しかし、特許文献1では、連続して広範囲に光を取り出す機構が必要であり、フレームの外表面の構造が複雑で、しかも、光取り出し面を形成するカバー部材との嵌合構造も必要になる。また、フレームに鋸歯形状の光反射機能を有する配向面が形成されており、特別な構造の反射面を設ける必要がある。また、光取り出し部は連続した曲面形状を形成しており、光の取出し方向に対して光取り出し部の面積を変えることによる明るさの調整ができない。
また、特許文献2では、2種類の光を取り出すために、光を異なる導光空間を導光する必要がある。このため、光源を可動式にする必要がある。
また、特許文献3は、開口部を有する反射板で囲われた主照射部の空間内部で、照査される照明光の一部を補助反射板で向きを変えて斜め側方へ反射し照射するものである。これにより、もともとの照明照射部位以外に、一部の照射部位の照明光の照射強度を高めるものである。すなわち、光源からの照明光を主照射面と斜め側方の面(壁面)の2方向に照射する照明である。
また、特許文献4は、導光空間を分離するのに、独立の導光板を使用する必要がある。よって光源も独立に必要である。また、側面の開口部がLEDの設置面と直交し、上面の開口部が単なる開口であり意匠性もない。
また、特許文献5のガーデンライトの枠体(グローブ)は光反射機能を有さない。このため、カバーを有さない場合には、円筒中央部に配置された棒状光源(片口金ランプ)から放出される光を、口金上面の光源外周の円筒状の全空間に光を放射するものである。したがって、別体のスリット付きカバーを用いて光をカバーの内部で外部に漏らさないように閉じ込めて出射方向を制御する必要がある。すなわち、カバーに設けたスリットは、中央に配置した棒状の光源からの直接光を漏らして放射する放射口の役割を果たすに過ぎない。また、特許文献5は、円筒状照明の円筒の端部から、反射カバーを用いないで直接照射光を取り出しており、消灯時においても開口部を視認することができ、意匠性も劣る。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造で二方向に均一にかつ省電力で光を照射することが可能なLED照明装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、底面と天面と、前記底面と前記天面との外周を囲む4方の側面よりなる略直方体形状の枠体を有する照明装置において、前記枠体はマイクロ発泡樹脂製の反射板あるいは内面に拡散反射機能有する板材で形成され、前記枠体の一方の側面にLED光源が、1つまたは所定間隔で複数個、前記一方の側面と対向する他方の側面に前記LED光源の発光面が直接対向するように配置され、前記天面は、天面遮蔽部と相互に離間した光取出し用の複数の天面開口部とで形成され、前記他方の側面は、側面遮蔽部と複数の側面開口部とで形成され、前記枠体は、前記天面の開口部と前記他方の側面の開口部以外が全て反射板で形成され、前記枠体の内面が前記LED光源の光を前記天面開口部と前記側面開口部に導光する導光空間を形成していることを特徴とするLED照明装置である。
前記天面遮蔽部は、外周遮蔽部と開口部間遮蔽部で構成され、前記LED光源は、前記天面開口部の直上からは視認できないように、前記外周遮蔽部の直下に配置され、前記LED光源からの光を前記天面遮蔽部と前記底面に拡散反射させて、前記天面開口部と前記側面開口部に導光してもよい。
前記外周遮蔽部は、複数の前記天面開口部の全体を囲うように形成され、前記開口部間遮蔽部は、前記天面開口部同士の間に前記外周遮蔽部に内接するように形成されてもよい。
前記天面開口部は、複数の図形または複数の文字型であり、前記複数の図形または複数の文字型を照明装置の外部から視認するための加飾用照明であっても良い。
開口部内遮蔽部は、前記天面開口部の内部に必要に応じて形成されても良い。特に、天面開口部を形成する図形や文字型などが丸や四角等の閉曲線形状であるか、あるいはこれらの形状を含むことが望ましい。
複数の前記側面開口部は矩形状に切り欠かれて所定間隔で形成され、前記側面開口部の上部に所定高さの前記側面遮蔽部を有してもよい。前記側面開口部は、複数個でなく一つとすることもできる。
前記一方の側面と対向する他方の側面が前記底面に対して直角または鋭角に形成され、前記側面遮蔽部と前記側面開口部が底面に対して、直角または鋭角に傾いて形成されても良い。
矩形状の前記側面開口部の下端部が、前記枠体の前記底面と同一高さに形成されてもよいし、矩形状の前記側面開口部は、前記他方の側面からこれと接続する前記底面にまたがるように一体に連続してL字状に形成されてもよい。このように側面開口部をL字状に形状にすることで、前記側面開口部からの光取り出し角度を広げることができる。
前記他方の側面とこれと接続する前記底面の接続部には、面取り状に両者に斜めに接続する斜面が設けられ、矩形状の前記側面開口部は、前記他方の側面から前記斜面にまたがるように連続して形成されてもよい。前記側面開口部をこのように形成することで、前記側面開口部からの光取り出し角度を広げることができる。
前記LED光源の対向面の正面位置には、前記LED光源の数に対応させて1つまたは複数の前記側面開口部を区画する前記側面遮蔽部が設けられ、前記LED光源から最も輝度が高い直接光が遮蔽されるように遮蔽部を構成してもよい。このようにすることで、LED光源からのもっとも輝度が高い光を遮断して、側面方向から取り出す光のグレア感を低減できる。
前記LED光源は、フレキシブルフラット回路に1つまたは所定間隔で複数実装されたフレキシブルフラット光源であり、前記枠体の前記一方の側面には、前記LED光源の発光部の形状・配置に合わせて切欠き部が形成され、前記一方の側面の外面側にフレキシブルフラット光源が接合され、前記切欠き部から前記LED光源の発光面が導光空間に露出してもよい。
このような構成にすることにより、フレキシブルフラット回路が枠体の外部に露出するので放熱性が向上し、LED光源を効率的に冷却でき、LED光源の効率を向上できる。また前記枠体の内部の温度の上昇を低減でき、耐熱性の比較的低い材料を使うことができる。
フレキシブルフラット光源は、前記LED光源がフレキシブルフラット回路に1つまたは所定間隔で複数実装された光源であり、前記LED光源が実装された前記フレキシブルフラット光源は、前記枠体の前記一方の側面の内面側に配置させる前記LED光源の発光部の形状・配置に合わせて1つまたは複数の切欠き部が形成されたマイクロ発泡樹脂製の反射板が、前記フレキシブルフラット回路を覆うように配置され、前記切欠き部から前記LED光源の発光面が導光空間に露出したフレキシブル光源を使用することができる。
前記LED光源は、フレキシブルフラット回路に1つまたは所定間隔で複数実装されたものであり、前記LED光源が実装された前記フレキシブルフラット回路は、前記枠体の一方の側面の内面側に配置され、前記LED光源の発光部の形状、配置に合わせて切欠き部が形成されたマイクロ発泡樹脂製の反射板が、前記フレキシブルフラット回路のLED光源が実装された表面を覆うように固定され、前記切欠き部から前記LED光源の発光面が導光空間に露出してもよい。
このような構成にすることにより、フレキシブルフラット回路により光源の光が吸収され光の利用効率を低下させることを防止できる。また光源光を吸収してフレキシブルフラット回路が加熱されることも低減できるので、LED光源の効率の低下や寿命の低下も防止できる。
前記フレキシブルフラット回路を露出して配置する場合は、白色レジストなどの反射部材を被覆することで、反射板に変えても良い。前記フレキシブルフラット回路は、LED光源に加え抵抗や保護回路部品が実装されていても良い。
前記LED光源は、LED基板に1つまたは所定間隔で複数実装されたものであり、前記枠体の一方の側面には、前記LED光源の発光部の形状に合わせて1つまたは複数の切欠き部が形成され、前記一方の側面の外面側にLED基板が接合され、前記切欠き部から前記LED光源の発光面が導光空間に露出されても良い。
前記LED基板は、前記LED光源がLED基板に1つまたは所定間隔で複数実装されたものであり、前記LED光源が実装された前記LED基板は、前記枠体の前記一方の側面の内面側に配置させる前記LED光源の発光部の形状に合わせて1つまたは複数の切欠き部が形成されたマイクロ発泡樹脂製の反射板が、前記LED基板を覆うように配置され、前記切欠き部から前記LED光源の発光面が導光空間に露出されても良い。
前記LED基板としては、ガラエポ等のリジッド基板が使用できる。前記LED光源の回路基板を露出して配置する場合は、白色レジストなどの反射部材を被覆することで、反射板に変えても良い。
このような構成にすることにより、LED基板により光源の光が吸収され光の利用効率を低下させることを防止できる。また光源光を吸収してLED基板が加熱されることも低減できるので、LED光源の効率の低下や寿命の低下も防止できる。
前記LED光源が複数配置され、前記LED光源が接合された前記一方の側面と前記他方の側面との距離をLとし、前記LED光源の配向半角が60°±10°の角度の範囲であり、隣接する前記LED光源からの直接照射光を、前記他方の側面において連続して受光できるように、前記LED光源の設置間隔が、2L×tan(60°±10°)間隔で配置され、照明装置の輝度が均等化されてもよい。このように、LED光源の配向角度に合わせてLED光源を配置することで、照明装置の輝度を平均化できる。
前記天面開口部と前記天面遮蔽部の面積を加えた前記天面の全体の面積に対する、前記天面開口部の面積の割合は、20〜50%であり、前記天面開口部と前記天面遮蔽部の面積を加えた前記天面の全体の面積に対する、前記天面遮蔽部の面積の割合は、80〜50%であってもよい。また、側面開口部と側面遮蔽部の面積割合についても、天面開口部と側面開口部の面積割合についても同様の傾向を満足することが望ましい。
前記枠体の内部空間の内表面積に対する、前記天面開口部の面積と前記側面開口部の面積とを加えた開口部の面積の割合は、10〜25%であってもよい。このように、所定の面積割合の開口部を有する導光空間に光を閉じ込めることで、LED光源からの光を有効に、天面と底面の反射板に相互に拡散反射させ、LED光源に対向する他の側面から光を取り出すことができる。
前記反射板のマイクロ発泡樹脂は、波長450〜650nmの可視光帯域での光学特性として、酸化アルミ標準片を用いた時の光反射率が、全反射率95%以上、拡散反射率が95%以上であることが好ましい。このように、前記反射板の拡散反射率が高いことで、導光空間内面の天面および側面の反射板により、光を多重に拡散反射させることができるので、開口部から均一な明るさで、光強度低下の少ない光を取り出すことができる。
前記LED光源は、前記底面に対して直角に形成された前記一方の側面の高さ方向の中央近傍に配置されても良い。前記一方の側面は、前記底面に対して鋭角に形成され、前記LED光源は、前記一方の側面の高さ方向の中央近傍に配置されても良い。
このように配置されることで、前記LED光源の光の一部を、前記底面に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、前記天面開口部で面発光させ、さらに前記LED光源の光の一部を、前記底面に対して直角または鋭角に形成された前記側面遮蔽部と前記側面開口部に照射して、前記側面開口部から直接照射光を取り出すと同時に、前記側面遮蔽部で反射した後、導光空間内で拡散反射させて、前記側面開口部から拡散反射光として取り出してもよい。
前記天面には、金属薄膜が設けられたフィルムが配置され、さらに前記フィルム上に前記LED光源の光を透過する保持板が配置され、前記フィルムあるいは前記保持板の少なくともいずれかが着色されていてもよい。前記保持板の光透過率は20〜30%であることが望ましい。前記フィルムは、前記保持板に、光透過性の透明接着剤で張り付けられても良い。
前記LED光源を点灯しない状態において、前記金属薄膜が視認され、前記LED光源を点灯した時には、前記天面開口部の複数の図形または複数の文字型が視認可能であってもよい。
前記LED照明装置は、光取出しが可能な外部枠体内部に収納されてもよい。前記外部枠体は、透明または半透明であることが望ましい。
前記天面開口部および前記側面開口部に対応した場所に光透過部材が各面に密着した状態で配置されていてもよい。前記光透過部材が、光を透過する金属薄膜や着色フィルムと、これらを保持する光透過板により構成されていることが望ましい。このようにすることで、照明装置が点灯していない場合と、点灯した場合で照明装置の開口部の見え方(色や色合い)を変えることができる。またLED光源の光と違う照明光を照射することができる。
また、開口部はLED光源の光を透過する窓材で封止されていても良い。前記窓材は、前記枠体の天面または側面のそれぞれの面の少なくともいずれかの開口部を覆うように枠体内部に設けることが望ましい。更に、乳白色の材料や透明な材料に拡散フィルムや反射率を制御できるフィルムを設けた窓材を用いても良い。
前記LED照明装置は、自動車のドアフレーム下部に取り付けられ、自動車ドア枠用の照明装置であってもよい。このようにすることで、天面の開口部からの光を自動車の車内を照らす加飾照明用の照明とするとともに、側面開口部から光を車室内側面または車外の足下等を照らす照明装置とすることができる。
前記LED照明装置は、室内装飾用照明装置であってもよい。たとえば、室内装飾用照明装置として用いる場合には、天面の開口部を壁面に平行に配置し、側面開口部を壁面に垂直に配置しても良い。このようにすることで、照明装置を取付けた壁面を見ると、ロゴマーク等の加飾面が視認でき、さらに加飾面の上側または下側の壁面の輝度を増加させることができる。
第1の発明によれば、同一光源の光を天面とLED光源と対向する側面方向に導光し、枠体の遮蔽部の拡散反射を利用して同一の導光空間を導光する。このため、特許文献4のように導光板を使用することなく、枠体の光の反射を利用することができる。また、拡散反射により導光空間内で均一な照度にすることができ、各面から面発光させることができる。また、枠体の異なる面に開口部を設けることにより、略直交する異なる2方向に光を取り出し、取り出した光を異なる目的に使用することができる。また、枠体の開口部に形成されるスリットや文字の幅や大きさ、窓材の透過率を変えることにより、照明の明るさを設計的に変えることができる。また、導光空間で拡散反射されているので、開口部から照射される照明光の照射角が大きいため、広い範囲に照射できる。
また、LED光源が、天面開口部の直上からは視認できないように、外周遮蔽部の直下に配置されることで、グレア感を低減することができ、導光空間内を拡散反射させた間接光を取り出すことが可能となり、より均一な光を取り出すことができる。天面に外周遮蔽部を設けることで、拡散反射の回数を増加させることができより均一な光を取り出すことができる。
また、複数の天面開口部の全体を囲うように外周遮蔽部を形成し、天面開口部同士の間に外周遮蔽部に内接するように開口部間遮蔽部を形成することで、天面開口部間の開口部間遮蔽部と外面遮蔽部の裏面で、光を拡散反射させることができる。
また、外部遮蔽部と開口部間遮蔽部に加えて、開口部内遮蔽部を形成することができる。開口部内遮蔽部は、開口部を形成する文字や図形の輪郭の内部に相似形などの類似形状の文字や記号や図形を開口部内に形成するものである。記号や文字や図形の形状は、開口部内に配置可能であれば任意の形状とすることが可能である。開口部の内部に遮蔽部が存在する場合には、開口部内遮蔽部も拡散反射に寄与させることができる。このように、開口部間遮蔽部や開口部内遮蔽部を設けることは、天面と底面における相互の拡散反射を増加させることができるので望ましい。
また、天面開口部を、複数の図形または複数の文字型とすることで、意匠性にも優れる。ここで、天面開口部を、企業のロゴマークや企業名あるいは所有者の名前などの文字型を入れることで、照明装置にメッセセージ性を付与することができ、広告宣伝や所有者のステータスを高めたりすることが期待できる。
また、側面開口部の上部に所定高さの側面遮蔽部を設けることで、側面遮蔽部の裏面で、光を拡散反射させることができる。これにより、導光空間内の光の拡散反射が促進され、開口部から取り出す光の均一化を計ることができる。また、安全や動作の誘導などの表示機能を付与することもできる。
また、矩形状の側面開口部の下端部を、枠体の底面と同一高さに形成すれば、確実に光を側面に取り出すことができる。
また、矩形状の側面開口部が、他方の側面からこれと接続する底面にまたがるように一体に連続してL字状に形成されれば、側面と底面の両方に光を取り出すことができる。
また、他方の側面とこれと接続する底面の接続部に斜面を設け、側面開口部が、他方の側面から斜面にまたがるように連続して形成されれば、側面と斜め下方の両方に光を取り出すことができる。このように側面開口部を他方の側面から斜面にまたがるように形成して、開口部の形成位置、形成角度、開口面積を調整することにより照射角度、照射範囲を調整できる。
また、LED光源の対向面の正面位置に、LED光源の数に対応させて側面遮蔽部を設けることで、LED光源から最も輝度が高い直接光を遮蔽することができる。このため、グレア感を低減することができ、均一な光を取り出すことができる。また、枠体の強度が増加して、側面開口部の変形を抑制することができる。
また、LED光源が、フレキシブルフラット回路に1つまたは所定間隔で複数実装されたフレキシブルフラット光源を使用することで、枠体への取り付けが容易であり、配線のレイアウトの自由度も高い。この際、枠体の一方の側面に、LED光源の発光部の形状に合わせて切欠き部を形成することで、枠体の一方の側面の外面側にフレキシブルフラット光源を配置することができる。このようにすることで、導光空間内には、LED光源の発光面が露出するだけで、枠体内面を全て反射板で覆った導光空間を構成することができる。
また、フレキシブルフラット光源が、枠体の一方の側面の内面側に配置された場合には、LED光源の発光部の形状に合わせて切欠き部が形成されたマイクロ発泡樹脂製の反射板で、フレキシブルフラット回路を覆うことで、導光空間内に配線回路を設ける必要なく、導光空間を実質的に光反射板のみで形成することができることから、確実に導光空間内で光を拡散反射させることができる。
また、枠体の一方の側面と他方の側面との距離をLとし、LED光源の配向半角が60°±10°の角度の範囲である場合に、LED光源の設置間隔を、2L×tan(60°±10°)間隔で配置することで、隣接するLED光源からの直接照射光を、他方の側面において連続して受光でき、照明装置の輝度を均等化することができる。このように、LED光源の配置間隔を、LED光源の配向角と略一致させることで、開口部から取り出す光の明るさの均一化を計ることができる。
また、天面の全体の面積に対する、天面開口部の面積の割合を20〜50%とし、天面の全体の面積に対する、天面遮蔽部の面積の割合を80〜50%とすることで、照明としての明るさの確保と、導光機能の確保による全体的な輝度と面発光の確保を両立することができる。
また、枠体の内部空間の内表面積に対する、天面開口部の面積と側面開口部の面積とを加えた開口部の面積の割合を、10〜25%とし、光を導光空間内に閉じ込めることで、開口部からの面積当たりの光量を確保することができる。
また、反射板のマイクロ発泡樹脂が、酸化アルミ標準片の反射率を100%とした時に、全反射率が95%以上であり、拡散反射率が95%以上であれば、効率良く光を反射させることができ、拡散反射による多重反射を繰り返しても照度の低下が抑えられ、LED光源を削減しても照明電力の低減と面発光の両立が実現できる。
また、LED光源の光の一部を、底面に対して直角または鋭角に形成された側面遮蔽部と側面開口部に照射して、側面開口部から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部で反射した後、導光空間内で拡散反射させて、側面開口部から拡散反射光として取り出すことで、開口部からの照射される照射光の輝度を均等化することで面発光させることができる。
さらに、枠体の一方の側面を、底面に対して鋭角に形成し、LED光源の光の一部を、底面に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部で面発光させることで、照明装置の輝度を均等化することができる。
また、天面に、金属蒸着により金属膜が形成されたフィルムを配置し、さらにフィルム上に光透過率20〜30%の着色された保持板を配置することで、LED光源を点灯しない状態において、天面開口部が視認できず金属面が視認され、LED光源を点灯した時には、天面開口部の複数の図形または複数の文字型を視認可能とすることができる。図形または複数の文字型の視認性は着色された色と保持板の透過率で調整ができる。着色された保持板の代りに着色フィルムを用いて、透明な保持板と組み合わせて照明の色を変える構成としても良い。
また、LED照明装置を、光取出しが可能な透明の外部枠体内部に収納することで、枠体を確実に保護することができる。また、開口部を透明な窓材で封止することで異物やほこり、液体の侵入を防止する事が好ましい。
このようなLED照明装置は、自動車のドアフレーム下部に取り付けられた自動車ドア枠用の照明装置または室内装飾用照明装置として特に好適である。
第2の発明は、底面と天面と、前記底面と前記天面との外周を囲む4方の側面よりなる略直方体形状の枠体を有する照明装置において、前記枠体の内面がマイクロ発泡樹脂製の反射板で覆われて導光空間が形成され、前記枠体の一方の側面にLED光源が配置され、前記LED光源は、1つまたは複数個のLED素子を実装したLED基板よりなり、前記天面は、天面遮蔽部と相互に離間した光取出し用の複数の天面開口部とで形成され、前記一方の側面と対向する他方の側面は、側面遮蔽部と、1つ以上の側面開口部とで形成され、前記天面開口部および前記側面開口部に対応した場所に光透過部材が各面に密着した状態で配置されていることを特徴とするLED照明装置である。
前記光透過部材が、光を透過する金属箔と金属箔を保持する光透過板により構成されてもよい。
前記LED基板および前記LED基板の配線の、前記導光空間に露出する表面がマイクロ発泡樹脂製の反射板などの拡散反射機能を有するフィルムや材料で覆われてもよい。
第2の発明によれば、枠体の内面がマイクロ発泡樹脂製の反射板で覆われて導光空間が形成されるため、強度の高い金属製や樹脂製の枠体を用いることができる。また、反射率の高いマイクロ発泡樹脂製の反射板で覆うことで、導光空間内で効率よく光を拡散反射させて、照明装置の輝度を均等化することができる。また、天面開口部および側面開口部に対応した場所に光透過部材が密着した状態で配置されることで、開口部から異物等が内部に侵入することを防止することができる。
また、光透過部材が、光を透過する金属箔と、金属箔を保持する光透過板により構成されることで、光を透過するほどに薄い金属箔を、確実に保持することができる。
LED基板およびLED基板の配線の、導光空間に露出する表面を、マイクロ発泡樹脂製の反射板で覆うことで、確実に導光空間内で光を拡散反射させることができる。
本発明によれば、簡易な構造で二方向に、均一な光を照射することが可能なLED照明装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1はLED照明装置1を示す斜視図であり、図2は、LED照明装置1を示す平面図であり、図3は図1のB−B線断面図である。また、図4は図1のA−A線断面図である。LED照明装置1は、主に、枠体3、LED光源19等からなる。なお、以下の説明において、配線などは図示を省略する。
枠体3は、底面7、天面5、底面7と天面5との外周を囲む4方の側面9a、9b、9c、9dよりなる略直方体形状である。すなわち、天面5は、底面7と対向し、側面9aは側面9bと対向し、側面9cは側面9dと対向する。
枠体3は、マイクロ発泡樹脂製の反射板で形成される。なお、マイクロ発泡樹脂製の反射板は、マイクロ発泡樹脂シート(多数の微細気泡を有する多孔質部材)から形成される。本発明で用いるマイクロ発泡樹脂シートは、中央に発泡層を有し、両面に非発泡層を有する絶縁性の樹脂シートである。ここで、発泡層とは、発泡により、気泡を生成させた層をいう。
本発明では、マイクロ発泡樹脂シートの厚さは0.4mm〜2.0mmで、非発泡層の厚さは10〜30μmである。発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの厚さから、非発泡層の厚さを引いた値になる。つまり、非発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの全体厚さが増しても、ほぼ一定値になる。この理由は、非発泡層がマイクロ発泡樹脂シートの製造工程においてガスが抜けることにより形成され、これにより形成される層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの表面からの距離によって決まるためである。
本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、平均気泡径が0.2μmから40μmの範囲であることが好ましい。ここで、平均気泡径が0.2μmより小さすぎると、光の透過度が高くなり反射率が低下する。平均気泡径が大きすぎると拡散反射率が低下するため、平均気泡径は0.2μmから40μm以下とする必要がある。さらに平均気泡径は0.5μmから20μmであることが好ましい。
マイクロ発泡樹脂シートは熱可塑樹脂からなり、波長450〜650nmの可視光帯域に対する光学特性として、酸化アルミ標準片の反射率を100%とした時の光反射率が、全反射率は90%以上、拡散反射率は90%以上、反射率の波長依存性は1%以下の範囲内にある。好ましくは、全反射率は95%以上、拡散反射率は95%以上である。マイクロ発泡樹脂シートは、全反射率、拡散反射率ともに高いので反射板として有効である。反射率としては、全反射率、拡散反射率ともに98%の反射板を使用することもできる。
ここで、本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、絶縁性を有する基板で、その体積固有抵抗は1012Ω〜1017Ωである。この範囲であれば、本発明における絶縁性を十分確保できる。
本発明において、マイクロ発泡樹脂シートは、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂のいずれかから構成することが好ましい。上記の他、マイクロ発泡樹脂シートには、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂に難燃性を持たせた透明樹脂を使用することもできる。
天面5には、相互に離間した複数の天面開口部11が設けられる。天面開口部11は、内部から光を取り出すための開口部である。天面開口部11は、複数の図形または複数の文字型である。このため、LED照明装置1は、複数の図形または複数の文字型を照明装置の外部から視認するための加飾用照明として使用することができる。なお、天面開口部11の形態や個数は図示した例には限られない。
天面5の天面開口部11以外の部位は、天面遮蔽部13となる。すなわち、天面5は、天面遮蔽部13と、相互に離間した光取出し用の複数の天面開口部11とで形成される。
また、図2に示すように、天面遮蔽部13は、外周遮蔽部13aと開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cで構成される。外周遮蔽部13aは、複数の天面開口部11の全体を囲うように形成される。なお、開口部内遮蔽部13cは必ずしも必要ではない。すなわち、天面遮蔽部13は、外周遮蔽部13aと開口部間遮蔽部13bとで構成されるか、あるいは外周遮蔽部13aと開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cとで構成されるかのいずれかである。
ここで、図2の一点鎖線で示した領域は、天面開口部11と開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cを合わせた領域であり、外周遮蔽部13aは、天面開口部11と開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cを合わせた領域の外周に形成され、天面開口部11は、外周遮蔽部13aに内接する。また、開口部間遮蔽部13bは、天面開口部11同士の間に外周遮蔽部13aに内接するように形成される。また、開口部内遮蔽部13cは、天面開口部11に内接するように形成される。
ここで、開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cは、天面開口部11の輪郭を形成するとともに、反射板として作用させることができ、導光空間内の光を他方の側面に導光することができる。
図3(図1のBB縦断面図に相当する)に示すように、底面7に対して直角に形成された一方の側面9aには、LED光源19が、一方の側面9aと対向する他方の側面9bにLED光源19の発光面が直接対向するように配置される。LED光源19は、一つであってもよく、複数個であってもよい。なお、本実施形態ではLED光源19が所定間隔で3つ配置された例を示す。LED光源19は、側面9aの高さ方向の中央近傍に配置される。
また、LED光源19は、天面遮蔽部13(外周遮蔽部13a)の直下に配置される。このようにすることで、天面開口部11の直上から、LED光源19を直接視認することができないようにすることができる。ここで、LED光源は側面9aの略中央に配置されることが望ましい。
LED光源19が配置される側面9aと対向し、底面に対して直角に形成される他方の側面9bには、1つまたは複数の側面開口部15が形成される。側面開口部15は、内部から光を取り出すための開口部である。側面開口部15は、略矩形状のである。すなわち、複数の側面開口部15は矩形状に切り欠かれて所定間隔で形成される。
図4(図1のAA横断面図に相当する図)に示すように、LED光源19の対向面(側面9b)の正面位置には、LED光源19の数に対応させて、1つまたは複数の側面開口部15を区画する側面遮蔽部17が設けられる。このため、LED光源19から最も輝度が高い直接光(図中C)が、側面遮蔽部17によって遮蔽される。
このように、側面9bは、側面開口部15と、側面遮蔽部17とで形成される。すなわち、側面遮蔽部17と側面開口部15は、底面7に対して直角に形成される。また、側面開口部15の上部には、所定高さの側面遮蔽部17を有する。また側面開口部15の下端部は、枠体3の底面7と同一高さに形成される。すなわち、側面開口部15は、側面9bの高さ方向の下端から所定の高さ(側面9bの高さよりも低い範囲)で形成される。
なお、天面5の内面側には、窓材12が設けられる。すなわち、窓材12は、天面遮蔽部13の内面に貼り付けられ、枠体3の天面5および側面9bのそれぞれの面の少なくともいずれかの開口部を覆うように枠体3の内部に設けられる。同様に、側面9bの内面側には、窓材12が設けられる。すなわち、窓材12は、側面遮蔽部17の内面に貼り付けられる。窓材12は、光を透過する部材であり、天面開口部11および側面開口部15を塞ぐものである。
図3(図1のBB断面図に相当する図)に示すように、枠体3は、天面5と側面9bに形成された天面開口部11および側面開口部15以外が全て反射板で形成される。すなわち、枠体3は、LED光源19の光を、天面開口部11と側面開口部15に導光する導光空間21を形成するものである。このように、LED光源19からの光を、天面遮蔽部13、側面遮蔽部17、底面7等に拡散反射させて、天面開口部11と側面開口部15に導光し、天面開口部11と側面開口部15から光を取り出すことができる。
すなわち、LED光源19の光の一部を、底面7に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部11で面発光させることができる。さらにLED光源19の光の一部を、底面7に対して直角に形成された側面遮蔽部17と側面開口部15に照射して、側面開口部15から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部17で反射した後、導光空間21内で拡散反射させて、側面開口部15から拡散反射光として取り出すことができる。ここで、導光空間内では、反射が繰り返されて、多重反射が起こることで、より拡散反射光が均一化される。
ここで、天面開口部11と天面遮蔽部13の面積を加えた天面5の全体の面積に対する、天面開口部11の面積の割合は、20〜50%であることが望ましい。すなわち、天面開口部11と天面遮蔽部13の面積を加えた天面5の全体の面積に対する、天面遮蔽部13の面積の割合は、80〜50%であることが望ましい。
さらに、側面開口部15と側面遮蔽部17の面積を加えた側面9bの全体の面積に対する、側面開口部15の面積の割合は、20〜50%であることが望ましい。すなわち、側面開口部15と側面遮蔽部17の面積を加えた側面9b全体の面積に対する、側面遮蔽部17の面積の割合は、80〜50%であることが望ましい。
天面開口部11の割合が20%未満では、加飾照明全体としての明るさが不足する。これは、天面開口部11の単位面積当たりには光が集中して少し明るくなるが、加飾面全体の輝度は減少するためである。なお、本発明では、枠体3の内面の拡散反射率が高いので、天面開口部11を狭くしても、繰り返し拡散反射しても天面開口部11から取り出す光の強度は大きく減少することはない。
また、天面開口部11の割合が50%を超えると導光機能が不足し、開口部からの直接照射光が増加する。これは天面開口部の割合が50%を超えると、天面開口部11から取り出す単位面積当たりの光量が減ると同時に、導光空間内で拡散反射を繰り返すことで均一される光取り出し量が減少し、天面開口部から取出す光に輝度むらが生じるため、天面開口部の開口部面積の上限は、50%未満が望ましい。なお、さらに望ましくは、天面5の全体の面積に対する、天面開口部11の面積の割合は、30〜50%であり、天面遮蔽部13の面積の割合は、50%以上70%以下である。
また、側面開口部15と側面遮蔽部17の面積割合についても、天面開口部と側面開口部の面積割合についても同様の傾向を満足することが望ましい。天面開口部の開口部割合だけでなく、側面開口部の開口割合を所定範囲に設定することで、導光空間内の拡散反射による光強度の均一化を計り、開口部から均一な光を取り出すことができる。
また、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合は、10〜25%であることが望ましく、さらに望ましくは、10〜20%である。ここで、枠体3の内部空間の内表面積とは、天面5、底面7、側面9a、9b、9c、9dの内面積(遮蔽部と開口部のすべて含む)の総和である。
このようにすることで、光を導光空間21内に効率よく閉じ込めることができる。この結果、開口部からの面積当たりの光量を確保することができる。
ここで、図3のLED照明装置1の断面図の底面7の長さと側面9a、9b、9c、9dの高さの比率を、アスペクト比とすると、アスペクト比は大きい方が望ましく、少なくともアスペクト比が2以上であることが望ましい。この理由は、アスペクト比が大きい方が、LED光源19から側面9bの側面開口部15に直接照射される光が少なくなるため、これにより側面開口部15から直接取り出される光が少なくなり、導光空間21内に閉じ込められる光量が増加するからである。
なお、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合が10%未満では、開口面積が小さいため、加飾照明全体としての明るさが不足する。また、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合が25%を超えると、空間内への光の閉じ込め量が低下し、各開口部からの面積当たりの光の取り出し量が低下する。ここで、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合は、前記天面開口部11と天面遮蔽部13の面積を加えた天面5の全体の面積に対する、天面開口部11の面積の割合の20〜50%の半分以下であることが望ましい。そのため、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合は、さらに20%以下とすることが望ましい。
また、図4に示すように、LED光源19が接合された側面9aと側面9bの距離をLとする。LED光源19の正面方向に対する配向半角(図中α)は60°±10°の角度の範囲であり、隣接するLED光源19からの直接照射光を、側面9bにおいて連続して受光するためには、LED光源19同士の設置間隔Pが、2L×tan(60°±10°)であることが望ましい。このように、LED光源19を配置することで、LED照明装置1の輝度を均等化することができる。ここで、配向半角60°においては、隣接するLED光源19からのそれぞれの光強度が重畳されることから、配向半角60°における輝度は、LED光源の中心の法線位置における輝度とほぼ同等になる。
なお、側面開口部15の形態は、前述した例には限られない。例えば、図5(a)に示すように、矩形状の側面開口部15を、側面9bから、これと接続する底面7にまたがるように一体に連続して形成してもよい。すなわち、側面開口部15を、断面L字状に形成してもよい。
このようにすることで、導光空間21内で拡散反射した光を、側面開口部15から、側方のみではなく下方に向けて取り出すことができる。
また、図5(b)に示すように、側面9bと、これと接続する底面7の接続部に、面取り状に両者を斜めに接続する斜面23を設け、矩形状の側面開口部15を、側面9bから斜面23にまたがるように連続して形成してもよい。
このようにしても、導光空間21内で拡散反射した光を、側面開口部15から、側方のみではなく下方に向けて取り出すことができる。
また、前述した実施形態では、側面9aの内面に直接LED光源19を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。LED光源19を、フレキシブルフラット回路に配置してもよい。図6(a)は、フレキシブルフラット回路25の正面図であり、図6(b)は、フレキシブルフラット回路25の背面図である。
フレキシブルフラット回路25は、回路導体(例えば銅箔または銅線により形成された回路)が樹脂(例えばPETやポリイミド、ポリエチレンナフタレート)で上下面を積層樹脂被覆又は接着されたケーブルである。所定の長さに切断されたフレキシブルフラット回路25の内部には、少なくとも一対の回路導体が形成されており、LED光源19を実装したフレキシブルフラット回路25の端部近傍では、これらの回路導体同士を導通させる導体部材29が設けられる。導体部材29は、内部の回路導体と導通する。すなわち、LED光源19、回路導体と導体部材29によって配線回路27が形成される。導体部材29を用いる代わりに、端部の導体回路を折り曲げて回路導体同志を接続して配線回路27を形成しても良い。
また、必要に応じてLED光源19以外に抵抗、ヒューズや電流制限部品などの回路部品が配線回路に組み込むことができる。ここで、積層樹脂がPET樹脂の場合には、積層樹脂を接着する接着剤としては、オレフィン系接着剤やポリエステル系接着剤などを使用することができる。
フレキシブルフラット回路25には、一つまたは複数のLED光源19が所定の間隔で配置される。LED光源19の電極端子を、フレキシブルフラット回路25の表面から、内部の配線回路27に貫通させてかしめるか、あるいは一方の積層被覆樹脂を剥がして、電極端子と配線回路27をはんだ付けや低温ろう付け等を行うことで、LED光源19を実装することができる。
なお、フレキシブルフラット回路25とLED光源19とを合わせて、フレキシブルフラット光源26とする。すなわち、LED光源19は、フレキシブルフラット回路25に1つまたは所定間隔で複数実装されて、フレキシブルフラット光源26を構成する。
図7(a)に示すように、フレキシブルフラット光源26は、側面9aの外面に接着剤等によって貼り付けられて接合される。側面9aには、LED光源19の発光部の形状に合わせて切欠き部31aが形成される。切欠き部31aからLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。
また、図7(b)に示すように、フレキシブルフラット光源26を、側面9aの内面に接着剤等によって貼り付けて配置してもよい。この場合、マイクロ発泡樹脂製の反射板33が、フレキシブルフラット光源26を覆うように配置される。反射板33には、LED光源19の発光部の形状・配置に合わせて1つまたは複数の切欠き部31bが形成される。切欠き部31bからLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。
このように、フレキシブルフラット光源26を用いることで、LED光源19の配置が容易であり、組立作業も容易である。また、フレキシブルフラット光源26を枠体3の内面に配置する場合には、フレキシブルフラット光源26を覆う反射板33を用いることで、導光空間21内で効率よく拡散反射を起こすことができる。
また、前述した実施形態では、側面9bが、底面7に対して垂直に形成された例を示したが、本発明はこれに限られない。
図8(a)は、側面9bが、底面7に対して鋭角に形成された例を示す断面図である。すなわち、側面遮蔽部17と側面開口部15は、底面7に対して鋭角に形成される。このようにしても、LED光源19の光の一部を、底面7に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部11から取り出すことができる。また、LED光源19の光の一部を、底面7に対して鋭角に形成された側面遮蔽部17と側面開口部15に照射して、側面開口部15から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部17で反射した後、導光空間21内で拡散反射させて、側面開口部15から拡散反射光として取り出すことができる。ここで、LED光源19からの直接照射光の光束に対する、天面開口部11、側面開口部15のそれぞれの開口部から出射される直接光の割合を少なくすることができる。
図8(b)は、側面9aが、底面7に対して鋭角に形成された例を示す断面図である。すなわち、LED光源19の出射方向が、底面7の方向に向けられる。このようにしても、LED光源19の光の一部を、底面7に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部11で面発光させることができる。また、LED光源19の光の一部を、底面7に対して鋭角に形成された側面遮蔽部17と側面開口部15に照射して、側面開口部15から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部17で反射した後、導光空間21内で拡散反射させて、側面開口部15から拡散反射光として取り出すことができる。
なお、側面9aのみを底面7に対して鋭角に形成し、側面9bは、底面7に対して垂直に形成してもよい。また、図示を省略するが、側面9c、9dの一方または両方を、底面7に対して鋭角に形成してもよい。
以上、本実施の形態によれば、LED照明装置1の枠体3が、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シート製であるため、枠体3の内面全体を反射板として機能させることができる。また、天面開口部11と側面開口部15の互いに直交する二つの面から光を取り出すことができる。この際、導光空間21を区切ることなく、同一の導光空間21内で拡散反射した光を、それぞれの開口部から取り出すため、部品点数が少なく、構造が簡易で軽量である。
また、別途の反射板を設ける必要がないため、取り扱い性が良好であり、組立作業性にも優れる。また、LED光源19からの直接光を、天面遮蔽部13(外周遮蔽部13a)で遮蔽するため、LED照明装置1の天面開口部11の面発光部のグレア感を低減することができる。同様に、LED光源19の正面に側面遮蔽部17を設けることで、LED照明装置1の側面開口部15の面発光部のグレア感を低減することができる。
このように、LED照明装置1のLED光源19を発光させると、LED光源19からの光は直接に照射されるのではなく、枠体3の内面における導光空間21内で拡散反射を繰り返して天面開口部11および側面開口部15から照射される。このため、レンズ等を用いることなく、光を均一に拡散させて、外方に照射することができる。
また、LED光源19の設置ピッチを適正にすることで、隣り合うLED光源19から照射された光が、側面開口部15において連続して、LED光源19の境界が分かりにくく、均一な光を得ることができる。これらの実施例では、枠体の材料としてマイクロ発泡樹脂シートを用いたが、枠体の内面に拡散反射機能を有するシート材料を貼り付けて枠体を形成しても良い。
次に、第2の実施形態について説明する。図9は、LED照明装置1aの断面図である。なお、以下の説明において、LED照明装置1と同一の機能を奏する構成については、図1〜図8と同一の符号を付し、重複する説明を省力する。
LED照明装置1aは、LED照明装置1とほぼ同様の構成であるが、天面5にフィルム35と保持板37が配置される点で異なる。フィルム35は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のPETフィルムであり、金属薄膜がアルミニウムなどの金属が蒸着によって設けられる。フィルム35は、光を透過する。
また、フィルム35の上方には、LED光源19からの光の光透過率が20〜30%の着色された保持板37が配置される。保持板37は、例えばアクリル板である。フィルム35は、保持板37に貼り付けられ、さらに、フィルム35が貼り付けられた保持板37が、天面5に貼り付けられる。なお、本実施形態では、天面開口部11の内部に、独立した天面遮蔽部13を形成することもできる。例えば、天面遮蔽部13に対応する部位のフィルム35の下面側に、マイクロ発泡樹脂製の反射板を貼り付ければよい。
図10(a)は、LED光源19を消灯した状態のLED照明装置1aの平面図である。フィルム35と保持板37によって、天面5の天面開口部11が覆われているため、LED光源19を消灯した状態では、外部から天面開口部11の文字や図形を視認することができない。
なお、図示は省略するが、天面5(天面遮蔽部13)とフィルム35の間に、別途の黒色のフィルムを貼り付けてもよい。天面5が白色などの淡色である場合に、天面遮蔽部13が透けてしまうことを抑制することができる。このように、LED光源19を点灯しない状態において、フィルム35に設けられた金属薄膜が視認され、天面開口部11の形状を視認することができない。
図10(b)は、LED光源19を点灯した状態のLED照明装置1aの平面図である。LED光源19を点灯すると、導光空間21内で拡散反射した光の一部が、フィルム35と保持板37を透過する。このため、天面開口部11の形状(複数の図形や文字型)を視認することができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、天面開口部11が塞がれるため、天面開口部11から内部に異物が侵入することがない。また、LED光源19の消灯時には、天面開口部11の形態を視認できないが、LED光源19を点灯することで、天面開口部11の図形や文字型を浮かび上がらせることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図11は、LED照明装置1bの断面図である。LED照明装置1bはLED照明装置1とほぼ同様の構成であるが、外部枠体39が用いられる点で異なる。
LED照明装置1bは、LED照明装置1と外部枠体39とから構成される。外部枠体39は、略直方体であり、透明または半透明の部材である。すなわち、LED照明装置1bは、LED照明装置1が、光取出しが可能な透明の外部枠体39の内部に収納されることで構成される。
なお、外部枠体39の内部には、前述したLED照明装置1aを収納してもよい。また、外部枠体39は、内部に収容されるLED照明装置の形態に合わせて、側面の形状を底面に対して斜めに形成してもよく、側面と底面との境界に斜面を形成してもよい。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外部枠体39を用いることで、内部に異物が侵入することを防止することができる。また、枠体3の変形を防止し、枠体3を確実に保護することができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図12は、LED照明装置1cの断面図である。LED照明装置1cは、LED照明装置1とほぼ同様であるが、枠体3aが用いられる点で異なる。
枠体3aは、枠体3と同様に、底面7、天面5、底面7と天面5との外周を囲む4方の側面9a〜9dよりなる略直方体形状である。本実施形態では、枠体3aは、マイクロ発泡樹脂製ではなく、金属や樹脂などのより剛性を有する部材からなる。また、枠体3と同様に、天面5は、天面遮蔽部13と相互に離間した光取出し用の複数の天面開口部11とで形成される。
枠体3aの一方の側面9aの内面側にはLED光源19が配置される。LED光源19は、1つまたは複数個のLED素子を実装したLED基板41からなる。すなわち、LED光源19は、LED基板41に1つまたは所定間隔で複数実装されたものである。LED基板41は、例えばリジッドなガラエポ基板などである。また、LED基板41および図示を省略したLED基板の配線の、導光空間21に露出する表面は、マイクロ発泡樹脂製の反射板33で覆われる。すなわち、反射板33にはLED光源19の発光部の形状に合わせて1つまたは複数の切欠き部31bが設けられ、切欠き部31bからLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。
また、一方の側面9aと対向する他方の側面9bは、側面遮蔽部17と、1つ以上の側面開口部15とが形成される。また、枠体3aの内面は、天面開口部11および側面開口部15を塞がないように、マイクロ発泡樹脂製の反射板33aで覆われて、導光空間21が形成される。
天面開口部11および側面開口部15に対応した場所には、光透過部材47が各面に密着した状態で配置される。すなわち、天面5と側面9bの外面には、光透過部材47が配置される。
光透過部材47は、光を透過する部材であれば、いずれの構成でも良いが、望ましくは、図示したように、金属薄膜43と光透過板45とで構成される。金属薄膜43は、光を透過する程度に薄い箔である。金属薄膜43を使う場合、破れなどによって壊れやすいので、透明な光透過板45に貼り付けられて光透過部材47が構成される。なお、金属薄膜43は、光透過板45の内面側に貼り付けられてもよく、金属薄膜43を一対の光透過板45で挟み込んでもよい。
金属薄膜43は、透明なフィルムなどの基材に薄膜を成膜したフィルムを用いても良い。このように金属薄膜を成膜したフィルムとすることでハンドリングが容易となる。また、光透過部材47が、光を透過する着色フィルムと、これらを保持する光透過板45により構成されてもよい。
なお、金属薄膜43は、例えばアルミニウム薄膜であり、光透過板45は、例えばアクリル板である。また、光透過板45は、例えば、光透過率が20〜30%の乳化や着色されたアクリル板であってもよい。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、枠体3aが剛性のある金属や樹脂製であるため、枠体3aの変形を抑制することができる。また、枠体3aの内面は、マイクロ発泡樹脂製の反射板33aで覆われるため、導光空間21内で効率よく拡散反射をさせることができる。
また、光透過部材47を用いることで、導光空間21の内部に異物・液体が侵入することを防止することができる。
なお、LED基板41を枠体3aの一方の側面9aの外面側に配置してもよい。この場合、側面9aにはLED光源19の発光部の形状に合わせて1つまたは複数の切欠き部が設けられ、切欠き部からLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。このようにしても、同様の効果を得ることができる。
次に、本発明にかかるLED照明装置の使用例について説明する。本発明にかかるLED照明装置は、例えば、自動車ドア枠用の照明装置や、室内装飾用照明装置として特に適している。
図13は、LED照明装置1aが自動車のドアフレーム下部に取り付けられた例を示す。LED照明装置1aは、天面側を上面に向けて、ドアフレーム下部のステップ近傍に配置される。すなわち、天面開口部11は、上方に向けて配置される。また、側面開口部15は、自動車の外側に向けて配置される。
前述した様に、LED照明装置1aを消灯した状態では、天面開口部11の形状は視認できない。このため、LED照明装置1aの保持板37は、自動車の内装材の一部として視認される。
一方、LED照明装置1aを点灯すると、ステップにおいて、天面開口部11の形状に応じた図解や文字が浮かび上がる。このため、自動車の加飾用の照明として利用することができる。また、同時に、側面開口部15からも光が出射する。側面開口部15から出た光は、自動車のステップ下の足下を照らす。このため、利用者に、自動車のステップの位置や段差があることを認識させることができる。
また、図14は、LED照明装置1aを自動車のドアフレーム下部に取り付けた他の例を示す。コの実施形態では、LED照明装置1aは、天面側を上面に向けて、ドアフレーム下部のステップ近傍に配置される。また、側面開口部15は、自動車の内側に向けて配置される。
本実施形態でも、LED照明装置1aを消灯した状態では、天面開口部11の形状は視認できない。このため、LED照明装置1aの保持板37は、自動車の内装材の一部として視認される。
一方、LED照明装置1aを点灯すると、ステップにおいて、天面開口部11の形状に応じた図解や文字が浮かび上がる。このため、自動車の加飾用の照明として利用することができる。また、同時に、側面開口部15からも光が出射する。側面開口部15から出た光は、自動車の室内の足下を照らす。このため、利用者に、自動車のステップの位置や段差があることを認識させることができる。
なお、図示した例では、LED照明装置1aの例を示したが、LED照明装置1a以外のLED照明装置も当然に適用可能である。また、LED照明装置は、他の部位や他の使用方法で利用することができることは言うまでもない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、前述した各実施形態同士は互いに組み合わせることができることは言うまでもない。