JP2017014479A - 無機粒子含有組成物、塗膜、塗膜付きプラスチック基材、および表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、タッチパネル表示装置では、表示部にITO電極が設けられる。表示部にITO電極を設けるには、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の光透過性の基材の一面に屈折率調整層を形成し、その屈折率調整層上にITO電極を形成し、基材、屈折率調整層およびITO電極を備えた積層体を作製する。次いで、ITO電極がタッチパネル表示装置の表示部側を向くようにして、OCR等を介して、その表示部に積層体を貼り合わせる。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の無機粒子含有組成物は、屈折率が1.9以上の無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を含む無機粒子含有組成物であって、前記成膜成分が、紫外線硬化型樹脂と、熱可塑性樹脂と、を含み、前記無機粒子の平均一次粒子径が3nm以上かつ40nm以下であり、前記成膜成分中における前記紫外線硬化型樹脂の含有量が50質量%以上である。
本実施形態における無機粒子は、屈折率が1.9以上である無機粒子であれば、特に限定されないが、例えば、ジルコニウム、亜鉛、鉄、銅、チタン、スズ、セリウム、タンタル、ニオブ、タングステン、ユーロピウムおよびハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属酸化物粒子が好適に用いられる。
無機粒子の平均一次粒子径が3nm以上であれば、無機粒子の結晶性が高く、目的とする屈折率が得られる。また、溶媒に無機粒子を分散したときに、無機粒子が凝集し難くなるため、透明性の高い分散液が得られる。また、無機粒子の比表面積が小さくなるため、分散液を得るために必要なケイ素化合物量が少なくなり、表面処理された無機粒子として十分な屈折率が得られる。一方、無機粒子の平均一次粒子径が40nm以下であれば、溶媒に無機粒子を分散したときの分散粒径が小さくなり、透明性の高い分散液が得られる。
無機粒子の比表面積が大きい程、表面処理に必要なケイ素化合物量が多くなり、表面処理した無機粒子の屈折率が低くなる結果、所望の屈折率の屈折率調整層を得るために無機粒子含有組成物中の無機粒子量を多くする必要があり、塗工性や無機粒子含有組成物の分散安定性が損なわれることがある。また、無機粒子の比表面積が小さい程、無機粒子の粒子径が大きいか、または、無機粒子がネッキング等の強凝集しているため、透明性の高い無機粒子含有組成物を得ることが困難となる。このため、無機粒子の比表面積は、上記範囲が好ましい。
R’nSi(OR)m・・・(1)
(但し、Rは水素原子またはアルキル基、R’は有機基、nおよびmは整数であり、n+m=4、0<n<4)
本実施形態におけるケイ素化合物は、上記一般式(1)で表わされる。すなわち、本実施形態におけるケイ素化合物は、シラノール基を有するか、または、加水分解によってシラノール基を生成する基を有する有機ケイ素化合物である。
上記一般式(1)におけるRは、水素原子または炭素原子数1〜22のアルキル基であることが好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよい。アルキル基が環状である場合、単環状および多環状のいずれでもよい。そして、アルキル基は、炭素原子数が1〜22であることが好ましいが、後述する溶媒への親和性がより高い化合物とするためには、炭素原子数が1以上かつ6以下であることがより好ましい。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基は、後述する溶媒への親和性の観点からは、炭素原子数が1以上かつ6以下であることがより好ましい。
環状のアルキル基は、後述する溶媒への親和性の観点からは、炭素原子数が3以上かつ6以下であることがさらに好ましい。
有機基は、重合性不飽和基を有する官能基であることが好ましい。重合性不飽和基としては、特に限定されないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基等が挙げられる。これらの重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
ウレタン結合と(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤を作製すると、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランと比較して、必然的に長鎖(分子量が大きい)のシランカップリング剤となる。また、ウレタン結合は、分子構造に靱性を付与することができる。そのため、このようなウレタン結合を有する長鎖のシランカップリング剤を用いることで、塗膜硬化時の膜収縮が緩和され、柔軟な膜になりやすいため、結果として、塗膜において、紫外線による密着性等の特性劣化が起きにくいと推定される。
(RO)3−Si−Xo−NHCOO−Xp−Yq−Xr−O−Z・・・(2)
(但し、Rは水素原子またはアルキル基、Xは直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、Yは環状のアルキル基、Zは(メタ)アクリロイル基、oとpは1以上の整数、qとrは0以上の整数である。)
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であるXは、上記一般式(1)における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と同一であるため、説明を省略する。上記一般式(2)におけるXは直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
環状のアルキル基であるYは、上記一般式(1)における環状のアルキル基と同一であるため、説明を省略する。
oは特に限定されないが、例えば、1〜22のものを好適に使用することができ、1〜5のものをより好適に使用することができ、1〜3のものをさらに好適に使用することができる。
pは特に限定されないが、例えば、1〜22のものを好適に使用することができ、1〜10のものをより好適に使用することができ、1〜5のものをさらに好適に使用することができる。
qは特に限定されないが、例えば、0〜5のものを好適に使用することができ、0〜3のものをより好適に使用することができ、0〜2のものをより好適に使用することができる。
rはq=0のときは0である。rが1以上の場合には特に限定されないが、例えば、1〜22のものを好適に使用することができ、1〜4のものをより好適に使用することができ、1〜2のものをさらに好適に使用することができる。
o+p+rは2〜22となるように調整することが好ましく、3〜10となるように調整することがより好ましく、4〜8となるように調整することがさらに好ましい。
本実施形態における溶媒は、無機粒子の凝集が抑制され、成膜成分と混合できるものであれば特に限定されない。例えば、溶解度パラメーター(SP値)が8.0以上かつ12以下であり、水への溶解度が1.5g/100ml以上である有機溶媒を70質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましい。
有機溶媒の含有量が70質量%以上であれば、本実施形態の無機粒子含有組成物を用いて塗膜を形成する際や、本実施形態の無機粒子含有組成物から溶媒を除去する際に無機粒子が凝集することが抑制され、ゲル化することが抑制される。また、ケイ素化合物の加水分解に必要な水分を溶解できる。また、本実施形態の無機粒子含有組成物を塗料として用いて塗膜を形成する際や、その塗料(無機粒子含有組成物)から溶媒を除去する際に適度な揮発速度が得られ、無機粒子が偏析することがない。
また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、上記範囲であれば、本実施形態の無機粒子含有組成物と、上記樹脂との極性の差が小さくなり、透明な無機粒子含有組成物が得られる。また、本実施形態の無機粒子含有組成物を塗料として用いて塗膜を形成する際や、その塗料(無機粒子含有組成物)から溶媒を除去する際に無機粒子が凝集することが抑制され、ゲル化することも抑制される。
有機溶媒の沸点が、80℃以上であれば、本実施形態の無機粒子含有組成物を塗料として用いて塗膜を形成する際や、その塗料(無機粒子含有組成物)から溶媒を除去する際に適度な揮発速度が得られ、無機粒子が偏析することが抑制される。
有機溶媒は、溶解度パラメーターが8.0以上かつ12以下であり、水への溶解度が1.5g/100ml以上である溶媒を単独で用いてもよいし、2種以上を混合した混合溶媒であってもよい。
本実施形態における成膜成分は、紫外線硬化型樹脂と、熱可塑性樹脂と、を含む。
本実施形態における紫外線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂のモノマー、紫外線硬化型樹脂のオリゴマーおよび紫外線硬化型樹脂のポリマーを用いることができる。
紫外線硬化型樹脂のモノマーとしては、例えば、1官能アクリレート、2官能アクリレート、3官能アクリレート、4−6官能アクリレート等のラジカル重合系モノマーや、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のカチオン重合系モノマーが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂のオリゴマー、紫外線硬化型樹脂のポリマーとしては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、共重合系アクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコンアクリレート、アミノ樹脂アクリレート等のラジカル重合系オリゴマー、ポリマーや、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のカチオン重合系オリゴマー、ポリマーが挙げられる。
耐擦傷性、耐摩耗性が必要とされる用途には、ジペンタリストルヘキサアクリレート等のラジカル重合系多官能モノマーが好適に用いられる。
これらの紫外線硬化型樹脂のモノマー、紫外線硬化型樹脂のオリゴマーおよび紫外線硬化型樹脂のポリマーは単独で用いることもでき、必要とされる機能に併せて2種以上を混合して用いることもできる。
多官能モノマーのアクリロイル基、メタクリロイル基以外の官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アリルエーテル基、スチリル基、水酸基等が挙げられる。
成膜成分中における紫外線硬化型樹脂の含有量が50質量%以上であれば、無機粒子含有樹脂組成物が紫外線硬化性を示すため好ましい。成膜成分中における紫外線硬化型樹脂の含有率が90質量%を超えると、熱可塑性樹脂の含有率が低くなる結果、本発明の効果(耐紫外線性)が得られなくなることがあるからである。
本実施形態における熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン化アルキド樹脂、酢ビ/アクリル樹脂、スチレン変性アクリル樹脂、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、スチレンアクリル樹脂エマルジョン(エマルション以下同様)、アクリル樹脂エマルジョン等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の含有量が20質量%以上であれば、本発明の効果(耐紫外線性)を十分に得ることができるため好ましい。
無機粒子の含有量を上記範囲に調整することで、屈折率が高く、組成物の経時安定性および塗膜の成膜性に優れた組成物を得ることができる。
α=π・D/λ・・・(3)
但し、上記式(3)において、αは粒径パラメーター、Dは無機粒子の分散粒径、λは光の波長である。
よって、可視光領域(波長400nm〜800nm)では、無機粒子の分散粒径が約50nmを超えると、レイリー散乱ではなく、より散乱強度の高いミー散乱となる。散乱強度は、無機粒子の分散粒径だけでなく、無機粒子の屈折率にも依存するため、特に、屈折率が1.9以上の無機粒子を含む無機粒子含有組成物の透明性を高くするためには、無機粒子の分散粒径を略50nm以下に保持することが重要となる。
無機粒子含有組成物の粒度分布の累積堆積百分率が90%のときの粒径(D90)が60nm以下であれば、無機粒子含有組成物の透明性を高くすることができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、キノン系、ベンジルジメチルケタール系、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、フェニルフォスフィンオキサイド系等の公知の光重合開始剤が挙げられる。
無機粒子含有組成物の粘度が0.2mPa・s以上であれば、塗膜にした時の膜厚が薄くなりすぎず、膜厚の制御が容易であるため好ましい。一方、無機粒子含有組成物の粘度が500mPa・s以下であれば、粘度が高すぎず塗工時における無機粒子含有組成物の取扱いが容易となるため好ましい。
また、本実施形態の無機粒子含有組成物によれば、成膜成分が紫外線硬化型樹脂のみからなる従来の無機粒子含有組成物と比較しても、同等の耐擦傷性を有する塗膜を形成することができる。
本実施形態の無機粒子含有組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、無機粒子の懸濁液を調製した後、その懸濁液にケイ素化合物を添加して、無機粒子の表面処理反応を行って分散液を調製し、次いで、その分散液に成膜成分を添加して機械的に混合する方法、上記の無機粒子含有組成物の各成分を配合した後、機械的に混合する方法等が用いられる。
上記の無機粒子含有組成物の各成分を配合した後、機械的に混合する場合、ジルコニアビーズ等のメディアを用いたビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、ディスパー、撹拌機等が好適に用いられる。また、アミンや水を、無機粒子の表面処理反応の反応速度を調整するために、段階的にまたは連続的に添加することもできる。
本実施形態の塗膜は、本実施形態の無機粒子含有組成物を塗布して形成される。
本実施形態の塗膜の膜厚は、用途に応じて適宜調整されるが、通常0.01μm以上かつ20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上かつ10μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上かつ2μm以下であることがさらに好ましい。
塗膜を形成する塗工方法としては、例えば、バーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、グラビアコート法、吸上げ塗工法、はけ塗り法等、通常のウェットコート法が用いられる。
紫外線照射による硬化の場合、200nm〜500nmの波長帯域の紫外線を発生する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、200mJ/cm2〜300mJ/cm2のエネルギーにて、紫外線を照射する方法等が挙げられる。
本実施形態の塗膜によれば、本実施形態の無機粒子含有組成物を用いて形成されているため、耐擦傷性および耐紫外線性に優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の塗膜付きプラスチック基材は、樹脂材料を用いて形成された基材本体(プラスチック基材)と、基材本体の少なくとも一面に設けられた本実施形態の塗膜と、を有する。
表示装置用途で用いる場合には、基材本体としては、光透過性を有するプラスチック基材を用いることが好ましい。
本実施形態の表示装置は、本実施形態の塗膜および本実施形態の塗膜付きプラスチック基材の少なくとも一方を備える。
表示装置は、特に限定されないが、本実施形態ではタッチパネル用の液晶表示装置について説明する。
タッチパネルはITO電極と透明基材(ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基材)との屈折率差が大きい場合には、ITO電極部分が見え易くなる、いわゆる骨見え現象が起こる。
そのため、屈折率が1.9以上の無機粒子を選択した本実施形態の塗膜を、透明基材とITO電極との間の層として設けることにより、透明基材とITO電極の屈折率差を緩和して、骨見え現象を抑制することができる。
本実施形態の塗膜および本実施形態の塗膜付きプラスチック基材の少なくとも一方をタッチパネルに設ける方法は、特に限定されない。公知の方法により実装すればよい。例えば、本実施形態の塗膜付きプラスチック基材の塗膜面に、ITO電極をパターニングし、配向膜、液晶層を積層した構造等が挙げられる。
「無機粒子含有組成物」
酸化ジルコニウム(IV)(平均一次粒子径12nm、住友大阪セメント社製)を40質量%、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−503、信越化学化学工業社製)を6.0質量%、アルキルジメチルアミン(アミン価140)を0.3質量%、水を0.8質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)を52.9質量%混合した後、ビーズミルを用いて、分散処理を行って、ケイ素化合物で表面処理されたジルコニア分散液を得た。
塗膜の屈折率が1.65となるように、得られたジルコニア分散液にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、アクリル樹脂(商品名:DL−967(成膜成分含有率45質量%)、DIC社製)、重合開始剤を混合して、実施例1の無機粒子含有組成物を得た。なお、成膜成分であるDPHAとアクリル樹脂を質量比で50:50となるように混合し、重合開始剤を成膜成分に対して5質量%となるように混合した。
得られた無機粒子含有組成物を50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥膜厚が1μmとなるようにバーコーティング法で塗布し、90℃ にて1分間加熱して乾燥させ、塗膜を形成した。
次いで、高圧水銀灯(120W/cm)を用い、塗膜に紫外線を250mJ/cm2のエネルギーとなるように露光し、塗膜を硬化させて、実施例1の塗膜付きプラスチック基材を得た。
「全光線透過率、ヘーズ値」
塗膜付きプラスチック基材の全光線透過率とヘーズ値を、空気を基準として、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色社製)を用い、日本工業規格:JIS−K−7136に基づいて測定した。全光線透過率とヘーズ値の測定には、作製した塗膜付きプラスチック基材から100mm×100mmの試験片を作製し、その試験片を用いた。結果を表1に示す。
塗膜付きプラスチック基材の耐擦傷性を評価した。
塗膜付きプラスチック基材の塗膜の表面に対して、#0000のスチールウールを250g/cm2の荷重を掛けて10往復摺動させた。スチールウールは、ラビングテスター(太平理化工業社製)に装着して、往復摺動させた。
スチールウールを往復摺動させた後の塗膜の表面を目視により観察し、次の基準で耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
評価結果がAであるものが良品であり、評価結果がBからEとなるに従い、耐擦傷性が低いことを示している。
A:傷0本
B:傷1−10本
C:傷11−20本
D:傷20−30本
E:傷31本以上
塗膜付きプラスチックフィルムの塗膜を、800mJ/cm2、1000mJ/cm2、2000mJ/cm2、2500mJ/cm2、3000mJ/cm2または6000mJ/cm2のそれぞれのエネルギーの紫外線で露光した。
露光後の塗膜付きプラスチックフィルムについて、日本工業規格:JIS−K−5600−5−6「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」に基づき密着性の評価を行った。ここでは、剥がれが生じていないものを「○」、剥がれが生じたものを「×」とした。結果を表2に示す。
「無機粒子含有組成物」
塗膜の屈折率が1.65となるように実施例1のジルコニア分散液に、ハイパーブランチ構造を有する多官能アクリレート(ハイパーブランチポリマー、商品名:SIRIUS−501(成膜成分含有率50質量%)と、V♯1000(成膜成分含有率100質量%)、大阪有機化学工業社製)、アクリル樹脂(商品名:DL−967(成膜成分含有率45質量%)、DIC社製)、重合開始剤を混合して、実施例2の無機粒子含有組成物を得た。なお、成膜成分であるハイパーブランチポリマーとアクリル樹脂は質量比で50:50となるように混合し、重合開始剤は成膜成分に対して5質量%となるように混合した。また、SIRIUS−501とV♯1000の配合比を、成膜成分の質量比で50:50とした。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表2に示す。
「無機粒子含有組成物」
ハイパーブランチポリマーSIRIUS−501とハイパーブランチポリマーV♯1000とアクリル樹脂DL−967の成膜成分の配合比を、質量比で30:30:40としたこと以外は実施例2と同様にして、実施例3の無機粒子含有組成物を得た。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表2に示す。
「無機粒子含有組成物」
ハイパーブランチポリマーSIRIUS−501とハイパーブランチポリマーV♯1000とアクリル樹脂DL−967の配合比を、成膜成分の質量比で40:40:20としたこと以外は実施例2と同様にして、実施例4の無機粒子含有組成物を得た。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表2に示す。
「無機粒子含有組成物」
塗膜の屈折率が1.65となるように、実施例1のジルコニア分散液にアクリル樹脂(商品名:EXP−1851(成膜成分含有率50質量%)、大日精化社製)、アクリル樹脂(商品名:DL−967(成膜成分含有率45質量%)、DIC社製)、重合開始剤を混合して、実施例5の無機粒子含有組成物を得た。なお、成膜成分であるEXP−1851とDL−967を、成膜成分の質量比で50:50となるように混合し、重合開始剤は成膜成分に対して5質量%となるように混合した。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表2に示す。
「無機粒子含有組成物」
塗膜の屈折率が1.65となるように、実施例1のジルコニア分散液に、ハイパーブランチ構造を有する多官能アクリレート(ハイパーブランチポリマー、V♯1000(成膜成分含有率100質量%)、大阪有機化学工業社製)、アクリル樹脂(商品名:EXP−1851(成膜成分含有率50質量%)、大日精化社製)、アクリル樹脂(商品名:DL−967(成膜成分含有率45質量%)、DIC社製)、重合開始剤を混合して、実施例6の無機粒子含有組成物を得た。なお、成膜成分であるV#1000と、EXP−1851と、DL−967は、成膜成分の質量比で25:25:50となるように混合し、重合開始剤は成膜成分に対して5質量%となるように混合した。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表2に示す。
「無機粒子含有組成物」
塗膜の屈折率が1.65となるように、実施例1のジルコニア分散液にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、重合開始剤を混合して、熱可塑性樹脂を含まない比較例1の無機粒子含有組成物を得た。なお、重合開始剤を成膜成分に対して5質量%となるように混合した。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表2に示す。
「無機粒子含有組成物」
塗膜の屈折率が1.65となるように、実施例1のジルコニア分散液にウレタン樹脂(EXP−142(成膜成分含有率55質量%)、大日精化社製)、重合開始剤を混合して、熱可塑性樹脂を含まない比較例2の無機粒子含有組成物を得た。なお、重合開始剤を成膜成分に対して5質量%となるように混合した。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表2に示す。
「ケイ素化合物の作製」
γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(商品名:Silquest A−link35、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を15質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(商品名:ライトエステルHOA(N)、共栄化学社製)を15質量部と、重合促進剤(オクチル酸ビスマス)(商品名:K−KAT 348、キングインダストリーズ社製)0.09質量部と、メチルイソブチルケトン69.91質量部とを混合し、60℃にて6時間反応させて、ウレタン結合とアクリロイル基を有する実施例7のシランカップリング剤を含む溶液を作製した。
得られたシランカップリング剤(分子量321(計算値))を含む溶液をフーリエ変換式赤外分光法(FT−IR)で確認した結果、N=C=O基とOH基が消失しており、反応が完了していることが確認された。
酸化ジルコニウム(IV)(平均一次粒子径12nm、住友大阪セメント社製)を40質量%、得られたシランカップリング剤を含む溶液を20質量%、アルキルジメチルアミン(アミン価140)を0.3質量%、水を0.8質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)を38.9質量%混合した後、ビーズミルを用いて、分散処理を行って、ケイ素化合物で表面処理されたジルコニア分散液を得た。
塗膜の屈折率が1.65となるように、得られたジルコニア分散液にアクリル樹脂(商品名:EXP−1851(成膜成分含有率50質量%)、大日精化社製)、アクリル樹脂(商品名:DL−967(成膜成分含有率45質量%)、DIC社製)、重合開始剤を混合して、実施例7の無機粒子含有組成物を得た。なお、成膜成分であるEXP−1851とDL−967を、成膜成分の質量比で50:50となるように混合し、重合開始剤は成膜成分に対して5質量%となるように混合した。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表3に示す。
塗膜付きプラスチックフィルムの塗膜に、6000mJ/cm2、8000mJ/cm2、1000mJ/cm2、12000mJ/cm2のそれぞれのエネルギーの紫外線で露光した。
露光後の塗膜付きプラスチックフィルムについて、日本工業規格:JIS−K−5600−5−6「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」に基づき密着性の評価を行った。ここでは、剥がれが生じていないものを「○」、剥がれが生じたものを「×」とした。結果を表4に示す。
「ケイ素化合物の作製」
2−ヒドロキシエチルアクリレートの替りに、4−ヒドロキシブチルアクリレート(商品名:4HBA、日本化成社製、分子量)を用いた以外は実施例7と同様にして、実施例8のシランカップリング剤を含む溶液作製した。
得られたシランカップリング剤(分子量349(計算値))を含む溶液をフーリエ変換式赤外分光法(FT−IR)で確認した結果、N=C=O基とOH基が消失しており、反応が完了していることが確認された。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表3に示す。
また、実施例7と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表4に示す。
「ケイ素化合物の作製」
2−ヒドロキシエチルアクリレートの替りに、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(商品名:CHDMMA、日本化成社製)を用いた以外は実施例7と同様にして、実施例9のシランカップリング剤を含む溶液を作製した。
得られたシランカップリング剤(分子量403(計算値))を含む溶液をフーリエ変換式赤外分光法(FT−IR)で確認した結果、N=C=O基とOH基が消失しており、反応が完了していることが確認された。
実施例1と同様にして塗膜を得て、全光線透過率、ヘーズ値および耐擦傷性を評価した。結果を表3に示す。
また、実施例7と同様にして、耐紫外線性を評価した。結果を表4に示す。
Claims (8)
- 屈折率が1.9以上の無機粒子と、溶媒と、成膜成分と、を含む無機粒子含有組成物であって、
前記成膜成分が、紫外線硬化型樹脂と、熱可塑性樹脂と、を含み、
前記無機粒子の平均一次粒子径が3nm以上かつ40nm以下であり、
前記成膜成分中における前記紫外線硬化型樹脂の含有量が50質量%以上であることを特徴とする無機粒子含有組成物。 - 前記成膜成分中の前記熱可塑性樹脂の含有量が20質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有組成物。
- 前記熱可塑性樹脂がアクリルポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の無機粒子含有組成物。
- 前記無機粒子が下記一般式(1)で表わされるケイ素化合物で表面処理されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機粒子含有組成物。
R’nSi(OR)m・・・(1)
(但し、Rは水素原子またはアルキル基、R’は有機基、nおよびmは整数であり、n+m=4、0<n<4) - 前記無機粒子がウレタン結合と(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機粒子含有組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の無機粒子含有組成物を塗布してなることを特徴とする塗膜。
- 請求項6に記載の塗膜を有することを特徴とする塗膜付きプラスチック基材。
- 請求項6に記載の塗膜および請求項7に記載の塗膜付きプラスチック基材の少なくとも一方を備えたことを特徴とする表示装置。
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