JP2017025346A - 電着塗装システム、及び、電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装システム、及び、電着塗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二次タレ現象を抑止しながら、システムのライン長を短くするとともに、効率的に被塗物表面温度を昇温させる。
【解決手段】電着塗装システム(1)は、被塗物(W)を電着塗料溶液(S1)に浸漬させて被塗物(W)の表面に塗膜を形成する電着処理ゾーン(10)と、表面に塗膜を形成した被塗物(W)を洗浄する複数の水洗処理工程部を備える水洗処理ゾーン(20)と、洗浄した被塗物(W)を加熱して被塗物(W)の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理ゾーン(30)と、を備える。水洗処理ゾーン(20)は、少なくとも、水洗処理工程部として、被塗物(W)を温水(S4)に浸漬させて洗浄する温水浸漬槽(23)と、温水浸漬槽(23)の次の水洗処理工程部として設けた、被塗物(W)における鋼板合わせ面部に温水(S4)を吹き付ける温水吹付部(24)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被塗物を電着塗料溶液に浸漬させて前記被塗物の表面に塗膜を形成する電着処理ゾーンと、前記電着処理ゾーンで表面に塗膜を形成した前記被塗物を洗浄水により洗浄する複数の水洗処理工程部を備える水洗処理ゾーンと、前記水洗処理ゾーンで洗浄水により洗浄した前記被塗物を加熱して前記被塗物の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理ゾーンと、を備える電着塗装システム、又は、被塗物を電着塗料溶液に浸漬させて前記被塗物の表面に塗膜を形成する電着処理工程と、前記電着処理工程で表面に塗膜を形成した前記被塗物を洗浄水により洗浄する複数の工程で段階的に前記被塗物を洗浄する水洗処理工程と、前記水洗処理工程で洗浄水により洗浄した前記被塗物を加熱して前記被塗物の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理工程と、を実行する電着塗装方法に関する。
この種の電着塗装システムでは、例えば、自動車ボディの場合ではドアの袋部などの鋼板合わせ面部に、電着処理において電着塗料溶液が浸入することとなる。そして、この浸入した電着塗料溶液は、それに続く水洗処理において洗い流そうとしても、鋼板合わせ面部は洗浄水で処理しにくい構造や配置であるため、完全には洗い流しにくい。このため、水洗処理後の被塗物における鋼板合わせ面部は、浸入電着塗料溶液と浸入洗浄水との混合で生じた浸入電着水溶液が残存した状態となり易い。
そして、この状態の被塗物に焼付乾燥処理を施すと、被塗物加熱に伴い鋼板合わせ面部から浸入電着水溶液が噴出的に流出する二次タレ現象が発生する虞がある。この二次タレ現象により、被塗物表面に流出した電着水溶液中の固形分が被塗物表面の塗膜上に付着するため、塗装の仕上がり品質が低下する問題があった。
このような問題に対し、例えば、特開平11−131291号公報(特許文献1)では、水洗処理後に、被塗物を乾燥炉により加温するプレヒート工程と、鋼板合わせ面部に温水を吹き付ける吹付工程を行う電着塗装方法が開示されている。つまり、特許文献1では、被塗物表面温度を高く保つと電着水溶液の表面張力・粘性率が下がって鋼板合わせ面部からでも電着水溶液が滴下しやすくなる現象を利用して、プレヒート工程により被塗物表面温度を上げて電着水溶液の表面張力を下げる。そして、その後の吹付工程における温水吹き付けにより、被塗物表面温度の低下を防ぎながら電着水溶液の表面張力・粘性率が下がった状態で鋼板合わせ面部における浸入電着水溶液を滴下・排出する。
特開平11−131291号公報
しかし、特許文献1の方法では、洗浄処理を行う洗浄処理ゾーンに、プレヒート工程を行う乾燥炉と、吹付工程を行うスプレー部とを設ける必要があり、ライン長が長くなる問題があった。また、乾燥炉を用いて被塗物表面温度を上げようとしても、被塗物表面に残留する洗浄水の気化熱で熱が吸収され、その温度上昇を効率的に行い難い問題があった。そして、特許文献1の方法では、プレヒート工程における被塗物の温度上昇率を上げたとしても、温度上昇率を上げるほど、かえって二次タレ現象の防止効果が下がることが記載されており、短時間で温度上昇させることは問題となっていた。このように、特許文献1の方法では、ライン長が長くなる点、短時間で効率的に被塗物表面温度を昇温しがたい点で問題があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、二次タレ現象を抑止しながら、システムのライン長を短くするとともに、効率的に被塗物表面温度を昇温させる点にある。
本発明の第1特徴構成は電着塗装システムに係り、その特徴は、
被塗物を電着塗料溶液に浸漬させて前記被塗物の表面に塗膜を形成する電着処理ゾーンと、前記電着処理ゾーンで表面に塗膜を形成した前記被塗物を洗浄する複数の水洗処理工程部を備える水洗処理ゾーンと、前記水洗処理ゾーンで洗浄した前記被塗物を加熱して前記被塗物の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理ゾーンと、を備える電着塗装システムであって、
前記水洗処理ゾーンは、少なくとも、前記水洗処理工程部として、前記被塗物を温水に浸漬させて洗浄する温水浸漬槽と、前記温水浸漬槽の次の前記水洗処理工程部として設けた、前記被塗物における鋼板合わせ面部に温水を吹き付ける温水吹付部と、を備える点にある。
この構成によれば、温水浸漬槽において、被塗物を温水に浸漬させて洗浄するとともに、プレヒート工程に相当するものとして温水により被塗物表面温度を昇温させる。そして、温水浸漬槽において被塗物表面温度を上昇させた後、温水吹付部により被塗物表面温度の低下を防ぎ、これにより電着水溶液の表面張力・粘性率が下がった状態で鋼板合わせ面部における浸入電着水溶液を効率的に滴下・排出させることができる。したがって、二次タレ現象を効果的に抑止することができる。
そして、この構成では、水洗処理ゾーンにおける温水浸漬槽により、被塗物の洗浄に加えてプレヒート工程を行う、即ち、温水浸漬槽が水洗処理工程とプレヒート工程との両者を行うから、特許文献1のように水洗処理工程とプレヒート工程とを別で行うため水洗処理ゾーンとは別に乾燥炉を設けるのに比べ、ライン長を短くすることができる。さらに、乾燥炉を省くことで装置コストの低減も達成できる。また、温水浸漬槽によれば、雰囲気温度による加温よりも熱伝達効率の高い温水による加温を行え、且つ、乾燥炉のように洗浄水の気化熱で熱が吸収されることもないため、短時間で効率的に被塗物表面温度を昇温させることができる。
したがって、二次タレ現象を抑止しながら、システムのライン長を短くするとともに、効率的に被塗物表面温度を昇温させることができる。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記水洗処理ゾーンは、電着塗料溶液を限外濾過して得たUF水を含有する洗浄水で水洗を行うUF水洗処理ゾーンと、前記UF水洗処理ゾーンの下流側であって、前記温水浸漬槽と前記温水吹付部とから構成される純水で水洗を行う純水洗処理ゾーンと、を備え、
前記純水洗処理ゾーンは、さらに、前記温水浸漬槽の上流側に、前記被塗物を常温の純水に浸漬させて洗浄する純水浸漬槽を備える点にある。
つまり、水洗処理工程として、電着塗料溶液を限外濾過(Ultrafiltration、以下「UF」と略称する)して得たUF水を含有する洗浄水で水洗を行うUF水洗処理ゾーンにおける水洗処理と、その下流側の純水洗処理ゾーンにおける水洗処理とが行われることがあるが、従来、純水洗処理ゾーンは、スペースやコストを抑えるため、1の純水浸漬槽のみで構成されていた。これに対し、この構成では、純水浸漬槽と温水浸漬槽との2段階で純水による洗浄を行うようにし、鋼板合わせ面部における浸入電着水溶液に対する洗浄効果を高めてある。これにより、二次タレ現象を一層効果的に抑止することができる。また、純水浸漬槽を設けることで、ある程度ライン長が長くなり装置コストが増加しても、従来の方法で必要であった乾燥炉を省くことにより、ライン長を短くするとともに装置コストを低減してあるから、全体としてはシステムのライン長を短くでき、且つ、装置コストを低減できる。
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記UF水洗処理ゾーンにおける最終の前記水洗処理工程部と前記純水浸漬槽との間、及び/又は、前記純水浸漬槽と前記温水浸漬槽との間に、前記被塗物から洗浄水を所定時間滴下させる滴下エリアを備える点にある。
この構成によれば、UF水洗処理ゾーンにおける最終の水洗処理工程部と純水浸漬槽との間と、純水浸漬槽と温水浸漬槽との間とに滴下エリアを設けることにより、鋼板合わせ面部からの浸入電着水溶液の滴下を促すことができる。これにより、二次タレ現象を一層効果的に抑止することができる。また、UF水洗処理ゾーンにおける最終の水洗処理工程部と純水浸漬槽との間に滴下エリアを設けて、該滴下エリアで滴下した浸入電着水溶液含有の洗浄水を回収することにより、いわゆるUF装置における電着塗料溶液の回収効率を高めることができる。
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記水洗処理ゾーンは、電着塗料溶液を限外濾過して得たUF水を含有する洗浄水で水洗を行うUF水洗処理ゾーンと、前記UF水洗処理ゾーンの下流側であって、前記温水浸漬槽と前記温水吹付部とから構成される純水で水洗を行う純水洗処理ゾーンと、を備え、
前記UF水洗処理ゾーンにおける最終の前記水洗処理工程部と前記温水浸漬槽との間に、前記被塗物から洗浄水を所定時間滴下させる滴下エリアを備える点にある。
この構成によれば、UF水洗処理ゾーンにおける最終の水洗処理工程部と温水浸漬槽との間とに滴下エリアを設けることにより、鋼板合わせ面部からの浸入電着水溶液の滴下を促すことができる。これにより、二次タレ現象を一層効果的に抑止することができる。また、該滴下エリアで滴下した浸入電着水溶液含有の洗浄水を回収することにより、いわゆるUF装置における電着塗料溶液の回収効率を高めることができる。
本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記温水吹付部は、温水を噴出させる吹付口が前記鋼板合わせ面部に向いた複数の吹付部を、被塗物の進行方向に並べて成る点にある。
この構成によれば、被塗物の進行方向に並べた吹付部によって、被塗物に温水吹付部を通過させながら確度高く鋼板合わせ面部に温水を吹き付けることができる。これにより、被塗物を連続して搬送させながら、的確に被塗物表面温度の低下を防ぐことができ、これにより鋼板合わせ面部における浸入電着水溶液を一層効率的に滴下・排出させることができる。したがって、二次タレ現象を一層効果的に抑止することができる。
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記温水浸漬槽中の温水を振動させる振動発生手段を備える点にある。
この構成によれば、被塗物を振動させることにより鋼板合わせ面部からの浸入電着水溶液の滴下・排出を一層効率的に行うことができる。したがって、二次タレ現象を一層効果的に抑止することができる。
本発明の第7特徴構成は電着塗装方法に係り、その特徴は、
被塗物を電着塗料溶液に浸漬させて前記被塗物の表面に塗膜を形成する電着処理工程と、前記電着処理工程で表面に塗膜を形成した前記被塗物を複数の工程で段階的に洗浄する水洗処理工程と、前記水洗処理工程で洗浄した前記被塗物を加熱して前記被塗物の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理工程と、を実行する電着塗装方法であって、
前記水洗処理工程では、少なくとも、前記被塗物を温水に浸漬させて洗浄する温水浸漬工程と、前記温水浸漬工程の次の工程として、吹付ノズルにより前記被塗物における鋼板合わせ面部に温水を吹き付ける温水吹付工程とを実行する点にある。
この構成によれば、第1特徴構成の電着塗装システムを好適に実施することができ、第1特徴構成の電着塗装システムを実施することで得られる作用効果を好適に得ることができる。
第1実施形態における電着塗装システムの概略構成図 被塗物表面温度と電着水溶液の動粘度との関係を示す図 温水吹付部の斜視図 温水吹付部の斜視図 第2実施形態における電着塗装システムの概略構成図
〔第1実施形態〕
本発明に係る電着塗装システム及び電着塗装方法の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係る電着塗装システム1の概略構成図であり、電着処理ゾーン10と水洗処理ゾーン20と焼付乾燥処理ゾーン30とから構成される。電着塗装システム1では、適当な治具(ハンガー受具など)により被塗物(本実施形態では自動車ボディ)Wを保持してコンベアなどを用いて搬送する搬送手段Cにより、電着処理ゾーン10から焼付乾燥処理ゾーン30に向かって被塗物Wを搬送させる。そして、被塗物Wを搬送させながら、被塗物Wが各処理ゾーン10,20,30を通過する間に被塗物Wに種々の処理を行う。以下、上流側・下流側というときは被塗物の進行方向Pにおける上流側・下流側を意味する。また、図1はあくまでも概略図であり、各部の長さ(浸漬槽の長さ等)は実際の寸法で表現されておらず、これに限定されるものではない。
電着処理ゾーン10は電着塗料溶液S1を貯留する電着処理槽11を有する。電着処理ゾーン10では、被塗物Wを電着処理槽11に貯留した電着塗料溶液S1に浸漬させて被塗物Wの表面に塗膜を形成する電着処理工程を行う。
水洗処理ゾーン20は複数の水洗処理行程部21〜24を備える。そして、水洗処理ゾーン20では、各水洗処理行程部21〜24において、電着処理ゾーン10で表面に塗膜を形成した被塗物Wを洗浄水S2〜S4により洗浄する水洗処理工程を行う。
焼付乾燥処理ゾーン30は焼付乾燥炉31を有する。そして、水洗処理ゾーン20で洗浄水により洗浄した被塗物1を炉内で100℃以上の焼付温度に加熱することで被塗物1の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理工程を行う。
以下では、水洗処理ゾーン20において重点的に説明する。まず、各水洗処理行程部について説明すると、21(21A〜21C)は電着塗料溶液S1を限外濾過(Ultrafiltration、以下「UF」と略称する場合がある)して得たUF水S2を含有する洗浄水で水洗を行うUF水浸漬槽である。また、UF水浸漬槽21A〜21Cの下流側において、22は被塗物Wを常温の純水S3に浸漬させて洗浄する純水浸漬槽であり、23は被塗物Wを温水S4に浸漬させて洗浄する温水浸漬槽である(なお、以下では、基本的には、常温の純水を特に純水S3と称し、温水も純水に含まれるが以下では単に温水S4とする。なお、S3とS4とについてまとめて言及する場合は純水と呼ぶ)。24は、吹付ノズルにより被塗物Wにおける鋼板合わせ面部Waに温水S4を吹き付ける温水吹付部である。このように、水洗処理ゾーン20は、UF水浸漬槽21A〜21Cから構成される、電着塗料溶液S1を限外濾過して得たUF水S2を含有する洗浄水(以下では、簡単のため、UF水S2を含有する洗浄水を単にUF水S2と称する場合がある)で水洗を行うUF水洗処理ゾーン20Aと、UF水洗処理ゾーン20Aの下流側であって、純水浸漬槽22と温水浸漬槽23と温水吹付部24とから構成される純水S3,S4で水洗を行う純水洗処理ゾーン20Bとからなる。
まず、UF水洗処理ゾーン20Aについて説明する。限外濾過(UF)とは、孔径が極めて小さい限外濾過膜(UF膜)を用いた濾過であり、電着塗料溶液S1に適用することで、塗料成分のみをUF膜で捕捉でき、UF膜を通過した溶液は塗料成分の含有率が極めて低い溶液となる(以下ではこの溶液をUF水S2と称する)。また、UF膜を通過せずに戻される溶液は、UF膜に塗料成分が捕捉されることにより、塗料成分が濃縮された濃縮電着塗料溶液S1´となる。本実施形態では、この限外濾過を行うUF装置25を用いて、電着処理槽11への浸漬に伴い被塗物WがUF水洗処理ゾーン20Aまで持ち出す電着塗料溶液S1を電着処理槽11に回収するとともに、本システム1の系外に持ち出される電着塗料溶液S1の量を低減してある。
具体的には、ポンプなどにより電着処理槽11からUF装置25まで電着塗料溶液S1を送る。そして、UF装置25において得たUF水S2をUF水浸漬槽21A〜21Cのうち最下流のUF水浸漬槽21Cに送る。そして、UF水浸漬槽21Cにて水洗処理が行われ被塗物Wから持ち出された塗料成分を回収したUF水S2は、UF水浸漬槽21Cの上流側のUF水浸漬槽21Bに送られる。さらに、UF水浸漬槽21Bにて水洗処理が行われ被塗物Wから持ち出された塗料成分を回収したUF水S2は、UF水浸漬槽21Bの上流側のUF水浸漬槽21Aに送られる。最後に、UF水浸漬槽21Aにて水洗処理が行われ被塗物Wから持ち出された塗料成分を回収したUF水S2は、電着処理槽11に送られる。
このようにして、UF水浸漬槽21Cに送られたUF水S2は、UF水浸漬槽21CからUF水浸漬槽21Aに送られるにつれて順次塗料成分を回収し、最終的に電着処理槽11に返される。これにより、被塗物WがUF水洗処理ゾーン20Aまで持ち出す電着塗料溶液S1を電着処理槽11に回収するとともに、本システム1の系外に持ち出される電着塗料溶液S1の量を低減してある。なお、UF装置25でUF膜を通過せずに塗料成分が濃縮された濃縮電着塗料溶液S1´は電着処理槽11に戻される。濃縮電着塗料溶液S1´とUF水浸漬槽21AからのUF水S2が電着処理槽11に戻されるから、結果的に電着処理槽11における電着塗料溶液S1の塗料成分の濃度は略一定に保たれる。
次に、純水洗処理ゾーン20Bについて説明する。UF水洗処理ゾーン20Aにおいて水洗処理を行った後は、純水浸漬槽で1度洗浄を行うのみで、その後焼付乾燥処理を行うことが通常である。しかし、被塗物Wの鋼板合わせ面部Waは洗浄水で処理しにくい構造や配置である。そのため、鋼板合わせ面部Waには、電着処理槽11での電着処理ゾーンで電着塗料溶液S1が浸入し、さらに、その後の水洗処理において洗浄水(UF水S2)が浸入し、その結果、浸入電着塗料溶液S1と浸入洗浄水S2との混合で生じた浸入電着水溶液が残存した状態となり易い。そこで、本実施形態における純水洗処理ゾーン20Bでは、純水浸漬槽22と温水浸漬槽23と温水吹付部24の3つの水洗処理行程部を備え、これらで順次洗浄処理を行うことで、鋼板合わせ面部Waに残存する浸入電着水溶液を効率的に滴下・排出させる。これについて以下に説明する。
まず、浸漬槽を純水浸漬槽22と温水浸漬槽23との2つ設けて、2段階で洗浄を行うことで、鋼板合わせ面部Waにおける浸入電着水溶液に対する洗浄効果を高めてある。
さらに、被塗物表面温度を高く保つと電着水溶液の表面張力・粘性率が下がって鋼板合わせ面部Waからでも電着水溶液が滴下しやすくなる現象を利用するため、温水浸漬槽23とその後の温水吹付部24とを採用している。例えば、被塗物表面温度と電着水溶液の粘性率(動粘度)との関係を図2に示すと、被塗物表面温度の表面温度が上がるほど電着水溶液の粘性率(動粘度)が下がることがわかる。そこで、本実施形態における純水洗処理ゾーン20Bでは、洗浄のため被塗物Wを温水浸漬槽23に浸漬させている間、温水S4からの熱伝達によって、被塗物表面温度を昇温させる。そして、被塗物表面温度が昇温した状態で、被塗物Wに温水吹付部24を通過させて、鋼板合わせ面部Waに温水S4を吹き付けながら被塗物Wを搬送することで、昇温させた被塗物表面温度を維持しながら被塗物Wを搬送できる。これにより、温水吹付部24において、電着水溶液の表面張力・粘性率が下がった状態で鋼板合わせ面部Waにおける浸入電着水溶液を効率的に滴下・排出させることができる。
ここで、温水吹付部24は、図3,4に示すように、上側吹付部40と下側吹付部50とから構成される。上側吹付部40と下側吹付部50はそれぞれ、温水S4を噴出させる吹付口が鋼板合わせ面部Waに向いた複数の吹付部を被塗物Wの進行方向Pに並べて成る。以下に上側吹付部40と下側吹付部50との具体的構成を説明する。
上側吹付部40は、主として、図4に示すように、温水S4が管内を流れる被塗物Wの進行方向Pに沿った一対の配管(吹付部に相当)41に、被塗物Wの側に向かって水平方向に開口する吹付口42と、吹付口43aが鋼板合わせ面部Waとしてのドア袋部Wa2に向いた吹付ノズル(吹付部に相当)43とが、被塗物Wの進行方向Pに交互に並んだ状態で設けられている。配管41はサッシュ部Wa1と同程度の高さとなる位置に配置してあり、このため、水平方向に開口する吹付口42は鋼板合わせ面部Waとしてのサッシュ部Wa1に向いた状態となる。
また、吹付ノズル43は、配管41より下方に位置するドア袋部Wa2に吹付口43aが向くように、途中で鉛直下向きに折れ曲がるL字状の形状となっている。なお、ドア袋部Wa2は鉛直方向に延びる部分があるが、吹付ノズル43aから鉛直下向きに温水S4がドア袋部Wa2に吹き付けられるので、ドア袋部Wa2のうち鉛直方向に延びる部位に沿って温水S4が吹き付けられて、ドア袋部Wa2の鉛直方向に延びる部分にも効率よく温水S4が当てられる。
また、本実施形態では、ドア袋部Wa2は、進行方向Pと平行ではなく、進行方向Pに対して左右方向(進行方向Pと直行する方向のうち、水平方向に沿う方向)に傾斜した状態となっている。このため、吹付ノズル43は、被塗物Wの進行方向Pにおける進行向きとは逆側にいくほど、配管41からの突出長さが短くなるようにしてある。より詳しくは、吹付ノズル43は、4つ1組の吹付ノズル群が被塗物Wの進行方向Pに並んだ状態とし、各吹付ノズル群の中で、その吹付ノズル43が、被塗物Wの進行方向Pにおける進行向きとは逆側にいくほど、配管41からの突出長さが短くなるようにしてある。これにより、吹付口43aの左右方向における位置がドア袋部Wa2に沿った位置に配置されて、ドア袋部Wa2に温水が効果的に吹き付けられる。
下側吹付部50は、主として、図3に示すように、被塗物Wに対する左右両側に設けられた被塗物Wの進行方向Pに沿う一対の主配管51と、一対の主配管51の間を延びる複数の分岐配管(吹付部に相当)52とから構成される。主配管51と分岐配管52とは被塗物Wの下方に位置するように配置されている。複数の分岐配管52は、互いに平行に、且つ、被塗物Wの進行方向Pに並んだ状態で設けられている。各分岐配管52は、一端が一方の主配管51と連結され、他端が他方の主配管51と連結されており、被塗物Wの進行方向Pと直行する方向に延びる。そして、各分岐配管52には、鉛直上向きを向く吹付口52aが、被塗物Wの進行方向Pと直行する方向に複数並んで設けられている。これにより、各分岐配管52の吹付口52aから、各分岐配管52より上方に配置される鋼板合わせ面部Waとしてのトランク裏部Wa3とボンネット裏部Wa4とに向かって鉛直上向きに、温水が吹き付けられる。
上側吹付部40と下側吹付部50とが以上のように設けられているから、被塗物Wが温水吹付部24を通過している間、各鋼板合わせ面部Wa(サッシュ部Wa1,ドア袋部Wa2,トランク裏部Wa3,及び,ボンネット裏部Wa4)に温水S4が吹き付けられる。
また、搬送手段Cでは搬送に伴い振動が発生するため、搬送手段Cが被塗物Wを搬送している間に被塗物Wには搬送手段Cから振動が与えられる。このため、被塗物Wが温水吹付部24を通過している間、被塗物Wに与えられる振動・衝撃により、鋼板合わせ面部Waからの浸入電着水溶液の滴下・排出を促進できる。なお、振動を発生させるために、搬送手段Cを振動器と接続しても良い。
ここで温水とは常温より温度の高い水を意味し、その温度は特に限定されないが、温水浸漬槽23における温水S4の温度、及び、温水吹付部24で吹き付ける温水S4の温度は、例えば、50℃以上が好ましい。30℃や40℃でも十分な効果は奏するが、50℃以上であれば、電着水溶液の表面張力・粘性率の低下と被塗物Wに与えられる振動・衝撃とにより、鋼板合わせ面部Waにおける大部分の浸入電着水溶液を滴下・排出することができる。また、図2に示すように、50℃以上になると、被塗物表面温度の表面温度の上昇に対する電着水溶液の粘性率(動粘度)の低下率が小さくなるため、加温に要するエネルギーコストの兼ね合いから、50℃が特に好ましい。
被塗物Wに温水吹付部24を通過させる時間は、例えば1分以上とすると好適である。これにより、鋼板合わせ面部Waにおける大部分の浸入電着水溶液を滴下・排出することができる。
また、電着処理槽11とUF水浸漬槽21Aとの間と、各浸漬槽21,22,23の間には、電着処理槽11又は下流側の浸漬槽21,22から持ち出した電着塗料溶液S1又は洗浄水S2,S3を滴下させる滴下エリアA(A1〜A5)を設けてある。この滴下エリアAにより、鋼板合わせ面部Waからの浸入電着水溶液の滴下も行わせる。各滴下エリアAは、電着処理槽11又は下流側の浸漬槽21,22に向かって下方に傾斜しており、これにより、その滴下エリアAで滴下した電着塗料溶液S1又は洗浄水S2,S3が、傾斜する滴下エリアAを流れて電着処理槽11又は下流側の浸漬槽21,22に返される。さらに、各浸漬槽21,22,23の間の滴下エリアA2〜A5には、下流側の浸漬槽21,22に対応する洗浄水(下流側の浸漬槽がUF水浸漬槽21である場合はUF水S2、下流側の浸漬槽が純水浸漬槽22である場合は純水S3)で被塗物Wを洗浄する洗浄シャワー26を設けてある。
そして、特に、UF水浸漬槽21Cと純水浸漬槽22との間の滴下エリアA4と、純水浸漬槽22と温水浸漬槽23との間の滴下エリアA5とは、そのエリアにおいて被塗物Wから洗浄水S2,S3の滴下、さらには、鋼板合わせ面部Waからの浸入電着水溶液の滴下を行わせる時間が他の滴下エリアA1〜A3よりも長くなるように、他の滴下エリアA1〜A3よりも被塗物Wの進行方向の長さを長くしてある。具体的には、UF水浸漬槽21Cと純水浸漬槽22との間の滴下エリアA4と、純水浸漬槽22と温水浸漬槽23との間の滴下エリアA5とは、そこで滴下を行わせる時間が1.5分以上となるような長さで構成してある。なお、各滴下エリアAにおいても、被塗物Wが温水吹付部24を通過している間と同様に、搬送手段Cを介して被塗物Wに振動・衝撃が与えられる。被塗物Wに与えられる振動・衝撃により、鋼板合わせ面部Waからの浸入電着水溶液の滴下・排出を促進できる。
最後に、本実施形態における電着塗装システム1により被塗物Wに対して行う電着塗装方法を説明する。まず、電着処理ゾーン10において、被塗物Wを電着処理槽11中の電着塗料溶液S1に浸漬させて被塗物Wの表面に塗膜を形成する電着処理工程を行う。そして、その後、電着処理工程で表面に塗膜を形成した被塗物Wを複数の行程で段階的に洗浄する水洗処理工程を行う。具体的には、水洗処理ゾーンにおいて電着処理槽11を出た被塗物Wを、滴下エリアA1を通過させてUF水浸漬槽21Aに浸漬させる。なお、被塗物Wが滴下エリアA1を通過している間は、搬送手段Cを介して被塗物Wに振動・衝撃が与えられる。同様にして、温水浸漬槽23に至るまで、滴下エリアA2〜A5を通過させながら、順次各浸漬槽21〜23に被塗物Wを浸漬させて洗浄を行う。そして、最後に、被塗物Wを温水処理槽23において温水S4に浸漬させて洗浄する温水浸漬工程と、温水浸漬工程の次の工程として、被塗物Wにおける鋼板合わせ面部Waに温水を吹き付ける温水吹付工程とを実行する。温水吹付部24において被塗物Wの鋼板合わせ部Waに温水S4が吹き付けられるため、鋼板合わせ部Waについてはその表面温度が高い状態を保ったまま、即ち、電着水溶液の表面張力・粘性率が下がった状態で、被塗物Wが温水吹付部24中を搬送される。そして、被塗物Wが温水吹付部24を通過している間、搬送手段Cを介して被塗物Wに振動・衝撃が与えられるから、この被塗物Wに与えられる振動・衝撃と相俟って、鋼板合わせ部Waから浸入電着水溶液が効率的に滴下・排出される。最後に、水洗処理工程で洗浄した被塗物Wを加熱して焼付乾燥炉31において被塗物の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理工程を実行し、被塗物Wに対する電着塗装を完了する。
このように、本実施形態における電着塗装システム1によれば、温水浸漬槽23において、被塗物Wを温水S4に浸漬させて洗浄するとともに、温水S4により被塗物表面温度を昇温させる。そして、被塗物表面温度を上昇させた後、温水吹付部24により被塗物表面温度の低下を防ぎ、これにより電着水溶液の表面張力・粘性率が下がった状態で鋼板合わせ面部Waにおける浸入電着水溶液を効率的に滴下・排出させることができる。これにより、二次タレ現象を効果的に抑止してある。
そして、この構成では、水洗処理ゾーン20における温水浸漬槽23が水洗処理と同時に被塗物Wの表面温度を昇温させるから、被塗物Wの表面温度を昇温させるために温水吹付部24の前に別途乾燥炉等を設けるのに比べ、ライン長を短くすることができる。さらに、乾燥炉等を省くことで装置コストの低減も達成できる。また、温水浸漬槽23によれば、雰囲気温度による加温よりも熱伝達効率の高い温水S4による加温を行え、且つ、乾燥炉のように洗浄水の気化熱で熱が吸収されることもないため、短時間で効率的に被塗物表面温度を昇温させることができる。
つまり、本実施形態における電着塗装システム1によれば、二次タレ現象を抑止しながら、システムのライン長を短くするとともに、効率的に被塗物表面温度を昇温させることができる。
〔第2の実施形態〕
本発明に係る電着塗装システム及び電着塗装方法の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、純水洗処理ゾーン20Bの構成が第1の実施形態とは異なっている。以下、本実施形態に係る電着塗装システム1について、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る電着塗装システム1では、第1の実施形態と異なり、純水洗処理ゾーン20Bには純水浸漬槽22がなく、純水洗処理ゾーン20Bは温水浸漬槽23と温水吹付部24とから構成される。そして、温水浸漬槽23は、温水浸漬槽中の温水を振動させるエアーアジテーション装置(振動発生手段に相当)27と接続されている。エアーアジテーション装置27は温水浸漬槽23内に圧縮空気を送り込むものであり、圧縮空気を送り込むことにより温水浸漬槽23中の温水を振動させる。つまり、純水浸漬槽22をなくし水洗処理工程を1つ減らす代わりに、エアーアジテーション装置27により温水浸漬槽23中の温水S4を振動させて、温水浸漬槽23における洗浄効果、さらには、純水洗処理ゾーン20B全体での洗浄効果を高く保ってある。
また、UF水浸漬槽21Cと温水浸漬槽23との間の滴下エリアA6は、そこで滴下を行わせる時間が1.5分以上となるような長さで構成してある。なお、滴下エリアA6においても、被塗物Wが温水吹付部24を通過している間と同様に、搬送手段Cを介して被塗物Wに振動・衝撃が与えられる。被塗物Wに与えられる振動・衝撃により、鋼板合わせ面部Waからの浸入電着水溶液の滴下・排出を促進できる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る電着塗装システム及び電着塗装方法のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、温水吹付部24が固定式である構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、被塗物Wの進行に追従する形で移動する構成としても良い。また、温水吹付部24は上記の実施形態の構成に限られず、適宜変更可能である。
(2)上記の第2実施形態では、温水浸漬槽23に、温水浸漬槽23中の温水を振動させる振動発生手段の一例としてエアーアジテーション装置27を用いた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、温水を振動させる振動発生手段は適宜選択可能である。また、上記の第1実施形態における温水浸漬槽23に対して振動発生手段を用いても良い。
(3)上記の実施形態では、水洗処理ゾーン20がUF水洗処理ゾーン20Aと純水洗処理ゾーン20Bとを備えた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態は、少なくとも温水浸漬槽23とその次の水洗処理行程部として温水吹付部24とを含むものであれば、特に限定されない。また、温水吹付部24の後にさらに水洗処理行程部を備えたものであっても良い。
(4)上記の実施形態では、滴下エリアAにおいて被塗物Wを停止させることなく連続的に搬送する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、各滴下エリアAで被塗物Wを所定時間停止させる構成としても良い。このとき、UF水浸漬槽21Cと純水浸漬槽22との間の滴下エリアA4、及び、純水浸漬槽22と温水浸漬槽23との間の滴下エリアA5、又は、UF水浸漬槽21Cと温水浸漬槽23との間の滴下エリアA6において、被塗物Wを1.5分以上停止させる構成とすれば良い。
(5)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えば自動車ボディなどの被塗物に対し電着塗装を行う装置又は方法に利用することができる。
1 電着塗装システム
10 電着処理ゾーン
20 水洗処理ゾーン
20A UF水洗処理ゾーン
20B 純水洗処理ゾーン
21 UF水浸漬槽(水洗処理工程部)
22 純水浸漬槽(水洗処理工程部)
23 温水浸漬槽(水洗処理工程部)
24 温水吹付部(水洗処理工程部)
27 エアーアジテーション装置(振動発生手段)
30 焼付乾燥処理ゾーン
41 配管(吹付部)
42,43a,52a 吹付口
43 吹付ノズル(吹付部)
52 分岐配管(吹付部)
A 滴下エリア
W 被塗物
Wa 鋼板合わせ面部
S1 電着塗料溶液
S2 UF水
S3 常温の純水
S4 温水
P 被塗物の進行方向

Claims (7)

  1. 被塗物を電着塗料溶液に浸漬させて前記被塗物の表面に塗膜を形成する電着処理ゾーンと、前記電着処理ゾーンで表面に塗膜を形成した前記被塗物を洗浄する複数の水洗処理工程部を備える水洗処理ゾーンと、前記水洗処理ゾーンで洗浄した前記被塗物を加熱して前記被塗物の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理ゾーンと、を備える電着塗装システムであって、
    前記水洗処理ゾーンは、少なくとも、前記水洗処理工程部として、前記被塗物を温水に浸漬させて洗浄する温水浸漬槽と、前記温水浸漬槽の次の前記水洗処理工程部として設けた、前記被塗物における鋼板合わせ面部に温水を吹き付ける温水吹付部と、を備える電着塗装システム。
  2. 前記水洗処理ゾーンは、電着塗料溶液を限外濾過して得たUF水を含有する洗浄水で水洗を行うUF水洗処理ゾーンと、前記UF水洗処理ゾーンの下流側であって、前記温水浸漬槽と前記温水吹付部とから構成される純水で水洗を行う純水洗処理ゾーンと、を備え、
    前記純水洗処理ゾーンは、さらに、前記温水浸漬槽の上流側に、前記被塗物を常温の純水に浸漬させて洗浄する純水浸漬槽を備える請求項1に記載の電着塗装システム。
  3. 前記UF水洗処理ゾーンにおける最終の前記水洗処理工程部と前記純水浸漬槽との間、及び/又は、前記純水浸漬槽と前記温水浸漬槽との間に、前記被塗物から洗浄水を所定時間滴下させる滴下エリアを備える請求項2に記載の電着塗装システム。
  4. 前記水洗処理ゾーンは、電着塗料溶液を限外濾過して得たUF水を含有する洗浄水で水洗を行うUF水洗処理ゾーンと、前記UF水洗処理ゾーンの下流側であって、前記温水浸漬槽と前記温水吹付部とから構成される純水で水洗を行う純水洗処理ゾーンと、を備え、
    前記UF水洗処理ゾーンにおける最終の前記水洗処理工程部と前記温水浸漬槽との間に、前記被塗物から洗浄水を所定時間滴下させる滴下エリアを備える請求項1に記載の電着塗装システム。
  5. 前記温水吹付部は、温水を噴出させる吹付口が前記鋼板合わせ面部に向いた複数の吹付部を、被塗物の進行方向に並べて成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の電着塗装システム。
  6. 前記温水浸漬槽中の温水を振動させる振動発生手段を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の電着塗装システム。
  7. 被塗物を電着塗料溶液に浸漬させて前記被塗物の表面に塗膜を形成する電着処理工程と、前記電着処理工程で表面に塗膜を形成した前記被塗物を複数の工程で段階的に洗浄する水洗処理工程と、前記水洗処理工程で洗浄した前記被塗物を加熱して前記被塗物の塗膜を硬化乾燥させる焼付乾燥処理工程と、を実行する電着塗装方法であって、
    前記水洗処理工程では、少なくとも、前記被塗物を温水に浸漬させて洗浄する温水浸漬工程と、前記温水浸漬工程の次の工程として、前記被塗物における鋼板合わせ面部に温水を吹き付ける温水吹付工程とを実行する電着塗装方法。
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