモノマーユニットは融点を低下させ、成形性を改良する効果がある。多すぎると耐熱性の低下につながる。少ないと融点降下が小さく、成形性改良の効果が小さい。
[要件(D)]
本発明のポリマーの末端構造は、主鎖の構造とは異なる。末端構造は、重合の開始時にできる開始端と重合の停止時にできる停止端とに分けて考えることができる。開始端は、金属−水素原子間の結合あるいは金属−アルキル基間の結合にオレフィンが挿入してできるため飽和結合となるが、停止端はその反応機構により飽和結合の場合と不飽和結合の場合に分類される。反応系中に有機アルミニウムのようなアルキル基を持つ連鎖移動剤を使用する場合、分子鎖がアルミニウム原子に連鎖移動し、反応を停止させることで、飽和末端となることが報告されている。3塩化チタン系のチーグラー・ナッタ触媒や周期律表第4族元素の金属錯体を触媒に用いる場合、極性基含有アリル化合物を共重合させるために有機アルミニウムを使用するため、末端構造が飽和結合となり、ポリマー主鎖中には二重結合が存在しない。一方、本発明の製造方法に用いる触媒においては有機アルミニウムを使用しないため、ポリマー鎖生長はβ水素脱離機構により停止する。すなわち、エチレンが挿入した後にβ水素脱離により末端二重結合(ビニル基;下記式(a))となる場合と、α−オレフィンが挿入した後にβ水素脱離によりメチリデン(下記式(b))となる場合または内部二重結合(ビニレン基;下記式(c))となる場合がある。これら二重結合を有する構造は、13C−NMRによって決定することができ、本発明の三元共重合体の主鎖構造中には、メチリデンは観測されず、末端二重結合または内部二重結合が観測された。なお、本発明での内部二重結合は、ポリマー鎖末端から下記式(c)のようにR2の炭素数分だけ末端から離れているものである。また、末端に一般式(1)のモノマーが挿入される場合にはR2が−CH2−R1となる。
式中、R2は、一般式(2)におけるR2と同様の意味を表し、Polymerはポリマー鎖を表す。
不飽和二重結合は、共重合体の13C−NMR解析により確認することが可能である。この不飽和結合は、反応性に富み、官能基修飾、ブロック共重合体化、星状ポリマー化などが可能となるため、本発明の共重合体は極めて有用である。
[要件(E)]
ポリマー鎖構造は、一般に直鎖状構造と分岐構造とが知られている。ラジカル重合法によって得られるエチレン系ポリマーは、バックバイティング機構により分岐状の構造体が得られることが知られている。分岐構造としてはバックバイティングによる炭素数5以下の短鎖分岐、主鎖に発生したラジカルを開始点とする長鎖分岐が存在する。一方、本発明の触媒系で得られる共重合体の構造は長鎖分岐が非常に少ない直鎖状である。本発明の共重合体では分岐が主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり1個以下である。ここで炭素原子1,000個あたりの分岐の数は、炭素数2以上の分岐が結合している主鎖の3級炭素の数を13C−NMRで測定することにより計算することができる。なお、本発明では、分岐は炭素原子数2以上のものを表すが、モノマーの側鎖は本発明の分岐にはカウントしない。例えば、第三のモノマーとして1−ヘキセンが共重合されている場合、n−ブチル基が側鎖となるが、これは分岐とはしない。
[要件(F)]
一般式(2)で示される極性基含有アリル化合物に由来する一般式(4)で示される極性基含有アリルモノマーユニットの含有量(モル%=m/(l+m+n)×100)に関して、特に制限はないが、次式:
0.1≦{m/(l+m+n)}×100≦20 の関係を満たすことが好ましい。
すなわち、一般式(4)で示される極性基含有アリルモノマーユニットの含有量は、0.1〜2.0%が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜15%であり、特に好ましくは、1.0〜10%である。
また、一般式(3)、一般式(4)、及び一般式(5)で示される化合物モノマーユニット以外にその他のモノマーが共重合されていてもよい。すなわち、本発明の共重合体のモノマー成分は3つに限定されない。その他のモノマーとしては、スチレン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、一酸化炭素、あるいは、アリルモノマー以外の極性基含有モノマーを挙げることができる。アリルモノマー以外の極性基含有モノマーとして、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテルなどを挙げることができる。
本発明の共重合体は、一般式(4)のモノマーユニットが持つ官能基の反応性を利用して、種々の重合体に変換が可能である。例えば、R1が水酸基であれば、その第1級水酸基をハロゲンに置換して、リビングラジカル重合の開始点とし、種々の極性基含有モノマーをラジカル重合によってグラフト重合することにより、2種類以上のポリマーが結合するグラフトポリマーの生成も可能である。この場合のラジカル重合可能なモノマーとして、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレンなどを例示できる。
エチレンやα−オレフィンと酢酸アリルとの三元共重合体は、ケン化することにより、アリルアルコールの共重合体に変換することができる。部分ケン化すればエチレン、α−オレフィン、アリルアルコール、酢酸アリルの四元共重合体となる。エチレンやα−オレフィンとN−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアミンとの共重合体は、酸性条件下加水分解することにより、アリルアミンあるいはアリルアンモニウム塩の共重合体に変換することができる。部分ケン化すればエチレン、α−オレフィン、アリルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−アリルアミンの四元共重合体となる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
[重合体の構造の解析方法]
実施例で得た共重合体の構造は、日本電子(株)製JNM−ECS400を用いた各種NMR解析により決定した。一般式(4)で示されるモノマーユニットの含有率と共重合体末端構造は、溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタン-d4を使用した120℃における1H及び13C−NMRによって決定した。
分岐構造は、13C−NMRの3級炭素原子のスペクトルにより判断することができる。すなわち、酢酸アリル分岐の炭素原子(図1中の炭素原子dに相当)は37.9ppmに現れるのに対して、ポリマー主鎖の分岐がある場合、3級炭素原子(分岐根元の炭素原子)のケミカルシフト値は、38.1〜39ppm付近に現れるので、両者を区別することができる。なお、3級炭素原子(分岐根元の炭素原子)のケミカルシフト値は、炭素原子数1の短鎖分岐で33.1ppm、炭素原子数2から炭素原子数5の短鎖分岐及び炭素原子数6以上の長鎖分岐で38.2〜39ppm付近に現れる(Macromolecules 1999, 32, 1620-1625)。また、一般式(2)のα−オレフィンとして1−ヘキセンが取り込まれた場合、炭素原子数4の分岐側鎖構造が生成する。このとき、3級炭素原子(分岐根元の炭素原子)のケミカルシフト値は38.1ppm付近に現れ、側鎖のn−ブチル基のケミカルシフト値はそれぞれ34.1、29.2、23.4、14.2ppm付近に現れるので、炭素原子数2以上の分岐構造と1−ヘキセンに由来する炭素原子数4の分岐側鎖を区別することができる。
末端構造についても同様に、13C−NMRあるいは1H−NMRで構造を解析することができる。特に末端二重結合(ビニル基)を有する場合、13C−NMRスペクトルで114ppm及び139ppmにスペクトルが現れ、内部二重結合(ビニレン基)を有する場合、13C−NMRスペクトルで125ppmにスペクトルが現れ、10〜40ppmに現れる飽和末端構造を区別することができる(Chem. Commun. 2002, 744-745)。
数平均分子量及び重量平均分子量は、昭和電工(株)製AT−806MSカラム(2本直列)を備えた東ソー(株)製高温GPC装置、HLC−8121GPC/HTを用い、ポリスチレンを分子量の標準物質とするサイズ排除クロマトグラフィー(溶媒:1,2−ジクロロベンゼン、温度:145℃)により算出した。
共重合体の融点は、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製X−DSC7000示差走査熱量測定装置を使用して測定した。粉末状のサンプル3mg程度をアルミパンに詰め、30℃から一旦200℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で20℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温することにより融解曲線を得た。融解曲線を得るために行った最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点とした。
[金属錯体触媒1の合成]
下記の反応スキームに従って金属錯体触媒1を合成した。
(a)塩化メンチル(化合物1a)の合成
文献(J. Org. Chem., 17, 1116. (1952))記載の手法で、塩化メンチル(化合物1a)の合成を行った。すなわち、塩化亜鉛(77g、0.56mol)の37%塩酸(52mL、0.63mol)溶液に、(−)−メントール(27g、0.17mol)を加え、35℃に加熱しながら、5時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液にヘキサン(50mL)を加え、分液漏斗を使用して、有機層と水層を分離した。有機層は水(30mL×1)で洗浄後、さらに濃硫酸(10mL×5)及び水(30mL×5)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行い、塩化メンチル(化合物1a)を無色の油状物質として得た。収量は27g(収率91%)であった。
(b)塩化ジメンチルホスフィン(化合物1c)の合成
文献(Journal fur Praktische Chemie, 322, 485. (1980))記載の手法で、塩化ジメンチルホスフィン(化合物1c)の合成を行った。すなわち、アルゴン雰囲気下、塩化メンチル(化合物1a;2.6g、15mmol)とマグネシウム(0.63g、26mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(30mL)中で、70℃に加熱しながら反応させて得られた塩化メンチルマグネシウム(化合物1b)の溶液を、三塩化リン(0.63mL、7.2mmol)のTHF(30mL)溶液に−78℃で加えた。室温まで昇温後、70℃に加熱しながら2時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、蒸留精製を行い、塩化ジメンチルホスフィン(化合物1c)を得た。収量は、0.62g(収率25%)であった。
31P−NMR(162MHz,THF):δ 123.9。
(c)2−(ジメンチルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸(化合物1d)の合成
ベンゼンスルホン酸(0.18g,1.2mmol)のTHF溶液(10mL)に、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液,1.4mL,2.3mmol)を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応容器を−78℃に冷却した後に、塩化ジメンチルホスフィン(化合物1c;0.36g,1.1mmol)を−78℃で加え、室温で15時間撹拌した。反応をトリフルオロ酢酸(0.97mL,1.3mmol)で停止した後に、溶媒を減圧留去した。残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、2−(ジメンチルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸(化合物1d)を白色粉末として得た。収量は0.31g(収率63%)であった。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ8.27 (br s, 1H), 7.77 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.59-7.52 (m, 2H), 3.54 (br s, 1H), 2.76 (br s, 1H), 2.16 (br s, 1H), 1.86-1.38 (m, 12H), 1.22-0.84 (m, 22H), 0.27 (br s, 1H);
31P{1H}−NMR(162MHz,CDCl3):δ 45.1(br.),-4.2(br.)。
(d)金属錯体触媒1の合成
アルゴン雰囲気下、2−(ジメンチルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸(化合物1d;0.14g,0.30mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.26mL,1.5mmol)の塩化メチレン溶液(10mL)に、(cod)PdMeCl(Inorg. Chem., 1993, 32, 5769-5778に従って合成。cod=1,5−シクロオクタジエン、0.079g,0.30mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。溶液を濃縮した後に、残渣を塩化メチレン(10mL)に溶解させ、この溶液を、炭酸カリウム(0.42g,3.0mmol)と2,6−ルチジン(0.35mL,3.0mmol)の塩化メチレン懸濁液(2mL)に加え、室温で1時間撹拌した。この反応液をセライト(乾燥珪藻土)及びフロリジル(ケイ酸マグネシウム)でろ過した後に、溶媒を濃縮し、減圧下乾燥を行い、金属錯体触媒1を得た。収量は、0.17g(収率80%)であった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.26 (ddd, J = 7.8, 3.9, 1.4 Hz, 1H), 7.81 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.56 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.49 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 3.75 (s, 1H), 3.24 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 2.59 (s, 1H), 2.49-2.39 (m, 2H), 2.29-2.27 (m, 1H), 2.05-1.96 (m, 1H), 1.89-1.37 (m, 12H), 1.21-1.11 (m, 2H), 0.98 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.78 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.58 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.41 (d, J = 2.3 Hz, 3H), 0.08 (d, J = 6.6 Hz, 3H);
31P−NMR(162MHz,CDCl3):δ 16.6。
実施例1:エチレン/酢酸アリル/1−ヘキセンの共重合(共重合体1の調製)
窒素ガス雰囲気下、金属錯体触媒1(6.9mg,0.010mmol)が仕込まれた120mLオートクレーブ中に、溶媒としてシクロヘキサン(31.7mL、293mmol)、及びコモノマーとして酢酸アリル(37.5mL、330mmol)、1−ヘキセン(5.8mL,46mmol)を加えた。オートクレーブを密封し、エチレンガス(3.0MPa)を充填した後、オートクレーブを80℃で、1時間撹拌した。室温まで冷却後、オートクレーブ内の反応液をメタノール(300ml)に加え重合体を析出させた。生じた共重合体をろ過によって回収し、メタノールで洗浄した後に減圧下乾燥して、共重合体1を得た。収量は1.8gであった。触媒活性は、178g/(mmol・h)と算出された。サイズ排除クロマトグラフィーにより、数平均分子量470,000、重量平均分子量890,000と算出し、Mw/Mnは1.9であった。示差走査熱量測定より融点は108℃と算出された。共重合体1中のコモノマー含有率は、13C−NMR測定により、エチレン:酢酸アリル:1−ヘキセンのモル比は97.6:2.0:0.4(酢酸アリルモル分率=2.0%、1−ヘキセンモル分率=0.4%)と決定した({l/(l+n)}×100は99.6、{m/(l+m+n)×100)}は2.0となる。)。
また、13C−NMR測定により、ビニル基が、主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり0.01個存在し、ビニレン基が、主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり0.02個存在することが判明した。メチリデン基は観測されなかった。同様に、13C−NMRスペクトルから、1−ヘキセンあるいは酢酸アリルに由来する分岐構造以外の分岐構造は観測されなかった。なお、共重合体1の13C−NMRスペクトルを、図2及び図3に示す。
重合条件と結果をそれぞれ表1、表2に示す。なお、生産性と触媒活性は次の式により計算した。
実施例2:エチレン/酢酸アリル/1−ヘキセンの共重合(共重合体2の調製)
実施例1の溶媒とコモノマーの仕込み量を変えて、エチレン/酢酸アリル/1−ヘキセンの共重合を行った。金属錯体1が仕込まれた120mLオートクレーブ中に、シクロヘキサン(25.9mL、240mmol)、酢酸アリル(37.5mL、330mmol)、1−ヘキセン(11.6mL,92mmol)を加えた他は、実施例1と同様の手法で重合し、共重合体2を得た。収量は1.8gであった。触媒活性は、178g/(mmol・h)と算出された。サイズ排除クロマトグラフィーにより、数平均分子量370,000、重量平均分子量720,000と算出し、Mw/Mnは2.0であった。共重合体2中のコモノマー含有率は、13C−NMR測定により、エチレン:酢酸アリル:1−ヘキセンのモル比は97.0:2.0:1.0(酢酸アリルモル分率=2.0%、1−ヘキセンモル分率=1.0%)と決定した({l/(l+n)}×100は99.0、{m/(l+m+n)×100)}は2.0となる。)。
また、13C−NMR測定により、ビニル基が、主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり0.02個存在し、ビニレン基が、主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり0.03個存在することが判明した。メチリデン基は観測されなかった。同様に、13C−NMRスペクトルから、1−ヘキセンあるいは酢酸アリルに由来する分岐構造以外の分岐構造は観測されなかった。重合条件と結果をそれぞれ表1、表2に示す。なお、共重合体2の13C−NMRスペクトルは、図4及び図5に示す。
比較例1:エチレン/酢酸アリルの共重合(比較重合体1の調製)
窒素ガス雰囲気下、金属錯体触媒1(6.9mg,0.010mmol)が仕込まれた120mLオートクレーブ中に、シクロヘキサン(37.5mL、347mmol)、及びコモノマーとして酢酸アリル(37.5mL、330mmol)を加えた。オートクレーブを密封し、エチレンガス(3.0MPa)を充填した後、オートクレーブを80℃で、5時間撹拌し、共重合体(比較重合体1)を得た。重合条件と結果をそれぞれ表1、表2に示す。
比較例2:エチレンの重合(比較重合体2の調製)
窒素ガス雰囲気下、金属錯体触媒1(3.5mg,0.005mmol)が仕込まれた120mLオートクレーブ中に、トルエン(75mL、706mmol)を加えた。オートクレーブを密封し、エチレンガス(3.0MPa)を充填した後、オートクレーブを80℃で、1時間撹拌し、重合体(比較重合体2)を得た。重合条件と結果をそれぞれ表1、表2に示す。










表1及び2からわかるように、実施例1及び2では、重量平均分子量Mwが比較例1及び2(エチレン/酢酸アリル共重合体、ポリエチレン)と同程度(数十万オーダー)のエチレン/酢酸アリル/1−ヘキセン三元共重合体を得られた。また、1−ヘキセンユニットモル分率が増加することにより共重合体の融点が低下し、成形加工性に優れたポリマー(三元共重合体)を製造することが可能となる。

Claims (7)

  1. 一般式(3)、一般式(4)、及び一般式(5)
    (式中、R1は、−OH、−OCOR3(R3は炭素原子数1〜5の炭化水素基を表す。)、−N(R172(R17は水素原子、炭素原子数1〜5の炭化水素基、炭素原子数6〜18の芳香族残基、または−COOR18(R18は炭素原子数1〜10の炭化水素基、または炭素原子数6〜10の芳香族残基を表す。)を表し、2つのR17は同じでも異なっていてもよい。)、またはハロゲン原子を表す。R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。l、m、及びnはそれぞれのモノマーユニットのモル比を表す数値である。)
    で示されるモノマーユニットを有する三元共重合体であって、以下の(A)、(B)及び(C)の要件を満たすことを特徴とする三元共重合体:
    (A)ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5〜4.0である、
    (B)ポリスチレン換算での数平均分子量(Mn)が、10,000〜1,000,000である、
    (C)一般式(3)で示されるエチレンモノマーユニットのモル比l、及び一般式(5)で示されるα−オレフィンモノマーユニットのモル比nが、次式:
    {l/(l+n)}×100≧60 の関係を満たす。
  2. さらに、以下の(D)及び(E)の要件を満たす請求項1に記載の三元共重合体:
    (D)主鎖のいずれかの片末端あるいは内部に炭素−炭素二重結合を持つ構造を有する、
    (E)炭素原子数2以上の分岐構造が、主鎖を構成する炭素原子1,000個あたり1個以下である。ただし、ここでの炭素原子数2以上の分岐構造には、一般式(4)及び一般式(5)で示されるモノマーユニットに由来する側鎖構造は含まない。
  3. 一般式(4)のR1が−O−COCH3または−OHである請求項1または2に記載の共重合体。
  4. 一般式(5)のR2で示される炭素原子数1〜20の炭化水素基が、n−ブチル基、n−ヘキシル基またはn−オクチル基である請求項1〜3のいずれかに記載の三元共重合体。
  5. 一般式(C1)
    (式中、Mは周期律表第10族の金属原子を表し、Xはリン原子(P)または砒素原子(As)を表し、R5は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基、炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数7〜30の炭化水素基、炭素数2〜10のアミド基で置換された炭素数3〜30の炭化水素基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、及び炭素数2〜10のアシロキシ基からなる群より選ばれる置換基を表し、R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基、及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R6とR7は結合して環構造を形成してもよい。4個のR8はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数6〜18のアリールオキシ基、またはハロゲン原子を表し、同じであっても異なっていてもよい。また、Lは電子供与性配位子を表し、qは0、1/2、1または2である。)
    で示される金属錯体を触媒として使用し、エチレン、一般式(1)
    (式中、R1は、−OH、−OCOR3(R3は炭素原子数1〜5の炭化水素基を表す。)、−N(R172(R17は水素原子、炭素原子数1〜5の炭化水素基、炭素原子数6〜18の芳香族残基、または−COOR18(R18は炭素原子数1〜10の炭化水素基、または炭素原子数6〜10の芳香族残基を表す。)を表し、2つのR17は同じでも異なっていてもよい。)、またはハロゲン原子を表す。)で示される極性基含有アリル化合物、及び一般式(2)
    (式中、R2は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
    で示されるα−オレフィンを共重合させることを特徴とする一般式(3)、一般式(4)、及び一般式(5)
    (式中、l、m、及びnはそれぞれのモノマーユニットのモル比を表す数値であり、R1及びR2は、上記と同様の意味を表す。)
    で示されるモノマーユニットを有し、
    (C)一般式(3)で示されるエチレンモノマーユニットのモル比l、及び一般式(5)で示されるα−オレフィンモノマーユニットのモル比nが、次式:
    {l/(l+n)}×100≧60
    の関係を満たす三元共重合体の製造方法。
  6. 一般式(C1)中、R6及びR7のうち少なくとも一方が、一般式(6)
    (式中、Rは置換基を有してもよい炭素原子数1〜14のアルキレン基を表し、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基、アミノ基、またはハロゲン原子、アルコキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい炭素原子数1〜30の炭化水素基を表し、R9及びR10の少なくとも一方は、水素原子ではなく、R9、R10、R11及び前記アルキレン基Rは、それぞれで結合して、環構造を形成してもよい。なお、式中では、炭素原子と一般式(C1)におけるXとの結合も表記している。)で示されるシクロアルキル基である請求項5に記載の三元共重合体の製造方法。
  7. 一般式(C1)中、R6またはR7の少なくとも一方が下記式(7)
    (式中、炭素原子とXとの結合も表記しており、Xは一般式(C1)の記載と同じ意味を表す。)
    で示される2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル基(メンチル基)である請求項6に記載の三元共重合体の製造方法。
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