本発明は、部品点数が少なく軽量な照明装置用枠体、照明装置、および照明装置用枠体の成形方法に関するものである。本発明は、主として個体発光素子、特にLED光源を用いる照明装置用枠体、照明装置、および照明装置用枠体の成形方法を対象とするものである。
省エネルギーおよび長寿命であることから、LED(Light Emitting Diode)照明が普及しており、LEDを用いた照明は数多く提案されている。これらの照明装置は、照明装置の枠体の内部やLEDを実装した基板に白色レジストなどの光反射性の有機被膜を塗布して光反射特性を向上させるものがある。さらに、照明装置の照度向上や光拡散の目的で、光反射板を用いるものがある。
例えば、箱体の内部にLED光源を配置し、当該箱体内に光反射板を配置したLED光源ライトボックスがある(特許文献1)。
また、指向性の強いLED光源を用い、LEDの放射方向の厚みを増大させることなく広い面積で均一な照明光を得ることのできる面照明光源装置及びこれを用いた面照明装置が提案されている。(特許文献2)
さらに、照明灯具の一対の光出口である平面形状のレンズとケースにより作られる空間の両側端に、対向してLED光源が配置される照明装置がある。(特許文献3)
特許文献1は、指向性の強いLED光源を用いた場合でも、表面照度ムラを抑制することを目的としたものである。
しかし、特許文献1のように多数のLED光源を用いたのでは、コストが増加する。また、特許文献1は、箱体内に光反射板などを配置するものであり、部品点数が多く、また、箱体のLED光源から離れた中央部での反射率を高くするためには、さらに別途の反射板を配置する必要がある。このため、構造が複雑となり、重量の増加を招く。
特許文献2は、発光源の放射方向に放射面を有する導光体と、導光体の放射面以外の面を閉塞するケーシングとにより構成される照明光源装置である。しかし、放射面に設けられる放射側反射手段の他に、ケーシングには内側反射手段が設けられており、成形されたケーシングが反射板を兼ねるものではない。発光源の放射方向に導光体を設けるためにケーシングの厚さが厚くなる。また発光源からの光を導光体の反射面で反射させるため反射の回数が多くなり照度が低下する課題がある。均一な面発光を実現するためには、導光体の反射面のパターンが複雑になり、その加工費用が掛かる課題もある。
特許文献3は、光の拡散機能と反射機能を持つ光拡散フィルムが平行に配置したレンズの裏面に取り付けられるか、他方が光反射板を取り付けられる構造を有している。特許文献3の照明装置では、LEDの照射光は、光拡散フィルム間、あるいは光拡散フィルムと光反射板の間で反射しながら、光の照射方向と直交する方向に拡散されレンズから面発光する。しかし、筐体は装置ケース本体とレンズにより構成され、光拡散フィルムや光反射板は筐体の一部であるレンズに貼り付けて使用され、光拡散フィルムや光反射板が照明装置の筐体を兼ねるものではないので、それらを貼り付ける作業が必要であり、複雑な構造への適用は難しい。
側面に配置されたLED基板は、LED基板の表面に白色のレジストによる反射処理が施されているが、反射率は高くなく、LEDから照射された照射光が光拡散フィルムや光反射板により反射された照明光がLED基板で吸収されLED基板が加熱される。この結果、発光効率や寿命の低下が懸念される。
また高価な光拡散フィルムを使用するのでコストが高くなる課題がある。
特開2006−202729号公報
特開2008−027886号公報
特開2010−177196号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、マイクロ発泡樹脂シート(多数の微細機構を有する多孔質部材)の光反射特性に着目し、簡易な構造で軽量なLED照明枠体を構成することができ、さらにその枠体が反射板を兼ねることで低消費電力で面発光が実現でき、さらに複雑形状のLED照明装置を提供することを目的とする。さらに、同様の構造の可視光レーザ照明装置用枠体並びに可視光レーザ照明も提供できる。
前述した目的を達するために第1の発明は、天面部と、底面部と、前記天面部と前記底面部とをつなぐ側面部と、からなる照明装置用の枠体において、前記天面部、前記側面部、および前記底面部の内、少なくとも二つの面が光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートで形成され、LED光源を配置する開口部が一つ以上配置されていることを特徴とするLED照明装置用枠体である。
ここで、前記照明装置用枠体は、底面に光取り出し用の開口部を設けることが望ましい。前記天面部、前記側面部、および前記底面部の内、少なくとも二つの面が一体に形成されているものである。特に、前記天面部と前記側面部あるいは、前記底面部と前記側面部の2つの面の少なくともいずれかが一体に形成されていることが望ましい。ここで、二つの面が一体に形成されているとは、一体成形されているか、あるいは連続体として形成されていることを意味する。
前記天面部、前記側面部、および前記底面部のいずれもがマイクロ発泡樹脂シートで形成されてもよい。
前記天面部と前記側面部、または、前記側面部と前記底面部の少なくともいずれかが、一体成形して形成されることが望ましい。これらは樹脂成形により一体成形されていることが望ましく、特に真空成形法やマッチモールド成形法により一体成形して形成されることが望ましい。樹脂成形により一体に成形されている場合には、前記天面部と前記側面部、または、前記側面部と前記底面部を形成する枠体の形状が曲線形状を有する場合も対応することが可能である。
ここで、真空成形法は、加熱したマイクロ発泡樹脂シートの端部を固定して、加熱した凹金型の表面を前記マイクロ発泡樹脂シートで閉塞し、両者間を真空に減圧することで、凹金型の内部形状に一致した形状に前記マイクロ発泡樹脂シートを成形させることができる。ここで、真空成形を行いながら、前記マイクロ発泡樹脂シートの凹金型と対向する面の裏面を凸金型で押しこんだり、加圧したりして複合的な成形を行うことも可能である。
真空成形法の他、加熱したマイクロ発泡樹脂シートを凸金型で凹金型へ押しこむマッチモールド成形等を適用することができる。
また、底面部に形成される開口部は、真空成形やマッチモールド成形で枠体を所定の形状に成形した後で、金型による型抜き成形により形成することができる。LED光源を配置するための開口部も、樹脂成形により枠体を成形した後に、同様に型抜きにより形成する。このように、型抜き成形により、開口部を成形する場合には、成形品が変形しないように、抜き型の反対面に抜き型と干渉しないように受け型を入れて成形を行うことができる。また、上記の手法の他、レーザ加工などで開口部を形成することが可能である。
前記天面部または前記底面部に対して、前記側面部が折曲げられて形成され、前記側面部の端部同士を接着により一体化して形成してもよい。
枠体の成形に用いる前記マイクロ発泡樹脂シートは、波長が450〜650nmの可視光に対する光学特性が、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率として、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上、反射率の波長依存性が1%以下であるであることが望ましい。また、前記マイクロ発泡樹脂シートは、PET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂のいずれかからなることが望ましい。更に、好ましくは全反射率95%以上、拡散反射率95%以上のマイクロ発泡樹脂シートを使用する。全反射率、拡散反射率ともに、99%のものも使用できる。
前記マイクロ発泡樹脂シートを成形して形成された前記LED照明装置用枠体は、波長が450〜650nmの可視光に対する光学特性が、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率として、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上のPET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂のいずれかからなることが望ましい。
前記枠体には、前記側面部または前記天面部にLED光源を配置するための開口部が設けられることが望ましい。ここで、開口部を側面部に設けて、LED光源を側面部に配置し、照射面に光拡散板を使用することで、面発光照明装置として使用したり、開口部を天面部に設けて、LED光源を天面部に配置することで、直接照明装置として使用することもできる。
第1の発明によれば、枠体を構成する天面部、側面部および底面部の内、少なくとも二つの面が光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シートで形成されているため、枠体自体を反射板として機能させることができる。このため、枠体内部に、別途の反射板を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。この結果、簡易な構造で軽量な面発光が実現できるLED照明装置用枠体を得ることができる。第1の発明では、光源としてLED光源の代わりに可視光レーザを用い、可視光レーザ照明装置用枠体とすることもできる。
特に、天面部、側面部、および底面部のいずれもが光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シートで形成されれば、より効果が大きい。
更に、LED光源の周囲をマイクロ発泡樹脂シートで覆われた構成とすることで、LED光源から出射された照明光の利用効率が高くでき、消費電力の低減効果が期待できる。更に、照明光の反射光によりLED光源やLED基板が加熱されることが少ないので、寿命の劣化も低減できる。
また、枠体の少なくとも一部が真空成形法またはマッチモールド成形法により形成されれば、各部を別体で形成するのに比べて、さらに部品点数を削減し、軽量化を図ることができる。このとき、成形品の型抜きは、成形品の弾性変形を利用して行うことが可能であるが、型抜きの観点では、天面部と側面部、底面部と側面部、側面部同士の境界部には適度な曲率を有する曲線部を形成したり、天面部と側面部、あるいは底面部と側面部の境界部を挟んで僅かな抜き勾配を付けておくことがより望ましい。
また、同様に、枠体の少なくとも一部を折り曲げて形成すれば、各部を別体で形成するのに比べて、さらに部品点数を削減し、軽量化を図ることができる。
また、波長450〜650nmの可視光に対する光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率として全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上、反射率の依存性が1%以下のPET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル系樹脂で形成されれば、効率よく光を反射させることができる。もちろん、前記PET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル系樹脂のいずれの樹脂をもちいても、全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上の光反射率を得ることが可能ある。従って、前記枠体の形成には、全反射率95%以上、拡散反射率95%以上の樹脂を用いることがより望ましい。
また、枠体に、LED光源を配置するための開口部が設けられれば、LED光源を枠体の背面側から露出させることができる。開口部の形成は、成形品と金型の間を真空にする都合上、通常は成形後に型抜き成形により行う。
第2の発明は、第1の発明にかかるLED照明装置用枠体の開口部の内面側にLED光源の発光部が配置されたことを特徴とする照明装置である。
前記枠体には、前記側面部または前記天面部にLED光源を配置するための開口部が設けられ、フレキシブル基板には、LED光源が実装されており、前記開口部に前記LED光源が配置されてもよい。ここで、底面部にLED光源を設けると、照明装置の下部からLED光源が視認しづらくなるので、グレア感がなくなる。この点では、底面部に光源を設けると、底面部の裏面に配線が露出することになるから、底面部にキャップを設ける必要がある。
前記フレキシブル基板がフレキシブルフラットケーブルに前記LED光源を実装した基板またはフレキシブルプリントサーキットであってもよい。このようにすることで、容易にLED光源を枠体に接着などにより形状に合わせて取り付けることができる、更にフレキシブルフラットケーブルを枠体上で自由に折り曲げたり、折り重ねることができる。このため、ガラエポ等のリジット基板上にLED光源を配置した場合では実現できない枠体の曲面に、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルを貼り付けるだけで、照明装置を製造することができる。また枠体に対しても実質的に応力や歪みを与えることなくフレキシブルフラットケーブルを取り付けることができる。
前記照明装置の枠体の側面部には凹部(浅い溝形状)が形成されており、前記凹部に前記LED光源を実装したフレキシブル基板を沿わせて配置するかあるいははめ込んでもよい。このように枠体の側面部に凹部を形成することで、フレキシブルフラットケーブルが枠体からずれることがない。このように、枠体の側面部の凹部の形成も真空成形用の前記凹金型の形状を、前記枠体の側面部の凹部の形状に対応する浅い溝形状の凹部を形成しておくことで、真空成形時に同時に形成することができる。成形した枠体は、成形品の凹部があっても、枠体を押圧することで、型抜きができる。ここで、本発明では、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルの代わりにフレキシブルプリントサーキットを用いることもできる。
前記枠体と前記フレキシブル基板が気密に接続されていてもよい。
前記底面部の開口部に光拡散板が設けられてもよい。光拡散板は、乳白色のガラス製やアクリル樹脂製のものを用いることができるが、軽量化の点では、アクリル樹脂製の光拡散板を用いることが望ましい。
また、光拡散板を照明の固定部として用いることで枠体に変形を生じさせることなく照明を固定することができる。
第2の発明によれば、簡易な構造で軽量な面発光照明装置を得ることができる。
また、LED光源に通電する配線回路が枠体の側面部または天面部の外側に配置されることで、枠体の側面部または天面部など枠体内部には、LED光源の発光面が配置されるだけで、枠体内部に配線回路やLED光源の実装基板などが配置されることがなく、配線回路やLED光源の実装基板が枠体内面の反射板としての機能に影響を与えることがないことから、枠体内面の反射板の占める面積を最大化することができる。
また、LED光源がフレキシブルフラットケーブルの所定の位置に実装されることで、LED光源を所定位置に容易に配置することができる。LED光源から発生する熱は、LED光源からフレキシブルフラットケーブルを通じて照明装置の外部に放出することができる。この際、フレキシブルフラットケーブルには、通電用の配線の他、放熱用の予備配線などを配置したフレキシブルフラットケーブルを用いることがさらに望ましい。
フレキシブルフラットケーブルに使う導体の断面積と表面積を適切に選択することで、LED光源の熱を導体に効率的伝えることができ、導体表面積が放熱面積となり効率的に大気に放熱ができる。特に、フレキシブルフラットケーブルが枠体の外周に設けられる場合には、フレキシブルフラットケーブルから枠体外部に放熱できることから、枠体の内部に熱がこもることがなく、放熱効果が大きくなる。また、枠体をマイクロ発泡樹脂シートで形成しているので、断熱効果があるのでLED発光体から出る熱を照明内に流入することを低減でき、照明装置の温度上昇を低減できる。また、配線回路をフレキシブルフラットケーブルにて枠体の外周に形成すれば、配線が枠体の外周部に露出することがなく安全である。
さらに、照明装置用枠体にフレキシブル基板を枠体の外側に貼り付ける場合、前記枠体とフレキシブル基板の隙間ができないように気密に接続される構造とすることで、枠体の内部と外部の空間を分離できる。枠体内部へのほこりなどの微粒子の侵入を防止することができ、それによる枠体の反射率の低下やLED光源の電気的不具合などの信頼性の低下を防止できる。
また、光取り出し面に光拡散板を設けることで、枠体内部でLED光源からの光を繰り返し反射させ、さらに、光を下方に均一に拡散させて照射することができる。ここで、光拡散板に反射機能を持たせた拡散反射板を用いることで、グレア感のない面発光照明装置を得ることができる。
第3の発明は、天面部と開口部を有する底面部と、前記天面部と前記底面部とをつなぐ側面部と、からなる照明装置用の枠体において、前記天面部、前記側面部、および前記底面部の内、少なくとも二つの面が光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートで形成されていて、可視光レーザを配置するための、開口部が1つ以上設けられていることを特徴とする可視光レーザ照明装置用枠体である。
第4の発明は、第3の発明にかかる可視光レーザ照明装置用枠体の開口部の内面側に可視光レーザ用光源の発光部が配置されることを特徴とする照明装置である。
第3、第4の発明によれば、第1、第2の発明と同様の効果を得ることができる。このように、光源としてはLED光源の代わりに、可視光レーザを用い、可視光レーザを用いた照明装置とすることもできる。
第5の発明は、第1の発明または第3の発明にかかるLED照明装置用枠体または可視光レーザ照明装置用枠体のいずれかの照明装置用枠体を成形する成形方法において、PET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル系樹脂のいずれかの熱可塑性樹脂製のマイクロ発泡樹脂シートを、ヒータで加熱して軟化させ、軟化させた前記マイクロ発泡樹脂シートを1kg/cm2以下の圧力で、成形型に吸引するか、あるいは、凸金型と凹金型で挟み込むことで、前記天面部、前記側面部、および前記底面部の内、相互に隣接する少なくとも二つの面を連続して一体に成形することを特徴とするLED照明装置用枠体または可視光レーザ照明装置用枠体の成形方法である。
第5の発明によれば、LED照明装置用枠体、照明装置、可視光レーザ照明装置用枠体および、LED照明装置用枠体または可視光レーザ照明装置用枠体の成形方法を得ることができる。
本発明によれば、簡易な構造で軽量なLED照明枠体用の型紙、LED照明装置、およびLED照明装置の組み立て方法を提供することができる。
照明装置1を示す分解斜視図。
(a)はフレキシブルフラットケーブル15の正面図、(b)はフレキシブルフラットケーブル15の背面図。
照明装置1を示す底面図。
(a)は照明装置1の断面図、(b)は照明装置1aの断面図。
照明装置1dの断面図。
(a)照明装置1fの斜視図、(b)は照明装置1gの斜視図、(c)は照明装置1hの斜視図。
照明装置1bの断面図。
照明装置1cを示す分解斜視図。
照明装置1cの断面図。
型紙24を示す図。
型紙24aを示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は照明装置1を示す分解斜視図である。照明装置1は、主に、上部枠体3a、下部枠体4a、光拡散板13、フレキシブルフラットケーブル15、キャップ23等から構成される。なお、以下の説明において、配線および放熱構造などは図示を省略する。
フレキシブルフラットケーブル15は、長手方向の端部同士を突き合わせるようにして、略円形に丸められて用いられる。なお、端部同士を完全に突き合せる必要はなく、隙間が空いてもよい。
図2(a)は、フレキシブルフラットケーブル15を示す正面図であり、図2(b)は、フレキシブルフラットケーブル15を示す背面図である。なお、以下の説明において、フレキシブルフラットケーブル15への配線等については、図示を省略する。
フレキシブルフラットケーブル15は、回路導体(例えば銅箔または銅線により形成された回路)が樹脂(例えばPETやポリイミド、ポリエチレンナフタレート)で上下面を積層樹脂被覆又は接着されたケーブルである。所定の長さに切断されたフレキシブルフラットケーブル15の内部には、少なくとも一対の回路導体が形成されており、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15の端部近傍では、これらの回路導体同士を導通させる導体部材21が設けられる。導体部材21は、内部の回路導体と導通する。すなわち、LED光源、回路導体と導体部材21によって配線回路19が形成される。導体部材を用いる代わりに、端部の導体回路を折り曲げて形成して配線回路19を形成しても良い。
また、必要に応じてLED以外に抵抗、ヒューズや電流制限部品などの回路部品が配線回路に組み込むことができる。ここで、積層樹脂がPET樹脂の場合には、積層樹脂を接着する接着剤としては、オレフィン系接着剤やポリエステル系接着剤などを使用することができる。
フレキシブルフラットケーブル15には、複数のLED光源17が所定の間隔で配置される。LED光源17の電極端子を、フレキシブルフラットケーブル15の表面から、内部の配線回路19に貫通させてかしめるか、あるいは一方の積層被覆樹脂を剥がして、電極端子と配線回路19をはんだ付けや低温ろう付け等を行うことで、内部の配線回路19によってLED光源17へ実装することができる。なお、LED光源17は、配線回路19に対して、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよい。直列と並列を組み合わせても良い。
ここで、フレキシブルフラットケーブルやフレキシブルプリントサーキットにLED光源や可視光レーザなどを実装したものを、フレキシブル基板として定義してもよい。以下の説明では、フレキシブル基板の一例として、フレキシブルフラットケーブルにLED光源が実装された例を説明する。
上部枠体3aは、天面部7および側面部9を有する。天面部7は略円形であり、天面部7の周縁部には、天面部7に略垂直に側面部9が形成される。すなわち、側面部9は、略円筒状の形状であり、天面部7に対向する側が開口する。ここで、天面部7と側面部9をつなぐ接続部はなめらかな曲線状に形成されても良い。
上部枠体3aの側面部9には、一つ以上の(図では複数個所に)開口部5が設けられる。開口部5は、LED光源17の発光部が露出する部位となる。開口部5は、周方向に所定の間隔で略等間隔に配置される。ここで、開口部5は、上記のように複数個所設けることも可能であるが、LED光源17の出力を高めて、LED光源17を側面部に1個所配置することもできる。
開口部5の近傍の枠体とLEDを実装したフレキシブルフラットケーブル15は接着剤や粘着剤などで接続されて、照明内部と外部とが仕切られるようにすることが好ましい。
図3は、照明装置1を示す底面図であり、図4(a)は照明装置1の断面図(図3のA−A線断面図)である。LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15は、上部枠体3aの側面部9の外面に配置される。前述した様に、フレキシブルフラットケーブル15に固定されたLED光源17の発光部が、開口部5から内面側に配置される。フレキシブルフラットケーブル15は、上部枠体3aの側面部9に接着剤により固定される。例えば、これに用いる接着剤としては、ポリエステル系接着剤を用いることができる。
図4(a)から判るように、上部枠体3aの側面部9の下端(開口側)には、外周側に向けてフランジ部8が設けられる。フランジ部8の下部には、下部枠体4aが設けられる。下部枠体4aは、略環状の部材である。下部枠体4aの外径と上部枠体3aのフランジ部8における外径はほぼ一致する。すなわち、上部枠体3aの下方に下部枠体4aを配置すると、下部枠体4aは、上部枠体3aの側面部外周より中心方向に所定の長さだけ突出する。ここで、特に図示しないが、図4に限らず、本発明の実施形態において、上部枠体の天面部7と側面部9の間の接続部および側面部9とフランジ部8の間には適度な丸みを設けたり、上部枠体の天面部7と側面部9の角度を成形時の抜き勾配などを考慮して適宜設けることができることは言うまでもない。
なお、上部枠体3aの天面部7および側面部9と、下部枠体4aの底面部11を合わせて単に枠体と称する。本発明の枠体は、LED照明装置用の枠体であり、天面部7と開口部6を有する底面部11が対向し、天面部7と底面部11とをつなぐように側面部9が設けられる。
上部枠体3aの内部であって下部枠体4aの上方には、必要に応じて光拡散板13が設けられる。下部枠体4aはキャップ23によって上部枠体3aの側面部9の下端(フランジ部8)に固定され、光拡散板13は下部枠体4a上に、下部枠体4aに接するように配置される。これにより、光拡散板13は、底面部11の開口部6を塞ぐように配置される。例えば、光拡散板13は、光透過性を有するガラスまたは樹脂製で、光拡散板13は、下部枠体4aとの接触面を接着して枠体に固定することができる。光拡散板13は、光が透過する際に、光拡散板13に入射する照明光の一部の光を照明内部に拡散させる。このため、光拡散板13を用いることで、LED光源17から照射され、枠体内で拡散反射した光を、さらに拡散させることができる。
なお、図4(b)に示す照明装置1aのように、下部枠体4aと上部枠体3aとを直接接合すれば、光拡散板13を保持するのに、キャップ23を用いなくてもよい。
この場合、光拡散板13は、上部枠体3aと下部枠体4aとを接合する前に、上部枠体3aを下部枠体4aに固定する。光拡散板13は、底面部11の開口部6のサイズよりも大きいため、光拡散板13を下部枠体に配置するか、あるいは配置し固定した後に、上部枠体3aと下部枠体4aとを接合することで照明装置1aを組み立てることができる。
また、図5に示す照明装置1dのように、下部枠体4aを、光拡散板13の上方に配置してもよい。このようにすることで、より効率よく下部枠体4aで光を反射させることができる。このため、光拡散板13からより均一な光を取り出すことができる。また、側面に配置したLED光源が見えにくくなるので、LED光源から直接光拡散反射板に入射する光を低減でき、より眩しさが少ない面発光照明装置とすることができる。
ここで、上部枠体3aおよび下部枠体4aは、マイクロ発泡樹脂シート(多数の微細機構を有する多孔質部材)から形成される。本発明で用いるマイクロ発泡樹脂シートは、中央に発泡層を有し、両面に非発泡層を有する絶縁性の樹脂シートである。ここで、発泡層とは、発泡により、気泡を生成させた層をいう。
本発明では、マイクロ発泡樹脂シートの厚さは0.4mm〜2.0mmで、非発泡層の厚さは10〜30μmである。発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの厚さから、非発泡層の厚さを引いた値になる。つまり、非発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの全体厚さが増しても、ほぼ一定値である。この理由は、非発泡層がマイクロ発泡樹脂シートの製造工程においてシートの表面から発泡用のガスが抜けることにより形成され、これにより形成される層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの表面からの距離によって決まるためである。
本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、平均気泡径が0.2μmから40μmの範囲であることが好ましい。ここで、平均気泡径が0.2μmより小さすぎると、光の透過度が高くなり反射率が低下する。平均気泡径が大きすぎると拡散反射率が低下するため、平均気泡径は0.2μmから40μm以下とする必要がある。さらに平均気泡径は0.5μmから20μmであることが好ましい。
LED照明装置用枠体に用いる前記マイクロ発泡樹脂シートは熱可塑樹脂からなり、波長450〜650nmの可視光に対する光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率が、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上を満たし、反射率の波長依存性が1%以下の範囲内にある。全反射率、拡散反射率ともに、好ましくは95%以上を満足でき、99%以上も可能である。また、前記マイクロ発泡樹脂シートを成形して形成されたLED照明装置用枠体の、波長が450〜650nmの可視光に対する光学特性も、成形前のマイクロ発泡樹脂シートと同様に、光反射特性が大きく変わることがないため、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上を満たすことができる。さらに、反射率の波長依存性は、成形品の板厚を1mm以上とすれば、2%以内とすることができる。また、真空成形でなく、型紙の折り曲げ成形の場合は、枠体の光反射率は、折り曲げ部を除いてはマイクロ発泡樹脂シートにおけるシートの状態と同様の光反射率を維持できる。
ここで、本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、絶縁性を有する基板で、その体積固有抵抗は1012Ω〜1011Ωである。この範囲であれば、本発明における絶縁性を十分確保できる。
本発明において、マイクロ発泡樹脂シートは、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂、例えばPMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)のいずれかから構成することが好ましい。上記の他、マイクロ発泡樹脂シートには、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂に難燃性を持たせた透明樹脂を使用することもできる。また、使い場所や用途により帯電防止、難燃性付与、耐紫外線のコーティングを施したり、そのような処理をされたマイクロ発泡樹脂シートを使用しても良い。
なお、本実施形態では、天面部7、側面部9、底面部11の全てが、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シートで形成されている例を示したが、天面部7、側面部9、および底面部11の内、少なくとも二つの面が光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートで形成されていればよく、例えば、上部枠体3aの天面部7と側面部9の2面のみをマイクロ発泡樹脂シートで形成してもよい。もちろん、側面部9と底面部11を真空成形または凸金型と凹金型で挟み込むマッチモールド成形で加工することも可能である。
本実施形態では、上部枠体3aは、一体で構成される。すなわち、天面部7と側面部9は、一体で構成される。例えば、天面部7の外周に側面部9が形成された展開型紙を用い、側面部9を折り曲げて、側面部9と天面部7の端部同士、および、側面部9の突合せ部同士を接着することで一体化することができる。
また、天面部7と側面部9とを真空成形法により一体で成形してもよい。例えば、PET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル系樹脂の熱可塑性樹脂製のマイクロ発泡樹脂シートを、ヒータで加熱して軟化させ、軟化させた前記シートを成形型に吸引することで、相互に隣接する天面部7と側面部の二つの面の境界部を折り曲げた形で一体成形することができる。この時、成形材と成形型の間の圧力は、通常1kg/cm2以下の圧力にすることができる。ここで、真空成形やマッチモールド成形の加熱成形後のマイクロ発泡樹脂シートは加熱前後で、全反射率や拡散反射率等の光学特性は、ほとんど変わらずに、全反射率や拡散反射率が90%以上を満たすことができる。
以上、本実施の形態によれば、照明装置1の枠体(上部枠体3a、下部枠体4a)が、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シート製であるため、枠体の内面全体を反射板として機能させることができる。また、上部枠体3aの側面部9の外周面にLED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15が配置されるため、部品点数が少なく、構造が簡易で軽量で、面発光の照明装置を得ることができる。真空成形やマッチモールド成形を用いて枠体を成形することで、照明装置の形状が曲面形状であっても枠体を成形することが可能であり、デザイン性が高く且つ面発光の照明が実現できる。また、照明装置の形状によっては、上記の真空成形やマッチモールド成形の他に、展開型紙を用いて枠体を形成することが可能である。したがって、枠体がリジッドな反射板を装着できないような複雑な局面形状であっても、枠体のいずれの位置においても優れた反射特性を持たせることができる。
また、天面部7と側面部9が一体で形成され、反射板を設ける必要がないため、取り扱い性が良好であり、組立作業性にも優れる。
また、枠体はマイクロ発泡樹脂でできていることから、柔軟性が高く、強度は高くないものの形状回復性に優れる。また、光拡散板13やキャップ23で補強すること、さらにそれらを固定部とすることで、ハンドリングや取り付けによる応力や歪みの影響を枠体に与えないようにできる。
また、LED光源17が、上部枠体3aの外周面側に配置され、底面部11が照明装置1の中心方向に張り出しているため、LED光源17が見えにくく、LED光源が目立ちにくい。これと、光拡散板13を組み合わせることで、LED光源17が目立たない眩しくない(グレア感のない)照明を実現できる。
ここで、照明装置1のLED光源17を発光させると、LED光源17からの光は直接に照射されるのではなく、照明装置1(枠体)の内面における拡散反射を繰り返して底面部11の開口部6(光取り出し部)から照射される。このため、レンズ等を用いることなく、光を下方に均一に拡散させて、光拡散板13から外方に照射することができる。この結果、照度むらや影が生じることがなく、やわらかく落ちついた間接照明的な効果を演出することができる。
なお、上述した照明装置用枠体は、LED光源を利用したLED照明装置用枠体である例を示したが、光源として可視光レーザを利用した可視光レーザ照明用枠体として利用することができる。すなわち、本実施形態において、LED光源を用いた照明装置ではなく、可視光レーザを用いた照明装置とすることもできる。なお、以下の説明では、LED光源を用いたLED照明装置用枠体および照明装置にについて説明する。
次に、別の第1の実施形態の実施態様をしめす。図6(a)の照明装置1fの上部枠体3dは、図1から図4と同様に真空成形で、LED照明装置の枠体の天面部7と側面部9とフランジ部8を一体成形したものである。図4との相違点は、照明装置1fが、図4のような円筒形の薄型の照明ではない点である。上部枠体3dは、天面部7から側面部9が徐々に拡径する略円錐台形状で、側面部9とフランジ部8との境界において、フランジ部8がフランジ状に天面部7と略平行に外方に拡径する形状に形成されている。
図6(a)では、この上部枠体3dの側面部9の一方の側から、天面部7の中心を通り、側面部9の他方の側(一方の側と対向する位置)にかけて、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を接着する。このLED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を上部枠体3dに装着した際に、LED光源17が上部枠体に形成された開口部に対応する位置に配置されるように、LED光源17がフレキシブルフラットケーブル15に事前に実装されたフレキシブル基板を使用する。
図6(b)の照明装置1gの上部枠体3eは、図6(a)の枠体とほぼ同様の形状をしており、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15は、天面部7の中心を通り、側面部9の互いに対向する部位にまたがるように配置されている。上部枠体3eは、側面部9に配置したLED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15がずれにくいように、フレキシブルフラットケーブルを配置する部分に、フレキシブルフラットケーブル15の厚さに相当する深さだけ、上部枠体3eの側面部9の円錐台の斜面に窪む凹部10が設けられる。上部枠体3eを上記のような形状とすることで、フレキシブルフラットケーブル15がずれることがない。このように、図6(b)においても、同様にLED光源17がフレキシブルフラットケーブル15に事前に実装されたフレキシブル基板を使用することができる。
図6(c)の照明装置1hの上部枠体3fは、図6(a)の枠体とほぼ同様の形状をしているが、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15が図6(b)と異なり、側面部9の中央部の円周方向に配置される。さらに、上部枠体3fには、側面部9に配置したLED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15がずれにくいように、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を配置する位置に、フレキシブルフラットケーブル15の厚さに相当する深さだけ、側面部9の円周方向に窪む凹部10が設けられる。このように枠体に凹部を形成し、金型に凹金型を用い、アンダカット部が存在しても、凹部深さが浅いので、成形後に枠体を円周方向に押圧することで型抜きが可能である。もちろん、分割型などを用いれば型抜きは可能である。
図6(c)においても、同様にLED光源17がフレキシブルフラットケーブル15に事前に実装されたフレキシブル基板を使用することができる。図6(a)〜図6(c)のいずれの場合においても、フレキシブルフラットケーブル15に代えて、LED光源を有するフレキシブルプリントサーキットをフレキシブル基板として使用することもできる。
また、上記の他、LED光源17を配置する部分とその近傍のみ略矩形状の平面とすることも可能である。このように、LED光源を配置する部分をその近傍をLED光源の端子部を含むフレーム部の大きさに合わせた略矩形状の平面に形成することで、LED光源を安定させて枠体に配置することができる。
ここで、特に図示しないがフレキシブル基板を枠体の外側に付ける場合に、前記枠体とフレキシブル基板の隙間ができないように気密に接続される構造とすることが望ましい。このようにすることで、枠体の内部と外部の空間を分離できる。それにより、枠体内部へのほこりなどの微粒子の侵入を防止することができ、枠体内部の反射率の低下やLED光源の電気的不具合などの信頼性の低下を防止することができる。
以上のように、前記照明装置の枠体の側面部9には、前記LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を沿わせて配置するか、あるいははめ込むことができるようにフレキシブルフラットケーブル15の幅に合わせた凹部10が形成される。
本発明では、LED光源1つの場合でも、光拡散板を用いれば面発光が実現できる。照度を高めたい場合は、LED光源を複数用いることで対応が可能である。
次に、第2の実施形態について説明する。図7は、照明装置1bの断面図である。なお、以下の説明において、照明装置1等と同一の機能を奏する構成については、図1〜図4と同一の符号を付し重複する説明を省力する。
照明装置1bは照明装置1とほぼ同様の構造であるが、枠体の構造が異なる。照明装置1bの枠体は、上部枠体3bおよび下部枠体4bとからなる。下部枠体4bは、底面部11と側面部9とからなる。側面部9の上端には、外周側に向けてフランジ部8が設けられる。
フランジ部8の上部には、上部枠体3bが接合される。上部枠体3bは、天面部7を構成する。上部枠体3bは、略円板状の部材である。上部枠体3bの外径と下部枠体4bのフランジ部8における外径はほぼ一致する。
下部枠体4bの側面部9の下端は、中心方向に内側に向かって所定の長さだけ突出する。すなわち、底面部11は環状に形成され、中央部に開口部6が設けられる。底面部11の開口部6のサイズよりも大きな光拡散板13は、底面部11の上部に配置される。すなわち、光拡散板13は、底面部11の開口部6を塞ぐように配置される。また、光拡散板13は、底面部11の上部に接着材で貼り付けられても良い。なお、光拡散板13を下部枠体4b内に配置した後、下部枠体4bのフランジ部8の上部に上部枠体3bが接合される。ここで、開口部6は、枠体を真空成形した後に、型抜きまたはレーザ加工などで形成すれば良い。
なお、本実施形態においても、上部枠体3bおよび下部枠体4bは、マイクロ発泡樹脂シートで形成されていることが望ましいが、例えば、下部枠体4bの側面部9と底面部11の2面のみをマイクロ発泡樹脂シートで形成してもよい。
また、下部枠体4bは、一体で構成される。すなわち、底面部11と側面部9は、一体で構成される。この場合、例えば、底面部11の外周に側面部9が形成された展開型紙を用い、側面部9を折り曲げて、側面部9と底面部11の端部同士を接着することで一体化することができる。展開型紙を用いて、枠体を形成する場合には、折り曲げ部の折り曲げ線位置に、折り曲げやすいようにマイクロ発泡樹脂シートにカッターやローラ加工等で、浅い切込みや溝を入れることが望ましい。このようにすることで、マイクロ発泡樹脂シートが折り曲げやすくなり、枠体が組み立てやすくなる。また、前述した様に、底面部11と側面部9とを真空成形法により一体で成形してもよい。展開型紙を用いて枠体を形成する場合には、折り曲げ線以外は変形を受けないことから、枠体は、成形前のマイクロ発泡樹脂の光学特性を維持できる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、照明装置を構成する枠体は、天面部7と側面部9、または、側面部9と底面部11の少なくともいずれかが一体で構成されればよい。
次に、第3の実施形態について説明する。図8は、照明装置1cの分解斜視図であり、図9は、照明装置1cの断面図である。照明装置1cは、照明装置1等とほぼ同様であるが、枠体が略矩形に形成される点で異なる。
照明装置1cの枠体は、上部枠体3cと下部枠体4cとからなる。下部枠体4cは、底面部11および4つの側面部9で構成される。長辺側の側面部9の上端と短辺側の側面部9の上端には、外側に向けてフランジ部8が形成され、フランジ部8の上部に上部枠体3cが接合される。
上部枠体3cは、略長方形の部材である。上部枠体3cは、天面部7を構成する。上部枠体3cの外形と下部枠体4cのフランジ部8における外形はほぼ一致する。底面部11の開口サイズよりも大きな光拡散板13は、底面部11の上部に配置される。すなわち、光拡散板13は、底面部11の開口部6を塞ぐように配置される。なお、光拡散板13は、必要に応じて、下部枠体4cの底面部11に接着剤や粘着剤などで貼り付けて固定することができる。光拡散板13を下部枠体4c内に配置した後、下部枠体4cのフランジ部8の上部に上部枠体3cが接合される。
下部枠体4cの長辺側の側面部9には、複数の開口部5が併設される。また、下部枠体4cの長辺側の側面部9の外周面には、フレキシブルフラットケーブル15が設けられる。したがって、照明装置1cの枠体は、長辺側の側面の内面側にLED光源17が露出する。なお、図示した例では、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15を一対用いる例を示すが、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15を側面部9の全周に巻き付けるように配置してもよい。この際、LED光源17を短辺側の側面部9に配置してもよい。
下部枠体4cの、LED光源17が配置される側面部9は、上方(天面部7側)に向けて、広がるように傾斜して形成される。すなわち、LED光源17は、やや天面部7側に向けて光を照射する。
照明装置1cでは、LED光源17から照射される光の一部が、天面部7で反射し、さらに一部の反射光が底面部11と天面部7の反射を繰り返した後、光拡散板13を介して、照明装置1cの開口部6から照射される。
光拡散板13に入射した反射光の一部は透過するが、一部は反射し照明内部にもどる。このように反射を繰り返すことで面発光の照明となる。
なお、本実施形態においても、上部枠体3cおよび下部枠体4cは、マイクロ発泡樹脂シートで形成されていることが望ましいが、例えば、下部枠体4cの側面部9と底面部11の2面のみをマイクロ発泡樹脂シートで形成してもよい。
また、下部枠体4cは、一体で構成される。すなわち、底面部11と側面部9は、一体で構成される。この場合、例えば、底面部11の外周に側面部9が形成された展開型紙を用い、側面部9を折り曲げて、側面部9と底面部11の端部同士を接着することで一体化することができる。また、前述した様に、底面部11と側面部9とを真空成形法により一体で成形してもよい。ここで、開口部6は、型抜きまたはレーザ加工により形成すれば良い。
なお、下部枠体4cおよび上部枠体3cを、型紙によって形成してもよい。図10は、マイクロ発泡樹脂シートから切り出された型紙24を示す図である。なお、以下の図において、点線は折り曲げ線を示す。型紙24は、長方形状の天面部7と、天面部7の外周に形成される側面部9と、側面部9の外周に形成される底面部11等からなる。
長辺側の側面部9には、LED光源の発光部が配置される複数の開口部5が形成される。型紙24の各部を折り曲げることで、前述した下部枠体4c、上部枠体3c等を組み合わせたような形状の枠体を得ることができる。なお、底面部11同士を接合することで、底面部11で囲まれた範囲に、開口部6(図8参照)を形成することができる。すなわち、天面部7に対して側面部9が先細り形状である照明用枠体を提供することができる。
なお、側面部9同士の接合のために、互いの突合せ部に、さらに接着代を設けても良い。また、底面部11同士の突合せ部においても、さらに接着代を設けても良い。尚、図示した例では、底面部11の接合は、隣接する台形状の斜辺部を突き合わせて接合するが、長辺側底面部と短辺側底面部の一方が他方に対して、折り重ねられるように、底面部11の形状を長辺が点線の折り曲げ線と同一長さの長方形状に設計することもできる。このようにすれば、長辺側底面部と短辺側底面部を折り重ねて接合できるので、接合部の接合強度を向上させることができる。また、底面部には、光拡散板を配置することで、LED光源が見えにくい眩しくない(グレア感の少ない)間接照明に近い効果を得ることもできる。
また、図11に示すような、マイクロ発泡樹脂シートから切り出された型紙24aを用いてもよい。型紙24aは、長方形状の底面部11と、底面部11の外周に形成される側面部9と、側面部9の外周に形成されるフランジ部8等からなる。
長辺側の側面部9には、LED光源の発光部が配置される複数の開口部5が形成される。型紙24aの各部を折り曲げることで、前述した下部枠体4cと同様な形状の枠体とすることができる。なお、フランジ部8と側面部9との境界の折り曲げ方向を、底面部11と側面部9との押し曲げ方向に対して逆側にすることで、図8に示すような、外側に突出するフランジ部8を形成することができる。すなわち、天面部7に対して側面部9が徐々に拡径する形状である照明用枠体を提供することができる。ここで、図に示す形状の型紙24aを用いて枠体を形成した場合には天面が形成されないことから、この場合には、枠体を組み立てた時に外形が枠体のフランジ部8と一致する長方形状の天板をフランジ部8に接着する必要がある。
なお、前述した様に、側面部9同士の接合のために、互いの突合せ部に、さらに接着代を設けても良い。また、フランジ部8同士の突合せ部においても、さらに接着代を設けても良い。
なお、型紙24、24aを組み立てた後、底面部11に形成される開口部6には、光拡散板を配置することもできる。
また、フランジ部8に代えて、天面部を形成することもできる。この場合には、長辺側の側面部9とフランジ部8の境界の折り曲げ部に、短辺側の折り曲げ部の長さの(1/2)の高さの長方形を、フランジ部8に代えて天面部としてそれぞれ形成する。この長方形部を側面部に対してフランジ部を形成した場合と逆の方向に折り曲げることにより、折り曲げた長方形部の長辺が天面の中央で対向して付き合わせられ天面部を形成することができる。この時、短辺側も、同様に側面部とフランジ部の境界の折り曲げ部に、適当な高さの長方形をそれぞれ形成して同様の方向に折り曲げることにより、先ほどの長辺側の長方形部を折り曲げ突き合わせて形成した天面を押えることもできる。このようにすることで、図11の型紙の形状を少し変更することで、底面、側面、天面の全ての面を有する枠体を得ることもできる。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、照明装置の形状は特に限定されない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、前述した各実施形態はそれぞれ互いに組み合わせることができることは言うまでもない。また、前述した各実施形態では、側面部9に開口部5を設けてLED光源を配置する例を示したが、天面部7に開口部5を設け、LED光源を天面部7に配置してもよい。この場合には、LEDを実装したフレキシブルフラットケーブル15を天面部7の外側(背面側)に配置すればよい。ここで、前述したように、本発明の全ての実施形態はLED光源の代わりに可視光レーザを用いても適用することが可能である。
1、1a、1b、1c、1d、1f、1g、1h………照明装置
3a、3b、3c、3d、3e、3f………上部枠体
4a、4b、4c………下部枠体
5………開口部
6………開口部
7………天面部
8………フランジ部
9………側面部
10………凹部
11………底面部
13………光拡散板
15………フレキシブルフラットケーブル
17………LED光源
19………配線回路
21………導体部材
23………キャップ
24、24a………型紙
本発明は、部品点数が少なく軽量なLED照明装置に関するものである。
省エネルギーおよび長寿命であることから、LED(Light Emitting Diode)照明が普及しており、LEDを用いた照明は数多く提案されている。これらの照明装置は、照明装置の枠体の内部やLEDを実装した基板に白色レジストなどの光反射性の有機被膜を塗布して光反射特性を向上させるものがある。さらに、照明装置の照度向上や光拡散の目的で、光反射板を用いるものがある。
例えば、箱体の内部にLED光源を配置し、当該箱体内に光反射板を配置したLED光源ライトボックスがある(特許文献1)。
また、指向性の強いLED光源を用い、LEDの放射方向の厚みを増大させることなく広い面積で均一な照明光を得ることのできる面照明光源装置及びこれを用いた面照明装置が提案されている。(特許文献2)
さらに、照明灯具の一対の光出口である平面形状のレンズとケースにより作られる空間の両側端に、対向してLED光源が配置される照明装置がある。(特許文献3)
特許文献1は、指向性の強いLED光源を用いた場合でも、表面照度ムラを抑制することを目的としたものである。
しかし、特許文献1のように多数のLED光源を用いたのでは、コストが増加する。また、特許文献1は、箱体内に光反射板などを配置するものであり、部品点数が多く、また、箱体のLED光源から離れた中央部での反射率を高くするためには、さらに別途の反射板を配置する必要がある。このため、構造が複雑となり、重量の増加を招く。
特許文献2は、発光源の放射方向に放射面を有する導光体と、導光体の放射面以外の面を閉塞するケーシングとにより構成される照明光源装置である。しかし、放射面に設けられる放射側反射手段の他に、ケーシングには内側反射手段が設けられており、成形されたケーシングが反射板を兼ねるものではない。発光源の放射方向に導光体を設けるためにケーシングの厚さが厚くなる。また発光源からの光を導光体の反射面で反射させるため反射の回数が多くなり照度が低下する課題がある。均一な面発光を実現するためには、導光体の反射面のパターンが複雑になり、その加工費用が掛かる課題もある。
特許文献3は、光の拡散機能と反射機能を持つ光拡散フィルムが平行に配置したレンズの裏面に取り付けられるか、他方が光反射板を取り付けられる構造を有している。特許文献3の照明装置では、LEDの照射光は、光拡散フィルム間、あるいは光拡散フィルムと光反射板の間で反射しながら、光の照射方向と直交する方向に拡散されレンズから面発光する。しかし、筐体は装置ケース本体とレンズにより構成され、光拡散フィルムや光反射板は筐体の一部であるレンズに貼り付けて使用され、光拡散フィルムや光反射板が照明装置の筐体を兼ねるものではないので、それらを貼り付ける作業が必要であり、複雑な構造への適用は難しい。
側面に配置されたLED基板は、LED基板の表面に白色のレジストによる反射処理が施されているが、反射率は高くなく、LEDから照射された照射光が光拡散フィルムや光反射板により反射された照明光がLED基板で吸収されLED基板が加熱される。この結果、発光効率や寿命の低下が懸念される。
また高価な光拡散フィルムを使用するのでコストが高くなる課題がある。
特開2006−202729号公報
特開2008−027886号公報
特開2010−177196号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、マイクロ発泡樹脂シート(多数の微細機構を有する多孔質部材)の光反射特性に着目し、簡易な構造で軽量なLED照明枠体を構成することができ、さらにその枠体が反射板を兼ねることで低消費電力で面発光が実現でき、さらに複雑形状のLED照明装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、天面部と、開口部を有する底面部と、前記天面部と前記底面部とをつなぐ側面部と、からなる枠体を有する照明装置において、前記枠体は、前記天面部、前記側面部、および前記底面部の内、少なくとも二つの面がマイクロ発泡樹脂シートから成形され、さらに、前記枠体自体が、光反射板発泡樹脂成形体を兼ねるものであり、前記LED光源を配置するための開口部が前記側面部または前記天面部に設けられ、前記光反射板発泡樹脂成形体の前記開口部の内面側にLED光源の発光面が位置するように、前記LED光源が実装された平型フレキシブルフラットケーブルが、前記光反射板発泡樹脂成形体の外側に沿わせて露出するように配置されて、接着されることを特徴とするLED照明装置である。
ここで、前記照明装置用枠体は、底面に光取り出し用の開口部を設けることが望ましい。前記天面部、前記側面部、および前記底面部の内、少なくとも二つの面が一体に形成されているものである。特に、前記天面部と前記側面部あるいは、前記底面部と前記側面部の2つの面の少なくともいずれかが一体に形成されていることが望ましい。ここで、二つの面が一体に形成されているとは、一体成形されているか、あるいは連続体として形成されていることを意味する。また、本発明のように平型フレキシブルフラットケーブルが接着されることで、容易にLED光源を枠体に接着などにより形状に合わせて取り付けることができる。更にフレキシブルフラットケーブルを枠体上で自由に折り曲げたり、折り重ねることができる。このため、ガラエポ等のリジット基板上にLED光源を配置した場合では実現できない枠体の曲面に、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブルを貼り付けるだけで、照明装置を製造することができる。また枠体に対しても実質的に応力や歪みを与えることなくフレキシブルフラットケーブルを取り付けることができる。
前記光反射板発泡樹脂成形体の内面が光反射板であり、前記光反射板発泡樹脂成形体の外面である側面部の外周面には、平型フレキシブルフラットケーブルの幅に合わせた凹部が形成されており、前記凹部に前記LED光源が実装された前記平型フレキシブルフラットケーブルを沿わせて配置されるかあるいははめ込まれてもよい。
前記光反射板発泡樹脂成形体が円筒形または略円錐台形または略角錐台形のいずれかの形状であり、前記光反射板発泡樹脂成形体が略円錐台形状である場合において、天面部と側面部の他にフランジ部を有し、フランジ部が天面部に略平行に形成されていて、枠体が略角錐台の形状の場合において、前記光反射板発泡樹脂成形体の側面部が底面部から天面のフランジ部に向かって広がるように形成されていることが望ましい。
前記平型フレキシブルフラットケーブルが放熱用の予備配線を有するものであることが望ましい。
前記マイクロ発泡樹脂から形成された前記底面部の開口部に、光拡散板が配置されることが望ましい。
前記光反射板発泡樹脂成形体は、波長が450〜650nmの可視光に対する光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率が、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上の光反射率を有することが望ましい。また、前記光反射板発泡樹脂成形体は、PET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂のいずれかからなることが望ましい。
前記マイクロ発泡樹脂シートを成形して形成された前記LED照明装置用枠体は、波長が450〜650nmの可視光に対する光学特性が、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率として、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上のPET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂のいずれかからなることが望ましい。
前記光反射板発泡樹脂成形体成形品の板厚が1mm以上の場合に、波長が450〜650nmの可視光に対する反射率の波長依存性は2%以内であることが望ましい。
本発明によれば、枠体が光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シートで形成されているため、枠体自体を光反射板発泡樹脂成形体として機能させることができる。このため、枠体内部に、別途の反射板を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。この結果、簡易な構造で軽量な面発光が実現できるLED照明装置を得ることができる。
特に、LED光源の周囲をマイクロ発泡樹脂シートで覆われた構成とすることで、LED光源から出射された照明光の利用効率が高くでき、消費電力の低減効果が期待できる。更に、照明光の反射光によりLED光源やLED基板が加熱されることが少ないので、寿命の劣化も低減できる。
また、枠体に、LED光源を配置するための開口部が設けられるため、LED光源を枠体の背面側から露出させることができる。開口部の形成は、成形品と金型の間を真空にする都合上、通常は成形後に型抜き成形により行う。
また、LED光源に通電する配線回路が枠体の側面部または天面部の外側に配置されることで、枠体の側面部または天面部など枠体内部には、LED光源の発光面が配置されるだけで、枠体内部に配線回路やLED光源の実装基板などが配置されることがなく、配線回路やLED光源の実装基板が枠体内面の反射板としての機能に影響を与えることがないことから、枠体内面の反射板の占める面積を最大化することができる。
また、枠体の側面部に凹部を形成することで、フレキシブルフラットケーブルが枠体からずれることがない。すなわち、前記照明装置の枠体の側面部には凹部(浅い溝形状)が形成されており、前記凹部に前記LED光源を実装したフレキシブル基板を沿わせて配置するかあるいははめ込まれていることで、フレキシブルフラットケーブルが枠体からずれることがない。このように、枠体の側面部の凹部の形成も真空成形用の前記凹金型の形状を、前記枠体の側面部の凹部の形状に対応する浅い溝形状の凹部を形成しておくことで、真空成形時に同時に形成することができる。前記枠体とフレキシブル基板が機密に接続されてもよい。
また、波長450〜650nmの可視光に対する光学特性として、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上のPET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル系樹脂で形成されれば、効率よく光を反射させることができる。
前記底面部の開口部に光拡散板が設けられてもよい。また、光拡散板を照明の固定部として用いることで枠体に変形を生じさせることなく照明を固定することができる。
また、LED光源がフレキシブルフラットケーブルの所定の位置に実装されることで、LED光源を所定位置に容易に配置することができる。LED光源から発生する熱は、LED光源からフレキシブルフラットケーブルを通じて照明装置の外部に放出することができる。この際、フレキシブルフラットケーブルには、通電用の配線の他、放熱用の予備配線などを配置したフレキシブルフラットケーブルを用いることがさらに望ましい。
フレキシブルフラットケーブルに使う導体の断面積と表面積を適切に選択することで、LED光源の熱を導体に効率的伝えることができ、導体表面積が放熱面積となり効率的に大気に放熱ができる。特に、フレキシブルフラットケーブルが枠体の外周に設けられる場合には、フレキシブルフラットケーブルから枠体外部に放熱できることから、枠体の内部に熱がこもることがなく、放熱効果が大きくなる。また、枠体をマイクロ発泡樹脂シートで形成しているので、断熱効果があるのでLED発光体から出る熱を照明内に流入することを低減でき、照明装置の温度上昇を低減できる。また、配線回路をフレキシブルフラットケーブルにて枠体の外周に形成すれば、配線が枠体の外周部に露出することがなく安全である。
さらに、照明装置用枠体にフレキシブル基板を枠体の外側に貼り付ける場合、前記枠体とフレキシブル基板の隙間ができないように気密に接続される構造とすることで、枠体の内部と外部の空間を分離できる。枠体内部へのほこりなどの微粒子の侵入を防止することができ、それによる枠体の反射率の低下やLED光源の電気的不具合などの信頼性の低下を防止できる。
本発明によれば、簡易な構造で軽量なLED照明装置を提供することができる。
照明装置1を示す分解斜視図。
(a)はフレキシブルフラットケーブル15の正面図、(b)はフレキシブルフラットケーブル15の背面図。
照明装置1を示す底面図。
(a)は照明装置1の断面図、(b)は照明装置1aの断面図。
照明装置1dの断面図。
(a)照明装置1fの斜視図、(b)は照明装置1gの斜視図、(c)は照明装置1hの斜視図。
照明装置1bの断面図。
照明装置1cを示す分解斜視図。
照明装置1cの断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は照明装置1を示す分解斜視図である。照明装置1は、主に、上部枠体3a、下部枠体4a、光拡散板13、フレキシブルフラットケーブル15、キャップ23等から構成される。なお、以下の説明において、配線および放熱構造などは図示を省略する。
フレキシブルフラットケーブル15は、長手方向の端部同士を突き合わせるようにして、略円形に丸められて用いられる。なお、端部同士を完全に突き合せる必要はなく、隙間が空いてもよい。
図2(a)は、フレキシブルフラットケーブル15を示す正面図であり、図2(b)は、フレキシブルフラットケーブル15を示す背面図である。なお、以下の説明において、フレキシブルフラットケーブル15への配線等については、図示を省略する。
フレキシブルフラットケーブル15は、回路導体(例えば銅箔または銅線により形成された回路)が樹脂(例えばPETやポリイミド、ポリエチレンナフタレート)で上下面を積層樹脂被覆又は接着されたケーブルである。所定の長さに切断されたフレキシブルフラットケーブル15の内部には、少なくとも一対の回路導体が形成されており、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15の端部近傍では、これらの回路導体同士を導通させる導体部材21が設けられる。導体部材21は、内部の回路導体と導通する。すなわち、LED光源、回路導体と導体部材21によって配線回路19が形成される。導体部材を用いる代わりに、端部の導体回路を折り曲げて形成して配線回路19を形成しても良い。
また、必要に応じてLED以外に抵抗、ヒューズや電流制限部品などの回路部品が配線回路に組み込むことができる。ここで、積層樹脂がPET樹脂の場合には、積層樹脂を接着する接着剤としては、オレフィン系接着剤やポリエステル系接着剤などを使用することができる。
フレキシブルフラットケーブル15には、複数のLED光源17が所定の間隔で配置される。LED光源17の電極端子を、フレキシブルフラットケーブル15の表面から、内部の配線回路19に貫通させてかしめるか、あるいは一方の積層被覆樹脂を剥がして、電極端子と配線回路19をはんだ付けや低温ろう付け等を行うことで、内部の配線回路19によってLED光源17へ実装することができる。なお、LED光源17は、配線回路19に対して、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよい。直列と並列を組み合わせても良い。
ここで、本願発明においては、フレキシブルフラットケーブルにLED光源を実装したものを、フレキシブル基板として定義する。
上部枠体3aは、天面部7および側面部9を有する。天面部7は略円形であり、天面部7の周縁部には、天面部7に略垂直に側面部9が形成される。すなわち、側面部9は、略円筒状の形状であり、天面部7に対向する側が開口する。ここで、天面部7と側面部9をつなぐ接続部はなめらかな曲線状に形成されても良い。
上部枠体3aの側面部9には、一つ以上の(図では複数個所に)開口部5が設けられる。開口部5は、LED光源17の発光部が露出する部位となる。開口部5は、周方向に所定の間隔で略等間隔に配置される。ここで、開口部5は、上記のように複数個所設けることも可能であるが、LED光源17の出力を高めて、LED光源17を側面部に1個所配置することもできる。
開口部5の近傍の枠体とLEDを実装したフレキシブルフラットケーブル15は接着剤や粘着剤などで接続されて、照明内部と外部とが仕切られるようにすることが好ましい。
図3は、照明装置1を示す底面図であり、図4(a)は照明装置1の断面図(図3のA−A線断面図)である。LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15は、上部枠体3aの側面部9の外面に配置される。前述した様に、フレキシブルフラットケーブル15に固定されたLED光源17の発光部が、開口部5から内面側に配置される。フレキシブルフラットケーブル15は、上部枠体3aの側面部9に接着剤により固定される。例えば、これに用いる接着剤としては、ポリエステル系接着剤を用いることができる。
図4(a)から判るように、上部枠体3aの側面部9の下端(開口側)には、外周側に向けてフランジ部8が設けられる。フランジ部8の下部には、下部枠体4aが設けられる。下部枠体4aは、略環状の部材である。下部枠体4aの外径と上部枠体3aのフランジ部8における外径はほぼ一致する。すなわち、上部枠体3aの下方に下部枠体4aを配置すると、下部枠体4aは、上部枠体3aの側面部外周より中心方向に所定の長さだけ突出する。ここで、特に図示しないが、図4に限らず、本発明の実施形態において、上部枠体の天面部7と側面部9の間の接続部および側面部9とフランジ部8の間には適度な丸みを設けたり、上部枠体の天面部7と側面部9の角度を成形時の抜き勾配などを考慮して適宜設けることができることは言うまでもない。
なお、上部枠体3aの天面部7および側面部9と、下部枠体4aの底面部11を合わせて単に枠体と称する。本発明の枠体は、LED照明装置用の枠体であり、天面部7と開口部6を有する底面部11が対向し、天面部7と底面部11とをつなぐように側面部9が設けられる。
上部枠体3aの内部であって下部枠体4aの上方には、必要に応じて光拡散板13が設けられる。下部枠体4aはキャップ23によって上部枠体3aの側面部9の下端(フランジ部8)に固定され、光拡散板13は下部枠体4a上に、下部枠体4aに接するように配置される。これにより、光拡散板13は、底面部11の開口部6を塞ぐように配置される。例えば、光拡散板13は、光透過性を有するガラスまたは樹脂製で、光拡散板13は、下部枠体4aとの接触面を接着して枠体に固定することができる。光拡散板13は、光が透過する際に、光拡散板13に入射する照明光の一部の光を照明内部に拡散させる。このため、光拡散板13を用いることで、LED光源17から照射され、枠体内で拡散反射した光を、さらに拡散させることができる。
なお、図4(b)に示す照明装置1aのように、下部枠体4aと上部枠体3aとを直接接合すれば、光拡散板13を保持するのに、キャップ23を用いなくてもよい。
この場合、光拡散板13は、上部枠体3aと下部枠体4aとを接合する前に、上部枠体3aを下部枠体4aに固定する。光拡散板13は、底面部11の開口部6のサイズよりも大きいため、光拡散板13を下部枠体に配置するか、あるいは配置し固定した後に、上部枠体3aと下部枠体4aとを接合することで照明装置1aを組み立てることができる。
また、図5に示す照明装置1dのように、下部枠体4aを、光拡散板13の上方に配置してもよい。このようにすることで、より効率よく下部枠体4aで光を反射させることができる。このため、光拡散板13からより均一な光を取り出すことができる。また、側面に配置したLED光源が見えにくくなるので、LED光源から直接光拡散反射板に入射する光を低減でき、より眩しさが少ない面発光照明装置とすることができる。
ここで、上部枠体3aおよび下部枠体4aは、マイクロ発泡樹脂シート(多数の微細機構を有する多孔質部材)から形成される。本発明で用いるマイクロ発泡樹脂シートは、中央に発泡層を有し、両面に非発泡層を有する絶縁性の樹脂シートである。ここで、発泡層とは、発泡により、気泡を生成させた層をいう。
本発明では、マイクロ発泡樹脂シートの厚さは0.4mm〜2.0mmで、非発泡層の厚さは10〜30μmである。発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの厚さから、非発泡層の厚さを引いた値になる。つまり、非発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの全体厚さが増しても、ほぼ一定値である。この理由は、非発泡層がマイクロ発泡樹脂シートの製造工程においてシートの表面から発泡用のガスが抜けることにより形成され、これにより形成される層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの表面からの距離によって決まるためである。
本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、平均気泡径が0.2μmから40μmの範囲であることが好ましい。ここで、平均気泡径が0.2μmより小さすぎると、光の透過度が高くなり反射率が低下する。平均気泡径が大きすぎると拡散反射率が低下するため、平均気泡径は0.2μmから40μm以下とする必要がある。さらに平均気泡径は0.5μmから20μmであることが好ましい。
LED照明装置用枠体に用いる前記マイクロ発泡樹脂シートは熱可塑樹脂からなり、波長450〜650nmの可視光に対する光学特性として、硫酸バリウム標準片を用いた時の光反射率が、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上を満たし、反射率の波長依存性が1%以下の範囲内にある。全反射率、拡散反射率ともに、好ましくは95%以上を満足でき、99%以上も可能である。また、前記マイクロ発泡樹脂シートを成形して形成されたLED照明装置用枠体の、波長が450〜650nmの可視光に対する光学特性も、成形前のマイクロ発泡樹脂シートと同様に、光反射特性が大きく変わることがないため、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上を満たすことができる。さらに、反射率の波長依存性は、成形品の板厚を1mm以上とすれば、2%以内とすることができる。また、真空成形でなく、型紙の折り曲げ成形の場合は、枠体の光反射率は、折り曲げ部を除いてはマイクロ発泡樹脂シートにおけるシートの状態と同様の光反射率を維持できる。
ここで、本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、絶縁性を有する基板で、その体積固有抵抗は1012Ω〜1011Ωである。この範囲であれば、本発明における絶縁性を十分確保できる。
本発明において、マイクロ発泡樹脂シートは、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂、例えばPMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)のいずれかから構成することが好ましい。上記の他、マイクロ発泡樹脂シートには、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂に難燃性を持たせた透明樹脂を使用することもできる。また、使い場所や用途により帯電防止、難燃性付与、耐紫外線のコーティングを施したり、そのような処理をされたマイクロ発泡樹脂シートを使用しても良い。
なお、本実施形態では、天面部7、側面部9、底面部11の全てが、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シートで形成されている例を示したが、天面部7、側面部9、および底面部11の内、少なくとも二つの面が光反射特性を有するマイクロ発泡樹脂シートで形成されていればよく、例えば、上部枠体3aの天面部7と側面部9の2面のみをマイクロ発泡樹脂シートで形成してもよい。もちろん、側面部9と底面部11を真空成形または凸金型と凹金型で挟み込むマッチモールド成形で加工することも可能である。
本実施形態では、上部枠体3aは、一体で構成される。すなわち、天面部7と側面部9は、一体で構成される。例えば、天面部7の外周に側面部9が形成された展開型紙を用い、側面部9を折り曲げて、側面部9と天面部7の端部同士、および、側面部9の突合せ部同士を接着することで一体化することができる。
また、天面部7と側面部9とを真空成形法により一体で成形してもよい。例えば、PET樹脂、PC樹脂、難燃PC樹脂、またはアクリル系樹脂の熱可塑性樹脂製のマイクロ発泡樹脂シートを、ヒータで加熱して軟化させ、軟化させた前記シートを成形型に吸引することで、相互に隣接する天面部7と側面部の二つの面の境界部を折り曲げた形で一体成形することができる。この時、成形材と成形型の間の圧力は、通常1kg/cm2以下の圧力にすることができる。ここで、真空成形やマッチモールド成形の加熱成形後のマイクロ発泡樹脂シートは加熱前後で、全反射率や拡散反射率等の光学特性は、ほとんど変わらずに、全反射率や拡散反射率が90%以上を満たすことができる。
以上、本実施の形態によれば、照明装置1の枠体(上部枠体3a、下部枠体4a)が、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シート製であるため、枠体の内面全体を反射板として機能させることができる。また、上部枠体3aの側面部9の外周面にLED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15が配置されるため、部品点数が少なく、構造が簡易で軽量で、面発光の照明装置を得ることができる。真空成形やマッチモールド成形を用いて枠体を成形することで、照明装置の形状が曲面形状であっても枠体を成形することが可能であり、デザイン性が高く且つ面発光の照明が実現できる。また、照明装置の形状によっては、上記の真空成形やマッチモールド成形の他に、展開型紙を用いて枠体を形成することが可能である。したがって、枠体がリジッドな反射板を装着できないような複雑な局面形状であっても、枠体のいずれの位置においても優れた反射特性を持たせることができる。
また、天面部7と側面部9が一体で形成され、反射板を設ける必要がないため、取り扱い性が良好であり、組立作業性にも優れる。
また、枠体はマイクロ発泡樹脂でできていることから、柔軟性が高く、強度は高くないものの形状回復性に優れる。また、光拡散板13やキャップ23で補強すること、さらにそれらを固定部とすることで、ハンドリングや取り付けによる応力や歪みの影響を枠体に与えないようにできる。
また、LED光源17が、上部枠体3aの外周面側に配置され、底面部11が照明装置1の中心方向に張り出しているため、LED光源17が見えにくく、LED光源が目立ちにくい。これと、光拡散板13を組み合わせることで、LED光源17が目立たない眩しくない(グレア感のない)照明を実現できる。
ここで、照明装置1のLED光源17を発光させると、LED光源17からの光は直接に照射されるのではなく、照明装置1(枠体)の内面における拡散反射を繰り返して底面部11の開口部6(光取り出し部)から照射される。このため、レンズ等を用いることなく、光を下方に均一に拡散させて、光拡散板13から外方に照射することができる。この結果、照度むらや影が生じることがなく、やわらかく落ちついた間接照明的な効果を演出することができる。
次に、別の第1の実施形態の実施態様をしめす。図6(a)の照明装置1fの上部枠体3dは、図1から図4と同様に真空成形で、LED照明装置の枠体の天面部7と側面部9とフランジ部8を一体成形したものである。図4との相違点は、照明装置1fが、図4のような円筒形の薄型の照明ではない点である。上部枠体3dは、天面部7から側面部9が徐々に拡径する略円錐台形状で、側面部9とフランジ部8との境界において、フランジ部8がフランジ状に天面部7と略平行に外方に拡径する形状に形成されている。
図6(a)では、この上部枠体3dの側面部9の一方の側から、天面部7の中心を通り、側面部9の他方の側(一方の側と対向する位置)にかけて、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を接着する。このLED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を上部枠体3dに装着した際に、LED光源17が上部枠体に形成された開口部に対応する位置に配置されるように、LED光源17がフレキシブルフラットケーブル15に事前に実装されたフレキシブル基板を使用する。
図6(b)の照明装置1gの上部枠体3eは、図6(a)の枠体とほぼ同様の形状をしており、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15は、天面部7の中心を通り、側面部9の互いに対向する部位にまたがるように配置されている。上部枠体3eは、側面部9に配置したLED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15がずれにくいように、フレキシブルフラットケーブルを配置する部分に、フレキシブルフラットケーブル15の厚さに相当する深さだけ、上部枠体3eの側面部9の円錐台の斜面に窪む凹部10が設けられる。上部枠体3eを上記のような形状とすることで、フレキシブルフラットケーブル15がずれることがない。このように、図6(b)においても、同様にLED光源17がフレキシブルフラットケーブル15に事前に実装されたフレキシブル基板を使用することができる。
図6(c)の照明装置1hの上部枠体3fは、図6(a)の枠体とほぼ同様の形状をしているが、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15が図6(b)と異なり、側面部9の中央部の円周方向に配置される。さらに、上部枠体3fには、側面部9に配置したLED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15がずれにくいように、LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を配置する位置に、フレキシブルフラットケーブル15の厚さに相当する深さだけ、側面部9の円周方向に窪む凹部10が設けられる。このように枠体に凹部を形成し、金型に凹金型を用い、アンダカット部が存在しても、凹部深さが浅いので、成形後に枠体を円周方向に押圧することで型抜きが可能である。もちろん、分割型などを用いれば型抜きは可能である。
図6(c)においても、同様にLED光源17がフレキシブルフラットケーブル15に事前に実装されたフレキシブル基板を使用することができる。
また、上記の他、LED光源17を配置する部分とその近傍のみ略矩形状の平面とすることも可能である。このように、LED光源を配置する部分をその近傍をLED光源の端子部を含むフレーム部の大きさに合わせた略矩形状の平面に形成することで、LED光源を安定させて枠体に配置することができる。
ここで、特に図示しないがフレキシブル基板を枠体の外側に付ける場合に、前記枠体とフレキシブル基板の隙間ができないように気密に接続される構造とすることが望ましい。このようにすることで、枠体の内部と外部の空間を分離できる。それにより、枠体内部へのほこりなどの微粒子の侵入を防止することができ、枠体内部の反射率の低下やLED光源の電気的不具合などの信頼性の低下を防止することができる。
以上のように、前記照明装置の枠体の側面部9には、前記LED光源17を実装したフレキシブルフラットケーブル15を沿わせて配置するか、あるいははめ込むことができるようにフレキシブルフラットケーブル15の幅に合わせた凹部10が形成される。
本発明では、LED光源1つの場合でも、光拡散板を用いれば面発光が実現できる。照度を高めたい場合は、LED光源を複数用いることで対応が可能である。
次に、第2の実施形態について説明する。図7は、照明装置1bの断面図である。なお、以下の説明において、照明装置1等と同一の機能を奏する構成については、図1〜図4と同一の符号を付し重複する説明を省力する。
照明装置1bは照明装置1とほぼ同様の構造であるが、枠体の構造が異なる。照明装置1bの枠体は、上部枠体3bおよび下部枠体4bとからなる。下部枠体4bは、底面部11と側面部9とからなる。側面部9の上端には、外周側に向けてフランジ部8が設けられる。
フランジ部8の上部には、上部枠体3bが接合される。上部枠体3bは、天面部7を構成する。上部枠体3bは、略円板状の部材である。上部枠体3bの外径と下部枠体4bのフランジ部8における外径はほぼ一致する。
下部枠体4bの側面部9の下端は、中心方向に内側に向かって所定の長さだけ突出する。すなわち、底面部11は環状に形成され、中央部に開口部6が設けられる。底面部11の開口部6のサイズよりも大きな光拡散板13は、底面部11の上部に配置される。すなわち、光拡散板13は、底面部11の開口部6を塞ぐように配置される。また、光拡散板13は、底面部11の上部に接着材で貼り付けられても良い。なお、光拡散板13を下部枠体4b内に配置した後、下部枠体4bのフランジ部8の上部に上部枠体3bが接合される。ここで、開口部6は、枠体を真空成形した後に、型抜きまたはレーザ加工などで形成すれば良い。
なお、本実施形態においても、上部枠体3bおよび下部枠体4bは、マイクロ発泡樹脂シートで形成されていることが望ましいが、例えば、下部枠体4bの側面部9と底面部11の2面のみをマイクロ発泡樹脂シートで形成してもよい。
また、下部枠体4bは、一体で構成される。すなわち、底面部11と側面部9は、一体で構成される。この場合、例えば、底面部11の外周に側面部9が形成された展開型紙を用い、側面部9を折り曲げて、側面部9と底面部11の端部同士を接着することで一体化することができる。展開型紙を用いて、枠体を形成する場合には、折り曲げ部の折り曲げ線位置に、折り曲げやすいようにマイクロ発泡樹脂シートにカッターやローラ加工等で、浅い切込みや溝を入れることが望ましい。このようにすることで、マイクロ発泡樹脂シートが折り曲げやすくなり、枠体が組み立てやすくなる。また、前述した様に、底面部11と側面部9とを真空成形法により一体で成形してもよい。展開型紙を用いて枠体を形成する場合には、折り曲げ線以外は変形を受けないことから、枠体は、成形前のマイクロ発泡樹脂の光学特性を維持できる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、照明装置を構成する枠体は、天面部7と側面部9、または、側面部9と底面部11の少なくともいずれかが一体で構成されればよい。
次に、第3の実施形態について説明する。図8は、照明装置1cの分解斜視図であり、図9は、照明装置1cの断面図である。照明装置1cは、照明装置1等とほぼ同様であるが、枠体が略矩形に形成される点で異なる。
照明装置1cの枠体は、上部枠体3cと下部枠体4cとからなる。下部枠体4cは、底面部11および4つの側面部9で構成される。長辺側の側面部9の上端と短辺側の側面部9の上端には、外側に向けてフランジ部8が形成され、フランジ部8の上部に上部枠体3cが接合される。
上部枠体3cは、略長方形の部材である。上部枠体3cは、天面部7を構成する。上部枠体3cの外形と下部枠体4cのフランジ部8における外形はほぼ一致する。底面部11の開口サイズよりも大きな光拡散板13は、底面部11の上部に配置される。すなわち、光拡散板13は、底面部11の開口部6を塞ぐように配置される。なお、光拡散板13は、必要に応じて、下部枠体4cの底面部11に接着剤や粘着剤などで貼り付けて固定することができる。光拡散板13を下部枠体4c内に配置した後、下部枠体4cのフランジ部8の上部に上部枠体3cが接合される。
下部枠体4cの長辺側の側面部9には、複数の開口部5が併設される。また、下部枠体4cの長辺側の側面部9の外周面には、フレキシブルフラットケーブル15が設けられる。したがって、照明装置1cの枠体は、長辺側の側面の内面側にLED光源17が露出する。なお、図示した例では、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15を一対用いる例を示すが、LED光源を実装したフレキシブルフラットケーブル15を側面部9の全周に巻き付けるように配置してもよい。この際、LED光源17を短辺側の側面部9に配置してもよい。
下部枠体4cの、LED光源17が配置される側面部9は、上方(天面部7側)に向けて、広がるように傾斜して形成される。すなわち、LED光源17は、やや天面部7側に向けて光を照射する。
照明装置1cでは、LED光源17から照射される光の一部が、天面部7で反射し、さらに一部の反射光が底面部11と天面部7の反射を繰り返した後、光拡散板13を介して、照明装置1cの開口部6から照射される。
光拡散板13に入射した反射光の一部は透過するが、一部は反射し照明内部にもどる。このように反射を繰り返すことで面発光の照明となる。
なお、本実施形態においても、上部枠体3cおよび下部枠体4cは、マイクロ発泡樹脂シートで形成されていることが望ましいが、例えば、下部枠体4cの側面部9と底面部11の2面のみをマイクロ発泡樹脂シートで形成してもよい。
また、下部枠体4cは、一体で構成される。すなわち、底面部11と側面部9は、一体で構成される。この場合、例えば、底面部11の外周に側面部9が形成された展開型紙を用い、側面部9を折り曲げて、側面部9と底面部11の端部同士を接着することで一体化することができる。また、前述した様に、底面部11と側面部9とを真空成形法により一体で成形してもよい。ここで、開口部6は、型抜きまたはレーザ加工により形成すれば良い。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、前述した各実施形態はそれぞれ互いに組み合わせることができることは言うまでもない。また、前述した各実施形態では、側面部9に開口部5を設けてLED光源を配置する例を示したが、天面部7に開口部5を設け、LED光源を天面部7に配置してもよい。この場合には、LEDを実装したフレキシブルフラットケーブル15を天面部7の外側(背面側)に配置すればよい。
1、1a、1b、1c、1d、1f、1g、1h………照明装置
3a、3b、3c、3d、3e、3f………上部枠体
4a、4b、4c………下部枠体
5………開口部
6………開口部
7………天面部
8………フランジ部
9………側面部
10………凹部
11………底面部
13………光拡散板
15………フレキシブルフラットケーブル
17………LED光源
19………配線回路
21………導体部材
23………キャップ