JP2012158727A - 新規なトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物によるα−オレフィン重合用触媒及びα−オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

新規なトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物によるα−オレフィン重合用触媒及びα−オレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分子量とコモノマー含量が共に高い、α−オレフィン・メタアクリル酸系共重合体の製造を可能とする、触媒活性の高いα−オレフィン系重合触媒を開発する。
【解決手段】トリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物からなる配位子を含む、特定式で表される遷移金属錯体を、遷移金属化合物として50mol%以上の純度で含有する重合触媒でもってα−オレフィン等を共重合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物によるα−オレフィン重合用触媒及びα−オレフィン重合体の製造方法に関し、特にこのα−オレフィン重合用触媒の存在下に、α−オレフィンと極性基含有モノマーとを共重合する、α−オレフィンとメタアクリル酸などの極性基含有モノマーとの共重合体の製造方法、更には、これらの新規な化合物を用いた、重合活性の高いα−オレフィン系重合用触媒による、分子量とコモノマー含量が共に高い、α−オレフィン・メタアクリル酸共重合体の製造方法に係わるものである。
エチレンと、極性基含有ビニルモノマーである酢酸ビニルや(メタ)アクリル酸系オレフィンとの共重合体は、極性基を有すエチレン系重合体として産業上有用なポリマーであり、従来は、高圧ラジカル法を用いて製造されてきたが、高圧法以外で共重合体を得ることは困難であり、チーグラー触媒やメタロセン触媒を用いた場合には触媒失活を避けられなかった。
1990年代以降、後周期遷移金属錯体触媒による、極性基含有コモノマー共重合が精力的に研究されており、例えば、Brookhartらにより報告された(α−ジイミン)パラジウム錯体や、Grubbsらにより報告された(サリチルアミジナート)ニッケル触媒など、いわゆるSHOP系触媒と呼ばれる(フォスファニルフェノラート)ニッケル触媒が報告されている(非特許文献1を参照)。
近年、ホスフィンスルホナート配位子を有するパラジウム錯体触媒に注目が集まっており,ホスフィンスルホナート配位子の改良による触媒性能向上が報告されている(特許文献1〜10及び非特許文献2を参照)。
ホスフィンスルホナート部位以外の、残る二座の配位子部位も多彩に合成展開されており、具体的には、(ホスフィンスルホナート)パラジウム(メチル)(ピリジン)錯体(非特許文献3を参照)、(ホスフィンスルホナート)パラジウム(メチル)(ルチジン)錯体(非特許文献4を参照)、(ホスフィンスルホナート)パラジウム(メチル)(ジメチルスルフィド)錯体(非特許文献5を参照)、(ホスフィンスルホナート)パラジウム(メチル)(水溶性アミン)錯体などが報告されており(非特許文献6を参照)、これらの錯体における触媒性能の変化が報告されている。しかし、これらの錯体による重合用触媒においては、α−オレフィンと極性基含有コモノマーとの共重合は、分子量、コモノマー含量及び触媒活性が概して低く、全てを満たす結果は未だ得られていない。
一方、Senにより(ホスフィンスルホナート)パラジウム(η3−アリル)錯体が合成されているものの、これは全く重合活性を示さないことが報告されている(非特許文献7を参照)。
このように、配位子の変化(多様化)は触媒性能において重要な意味を持ち、かかる分野の研究開発において、更なる触媒性能向上に向けた改良が望まれており、特に、分子量とコモノマー含量が共に高い、α−オレフィン・メタアクリル酸系共重合体の製造を可能とする、新規な化合物による重合活性の高いα−オレフィン系重合用触媒の開発が求められている。
特表2002−521534号公報 特開2007−63280号公報 特開2007−77395号公報 特開2007−117991号公報 特開2008−214628号公報 特開2008−214629号公報 特開2008−214630号公報 特開2010−150246号公報 特開2010−202647号公報 特開2010−150532号公報
S.Mecking etal.,J.Am.Chem.Soc.,1998,120,888. E.Drent etal.,Chem.Commun.,2002,744. R.F.Jordan etal.,Organometallics,2007,6624−6635. K.Nozaki etal.,Dalton TRANSACTIONS,2006,25. S.Mecking etal.,J.Am.Chem.Soc., 2009,131,422−423. D.Zhang etal.,J.Organomet.Chem., 2010,695,903−908. A.Sen etal.,Organometallics,2007,26,210−216.
前述した背景技術の状況を踏まえて、本発明は、分子量とコモノマー含量が共に高い、α−オレフィンと極性基含有モノマーとの共重合体、特に、α−オレフィン・メタアクリル酸系共重合体の製造を可能とする、触媒活性の高いα−オレフィン系重合用触媒の開発を、発明が解決すべき課題とするものである。
本発明者らは、先の特許文献8〜10に開示されるように、後周期遷移金属錯体触媒における、新規なトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物による、α−オレフィンと極性基含有コモノマーとの共重合の重合用触媒及びその共重合体の製造方法の研究開発を行ってきたが、かかる研究開発を発展させて、上記した本発明の課題解決を目指し、更なる後周期遷移金属錯体触媒を種々探索した結果、特定のアリル構造を有する新規な遷移金属錯体が、上記の目的の重合用触媒の成分として格別に機能することを見い出し、本発明を創作するに至った。
その特定の構造を有する遷移金属錯体は、本発明の第一の発明を構成する新規な化合物による錯体であり、特定の遷移金属アリル錯体であって、かかる本発明の重合用触媒は、下記一般式(1)で表される新規な遷移金属錯体を、遷移金属化合物として50mol%以上の純度で含有するα−オレフィン重合用触媒である。(なお、「本発明」とは、以下の第一発明から第七発明の各発明単位により成る全体の発明群を意味する。)
Figure 2012158727
(一般式(1)において、Yは、リン又は砒素であり、Zは、−SO−又は−CO−である。
〜R18は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、又は炭素数1〜20のシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
19は、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のシロキシ基、アミノ基、炭素数1〜20のアミノ基、チオール基、炭素数1〜20のチオエーテル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
Mは、8〜10族の遷移金属からなる群より選択された金属原子を示す。)
なお、本発明者らは、先の特許文献8(特開2010−150246)において、先行発明として、新規なトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物及びそれらを用いたα−オレフィン系重合用触媒を提示したが、本発明においては、後述するように、かかる錯体における新規な化学構造をX線結晶構造解析により特定することができた。
このような触媒系は、これまで、錯体の活性種が明らかになっていず、数種類の前駆体成分を混合し、重合系中で生じる錯体活性種を利用していたが、本発明においては、特定の部位に特定の置換基を有する遷移金属アリル錯体を初めて合成し単離して、α−オレフィンと極性基を有すモノマーとの重合用触媒として有効であることを認識し、重合用触媒としての利用性を見い出すことを顕現し得た。
上記の先行発明では、錯体/未反応物/副生成物の混合物を触媒として使用しているが、本発明では、錯体を単離して純度の高い状態で触媒として使用するものである。
しかして、本発明の第一の発明においては、活性種となる錯体の量比を規定すること、即ち、錯体の純度が高い(50mol%以上)ことをも特徴とし、構成の要件(発明の特定事項)として内包している。
本発明の第二の発明としては、一般式(1)において、R19が水酸基であることを特徴とする、第一の発明のα−オレフィン重合用触媒である。
本発明の第三の発明としては、一般式(1)において、R、Rの少なくとも一つ、及び、R、Rの少なくとも一つは、二級もしくは三級のアルキル基であることを特徴とする、第一の発明のα−オレフィン重合用触媒である。
本発明の第四の発明としては、第一から第三の発明のいずれかの遷移金属錯体を、遷移金属化合物として80mol%以上の純度で含有するα−オレフィン重合用触媒である。
本発明の第五の発明としては、オレフィン共重合体の製造方法に係り、第一から第四のいずれかの発明のα−オレフィン重合用触媒の存在下に、α−オレフィンと、極性基含有モノマーとを共重合する、α−オレフィン共重合体の製造方法である。
本発明の第六の発明としては、第一から第五のいずれかの発明のα−オレフィン重合用触媒の存在下に、α−オレフィンと、(メタ)アクリル酸又はエステルとを共重合する、α−オレフィン・(メタ)アクリル酸系オレフィン共重合体の製造方法である。
本発明の第七の発明としては、炭化水素溶媒の存在下に共重合反応を行うことを特徴とする、第五発明のα−オレフィンと極性基含有モノマーの共重合体の製造方法である。
本発明に係る重合用触媒を用いることにより、α−オレフィンと極性基含有モノマー、特に(メタ)アクリル酸又はエステルとの共重合における触媒活性を充分に向上でき、かつ、分子量とコモノマー含量が共に高いα−オレフィン・(メタ)アクリル酸系共重合体を製造することが可能になった。
なお、かかる顕著な効果は、後述する本発明の各実施例のデ−タ及び各実施例と各比較例との対照により、実証されている。
そして、この高性能の共重合用触媒を用いて得られる、α−オレフィンと(メタ)アクリル酸又はエステルの共重合体は、機械的かつ熱的な物性に優れ、有用な各種の成形体として応用可能であり、フィルム、シート、接着剤、バインダー及び相溶化剤などとしての利用展開が期待される。
本発明は、特定の構造を有する新規なアリル配位錯体触媒、及び、それを使用した、α−オレフィン・(メタ)アクリル酸系共重合体、更には、二種類の異なるα−オレフィンと(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に係るものである。
以下において、それらの新規遷移金属錯体、重合用触媒、重合体の構成成分(モノマ−成分)、及び重合方法などについて詳細に説明する。
1.遷移金属錯体
(1−1)錯体の基本構造
本発明の重合用触媒における、特定の遷移金属錯体は、下記の一般式(1)で示される。
Figure 2012158727
(一般式(1)において、Yは、リン又は砒素であり、Zは、−SO−又は−CO−である。
〜R18は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、又は炭素数1〜20のシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
19は、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のシロキシ基、アミノ基、炭素数1〜20のアミノ基、チオール基、炭素数1〜20のチオエーテル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
Mは、8〜10族の遷移金属からなる群より選択された金属原子を示す。(なお、本願においては、長周期型の周期律表に準拠する。))
(1−2)錯体の置換基
本発明の新規な錯体構造においては、R〜Rは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、又は炭素数1〜20のシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
本発明の新規な錯体構造においては、R〜Rにおいても特異的である。即ち、R〜Rは、15族原子(Y;リン又は砒素)からみてオルト位であり、錯化した際に中心金属のアキシャル方向に位置し、この立体効果が触媒性能の向上に影響していると考えられる。したがって、R、Rの少なくとも一つ、又は、R、Rの少なくとも一つが水素原子以外に置換されていることが好ましい。更に好ましくは、R、Rの少なくとも一つが水素原子以外であり、且つ、R、Rの少なくとも一つが水素原子以外のものである。更に好ましくは、R、Rの片方が水素原子、もう片方が水素原子以外であり、且つ、R、Rの片方が水素原子、もう片方が水素原子以外のものである。
〜Rであるハロゲン原子は、好ましくはフッ素、塩素、臭素が挙げられる。
〜Rである炭素数1〜20の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜13の炭化水素基であり、アルキル基、シクロアルキル基或るいはアリール基である。 好ましい具体例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、イソプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、イソブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、5−デシル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、トリル基、キシリル基、及びp−エチルフェニル基などが挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基であり、特に好ましくは、イソプロピル基である。
〜Rであるハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基をフッ素、塩素、又は臭素で置換した置換基であり、具体的に好ましい例として、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
〜Rであるアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基をメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、又はt−ブトキシ基で置換した置換基である。
更に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基で置換された炭素数2〜6の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基、1−(フェノキシメチル)エチル基、1−(メトキシエチル)エチル基、1−(エトキシエチル)エチル基、ジ(メトキシメチル)メチル基、ジ(エトキシメチル)メチル基、ジ(フェノキシメチル)メチル基が挙げられる。特に好ましくは、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基である。
〜Rである炭素数1〜20のアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
〜Rである炭素数6〜20のアリールオキシ基は、好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基としては、フェノキシ基、又は2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基である。
〜Rである炭素数1〜20のシリル基は、好ましくは炭素数3〜18のシリル基であり、好ましい具体例は、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基である。
これらのR〜Rとして好ましい群のうち、更に好ましくは、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ基で置換された炭素数2〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基であり、特に好ましい具体例は、水素原子、イソプロピル基、シクロヘキシル基、1−(メトキシメチル)エチル基、メトキシ基が挙げられる。
〜R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、又は炭素数1〜20のシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
〜R14であるハロゲン原子は、好ましくはフッ素、塩素、臭素が挙げられる。
〜R14である炭素数1〜20の炭化水素基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基の例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、イソブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5−デシル基などである。
これらの中で、好ましい置換基としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基である。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シンナミル基、スチリル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基の芳香環に存在させうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基などである。これらの中で、好ましい置換基としては、フェニル基である。
〜R14であるハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基がフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子で置換された置換基である。
〜R14であるアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基をメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、又はt−ブトキシ基で置換した置換基である。
更に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基で置換された炭素数1〜6の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基、1−(メトキシエチル)エチル基、1−(エトキシエチル)エチル基、ジ(メトキシメチル)メチル基、ジ(エトキシメチル)メチル基が挙げられる。
更に好ましくは、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基である。
〜R14である炭素数1〜20のアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
〜R14である炭素数6〜20のアリールオキシ基は、好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基としては、フェノキシ基、又は2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基である。
〜R14である炭素数1〜20のシリル基は、好ましくは炭素数3〜18のシリル基であり、好ましい具体例は、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基である。
これらのR〜R14として好ましい群のうち、更に好ましくは、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜18のシリル基であり、特に好ましい具体例は、水素原子、メチル基、ヘキシル基、メトキシ基、トリメチルシリル基が挙げられる。
15〜R18は、アリル部位の置換基であり、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、又は炭素数1〜20のシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
15〜R18であるハロゲン原子は、好ましくはフッ素、塩素、臭素が挙げられる。
15〜R18である炭素数1〜20の炭化水素基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基の例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、イソブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5−デシル基などである。これらの中で、好ましい置換基としては、メチル基、エチル基である。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シンナミル基、スチリル基が挙げられる。これらの中で好ましい置換基は、ビニル基、スチリル基であり、特に好ましくは、スチリル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基の芳香環に存在させうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基などである。これらの中で、好ましいアリール基は、フェニル基である。
15〜R18であるハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基にフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子で置換された置換基である。
15〜R18であるアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基は、好ましくは、前述の炭素数1〜20の炭化水素基をメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、又はt−ブトキシ基で置換した置換基である。更に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基で置換された炭素数1〜6の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基、1−(メトキシエチル)エチル基、1−(エトキシエチル)エチル基、ジ(メトキシメチル)メチル基、ジ(エトキシメチル)メチル基が挙げられる。更に好ましくは、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基である。
15〜R18である炭素数1〜20のアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
15〜R18である炭素数6〜20のアリールオキシ基は、好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、フェノキシ基、又は2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基である。
15〜R18である炭素数1〜20のシリル基は、好ましくは炭素数3〜18のシリル基であり、好ましい具体例は、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基である。
これらのR15〜R18として好ましい群のうち、更に好ましくは、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基であり、特に好ましい具体例として、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、スチリル基が挙げられる。
アリル部位の末端のR19である炭素数1〜20のアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、1−プロポキシ基、1−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。
これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
19である炭素数1〜20のシロキシ基は、好ましくは炭素数3〜18のシロキシ基であり、好ましい具体例は、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジフェニルメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基である。
19である炭素数1〜20のアミノ基は、好ましくは炭素数2〜12のアミノ基であり、好ましい具体例は、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基である。
19である炭素数1〜20のチオエーテル基は、好ましくは、炭素数1〜6のチオール基であり、好ましい具体例は、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基である。
これらのR19として好ましい群のうち、更に好ましくは、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜18のシロキシ基であり、これらの中でさらに好ましい具体例は、水酸基、メトキシ基、トリメチルシロキシ基であり、特に好ましくは水酸基である。
Mは、第8〜10族の遷移金属を示すが、Fe、Co、Ni、Pd、Pt及びランタニドが好ましく、より好ましくは、Ni、Pdである。
2.遷移金属錯体の合成
(2−1)トリアリールホスフィン及びトリアリールアルシン化合物の合成
本発明における、トリアリールホスフィン化合物の合成は以下の経路により行われる。ホスフィン化合物の合成経路は、いくつか知られているが、そのうちの具体例として、原料である三塩化リンに導入すべきアリール基のリチオ体(アリールリチウム塩)を適切なモル比で反応させる経路が利用される。反応後は、酸性条件で抽出した後、洗浄して目的物を得ることができる。トリアリールアルシン化合物の合成も同様になされる。
(2−2)遷移金属錯体の合成
本発明における遷移金属錯体の合成は、一般に、上述のトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物と、第8〜10族の遷移金属化合物と、エノン類とを反応させて得られる遷移金属錯体である。溶液又はスラリーにて反応後に、有機溶媒にて洗浄することにより、目的とする金属錯体を単離することができる。
(2−3)合成反応の原料
第8〜10族の遷移金属化合物として好ましくは10族の遷移金属化合物であり、具体的には、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(アリルパラジウムクロライド)、塩化パラジウム、臭化パラジウム、(シクロオクタジエン)パラジウム(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル、(シクロオクタジエン)ニッケル(メチル)クロライドなどが例示される。
本発明におけるエノン類とはα,β−不飽和カルボニル化合物を示し、好ましい具体例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、3−ペンテン−2−オン、4−ヘキセン−3−オン、5−メチル−3−ヘキセン−2−オン、3−ノネン−2−オン、4−メトキシ−3−ブテン−2−オン、4−エトキシ−1,1,1,−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン、2−シクロペンテン−1−オン、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、3−メトキシ−2−シクロペンテン−1−オン、2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン、ジベンジリデンアセトン、アクロレイン、メタクロレイン、2−エチルアクロレイン、クロトンアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸などが挙げられる。
これらの中で、更に好ましくは、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ジベンジリデンアセトン、アクロレイン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルであり、特に好ましくは、メチルビニルケトン、ジベンジリデンアセトン、アクリル酸メチルである。
第8〜10族の遷移金属化合物とエノン類は、事前に反応させてから使用してよく、また反応前に単離してから用いることも可能である。
3.重合用触媒の使用態様
(3−1)使用態様
本発明の遷移金属錯体は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。特に、分子量分布やコモノマー含量分布を広げる目的には、こうした複数種の併用が有用である。
(3−2)担持
本発明の重合用触媒は、単独で用いてもよく、また担体に担持して用いることもできる。使用可能な担体としては、本発明の主旨を損なわない限りにおいて、任意の担体を用いることができる。
一般に、無機酸化物やポリマー担体が好適に使用できる。具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど又はこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al、SiO−V、SiO−TiO、SiO−MgO、SiO−Crなどの混合酸化物も使用することができ、無機ケイ酸塩、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。
これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
(3−3)予備重合
触媒成分は、重合槽内で、或は重合槽外でオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。オレフィンとは炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼンなどが例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数2又は3のオレフィンである。オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的に或いは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
4.重合用モノマ−
本発明において、共重合体の製造に用いられるモノマ−としては、以下に説明する、(a)α−オレフィン、(b)極性基含有モノマーが挙げられる。
それぞれの原料のモノマー成分は、単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。
特に、本発明のα−オレフィン重合用触媒は、α−オレフィンと極性基含有モノマーの共重合用に好適に用いられる。
(4−1)α−オレフィン(a)
本発明に用いられるモノマーの一つは、一般式CH=CH(R20)で表されるα−オレフィン(以下、「(a)成分」と称することがある。)である。ここで、R20は、水素又は炭素数1〜20のアルキル基である。
なかでも、好ましい(a)成分として、炭素数1〜10のR20を有するα−オレフィンが挙げられる。更に好ましい(a)成分としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、特に好ましい(a)成分としては、エチレンが挙げられる。
(4−2)極性基含有モノマー(以下、「(b)成分」と称することがある)
(4−2−1)(メタ)アクリル酸又はエステル
本発明に用いられる極性基含有モノマーの一つは、一般式CH=C(R21)CO(R22)で表される、(メタ)アクリル酸、又は(メタ)アクリル酸エステルである。ここで、R21は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有していてもよい。R22は、水素又は炭素数1〜30のアルキル基である。更に、R22内の任意の位置にヘテロ原子を含有していてもよい。
好ましくは、炭素数1〜5のR21を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸が挙げられる。より好ましくは、R21がメチル基であるメタクリル酸エステル又はR21が水素であるアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
好ましい具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸などが挙げられる。特に好ましい具体例としては、アクリル酸メチルが挙げられる。
(4−2−2)スチレン系モノマー
本発明に用いてもよい極性基含有モノマーの一つは、スチレンの骨格に、水酸基、アルコキサイド基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基を含有するモノマーである。好ましい具体例としては、メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレンが挙げられる。特に好ましい具体例としては、メトキシスチレンが挙げられる。
(4−2−3)環状オレフィンモノマー
本発明に用いてもよい極性基含有モノマーの一つは、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどの環状オレフィンの骨格に、水酸基、アルコキサイド基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基を含有するモノマーである。
ノルボルネン系オレフィンは、シクロペンタジエンを使用するディールスアルダー反応([4+2]シクロ付加)で製造することができる。
使用するジエノフィルは例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート、アルデヒド、マレイン酸無水物、ジヒドロフラン、ビニルピリジン、アルキルアクリレート又は上記の置換オレフィンである(T.L.Gilchrist,”Heterocyclic Chemistry”,1985,4.3.3章を参照)。
好ましい具体例は、式(4a)〜(4f)で表すことができる。ここで、R23は、炭素数1〜30の炭化水素基であり、分岐、環、又は不飽和結合を有していてもよい。
Figure 2012158727
5.共重合反応
(5−1)溶媒
本発明における共重合反応は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒や液化α−オレフィンなどの液体、また、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルミルアミド、アセトニトリル、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのような極性溶媒の存在下或いは非存在下に行われる。また、ここで記載した液体化合物の混合物を溶媒として使用してもよい。
なお、高い重合活性や高い分子量を得るうえでは、上述の炭化水素溶媒がより好ましい。
(5−2)添加剤
本発明における共重合に際して、公知の添加剤の存在下又は非存在下で共重合を行うことができる。添加剤としては、ラジカル重合禁止剤や、生成共重合体を安定化する作用を有する添加剤が好ましい。例えば、キノン誘導体やヒンダ−ドフェノ−ル誘導体などが好ましい添加剤の例として挙げられる。
具体的には、モノメチルエーテルハイドロキノンや、2,6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノール(BHT)、トリメチルアルミニウムとBHTとの反応生成物、4価チタンのアルコキサイドとBHTとの反応生成物などが使用可能である。
また、添加剤として、無機及び又は有機フィラーを使用し、これらのフィラーの存在下で重合を行ってもよい。
(5−3)重合形式
本発明において、重合形式に特に制限はない。媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、又は、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などが好ましく用いられる。
また、重合様式としては、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの様式でもよい。
未反応モノマーや媒体は、生成共重合体から分離し、リサイクルして使用してもよい。リサイクルの際、これらのモノマーや媒体は、精製して再使用してもよいし、精製せずに再使用してもよい。生成共重合体と未反応モノマー及び媒体との分離には、従来の公知の方法が使用できる。例えば、濾過、遠心分離、溶媒抽出、貧溶媒を使用した再沈などの方法が使用できる。
(5−4)重合条件
共重合温度、共重合圧力及び共重合時間に特に制限はないが、通常は、以下の範囲から生産性やプロセスの能力を考慮して、最適な設定を行うことができる。
即ち、共重合温度は、通常−20℃から290℃、好ましくは0℃から250℃、共重合圧力は、0.1MPaから100MPa、好ましくは、0.3MPaから90MPa、共重合時間は、0.1分から10時間、好ましくは、0.5分から7時間、更に好ましくは1分から6時間の範囲から選ぶことができる。
本発明において、共重合は、一般に不活性ガス雰囲気下で行われる。例えば、窒素、アルゴン雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
共重合反応器への触媒とモノマーの供給に関しても特に制限はなく、目的に応じて様々な供給法をとることができる。例えばバッチ重合の場合、予め所定量のモノマーを共重合反応器に供給しておき、そこに触媒を供給する手法をとることが可能である。この場合、追加のモノマーや追加の触媒を共重合反応器に供給してもよい。また、連続重合の場合、所定量のモノマーと触媒を共重合反応器に連続的に、又は間歇的に供給し、共重合反応を連続的に行う手法をとることができる。
(5−5)共重合の制御
共重合体の組成の制御に関しては、複数のモノマーを反応器に供給し、その供給比率を変えることによって制御する方法を一般に用いることができる。その他、触媒の構造の違いによるモノマー反応性比の違いを利用して共重合組成を制御する方法や、モノマー反応性比の重合温度依存性を利用して共重合組成を制御する
方法が挙げられる。
共重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。即ち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、遷移金属錯体中の配位子構造の制御により分子量を制御するなどが挙げられる。
連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。また、モノマーの(b)又は(c)成分自身が一種の連鎖移動剤となる場合には、(b)又は(c)成分の濃度や、(a)成分に対する比率を制御することによっても分子量調節が可能である。
以下において、本発明を実施例によって具体的に説明し、比較例との対照によって、本発明の構成の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を実証する。
1.評価方法
(1)分子量及び分子量分布(Mw、Mn、Q値)
(測定条件)使用機種:ウォーターズ社製150C 検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm) 測定温度:140℃ 溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB) カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本) 流速:1.0mL/分 注入量:0.2mL
(試料の調製)試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。
(分子量の算出)標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー社製の銘柄であり、F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000、である。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成した。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
(2)融点(Tm)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200示差走査熱量測定装置を使用して、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で20℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温することにより融解曲線を得た。
融解曲線を得るために行った最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tmとし、該ピークのピーク面積をΔHmとした。
(3)コモノマー含量
コモノマー含量の定量は、約0.5mmのプレス板を作製し、島津製作所FTIR−8300型を用いて、赤外吸収スペクトルにより行った。
コモノマー含量は、3,450cm−1付近のカルボニル基の倍音吸収と、4,250cm−1付近のオレフィン吸収の赤外吸収強度比をもとに算出した。なお、算出に当たっては、13C・NMR測定により作成した検量線を使用した。
2.錯体合成
以下の合成例で特に断りのない限り、操作は精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は脱水・脱酸素したものを用いた。
ジ{(2−イソプロピル−4−ノルマルヘキシル−フェニル)}(2−スルホニルフェニル)ホスフィン合成
無水ベンゼンスルホン酸(0.6g,3.8mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M,3mL,7.6mmol)を0℃でゆっくりと滴下し、室温まで温度を上昇させながら1時間撹拌した。反応液を−78℃まで冷却し、三塩化リン(0.33mL,3.8mmol)を加え、2時間撹拌した(反応液I)。
1−ブロモ−2−イソプロピル−4−ヘキシルベンゼン(2.2g,7.6mmol)のジエチルエーテル(20mL)溶液に、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M,3.0mL,7.6mmol)を0℃でゆっくりと滴下し、室温で3時間撹拌した。この溶液を、先ほどの反応液Iに−78℃で滴下し、室温で一晩撹拌した。(LC−MS純度51%。)水を加え、塩酸を加えて酸性にした(PH<3)。塩化メチレンにて抽出し(50mL×3)、硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=70/1)により精製し、白色の粉末を0.8g得た。
1H・NMR (CDCl3, ppm): 8.34 (d, J = 6.0 Hz, 1 H), 7.70 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.40 (m, 1 H), 7.29 (d, J = 4.4 Hz, 2 H), 7.04 (m, 3 H), 6.85 (dd, J = 7.6, 14.8 Hz, 2 H), 2.97 (m, 2 H), 2.60 (t, J = 7.6 Hz, 4 H), 1.54 (m, 4 H), 1.25 (s, 12 H), 1.2-1.0 (m, 12 H), 0.82 (br, 6 H). 31P・NMR (CDCl3, ppm): -9.9.
[ジ{(2−イソプロピル−4−ノルマルヘキシル−フェニル)}(2−スルホニルフェニル)ホスフィン]パラジウム[3−(1−ベンジル−3−ヒドロキシル−3’−スチリル)アリル]錯体(1)の合成
50mlナス型フラスコに、ジ{(2−イソプロピル−4−ノルマルヘキシル−フェニル)}(2−スルホニルフェニル)ホスフィンを0.59 g(1.0mmol)と、ビス(ベンジリデンアセトン)パラジウムを0.57g(0.95mmol)計量し、トルエンを20ml加え、40℃で1時間反応させた。反応により溶液の色は濃い赤紫から、濃い黄色に変化した。
反応液を濾過して、濾液にペンタン20mlを加え、0℃に冷やすと黄色の沈殿が生じた。沈殿を温まらないよう素早く濾過し、ヘキサンで洗浄した後、目的の錯体(1)を0.41g得た。
1H・NMR (CDCl3, ppm): 8.4 (m, 1 H), 7.6 (m, 1 H), 7.4-7.3 (m, 1 H), 7.1-7.0 (m, 1 H), 6.9-6.7 (m, 1 H), 6.4 (m, 1 H), 5.9 (m, 1 H), 4.4 (m, 1 H), 3.8 (m, 1 H), 3.0-2.4 (m, 3 H), 2.1 (s, 12 H), 1.7 (m, 2 H), 1.4-1.1 (m, 12 H), 0.9 (m, 6 H), 0.5 (m, 3 H), 0.3 (m, 2 H). 31P・NMR (CDCl3, ppm): -6.9.
回収した反応物0.2gを、トルエン10mlを加え完全に溶解させた後、ペンタンを2.5ml加えた。その均一な溶液を−20℃で1週間静置したところ、板状の結晶が析出した。析出した結晶を用いて、X線により構造を決定した。
3.X線結晶構造解析
錯体(1)の単結晶構造解析は,Bruker Smart 1000を用い、Mo Kα (0.71073 A)照射して−170℃で測定した。SHELXS−97直接法により構造決定し,SHELXS−97フルマトリックス最小二乗法により構造精密化した。解析結果のR値は0.044であった。
Figure 2012158727
4.共重合体の重合
(実施例)
充分に窒素置換した30mLフラスコに、[ジ{(2−イソプロピル−4−ノルマルヘキシル−フェニル)}(2−スルホニルフェニル)ホスフィン]パラジウム[η3−(1−ベンジル−3−ヒドロキシル−3’−スチリル)アリル]錯体(1)を25マイクロモル秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを超音波振動機にて10分間処理することで、触媒スラリ−を調製した。
次に、内容積1Lの誘導撹拌式ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(718mL)、メチルアクリレート(72mL,重合時の濃度が1mol/Lになるように調整)を精製窒素雰囲気下にオートクレーブ内に導入した。先に調製した触媒溶液を添加し、室温下、エチレン圧を3MPaとして重合を開始した。反応中は温度を80℃に保ち、エチレンの分圧が3MPaに保持されるように連続的にエチレンを供給した。
重合終了後、エチレンをパージし、オートクレーブを室温まで冷却し、濾過によりポリマーと溶媒を分離した。更に、アセトン(1L)を用いてポリマーを再沈させ、沈殿したポリマーを濾過した。更に、得られた固形ポリマーをアセトン(1L)に分散させ、ここに1N−塩酸(20ml)を加えて60分撹拌し、ポリマーを濾過した。得られた固形ポリマーを少量のアセトンで洗浄し、60℃で3時間減圧乾燥することで、最終的にポリマーを回収した。触媒活性:7.4×10g/mol/h、Mw:172,000、Mw/Mn:1.9、DSC融点:120.2℃、IR換算メチルアクリレ−ト含量:0.8mol%であった。
(比較例)
充分に窒素置換した30mLフラスコに、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムと[ジ{(2−イソプロピル−4−ノルマルヘキシル−フェニル)}(2−スルホニルフェニル)ホスフィン]配位子をそれぞれ25マイクロモル秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを超音波振動機にて10分間処理することで、触媒スラリーを調製した。この触媒スラリーにおける、錯体転化率を31P・NMRにより算出したところ30mol%であった。
次に、内容積1Lの誘導撹拌式ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(618mL)、メチルアクリレート(72mL,重合時の濃度が1mol/Lになるように調整)を精製窒素雰囲気下にオートクレーブ内に導入した。先に調製した触媒溶液を添加し、室温下、エチレン圧を3MPaとして重合を開始した。反応中は温度を80℃に保ち、エチレンの分圧が3MPaに保持されるように連続的にエチレンを供給した。
重合終了後、エチレンをパージし、オートクレーブを室温まで冷却し、濾過によりポリマーと溶媒を分離した。更に、アセトン(1L)を用いてポリマーを再沈させ、沈殿したポリマーを濾過した。更に、得られた固形ポリマーをアセトン(1L)に分散させ、ここに1N−塩酸(20ml)を加えて60分撹拌し、ポリマーを濾過した。得られた固形ポリマーを少量のアセトンで洗浄し、60℃で3時間減圧乾燥することで、最終的にポリマーを回収した。触媒活性:4.8×10g/mol/h、Mw:190,000、Mw/Mn:1.9、DSC融点:120.2℃、IR換算メチルアクリレ−ト含量:0.8mol%であった。
(実施例と比較例の対照)
実施例においては、単離した錯体(錯体の純度が極めて高い)を使用し、比較例においては、触媒スラリーにおける錯体転化率は30mol%(錯体の純度が低い)であったので、エチレンと極性基を有するモノマーとの共重合反応において、実施例は比較例に比して、分子量とコモノマー含量は同等であるが、ポリマー収量が極めて多く触媒活性が非常に高いことが示されている。
本発明に係る重合用触媒を用いることにより、α−オレフィンと極性基含有モノマー、特に、α−オレフィンと(メタ)アクリル酸又はエステルの共重合における、重合活性の向上が可能になった。かくして、性能の高められた重合用触媒の実現により、α−オレフィンと極性基含有モノマーの共重合反応が工業的に実施し得ることになり、ポリオレフィン共重合体の産業分野において格別に有用となる。
そして、この高性能の共重合用触媒を用いて得られる、α−オレフィンと(メタ)アクリル酸又はエステルの共重合体は、機械的かつ熱的な物性に優れ、有用な各種の成形体として応用可能であり、フィルム、シート、接着剤、バインダー及び相溶化剤などとしての利用展開が期待される。

Claims (7)

  1. 下記の一般式(1)で表される遷移金属錯体を、遷移金属化合物として50mol%以上の純度で含有することを特徴とする、 α−オレフィン重合用触媒。
    Figure 2012158727
    (一般式(1)において、Yは、リン又は砒素であり、Zは、−SO−又は−CO−である。
    〜R18は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、又は炭素数1〜20のシリル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
    19 は、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のシロキシ基、アミノ基、炭素数1〜20のアミノ基、チオール基、炭素数1〜20のチオエーテル基からなる群より選ばれた置換基を示す。
    Mは、8〜10族の遷移金属からなる群より選択された金属原子を示す。)
  2. 一般式(1)において、R19が水酸基であることを特徴とする、請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
  3. 一般式(1)において、R、Rの少なくとも一つ、及び、R、Rの少なくとも一つは、二級もしくは三級のアルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属錯体を、遷移金属化合物として80mol%以上の純度で含有することを特徴とする、α−オレフィン重合用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のα−オレフィン重合用触媒の存在下に、α−オレフィンと、極性基含有モノマーとを共重合することを特徴とする、α−オレフィンと極性基含有モノマーの共重合体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のα−オレフィン重合用触媒の存在下に、α−オレフィンと、(メタ)アクリル酸又はエステルとを共重合することを特徴とする、α−オレフィン・(メタ)アクリル酸系オレフィン共重合体の製造方法。
  7. 炭化水素溶媒の存在下に共重合反応を行うことを特徴とする、請求項5に記載のα−オレフィンと極性基含有モノマーの共重合体の製造方法。

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