JP2018067442A - 直下型ledバックライト用の透過反射板 - Google Patents
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Abstract
【課題】LEDバックライトの発光面全体の輝度の均一性に優れ、尚且つ、放熱性能にも優れる直下型LEDバックライト用の透過反射板を提供することを目的とする。【解決手段】区画領域31内の中心部を含む内側領域34には、透光性支持基板30を貫通する貫通孔からなる第2透過部332が形成されていて、区画領域31内の外縁を含む外側領域35においては、透光性支持基板30の一部であってそのいずれの表面にも反射部32が存在しないことによって透光性支持基板30が露出している部分からなる第1透過部331が形成されている、透過反射板3とする。【選択図】図4
Description
本発明は、直下型LEDバックライト用の透過反射板に関する。
近年、急速に普及が進んだLED画像表示装置は、通常、液晶表示パネル等の表示画面と、この表示画面を背面側から照明するバックライトとを備えている。スマートフォンの表示画面やその他の携帯端末等、中小型のLED画像表示装置では導光板方式によるバックライトを採用するものが多いが、大画面液晶テレビ等の大型のLED画像表示装置では直下型のバックライトを用いることが増えている。
ここで、多数のLED素子がマトリックス状に設けられてなる直下型のバックライトにおいては、それを用いたLED画像表示装置において、ムラのない高品位な映像を表示するために、光源となる各LED素子から発せられる指向性を有する光をバックライトの発光面全体に均一に拡散させる必要がある。
指向性を有するLED素子からの出射光を拡散させるための手段として、複数のLED素子からなるバックライトの発光面上に、一般にフラッタと称される板状の透過反射板を配置して、発光面の輝度の均一性向上を企図する技術が開発されている(特許文献1参照)。この透過反射板は、通常、LED素子の直上に配置されることが想定される部分を遮光部とし、当該部分から離れるに連れて徐々に透過部の割合が増加するパターンで遮光部と透過部とが形成されている。
一方、直下型のバックライトにおいては、多数のLED素子を基板上に配置することが必要なため、LED素子からの発熱量の増加は、LED素子の発光能力の低下や、それによる消費電力の増加につながる。又、放熱によって基板等の周辺部材を膨張させ、更にはON/OFFを繰り返すことで反りや亀裂等の劣化させる要因にもなる。このため、直下型のバックライトにおいては、放熱性の向上が強く求められる。この放熱性向上の要求は、近年大型化の進む液晶テレビ等のディスプレー等において特に喫緊の課題となっている。
ここで、透過反射板の構成としては、大別して、二つの構成、即ち、反射板に開口することにより透過部を形成した構成と、透光性を有する樹脂基材上に反射材をパターン印刷して反射層を形成することで透過部と遮光部とを形成する構成とが知られている(特許文献1参照)。以下、本明細書においては、前者の開口により透過部を形成したタイプの透過反射板のことを、「開口タイプの透過反射板」と言い、後者の印刷パターンによって反射層が形成されているタイプの透過反射板のことを、「印刷パターンニングタイプの透過反射板」と言うものとする。
開口タイプの透過反射板は、例えば、発泡PET等反射性を有する板状の部材に、プレス打ち抜き加工、或いは、彫刻刃による抜き加工等により任意の形状の複数の貫通孔を所定のパターンに沿って互いに連結しないように分散配置して設けることによって製造することができる。しかしながら、このタイプのフラッタにおいては、LED直上に近い開口径の小さい部分における加工精度の限界から、透過率が設計された想定よりも大きくなってしまう場合が多くあり、発光面の輝度の均一性向上について更なる改善が求められていた。
これに対して印刷パターンニングタイプのフラッタは、開口タイプのフラッタと比較して、輝度の均一性の最適化のために、透過部の配置や面積等の設計変更や微調整を容易に行うことができる。しかしながら、この印刷パターンニングタイプのフラッタは、開口タイプのフラッタと異なり、樹脂基材に放熱経路となる貫通孔部分が存在しないため、高熱を発するLED素子からの熱がその内側に籠りやすく、LEDバックライト全体としての放熱性に劣ることが問題とされていた。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、LEDバックライトの発光面全体の輝度の均一性に優れ、尚且つ、放熱性能にも優れる直下型LEDバックライト用の透過反射板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、印刷パターンニングタイプの反射透過板について、その透過部のうち、各区画領域の中心部分、即ち、LED素子の直上に配置されることが想定される部分に形成される透過部を、透光性支持基板を貫通する貫通孔により形成することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は以下のものを提供する。
(1) 透光性支持基板の表面の一部に反射部が形成されていて、該表面の他の一部であって反射部が形成されていない部分が透過部となっている、直下型LEDバックライト用の透過反射板であって、前記透過反射板は、平面視において複数に分割された区画領域を備え、前記区画領域内の中心部を含む内側領域には、前記透光性支持基板を貫通する貫通孔からなる第2透過部が形成されていて、前記区画領域内の外縁を含む外側領域においては、前記透光性支持基板の一部であってそのいずれの表面にも前記反射部が存在しないことによって前記透光性支持基板が露出している部分からなる第1透過部が形成されている、透過反射板。
(1)の発明においては、直下型LEDバックライト用の透過反射板であって、設計自由度に優れる印刷パターンニングタイプの透過反射板について、所定の一部領域、即ち、対応するLED素子毎に複数に分割された区画領域内の中心部近傍の透過部、即ちLED素子の直上に配置されることが想定される透過部を、透光性支持基板を貫通して形成される貫通孔とした。このような、謂わば、印刷パターンニングタイプと開口タイプのハイブリッドタイプの透過反射板とすることにより、両者の長所を並立させて、直下型LEDバックライトの光利用効率と発光面の輝度の均一性とを、従来品よりも更にバランスよく高い水準に向上させることができる。
(2) それぞれの前記区画領域において、前記透過部の面積割合である開口率が該区画領域の中心部から外縁に向かう方向に沿って漸増しており、開口径が0.2mm以下の前記透過部が全て前記第2透過部である(1)に記載の透過反射板。
(2)の発明によれば、開口径が小さいことにより、透過反射板全体の光学特性に与える影響が比較的小さい透過部であり、且つ、発熱原であるLED素子からの距離が近い透過部のみを貫通孔からなる透過部とする構成とした。これによれば、印刷パターンニングタイプの反射透過板の優れた輝度の均一性を損なうことなく放熱性を向上させることができる。
(3) 前記反射部が、白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化層であって、前記硬化層の厚さが20μm以上200μm以下であり、波長420nm以上780nm以下における反射率が80%以上である(1)又は(2)に記載の透過反射板。
(3)の発明によれば、スクリーン印刷法等の印刷法によって反射部を形成する印刷パターンニングタイプの反射透過板おいても、十分に高い反射率が得られるので、光の利用効率を十分に高めることができる。
(4) 基板上に金属配線部が積層されているLED素子用基板と、前記LED素子用基板上に、前記金属配線部によって導通可能な態様でマトリックス状に設けられた複数のLED素子と、を備え、前記複数のLED素子に対向離間して、(1)から(3)のいずれかに記載の透過反射板が設けられている、直下型のLEDバックライト。
(4)の発明によれば、(1)から(3)のいずれかに記載の透過反射板の効果を備えるLEDバックライトを得ることができる。
(5) 前記LED素子用基板が、可撓性を有する樹脂フィルムによって前記基板が構成されているフレキシブル配線基板である(4)に記載のLEDバックライト。
(5)の発明によれば、従来、LED素子用の配線基板として汎用的に採用されていた硬質のリジット基板に代えて、所謂フレキシブル基板を採用したことにより、LED素子の配置密度の更なる高密度可が可能となり、実質的にLEDバックライトの薄型化の限度を規定する大きな要因となっている光学距離(OD値)を更に縮小して、LED画像表示装置の薄型化に寄与することもできる。
(6) (4)又は(5)に記載のLEDバックライトと、画像表示パネルと、を備えるLED画像表示装置。
(6)の発明によれば、(4)又は(5)に記載のLEDバックライトの効果を備えるLED画像表示装置を得ることができる。
本発明によれば、LEDバックライトの発光面全体の輝度の均一性に優れ、尚且つ、放熱性能にも優れる直下型LEDバックライト用の透過反射板を提供することができる。
以下、最初に、本発明の反射透過板を用いてなるLEDバックライト及び当該LEDバックライトを用いてなるLED画像表示装置の全体構成について説明する。その後、本発明の反射透過板の詳細について説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されず、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<LED画像表示装置>
図1に示す通り、LED画像表示装置100は、LEDバックライト10と液晶表示パネル等の画像表示パネル4とを含んで構成される。又、LEDバックライト10は、LED素子用基板1と、LED素子2と、透過反射板3とを含んで構成される。又、図3に示す通り、LED素子用基板1の発光面側の最表面には、LEDバックライト10の発光能力の向上を目的として、LED素子実装領域を除く領域を覆って反射層15が積層されている。
図1に示す通り、LED画像表示装置100は、LEDバックライト10と液晶表示パネル等の画像表示パネル4とを含んで構成される。又、LEDバックライト10は、LED素子用基板1と、LED素子2と、透過反射板3とを含んで構成される。又、図3に示す通り、LED素子用基板1の発光面側の最表面には、LEDバックライト10の発光能力の向上を目的として、LED素子実装領域を除く領域を覆って反射層15が積層されている。
LED画像表示装置100においては、LEDバックライト10から放熱される熱を更に効率よく外部に放射するために、LED素子用基板1の裏面側にアルミニウム等からなる放熱構造5が更に設置されていることが好ましい。これらの各部材は、実際には、金属製等の外部フレーム(図示せず)の内部に、それぞれ適切な位置に固定配置されてLED画像表示装置を構成する。
LED画像表示装置100においては、通常、更に、透過反射板3と平行になるように対向し、且つ、所定の距離を離間して拡散板6が配置されている。透過反射板3を透過した光は、更に拡散板6で拡散することにより、平面視における輝度ムラの極めて少ない光に変換して、画像表示パネル4の背面側からこの光を照射することによって、文字や映像等の情報(画像)を高品位で表示することができる。尚、拡散板6以外にも、光の方向性(指向性)を揃える役割として、例えばプリズムシート等が、拡散板6と画像表示パネル4との間に適宜配置されていてもよい。
<LEDバックライト>
図2に示す通り、LEDバックライト10においては、LED素子用基板1上に複数のLED素子2が、LED素子用基板1の表面に形成された金属配線部13によって導通可能な態様でマトリクス状に配置されている。LED素子2の配置密度は、0.02個/cm2以上2.0個/cm2以下であることが好ましく、0.1個/cm2以上1.5個/cm2以下であることがより好ましい。
図2に示す通り、LEDバックライト10においては、LED素子用基板1上に複数のLED素子2が、LED素子用基板1の表面に形成された金属配線部13によって導通可能な態様でマトリクス状に配置されている。LED素子2の配置密度は、0.02個/cm2以上2.0個/cm2以下であることが好ましく、0.1個/cm2以上1.5個/cm2以下であることがより好ましい。
LEDバックライト10において、透過反射板3は、反射層15の表面から所定の距離dだけ離間した位置で、LED素子用基板1と平行になるように配置されている。本発明における透過反射板3の「対向離間」とは、図1及び図3に示すように、LED素子2の出射光出射面側と対向するように配置され、且つ、上記の距離dで反射層15から離間して配置されることを意味する。距離dは好ましくは1mm以上6mm以下の範囲である。
又、LEDバックライト10においては、LED素子2から所定の距離dを介した位置に、拡散板6が、透過反射板3の光出射面側に対向し、所定の距離を介して透過反射板3と平行に配置されている。
[LED素子用基板]
LED素子用基板1は、基板フィルム11の表面に、複数のLED素子2を導通可能に金属配線部13が形成されてなる配線基板である。LEDバックライト10を構成するLED素子用基板としては、リジット基板を含めた各種の配線基板を適宜用いることができる。但し、可撓性を有する樹脂フィルムを基板とするフレキシブル基板を特に好ましく用いることができる。以下、本発明のLEDバックライト10を構成するLED素子用基板1については、これをフレキシブル基板とした場合の実施形態について説明する。
LED素子用基板1は、基板フィルム11の表面に、複数のLED素子2を導通可能に金属配線部13が形成されてなる配線基板である。LEDバックライト10を構成するLED素子用基板としては、リジット基板を含めた各種の配線基板を適宜用いることができる。但し、可撓性を有する樹脂フィルムを基板とするフレキシブル基板を特に好ましく用いることができる。以下、本発明のLEDバックライト10を構成するLED素子用基板1については、これをフレキシブル基板とした場合の実施形態について説明する。
図3に示す通り、LED素子用基板1は、基板フィルム11及び金属配線部13上に熱硬化型インキ等からなる絶縁性保護膜14が形成されている。この絶縁性保護膜14は、LED素子用基板1の耐マイグレーション特性向上のために、金属配線部13の表面のうちLED素子2を実装するための接続部分を除く全面、及び、基板フィルム11の表面のうち金属配線部13の非形成部分の概ね全面を覆う態様で形成される。
LED素子用基板1上には、図3に示す通り、接着剤層12を介して、基板フィルム11及び金属配線部13が形成されている。基板フィルム11及び金属配線部13上には、絶縁性保護膜14が形成されており、更に、絶縁性保護膜14上には、白色樹脂等からなる反射層15が積層されている。ここで、絶縁性保護膜14に反射機能を備えさせて、これにより、反射層を設置せずに必要な反射機能を絶縁性保護膜によって担保することもできる。又、反射層15を絶縁性の高い樹脂で構成することによって、絶縁性保護膜14を特に配置せず、反射層15によってLED素子用基板に必要な絶縁性能を担保することもできる。
LED素子用基板1には、LED素子2が、ハンダ層16を介して、金属配線部13の上に導電可能な態様で実装されている。
(基板フィルム)
基板フィルム11は、可撓性を有する樹脂フィルムであり、公知の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。本明細書において可撓性とは、「曲率半径を通常1m、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmに曲げることが可能であること」を言う。
基板フィルム11は、可撓性を有する樹脂フィルムであり、公知の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。本明細書において可撓性とは、「曲率半径を通常1m、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmに曲げることが可能であること」を言う。
基板フィルム11の材料として用いる熱可塑性樹脂には耐熱性及び絶縁性が高いものであることが求められる。このような樹脂として、耐熱性と加熱時の寸法安定性、機械的強度、及び耐久性に優れるポリイミド(PI)や、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることができる。中でも、アニール処理等の耐熱性向上処理を施すことによって耐熱性と寸法安定性を向上させたポリエチレンナフタレート(PEN)を好ましく用いることもできる。又、難燃性の無機フィラー等の添加によって難燃性を向上させたポリエチレンテレフタレート(PET)も基板フィルムの材料樹脂として選択することができる。
基板フィルム11を形成する熱可塑性樹脂は、熱収縮開始温度が100℃以上のもの、又は、上記のアニール処理等によって、同温度が100℃以上となるように耐熱性を向上させたものを用いることが好ましい。通常LED素子から発せられる熱により同素子周辺部は90℃程度の温度に達する場合がある。この観点から、基板フィルムを形成する熱可塑性樹脂は、上記温度以上の耐熱性を有するものであることが好ましい。
尚、本明細書における「熱収縮開始温度」とは、TMA装置に測定対象の熱可塑性樹脂からなるサンプルフィルムをセットし、荷重1gをかけて、昇温速度2℃/分で120℃まで昇温し、その時の収縮量(%表示)を測定し、このデータを出力して温度と収縮量を記録したグラフから、収縮によって、0%のベースラインから離れる温度を読みとり、その温度を熱収縮開始温度としたものである。又、本明細書における「熱硬化温度」とは、測定対象の熱硬化型樹脂を加熱した際の熱硬化反応の立ち上がり位置の温度を測定算出し、その温度を熱硬化温度としたものである。
基板フィルム11には、LEDバックライト10としての一体化時に、LED素子用基板1に必要な絶縁性を付与し得るだけの高い絶縁性を有する樹脂であることが求められる。一般的には、基板フィルム11は、その体積固有抵抗率が1014Ω・cm以上であることが好ましく、1018Ω・cm以上であることがより好ましい。
基板フィルム11の厚さは、特に限定されないが、放熱経路としてボトルネックとはならないこと、耐熱性及び絶縁性を有するものであること、及び、製造コストのバランスとの観点から、概ね10μm以上500μm以下、好ましくは、50μm以上250μm以下であることが好ましい。又、ロール・トゥ・ロール方式による製造を行う場合の生産性を良好に維持する観点からも上記厚さ範囲であることが好ましい。
(接着剤層)
LED素子用基板1の表面への金属配線部13の形成は、接着剤層12を介したドライラミネート法によって行われることが好ましい。この接着剤層12を形成する接着剤は、公知の樹脂系接着剤を適宜用いることができる。それらの樹脂接着剤のうち、ウレタン系、ポリカーボネート系、又はエポキシ系の接着剤等を特に好ましく用いることができる。この接着剤層12は、通常、金属配線部13のエッチング処理後に基板フィルム11上に残存しているものである。
LED素子用基板1の表面への金属配線部13の形成は、接着剤層12を介したドライラミネート法によって行われることが好ましい。この接着剤層12を形成する接着剤は、公知の樹脂系接着剤を適宜用いることができる。それらの樹脂接着剤のうち、ウレタン系、ポリカーボネート系、又はエポキシ系の接着剤等を特に好ましく用いることができる。この接着剤層12は、通常、金属配線部13のエッチング処理後に基板フィルム11上に残存しているものである。
(金属配線部)
図3に示す通り、金属配線部13は、LED素子用基板1の一方の表面に金属箔等の導電性基材によって形成される配線パターンである。
図3に示す通り、金属配線部13は、LED素子用基板1の一方の表面に金属箔等の導電性基材によって形成される配線パターンである。
金属配線部13を構成する金属の熱伝導率λは200W/(m・K)以上500W/(m・K)以下が好ましく、300W/(m・K)以上500W/(m・K)以下がより好ましい。金属配線部13を構成する金属の電気抵抗率Rは3.00×10−8Ωm以下が好ましく、2.50×10−8Ωm以下がより好ましい。ここで、熱伝導率λの測定は、例えば、京都電子工業社製の熱伝導率計QTM−500を用いることができ、電気抵抗率Rの測定は、例えば、ケースレー社製の6517B型エレクトロメータを用いることができる。これによれば、例えば、銅の場合、熱伝導率λは403W/(m・K)であり、電気抵抗率Rは1.55×10−8Ωmとなる。
例えば、金属配線部13を銅箔で形成した場合、放熱性と電気伝導性を高い水準で両立させることができる。より具体的には、LED素子からの放熱性が安定し、電気抵抗の増加を防げるので、LED間の発光バラツキが小さくなってLEDの安定した発光が可能となる。又、LED素子の寿命も延長される。更に、熱による基板等の周辺部材の劣化も防止できるので、LEDバックライトを組み込んだLED画像表示装置の製品寿命も延長できる。
金属配線部13は電解銅箔であり、基板フィルム11との積層面側の表面粗さRzが1.0以上10.0以下であることがより好ましい。ここで、RzはJISB0601で規定される十点平均粗さである。放熱性の観点から、表面粗さを上記範囲内とすることで、特に基板フィルム11との積層面側の表面積を増大でき、放熱性を更に高めることができる。又、表面凹凸によって基板フィルム11との密着性を向上できるので、これによっても放熱性を向上できる。このような表面粗さRzは、電解銅箔の粗面側(マット面側)を好適に用いることができる。
金属配線部13を形成する金属の例としては、上記の銅の他、アルミニウム、金、銀等の金属を挙げることができる。
金属配線部13の配置は、LED素子の導通可能な配置、好ましくはマトリックス状の配置で実装できる配置であれば特定の配置に限定されない。但し、LED素子用基板1においては、基板フィルム11の一方の表面の好ましくは80%以上、より好ましくは90%、最も好ましくは95%以上の範囲が、この金属配線部13によって被覆されていることが好ましい。これにより、LED素子2を高密度で配置したLEDバックライト10において発生する過剰な熱を十分に放熱することができる優れた放熱性をLEDバックライト10に備えさせることができる。
金属配線部13の厚さは、LED素子用基板1に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、一例として厚さ10μm〜50μmが挙げられる。放熱性向上の観点から、金属配線部13の厚さは、10μm以上であることが好ましい。金属層厚みが上記下限値に満たないと、基板フィルム11の熱収縮の影響が大きく、はんだリフロー処理時に処理後の反りが大きくなりやすいため、この観点からも金属配線部13の厚さは10μm以上であることが好ましい。一方、同厚さが、50μm以下であることによって、LED素子用基板の十分なフレキシブル性を維持することができ、重量増大によるハンドリング性の低下等も防止できる。
(絶縁性保護膜)
絶縁性保護膜14は、熱硬化型インキによって、金属配線部13と基板フィルム11の表面上の電気的接合が必要となる一部分を除いた他の部分に、主としてLED素子用基板1の耐マイグレーション特性を向上させるために形成される。
絶縁性保護膜14は、熱硬化型インキによって、金属配線部13と基板フィルム11の表面上の電気的接合が必要となる一部分を除いた他の部分に、主としてLED素子用基板1の耐マイグレーション特性を向上させるために形成される。
熱硬化型インキとしては、熱硬化温度が100℃以下程度のものであれば、公知のインキを適宜好ましく用いることができる。具体的には、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシ系及びフェノール系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコーン系樹脂等、を其々ベース樹脂とする絶縁性インキを好ましく用いることができるインキの代表例として挙げることができる。又、これらのうちでも、ポリエステル系の熱硬化型の絶縁インキは、可撓性に優れる点から、LED素子用基板1の絶縁性保護膜14を形成するための材料として特に好ましい。
又、絶縁性保護膜14を形成する熱硬化型インキは、例えば、二酸化チタン等の無機白色顔料を更に含有する白色のインキであってもよい。絶縁性保護膜14を白色化することで、意匠性の向上を図ることができる。又、後述する反射層の機能を絶縁性保護膜14に付与することもできる。
尚、以上の絶縁性の熱硬化型インキによる絶縁性保護膜14の形成は、スクリーン印刷等公知の方法によって行うことができる。
(反射層)
反射層15は、主として可視光波長域の光に対する高い反射性を有する反射部材である。そして、反射層15は、LEDバックライト10の発光能力の向上を目的として、LED素子用基板1の発光面側の最表面に、LED素子実装領域を除く領域を覆って積層されている。尚、この実施形態においては、反射層15は、平面視において、LED素子2を囲い、且つ、絶縁性保護膜14のLED素子実装領域によって除かれた領域の内周縁部が露出するように絶縁性保護膜14上に積層されている。本発明においては、これに限らず、例えば、絶縁性保護膜14のLED素子実装領域によって除かれた領域の内周縁部が露出せず、絶縁性保護膜14と反射層15との両方の内周縁部が一致して同一形状をなすように積層されていてもよい。
反射層15は、主として可視光波長域の光に対する高い反射性を有する反射部材である。そして、反射層15は、LEDバックライト10の発光能力の向上を目的として、LED素子用基板1の発光面側の最表面に、LED素子実装領域を除く領域を覆って積層されている。尚、この実施形態においては、反射層15は、平面視において、LED素子2を囲い、且つ、絶縁性保護膜14のLED素子実装領域によって除かれた領域の内周縁部が露出するように絶縁性保護膜14上に積層されている。本発明においては、これに限らず、例えば、絶縁性保護膜14のLED素子実装領域によって除かれた領域の内周縁部が露出せず、絶縁性保護膜14と反射層15との両方の内周縁部が一致して同一形状をなすように積層されていてもよい。
反射層15は、LEDバックライト10において、発光能力を向上させることを目的として、LED素子用基板の発光面側の最表面に、LED素子2の実装部分を除いて積層される。LED素子の発光を反射し、所定の方向へ導くための反射面を持つ部材であれば特に限定されないが、発泡タイプの白色ポリエステル、白色ポリエチレン樹脂、銀蒸着ポリエステル等を、最終製品の用途とその要求スペック等に応じて適宜用いることができる。
(ハンダ層)
LED素子用基板1においては、金属配線部13とLED素子2との接合については、ハンダ層16を介した接合を行う。このハンダによる接合方法の詳細は後述するが、大きく分けて、リフロー方式、或いは、レーザー方式の2方式のいずれかによって行うことができる。
LED素子用基板1においては、金属配線部13とLED素子2との接合については、ハンダ層16を介した接合を行う。このハンダによる接合方法の詳細は後述するが、大きく分けて、リフロー方式、或いは、レーザー方式の2方式のいずれかによって行うことができる。
[LED素子]
LED素子2は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。P型電極、N型電極を素子上面、下面に設けた構造と、素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造が提案されている。いずれの構造のLED素子2も、本発明のLEDバックライト10に用いることができるが、上記のうち素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造のLED素子を特に好ましく用いることができる。
LED素子2は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。P型電極、N型電極を素子上面、下面に設けた構造と、素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造が提案されている。いずれの構造のLED素子2も、本発明のLEDバックライト10に用いることができるが、上記のうち素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造のLED素子を特に好ましく用いることができる。
LEDバックライト10は、上述の通り、高い放熱性を発揮することができる金属配線部13に、LED素子2を直接実装するものである。これにより、LED素子2を高密度で配置した場合においても点灯時に発生する過剰な熱を金属配線部13を通して速やかに拡散し、基板フィルム11を経由させることによっても、LEDバックライト10の外部への放熱を促進させることができる。
[透過反射板]
次に、図2〜図4を適宜参照しながら、透過反射板について説明する。透過反射板3は、透光性支持基板30と、透光性支持基板30の少なくとも一方の面上の一部に所定のパターンで積層された反射材からなる反射部32と、透光性支持基板30において反射部32が形成されていない領域に形成される透過部33とを含んで構成される。
次に、図2〜図4を適宜参照しながら、透過反射板について説明する。透過反射板3は、透光性支持基板30と、透光性支持基板30の少なくとも一方の面上の一部に所定のパターンで積層された反射材からなる反射部32と、透光性支持基板30において反射部32が形成されていない領域に形成される透過部33とを含んで構成される。
又、図2に示すように、透過反射板3は、平面視において複数に分割された区画領域31を有する。それぞれの区画領域31も光を反射する反射部32と、光を透過する透過部33と、によって構成されている。
透過反射板3においては、図2に示すように、透過反射板3が反射層15の平面と距離dで重なった状態において、それぞれのLED素子2に対応して、仮想の区画領域31が形成されている。この実施形態においては、LED素子(縦4個×横6個=24個)に対応して、縦4×横6=24の区画領域31が形成されている。図2においては点線で境界線が記載されているが、実際には境界線が形成されていることはなく、境界線は仮想線であり、区画領域31も仮想の領域である。尚、それぞれの区画領域における反射部32と透過部33の形成パターンは必ずしも同じである必要はなく、区画領域によって異なる形成パターンであってもよい。
ここで、一般に直下型のLEDバックライトにおいて透過反射板に入射される光の強度の分布は、LED素子の配光特性の他、LED光源モジュールの形状、寸法、取り付け位置等(例えば、LED素子が並べられるピッチ、反射層と透過反射板との間隔等)にも依存する。これに応じて、通常、透過反射板のうち、LED素子からの光の入射量が相対的に多い区画領域の中心部近傍では、相対的に大きな割合で反射部が形成されている。一方、透過反射板のうち、LED素子2からの光の入射量が相対的に少ない区画領域の外縁近傍では、相対的に大きな割合で反射部が形成されている。
図4は、透過反射板3の一の区画領域31を拡大した平面図であって、図中の中央部の背面にLED素子2が位置する。図4においては、白色が透過部33であって、灰色が反射部32を示しており、それぞれの透過部又は反射部が格子状に構成されている。透過反射板3においては、区画領域31は、LED素子2の直上位置周辺の中心部は反射部32のみで構成されており、そこから区画領域31の外縁に向かう方向に沿って、透過部33の割合、即ち開口率が、漸増するように構成されている。
尚、本発明における、上記の「開口率」とは、一の区画領域を、25〜100等分程度の適当な割合で当分する等面積の正方形のマス目状に区切った際に、それぞれのマス目における透過部の面積比率のことを言う。一の区画領域におけるこの等面積のマス目の規定の仕方は任意であるが、例えば、各マス目内に存在する透過部33の個数が概ね等数となるように設定することが望ましい。或いは、上記の「開口率」は、或いは、一の区画領域の中心点を中心とする同心円を内側領域から外側領域に向けて等間隔で複数規定し、各同心円の円周と円周の間の各領域内における透過部の面積比率を上記同様にして算出することによって求めたものであってもよい。この算出方法によれば、図4の区画領域のように矩形の開口部が格子状に配置された一般的な開口配置以外の区画領域についても、上記の「開口率」を定義することができる。
(透光性支持基板)
透過反射板3を構成する透光性支持基板30としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等、透光性を有する従来公知の各種の樹脂フィルムを用いることができる。透光性支持基板30の厚さは12μm以上1000μm以下の厚さであることが好ましい。尚、本明細書において、「透光性を有する」とは、JIS K 7361に準拠して測定した全光線透過率が80%以上であることを言い、「透光性支持基板」とは、上記全光線透過率が80%以上である支持基板のことを言うものとする。透光性支持基板30は、上記全光線透過率が85%以上100%未満であることが好ましく、87%以上100%未満であることがより好ましい。透過反射板3を構成する透光性支持基板30の上記光線透過率が、85%以上、より好ましくは87%以上であれば、LEDバックライト10におけるLED素子2からの出射光の利用効率を十分に高めることができる。尚、本明細書における「全光線透過率」とは、特に断りのない限り上記測定方法による測定値のことを言うものとする。
透過反射板3を構成する透光性支持基板30としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等、透光性を有する従来公知の各種の樹脂フィルムを用いることができる。透光性支持基板30の厚さは12μm以上1000μm以下の厚さであることが好ましい。尚、本明細書において、「透光性を有する」とは、JIS K 7361に準拠して測定した全光線透過率が80%以上であることを言い、「透光性支持基板」とは、上記全光線透過率が80%以上である支持基板のことを言うものとする。透光性支持基板30は、上記全光線透過率が85%以上100%未満であることが好ましく、87%以上100%未満であることがより好ましい。透過反射板3を構成する透光性支持基板30の上記光線透過率が、85%以上、より好ましくは87%以上であれば、LEDバックライト10におけるLED素子2からの出射光の利用効率を十分に高めることができる。尚、本明細書における「全光線透過率」とは、特に断りのない限り上記測定方法による測定値のことを言うものとする。
(反射部)
図3及び図4に示すように、透過反射板3において、反射部32は、透光性支持基板30がLEDバックライト10を構成する状態においてLED素子2の側となる面(図3における下方側の面)に形成されている。但し、これに限らず、LED素子2の側と反対の面に形成されていてもよく、透光性支持基板30の両面に形成されていてもよい。
図3及び図4に示すように、透過反射板3において、反射部32は、透光性支持基板30がLEDバックライト10を構成する状態においてLED素子2の側となる面(図3における下方側の面)に形成されている。但し、これに限らず、LED素子2の側と反対の面に形成されていてもよく、透光性支持基板30の両面に形成されていてもよい。
反射部32を形成する反射材としては、酸化チタン等の白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物を用いることができる。反射部32は、この樹脂組成物からなる硬化層であることが好ましく、当該硬化層の厚さは、20μm以上200μm以下であることが好ましい。又、反射部32の反射性能については、420nm以上780nm以下の波長域における光線反射率が、いずれの波長の光に対しても、少なくとも80%以上であることが好ましい。尚、透過反射板3における反射部32のように狭小な範囲に形成されている反射部の反射率を測定するためには、顕微分光測定機(例えば、オリンパス社製「USPM−RU III」)を用いることより、これを正確に測定することができる。反射率の値は、硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%とした相対反射率を測定した値とする。
反射材として用いる熱硬化性樹脂組成物の具体例としては、従来公知のウレタン樹脂とイソシアネート化合物との組合せ、エポキシ樹脂とポリアミンや酸無水物との組合せ、シリコーン樹脂と架橋剤との組合せのような、主剤と硬化剤とを含む2成分型の熱硬化性樹脂や、更に、アミン、イミダゾール、リン系等の硬化促進剤を含有する3成分型の熱硬化性樹脂を用いることができる。具体的には、特開2014−129549に記載されているシリコーン系の熱硬化性樹脂を用いた反射層を例示することができる。反射部32は、反射材を、例えば、スクリーン印刷等の印刷法を用いて透光性支持基板30の表面にパターン印刷することによって形成することができる。尚、上記の厚さや反射率は、反射層が透光性支持基板の両面に形成されている場合には両面の厚さの合計厚さであり、両面に反射層を形成した場合の反射率である。
尚、反射部32の構成としては、上記の絶縁性保護膜14と同様の構成を用いることもできる。この場合、酸化チタン等の白色顔料は反射層中に10質量%以上85質量%以下含有することが好ましい。
(透過部)
透過反射板3において、透過部33は、透光性支持基板のいずれの表面にも反射部32が存在しない領域に形成される。そして、透過部33は、図3に示す透過反射板3の断面視において、透光性支持基板30の両面が露出している領域に透光性支持基板30の一部分として形成される第1透過部331と、透光性支持基板30を貫通する貫通孔からなる第2透過部332とにより構成される。第1透過部331は、透光性支持基板30の一部が光を透過させる部位として機能する透過部である。又、第2透過部332は、透光性支持基板30を貫通する貫通孔である。
透過反射板3において、透過部33は、透光性支持基板のいずれの表面にも反射部32が存在しない領域に形成される。そして、透過部33は、図3に示す透過反射板3の断面視において、透光性支持基板30の両面が露出している領域に透光性支持基板30の一部分として形成される第1透過部331と、透光性支持基板30を貫通する貫通孔からなる第2透過部332とにより構成される。第1透過部331は、透光性支持基板30の一部が光を透過させる部位として機能する透過部である。又、第2透過部332は、透光性支持基板30を貫通する貫通孔である。
ここで、LEDバックライト10においては、熱源となるLED素子2の直上付近に最も熱が籠もりやすいため、区画領域31の中心部を含む内側領域34に、貫通孔からなる第2透過部332をより多く形成することが、放熱性向上の観点からは、極めて有効である。
(反射部と透過部との配置)
図4は、区画領域31の中心部を含む内側領域34と、内側領域34の外縁から区画領域31の外縁に亘って周状に形成された外側領域35とに区分した図である。内側領域34と外側領域35との境界線を境界351で示している。ここで、境界351は仮想の境界線であり、下記で定義される内側領域34、外側領域35によって結果として区分される。
図4は、区画領域31の中心部を含む内側領域34と、内側領域34の外縁から区画領域31の外縁に亘って周状に形成された外側領域35とに区分した図である。内側領域34と外側領域35との境界線を境界351で示している。ここで、境界351は仮想の境界線であり、下記で定義される内側領域34、外側領域35によって結果として区分される。
内側領域34とは、区画領域31の中心部を含む領域であって、全ての透過部33が第2透過部332によって構成されている領域である。これに対して、外側領域35とは、内側領域34以外の領域であり、内側領域34を取り囲んでその外側にあって区画領域31の外縁を含む領域である。この外側領域では、透過部33の大部分、好ましくは全てが第1透過部331によって構成されている。
内側領域34に形成される第2透過部332は、透光性支持基板30にプレス打ち抜き加工、或いは、彫刻刃による抜き加工等により所望の形状の複数の貫通孔を所定のパターンに沿って互いに連結しないように分散配置して設けることによって形成することができる。
区画領域31において、透過部33の面積割合である開口率が当該区画領域の中心部から外側部分に近づくに連れて漸増していることを前提として、開口径が0.2mm以下の透過部が全て貫通孔からなる第2透過部332であることが好ましい。この場合漸増する開口径が0.2mm程度となる第2透過部の配置位置が内側領域34の外縁を構成することとなる。尚、本明細書において、透過部の開口径とは、透過部の外周の形状が楕円形である場合はその長径のことを言い、透過部の外周の形状が矩形状である場合にはその対角線の長さのことを言うものとする。
[拡散板]
拡散板6は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等からなる半透明の透光性支持基板上に光拡散機能を発揮するために、例えば、微小でランダムなレンズアレイ等が全面に形成されている光学フィルムである。これを、透過反射板3との間に所定の光学距離(OD)をおいた位置に配置することにより、透過反射板3から出射された光を更に拡散させて輝度ムラの少ない面状光に変換することができる。尚、本発明においては、透過反射板3と拡散板6との光学距離は、好ましくは1mm以上10mm以下の範囲である。
[拡散板]
拡散板6は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等からなる半透明の透光性支持基板上に光拡散機能を発揮するために、例えば、微小でランダムなレンズアレイ等が全面に形成されている光学フィルムである。これを、透過反射板3との間に所定の光学距離(OD)をおいた位置に配置することにより、透過反射板3から出射された光を更に拡散させて輝度ムラの少ない面状光に変換することができる。尚、本発明においては、透過反射板3と拡散板6との光学距離は、好ましくは1mm以上10mm以下の範囲である。
<シミュレーションによる効果の検証>
[透過反射板の作成]
以下の通り、比較例と実施例の試験用の透過反射板(フラッタ)を作成し、光学シミュレーションを行って本発明の奏する効果を検証した。ただし、上記いずれの透過反射板についても、下記シミュレーションにおいて反射層の厚さは無視している。
(比較例)
透光性支持基板としては、厚さ0.7mmのPENフィルム(屈折率1.64、全光線透過率87%)を用いた。そして、このフィルムの表面に、図4に示す印刷パターンに従って、酸化チタンを50質量%含有したシリコーン系の熱硬化性樹脂組成物を、厚さ60μmでパターン印刷して反射部を形成することにより、印刷パターンニングタイプの反射透過板を得て、これを比較例1の透過反射板とした。
(実施例)
上記比較例1の透過反射板における透過部のうち、図4において太罫で示される内側領域内の透過部(開口径が最大0.2mmまでの透過部)については、透光性支持基板に当該太罫に沿って打抜き加工を行い、これらの透過部を貫通孔からなる透過部とした、ハイブリッドタイプの反射透過板を得て、これを実施例の透過反射板とした。
(光学シミュレーション)
上記の比較例及び実施例の透過反射板をそれぞれ用いて、図3に示す構成(但し拡散板6を更に配置)で、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を評価するための光学シミュレーションを行った。反射層15の表面から透過反射板3までの距離は2.5mm、反射層15の表面から拡散板6(図1参照)までの距離は4mmとした。区画領域の大きさは24.4mm×22.0mmである。LEDは、0.8mmW(横)×0.8mmD(縦)×0.4mmH(高さ)、発光量100lmである。シミュレーションは、シノプシス社製の「Light Tools」を用いた光線追跡シミュレーションを実施した。
尚、効率及びユニフォーミティは下記で定義される。ここで放射光量とは、拡散板の一つの区画領域からの放射光量(単位はルーメン)を意味する。又、最大(最小)放射光量とは、拡散板からの単位面積あたりの放射光量(単位はルクス)の分布の中での最大値(最小値)を意味する。
効率=放射光量/LED出射光量
ユニフォーミティ=(最大放射光量−最小放射光量)/(最大放射光量+最小放射光量)
[透過反射板の作成]
以下の通り、比較例と実施例の試験用の透過反射板(フラッタ)を作成し、光学シミュレーションを行って本発明の奏する効果を検証した。ただし、上記いずれの透過反射板についても、下記シミュレーションにおいて反射層の厚さは無視している。
(比較例)
透光性支持基板としては、厚さ0.7mmのPENフィルム(屈折率1.64、全光線透過率87%)を用いた。そして、このフィルムの表面に、図4に示す印刷パターンに従って、酸化チタンを50質量%含有したシリコーン系の熱硬化性樹脂組成物を、厚さ60μmでパターン印刷して反射部を形成することにより、印刷パターンニングタイプの反射透過板を得て、これを比較例1の透過反射板とした。
(実施例)
上記比較例1の透過反射板における透過部のうち、図4において太罫で示される内側領域内の透過部(開口径が最大0.2mmまでの透過部)については、透光性支持基板に当該太罫に沿って打抜き加工を行い、これらの透過部を貫通孔からなる透過部とした、ハイブリッドタイプの反射透過板を得て、これを実施例の透過反射板とした。
(光学シミュレーション)
上記の比較例及び実施例の透過反射板をそれぞれ用いて、図3に示す構成(但し拡散板6を更に配置)で、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を評価するための光学シミュレーションを行った。反射層15の表面から透過反射板3までの距離は2.5mm、反射層15の表面から拡散板6(図1参照)までの距離は4mmとした。区画領域の大きさは24.4mm×22.0mmである。LEDは、0.8mmW(横)×0.8mmD(縦)×0.4mmH(高さ)、発光量100lmである。シミュレーションは、シノプシス社製の「Light Tools」を用いた光線追跡シミュレーションを実施した。
尚、効率及びユニフォーミティは下記で定義される。ここで放射光量とは、拡散板の一つの区画領域からの放射光量(単位はルーメン)を意味する。又、最大(最小)放射光量とは、拡散板からの単位面積あたりの放射光量(単位はルクス)の分布の中での最大値(最小値)を意味する。
効率=放射光量/LED出射光量
ユニフォーミティ=(最大放射光量−最小放射光量)/(最大放射光量+最小放射光量)
上記シミュレーションの結果、効率は、比較例が36.47%、実施例が36.76%となった。一方、ユニフォーミティについては、比較例は、0.141であり、実施例では、0.142であり、ユニフォーミティの低下は実質的に観察されなかった。この結果より、本発明によれば、LED素子の直上近傍域に貫通孔からなる透過部を形成する構成により、バックライトの発光面全体の輝度の均一性を保持したまま、LEDバックライトの放熱性能を向上させることができることが確認された。
1 LED素子用基板
10 LEDバックライト
11 基板フィルム
12 接着剤層
13 金属配線部
14 絶縁性保護膜
15 反射層
16 ハンダ層
2 LED素子
3 透過反射板
30 透光性支持基板
31 区画領域
32 反射部
33 透過部
331 第1透過部
332 第2透過部
34 内側領域
35 外側領域
351 境界
4 画像表示パネル
5 放熱構造
6 拡散板
100 LED画像表示装置
10 LEDバックライト
11 基板フィルム
12 接着剤層
13 金属配線部
14 絶縁性保護膜
15 反射層
16 ハンダ層
2 LED素子
3 透過反射板
30 透光性支持基板
31 区画領域
32 反射部
33 透過部
331 第1透過部
332 第2透過部
34 内側領域
35 外側領域
351 境界
4 画像表示パネル
5 放熱構造
6 拡散板
100 LED画像表示装置
指向性を有するLED素子からの出射光を拡散させるための手段として、複数のLED素子からなるバックライトの発光面上に、板状の透過反射板を配置して、発光面の輝度の均一性向上を企図する技術が開発されている(特許文献1参照)。この透過反射板は、通常、LED素子の直上に配置されることが想定される部分を遮光部とし、当該部分から離れるに連れて徐々に透過部の割合が増加するパターンで遮光部と透過部とが形成されている。
開口タイプの透過反射板は、例えば、発泡PET等反射性を有する板状の部材に、プレス打ち抜き加工、或いは、彫刻刃による抜き加工等により任意の形状の複数の貫通孔を所定のパターンに沿って互いに連結しないように分散配置して設けることによって製造することができる。しかしながら、このタイプの透過反射板においては、LED直上に近い開口径の小さい部分における加工精度の限界から、透過率が設計された想定よりも大きくなってしまう場合が多くあり、発光面の輝度の均一性向上について更なる改善が求められていた。
これに対して印刷パターンニングタイプの透過反射板は、開口タイプの透過反射板と比較して、輝度の均一性の最適化のために、透過部の配置や面積等の設計変更や微調整を容易に行うことができる。しかしながら、この印刷パターンニングタイプの透過反射板は、開口タイプの透過反射板と異なり、樹脂基材に放熱経路となる貫通孔部分が存在しないため、高熱を発するLED素子からの熱がその内側に籠りやすく、LEDバックライト全体としての放熱性に劣ることが問題とされていた。
<シミュレーションによる効果の検証>
[透過反射板の作成]
以下の通り、比較例と実施例の試験用の透過反射板を作成し、光学シミュレーションを行って本発明の奏する効果を検証した。ただし、上記いずれの透過反射板についても、下記シミュレーションにおいて反射層の厚さは無視している。
(比較例)
透光性支持基板としては、厚さ0.7mmのPENフィルム(屈折率1.64、全光線透過率87%)を用いた。そして、このフィルムの表面に、図4に示す印刷パターンに従って、酸化チタンを50質量%含有したシリコーン系の熱硬化性樹脂組成物を、厚さ60μmでパターン印刷して反射部を形成することにより、印刷パターンニングタイプの反射透過板を得て、これを比較例1の透過反射板とした。
(実施例)
上記比較例1の透過反射板における透過部のうち、図4において太罫で示される内側領域内の透過部(開口径が最大0.2mmまでの透過部)については、透光性支持基板に当該太罫に沿って打抜き加工を行い、これらの透過部を貫通孔からなる透過部とした、ハイブリッドタイプの反射透過板を得て、これを実施例の透過反射板とした。
(光学シミュレーション)
上記の比較例及び実施例の透過反射板をそれぞれ用いて、図3に示す構成(但し拡散板6を更に配置)で、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を評価するための光学シミュレーションを行った。反射層15の表面から透過反射板3までの距離は2.5mm、反射層15の表面から拡散板6(図1参照)までの距離は4mmとした。区画領域の大きさは24.4mm×22.0mmである。LEDは、0.8mmW(横)×0.8mmD(縦)×0.4mmH(高さ)、発光量100lmである。シミュレーションは、シノプシス社製の「Light Tools」を用いた光線追跡シミュレーションを実施した。
尚、効率及びユニフォーミティは下記で定義される。ここで放射光量とは、拡散板の一つの区画領域からの放射光量(単位はルーメン)を意味する。又、最大(最小)放射光量とは、拡散板からの単位面積あたりの放射光量(単位はルクス)の分布の中での最大値(最小値)を意味する。
効率=放射光量/LED出射光量
ユニフォーミティ=(最大放射光量−最小放射光量)/(最大放射光量+最小放射光量)
[透過反射板の作成]
以下の通り、比較例と実施例の試験用の透過反射板を作成し、光学シミュレーションを行って本発明の奏する効果を検証した。ただし、上記いずれの透過反射板についても、下記シミュレーションにおいて反射層の厚さは無視している。
(比較例)
透光性支持基板としては、厚さ0.7mmのPENフィルム(屈折率1.64、全光線透過率87%)を用いた。そして、このフィルムの表面に、図4に示す印刷パターンに従って、酸化チタンを50質量%含有したシリコーン系の熱硬化性樹脂組成物を、厚さ60μmでパターン印刷して反射部を形成することにより、印刷パターンニングタイプの反射透過板を得て、これを比較例1の透過反射板とした。
(実施例)
上記比較例1の透過反射板における透過部のうち、図4において太罫で示される内側領域内の透過部(開口径が最大0.2mmまでの透過部)については、透光性支持基板に当該太罫に沿って打抜き加工を行い、これらの透過部を貫通孔からなる透過部とした、ハイブリッドタイプの反射透過板を得て、これを実施例の透過反射板とした。
(光学シミュレーション)
上記の比較例及び実施例の透過反射板をそれぞれ用いて、図3に示す構成(但し拡散板6を更に配置)で、透過反射板からの放射光の効率及びユニフォーミティ(出射面照度の面内均一性)を評価するための光学シミュレーションを行った。反射層15の表面から透過反射板3までの距離は2.5mm、反射層15の表面から拡散板6(図1参照)までの距離は4mmとした。区画領域の大きさは24.4mm×22.0mmである。LEDは、0.8mmW(横)×0.8mmD(縦)×0.4mmH(高さ)、発光量100lmである。シミュレーションは、シノプシス社製の「Light Tools」を用いた光線追跡シミュレーションを実施した。
尚、効率及びユニフォーミティは下記で定義される。ここで放射光量とは、拡散板の一つの区画領域からの放射光量(単位はルーメン)を意味する。又、最大(最小)放射光量とは、拡散板からの単位面積あたりの放射光量(単位はルクス)の分布の中での最大値(最小値)を意味する。
効率=放射光量/LED出射光量
ユニフォーミティ=(最大放射光量−最小放射光量)/(最大放射光量+最小放射光量)
Claims (6)
- 透光性支持基板の表面の一部に反射部が形成されていて、該表面の他の一部であって反射部が形成されていない部分が透過部となっている、直下型LEDバックライト用の透過反射板であって、
前記透過反射板は、平面視において複数に分割された区画領域を備え、
前記区画領域内の中心部を含む内側領域には、前記透光性支持基板を貫通する貫通孔からなる第2透過部が形成されていて、
前記区画領域内の外縁を含む外側領域においては、前記透光性支持基板の一部であってそのいずれの表面にも前記反射部が存在しないことによって前記透光性支持基板が露出している部分からなる第1透過部が形成されている、透過反射板。 - それぞれの前記区画領域において、前記透過部の面積割合である開口率が該区画領域の中心部から外縁に向かう方向に沿って漸増しており、開口径が0.2mm以下の前記透過部が全て前記第2透過部である請求項1に記載の透過反射板。
- 前記反射部が、白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化層であって、前記硬化層の厚さが20μm以上200μm以下であり、波長420nm以上780nm以下における反射率が80%以上である請求項1又は2に記載の透過反射板。
- 基板上に金属配線部が積層されているLED素子用基板と、
前記LED素子用基板上に、前記金属配線部によって導通可能な態様でマトリックス状に設けられた複数のLED素子と、を備え、
前記複数のLED素子に対向離間して、請求項1から3のいずれかに記載の透過反射板が設けられている、直下型のLEDバックライト。 - 前記LED素子用基板が、可撓性を有する樹脂フィルムによって前記基板が構成されているフレキシブル配線基板である請求項4に記載のLEDバックライト。
- 請求項4又は5に記載のLEDバックライトと、画像表示パネルと、を備えるLED画像表示装置。
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Cited By (1)
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-
2016
- 2016-10-19 JP JP2016205004A patent/JP2018067442A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111665661A (zh) * | 2019-03-08 | 2020-09-15 | 船井电机株式会社 | 背光装置以及液晶显示装置 |
CN111665661B (zh) * | 2019-03-08 | 2023-04-07 | 船井电机株式会社 | 背光装置以及液晶显示装置 |
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