JP2018172712A - 電着塗装方法 - Google Patents
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Abstract
Description
次いで、第2電着塗料を貯留した第2電着槽において該被塗物と対極との間に直流電圧を印加して該被塗物に第2電着塗膜を形成し、該被塗物の水洗後に上記第1電着塗膜及び第2電着塗膜を加熱硬化させるようにした電着塗装方法において、
上記第1電着塗料及び上記第2電着塗料各々にはカチオン電着塗料を使用し、
上記第1電着塗料のMEQ(電着塗料組成物の樹脂固形分100gに対する酸のミリグラム当量)を上記第2電着塗料のMEQよりも高くすることを特徴とする。
図1に示す電着塗装ラインの被塗物は自動車ボディ1である。この電着塗装ラインには、上流側から順に、第1電着ステーション2、第1水洗ステーション3、洗浄水除去ステーション4、熱フローステーション5、第2電着ステーション6及び第2水洗ステーション7を配置してなる。図示は省略しているが、第2水洗ステーション7の次に電着塗膜の焼付けステーションが設けられる。自動車ボディ1はハンガーに吊り下げられて各ステーション2〜7に順に送られる。
自動車ボディ1は、洗浄水除去ステーション4を含めて全塗装ラインをオーバーヘッドコンベア(ハンガー式搬送装置)によって搬送される。この搬送装置は、図3及び図4に簡略化して示すように、塗装ラインに沿って延びるガイドレール41と、このガイドレール41にローラ42によって係合し該ガイドレール41に沿って移動する前後のトロリー43,44と、トロリー43,44に吊り下げられ、自動車ボディ1が搭載されるハンガー45とを備えている。図3において、49はオイルパンである。
図6に示すように、温風加熱炉17の相対する側壁は、内側壁71と外側壁72とよりなる二重壁構造になっている。内側壁71と天井壁73と底壁74で囲まれたトンネル炉が形成され、該トンネル炉の上部をハンガー式搬送装置のガイドレール41がトンネル長手方向に通っている。自動車ボディ1はハンガー45に搭載されてトンネル炉を通過する。
第1電着ステーション2において、図2に示すように、自動車ボディ1が第1電着槽11の電着塗料9中に浸漬される。これにより、自動車ボディ1の外板部及び内板部に第1電着塗膜が形成される。第1電着塗膜は、外板部のように対極10に近く電流密度が高くなる部位に厚く形成され、内板部のように対極10から遠く電流密度が低くなる部位には薄く形成される。
[電着塗料の調製について]
アミン変性エポキシ樹脂エマルションと顔料分散ペーストとイオン交換水とを混合し、エージングすることにより、カチオン電着塗料組成物を得る。
樹脂エマルションは、アミン化樹脂およびブロックイソシアネート硬化剤を有機溶媒中に溶解させて、溶液を調製し、これらの溶液を混合した後、中和剤を用いて中和することにより、調製することができる。アミン化樹脂とブロックイソシアネート硬化剤との固形分質量比(アミン化樹脂/硬化剤)は、例えば、80/20〜65/35の範囲とすることができる。
分散ペーストの固形分が所定濃度になるように、イオン交換水に、乳酸水溶液および酸化ビスマスを撹拌・混合しながら、顔料分散樹脂を添加し、室温で所定時間攪拌する。その後、アミン変性エポキシ樹脂エマルションを添加し、さらに顔料を加え、40℃で所定時間撹拌することにより、顔料分散ペーストを得るこどできる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAとを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下で反応させ、次いで、120℃に冷却した後、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(MIBK溶液)を加える。反応混合物を110〜120℃で1時間撹拌し、エチレングリコールモノn−ブチルエーテルを加え、混合物を85〜95℃に冷却し、4級化剤を添加する。酸価が1となるまで反応混合物を85〜95℃に保持した後、脱イオン水を加えることにより、顔料分散樹脂を得る。
親水性溶剤濃度が異なる複数の電着塗料を調製し、第1電着塗料及び第2電着塗料各々の親水性溶剤濃度が塗面平滑性に及ぼす影響を調べた。
アミン変性エポキシ樹脂エマルション316部
顔料分散ペースト144部
イオン交換水496部
ここに、アミン変性エポキシ樹脂エマルションの固形分質量比(アミン化樹脂/ブロックイソシアネート硬化剤)=70/30であり、固形分量40質量%である。
鋼板製試験片に対して、次の方法で第1電着塗膜及び第2電着塗膜を形成した。A 試験片を第1電着塗料に浸漬し、60Vの電圧を3分間印加する。
B 試験片を第1電着槽から引き上げた後、10秒間の水洗及び60秒間のエアブローを順次行なう。
C エアブロー後の試験片の第1電着塗膜上に水を垂らして直線状に延びる水濡れ部を設ける。
D 試験片を温度85℃及び暴露時間3分の条件で加温する。
E 加温後の試験片を第2電着塗料に浸漬し、300Vの電圧を3分間印加する。
F 試験片を第2電着槽から引き上げた後、10秒間の水洗及び60秒間のエアブローを順次行なう。
G エアブロー後の試験片を温度160℃及び暴露時間20分の条件で乾燥させる。
MEQが異なる複数の電着塗料を調製し、第1電着塗料及び第2電着塗料各々のMEQが塗面平滑性に及ぼす影響を調べた。
自動車ボディ搬送用のハンガーとしては、自動車ボディ1をその片側から支持するC型ハンガーを採用することもできる。この場合、洗浄水除去ステーション4では、自動車ボディ1を挟んでC型ハンガーの反対側に第2エア供給管57〜59を配置し、該第2エア供給管57〜59から、C型ハンガーの上部フレームが通過する位置と自動車ボディ1のルーフ1aが通過する位置の中間位置に向けてエア供給管を延ばし、該中間位置にノズル60を配置することができる。これにより、ノズル60の下をハンガーの上部フレームが通過することがないため、ノズル60の下をルーフ1aが通過するときに、エアをルーム1aに対して連続的に吹き付けることができる。
1a ルーフ(洗浄水停滞面)
2 第1電着ステーション
3 第1水洗ステーション
4 洗浄水除去ステーション
5 熱フローステーション
6 第2電着ステーション
8 洗浄水除去促進装置(エアブロー装置)
9 電着塗料
10 対極
11 第1電着槽
12 ディップ水洗槽
13 スプレーノズル
16 塗膜熱フロー装置
17 温風加熱炉
21 第2電着槽
45 ハンガー
47 フレーム
48 フレーム
55 ノズル取付管
60 ノズル
71 側壁
76 温風吹出手段
81 第1温風吹出口
82 第2温風吹出口
Claims (5)
- 第1電着塗料を貯留した第1電着槽において被塗物と対極との間に直流電圧を印加して該被塗物に第1電着塗膜を形成し、該被塗物の水洗後に、該被塗物の対極に近い部位に形成された第1電着塗膜の電気抵抗が対極から遠い部位に形成された第1電着塗膜の電気抵抗よりも高くなるように該第1電着塗膜の熱フローを行ない、
次いで、第2電着塗料を貯留した第2電着槽において該被塗物と対極との間に直流電圧を印加して該被塗物に第2電着塗膜を形成し、該被塗物の水洗後に上記第1電着塗膜及び第2電着塗膜を加熱硬化させるようにした電着塗装方法において、
上記第1電着塗料及び上記第2電着塗料各々にはカチオン電着塗料を使用し、
上記第1電着塗料のMEQ(電着塗料組成物の樹脂固形分100gに対する酸のミリグラム当量)を上記第2電着塗料のMEQよりも高くすることを特徴とする電着塗装方法。 - 請求項1において、
中和剤として酢酸を用いることを特徴とする電着塗装方法。 - 請求項1又は請求項2において、
上記第1電着塗膜の熱フローは、該第1電着塗膜の焼付け温度よりも低い温度の温風を上記被塗物にその外側から吹き付けることによって行なうことを特徴とする電着塗装方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
上記第1電着塗膜の熱フローは、上記第1電着槽における上記被塗物の上記対極に近い部位に形成された第1電着塗膜が70℃から110℃の温度に数分間加熱された状態になるように行なうことを特徴とする電着塗装方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
上記第1電着塗膜が形成された上記被塗物の水洗として、該被塗物をディップ洗水洗槽に貯留された洗浄水に浸漬するディップ水洗と、該被塗装物に対して洗浄水を吹き付けるスプレー水洗とを行なうことを特徴とする電着塗装方法。
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