JPH1180996A - 電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装方法

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JPH1180996A
JPH1180996A JP9259345A JP25934597A JPH1180996A JP H1180996 A JPH1180996 A JP H1180996A JP 9259345 A JP9259345 A JP 9259345A JP 25934597 A JP25934597 A JP 25934597A JP H1180996 A JPH1180996 A JP H1180996A
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JP
Japan
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electrodeposition
temperature
coated
coating method
electrodeposition coating
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Application number
JP9259345A
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English (en)
Inventor
Kenshichirou Shima
謙七郎 島
Takashi Arakawa
孝 荒川
Hirokazu Sugiyama
裕和 杉山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D13/00Electrophoretic coating characterised by the process
    • C25D13/22Servicing or operating apparatus or multistep processes

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼板合わせ面に侵入した電着塗料を除去し、電
着タレを防止して肌の向上が図れる電着塗装方法を提供
する。 【解決手段】電着塗料に被塗物を浸漬し、これを焼き付
ける電着塗装方法であり、被塗物を浸漬したのち焼き付
けるまでの間に、被塗物に水蒸気を吹き付ける工程を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体などの
電着塗装方法に関し、特に鋼板合わせ目から噴き出す電
着タレを防止する電着塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接工程を終了した自動車車体(いわゆ
るホワイトボディ)には、耐食性を確保するために塗装
工程にて下塗りとしての電着塗装が施される。近年の電
着塗装は、カチオン電着塗料中に車体を浸漬し、車体側
を陰極に、槽内電極(電着塗料)を陽極にして、電気泳
動によって車体鋼板表面に電着塗膜を析出させることに
より行われている。
【0003】電着塗料に車体を全没させる、いわゆるデ
ィッピング法で電着塗装を施すと、吹き付け塗装法では
塗布できない車体の内板、袋構造部あるいは鋼板合わせ
目の内面にまで塗膜を形成することができるので、耐食
性確保の有効な手段として広く実施されている。
【0004】この種のディッピング電着塗装法において
は、電着槽を出槽した直後の車体内外に電着塗料が残留
するので、電着槽以降にセッティングゾーンや水洗ゾー
ンを設け、セッティング時間を長くとったり清浄な水を
吹き付けることで、残留した電着塗料を洗い流すことが
行われている(図13参照)。
【0005】残留塗料を除去する方法としては、従来よ
り、焼き付け乾燥前の予熱ゾーンに複数のエアーノズル
を設け、車体に高圧エアーを吹き付けることで車体に付
着した洗浄水を吹き飛ばすもの(たとえば特開平6−2
28,794号公報参照)や、水洗工程を経た車体をハ
ンガーとともに後ろ上がりに傾斜させて洗浄水を排出
し、さらに焼き付け炉前の予熱ゾーンでは前上がりに傾
斜させて焼き付け炉入口で残留する洗浄水を減らすもの
(たとえば特開平6−235,094号公報参照)など
が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法は内外板の表面に付着した電着塗料または袋構造
内あるいはフロアなどに残留した電着塗料を除去するに
は効果的であるものの、鋼板合わせ面に侵入した電着塗
料は除去できない。
【0007】たとえば、図14(A)に示すように、サ
イドシル50とセンターピラー60との接続部Bは、同
図(B)および図15に示されるように、サイドシルア
ウタパネル51とセンターピラーアウタパネル61と
が、いわゆる「べた当たり」する構造であり、毛細管現
象によってこのべた当たり面Dの隙間に侵入した電着塗
料が焼き付け炉内で噴き出し、これがシルアウタに垂れ
流れて硬化する。このような一種の肌荒れである「電着
タレ」不良が生じると、最終仕上がり品質が低下し、そ
の修正作業工数に多大の時間を要するといった問題があ
った。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、鋼板合わせ目に侵入した電
着塗料を除去できる電着塗装方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の電着塗装方法は、電着塗料に被塗物
を浸漬し、これを焼き付ける電着塗装方法において、前
記被塗物を浸漬したのち焼き付けるまでの間に、前記被
塗物に水蒸気を吹き付ける工程を有することを特徴とす
る。
【0010】この請求項1記載の電着塗装方法では、被
塗物を電着塗料に浸漬したのち水蒸気を吹き付けるの
で、図12に示すように、吹き付けられた水蒸気によっ
て鋼板の合わせ面に侵入した電着塗料が加熱され粘度が
下がる。これにより、電着塗料が鋼板合わせ面から流れ
出すことになる。また、被塗物に水蒸気を吹き付けるこ
とで被塗物表面に結露水が付着し、この結露水が鋼板合
わせ面から流れ出した電着塗料を引き出す作用を司るの
で、電着塗料の流出が促進される。
【0011】請求項2記載の電着塗装方法は、請求項1
記載の電着塗装方法において、前記水蒸気を吹き付ける
工程と前記焼き付け工程との間に、前記被塗物を40℃
以上100℃未満の温度で加温する工程をさらに有する
ことを特徴とする。
【0012】この請求項2記載の電着塗装方法では、水
蒸気を吹き付けることで流出した残留電着塗料を40℃
以上100℃未満の温度で加熱し、これにより流出した
電着塗料を乾燥させ除去する。40℃未満では乾燥効果
が少なく、また100℃以上では流出した電着塗料が沸
騰し肌荒れが生じるので、40℃以上100℃未満とす
ることが好ましい。
【0013】請求項3記載の電着塗装方法は、請求項1
記載の電着塗装方法において、前記水蒸気を吹き付ける
工程と前記焼き付け工程との間に、前記被塗物に40℃
以上150℃以下の温度のエアーを吹き付ける工程をさ
らに有することを特徴とする。
【0014】この請求項3記載の電着塗装方法では、水
蒸気を吹き付けることで流出した残留電着塗料に40℃
以上150℃以下の温度のエアーを吹き付け、これによ
り流出した電着塗料を拡散および乾燥させ除去する。4
0℃未満では乾燥効果が少なく、また150℃を越える
と電着塗料が沸騰して肌荒れが生じるので、40℃以上
150℃以下とすることが好ましい。
【0015】請求項4記載の電着塗装方法は、請求項1
記載の電着塗装方法において、前記水蒸気を吹き付ける
工程と前記焼き付け工程との間に、前記被塗物を40℃
以上100℃未満の温度で加温する工程と、その後に前
記被塗物に40℃以上150℃以下の温度のエアーを吹
き付ける工程とをさらに有することを特徴とする。
【0016】被塗物を40℃以上100℃未満の温度で
加温し、さらに40℃以上150℃以下の温度のエアー
を吹き付けることにより、流出した電着塗料の拡散およ
び乾燥効果がより高くなる。
【0017】上記目的を達成するために、請求項5記載
の電着塗装方法は、電着塗料に被塗物を浸漬し、これを
焼き付ける電着塗装方法において、前記被塗物を浸漬し
たのち焼き付けるまでの間に、前記被塗物に40℃以上
100℃未満の温水ミストを吹き付ける工程を有するこ
とを特徴とする。
【0018】この請求項5記載の電着塗装方法では、被
塗物を電着塗料に浸漬したのち40℃以上100℃未満
の温水ミストを吹き付けるので、図12に示すように、
吹き付けられた温水ミストによって鋼板の合わせ面に侵
入した電着塗料が加熱され粘度が下がる。これにより、
電着塗料が鋼板合わせ面から流れ出すことになる。ま
た、被塗物に温水ミストを吹き付けることで被塗物表面
に水滴が付着し、この水滴が鋼板合わせ面から流れ出し
た電着塗料を引き出す作用を司るので、電着塗料の流出
が促進される。
【0019】請求項6記載の電着塗装方法は、請求項5
記載の電着塗装方法において、前記温水ミストを吹き付
ける工程と前記焼き付け工程との間に、前記被塗物を4
0℃以上100℃未満の温度で加温する工程をさらに有
することを特徴とする。
【0020】この請求項6記載の電着塗装方法では、温
水ミストを吹き付けることで流出した残留電着塗料を4
0℃以上100℃未満の温度で加熱し、これにより流出
した電着塗料を乾燥させ除去する。40℃未満では乾燥
効果が少なく、また100℃以上では流出した電着塗料
が沸騰し肌荒れが生じるので、40℃以上100℃未満
とすることが好ましい。
【0021】請求項7記載の電着塗装方法は、請求項5
記載の電着塗装方法において、前記温水ミストを吹き付
ける工程と前記焼き付け工程との間に、前記被塗物に4
0℃以上150℃以下の温度のエアーを吹き付ける工程
をさらに有することを特徴とする。
【0022】この請求項7記載の電着塗装方法では、温
水ミストを吹き付けることで流出した残留電着塗料に4
0℃以上150℃以下の温度のエアーを吹き付け、これ
により流出した電着塗料を拡散および乾燥させ除去す
る。40℃未満では乾燥効果が少なく、また150℃を
越えると電着塗料が沸騰して肌荒れが生じるので、40
℃以上150℃以下とすることが好ましい。
【0023】請求項8記載の電着塗装方法は、請求項5
記載の電着塗装方法において、前記温水ミストを吹き付
ける工程と前記焼き付け工程との間に、前記被塗物を4
0℃以上100℃未満の温度で加温する工程と、その後
に前記被塗物に40℃以上150℃以下の温度のエアー
を吹き付ける工程とをさらに有することを特徴とする。
【0024】被塗物を40℃以上100℃未満の温度で
加温し、さらに40℃以上150℃以下の温度のエアー
を吹き付けることにより、流出した電着塗料の拡散およ
び乾燥効果がより高くなる。
【0025】請求項9記載の電着塗装方法は、電着塗料
に被塗物を浸漬し、前記被塗物を40℃以上100℃未
満の温度で加温したのち、これを焼き付ける電着塗装方
法において、前記被塗物を40℃以上100℃未満の温
度で加温する工程で、少なくとも1回以上、20℃以上
100℃未満の水を吹き付けることを特徴とする。
【0026】また、請求項10記載の電着塗装方法は、
前記被塗物を40℃以上100℃未満の温度で加温する
工程で、少なくとも1回以上、20℃以上100℃未満
の水を吹き付けることを特徴とする。
【0027】さらに請求項11記載の電着塗装方法は、
前記被塗物を40℃以上100℃未満の温度で加温する
工程で、少なくとも1回以上、20℃以上100℃未満
の水を吹き付けることを特徴とする。
【0028】これら請求項9乃至11記載の電着塗装方
法では、被塗物を電着塗料に浸漬したのち40〜100
℃でプレヒートするので、図12に示すように、加温に
よって鋼板の合わせ面に侵入した電着塗料が加熱され粘
度が下がる。これにより、電着塗料が鋼板合わせ面から
流れ出すことになるが、このときさらに、少なくとも1
回以上、20℃以上100℃未満の水を吹き付けるの
で、鋼板合わせ面から流れ出た電着塗料を適切に洗い流
すことができる。
【0029】この場合、吹き付ける水の温度が20℃よ
り低温であると、加温による粘度減少効果が阻害される
ので好ましくない。また、吹き付ける水の温度が100
℃以上であると電着塗膜の肌荒れが生じるので好ましく
ない。
【0030】請求項12記載の電着塗装方法は、前記水
に界面活性剤が含まれていることを特徴とする。被塗物
をプレヒートしているので水をそのまま使用すると、場
合によっては被塗物に水シミが生じるおそれもあるが、
請求項12記載の電着塗装方法のように、水に界面活性
剤を添加することで、被塗物表面に水シミが残ることが
防止できる。
【0031】本発明で好ましく用いられる界面活性剤と
しては、特に限定されないが、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルを挙げることができ、このときの濃
度は0.005%〜0.5%とすることが好ましい。
0.005%を下回ると界面活性剤の効果が期待でき
ず、逆に0.5%を上回ると吹き付け時に泡立ちが生じ
て好ましくない。また0.5%を上回っても水シミ防止
効果が飽和し、材料費に対する効果の割合が低下する。
【0032】本発明の電着塗装方法は、自動車車体に限
らず自動車部品にも適用できる。また、電着塗料はカチ
オン型に限らずアニオン型であっても良い。電着浸漬工
程と焼き付け工程との間には、たとえば一又はそれ以上
のセッティング工程や、一又はそれ以上の水洗工程など
を設けることができる。
【0033】また、40℃以上100℃未満で加温(プ
レヒート)する場合、局部的に加温しても良いし、車体
全体を加温しても良い。
【0034】
【発明の効果】請求項1および5記載の電着塗装方法に
よれば、鋼板合わせ面に侵入した電着塗料を焼き付け前
に除去することができ、肌荒れを防止することができ
る。その結果、塗装面品質の向上および修正作業工数の
低減が図れる。
【0035】請求項2乃至4、6乃至11記載の電着塗
装方法によれば、鋼板合わせ面に侵入した電着塗料を焼
き付け前に除去することがより確実に達成され、肌荒れ
をより確実に防止することができる。その結果、より一
層の塗装面品質の向上および修正作業工数の低減が図れ
る。
【0036】請求項12記載の電着塗装方法によれば、
被塗物をプレヒートしたのち水を吹き付けても、水シミ
の発生を防止することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。実施例1 評価サンプルには、実車(日産自動車(株)社製R11
型プレセア(商品名))のホワイトボディを用い、サン
プル数は20台とした。なお、この実車のセンタピラー
下部の鋼板合わせ面の隙間を測定したところ平均200
μmであった。
【0038】図1に示すように、まず、このホワイトボ
ディを電着槽に全没させたのち、5分のセッティングを
行い、次いで5分間の第一水洗と、同じく5分の第2水
洗とを実施した。これを10分間セッティングしたの
ち、図13および14に示すセンタピラー下部の鋼板合
わせ面に、水蒸気発生装置を用いて80℃の水蒸気をノ
ズルで30秒間吹き付けた。最後にこれを170℃×2
0分の条件で焼き付けた。
【0039】評価は、図16に示すように焼き付けを終
えた実車に生じた電着タレの面積を測定し、後述する比
較例 の電着タレ面積を100とした%比率で算出し
た。また、肌荒れについては目視で評価し、その程度を
小、中、大の三段階で示した。結果を表1に示す。
【0040】実施例2 図2に示すように、水蒸気の吹き付け工程の後に、90
℃×10分間の加温工程(プレヒート工程)を設け、セ
ンタピラー下部の鋼板合わせ面を加温した以外は、実施
例1と同様の条件で塗装した。また実施例1と同様の電
着タレ面積と肌荒れ評価を行った。この結果を表1に示
す。
【0041】実施例3 図3に示すように、プレヒート工程の後に、120℃×
1分間の温エアー吹き付け工程を設け、センタピラー下
部の鋼板合わせ面に温エアーを吹き付けた以外は、実施
例2と同様の条件で塗装した。また実施例1と同様の電
着タレ面積と肌荒れ評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0042】実施例4 図4に示すように、第1のセッティング工程と第一水洗
工程との間に、80℃×30秒の水蒸気の吹き付け工程
を追加した以外は、実施例1と同様の条件で塗装した。
また実施例1と同様の電着タレ面積と肌荒れ評価を行っ
た。この結果を表1に示す。本実施例は、電着槽出槽直
後に鋼板合わせ面から残留塗料を流出させ、その後の水
洗工程でこれを洗い流すことで電着タレ防止の促進を企
図したものである。
【0043】実施例5 図5に示すように、実施例3におけるプレヒート工程と
温エアー吹き付け工程とを入れ替えた以外は、実施例3
と同様の条件で塗装した。また実施例1と同様の電着タ
レ面積と肌荒れ評価を行った。その結果を表1に示す。
【0044】比較例1 図13に示すように、水蒸気吹き付け工程を省略した以
外は実施例1と同様の条件で塗装した。また実施例1と
同様の電着タレ面積と肌荒れ評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0045】比較例2 図2に示すプレヒート工程の条件を110℃×10分と
した以外は実施例2と同様の条件で塗装した。また実施
例1と同様の電着タレ面積と肌荒れ評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0046】比較例3 図3に示す温エアー吹き付け工程の条件を160℃×1
分とした以外は実施例3と同様の条件で塗装した。また
実施例1と同様の電着タレ面積と肌荒れ評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 以上の実施例1〜5および比較例1〜3の結果より、以
下のことが理解される。まず、実施例1と比較例1の結
果から、水蒸気の吹き付け工程を設けることで電着タレ
面積が25%減少するので、修正作業工数が低減でき
る。
【0048】また、実施例1〜3の結果からは、水蒸気
の吹き付け工程にプレヒート工程を追加したもの(実施
例2)、さらにこれに温エアー吹き付け工程を追加した
もの(実施例3)の順に、電着タレ面積が減少し、肌も
良好となる。
【0049】実施例1および4の結果から、電着槽出槽
直後に水蒸気吹き付け工程を追加することで電着タレ面
積が激減し、また肌も向上する。実施例3および実施例
5の結果から、水蒸気吹き付け工程にプレヒート工程と
温エアー吹き付け工程とを追加する場合には、温エアー
吹き付け工程を前工程とした方が若干電着タレ面積が減
少する。
【0050】なお、比較例2および3の結果から、プレ
ヒートおよび温エアーの温度を高くしすぎると肌荒れ程
度が悪くなることが理解される。
【0051】さらに他の実施例により本発明を説明す
る。実施例6 実施例1と同じ実車を用い、図6に示すように、実施例
1の水蒸気吹き付け工程に代えて、エアーガンを用いて
90℃の温水ミストをセンタピラー下部の鋼板合わせ面
に吹き付けた。この温水ミストの粒径は空中でφ5mm
以下となるように調節した。
【0052】評価は実施例1と同様の電着タレおよび肌
荒れを行い、さらに電着タレについては修正工数が多大
となる30mm以上の長いタレ跡の有無も追加評価し
た。この結果を表2に示す。
【0053】実施例7 図7に示すように、温水ミスト吹き付け工程の後に、9
0℃×10分間の加温工程(プレヒート工程)を設け、
センタピラー下部の鋼板合わせ面を加温した以外は、実
施例6と同様の条件で塗装した。また実施例6と同様の
電着タレと肌荒れ評価を行った。この結果を表2に示
す。
【0054】実施例8 図8に示すように、プレヒート工程の後に、120℃×
1分間の温エアー吹き付け工程を設け、センタピラー下
部の鋼板合わせ面に温エアーを吹き付けた以外は、実施
例7と同様の条件で塗装した。また実施例6と同様の電
着タレと肌荒れ評価を行った。その結果を表2に示す。
【0055】実施例9 図9に示すように、第1のセッティング工程と第一水洗
工程との間に、90℃×30秒の温水ミスト吹き付け工
程を追加した以外は、実施例6と同様の条件で塗装し
た。また実施例6と同様の電着タレと肌荒れ評価を行っ
た。この結果を表2に示す。本実施例は、電着槽出槽直
後に鋼板合わせ面から残留塗料を流出させ、その後の水
洗工程でこれを洗い流すことで電着タレ防止の促進を企
図したものである。
【0056】実施例10 図10に示すように、実施例8におけるプレヒート工程
と温エアー吹き付け工程とを入れ替えた以外は、実施例
8と同様の条件で塗装した。また実施例6と同様の電着
タレと肌荒れ評価を行った。その結果を表2に示す。
【0057】比較例4 図13に示すように、温水ミスト吹き付け工程を省略し
た以外は実施例6と同様の条件で塗装した。また実施例
6と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果を
表2に示す。
【0058】比較例5 図6に示す温水ミストの温度を30℃とした以外は実施
例6と同様の条件で塗装した。また実施例6と同様の電
着タレと肌荒れ評価を行った。その結果を表2に示す。
【0059】比較例6 図7に示すプレヒート工程の条件を110℃×10分と
した以外は実施例7と同様の条件で塗装した。また実施
例6と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表2に示す。
【0060】比較例7 図8に示す温エアー吹き付け工程の条件を160℃×1
分とした以外は実施例8と同様の条件で塗装した。また
実施例6と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その
結果を表2に示す。
【0061】
【表2】 以上の実施例6〜10および比較例4〜7の結果より、
以下のことが理解される。まず、実施例6と比較例4の
結果から、温水ミストの吹き付け工程を設けることで電
着タレ面積が20%減少し、しかも長い電着タレが防止
できるので、修正作業工数が著しく低減できる。
【0062】また、実施例6〜8の結果からは、温水ミ
ストの吹き付け工程にプレヒート工程を追加したもの
(実施例7)、さらにこれに温エアー吹き付け工程を追
加したもの(実施例8)の順に、電着タレ面積が減少
し、肌も良好となる。
【0063】実施例6および9の結果から、電着槽出槽
直後に温水ミスト吹き付け工程を追加することで電着タ
レ面積が激減する。実施例8および実施例10の結果か
ら、温水ミスト吹き付け工程にプレヒート工程と温エア
ー吹き付け工程とを追加する場合には、温エアー吹き付
け工程を前工程とした方が若干電着タレ面積が減少す
る。
【0064】ちなみに、比較例5の結果からは、温水ミ
ストの温度が低すぎると電着タレに対する効果が少な
く、また比較例6および7の結果から、プレヒートおよ
び温エアーの温度を高くしすぎると肌荒れ程度が悪くな
ることが理解される。
【0065】さらに他の実施例により本発明を説明す
る。実施例11 実施例1と同じ実車を用い、図11に示すように、実施
例1の水蒸気吹き付け工程に代えて、90℃×10分間
の加温工程(プレヒート工程)を設け、センタピラー下
部の鋼板合わせ面を加温した。またこの工程で、センタ
ーピラー下部の鋼板合わせ面に20℃の水を30秒間吹
き付けた。
【0066】評価は実施例1と同様の電着タレおよび肌
荒れを行った。この結果を表3に示す。
【0067】実施例12 上記実施例11における水の吹き付け回数を2回に変更
した以外は実施例11と同様の条件で塗装した。また、
実施例11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。そ
の結果を表3に示す。
【0068】実施例13 上記実施例11における水の吹き付け回数を5回に変更
した以外は実施例11と同様の条件で塗装した。また、
実施例11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。そ
の結果を表3に示す。
【0069】実施例14 上記実施例11における水の吹き付け回数を10回に変
更した以外は実施例11と同様の条件で塗装した。ま
た、実施例11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0070】実施例15 上記実施例11における水の温度を40℃に変更した以
外は実施例11と同様の条件で塗装した。また、実施例
11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0071】実施例16 上記実施例12における水の温度を40℃に変更した以
外は実施例12と同様の条件で塗装した。また、実施例
12と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0072】実施例17 上記実施例13における水の温度を40℃に変更した以
外は実施例13と同様の条件で塗装した。また、実施例
13と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0073】実施例18 上記実施例14における水の温度を40℃に変更した以
外は実施例14と同様の条件で塗装した。また、実施例
14と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0074】実施例19 上記実施例11における水の温度を80℃に変更した以
外は実施例11と同様の条件で塗装した。また、実施例
11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0075】実施例20 上記実施例12における水の温度を80℃に変更した以
外は実施例12と同様の条件で塗装した。また、実施例
12と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0076】実施例21 上記実施例13における水の温度を80℃に変更した以
外は実施例13と同様の条件で塗装した。また、実施例
13と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0077】実施例22 上記実施例14における水の温度を80℃に変更した以
外は実施例14と同様の条件で塗装した。また、実施例
14と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0078】実施例23 上記実施例11における水の温度を99℃に変更した以
外は実施例11と同様の条件で塗装した。また、実施例
11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0079】実施例24 上記実施例12における水の温度を99℃に変更した以
外は実施例12と同様の条件で塗装した。また、実施例
12と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0080】実施例25 上記実施例13における水の温度を99℃に変更した以
外は実施例13と同様の条件で塗装した。また、実施例
13と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0081】実施例26 上記実施例14における水の温度を99℃に変更した以
外は実施例14と同様の条件で塗装した。また、実施例
14と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0082】比較例8 上記実施例11における水の温度を19℃に変更した以
外は実施例11と同様の条件で塗装した。また、実施例
11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0083】比較例9 上記実施例11における水の温度を100℃に変更した
以外は実施例11と同様の条件で塗装した。また、実施
例11と同様の電着タレと肌荒れ評価を行った。その結
果を表3に示す。
【0084】
【表3】 以上の実施例11〜26および比較例8,9の結果よ
り、以下のことが理解される。まず、プレヒートゾーン
にて水を吹き付けるにあたり、20℃未満の低温の水を
吹き付けると電着タレ面積が大きく、好ましくない。こ
れは、プレヒートによる電着塗料の粘度減少が低温水に
より阻害されるからである。逆に、100℃以上の高温
水を吹き付けると、塗装肌が荒れて好ましくない。
【0085】また、実施例14,18および22の結果
から明らかなように、水を吹き付ける回数が多ければ多
いほど、電着タレは著しく減少する。
【0086】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着塗装方法の実施例1を示す工程図
である。
【図2】本発明の電着塗装方法の実施例2を示す工程図
である。
【図3】本発明の電着塗装方法の実施例3を示す工程図
である。
【図4】本発明の電着塗装方法の実施例4を示す工程図
である。
【図5】本発明の電着塗装方法の実施例5を示す工程図
である。
【図6】本発明の電着塗装方法の実施例6を示す工程図
である。
【図7】本発明の電着塗装方法の実施例7を示す工程図
である。
【図8】本発明の電着塗装方法の実施例8を示す工程図
である。
【図9】本発明の電着塗装方法の実施例9を示す工程図
である。
【図10】本発明の電着塗装方法の実施例10を示す工
程図である。
【図11】本発明の電着塗装方法の実施例11乃至26
を示す工程図である。
【図12】本発明の作用を説明するための断面図であ
る。
【図13】従来の電着塗装方法を示す工程図である。
【図14】(A)は被塗物である自動車車体を示す斜視
図、(B)は(A)のB部拡大図である。
【図15】図14(B)のC−C線に沿う断面図であ
る。
【図16】図15のE矢視図である。
【符号の説明】
50…シル 51…シルアウタパネル 60…センタピラー 61…センタピラーアウタパネル D…鋼板合わせ面

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電着塗料に被塗物を浸漬し、これを焼き付
    ける電着塗装方法において、前記被塗物を浸漬したのち
    焼き付けるまでの間に、前記被塗物に水蒸気を吹き付け
    る工程を有することを特徴とする電着塗装方法。
  2. 【請求項2】前記水蒸気を吹き付ける工程と前記焼き付
    け工程との間に、前記被塗物を40℃以上100℃未満
    の温度で加温する工程をさらに有することを特徴とする
    請求項1記載の電着塗装方法。
  3. 【請求項3】前記水蒸気を吹き付ける工程と前記焼き付
    け工程との間に、前記被塗物に40℃以上150℃以下
    の温度のエアーを吹き付ける工程をさらに有することを
    特徴とする請求項1記載の電着塗装方法。
  4. 【請求項4】前記水蒸気を吹き付ける工程と前記焼き付
    け工程との間に、前記被塗物を40℃以上100℃未満
    の温度で加温する工程と、その後に前記被塗物に40℃
    以上150℃以下の温度のエアーを吹き付ける工程とを
    さらに有することを特徴とする請求項1記載の電着塗装
    方法。
  5. 【請求項5】電着塗料に被塗物を浸漬し、これを焼き付
    ける電着塗装方法において、前記被塗物を浸漬したのち
    焼き付けるまでの間に、前記被塗物に40℃以上100
    ℃未満の温水ミストを吹き付ける工程を有することを特
    徴とする電着塗装方法。
  6. 【請求項6】前記温水ミストを吹き付ける工程と前記焼
    き付け工程との間に、前記被塗物を40℃以上100℃
    未満の温度で加温する工程をさらに有することを特徴と
    する請求項5記載の電着塗装方法。
  7. 【請求項7】前記温水ミストを吹き付ける工程と前記焼
    き付け工程との間に、前記被塗物に40℃以上150℃
    以下の温度のエアーを吹き付ける工程をさらに有するこ
    とを特徴とする請求項5記載の電着塗装方法。
  8. 【請求項8】前記温水ミストを吹き付ける工程と前記焼
    き付け工程との間に、前記被塗物を40℃以上100℃
    未満の温度で加温する工程と、その後に前記被塗物に4
    0℃以上150℃以下の温度のエアーを吹き付ける工程
    とをさらに有することを特徴とする請求項5記載の電着
    塗装方法。
  9. 【請求項9】電着塗料に被塗物を浸漬し、前記被塗物を
    40℃以上100℃未満の温度で加温したのち、これを
    焼き付ける電着塗装方法において、前記被塗物を40℃
    以上100℃未満の温度で加温する工程で、少なくとも
    1回以上、20℃以上100℃未満の水を吹き付けるこ
    とを特徴とする電着塗装方法。
  10. 【請求項10】前記被塗物を40℃以上100℃未満の
    温度で加温する工程で、少なくとも1回以上、20℃以
    上100℃未満の水を吹き付けることを特徴とする請求
    項4記載の電着塗装方法。
  11. 【請求項11】前記被塗物を40℃以上100℃未満の
    温度で加温する工程で、少なくとも1回以上、20℃以
    上100℃未満の水を吹き付けることを特徴とする請求
    項8記載の電着塗装方法。
  12. 【請求項12】前記水に界面活性剤が含まれていること
    を特徴とする請求項9〜11の何れかに記載の電着塗装
    方法。
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