JP2018018711A - Ledバックライト及びそれを用いたled画像表示装置 - Google Patents

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直信 喜
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幸夫 谷口
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Takayuki Komai
貴之 駒井
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Abstract

【課題】LED素子から発せられる光の利用効率とバックライトの発光面全体の輝度の均一性を高い水準で両立させることができるLEDバックライトを提供することを目的とする。【解決手段】基板(基板フィルム)11上に金属配線部13が積層されているLED素子用基板1と、LED素子用基板1上に、金属配線部13によって導通可能な態様でマトリックス状に配置されている複数のLED素子2と、LED素子用基板1上で、それぞれのLED素子2の周囲に設けられた反射層15と、を備え、それぞれの前記LED素子2には光拡散型レンズ3が装着されていて、LED素子2から発せられる光の一部を透過して一部を反射する透過反射板4が、光拡散型レンズ3が装着されているLED素子2に対向離間して配置されている、LEDバックライト10とする。【選択図】図4

Description

本発明は、LEDバックライト及びそれを用いたLED画像表示装置に関する。
近年、急速に普及が進んだLED画像表示装置は、通常、液晶表示パネル等の表示画面と、この表示画面を背面側から照明するバックライトとを備えている。スマートフォンの表示画面やその他の携帯端末等、中小型のLED画像表示装置では導光板方式によるバックライトを採用するものが多いが、大画面液晶テレビ等の大型のLED画像表示装置では直下型のバックライトを用いることが増えている。
ここで、多数のLED素子がマトリックス状に設けられてなる直下型のバックライトにおいては、それを用いたLED画像表示装置において、ムラのない高品位な映像を表示するために、光源となる各LED素子から発せられる指向性を有する光をバックライトの発光面全体に均一に拡散させる必要がある。
指向性を有するLED素子からの出射光を拡散させるための手段として、出射光を拡散可能な光拡散型レンズを各LED素子毎に取付けたバックライトが開発されている(特許文献1参照)。
一方、LED素子からの出射光を拡散させるための他の手段として、複数のLED素子からなるバックライトの発光面上に、フラッタと呼ばれる板状の透過反射板を配置して、発光面の輝度の均一性向上を企図する技術も検討されている(特許文献2参照)。このフラッタの構成としては、LED直上を遮光部とし、LEDの周囲に行くに従って徐々に大きな開孔を形成する開孔パターンを形成する構成が一般的である。
特開2013−12417号公報 特開2012−174634号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光拡散型レンズを個々の発光素子に取り付けた場合に、バックライトの発光面全体における輝度の均一性を十分に高めるには、LED光源等の点光源、或いは、LED素子から発せられる光を反射して実質的に発光面としての機能を発揮する反射層等からバックライトの出光面側に別途設けられる拡散板までの光学距離(OD値)を一定以上の長さに確保することが必要で、特に表示装置全体の薄型化への対応には一定の限界がり、この点、更なる改良が求められていた。
又、特許文献2に記載のフラッタをLEDバックライトへ配置する場合、発光面の均一性を十分に向上させようとすると、LED素子直上付近でより多くの光を遮蔽する構成とせざるを得ず、輝度の均一性を得る一方で、LED光源から発せられる光の利用効率の低下を甘受せざるをえないという問題があった。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、LED素子から発せられる光の利用効率とバックライトの発光面全体の輝度の均一性を高い水準で両立させることができるLEDバックライトを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、光拡散型レンズを個々のLED素子への設置し、尚且つ、LED素子から発せられる光の一部を透過して一部を反射する透過反射板を適切に配置することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は以下のものを提供する。
(1) 基板上に金属配線部が積層されているLED素子用基板と、前記LED素子用基板上に、前記金属配線部によって導通可能な態様でマトリックス状に配置されている複数のLED素子と、前記LED素子用基板上で、それぞれの前記LED素子の周囲に設けられた反射層と、を備え、それぞれの前記LED素子には光拡散型レンズが装着されていて、前記LED素子から発せられる光の一部を透過して一部を反射する透過反射板が、前記光拡散型レンズが装着されている前記LED素子に対向離間して配置されている、LEDバックライト。
(1)の発明は、LEDバックライトにおいて、光源から発せられる光を十分に拡散させるための光学部材として、光拡散型レンズと上記の透過反射板を併用する構成とした。この構成によれば、光拡散型レンズの優位性である光利用効率の高さと、フラッタの優位性である発光面の輝度の均一性の高さと、を、バランスよく高い水準で享受することができる。具体的には、従来よりも光学距離をより短くした中でも、LED素子から発せられる光の利用効率の低下を回避しつつ、バックライトの発光面全体の輝度の均一性を十分に向上させることができる。これによれば、光学特性に優れ、尚且つ、近年のLED画像表示装置に対する薄型化の要請にも十分に対応可能なLEDバックライトを得ることができる。
(2) LED素子用基板が、可撓性を有する樹脂フィルムによって前記基板が構成されているフレキシブル配線基板である(1)に記載のLEDバックライト。
(2)の発明においては、従来、配線基板として汎用的に採用されていた硬質のリジット基板に代えて、所謂フレキシブル基板を採用することとした。これによれば、LED素子の配置密度の更なる高密度可が可能となり、上記の光学距離を更に縮小して、LED画像表示装置の薄型化を更に促進することができる。又、基板の薄型化により、基板自体の熱抵抗が小さくなるため、LED素子から発生した熱を放熱板やヒートシンクにスムーズに逃がすことができることから、放熱性に優れたLEDバックライトを得ることができる。更には、薄型であるのみならず、基板の可撓性により、様々な形状の設置面への形状追随性にも優れるLEDバックライトを得ることができる。
(3) 前記反射層が、白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化層であって、前記硬化層の厚さが20μm以上200μm以下であり、波長350nm以上1000nm以下における反射率が80%以上である(1)又は(2)に記載のLEDバックライト。
(3)の発明においては、反射層を、所定の反射率によって、スクリーン印刷法等の印刷法によって形成可能な構成とした。これによれば、透過部の配置や面積等の設計変更も容易に行うことができ、光の利用効率の最適化を行い(1)又は(2)に記載のLEDバックライトの光学特性を更に優れたものとすることができる。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載のLEDバックライトと、表示画面と、を積層してなるLED画像表示装置。
(4)によれば、(1)から(3)に記載のLEDバックライトの効果を備えるLED画像表示装置を得ることができる。
本発明によれば、LED素子から発せられる光の利用効率の低下を抑えながら、バックライトの発光面全体の輝度の均一性を十分に向上させることができるLEDバックライトを提供することができる。
本発明のLEDバックライトを用いた、本発明のLED画像表示装置の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明のLEDバックライトを透過反射板側から見た平面図である。 図2のA―A線における断面図であり、本発明のLEDバックライトの構成を示す断面図である。 図3におけるLED素子の実装領域の近傍部分を拡大して示した断面図である。 本発明のLEDバックライトに好ましく用いることができる光拡散型レンズの一例の形状を模式的に示す断面図である。 図2の一の区画領域における反射層の形成パターンを示す拡大平面図である。 図6における第1のパターンと第2のパターンの領域を示す図である。 シミュレーションに用いた比較例の反射層の形成パターンを示す拡大平面図である。
以下、最初に、本発明のLEDバックライトを用いてなるLED画像表示装置の全体構成について説明し、引き続き、本発明のLEDバックライトと、それを構成する各部材の詳細について説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されず、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<LED画像表示装置>
本発明のLEDバックライト10を用いたLED画像表示装置100は、図1に示す通り、LEDバックライト10と液晶表示パネル等の画像表示パネル5とを含んで構成される。又、LEDバックライト10は、図2及び図3に示す通り、LED素子用基板1と、LED素子2と、各LED素子2を覆う態様でこれに装着されている光拡散型レンズ3と、透過反射板4とを含んで構成される。
LEDバックライト10を構成するLED素子用基板としては、リジット基板を含めた各種の配線基板を適宜用いることができるが、中でも、可撓性を有する樹脂フィルムを基板とするフレキシブル基板を特に好ましく用いることができる。以下、本発明のLEDバックライト10を構成するLED素子用基板については、これをフレキシブル基板であるLED素子用基板1とした場合の実施形態について説明する。
尚、LED画像表示装置100においては、LEDバックライト10から放熱される熱を更に効率よく外部に放射するために、LED素子用基板1の裏面側にアルミニウム等からなる放熱構造6が更に設置されていることが好ましい。これらの各部材は、実際には、金属製等の外部フレーム(図示せず)の内部に、それぞれ適切な位置に固定配置されてLED画像表示装置100を構成する。
LEDバックライトを構成する光拡散型レンズ3は、LED素子用基板1上に、マトリックス状に配置されている複数のLED素子2それぞれに、各LED素子2の発光面を覆って被せられる態様で装着されている。
LEDバックライトを構成する透過反射板4は、LED素子用基板1の表面に形成される白色樹脂等からなる反射層15の表面から、所定の距離dだけ離間した位置で、LED素子用基板1と平行に配置されている。本発明における透過反射板4の「対向離間」とは、図1、図3に示すように、LED素子2の発光面側と対向するように配置され、且つ、上記の距離dで反射層15から離間して配置されることを意味する。距離dは好ましくは1mm以上6mm以下の範囲である。この透過反射板4は、点光源であるLED素子2から発せられる光を平面内に拡散させる機能を有するが、この構成については後に詳述する。
更に、透過反射板4と平行になるように対向し、且つ、所定の距離を離間して拡散板7が配置されている。透過反射板4を透過した光は、更に拡散板7で拡散することにより、平面視における輝度ムラの極めて少ない光に変換して、画像表示パネル5の背面側からこの光を照射することによって、文字や映像等の情報(画像)を高品位で表示することができる。尚、拡散板7以外にも、光の方向性(指向性)を揃える役割として、例えばプリズムシート等が、拡散板7と画像表示パネル5との間に適宜配置されていてもよい。
<LEDバックライト>
以下、図2〜図4に示す通り、LEDバックライト10においては、LED素子用基板1上に複数のLED素子2が所定の間隔でマトリックス状に配置されている。そしてLED素子2から所定の距離dを介した位置に、透過反射板4がLED素子用基板1と平行に配置されている。又、拡散板7は、透過反射板4の光出射面側に対向し、所定の距離を介して透過反射板4と平行に配置されている。
LED素子2は、LED素子用基板1の表面に形成された金属配線部13によって導通可能な態様で配置されている。LEDバックライト10は、このように複数のLED素子2がマトリクス状に配置されていて、そして、各LED素子2には、それぞれ上記の通り光拡散型レンズ3が装着されている。これらのLED素子2の配置密度は、0.02個/cm以上2.0個/cm以下であり、より好ましくは、0.1個/cm以上1.5個/cm以下である。
[LED素子用基板]
LED素子2を配置するLED素子用基板1は、図3に示す通り、この実施形態においては、可撓性を有する樹脂等で構成される基板フィルム11の表面に、高い熱伝導性を有する金属配線部13が形成されているフレキシブル基板である。尚、上述の通り、本発明においては、LED素子用基板1は必ずしもフレキシブル基板である必要はなく、リジッド基板であってもよい。
LED素子用基板1は、図3に示す通り、基板フィルム11及び金属配線部13上に熱硬化型インキ等からなる絶縁性保護膜14が形成されている。この絶縁性保護膜14は、LED素子用基板1の耐マイグレーション特性向上のために、金属配線部13の表面のうちLED素子2を実装するための接続部分を除く全面、及び、基板フィルム11の表面のうち金属配線部13の非形成部分の概ね全面を覆う態様で形成されている。
LED素子用基板1上には、図3に示す通り、接着剤層12を介して、基板フィルム11及び金属配線部13が形成されている。基板フィルム11及び金属配線部13上には、絶縁性保護膜14が形成されており、更に、絶縁性保護膜14上には、白色樹脂等からなる反射層15が積層されている。ここで、絶縁性保護膜14に反射機能を備えさせて、これにより、反射層を設置せずに必要な反射機能を絶縁性保護膜によって担保することもできる。この場合、絶縁性保護膜14が本発明における反射層を構成する。この場合の上記の反射層からの距離dは、絶縁性保護膜14の表面から透過反射板4までの距離である。又、拡散板7までの光学距離も、絶縁性保護膜14の表面から拡散板7までの距離である。又、反射層15を絶縁性の高い樹脂で構成することによって、絶縁性保護膜14を特に配置せず、反射層15によってLED素子用基板に必要な絶縁機能を担保することもできる。
LED素子用基板1のサイズについては、特段の限定はない。特にLED素子用基板1が基板のサイズ加工の自由度が高いフレキシブル基板である場合には、例えば、対角線の長さが32インチ以上、より好ましくは65インチ以上の大型の画像表示パネル5を備えるLED画像表示装置においても、本発明のLEDバックライト10を極めて好ましく用いることができる。
LED素子用基板1には、LED素子2が、ハンダ層16を介して、金属配線部13の上に導電可能な態様で実装されている。
(基板フィルム)
基板フィルム11は、可撓性を有する樹脂フィルムであり、公知の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。可撓性とは、曲率半径を通常直径1m、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmに曲げることが可能であることをいう。
基板フィルム11の材料として用いる熱可塑性樹脂には耐熱性及び絶縁性が高いものであることが求められる。このような樹脂として、耐熱性と加熱時の寸法安定性、機械的強度、及び耐久性に優れるポリイミド樹脂(PI)や、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることができる。中でも、アニール処理等の耐熱性向上処理を施すことによって耐熱性と寸法安定性を向上させたポリエチレンナフタレート(PEN)を好ましく用いることもできる。又、難燃性の無機フィラー等の添加によって難燃性を向上させたポリエチレンテレフタレート(PET)も基板フィルムの材料樹脂として選択することができる。
基板フィルム11を形成する熱可塑性樹脂は、熱収縮開始温度が100℃以上のもの、又は、上記のアニール処理等によって、同温度が100℃以上となるように耐熱性を向上させたものを用いることが好ましい。通常LED素子から発せられる熱により同素子周辺部は90℃程度の温度に達する場合がある。この観点から、基板フィルムを形成する熱可塑性樹脂は、上記温度以上の耐熱性を有するものであることが好ましい。
尚、本明細書における「熱収縮開始温度」とは、TMA装置に測定対象の熱可塑性樹脂からなるサンプルフィルムをセットし、荷重1gをかけて、昇温速度2℃/分で120℃まで昇温し、その時の収縮量(%表示)を測定し、このデータを出力して温度と収縮量を記録したグラフから、収縮によって、0%のベースラインから離れる温度を読みとり、その温度を熱収縮開始温度としたものである。又、本明細書における「熱硬化温度」とは、測定対象の熱硬化型樹脂を加熱した際の熱硬化反応の立ち上がり位置の温度を測定算出し、その温度を熱硬化温度としたものである。
基板フィルム11には、LEDバックライト10としての一体化時に、LED素子用基板1に必要な絶縁性を付与し得るだけの高い絶縁性を有する樹脂であることが求められる。一般的には、基板フィルム11は、その体積固有抵抗率が1014Ω・cm以上であることが好ましく、1018Ω・cm以上であることがより好ましい。
基板フィルム11の厚さは、特に限定されないが、放熱経路としてボトルネックとはならないこと、耐熱性及び絶縁性を有するものであること、及び、製造コストのバランスとの観点から、概ね10μm以上500μm以下、好ましくは、50μm以上250μm以下であることが好ましい。又、ロール・トゥ・ロール方式による製造を行う場合の生産性を良好に維持する観点からも上記厚さ範囲内であることが好ましい。
(接着剤層)
LED素子用基板1の表面への金属配線部13の形成は、接着剤層12を介したドライラミネート法によって行われることが好ましい。この接着剤層12を形成する接着剤は、公知の樹脂系接着剤を適宜用いることができる。それらの樹脂接着剤のうち、ウレタン系、ポリカーボネート系、又はエポキシ系の接着剤等を特に好ましく用いることができる。この接着剤層12は、通常、金属配線部13のエッチング処理後に基板フィルム11上に残存しているものである。
(金属配線部)
図3に示す通り、金属配線部13は、LED素子用基板1の一方の表面に金属箔等の導電性基材によって形成される配線パターンである。
金属配線部13を構成する金属の熱伝導率λは200W/(m・K)以上500W/(m・K)以下が好ましく、300W/(m・K)以上500W/(m・K)以下がより好ましい。金属配線部13を構成する金属の電気抵抗率Rは3.00×10−8Ωm以下が好ましく、2.50×10−8Ωm以下がより好ましい。ここで、熱伝導率λの測定は、例えば、京都電子工業社製の熱伝導率計QTM−500を用いることができ、電気抵抗率Rの測定は、例えば、ケースレー社製の6517B型エレクトロメータを用いることができる。これによれば、例えば、銅の場合、熱伝導率λは403W/(m・K)であり、電気抵抗率Rは1.55×10−8Ωmとなる。
例えば、金属配線部13を銅箔で形成した場合、放熱性と電気伝導性を高い水準で両立させることができる。より具体的には、LED素子からの放熱性が安定し、電気抵抗の増加を防げるので、LED間の発光バラツキが小さくなってLEDの安定した発光が可能となる。又、LED素子の寿命も延長される。更に、熱による基板等の周辺部材の劣化も防止できるので、LEDバックライトを組み込んだLED画像表示装置の製品寿命も延長できる。
金属配線部13は電解銅箔であり、基板フィルム11との積層面側の表面粗さRzが1.0以上10.0以下であることがより好ましい。ここで、RzはJISB0601で規定される十点平均粗さである。放熱性の観点から、表面粗さを上記範囲内とすることで、特に基板フィルム11との積層面側の表面積を増大でき、放熱性を更に高めることができる。又、表面凹凸によって基板フィルム11との密着性を向上できるので、これによっても放熱性を向上できる。このような表面粗さRzは、電解銅箔の粗面側(マット面側)を好適に用いることができる。
金属配線部13を形成する金属の例としては、上記の銅の他、アルミニウム、金、銀等の金属を挙げることができる。
金属配線部13の配置は、LED素子の導通可能な配置、好ましくはマトリックス状の配置で実装できる配置であれば特定の配置に限定されない。但し、LED素子用基板1においては、基板フィルム11の一方の表面の好ましくは80%以上、より好ましくは90%、最も好ましくは95%以上の範囲が、この金属配線部13によって被覆されていることが好ましい。これにより、LED素子2を高密度で配置したLEDバックライト10において発生する過剰な熱を十分に放熱することができる優れた放熱性をLEDバックライト10に備えさせることができる。
金属配線部13の厚さは、LED素子用基板1に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、一例として厚さ10μm〜50μmが挙げられる。放熱性向上の観点から、金属配線部13の厚さは、10μm以上であることが好ましい。金属層厚みが上記下限値に満たないと、基板フィルム11の熱収縮の影響が大きく、はんだリフロー処理時に処理後の反りが大きくなりやすいため、この観点からも金属配線部13の厚さは10μm以上であることが好ましい。一方、同厚さが、50μm以下であることによって、LED素子用基板の十分なフレキシブル性を維持することができ、重量増大によるハンドリング性の低下等も防止できる。
(ハンダ層)
LED素子用基板1においては、金属配線部13とLED素子2との接合については、ハンダ層16を介した接合を行う。このハンダによる接合方法の詳細は後述するが、大きく分けて、リフロー方式、或いは、レーザー方式の2方式のいずれかによって行うことができる。
(絶縁性保護膜)
絶縁性保護膜14は、熱硬化型インキによって、金属配線部13と基板フィルム11の表面上の電気的接合が必要となる一部分を除いた他の部分に、主としてLED素子用基板1の耐マイグレーション特性を向上させるために形成される。
熱硬化型インキとしては、熱硬化温度が100℃以下程度のものであれば、公知のインキを適宜好ましく用いることができる。具体的には、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシ系及びフェノール系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコーン系樹脂等、を其々ベース樹脂とする絶縁性インキを好ましく用いることができるインキの代表例として挙げることができる。又、これらのうちでも、ポリエステル系の熱硬化型の絶縁インキは、可撓性に優れる点から、LED素子用基板1の絶縁性保護膜14を形成するための材料として特に好ましい。
又、絶縁性保護膜14を形成する熱硬化型インキは、例えば、二酸化チタン等の無機白色顔料を更に含有する白色のインキであってもよい。絶縁性保護膜14を白色化することで、意匠性の向上を図ることができる。又、後述する反射層の機能を絶縁性保護膜14に付与することもできる。
尚、以上の絶縁性の熱硬化型インキによる絶縁性保護膜14の形成は、スクリーン印刷等公知の方法によって行うことができる。
(反射層)
反射層15は、主として可視光波長域の光に対する高い反射性を有する反射部材である。そして、反射層15は、LEDバックライト10の発光能力の向上を目的として、LED素子用基板1の発光面側の最表面に、LED素子実装領域を除く領域を覆って積層されている。尚、この実施形態においては、反射層15は、平面視において、LED素子2を囲い、且つ、絶縁性保護膜14の内周縁部が露出するように、絶縁性保護膜14上に積層されている。
反射層15は、LEDバックライト10において、発光能力を向上させることを目的として、LED素子用基板の発光面側の最表面に、LED素子2の実装部分を除いて積層される。LED素子の発光を反射し、所定の方向へ導くための反射面を持つ部材であれば特に限定されないが、白色ポリエステル発泡タイプの白色ポリエステル、白色ポリエチレン樹脂、銀蒸着ポリエステル等を、最終製品の用途とその要求スペック等に応じて適宜用いることができる。
[LED素子]
LED素子2は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。P型電極、N型電極を素子上面、下面に設けた構造と、素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造が提案されている。いずれの構造のLED素子2も、本発明のLEDバックライト10に用いることができるが、上記のうち素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造のLED素子を特に好ましく用いることができる。
LEDバックライト10は、上述の通り、高い放熱性を発揮することができる金属配線部13に、LED素子2を直接実装するものである。これにより、LED素子2を高密度で配置した場合においても点灯時に発生する過剰な熱を金属配線部13を通して速やかに拡散し、基板フィルム11を経由させてLEDバックライト10の外部への放熱を十分に促進させることができる。
[光拡散型レンズ]
本発明の特徴的な構成要素である光拡散型レンズ3について説明する。光拡散型レンズ3は、図4に示すように、LED素子2から出射された光の進行方向(例えば光lを光lに)制御し、光を拡散させる光拡散型のレンズであり、例えば非球面レンズである。例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)等の透明樹脂材料、又は透明なガラスにより形成することができる。例えば、特許文献1等にも開示されている従来の公知のレンズ部材も含め所望の光拡散効果を奏しうる光学部材を適宜用いることができる。尚、光拡散型レンズ3は、LED素子2からの出射光を、単により広い角度に発散させるだけでなく、正面より周辺が強い放射角度分布を持たせることが更に望ましい。又、本発明の光拡散型レンズはLED素子2からの出射光を屈折により上記態様で拡散させる狭義の拡散型のレンズのみならず、光を反射や解析や錯乱により上記態様で拡散させる所謂反射型の光学素子も含むものとする。
ここで本発明に特に好ましく用いることができる光拡散型レンズの具体例として、光拡散性に特段優れる光拡散型レンズ3Aの構造について説明する。図5に示す通り、光拡散型レンズ3Aは、LED素子2と対向する面であり、LED素子2から発せられる光が入射される光入射面31と、表側を向き、LEDバックライトにおいて透過反射板4と対向する面となり、光を出射する光出射面32を有する。このうち、光入射面31は、全体としてはLED素子用基板1の表面に並行するものの、平面視においてLED素子2と重畳する領域に、開口部からその内部に向けて漸次内径が縮小していく側面を有する釣鐘形状又は円錐形状からなる光入射側凹部311が形成されている。
光拡散型レンズ3Aの光入射面31は、光入射側凹部311の開口縁部から径方向に延在する。LED素子2から出射された光の大部分は、光入射側凹部311から光拡散型レンズ3Aの内部に入射する。例えば、このような光の一部である図5に示す光lは、光源であるLED素子2からの出射方向よりも基準光軸L0に対してより大きな角度で光lとして光出射面32に向けてレンズ内を進行し、更に、光出射面32において屈折を繰り返し、lよりも基準光軸L0に対して更に大きな角度で光出射面32から出射される(l)。
光出射面32は、LED素子2から出射され、光拡散型レンズ3の内部に入射された光を出射する際の出射方向を制御する。光出射面32は、扁平な略球面状に形成されており、これにより、上記の通り、出射光を更に広角に屈折させつつ出射させることができる。
光拡散型レンズ3としては、LED素子2から発せられた光に拡散作用を付与して出射させる光学性能を有するものであれば、従来公知の光学レンズ部材を適宜用いることができるが、以上説明した形状を有する光拡散型レンズ3Aは、特にLED素子2から発せられた指向性の強い光を極めて広く、且つ、均一に拡散させることができるため、本発明のLEDバックライトに極めて好適に用いることができる。
[透過反射板]
次に、本発明のもう一つの特徴的な構成要素である透過反射板について説明する。図2に示すように、透過反射板4は、平面視において複数に分割された区画領域41を備え、それぞれの区画領域41は、光を反射する反射部42と、光を透過する透過部43とからなる。透過反射板4に入射される光の強度の分布は、LED素子2の配光特性以外に、光源モジュールの形状、寸法、取り付け位置等(例えば、LED素子2が並べられるピッチ、反射シート30と透過反射板4との間隔等)にも依存する。そのため、透過反射板4のうちの光の入射量が多い部分には、光の透過量が少なくなるように開口52が形成されている。その一方、透過反射板4のうちの光の入射量が少ない部分には、光の透過量が多くなるように透過部43を形成する。
このような透過反射板は、例えば、発泡PET等反射性を有する板状の部材に、プレス打ち抜き加工、或いは、彫刻刃による抜き加工等により任意の形状の複数の貫通孔を所定のパターンに沿って互いに連結しないように分散配置して設けることによって製造することができる。この場合これらの複数の貫通孔が、光を透過させる透過部となり、貫通孔以外の部分が、光を反射させる反射部となる。プレス打ち抜き加工は、ランニングコストや生産性に優れるため、大量生産する場合に有効な製造方法である。
又、透過反射板は、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)製の透明フィルム等、透明性を有する樹脂フィルムの表面に、所定のパターンで反射性を有するインキを含有する樹脂層を印刷することによっても製造することができる。以下、本発明のLEDバックライト10を構成する透過反射板については、上記印刷方法により製造可能な透過反射板4とした場合の実施形態について説明する。
透過反射板4は、樹脂フィルム40と、樹脂フィルム40の少なくとも一方の面上の一部に積層された反射層44とで構成される。そして、透過反射板4は反射層15と距離dで離間された状態で対向配置される。反射層44は、樹脂フィルム40のLED素子2側の面に形成されているが(図3における下方側の面である)、これに限らず、LED素子2側と反対の面に形成されていてもよく、樹脂フィルム40の両面に形成されていてもよい。又、透過部43とは、樹脂フィルム40のいずれの表面にも反射層44(反射部42)が形成されてない領域であって、図3に示す断面視において、樹脂フィルム40の両面が露出している領域を意味する。
反射層44の構成としては、酸化チタン等の白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化層であって、前記硬化層の厚さが20μm以上200μm以下である。又、波長350以上1000nm以下で少なくとも80%以上の反射率である層が好ましく用いられる。この反射率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所UV2450)に積分球付属装置(例えば、(株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%とした相対反射率を測定した値とする。
熱硬化性樹脂組成物の具体例としては、従来公知のウレタン樹脂とイソシアネート化合物との組み合わせ、エポキシ樹脂とポリアミンや酸無水物との組み合わせ、シリコーン樹脂と架橋剤との組み合わせのような、主剤と硬化剤とを含む2成分型の熱硬化性樹脂や、更に、アミン、イミダゾール、リン系等の硬化促進剤を含有する3成分型の熱硬化性樹脂を用いることができる。具体的には、特開2014−129549に記載されているシリコーン系の熱硬化性樹脂を用いた反射層を例示することができる。反射層44は、例えば、スクリーン印刷等の印刷法を用いて形成することができる。尚、上記の厚さや反射率は、反射層が樹脂フィルムの両面に形成されている場合には両面の厚さの合計厚さであり、両面に反射層を形成した場合の反射率である。
尚、反射層44の構成としては、上記の絶縁性保護膜14と同様の構成を用いることもできる。この場合、酸化チタン等の白色顔料は反射層中に10質量%以上85質量%以下含有することが好ましい。
(透過反射板の平面視の構成)
以下、透過反射板4の平面視の構成につき、特に好ましい実施形態の一例について説明する。本発明のLEDバックライト10は、このような透過反射板4を有するものに限定されることはないが、印刷法により製造可能な透過反射板4の採用により、LEDバックライト10を、より優れた光学特性を有するもとのすることができる。
図2に示すように、透過反射板4が反射層15の平面と距離dで重なった状態において、それぞれのLED素子2に対応して、仮想の区画領域41が形成される。この実施形態においては、LED素子(縦4個×横6個=24個)に対応して、縦4×横6=24の区画領域41が形成されている。図2においては点線で境界線が記載されているが、実際には境界線が形成されていることはなく、境界線は仮想線であり、区画領域41も仮想の領域である。そして、それぞれの区画領域41には反射層44で形成される反射部42と、反射層44(反射部42)が形成されていない透過部43とが所定のパターンで形成されており、このパターン24回が繰り返されている。尚、本発明においては、それぞれの区画領域におけるパターンは必ずしも同じである必要はなく、区画領域によって異なるパターンであってもよい。
図6は、透過反射板4の一の区画領域41を拡大した平面図である。図中の中央部の背面にLED素子2が位置する。図6においては、白色が透過部43であって、灰色が反射部42(反射層44)を構成しており、それぞれの透過部43又は反射部がマス目状に構成されている例である。そして、区画領域41の全体として見た場合に、中央部は反射部42のみで構成されており、そこから外周に至るにつれて、透過部43の割合が大きくなるように構成されている。
図7は、図6において、区画領域41の中心部を含む中央領域45と、中央領域45の外周縁に沿って周状に形成された境界領域46と、境界領域46の外周縁から区画領域41の外縁に亘って周状に形成された外側領域47とに区分した図であって、中央領域45と境界領域46との境界線を第1パターン境界45a、境界領域46と外側領域47との境界線を第2パターン境界47aとで示している。ここで、第1パターン境界45a、第2パターン境界47aは仮想の境界線であり、下記で定義される中央領域45、境界領域46、外側領域47によって結果として区分される。尚、本発明においては、少なくとも中央領域45と外側領域47とを含むように構成され、境界領域46は必須ではない。則ち、本発明において、「中央領域を囲む外側領域」とは、図7に示すように、中央領域45と外側領域47との間に境界領域46を含む態様、則ち、中央領域45と外側領域47とが離間している態様であってもよく、中央領域45の外側を直接に外側領域47で囲む態様であってもよい。
中央領域45には、反射部42で囲まれる領域内に独立閉領域の透過部43が形成されて第1パターン45を構成している。第1パターン45においては、反射部42で構成されるマトリックス(海)中に、透過部43の島部が形成されている海島状態を形成している。又、このとき、面積比において主として反射部>透過部となっている。この面積比は、具体的には、図7において、第1パターン境界45a内の領域で計算した、反射部の面積と透過部の面積との比である。つまり、中央領域45とは、区画領域41の中心部を含み、第1パターン45を備え、面積比において主として反射部>透過部である領域を意味する。
この結果、中央領域においては、島部となる透過部43の数と大きさを調整することで、遮光性の段階的な制御が容易となり、中央領域においては遮光性が向上し、且つ、均一性も維持できる。
一方、外側領域47は逆の構成となっており、透過部43で囲まれる領域内に独立閉領域の反射部42(反射層44)が形成されて第2パターン47を構成している。つまり、第2パターン47においては、透過部43で構成されるマトリックス(海)中に、反射部42の島部が形成されている海島状態を形成している。又、このとき、面積比において主として透過部>反射部となっている。この面積比は、具体的には、図7において、区画領域41の外周縁から第2パターン境界47aまでの領域内で計算した、反射部の面積と透過部の面積との比である。つまり、外側領域47とは、第2パターン47を備え、区画領域41の外周縁を含み、面積比において主として透過部>反射部である領域を意味する。尚、本発明においては、外側領域が透過部43のみで形成されており、反射部が存在しない場合も含まれる。外側領域における透過部43の面積割合は、50%以上100%以下であることが好ましく、60%以上100%以下であることがより好ましく、70%以上100%以下であることが特に好ましい。
この結果、外側領域においては、島部となる反射部の数と大きさを調整することで、透過性の段階的な制御が容易となり、外側領域においては透過性が向上し、且つ、均一性も維持できる。
そして、本発明においては、上記のように、中央領域における第1パターンと、外側領域における第2パターンを組み合わせることを特徴としている。図6に示すような上記の特許文献1の印刷パターンの構成においては、上記の第1パターンのみ、則ち、反射部42Aで囲まれる領域内に独立閉領域の透過部43Aが形成される5を構成のみで構成されているので、中央領域での遮光性には優れるものの、外側領域において透過部の面積割合を大きくしていくと、均一性が得られない。この点、本発明においては、中央領域と外側領域とで、反射部と透過部のネガボジを反転させることによって、外側領域においても透過光の均一性が得られる。
又、本発明によれば、外側領域における透過光量を増加させて、結果として光を有効利用することができる。つまり、外側領域では反射部42を島状に形成するので、理論的には透過部の面積割合を100%にすることができる。このことは、従来の打ち抜き開孔方式の透過反射板ではなし得ない構成であり、本発明の構成によって初めて達成可能となる。
尚、上記のように、本発明においては、中央領域45と外側領域47の間に境界領域46が形成されていてもよい。この場合、境界領域46においては、面積比において、主として透過部=反射部となる。この面積比は、具体的には、図7において、第1パターン境界45aから第2パターン境界47aまでの領域内で計算した、反射部の面積と透過部の面積との比である。
又、上記の図6や図7に示す実施形態においては、独立閉領域を構成する透過部43や反射部42のそれぞれの形状は四角形状であるが、これに限らず、図8に示すような円や楕円形状であっても本発明の範囲内である。
又、本発明における、上記の透過部と反射部との面積比率が「主として反射部>透過部」「主として透過部>反射部」「主として透過部=反射部」とは、一の区画領域を1cm×1cmのマス目状に区切った際に、それぞれのマス目における透過部と反射部との面積比率を計算し、区画領域の中央部から外周縁に向かって連続するマス目領域であって、面積比率が反射部>透過部となる連続領域が「主として反射部>透過部」であり、区画領域の外周縁から中央部に向かって連続するマス目領域であって、面積比率が透過部>反射部となる連続領域が「主として透過反射部>透過部」であり、いずれにも該当しない領域が「主として透過部=反射部」である。
[拡散板]
拡散板7は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等からなる半透明の樹脂フィルム上に光拡散機能を発揮するために、例えば、微小でランダムなレンズアレイ等が全面に形成されている光学フィルムである。これを、反射層15との間に所定の光学距離(OD)をおいた位置に配置することにより、多数の点光源であるLED素子2から出射された光を拡散させて輝度ムラの少ない面状光に変換することができる。尚、本発明においては、反射層15と拡散板7との光学距離は、好ましくは2mm以上10mm以下の範囲である。
<シミュレーションによる効果の検証>
[透過反射板の効果]
概ね図6のパターンに沿ったものであり、透過部の配置が異なる2種類の透過反射板(それぞれフラッタ1、フラッタ2と言う)について、光利用効率と面内均一性の関係について検証した。フラッタ(透過反射板)2については、フラッタ(透過反射板)1と比較して、個々の透過部の位置と形状はそのままに維持し、フラッタ1よりも中央領域における開口が大きくなるように透過部を形成する開口の配置を変更した。
そして、上記いずれのフラッタについても、樹脂フィルム(PETフィルム厚さ0.7mm(屈折率1.57))のLED素子側面に、厚さ60μmの白色顔料としての酸化チタン50質量%含有したシリコーン系の熱硬化性樹脂組成物を硬化させて、上記のような透過部が形成されることとなるように反射層を形成した。ただし、シミュレーションにおいては反射層の厚さは無視している。
(光学シミュレーション1)
上記のフラッタ1及びフラッタ2をそれぞれ用いて、図3に示す構成(但し、このシミュレーション1においては、LED素子への光拡散型レンズは未設置とした)で光学シミュレーションを行った。反射層15の表面から透過反射板4までの距離は2.5mm、反射層15の表面から拡散板7までの距離は4mmとした。区画領域の大きさは24.4mm×22.0mmである。LEDは、0.8mmW(横)×0.8mmD(縦)×0.4mmH(高さ)、発光量100lmである。シミュレーションは、シノプシス社製の「Light Tools」を用いた光線追跡シミュレーションを実施した。
(結果)
シミュレーション1によって、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を評価した。尚、効率及びユニフォーミティは下記で定義される。ここで放射光量とは、拡散板7の一つの区画領域からの放射光量(単位はルーメン)を意味する。又、最大(最小)放射光量とは、拡散板7からの単位面積あたりの放射光量(単位はルクス)の分布の中での最大値(最小値)を意味する。
効率=放射光量/LED出射光量
ユニフォーミティ=(最大放射光量−最小放射光量)/(最大放射光量+最小放射光量)
効率については、フラッタ1を用いた例が33.1%であり、フラッタ2を用いた例では、36.0%と、効率の有意な向上が確認された。しかしながら一方で、ユニフォーミティについてはフラッタ1を用いた例が0.18であり、フラッタ2を用いた例が0.26と面内の光の均一性については明らかに悪化していることが確認された。このシミュレーション結果より、フラッタの配置のみでは、効率とユニフォーミティの高い水準で両立させることが困難であることが分かる。
[光拡散型レンズの効果]
(光学シミュレーション2)
上記のフラッタを用いた光学シミュレーションにおいて、上記構成からフラッタを除去して、LED素子に光拡散型レンズを装着した構成とした他は同条件でシミュレーション2を行った。光拡散型レンズについては、図5に記載の形状の光拡散型レンズ3Aを用いた。このレンズは直径5.15mm、厚さ1.6mm、光入射側凹部の直径が1.24mmである。
(結果)
効率については、62%と高い効率となったが、ユニフォーミティについては、0.61とフラッタを用いた上記いずれの例として比較しても著しい悪化が認められ、光拡散型レンズの配置のみでの、ユニフォーミティの向上が困難であることが確認された。
[本発明の効果]
(光学シミュレーション3)
更に光学シミュレーション3により、本発明の特段の効果を検証した。透過反射板として上記のフラッタ2を配置し、LED素子には上記の光拡散型レンズ3Aを装着した構成を実施例の構成とし、他は上記と同一条件でシミュレーションを実施した。そして、上記のフラッタ2のみを配置した例を比較例1、レンズのみを配置した例を比較例2として、結果を比較検討した。各例の測定結果と評価を表1に記す。尚、参考例としてフラッタ1のみを配置した場合の結果も合せて表1に記した。
表1より、透過反射板(フラッタ)の設計変更のみで効率を向上させようとすると(参考例→比較例1)ユニフォーミティが低下してしまうが、光拡散型レンズと透過反射板(フラッタ)を併用すること(実施例1)により、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を高い水準で両立させたLEDバックライトとすることができることが分かる。
1 LED素子用基板
10 LEDバックライト
11 基板フィルム(基板)
12 接着剤層
13 金属配線部
14 絶縁性保護膜
15 反射層
16 ハンダ層
2 LED素子
3、3A 光拡散型レンズ
31 光入射面
311 光入射側凹部
32 光出射面
4 透過反射板
40 樹脂フィルム
41 区画領域
42 反射部(反射層44)
43 透過部
44 反射層(反射部42)
45 第1パターン(中央領域)
45a 第1パターン境界
46 境界領域
47 拡散板第2パターン(外側領域)
47a 第2パターン境界
5 画像表示パネル
6 放熱構造
7 拡散板
100 LED画像表示装置
一方、LED素子からの出射光を拡散させるための他の手段として、複数のLED素子からなるバックライトの発光面上に板状の透過反射板を配置して、発光面の輝度の均一性向上を企図する技術も検討されている(特許文献2参照)。この透過反射板の構成としては、LED直上を遮光部とし、LEDの周囲に行くに従って徐々に大きな開孔を形成する開孔パターンを形成する構成が一般的である。
又、特許文献2に記載の透過反射板をLEDバックライトへ配置する場合、発光面の均一性を十分に向上させようとすると、LED素子直上付近でより多くの光を遮蔽する構成とせざるを得ず、輝度の均一性を得る一方で、LED光源から発せられる光の利用効率の低下を甘受せざるをえないという問題があった。
(1)の発明は、LEDバックライトにおいて、光源から発せられる光を十分に拡散させるための光学部材として、光拡散型レンズと上記の透過反射板を併用する構成とした。この構成によれば、光拡散型レンズの優位性である光利用効率の高さと、透過反射板の優位性である発光面の輝度の均一性の高さと、を、バランスよく高い水準で享受することができる。具体的には、従来よりも光学距離をより短くした中でも、LED素子から発せられる光の利用効率の低下を回避しつつ、バックライトの発光面全体の輝度の均一性を十分に向上させることができる。これによれば、光学特性に優れ、尚且つ、近年のLED画像表示装置に対する薄型化の要請にも十分に対応可能なLEDバックライトを得ることができる。
<シミュレーションによる効果の検証>
[透過反射板の効果]
概ね図6のパターンに沿ったものであり、透過部の配置が異なる2種類の透過反射板(それぞれ透過反射板1、透過反射板2と言う)について、光利用効率と面内均一性の関係について検証した透過反射2については透過反射1と比較して、個々の透過部の位置と形状はそのままに維持し、透過反射板1よりも中央領域における開口が大きくなるように透過部を形成する開口の配置を変更した。
そして、上記いずれの透過反射板についても、樹脂フィルム(PETフィルム厚さ0.7mm(屈折率1.57))のLED素子側面に、厚さ60μmの白色顔料としての酸化チタン50質量%含有したシリコーン系の熱硬化性樹脂組成物を硬化させて、上記のような透過部が形成されることとなるように反射層を形成した。ただし、シミュレーションにおいては反射層の厚さは無視している。
(光学シミュレーション1)
上記の透過反射板1及び透過反射板2をそれぞれ用いて、図3に示す構成(但し、このシミュレーション1においては、LED素子への光拡散型レンズは未設置とした)で光学シミュレーションを行った。反射層15の表面から透過反射板4までの距離は2.5mm、反射層15の表面から拡散板7までの距離は4mmとした。区画領域の大きさは24.4mm×22.0mmである。LEDは、0.8mmW(横)×0.8mmD(縦)×0.4mmH(高さ)、発光量100lmである。シミュレーションは、シノプシス社製の「Light Tools」を用いた光線追跡シミュレーションを実施した。
(結果)
シミュレーション1によって、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を評価した。尚、効率及びユニフォーミティは下記で定義される。ここで放射光量とは、拡散板7の一つの区画領域からの放射光量(単位はルーメン)を意味する。又、最大(最小)放射光量とは、拡散板7からの単位面積あたりの放射光量(単位はルクス)の分布の中での最大値(最小値)を意味する。
効率=放射光量/LED出射光量
ユニフォーミティ=(最大放射光量−最小放射光量)/(最大放射光量+最小放射光量)
効率については、透過反射板1を用いた例が33.1%であり、透過反射板2を用いた例では、36.0%と、効率の有意な向上が確認された。しかしながら一方で、ユニフォーミティについては透過反射板1を用いた例が0.18であり、透過反射板2を用いた例が0.26と面内の光の均一性については明らかに悪化していることが確認された。このシミュレーション結果より、透過反射板の配置のみでは、効率とユニフォーミティの高い水準で両立させることが困難であることが分かる。
[光拡散型レンズの効果]
(光学シミュレーション2)
上記の透過反射板を用いた光学シミュレーションにおいて、上記構成から透過反射板を除去して、LED素子に光拡散型レンズを装着した構成とした他は同条件でシミュレーション2を行った。光拡散型レンズについては、図5に記載の形状の光拡散型レンズ3Aを用いた。このレンズは直径5.15mm、厚さ1.6mm、光入射側凹部の直径が1.24mmである。
(結果)
効率については、62%と高い効率となったが、ユニフォーミティについては、0.61と透過反射板を用いた上記いずれの例として比較しても著しい悪化が認められ、光拡散型レンズの配置のみでの、ユニフォーミティの向上が困難であることが確認された。
[本発明の効果]
(光学シミュレーション3)
更に光学シミュレーション3により、本発明の特段の効果を検証した。透過反射板として上記の透過反射板2を配置し、LED素子には上記の光拡散型レンズ3Aを装着した構成を実施例の構成とし、他は上記と同一条件でシミュレーションを実施した。そして、上記の透過反射板2のみを配置した例を比較例1、レンズのみを配置した例を比較例2として、結果を比較検討した。各例の測定結果と評価を表1に記す。尚、参考例として透過反射板1のみを配置した場合の結果も合せて表1に記した。
表1より、透過反射の設計変更のみで効率を向上させようとすると(参考例→比較例1)ユニフォーミティが低下してしまうが、光拡散型レンズと透過反射を併用すること(実施例1)により、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を高い水準で両立させたLEDバックライトとすることができることが分かる。

Claims (4)

  1. 基板上に金属配線部が積層されているLED素子用基板と、
    前記LED素子用基板上に、前記金属配線部によって導通可能な態様でマトリックス状に配置されている複数のLED素子と、
    前記LED素子用基板上で、それぞれの前記LED素子の周囲に設けられた反射層と、を備え、
    それぞれの前記LED素子には光拡散型レンズが装着されていて、
    前記LED素子から発せられる光の一部を透過して一部を反射する透過反射板が、前記光拡散型レンズが装着されている前記LED素子に対向離間して配置されている、LEDバックライト。
  2. LED素子用基板が、可撓性を有する樹脂フィルムによって前記基板が構成されているフレキシブル配線基板である請求項1に記載のLEDバックライト。
  3. 前記反射層が、白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化層であって、前記硬化層の厚さが20μm以上200μm以下であり、波長350nm以上1000nm以下における反射率が80%以上である請求項1又は2に記載のLEDバックライト。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のLEDバックライトと、表示画面と、を積層してなるLED画像表示装置。
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WO2023146004A1 (ko) * 2022-01-28 2023-08-03 엘지전자 주식회사 반도체 발광 소자를 이용한 면광원 장치

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