JP2008189959A - 電着塗装方法および電着塗装システム - Google Patents

電着塗装方法および電着塗装システム Download PDF

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光夫 山田
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Abstract

【課題】塗装ムラの発生が抑制された電着塗膜を形成することができ、かつ塗装工程が短縮された、電着塗装方法および電着塗装システムを提供すること。
【解決手段】電着塗装前の被塗物を表面処理した後に行われる、スプレー工程、および;被塗物の搬送方向前部が下方を向くように傾けて、被塗物を電着塗装槽に入槽させて、電着塗装を行う、電着塗装工程;を包含する、被塗物を搬送しつつ電着塗装を行う電着塗装方法であって、このスプレー工程は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部4/5の部分〜1/5の部分の範囲に水をスプレーする工程である、電着塗装方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、塗装ムラの発生が抑制された電着塗膜を形成することができる、電着塗装方法および電着塗装システムに関する。
電着塗装は、その塗装管理の容易さ、および経済性等の高さなどから、塗装分野、特に自動車分野において広く用いられている。電着塗装は、被塗物を電着塗料中に電極として浸漬させて電圧を印加することにより行われ、これにより被塗物上に電着塗膜が形成される。
電着塗装される被塗物が、自動車車体などのように高い防食性が求められる被塗物である場合は、電着塗装の前に、種々の表面処理が行われる。このような表面処理として、例えば、リン酸亜鉛系化成剤などの化成剤を用いて無機被膜を形成する化成処理工程;および被塗物上に残存する化成剤を取り除く水洗工程;による、表面処理などが挙げられる。こうして表面処理された被塗物は、被塗物表面上に残存する水を蒸発させた後に、電着塗装される。被塗物表面上に水で濡れた部分と乾燥した部分とがある状態で電着塗装を行うと、ムラのある電着塗膜が形成されてしまうためである。
この電着塗膜のムラの発生の原因は、表面上に残存する水によって被塗物付近の電着塗料組成物に局所的な濃度差が生じるためと考えられる。
表面処理後であって電着塗装前の、被塗物表面上に残存する水を蒸発させる工程は、一般に80〜100℃で10〜20分間乾燥することにより行われている。しかしながらこのような乾燥工程は、塗装エネルギーコストの面において好ましくなく、さらに塗装時間も長くなるという不具合もある。
上記のような乾燥工程を設ける代わりに、電着塗装の直前に、被塗物に水をスプレーすることにより、被塗物上の乾燥むらをなくすという手法がとられることがある。しかしながら、この方法を用いて自動車車体などの大型被塗物を電着塗装する場合、車体の屋根部分および/またはボンネット部分に水が溜まってしまう。一方、自動車車体などの大型被塗物の電着塗装において、現在一般的に使用されている塗装装置では、図2に模式的に示されるように、被塗物が電着塗料槽に入る際(入槽時)、被塗物を傾けて入槽させる。そして入槽時に被塗物を傾けることによって、車体の屋根部分および/またはボンネット部分に溜まった水が被塗物の前方へ流れてしまう。そしてこれにより、電着塗料組成物に局所的な濃度差が生じ、ムラ、スジなど、または段つきなどが生じた電着塗膜が形成されることが、本発明者らの実験により明らかになった。
特開平10−46393号公報(特許文献1)には、電着塗装に入る前の自動車車体の電着前処理方法であって、被膜化成処理後に、水洗洗浄および純水洗洗浄を行った後、さらに純水にノニオン系界面活性剤を5〜1000ppm含有させた洗浄液を用いて洗浄を行う洗浄液処理工程を設けてなることを特徴とする自動車車体の電着前処理方法が記載されている。この方法によって、自動車車体における電着塗装・焼付け乾燥後のスジムラを解消することができる。しかしながら、この方法は、電着塗装前に水切り乾燥工程を含む点において、本発明の方法とは異なるものである(特許文献1中、第0005段落および図など参照)。
特開平10−46393号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、塗装ムラの発生が抑制された電着塗膜を形成することができ、かつ塗装工程が短縮された、電着塗装方法および電着塗装システムを提供することにある。
本発明は、
電着塗装前の被塗物を表面処理した後に行われる、スプレー工程、および
被塗物の搬送方向前部が下方を向くように傾けて、被塗物を電着塗装槽に入槽させて、電着塗装を行う、電着塗装工程、
を包含する、被塗物を搬送しつつ電着塗装を行う電着塗装方法であって、
このスプレー工程は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部4/5の部分〜1/5の部分の範囲に水をスプレーする工程である、
電着塗装方法、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
上記電着塗装方法において、被塗物は、7.0〜8.0m/分の速さによって搬送され、
上記スプレー工程において、被塗物の搬送方向前部の先端がスプレー範囲を通過した後15〜20秒後に水のスプレーが開始されるのが好ましい。
また、上記電着塗装工程において、被塗物は、その被塗物の搬送方向前部が下方を向くように、入槽角度20〜25°の大きさに傾けて電着塗料槽に入槽されるのが好ましい。
また上記スプレー工程は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部に水をスプレーする工程であって、被塗物が電着塗装槽に入槽するときに被塗物を傾ける際に、このスプレー工程で被塗物にスプレーされた水が被塗物表面全体に行き渡り、電着塗装槽中の電着塗料組成物に局所的な濃度差が生じないようにすることを特徴としている。
本発明は電着塗装システムも提供する。このような電着塗装システムとして、
電着塗装前の被塗物に水をスプレーするスプレー手段;被塗物の表面に電着塗膜を形成する電着塗料槽;および電着塗装される被塗物を搬送する搬送手段;を少なくとも備える電着塗装システムであって、
この搬送手段は、被塗物の搬送方向前部が下方を向くように傾けて、被塗物を電着塗装槽に入槽させる、搬送手段であり、
このスプレー手段は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部4/5の部分〜1/5の部分の範囲に水をスプレーする手段である、
電着塗装システム、が挙げられる。
上記電着塗装システムにおいて、上記搬送手段は、被塗物を7〜8m/分の速さで搬送し、
上記スプレー手段は、被塗物の搬送方向前部の先端がスプレー範囲を通過した後15〜20秒後に水のスプレーを開始するのが好ましい。
本発明の電着塗装方法を用いることにより、電着塗膜上に生じうる「段つき」などの塗膜外観不良の発生を有効に防止することができる。ここで「段つき」とは、塗膜上において段状に膜厚差が生じる不具合を意味する。本発明の電着塗装方法は、電着塗装前に乾燥工程を設けることなく、かつ、ムラ、スジまたは段つきなどといった塗装不具合の発生が抑制された電着塗膜を形成することができる、電着塗装方法である。また、本発明の電着塗装方法を用いることによって、電着塗装前の乾燥工程を省略することができる。これにより、電着工程を短縮化でき、塗装時間を短縮することができ、さらに塗装エネルギーコストを下げることも可能となる。本発明の方法はさらに、乾燥工程の代わりに用いられるスプレー手段で使用される水の量を削減することもできる。
電着塗装方法および電着塗装システム
まず、本発明の電着塗装前になされる、表面処理工程について説明する。図1は、本発明の電着塗装方法によって電着塗装する前の、被塗物の表面処理工程の1態様を示す工程図である。なお、図1に示す表面処理工程は、一般的な既存の塗装工程を示すものであり、既存の設備などの塗装技術を広く用いることができる。
図1に示されるように、電着塗装前の被塗物に、化成剤を用いて被塗物の表面上に無機被膜を形成することができる(化成処理工程)。この無機被膜を形成することによって、被塗物である基材の耐食性および塗料密着性を向上させることができる。化成剤として、例えばリン酸亜鉛系化成剤、リン酸鉄系化成剤、リン酸カルシウム系化成剤など、一般的に使用される化成剤を使用することができる。この化成処理工程は、例えば、上記化成剤を保持する化成槽を40〜50℃に保ち、この中に被塗物を2〜3分浸漬することにより行われる。これにより、被塗物の表面上に無機被膜が形成される。
次いで、被塗物表面(無機被膜)上に残存する化成剤を取り除くために、水洗が行われる(水洗工程)。水洗工程として、例えば、被塗物に水をスプレー噴霧した後、水を保持する水槽内に被塗物を浸漬し、さらに、被塗物に水をスプレー噴霧する方法などが挙げられる。水槽内に浸漬する前のスプレー噴霧は、複数回(例えば2回)行うのが好ましい。ここの水洗においては、蒸留水、イオン交換水、逆浸透ろ過水、水道水(上水)または工業用水など、種々の水を用いることができる。
なお、化成処理の前に、アルカリなどの脱脂剤を用いて被塗物の表面を脱脂し、次いで被塗物を水洗することにより被塗物上に残存する脱脂剤を取り除いておいてもよい。ここで脱脂剤としては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液または界面活性剤などを用いることができる。また脱脂後の水洗においては、蒸留水、イオン交換水、逆浸透ろ過水、限外ろ過水、水道水(上水)または工業用水など、種々の水を用いることができる。
こうして表面処理された被塗物は、次いで電着塗装される。通常の電着塗装においては、このように表面処理された被塗物を、80〜100℃で10〜20分間乾燥させた後に、電着塗装が行われる。被塗物表面上に水で濡れた部分と乾燥した部分とがある状態で電着塗装を行うと、表面上に残存する水によって被塗物付近の電着塗料組成物に局所的な濃度差が生じ、これによりムラのある電着塗膜が形成されてしまうためである。しかしながら、本発明の方法においては、このような乾燥工程を設ける必要がないという利点を有する。本発明の電着塗装方法は、電着塗装前に乾燥工程を設けることなく、かつ、ムラ、スジまたは段つきなどといった塗装不具合の発生が抑制された電着塗膜を形成することができるという利点を有している。
次に、本発明の電着塗装方法に用いられる塗装システムを、図2に模式的に示される電着塗装システムを用いて説明する。図2に示される電着塗装システム1は、
電着塗装前に被塗物3に水をスプレーするスプレー手段9;
被塗物3の表面に電着塗膜を形成する電着塗料槽5;および
電着塗装される被塗物3を搬送する搬送手段11;
を備えている。
搬送手段11に取り付けられた被塗物3は、搬送手段11によって、搬送方向13の方向へ連続的に搬送されてゆく。表面処理を終えた被塗物3は、まずスプレー手段9において、被塗物3に水がスプレーされる(スプレー工程)。そしてこのスプレー工程においては、被塗物の搬送方向前部には水はスプレーされることはない。被塗物に水がスプレーされる範囲は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部4/5の部分〜1/5の部分である。図2に示されるような、電着塗装において現在一般的に用いられている塗装システムにおいては、この範囲は、より好ましくは自動車車体のボンネット中央部から搬送方向後部の部分であり、さらに好ましくは自動車車体のボンネット通過後の搬送方向後部の部分である。
本明細書中、「被塗物の搬送方向後部」とは、被塗物が搬送手段によって搬送される方向に向かって後部にあたる、被塗物の部分を意味する。同様に「被塗物の搬送方向前部」とは、被塗物が搬送手段によって搬送される方向に向かって前部にあたる、被塗物の部分を意味する。
なお、被塗物に水をスプレーする範囲は、被塗物の形状に応じて変更可能である。例えば、被塗物が、いわゆるワンボックスカーといわれる車種用の車体である場合などは、自動車車体のボンネット通過後の搬送方向後部の部分の範囲で水をスプレーするのが好ましい。また、被塗物がいわゆるセダン車といわれる車種用の車体である場合などは、自動車車体のボンネット通過後の搬送方向後部の部分の範囲で水をスプレーするのが好ましい。また、被塗物に水をスプレーする段階は、例えば、被塗物は通常搬送される姿勢を保った状態で、例えば被塗物が水平状態に保たれた状態で、行われる。しかしながら、用いる搬送手段によっては、被塗物を水平以外の状態に保ちながら、水をスプレーする態様も考えられる。
スプレーに用いられる水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、逆浸透ろ過水、水道水(上水)など、種々の水を用いることができる。この中で、蒸留水またはイオン交換水が好ましく用いられる。
このスプレー手段は、センサーなどの自動スイッチが設けられていてもよい。例えば、スプレー手段がスプレー可能な範囲にセンサーを取り付けて、搬送手段11によって搬送される被塗物3の搬送方向前部の先端がスプレー範囲を通過するときをセンサーにより感知させることができる。本明細書においては、この「スプレー手段がスプレー可能な範囲」を単に「スプレー範囲」と記載することもある。例えば、搬送手段11に取り付けられた被塗物3が、7.0〜8.0m/分の速さで搬送される場合、この被塗物の搬送方向前部の先端がスプレー範囲を通過した20秒後に、水のスプレーを開始させるという設計を行うことができる。この被塗物へのスプレーの終了は、例えば、被塗物の後端部がスプレー範囲を通過し終えたときに、または別に設けられたセンサー部分を通過し終えたときに、水のスプレーを終了するように設計することができる。このように設計することによって、被塗物の搬送方向後部の所定の範囲に、自動的に水をスプレーすることができる。さらに、水を常時スプレーする必要がなくなり、スプレーに使用される水の量を低減させることもできる。
こうして水がスプレーされた被塗物3は、次いで順次電着塗料槽5へ入槽される。被塗物3は電着塗料槽5中の電着塗料組成物7中に浸漬され、電着塗膜が形成される(電着塗装工程)。ここで被塗物3の表面に電着塗膜が形成される。用いられる電着塗料組成物は特に限定されないが、防食性などの点からカチオン電着塗料組成物が好ましく用いられる。
自動車車体などの大型被塗物の電着塗装において、現在広く用いられている塗装装置では、図2に模式的に示されるように、搬送される被塗物を、被塗物の搬送方向前部が下方を向くように傾けて、電着塗装槽に入槽させる。この入槽時の傾きの大きさ、すなわち入槽角度、は、用いられる搬送装置に応じて種々の入槽角度がとられうる。現在広く用いられている塗装装置を用いる場合は、この入槽角度は例えば20〜25°ほどである。なお図3は、入槽角度を概略的に示す説明図である。本明細書における「入槽角度」とは、図3に示されるように、入槽させる槽の水平面を水平軸とし、そしてこの水平軸に対する、被塗物の入槽時の傾きの大きさを意味する。
そしてこのように被塗物を傾けて入槽されることによって、搬送方向後部へのスプレーにより被塗物の表面上に保持された水が、被塗物の搬送方向前部へ移動する。これによって、被塗物の搬送方向前部に水がスプレーされていなくても、スプレーされた搬送方向後部と同様に水で湿潤されることとなる。そして同時に、被塗物が電着塗料槽に入槽する際、被塗物の搬送方向前部に過剰の水が存在する状態を回避することができ、そして電着塗料組成物中における局所的な濃度差が生じることを防ぐことができる。これによって、電着塗膜上に発生しうるムラ、スジまたは段つきなどといった塗装不具合の発生を抑制することが可能となる。
なお、被塗物の搬送手段としては、塗料分野で用いられている種々の搬送手段を用いることができる。例えば、図2に模式的に示されるような搬送手段11に代えて、特開2005−335945号公報に示される公知の搬送設備を用いることも可能である。この搬送設備は、吊下支持装置と、この吊下支持装置を昇降させる昇降手段と、吊下支持装置を作動して被搬送体の姿勢を調整する姿勢調整装置と、を有する装置である。この搬送設備は、被搬送体の位置制御が容易であるという利点を有しており、被搬送体の姿勢を大きく変化させることが可能である。そして、このような搬送設備を用いることによって、入槽角度を例えば30〜80°ほどまでに被塗物を傾けた状態で、電着塗料槽に入槽させることができる。このような搬送設備を用いることによって、被塗物に水がスプレーされる範囲を、被塗物の搬送方向後部2/3の部分ほどとし、そして被塗物に水をスプレーした後に、被塗物の搬送方向前部が下方を向くように大きく傾けて、電着塗料槽に入槽させることができる。これにより、スプレー手段において用いられる水の量をさらに減らすことが可能となる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、重量基準による。
実施例
図2に模式的に示されるような電着塗装システムを用いて、自動車車体(全長約500cm、ミニバン型車体)を被塗物として電着塗装を行った。8.0m/分の速さで搬送する搬送手段であるコンベアに、約9mの間隔をあけた状態で、数個の被塗物を取り付けた。スプレー手段では、被塗物の搬送方向前部の先端が、スプレー範囲を通過した後、20秒後に水のスプレーが開始され、被塗物後部先端がスプレー範囲を通過した後に水のスプレーが終了するように、センサースイッチを設定した。この電着塗装システムで電着塗装を開始した。電着条件は、印加電圧100〜250V、及び膜厚20〜30μmとした。得られた電着塗膜は、段つきなどの塗装ムラを有しない、良好な塗膜外観を有する電着塗膜であった。また、スプレー手段で用いられた水の量は3L/分であった。
比較例
スプレー手段におけるセンサースイッチを設けず、常時、水をスプレーさせたことを除いては、実施例1と同様に行った。得られた電着塗膜は、搬送時の搬送方向前部先端およびその周辺に該当する部分に「段」が確認される、いわゆる段つき塗膜であり、塗膜外観に劣るものであった。また、スプレー手段で用いられた水の量は5L/分であった。
本発明の電着塗装方法を用いることによって、電着塗装前の乾燥工程を省略することができる。これにより、電着工程を短縮化でき、塗装時間を短縮することができ、さらに塗装エネルギーコストを下げることも可能となる。本発明の方法はさらに、乾燥工程の代わりに用いられるスプレー手段で使用される水の量を削減することもできる。本発明の電着塗装方法は、省エネルギーおよびコストダウンの要請に対応した方法であり、さらに環境に対する負荷も軽減された方法である。
被塗物の表面処理工程の1態様を模式的に示す工程図である。 本発明の電着塗装方法に用いられる塗装システムを示す、概略図である。 被塗物の入槽時の傾きの大きさ(入槽角度)を概略的に示す、説明図である。
符号の説明
1…電着塗装システム、3…被塗物、5…電着塗料槽、7…電着塗料組成物、9…スプレー手段、11…搬送手段、13…被塗物の搬送方向、15…入槽角度。

Claims (6)

  1. 電着塗装前の被塗物を表面処理した後に行われる、スプレー工程、および
    被塗物の搬送方向前部が下方を向くように傾けて、被塗物を電着塗装槽に入槽させて、電着塗装を行う、電着塗装工程、
    を包含する、被塗物を搬送しつつ電着塗装を行う電着塗装方法であって、
    該スプレー工程は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部4/5の部分〜1/5の部分の範囲に水をスプレーする工程である、
    電着塗装方法。
  2. 前記電着塗装方法において、該被塗物は、7.0〜8.0m/分の速さによって搬送され、
    前記スプレー工程において、被塗物の搬送方向前部の先端がスプレー範囲を通過した後15〜20秒後に水のスプレーが開始される、
    請求項1記載の電着塗装方法。
  3. 前記電着塗装工程において、被塗物は、その被塗物の搬送方向前部が下方を向くように、入槽角度20〜25°の大きさに傾けて電着塗料槽に入槽される、請求項1または2記載の電着塗装方法。
  4. 前記スプレー工程は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部に水をスプレーする工程であって、被塗物が電着塗装槽に入槽するときに被塗物を傾ける際に、該スプレー工程で被塗物にスプレーされた水が被塗物表面全体に行き渡り、電着塗装槽中の電着塗料組成物に局所的な濃度差が生じないようにすることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の電着塗装方法。
  5. 電着塗装前の被塗物に水をスプレーするスプレー手段;被塗物の表面に電着塗膜を形成する電着塗料槽;および電着塗装される被塗物を搬送する搬送手段;を少なくとも備える電着塗装システムであって、
    該搬送手段は、被塗物の搬送方向前部が下方を向くように傾けて、被塗物を電着塗装槽に入槽させる、搬送手段であり、
    該スプレー手段は、被塗物の全長に対して、被塗物の搬送方向後部4/5の部分〜1/5の部分の範囲に水をスプレーする手段である、
    電着塗装システム。
  6. 前記搬送手段は、被塗物を7.0〜8.0m/分の速さで搬送し、
    前記スプレー手段は、被塗物の搬送方向前部の先端がスプレー範囲を通過した後15〜20秒後に水のスプレーを開始する、請求項5記載の電着塗装システム。
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