JP2000070821A - 電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉 - Google Patents

電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉

Info

Publication number
JP2000070821A
JP2000070821A JP10247109A JP24710998A JP2000070821A JP 2000070821 A JP2000070821 A JP 2000070821A JP 10247109 A JP10247109 A JP 10247109A JP 24710998 A JP24710998 A JP 24710998A JP 2000070821 A JP2000070821 A JP 2000070821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodeposition
drying
vehicle body
furnace
zone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10247109A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Nonomura
広実 野々村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP10247109A priority Critical patent/JP2000070821A/ja
Publication of JP2000070821A publication Critical patent/JP2000070821A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】サイドドアの下端からシルアウタパネルへ滴下
して生じる電着タレを防止できる電着乾燥炉を提供す
る。 【解決手段】炉入口11側の昇温ゾーン13に、自動車
の車体2が3°〜10°の前上がりとなる傾斜ゾーンが
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電着塗膜の乾燥方
法および電着乾燥炉に関し、特にサイドドアの下端から
シルアウタパネルへ滴下して生じる電着タレを防止でき
る電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接組立工程を終了した自動車の車体
(いわゆるホワイトボディ)には、耐食性を確保するた
めに塗装工程にて下塗りとしての電着塗装が施される。
近年の電着塗装は、カチオン電着塗料中に車体を浸漬
し、車体側を陰極に、槽内電極(電着塗料)を陽極にし
て、電気泳動によって車体鋼板表面に電着塗膜を析出さ
せることにより行われている。
【0003】電着塗料に車体を全没させる、いわゆるデ
ィッピング法で電着塗装を施すと、吹き付け塗装法では
塗布できない車体の内板、袋構造部あるいは鋼板合わせ
目の内面にまで塗膜を形成することができるので、耐食
性確保の有効な手段として広く実施されている。
【0004】この種のディッピング電着塗装法において
は、電着槽を出槽した直後の車体内外に電着塗料が残留
または付着するので、電着槽から電着乾燥炉の間にセッ
ティングゾーンや水洗ゾーンを設け、セッティング時間
を長くとったり清浄な水を吹き付けることで、残留また
は付着した電着塗料を洗い流すことが行われている。
【0005】残留塗料を除去する方法としては、従来よ
り、焼き付け乾燥前の予熱ゾーンに複数のエアーノズル
を設け、車体に高圧エアーを吹き付けることで車体に付
着した洗浄水を吹き飛ばすもの(たとえば特開平6−2
28,794号公報参照)や、水洗工程を経た車体をハ
ンガーとともに後ろ上がりに傾斜させて洗浄水を排出
し、さらに焼き付け炉前の予熱ゾーンでは前上がりに傾
斜させて焼き付け炉入口で残留する洗浄水を減らすもの
(たとえば特開平6−235,094号公報参照)など
が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の方法は、局所的にエアーブローしたり局所的に車体
を傾斜させるものであるため、多量に残留または付着し
た電着液に対しては、その除去効果が大きいものの、車
体表面の全体にわたって付着した電着液などのように徐
々に滴下する電着液に対しては除去効果が少ない。
【0007】こうした電着液は、パネル表面に膜状とな
って付着しているので、乾燥炉の昇温ゾーンに搬送され
たのちにおいてもパネルの下端から滴下し始める。たと
えば、図7(A)(B)に示すサイドドア21の表面に
付着した電着液は、ドアの表面に沿って徐々に流れ落ち
てドアの下端に集約され、その前部エッジ21bからシ
ルアウタパネル22に垂れ落ちる。そして、この電着液
は乾燥炉内で硬化して一種の肌荒れである電着タレにな
り、これが最終仕上がり品質が低下し、その修正作業工
数に多大の時間を要するといった問題があった。
【0008】特にサイドドアパネル21は、最終組付け
(完成車)の建て付け品質を確保するために、溶接組立
工程において車両前側のヒンジ部分が若干前下がりにな
るように建て付けられることが少なくないので、電着液
は前部エッジ21bからシルアウタパネル22に垂れ落
ちてしまう。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、サイドドアの下端からシル
アウタパネルへ滴下して生じる電着タレを防止できる電
着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明の第1の観点による請求項1記載の電
着塗膜の乾燥方法は、自動車の車体に塗布された電着塗
膜を乾燥させるにあたり、未硬化の電着液をサイドドア
の下端の後部エッジから滴下させることを特徴とする。
【0011】本発明の電着塗膜の乾燥方法では、サイド
ドアの下端の後部エッジから未硬化電着液を滴下させる
ので、サイドドアを開いた状態で車体を乾燥させれば、
サイドドアの表面に付着した電着液は徐々にサイドドア
の下端の後部エッジに集約し、ここからサイドシルの外
側を通って乾燥炉床などへ滴下することになる。したが
って、乾燥炉前や乾燥炉の予備加熱ゾーンでは除去しき
れない程度の少量の電着液であっても乾燥炉内で効率的
に集約することができ、サイドシルに発生する電着タレ
を防止することができる。
【0012】本発明において、未硬化の電着液とは、車
体パネルに塗布された電着液およびこれが溶出した洗浄
液を含むものを意味し、特に乾燥したときに電着タレと
なる程度の濃度を有する電着液である。
【0013】また、本発明において、未硬化電着液を滴
下させるのはサイドドア、つまり4ドア系車体ではフロ
ントドアおよびリヤドア、2ドア系車体ではフロントド
アの下端縁の車両後部のエッジである。本明細書におけ
る「前」および「後ろ」とは、特に断らない限り、自動
車の状態における前および後ろを意味する。
【0014】(2)上記目的を達成するために、本発明
の第2の観点による請求項2記載の電着塗膜の乾燥方法
は、自動車の車体に塗布された電着塗膜を乾燥させる方
法において、前記車体のサイドドアを少なくとも当該サ
イドドアの下端の後部エッジがサイドシルより車両外側
に位置するように開くとともに、前記車体が前上がりに
傾斜した状態で乾燥させる工程を有することを特徴とす
る。
【0015】本発明の電着塗膜の乾燥方法では、サイド
ドアを開くとともに車体を前上がりに傾斜させて乾燥さ
せる工程を有するので、サイドドアの表面などに付着し
た電着液は、この工程を通過する際に徐々にサイドドア
の下端に流れ落ちて、さらに後部エッジに集約し、ここ
からサイドシルの外側を通って乾燥炉床へ滴下すること
になる。したがって、乾燥炉の予備加熱ゾーンでは除去
しきれない程度の少量の電着液であっても乾燥炉内で効
率的に集約することができ、サイドシルに発生する電着
タレを防止することができる。
【0016】本発明において、車体を前上がりに傾斜さ
せた状態で乾燥させる工程は、乾燥工程の全域にわたっ
て設定することも、あるいは乾燥工程の一部に設定する
ことも本発明に含まれる。なかでも、請求項3記載の電
着塗膜の乾燥方法は、前記車体を前上がりに傾斜させた
状態で乾燥させる工程が、乾燥炉の昇温ゾーンに設けら
れていることを特徴とする。
【0017】電着タレの原因となる電着液は、主として
乾燥炉のうち昇温ゾーンにて滴下することが多いので、
少なくともこの昇温ゾーンにおいて車体を傾斜させなが
ら乾燥させる工程を設けることで、電着タレの発生を有
効に防止することができる。
【0018】本発明において、前記車体を前上がりに傾
斜させる角度は特に限定されないが、請求項4記載の電
着塗膜の乾燥方法では、水平から3°以上10°以下、
より好ましくは3°以上6°以下であることを特徴とす
る。
【0019】車体の傾斜角度が3°未満であると、電着
液がサイドドアの下端を迅速に移動することができない
からである。また車体の傾斜角度が10°を越えると、
これを乾燥炉の傾斜角で対処する場合においては、乾燥
炉の高低差が大きくなって炉内の温度差が大きくなるお
それがある。
【0020】本発明において、特に限定されないが、請
求項5記載の電着塗膜の乾燥方法では、前記車体を前上
がりに傾斜させた状態で乾燥させる工程のあとに、当該
車体を水平に維持した状態で乾燥させる工程を有するこ
とを特徴とする。
【0021】サイドドアからシルアウタへ滴下する電着
タレを防止するためには、少なくとも昇温ゾーンにて車
体を傾斜させれば足り、その後のゾーンにおける車体の
傾斜角度は何ら限定されない。ただし、車体の傾斜を乾
燥炉の傾斜にて対処する場合には、実質的な乾燥ゾーン
における炉入口と炉出口との高低差が小さい方が炉内の
温度差が小さくなるので、請求項5記載のように水平ゾ
ーンを設けた方がより好ましい。
【0022】(3)上記目的を達成するために、本発明
の第3の観点による請求項6記載の電着乾燥炉は、少な
くとも炉入口側の昇温ゾーンに、自動車車体が前上がり
となる傾斜ゾーンが設けられていることを特徴とする。
【0023】本発明の電着乾燥炉では、少なくとも炉入
口側の昇温ゾーンに、自動車車体が前上がりとなる傾斜
ゾーンが設けられているので、サイドドアを開いた状態
で車体を乾燥させれば、サイドドアの表面に付着した電
着液は徐々にサイドドアの下端の後部エッジに集約し、
ここからサイドシルの外側を通って乾燥炉床へ滴下する
ことになる。これにより、サイドシルに発生する電着タ
レを防止することができる。
【0024】本発明において、傾斜ゾーンの具体的構成
は特に限定されず、車体を塗装台車に前上がりに傾斜さ
せて搭載することも含まれる。ただし、請求項7記載の
電着乾燥炉では、前記車体は塗装台車に水平に搭載さ
れ、前記塗装台車の搬送装置および炉体が傾斜して設け
られていることを特徴とする。
【0025】車体を塗装台車に対して傾斜して搭載する
と、その後の工程にてサイドドアが自然に開いてしま
い、当該サイドドアを固定する手段が別途必要となる
が、本発明のように、車体側は塗装台車に水平に搭載
し、車体の傾斜を乾燥炉および搬送装置にて対処するこ
とで、こうした不具合を解消することができる。
【0026】ちなみに、本発明に係る傾斜ゾーンでは、
車体が前上がりに傾斜すれば足りるので炉体は水平のま
まとし搬送装置のみを傾斜させても良い。
【0027】本発明において、前記車体を前上がりに傾
斜させる角度は特に限定されないが、請求項8記載の電
着乾燥炉では、前記傾斜ゾーンの傾斜角度が、水平から
3°以上10°以下、より好ましくは3°以上6°以下
であることを特徴とする。
【0028】車体の傾斜角度が3°未満であると、電着
液がサイドドアの下端を迅速に移動することができず、
また車体の傾斜角度が10°を越えると、乾燥炉の高低
差が大きくなって炉内の温度差が大きくなるおそれがあ
るからである。
【0029】(4)本発明の電着塗膜の乾燥方法および
電着乾燥炉は、搬送装置のタイプに何ら限定されずフロ
アコンベアおよびオーバヘッドコンベアの何れのタイプ
の搬送装置にも適用することができる。また、車体の搬
送方向についても特に限定されず、車体を前向きに搬送
することも、後ろ向きに搬送することも本発明の範囲内
である。さらに、乾燥炉のタイプにも何ら限定されず、
いわゆる山型乾燥炉、平型乾燥炉あるいは半山型乾燥炉
(炉入口または炉出口の一方が山型乾燥炉)の何れにも
適用することができる。
【0030】
【発明の効果】請求項1,2,3,6記載の発明によれ
ば、サイドドアの表面に付着した電着液は徐々にサイド
ドアの下端の後部エッジに集約し、ここからサイドシル
の外側を通って乾燥炉床などへ滴下するので、乾燥炉前
や乾燥炉の予備加熱ゾーンでは除去しきれない程度の少
量の電着液であっても乾燥炉内で効率的に集約すること
ができ、サイドシルに発生する電着タレを防止すること
ができる。
【0031】これに加えて、請求項4,8記載の発明に
よれば、未硬化の電着液を迅速に滴下することができる
とともに乾燥炉の温度差も抑制することができる。
【0032】また、請求項5記載の発明によれば、車体
を傾斜させるゾーンを必要最小限とすることで、電着タ
レの防止と乾燥炉の温度差の抑制とが同時に達成でき
る。
【0033】さらに、請求項7記載の発明によれば、車
体側は塗装台車に水平に搭載し、車体の傾斜を乾燥炉お
よび搬送装置にて対処するので、その後の工程にてサイ
ドドアが自然に開いてしまうことが防止できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の電着乾燥炉1の実施
形態を示す側面図であり、ボディ(車体)2に塗布され
た電着塗膜を焼き付けるためのもので、内部の床面には
ボディ2が搭載された塗装台車3を搬送するためのフロ
アコンベア31が敷設されている。塗装台車3に搭載さ
れたボディ2は、炉入口11から搬入され、実質的な乾
燥ゾーン(ヒートアップゾーン(昇温ゾーン)13およ
びキープゾーン14)を通過して炉出口12から搬出さ
れるが、この間に当該ボディ2には所定温度が所定時間
だけ印加され、これにより塗膜が硬化する。
【0035】本実施形態の電着乾燥炉1は、いわゆる山
型乾燥炉であり、炉入口11のゾーンは上り勾配部とさ
れ、また炉出口12は下り勾配部とされており、これら
の間の乾燥ゾーン13,14は、高床とされている。こ
の乾燥ゾーン13,14の高床面は、たとえば炉入口1
1および炉出口12の開口上端縁とほぼ同じ高さとされ
ているので、乾燥ゾーン13,14に供給された熱風は
炉入口11または炉出口12から炉外へ逃げないように
なっている。
【0036】特に本実施形態の電着乾燥炉1では、乾燥
ゾーン13,14のうちのヒートアップゾーン13がさ
らに前上がりに緩やかに傾斜した傾斜ゾーンとされてい
る。この傾斜ゾーン13の傾斜角度αは特に限定されな
いが、好ましくは水平面から3°以上10°以下、より
好ましくは3°以上6°以下である。傾斜角度αが3°
より小さいと、後述する電着液の集約速度が不充分とな
る一方で、傾斜角度αが10°より大きいと、炉体の傾
斜始点と傾斜終点との高低差が大きくなり過ぎ、炉内に
温度差が生じるおそれがあるからである。
【0037】したがって、本実施形態では、未硬化の電
着液をサイドドア21の下端の後部エッジ21aに集約
して滴下させるに必要充分なボディ2の通過時間と傾斜
角度とすべく、ヒートアップゾーン13のみを傾斜ゾー
ンとし、さらにその角度を3°〜10°としている。こ
のため、キープゾーン14は、ボディ2が水平に搬送さ
れる水平ゾーンとされている。
【0038】また、本実施形態では、上述した電着乾燥
炉1にボディ2を投入するに際しては、図4に示すよう
にボディ2を塗装台車3に水平に搭載するとともに、図
6の断面図に示されるようにサイドドア21を僅かに開
いた状態で治具などを用いて固定し、この状態で電着乾
燥炉1内を搬送する。
【0039】サイドドア21の開度は特に限定されない
が、少なくともサイドドア21の下端の後部エッジ21
aがシルアウタ22に対して車両外側に位置するまで開
くことが必要であり、たとえば全閉状態から約30mm
である。このサイドドア21の開度が小さすぎると、塗
装台車3への搭載誤差などによってシルアウタ22へ未
硬化の電着液が滴下するおそれがある。また、サイドド
ア21の開度が大きすぎると、電着用ハンガーやその他
の諸設備と干渉したり、電着塗膜の膜厚差が生じるおそ
れがある。
【0040】また、本実施形態では塗装台車3はボディ
2が前向きに進行する方向に搬送される。ただし、本発
明においては塗装台車3に対するボディ2の搭載方向は
何ら限定されず、後ろ向きであっても良いが、この場合
には電着乾燥炉1のヒートアップゾーン13に設けられ
る傾斜ゾーンは、炉出口12に向かって前下がりとなる
傾斜とすることが必要である。
【0041】次に作用を説明する。電着槽を出槽したボ
ディ2は、電着乾燥炉1の前工程で電着用ハンガーから
塗装台車3に乗せ替えられる。少なくともこのとき、サ
イドドア21は僅かに開かれ、かつボディ2は塗装台車
3に水平に搭載される。そして、炉入口11から炉内に
搬送されたボディ2は、ヒートアップゾーン13を通過
する約10分の間に、それに塗布された電着塗膜が硬化
し始めるが、このときボディ2の表面に付着した未硬化
の電着液が重力によって表面を伝って流れ落ちる。
【0042】しかしながら、サイドドア21の表面から
サイドドア下端に向かって流れ落ちた未硬化電着液は、
傾斜ゾーン13によるボディ2自体の傾斜によってこの
下端を伝って後部エッジ21aに集約される。ここで、
サイドドア21は、図6に示すように僅かに開いている
ので、後部エッジ21aに集約された未硬化電着液は、
そのまま真下、つまり炉床面に滴下することになる。
【0043】このように、電着乾燥炉1の前工程や電着
乾燥炉1の予備加熱ゾーンでは除去しきれない程度の少
量の未硬化電着液であっても、傾斜ゾーン13にて効率
的に集約することができ、サイドシルアウタ22に発生
する電着タレを防止することができる。
【0044】本発明の電着塗膜の乾燥方法および電着乾
燥炉は、上述した実施形態にのみ限定されず種々に改変
することができる。図2は本発明の電着乾燥炉の他の実
施形態を示す側面図、図3はさらに他の実施形態を示す
側面図である。
【0045】図2に示す例は、本発明の電着乾燥炉1を
いわゆる平型乾燥炉に適用したものであり、図1に示す
山型乾燥炉1に比べて炉入口11の上り勾配部と炉出口
12の下り勾配部がなく、乾燥ゾーン13,14全体が
フロア面とほぼ同じ高さに設置されたものである。ただ
し、炉内の熱風を遮断するために炉入口11と炉出口と
のそれぞれにエアーカーテン(エアーシール)15が設
けられている。
【0046】本例においても、乾燥ゾーン13,14の
うちのヒートアップゾーン13が前上がりに緩やかに傾
斜した傾斜ゾーンとされ、そのあとのキープゾーン14
が水平ゾーンとされている。
【0047】これに対して、図3に示す例は、図1と同
じ構造の山型乾燥炉1であるが、ボディ2の搬送装置と
してオーバヘッドコンベア32が採用されている。ま
た、ボディ2は塗装用ハンガー3aに搭載されている。
【0048】ちなみに、図2および図3に示す実施形態
においても、ボディ2のサイドドア21は僅かに開か
れ、かつボディ2は塗装台車3または塗装用ハンガー3
aに水平に搭載される。
【0049】このような実施形態によっても、ボディ2
のサイドドア21の表面に付着した未硬化電着液は、サ
イドドア下端に向かって流れ落ち、傾斜ゾーン13によ
るボディ2自体の傾斜によってこの下端を伝って後部エ
ッジ21aに集約される。ここで、サイドドア21は、
図6に示すように僅かに開いているので、後部エッジ2
1aに集約された未硬化電着液は、そのまま真下、つま
り炉床面に滴下する。このように、乾燥炉1の前工程や
乾燥炉1の予備加熱ゾーンでは除去しきれない程度の少
量の電着液であっても、傾斜ゾーン13にて効率的に集
約することができ、サイドシルアウタ22に発生する電
着タレを防止することができる。
【0050】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0051】たとえば、上述した実施形態は何れもボデ
ィ2の搭載姿勢を水平とし、電着乾燥炉1側に傾斜ゾー
ン13を設けたが、本発明は要するにボディ2が前上が
りに傾斜した状態で乾燥ゾーンを通過すればよい。した
がって、電着乾燥炉1に傾斜ゾーン13を設ける代わり
に、あるいはこれとともに、たとえば図5に示すように
ボディ2を塗装台車3(または塗装用ハンガー3aでも
良い。)に対して3°〜10°程度の傾斜角度αをもっ
て前上がりに搭載し、この状態で水平搬送するようにし
ても良い。この場合の搬送方向はボディ2の前向き、後
ろ向きの何れでも良い。さらに、塗装台車3または塗装
用ハンガー3aへの搭載姿勢も前上がりとし、電着乾燥
炉1にも傾斜ゾーン13を設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着乾燥炉の実施形態を示す側面図で
ある。
【図2】本発明の電着乾燥炉の他の実施形態を示す側面
図である。
【図3】本発明の電着乾燥炉のさらに他の実施形態を示
す側面図である。
【図4】本発明に係る車体の搭載状態を示す側面図であ
る。
【図5】本発明に係る車体の搭載状態の他の例を示す側
面図である。
【図6】図4および図5の VI-VI線に沿う断面図であ
る。
【図7】従来技術の問題を説明するための側面図および
断面図である。
【符号の説明】
1…電着乾燥炉 11…炉入口 12…炉出口 13…ヒートアップゾーン(昇温ゾーン),傾斜ゾーン 14…キープゾーン α…傾斜角度 2…ボディ(自動車の車体) 21…サイドドア 21a…サイドドアの下端の後部エッジ 22…シルアウタ 3…塗装台車 3a…塗装用ハンガー 31…フロアコンベア 32…オーバヘッドコンベア

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の車体に塗布された電着塗膜を乾燥
    させるにあたり、未硬化の電着液をサイドドアの下端の
    後部エッジから滴下させることを特徴とする電着塗膜の
    乾燥方法。
  2. 【請求項2】自動車の車体に塗布された電着塗膜を乾燥
    させる方法において、前記車体のサイドドアを少なくと
    も当該サイドドアの下端の後部エッジがサイドシルより
    車両外側に位置するように開くとともに、前記車体が前
    上がりに傾斜した状態で乾燥させる工程を有することを
    特徴とする電着塗膜の乾燥方法。
  3. 【請求項3】前記車体を前上がりに傾斜させた状態で乾
    燥させる工程が、乾燥炉の昇温ゾーンに設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の電着塗膜の乾燥方法。
  4. 【請求項4】前記車体を前上がりに傾斜させる角度が、
    水平から3°以上10°以下であることを特徴とする請
    求項2または3記載の電着塗膜の乾燥方法。
  5. 【請求項5】前記車体を前上がりに傾斜させた状態で乾
    燥させる工程のあとに、当該車体を水平に維持した状態
    で乾燥させる工程を有することを特徴とする請求項3記
    載の電着塗膜の乾燥方法。
  6. 【請求項6】少なくとも炉入口側の昇温ゾーンに、自動
    車車体が前上がりとなる傾斜ゾーンが設けられているこ
    とを特徴とする電着乾燥炉。
  7. 【請求項7】前記車体は塗装台車に水平に搭載され、前
    記塗装台車の搬送装置および炉体が傾斜して設けられて
    いることを特徴とする請求項6記載の電着乾燥炉。
  8. 【請求項8】前記傾斜ゾーンの傾斜角度が、水平から3
    °以上10°以下であることを特徴とする請求項6また
    は7記載の電着乾燥炉。
JP10247109A 1998-09-01 1998-09-01 電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉 Pending JP2000070821A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10247109A JP2000070821A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10247109A JP2000070821A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000070821A true JP2000070821A (ja) 2000-03-07

Family

ID=17158577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10247109A Pending JP2000070821A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000070821A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016138668A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
JP2016138670A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
WO2016120965A1 (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
WO2016120968A1 (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥方法及び自動車ボディの塗装工程用ドアオフセット装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016138668A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
JP2016138670A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
WO2016120965A1 (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
WO2016120968A1 (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日産自動車株式会社 塗装乾燥方法及び自動車ボディの塗装工程用ドアオフセット装置
CN107208968A (zh) * 2015-01-26 2017-09-26 日产自动车株式会社 涂装干燥装置及涂装干燥方法
CN107208971A (zh) * 2015-01-26 2017-09-26 日产自动车株式会社 涂装干燥方法及汽车车身的涂装工序用车门偏移装置
JPWO2016120965A1 (ja) * 2015-01-26 2017-11-02 日産自動車株式会社 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
JPWO2016120968A1 (ja) * 2015-01-26 2017-11-24 日産自動車株式会社 塗装乾燥方法及び自動車ボディの塗装工程用ドアオフセット装置
KR101923336B1 (ko) 2015-01-26 2018-11-28 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 도장 건조 방법 및 자동차 보디의 도장 공정용 도어 오프셋 장치
RU2679333C1 (ru) * 2015-01-26 2019-02-07 Ниссан Мотор Ко., Лтд. Печь для горячей сушки краски и способ горячей сушки краски
US10267562B2 (en) 2015-01-26 2019-04-23 Nissan Motor Co., Ltd. Paint baking oven and paint baking method
CN107208968B (zh) * 2015-01-26 2019-07-26 日产自动车株式会社 涂装干燥装置及涂装干燥方法
US10363570B2 (en) 2015-01-26 2019-07-30 Nissan Motor Co., Ltd. Paint baking method and door offset device for vehicle body coating process

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016120967A1 (ja) 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
KR20170107524A (ko) 도장 건조 장치 및 도장 건조 방법
US9879911B2 (en) Coat drying device and coat drying method
CA2630794A1 (en) Vehicle coating method and coating line
JP2000070821A (ja) 電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉
JP2001064796A (ja) 電着塗膜の乾燥方法および電着乾燥炉
KR101827692B1 (ko) 도장 건조 장치 및 도장 건조 방법
JP6459554B2 (ja) 自動車ボディの塗装乾燥方法
JP5056178B2 (ja) 電着塗膜の乾燥方法及び電着乾燥炉
JP6380482B2 (ja) 電着塗装方法及び電着塗装ラインの洗浄水除去促進装置
JP3379408B2 (ja) 電着塗装方法
JPH06228794A (ja) 自動車ボディの水切り装置
JP3753231B2 (ja) 電着塗装方法
JPH1180996A (ja) 電着塗装方法
JP3328675B2 (ja) 電着塗膜の二次タレ防止装置
JPH06235094A (ja) 自動車ボディの水切り方法
JP6565963B2 (ja) 電着塗装方法
JP6424904B2 (ja) 塗装乾燥方法及び自動車ボディの塗装工程用ドアオフセット装置
JP6428305B2 (ja) 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
JPH11131291A (ja) 電着塗装方法
JP2686386B2 (ja) 電着塗膜の二次タレ防止装置
JP6428304B2 (ja) 塗装乾燥装置及び塗装乾燥方法
JP6927065B2 (ja) 電着塗装方法及び電着塗装装置
JP6350607B2 (ja) 電着塗装方法及び電着塗装ラインの塗膜熱フロー装置
JPH07185439A (ja) 塗装方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050531