JP2017030512A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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恵二 樋口
Keiji Higuchi
恵二 樋口
陽介 松田
Yosuke Matsuda
陽介 松田
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Abstract

【課題】排水性能、雪路性能及び氷路性能をバランスよく向上させる。
【解決手段】トレッド部2に、複数本の主溝3、複数本の横溝4で区分された第1ブロック5がタイヤ周方向に隔設された空気入りタイヤである。正規状態におけるトレッド部2の平面において、第1ブロック5は、タイヤ軸方向の両側の端縁である縦ブロック縁9を具える。各縦ブロック縁9は、ジグザグ状にのびるジグザグ部10と、このジグザグ部10からブロックの外方に突出する縦凸部13とからなる。ジグザグ部10は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜してのびる長辺部11と、該長辺部11とは反対側に傾斜しかつ長辺部11よりもタイヤ周方向の長さが小さい短辺部12とが交互に配されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、排水性能、雪路性能及び氷路性能をバランスよく向上させた空気入りタイヤに関する。
近年では、冬用の空気入りタイヤにおいて、雪路や氷路などの他、ウェット路等も走行する機会が増加している。従って、このような冬用の空気入りタイヤでは、雪路性能や氷路性能だけでなく、排水性能を含めて、高次元でバランス良く向上させることが求められている。
例えば、氷路性能を向上させるために、パターン剛性や摩擦力を高めることを目的として、トレッド部の接地面積を大きくすることが提案されている。しかしながら、この手法では、主溝や横溝の溝幅が小さくなるため、排水抵抗が大きくなる他、排雪性能が小さくなるため、排水性能や雪路性能が悪化するという問題があった。このように、氷路性能と排水性能及び雪路性能とは、相反関係を有し、これら全ての性能をバランス良く向上するのは困難であった。関連する技術として次のものがある。
特開2008−308010号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、第1ブロックの縦ブロック縁を、ジグザグ状にのびるジグザグ部と、このジグザグ部からブロックの外方に突出する縦凸部とから構成し、かつジグザグ部の形状を特定することを基本として排水性能、雪路性能及び氷路性能をバランスよく向上させた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝、及び、前記主溝間又は前記主溝とトレッド縁との間をのびる複数本の横溝で区分された第1ブロックがタイヤ周方向に隔設された少なくとも1列のブロック列を具えた空気入りタイヤであって、前記第1ブロックは、タイヤ軸方向の両側でタイヤ周方向にのびる端縁である縦ブロック縁を具え、前記各縦ブロック縁は、ジグザグ状にのびるジグザグ部と、このジグザグ部からブロックの外方に突出する縦凸部とからなり、前記ジグザグ部は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜してのびる長辺部と、該長辺部とは反対側に傾斜しかつ前記長辺部よりもタイヤ周方向の長さが小さい短辺部とが交互に配されていることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記トレッド部は、前記第1ブロックとタイヤ軸方向で隣り合う第2ブロックを含み、前記第2ブロックは、前記第1ブロック側の端縁が、タイヤ周方向にジグザグ状でのびている請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記第2ブロックの前記第1ブロック側の端縁は、前記横溝の溝中心線を延長させた仮想線との交差位置において、前記主溝の溝深さの80〜100%の深さでブロックの内方に凹む凹部が形成されている請求項2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記横溝は、タイヤ軸方向の中央部から両端部に向って溝幅が漸増する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤでは、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝、及び、主溝間又は主溝とトレッド縁との間をのびる複数本の横溝で区分された第1ブロックがタイヤ周方向に隔設された少なくとも1列のブロック列を具える。
そして、第1ブロックは、タイヤ軸方向の両側でタイヤ周方向にのびる端縁である縦ブロック縁を具え、各縦ブロック縁は、ジグザグ状にのびるジグザグ部と、このジグザグ部からブロックの外方に突出する縦凸部とからなる。このようなジグザグ部は、縦ブロック縁の実長さを大きくして、タイヤ軸方向のエッジ成分を高め、雪柱せん断力や駆動力を向上させる。また、縦凸部は、タイヤ軸方向の剛性を高めるとともに、主溝の溝幅が過度に小さくなることを抑制する。このため、雪路性能、氷路性能及び排水性能がバランスよく向上する。
また、ジグザグ部は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜してのびる長辺部と、該長辺部とは反対側に傾斜しかつ長辺部よりもタイヤ周方向の長さが小さい短辺部とが交互に配されている。このような長辺部と短辺部とで構成されるジグザグ部は、長さの等しい等辺部からなるジグザグ部に比して、実長さがより大きくなる。従って、さらに雪柱せん断力や制動力が向上する。
本発明の一実施形態を示すトレッド部の展開図である。 図1のX−X部の拡大断面図である。 図1のセンターブロック近傍の拡大図である。 図1のミドルブロック近傍の拡大図である。 本発明の一実施形態の空気入りタイヤの接地形状を表す図である。 比較例1の空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)は、例えば冬用タイヤとして好適に利用でき、そのトレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝3と、該主溝3、3間及び主溝3とトレッド縁Teとの間をのびる横溝4とが設けられる。本実施形態の主溝3は、タイヤ赤道Cのタイヤ軸方向両側をのびる1対のセンター主溝3Aと、該センター主溝3Aのタイヤ軸方向外側をのびる一対のショルダー主溝3Bとからなる。また、本実施形態の横溝4は、複数本のセンター横溝4A、複数本のミドル横溝4B、及び複数本のショルダー横溝4Cからなる。センター横溝4Aは、センター主溝3A、3A間をのびている。ミドル横溝4Bは、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとの間をのびている。ショルダー横溝4Cは、ショルダー主溝3Bとトレッド縁Teとの間をのびている。
これにより、トレッド部2には、主溝3と横溝4とで区分される複数個のブロックが配される。本実施形態では、トレッド部2は、センターブロック列5Rと、ミドルブロック列6Rと、ショルダーブロック列7Rとが配される。センターブロック列5Rは、一対のセンター主溝3A及びセンター横溝4Aにより区分される複数個のセンターブロック5(第1ブロック)がタイヤ周方向に並んで形成されている。ミドルブロック列6Rは、センター主溝3A、ショルダー主溝3B及びミドル横溝4Bにより区分される複数個のミドルブロック6(第2ブロック)がタイヤ周方向に並んで形成されている。ショルダーブロック列7Rは、ショルダー主溝3B、トレッド縁Te及びショルダー横溝4Cにより区分される複数個のショルダーブロック7がタイヤ周方向に並んで形成されている。
本実施形態では、ミドルブロック6は、センターブロック5と隣り合う。また、ショルダーブロック7は、ミドルブロック6と隣り合う。
本実施形態のトレッドパターンは、タイヤ赤道C上の任意の点を中心としてバリアブルピッチを除いて実質的な点対称パターンで形成されている。
前記「トレッド縁」Teは、正規リム(図示せず)にリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。そして、このトレッド縁Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド接地幅TWとして定められる。特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、この正規状態で測定された値である。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"となる。また、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
また、「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本実施形態の各主溝3は、タイヤ周方向にジグザグ状にのびる。このような主溝3は、タイヤ軸方向のエッジ成分を増加するため、雪柱せん断力、駆動力及び制動力などを大きくする。従って、雪路性能や氷路性能が向上する。
図2には、図1のX−X断面図が示される。図1及び図2に示されるように、主溝3の溝幅(溝の長手方向と直角な溝幅で、以下、他の溝についても同様とする。)W1及び溝深さD1については、慣例に従って種々定めることができる。しかしながら、これらの溝幅又は溝深さが小さくなると排水性能や雪路性能が悪化するおそれがある。逆に、これらの溝幅又は溝深さが大きくなると各ブロック5乃至7の接地面積が小さくなる他、各ブロック5乃至7の剛性が低下し、氷路性能が悪化するおそれがある。このため、主溝3の溝幅W1は、例えば、トレッド接地幅TWの3〜9%が望ましい。主溝3の溝深さD1は6〜15mmが望ましい。
また、各ブロック5乃至7のタイヤ軸方向の剛性と排水性能とをバランスよく確保するため、センター主溝3Aとタイヤ赤道Cとの間のタイヤ軸方向距離L1は、トレッド接地幅TWの5〜15%が望ましい。同様の観点より、ショルダー主溝3Bとタイヤ赤道Cとの間のタイヤ軸方向距離L2は、トレッド接地幅TWの25〜35%が望ましい。なお、各主溝3A、3Bの各位置は、それらの溝中心線で特定されるが、本実施形態のように、主溝3がジグザグ状の非直線の場合、溝中心線の振幅の中心線G1、G2が用いられる。
また、各横溝4は、タイヤ軸方向に対する角度が異なる溝部を連ねた屈曲部を有する。これにより、タイヤ周方向のエッジ成分が増加されるため、氷路での旋回性能が向上する。
センター横溝4Aの溝幅W2は、例えば、トレッド接地幅TWの0.5〜3.0%が望ましい。同様に、センター横溝4Aの溝深さD2は9〜12mmが望ましい。さらに、ミドル横溝4B及びショルダー横溝4Cの溝幅W3は、例えば、トレッド接地幅TWの1.0〜5.0%が望ましい。同様に、ミドル横溝4B及びショルダー横溝4Cの溝深さD3は4〜12mmが望ましい。これにより、排水性能、雪路性能及び氷路性能がバランスよく高められる。
センター横溝4Aは、本実施形態では、タイヤ軸方向の中央部4Acから両端部4Aeに向ってセンター横溝4Aの溝幅W2が漸増する。このようなセンター横溝4Aは、センター横溝4A内の雪をセンター主溝3Aへスムーズに排出できるとともに、溝容積を大きくして、雪柱せん断力を高めることができる。なお、両端部4Aeの溝幅W2eが過度に大きくなると、センターブロック5のタイヤ周方向のエッジ成分が小さくなり、氷路での旋回性能が悪化するおそれがある。このため、両端部4Aeの溝幅W2eは、好ましくは中央部4Acの溝幅W2cの1.3倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは3.0倍以下、より好ましくは2.8倍以下である。
図3には、センターブロック5近傍の拡大図が示される。図3に示されるように、センターブロック5は、そのタイヤ軸方向の両側でタイヤ周方向にのびる端縁である一対の縦ブロック縁9、9を具えている。
前記各縦ブロック縁9、9は、ジグザグ状にのびるジグザグ部10と、このジグザグ部10からブロックのタイヤ軸方向の外方に突出するひとつの縦凸部13とを含んで構成される。このようなジグザグ部10は、縦ブロック縁9の実長さを大きくして、タイヤ軸方向のエッジ成分を高め、雪柱せん断力や駆動力を向上する。また、縦凸部13は、タイヤ軸方向の剛性を高めつつ、各主溝3の溝幅W1が過度に小さくなることを抑制する。このため、雪路性能、氷路性能及び排水性能がバランスよく向上する。
縦ブロック縁9は、縦凸部13がジグザグ部10のタイヤ周方向の一方側(図3では下側)に設けられた第1縦ブロック縁9Aと、縦凸部13がジグザグ部10のタイヤ周方向の他方側(図3では上側)に設けられた第2縦ブロック縁9Bとからなる。これにより、センターブロック5のタイヤ軸方向の剛性がタイヤ周方向でバランスよく高められる。
ジグザグ部10は、長辺部11と、長辺部11よりもタイヤ周方向の長さが小さい短辺部12とからなる。長辺部11と短辺部12とは、交互に配されている。長辺部11は、センターブロック5のタイヤ周方向の端縁である横ブロック縁14の端部14eからタイヤ周方向に対して一方側(図3では右上がり)に傾斜してのびている。短辺部12は、該長辺部11とは反対側(図3では右下がり)に傾斜している。このような長辺部11と短辺部12とで構成されるジグザグ部10は、長さの等しい等辺部からなるジグザグ部に比して、実長さが大きくなる。従って、さらに雪柱せん断力や制動力が向上する。
上述の作用を効果的に発揮させるため、長辺部11のタイヤ周方向に対する角度α1は、好ましくは5°以上、より好ましくは7°以上であり、好ましくは15°以下、より好ましくは13°以下である。同様に、短辺部12のタイヤ周方向に対する角度α2は、好ましくは50°以上、より好ましくは52°以上であり、好ましくは60°以下、より好ましくは58°以下である。
また、ジグザグ部10のタイヤ軸方向の長さLaが大きくなると、ジグザグ部10の剛性や排水抵抗が悪化するおそれがある。逆に、ジグザグ部10の長さLaが小さくなると、上述の作用が発揮されない。このため、ジグザグ部10の長さLaは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
同様の観点より、短辺部12は、夫々の縦ブロック縁9に、2〜4本設けられるのが望ましい。本実施形態の短辺部の12は、縦ブロック縁9に2本設けられている。
縦凸部13は、本実施形態では、長辺部11からタイヤ軸方向の外方にのびる軸方向部15と、該軸方向部15からタイヤ周方向に屈曲してのび、横ブロック縁14に接続される周方向部16とからなる略L字状の輪郭を含んでいる。このような縦凸部13は、センターブロック5のタイヤ軸方向及び周方向の剛性を高める。
図4には、ミドルブロック6近傍の拡大図が示される。図4に示されるように、ミドルブロック6は、センターブロック5側の端縁であるミドル縦ブロック縁17が、タイヤ周方向にジグザグ状にのびている。これにより、さらにタイヤ軸方向のエッジ成分が増加するため、雪柱せん断力や制動力が高められる。
本実施形態のミドル縦ブロック縁17は、ミドルジグザグ部18と、凹部19と、直線部20とを含んで構成されている。ミドルジグザグ部18は、ミドルブロック6のタイヤ周方向の一方側(図4では下側)の端縁25aの一端に接続されかつジグザグ状にのびている。凹部19は、ミドルジグザグ部18に接続されかつブロックの内方に凹んでいる。直線部20は、凹部19に接続されかつ直線状にのびミドルブロック6のタイヤ周方向の他方側(図4では上側)の端縁25bの一端に接続されている。このようなミドルジグザグ部18、及び凹部19は、タイヤ軸方向のエッジ成分を増加して、制動力を高める。また、直線部20は、ミドルブロック6のタイヤ軸方向の剛性を高め、氷路での旋回性能を向上させる。
ミドル縦ブロック縁17のジグザグのピークトウピークの全振幅V1は、好ましくはミドルブロック6のタイヤ軸方向の最大長さLm(図1に示す)の8%以上、より好ましくは10%以上であり、好ましくは22%以下、より好ましくは20%以下である。即ち、ミドル縦ブロック縁17の全振幅V1が大きくなると、排水抵抗が大きくなり、排水性能が悪化するおそれがある。逆に、ミドル縦ブロック縁17の全振幅V1が小さくなると、雪柱せん断力や制動力の向上が小さくなるおそれがある。
本実施形態のミドルジグザグ部18は、ミドル短辺部21と、ミドル短辺部21よりもタイヤ周方向の長さが大きいミドル長辺部22とを含んでいる。ミドル短辺部21とミドル長辺部22とは、交互に配されている。ミドル短辺部21は、タイヤ周方向に対して一方側(図4では左上がり)に傾斜してのびている。ミドル長辺部22は、ミドル短辺部21とは反対側(図4では左下がり)に傾斜している。このようなミドルジグザグ部18は、ミドル縦ブロック縁17の実長さをより大きくして、タイヤ軸方向のエッジ成分を大きく確保する。従って、さらに雪柱せん断力や制動力が向上する。
本実施形態のミドル短辺部21は、タイヤ軸方向で隣り合うセンターブロック5の縦ブロック縁9の短辺部12と略同じタイヤ周方向の位置に設けられる。また、ミドル短辺部21は、短辺部12とタイヤ周方向に対して同じ向きに傾斜するとともに、短辺部12と略同じ長さである。また、ミドル短辺部21、21間に形成されるミドル長辺部22は、縦ブロック縁9の長辺部11とタイヤ周方向の略同じ位置に配される。これにより、センター主溝3Aは、制動力や雪柱せん断力をさらに向上する。
なお、前記「略同じタイヤ周方向の位置」とは、短辺部12とミドル短辺部21とがタイヤ周方向に全く同じ位置に形成される態様のみならず、短辺部12の一方端が、ミドル短辺部21のタイヤ周方向の範囲内に位置する態様を含む。また、前記「略同じ長さ」とは、短辺部12のタイヤ軸方向の長さLa(図3に示す)とミドル短辺部21とのタイヤ軸方向の長さLbが同じである態様を含む。また、「略同じ長さ」とは、これらの長さの差|La−Lb|が短辺部12のタイヤ軸方向の長さLaの20%以下の態様も含む。
上述の作用をより効果的に発揮させるため、ミドルジグザグ部18のタイヤ軸方向の長さLbは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
凹部19は、本実施形態では、センター横溝4Aの溝中心線を延長させた仮想線4eとミドル縦ブロック縁17との交差位置Kに形成されている。これにより、センター横溝4Aと凹部19とが直線状に連なり、この部分に大きな雪柱を形成して高いせん断力が発揮される。
凹部19は、センター主溝3Aの溝深さD1の80〜100%の深さ(図示せず)で形成されるのが望ましい。これにより、ミドルブロック6の剛性を確保しつつ、雪路性能を向上することができる。
凹部19のタイヤ軸方向の最大長さLeは、好ましくはミドルブロック6のタイヤ軸方向の最大長さLmの4.0%以上、より好ましくは6.0%以上であり、好ましくは13.0%以下、より好ましくは11.0%以下である。これにより、ミドルブロック6の剛性が確保されつつ、雪柱せん断力が効果的に発揮される。
また、ミドルブロック6は、該ミドルブロック6のショルダーブロック7側の端縁24も、タイヤ周方向にジグザグ状にのびている。このような端縁24のジグザグの全振幅V2は、好ましくはミドルブロック6のタイヤ軸方向の最大長さLm(図1に示す)の8%以上、より好ましくは10%以上であり、好ましくは22%以下、より好ましくは20%以下である。これにより、ミドルブロック6のタイヤ軸方向のエッジ成分が増加するとともに、タイヤ軸方向の剛性の過度の低下が抑制される。
図1に示されるように、本実施形態の各ブロック5乃至7には、サイピングSが設けられる。サイピングSは、例えば、タイヤ軸方向に対して傾斜して波状にのびる。また、サイピングSは、各ブロック5乃至7において夫々タイヤ周方向に複数本(本実施形態では、4本)設けられる。これにより、サイピングSのエッジ効果が発揮され、氷路性能が向上する。
本実施形態では、センターブロック5及びミドルブロック6には、一端がブロック内で終端しかつ他端が主溝に開口するセミオープンタイプのサイピングS1のみが設けられている。このようなサイピングS1は、サイピングの実長さを大きく確保しつつ、ブロックの過度の剛性低下を抑制する。
センターブロック5及びミドルブロック6の各サイピングS1は、本実施形態では、その開口端が各ブロック5、6のタイヤ軸方向両側の端縁に交互に設けられている。これにより、ブロック5、6のタイヤ周方向の剛性が均等化される。
ショルダーブロック7には、セミオープンタイプのサイピングS2と、両端がブロックのタイヤ軸方向の端縁及びトレッド縁Teに連通することなくブロック内で終端するクローズドタイプのサイピングS3とが設けられている。このようなクローズドタイプのサイピングS3は、旋回時に大きな横力の作用するショルダーブロック7のタイヤ軸方向の剛性を確保するのに役立つ。
本実施形態では、全てのブロック5乃至7の踏面の合計面積Sbと、トレッド部2の全ての溝3、4を埋めて得られるトレッド全表面積Saとの比(Sb/Sa)で表されるランド比が、68〜72%に設定される。これにより、氷路性能と雪路性能及び排水性能がバランスよく高められる。
図5には、本実施形態のタイヤの接地面Seの形状が示される。本実施形態では、接地面Seにおける端縁30の実長さの合計が、好ましくはトレッド接地幅TWの16.5倍以上、より好ましくは17.0倍以上であり、好ましくは20.5倍以下、より好ましくは20.0倍以下である。接地面Seにおける端縁30は、各ブロック5乃至7のタイヤ軸方向及びタイヤ周方向の端縁30である。これにより、各ブロック5乃至7の剛性と排水抵抗の低減とが確保されるため、排水性能、雪路性能及び氷路性能がバランスよく向上する。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施することができる。他の実施形態としては、例えば、トレッド部2のミドルブロック6が第1ブロックとされ、ショルダーブロック7が第2ブロックとされても良い。
図1又は図6の基本パターンを有するサイズ195/80R15の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、各試供タイヤの排水性能、氷路性能(制動力)及び雪路性能がテストされた。なお、共通仕様は以下の通りである。
トレッド接地幅TW:162mm
<主溝>
溝幅W1:6.0〜8.0mm
溝深さD1:12.5mm
センター主溝の溝中心線のタイヤ軸方向距離L1/TW:10.3%
ショルダー主溝の溝中心線のタイヤ軸方向距離L2/TW:28.1%
<横溝>
センター横溝の中央部の溝幅W2c:3.0〜4.0mm
ミドル横溝及びショルダー横溝の溝幅W3:3.0〜5.0mm
各横溝の溝深さD2、D3:7.0〜10.5mm
なお、比較例17乃至20は、ショルダーブロックのタイヤ赤道側の端縁の形状を変更させて、接地面での各ブロックの端縁の実長さが調整された。テスト方法は、次の通りである。
<雪路性能>
各試供タイヤを、下記の条件で、排気量2700ccの4輪駆動車の全輪に装着し、圧雪路のテストコースをドライバー1名乗車で走行させた。そして、このときのハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する走行特性がドライバーの官能により評価された。結果は、比較例1を100とする評点で表示されている。数値が大きいほど良好である。
リム15×6J
内圧:350kPa(前輪)
内圧:425kPa(後輪)
荷重:4.9kN
<氷路性能(制動力)>
上記テスト車両にて、氷路のテストコースを走行し、速度30km/hから急ブレーキをかけ、停止するまでの制動距離が計測された。結果は、比較例1の制動距離の逆数を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど良好である。
<排水性能>
上記テスト車両にて、全長2000mのウエットアスファルト路面のテストコースを走行させ、そのときの走行時間が計測された。なお、ウエットコンディションを同一とするために、走行直前に、路面の水深が5mmに統一された。結果は、比較例1の走行時間の逆数を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど良好である。
テストの結果が表1に示される。
Figure 2017030512
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて排水性能、雪路性能及び氷路性能が有意に向上していることが確認できた。
2 トレッド部
3 主溝
4 横溝
5 第1ブロック
8 ブロック列
9 縦ブロック縁
10 ジグザグ部
11 長辺部
12 短辺部
13 縦凸部

Claims (4)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝、及び、前記主溝間又は前記主溝とトレッド縁との間をのびる複数本の横溝で区分された第1ブロックがタイヤ周方向に隔設された少なくとも1列のブロック列を具えた空気入りタイヤであって、
    前記第1ブロックは、タイヤ軸方向の両側でタイヤ周方向にのびる端縁である縦ブロック縁を具え、
    前記各縦ブロック縁は、ジグザグ状にのびるジグザグ部と、このジグザグ部からブロックの外方に突出する縦凸部とからなり、
    前記ジグザグ部は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜してのびる長辺部と、該長辺部とは反対側に傾斜しかつ前記長辺部よりもタイヤ周方向の長さが小さい短辺部とが交互に配されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッド部は、前記第1ブロックとタイヤ軸方向で隣り合う第2ブロックを含み、
    前記第2ブロックは、前記第1ブロック側の端縁が、タイヤ周方向にジグザグ状でのびている請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第2ブロックの前記第1ブロック側の端縁は、前記横溝の溝中心線を延長させた仮想線との交差位置において、前記主溝の溝深さの80〜100%の深さでブロックの内方に凹む凹部が形成されている請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記横溝は、タイヤ軸方向の中央部から両端部に向って溝幅が漸増する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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