JP2003301133A - 塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜形成方法

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JP2003301133A
JP2003301133A JP2002108388A JP2002108388A JP2003301133A JP 2003301133 A JP2003301133 A JP 2003301133A JP 2002108388 A JP2002108388 A JP 2002108388A JP 2002108388 A JP2002108388 A JP 2002108388A JP 2003301133 A JP2003301133 A JP 2003301133A
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acid
coating composition
polymer
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JP2002108388A
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Takashi Irie
貴史 入江
Hiroto Yoneda
宏人 米田
Hisanori Tanabe
久記 田辺
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高水準の耐傷付き性を有する塗膜を形成する
ことができる塗料組成物及び塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 熱硬化性バインダー及び光硬化性バイン
ダーからなる塗料組成物であって、上記熱硬化性バイン
ダーは、ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
(1)、エポキシ基含有アクリル共重合体(2)、カル
ボキシル基含有ポリエステル重合体(3a)及びカルボ
キシル基含有アクリル重合体(3b)からなる群より選
択される少なくとも1つのカルボキシル基含有重合体
(3)、並びに、オニウム塩触媒(4)からなり、上記
光硬化性バインダーは、2個以上のα,β−不飽和カル
ボニル基を有する紫外線硬化性化合物(5)及び光重合
触媒(6)からなる塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料組成物及び塗
膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の上塗り塗料に用いられるバイ
ンダーとしては、水酸基含有重合体とメラミン樹脂硬化
剤とを組み合わせた熱硬化性重合体組成物を用いること
が一般的である。しかしながら、このようなメラミン樹
脂を硬化剤として用いることにより得られる硬化塗膜
は、耐酸性に劣るため、酸性雨により劣化され易く、外
観上の不具合を生じる。メラミン樹脂を硬化剤として用
いることにより得られる塗膜が耐酸性に劣るのはメラミ
ン樹脂中のトリアジン環に起因するので、メラミン樹脂
を硬化剤として用いる限り耐酸性に劣る欠点は解消され
ない。
【0003】このような欠点を解決するために、特開平
2−45577号公報及び特開平3−287650号公
報にはメラミン樹脂を使用しない熱硬化性バインダーを
使用する塗料組成物が記載されている。同様の塗料組成
物は、米国特許第2977334号、同第339910
9号及び同第3528935号にも開示されている。こ
のような塗料組成物はカルボン酸基とエポキシ基とを反
応させることにより生じるエステル結合を架橋点とする
ので、耐酸性は良好であり、自動車用上塗り塗膜として
充分な耐候性も有する。
【0004】しかし、このような自動車用上塗り塗料に
よって得られる塗膜は、耐擦り傷性に劣る場合がある。
このため、衣服、つめ、カバン等と塗膜とがこすれたと
きに傷を生じることがある。また、このような自動車用
上塗り塗料によって得られる塗膜は、外観が非常に優れ
たものであるため、少しの擦り傷でも目立ちやすい。こ
のため、塗膜の耐擦り傷性を向上させることが望まれて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑み、高水準の耐擦り傷性を有する塗膜を形成するこ
とができる塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜形成
方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性バイ
ンダー及び光硬化性バインダーからなる塗料組成物であ
って、上記熱硬化性バインダーは、ハーフエステル酸基
含有アクリル共重合体(1)、エポキシ基含有アクリル
共重合体(2)、カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3a)及びカルボキシル基含有アクリル重合体(3
b)からなる群より選択される少なくとも1つのカルボ
キシル基含有重合体(3)、並びに、オニウム塩触媒
(4)からなり、上記光硬化性バインダーは、2個以上
のα,β−不飽和カルボニル基を有する紫外線硬化性化
合物(5)及び光重合触媒(6)からなることを特徴と
する塗料組成物である。
【0007】上記紫外線硬化性化合物(5)は、上記熱
硬化性バインダーの固形分質量に対する含有量が20〜
80質量%であることが好ましい。
【0008】上記紫外線硬化性化合物(5)は、ポリオ
ールの(メタ)アクリル酸エステル、不飽和ポリエステ
ル重合体、エポキシ重合体(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリロイル基含有ウレタン化合物、α,
β−不飽和カルボニル基含有アクリル重合体、(メタ)
アクリロイル基含有ポリエーテル重合体及び(メタ)ア
クリロイル基含有シリコーンオリゴマーからなる群より
選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0009】上記オニウム塩触媒(4)は、テトラアル
キルアンモニウムカチオン、トリアルキルアラルキルア
ンモニウムカチオン、アルキルピリジニウムカチオン、
テトラアルキルホスホニウムカチオン及びトリアルキル
スルホニウムカチオンからなる群より選択されるカチオ
ン、並びに、フッ素イオンを除くハライドアニオン、一
塩基性カルボン酸、多塩基性カルボン酸、硝酸、スルホ
ン酸、硫酸、酸性硫酸エステル、亜硝酸、リン酸及び酸
性リン酸エステルから誘導されるアニオンからなる群よ
り選択されるアニオンからなる塩であることが好まし
い。なお、本発明はクリヤー塗料組成物であってもよ
い。
【0010】本発明は、基材に対して塗料組成物を塗布
する工程(C)、塗膜を加熱することにより熱硬化性バ
インダーを硬化する工程(H)及び塗膜に紫外線を照射
することにより光硬化性バインダーを硬化する工程
(L)からなる塗膜形成方法であって、上記塗料組成物
は、上述した塗料組成物である塗膜形成方法でもある。
【0011】本発明は、被塗装物に、ベース塗料を塗布
してベース未硬化塗膜を得た後、上記ベース未硬化塗膜
に、上記クリヤー塗料組成物を塗布してクリヤー未硬化
塗膜を得た後、上記ベース未硬化塗膜及びクリヤー未硬
化塗膜に対して同時に加熱及び紫外線照射することによ
って硬化させることを特徴とする複層塗膜形成方法でも
ある。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明は、熱硬化性バインダー及び光硬化
性バインダーからなる塗料組成物である。熱硬化性バイ
ンダー及び光硬化性バインダーの双方を有することによ
って、より耐擦り傷性に優れた塗膜を形成することがで
きるものである。
【0013】上記熱硬化性バインダーは、ハーフエステ
ル酸基含有アクリル共重合体(1)、エポキシ基含有ア
クリル共重合体(2)、カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体(3a)及びカルボキシル基含有アクリル重合
体(3b)からなる群より選択される少なくとも1つの
カルボキシル基含有重合体(3)、並びに、オニウム塩
触媒(4)からなるものである。
【0014】上記(1)〜(3)の重合体及びオニウム
塩触媒(4)からなる熱硬化性バインダーの硬化システ
ムは、以下のようなものである。まず、加熱によりハー
フエステル酸基含有アクリル共重合体(1)中のカルボ
キシル基とカルボキシレート基とが反応してハーフエス
テル酸基含有アクリル共重合体(1)中に酸無水物基が
生成し、遊離のモノアルコールが生成する。上記モノア
ルコールは蒸発することにより系外へ除去される。ハー
フエステル酸基含有アクリル共重合体(1)中に生成し
た酸無水物基はエポキシ基含有アクリル共重合体(2)
中に含有される水酸基と反応することにより架橋点を形
成し、再度カルボキシル基を形成する。このカルボキシ
ル基はエポキシ基含有アクリル共重合体(2)中に存在
するエポキシ基と反応することにより架橋点を形成す
る。また、カルボキシル基含有重合体(3)中のカルボ
キシル基も、同様の反応機構によって、エポキシ基含有
アクリル共重合体(2)中に存在するエポキシ基と反応
することにより架橋点を形成する。このように、3種類
の重合体が相互に反応することにより硬化が進行して高
い架橋密度を提供することができる。
【0015】本発明の塗料組成物において使用する上記
ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体(1)は、酸
無水物基を水酸基によってハーフエステル化したハーフ
エステル酸基を分子中に有するアクリル共重合体であ
る。上記ハーフエステル酸基は、加熱によりカルボキシ
ル基とカルボキシレート基とが反応してハーフエステル
酸基含有アクリル共重合体中に酸無水物が生成するもの
でなければならない。上記ハーフエステル酸基含有アク
リル共重合体としては特に限定されず、例えば、酸無水
物基含有ラジカル重合性単量体(1−a)とその他のラ
ジカル重合性単量体(1−b)とからなる単量体組成物
を共重合させて共重合体を得た後、上記酸無水物基を低
分子量のアルコール系化合物によってハーフエステル化
することにより得られた共重合体(1−i)、ハーフエ
ステル酸基含有ラジカル重合性単量体(1−c)とその
他のラジカル重合性単量体(1−d)との共重合体(1
−ii)等を挙げることができる。
【0016】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1)は、上記熱硬化性バインダーに対して、下限
10質量%、上限70質量%の範囲内の割合で含まれる
ことが好ましい。10質量%未満であると、得られる塗
膜の耐擦り傷性が不充分となるという問題があり、70
質量%を超えると、塗膜の耐候性、耐水性が低下する
ため、好ましくない。上記下限はより好ましくは、15
質量%であり、更に好ましくは20質量%である。上記
上限はより好ましくは、50質量%であり、更に好まし
くは40質量%である。
【0017】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1−i)の重合に使用する酸無水物基含有ラジカ
ル重合性単量体(1−a)としては、酸無水物基を有す
るラジカル重合可能な単量体であれば特に限定されず、
例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラ
コン酸等を挙げることができる。
【0018】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1−i)の重合に使用するその他のラジカル重合
性単量体(1−b)としては特に限定されず、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸−n、i及びt−ブチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エ
ステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n、i及びt−
ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類;アクリルア
ミド、メタクリルアミド等のアミド類等を挙げることが
できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0019】上記酸無水物基含有ラジカル重合性単量体
(1−a)と上記その他のラジカル重合性単量体(1−
b)とにより共重合体を得る際の共重合組成において、
上記酸無水物基含有ラジカル重合性単量体(1−a)
は、単量体組成物の全質量に対し、下限10質量%、上
限40質量%の範囲内の割合で有することが好ましい。
上記下限は、15質量%であることがより好ましく、上
記上限は30質量%であることがより好ましい。
【0020】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1−i)の共重合方法としては特に限定されず、
例えば、通常のラジカル重合等の溶液重合等の方法を挙
げることができる。上記共重合体の数平均分子量(M
n)は、下限500、上限10000の範囲内であるこ
とが好ましい。上記下限は1000であることがより好
ましく、上記上限は8000であることがより好まし
い。上記数平均分子量(Mn)が500未満であると、
塗料の硬化性が充分でなく、10000を超えると、共
重合体の粘度が高くなり、高固形分の塗料になりにくい
ため好ましくない。なお、本明細書において、数平均分
子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフイー)で測定したポリスチレン換算の数平均分
子量である。
【0021】上記重合反応に使用するラジカル重合開始
剤としては特に限定されず、例えば、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ジメチル−2,2´
−アゾビスイソブチレート等を挙げることができる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記ラジカル重合開始剤は、上述した単量体の全量
に対して、下限3質量%、上限15質量%の割合で使用
するのが好ましい。上記共重合には、添加剤として連鎖
移動剤等を添加してもよい。
【0022】上記共重合体における上記酸無水物基は、
1分子中に少なくとも2個含有することが好ましい。2
個より少ないと、硬化性が充分でない欠点を有する。上
記酸無水物基は、好ましくは15個以下である。
【0023】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1−i)を得るためのハーフエステル化は、上記
共重合体を得た後に行う。上記酸無水物基を上記ハーフ
エステル化するために用いるハーフエステル化剤として
は、低分子量のアルコール系化合物であれば特に限定さ
れず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノ
ール、t−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエ
タノール、アセトール、アリルアルコール、プロパルギ
ルアルコール等を挙げることができる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのな
かでも、アセトール、アリルアルコール、プロパギルア
ルコール、メタノールがより好ましい。
【0024】上記ハーフエステル化の反応方法としては
特に限定されず、例えば、通常の方法に従い、室温から
120℃の温度で、触媒の存在下に行うことができる。
上記触媒としては特に限定されず、例えば、トリエチル
アミン、トリブチルアミン等の第3級アミン類;ベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチ
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニ
ウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミ
ド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0025】上記ハーフエステル化の反応においては、
酸無水物基と水酸基とのモル比が、下限1/10、上限
1/1となる割合で酸無水物基含有重合体とモノアルコ
ールとを反応させることが好ましい。1/10を下回る
と過剰のアルコールが多すぎて硬化時にワキの原因とな
る場合がある。1/1を上回ると未反応の無水物基が残
り、貯蔵安定性が悪くなる場合があるため、好ましくな
い。上記下限は、より好ましくは1/7、更に好ましく
は1/5である。上記上限は、より好ましくは1/1.
1、更に好ましくは1/1.3である。
【0026】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(1−ii)の重合に使用するハーフエステル酸基
含有ラジカル重合性単量体(1−c)としては特に限定
されず、例えば、酸無水物基含有ラジカル重合性単量体
(1−a)と上記低分子量のアルコール系化合物とのハ
ーフエステル化反応によって得られるもの等を挙げるこ
とができる。
【0027】上記ハーフエステル化反応は、上記重合体
(1−i)におけるハーフエステル化反応と同様の方法
によって行うことができる。上記化合物の反応は、水酸
基と酸無水物基とがモル比で、1/0.5〜1/1とな
る割合で行うことが好ましい。上記モル比において、酸
無水物基が1/0.5より少ない場合は、硬化不足とい
う問題が生じる場合があり、酸無水物基が1/1を上回
ると未反応の酸無水物基が残り、貯蔵安定性が悪くなる
場合がある。
【0028】上記ハーフエステル酸基含有ラジカル重合
性単量体(1−c)と、上記その他のラジカル重合性単
量体(1−d)との反応により共重合体を得る場合、上
記ハーフエステル酸基含有ラジカル重合性単量体(1−
c)は、重合に使用する単量体組成物中に、下限3質量
%、上限30質量%の範囲内の割合で有することが好ま
しい。上記下限は、5質量%であることがより好まし
く、上記上限は20質量%であることがより好ましい。
上記その他のラジカル重合性単量体(1−d)としては
特に限定されず、例えば、上記その他のラジカル重合性
単量体(1−b)として例示した単量体等を使用するこ
とができる。
【0029】上記共重合方法としては特に限定されず、
例えば、通常のラジカル重合等の溶液重合等の方法を挙
げることができる。上記共重合体の数平均分子量(M
n)は、下限500、上限10000の範囲内であるこ
とが好ましい。上記下限は1000であることがより好
ましく、上記上限は8000であることがより好まし
い。上記数平均分子量(Mn)が500未満であると、
塗料の硬化性が充分でない場合があり、10000を超
えると、共重合体の粘度が高くなり、高固形分の塗料に
なりにくい場合がある。上記重合反応に使用するラジカ
ル重合開始剤としては特に限定されず、例えば、上記重
合体(1−i)の重合において使用することができるラ
ジカル重合開始剤等を挙げることができる。
【0030】上記共重合体における上記酸無水物基は、
1分子中に少なくとも2個含有することが好ましい。2
個より少ないと、硬化性が充分でないという欠点を有す
る。上記酸無水物基は、好ましくは1分子中に15個以
下である。
【0031】上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)は、分子中にエポキシ基を有するアクリル重合体
であり、エポキシ基含有ラジカル重合性単量体(2−
a)、及び、その他のラジカル重合性単量体(2−b)
からなる単量体組成物を共重合させて得られる共重合体
である。
【0032】上記エポキシ基含有ラジカル重合性単量体
(2−a)としては特に限定されず、例えば、(メタ)
アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキサ
ニルメチルメタクリレート等を挙げることができる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良
い。
【0033】上記その他のラジカル重合性単量体(2−
b)としては特に限定されず、例えば、上記その他のラ
ジカル重合性単量体(1−b)に記載した単量体を使用
することができる。上記その他のラジカル重合性単量体
(2−b)は、水酸基含有ラジカル重合性単量体(2−
c)を有することが好ましい。上記水酸基含有ラジカル
重合性単量体(2−c)としては特に限定されず、例え
ば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、プラクセルF
M−1(商品名、ダイセル化学工業社製)、プラクセル
FA−1(商品名、ダイセル化学工業社製)等を挙げる
ことができる。上記水酸基含有ラジカル重合性単量体
(2−c)を有することによって、塗料組成物の硬化性
が良好となる。
【0034】上記共重合体の重合方法としては特に限定
されず、例えば、ラジカル重合等の溶液重合等の方法を
挙げることができる。上記共重合体の数平均分子量(M
n)は、下限500、上限10000の範囲内であるこ
とが好ましい。上記下限は、1000であることがより
好ましく、上記上限は、8000であることがより好ま
しい。上記数平均分子量(Mn)が500未満である
と、塗料の硬化性が充分でなく、10000を超える
と、共重合体の粘度が高くなり、高固形分の塗料になり
にくい。上記重合反応に使用するラジカル重合開始剤と
しては、上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
(1−i)の反応と同様のものを使用することができ
る。
【0035】上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)は、下限30質量%、上限70質量%の範囲内の
割合のエポキシ基含有ラジカル重合性単量体(2−
a)、及び、上限70質量%、下限30質量%の割合の
その他のラジカル重合性単量体(2−b)からなる単量
体組成物から得られることが好ましい。上記単量体組成
物は、上記水酸基含有ラジカル重合性単量体(2−c)
を下限10質量%、上限50質量部の範囲内の割合で有
することが好ましい。
【0036】上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)は、塗料組成物中に含まれる熱硬化性バインダー
に対して、下限10質量%、上限80質量%の割合で含
まれることが好ましい。上記範囲外であると、硬化性が
不充分になるという問題があるため、好ましくない。上
記下限は、より好ましくは20質量%であり、更に好ま
しくは、30質量%である。上記上限は、より好ましく
は70質量%であり、更に好ましくは65質量%であ
る。
【0037】上記カルボキシル基含有重合体(3)は、
分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有する重合
体であり、上記カルボキシル基含有重合体(3)は、カ
ルボキシル基含有ポリエステル重合体(3a)、カルボ
キシル基含有アクリル重合体(3b)からなる群より選
択される少なくとも1つの重合体である。
【0038】上記カルボキシル基含有重合体(3)とし
て使用されるカルボキシル基含有ポリエステル重合体
(3a)は、分子中にカルボキシル基を有するポリエス
テル重合体をいう。上記カルボキシル基は、酸無水物基
と水酸基との付加反応により生じたものであることがよ
り好ましい。
【0039】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3a)としては、低分子多価アルコール(3a−
a)にラクトン化合物(3a−b)を付加させて鎖延長
反応を行うことにより得られるポリエステルポリオール
と、酸無水物基含有化合物(3a−c)との付加反応に
より得られる重合体を使用することが好ましい。
【0040】上記反応によって得られたカルボキシル基
含有ポリエステル重合体(3a)は、分子量分布がシャ
ープであることから、本発明の塗料組成物の高固形分化
(ハイソリッド化)が可能となり、耐候性及び耐水性に
優れた塗膜が得られると同時に耐チッピング性と肌外観
の優れた塗膜となるため、好ましい。
【0041】上記低分子多価アルコール(3a−a)と
しては特に限定されず、例えば、1分子中に少なくとも
3個の水酸基を有するものが好ましく、トリメチロール
プロパン、トリメチロールエタン、1,2,4−ブタン
トリオール、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン等を挙
げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0042】上記ラクトン化合物(3a−b)は、上記
低分子多価アルコール化合物に対して開環付加反応を生
ずることができるラクトン化合物であれば特に限定され
ない。上記開環付加反応を起こし易いことから、上記ラ
クトン化合物(3a−b)は炭素数4〜7個であること
が好ましい。
【0043】上記ラクトン化合物(3a−b)としては
特に限定されず、例えば、ε−カプロラクトン、γ−カ
プロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクト
ン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、反応性等の点からε−カプロラクト
ンが更に好ましい。
【0044】上記鎖延長反応は、通常の開環付加反応と
同様の条件で行うことができる。例えば、適当な溶媒中
で、又は、無溶媒で、温度80〜200℃で5時間以内
反応させることにより上記低分子多価アルコール(3a
−a)が鎖延長された上記ポリエステルポリオールが得
られる。上記反応においては、スズ系触媒等を用いても
よい。
【0045】上記鎖延長反応の際、上記低分子多価アル
コール(3a−a)の水酸基と上記ラクトン化合物(3
a−b)との割合は、上記低分子多価アルコール(3a
−a)の水酸基のモル数に対して、上記ラクトン化合物
(3a−b)のモル数を、下限0.2、上限10の範囲
内であることが好ましい。上記割合が0.2未満である
と、塗膜が固くなって塗膜の耐衝撃性が低下し、10を
超えると、塗膜の硬度が低下する。上記下限は0.25
であることがより好ましく、0.3であることが更に好
ましい。上記上限は5であることがより好ましく、3で
あることが更に好ましい。
【0046】上記酸無水物基含有化合物(3a−c)と
しては特に限定されず、例えば、無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水コハク酸等を挙げることができる。上記酸無水
物基含有化合物(3a−c)は、炭素数8〜12個の化
合物であることがより好ましく、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸又は無水ト
リメリット酸であることが更に好ましい。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】上記ポリエステルポリオールと上記酸無水
物基含有化合物(3a−c)との付加反応の方法として
は特に限定されず、例えば、上記ハーフエステル酸基含
有アクリル共重合体(1−i)において行われるハーフ
エステル化と同様の反応条件で行うことができる。
【0048】上記付加反応においては、上記低分子多価
アルコール(3a−a)の水酸基に対する上記酸無水物
基含有化合物(3a−c)中の酸無水物基無水物基の数
が、モル比で、下限0.2、上限1.0の範囲内である
ことが好ましい。上記モル比が0.2未満であると、塗
料の硬化性が不足する場合がある。上記モル比の下限
は、0.5であることがより好ましく、上記モル比の上
限は、0.9であることがより好ましい。
【0049】上記ポリエステルポリオールの全ての水酸
基をカルボキシル基に変性する必要はなく、水酸基を残
してもよい。即ち、水酸基を有する上記カルボキシル基
含有ポリエステル重合体(3a)は、塗膜の表面にカル
ボキシル基と水酸基とを同時に提供するので、例えば、
リコートしたような場合、水酸基を有しない上記カルボ
キシル基含有ポリエステル重合体(3a)に比べて、優
れた密着性を提供することができる。
【0050】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3a)は、酸価が、下限50mgKOH/g、上限
350mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
酸価が50mgKOH/g未満であると、塗料の硬化性
が不足する場合があり、酸価が350mgKOH/gを
超えると、上記カルボキシル基含有ポリエステル重合体
(3a)の粘度が高くなりすぎ、高固形分の塗料になり
にくい場合がある。上記下限は、100mgKOH/g
であることがより好ましく、150mgKOH/gであ
ることが更に好ましい。上記上限は300mgKOH/
gであることがより好ましく、250mgKOH/gで
あることが更に好ましい。
【0051】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3a)は、数平均分子量(Mn)が、下限400、
上限3500の範囲内であることが好ましい。分子量が
400未満であると、塗料の硬化性が不足又は塗膜の耐
水性が低下することがあり、分子量が3500を超える
と、上記カルボキシル基含有ポリエステル重合体(3
a)の粘度が高くなりすぎて取扱いが困難となり、高固
形分の塗料になりにくい場合がある。上記下限は500
であることがより好ましく、700であることが更に好
ましい。上記上限は2500であることがより好まし
く、2000であることが更に好ましい。
【0052】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3a)は質量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)が1.8以下であることが好ましい。質量平均
分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.8を超え
ると、塗膜の耐水性又は耐候性が低下する場合がある。
上記質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は
1.5以下であることがより好ましく、1.35以下で
あることが更に好ましい。
【0053】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3a)が水酸基を有するものである場合、上記カル
ボキシル基含有ポリエステル重合体(3a)は、水酸基
価が150mgKOH/g以下であることが好ましい。
水酸基価が150mgKOH/gを超えると、塗膜の耐
水性が低下する場合がある。上記水酸基価は、好ましく
は5mgKOH/g以上であり、更に好ましくは10m
gKOH/gである。上記上限は、100mgKOH/
gであることが好ましく、より好ましくは80mgKO
H/gである。
【0054】上記カルボキシル基含有ポリエステル重合
体(3a)は、上記熱硬化性バインダーに対して、下限
5質量%、上限70質量%の割合で含まれることが好ま
しい。5質量%未満であると、高固形分の塗料になりに
くく、70質量%を超えると、塗膜の耐候性が低下する
ため、好ましくない。上記下限はより好ましくは、10
質量%であり、更に好ましくは15質量%である。上記
上限は、より好ましくは50質量%であり、更に好まし
くは40質量%である。
【0055】上記カルボキシル基含有アクリル重合体
(3b)は、少なくとも1つのカルボキシル基を有する
重合体である。上記カルボキシル基含有アクリル重合体
(3b)としては、特に限定されず、例えば、(メタ)
アクリル酸、等のカルボン酸基を有するラジカル重合性
単量体(3b−a)及びその他のラジカル重合性単量体
(3b−b)からなる単量体組成物を共重合させて得ら
れる共重合体等を挙げることができる。
【0056】上記その他のラジカル重合性単量体(3b
−b)としては、特に限定されず、例えば、上記その他
のラジカル重合性単量体(1−b)に記載した単量体を
使用することができる。上記カルボキシル基含有アクリ
ル共重合体(3b)は、下限10質量%、上限70質量
%の範囲内の割合のカルボキシル基含有ラジカル重合性
単量体(3b−a)、及び、上限90質量%、下限30
質量%の割合のその他のラジカル重合性単量体(3b−
b)からなる単量体組成物から得られることが好まし
い。
【0057】上記カルボキシル基は、酸無水物基及び水
酸基の付加反応により生じたものであってもよい。な
お、この場合、上記カルボキシル基含有アクリル重合体
(3b)中のカルボキシル基は、酸無水物基及び水酸基
の付加反応によって生じるものである点で、上記ハーフ
エステル酸基含有アクリル共重合体(1)におけるハー
フエステル酸基と類似するが、硬化反応時に加熱しても
酸無水物基を生成しない点で上記ハーフエステル酸基含
有アクリル共重合体(1)とは相違するものである。
【0058】上記カルボキシル基含有アクリル重合体
(3b)としては、例えば、水酸基を有するラジカル重
合性単量体(3b−c)と酸無水物基含有化合物(3b
−d)との付加反応によって得られるカルボキシル基含
有ラジカル重合性単量体(3b−e)、及び、その他の
単量体(3b−f)からなる単量体組成物を重合させる
ことによって得られる共重合アクリル重合体等を挙げる
ことができる。
【0059】上記水酸基を有するラジカル重合性単量体
(3b−c)としては、例えば、上記エポキシ基含有ア
クリル共重合体の水酸基含有ラジカル重合性単量体(2
−c)として使用することができる単量体を使用するこ
とができる。
【0060】上記酸無水物基含有化合物(3b−b)と
しては特に限定されず、例えば、無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水コハク酸等を挙げることができる。上記酸無水
物基含有化合物(3b−d)は、炭素数8〜12個の化
合物であることがより好ましく、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸又は無水ト
リメリット酸であることが更に好ましい。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0061】上記付加反応は、上記重合体におけるハー
フエステル化反応と同様の方法によって行うことができ
る。上記化合物の反応は、水酸基と酸無水物基とがモル
比で、1/0.5〜1/1となる割合で行うことが好ま
しい。上記モル比において酸無水物基が1/0.5より
少ない場合は、硬化不足という問題が生じ、酸無水物基
が1/1を上回ると未反応の酸無水物基が残り、貯蔵安
定性が悪くなる。
【0062】上記その他のラジカル重合性単量体(3b
−f)としては特に限定されず、例えば、上記ハーフエ
ステル酸基含有アクリル共重合体(1−i)の重合に使
用することができるその他のラジカル重合性単量体(1
−b)として例示した単量体等を挙げることができる。
【0063】上記カルボキシル酸基含有ラジカル重合性
単量体(3b−e)と、上記その他のラジカル重合性単
量体(3b−f)との反応により共重合体を得る場合、
カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(3b−e)
は、全単量体質量に対し、下限10質量%、上限40質
量%の範囲内の割合で有することが好ましい。上記下限
は、15質量%であることがより好ましく、上記上限は
35質量%であることがより好ましい。
【0064】上記共重合方法としては特に限定されず、
例えば、通常のラジカル重合等の溶液重合等の方法を挙
げることができる。上記共重合体の数平均分子量(M
n)は、下限500、上限10000の範囲内であるこ
とが好ましい。上記下限は1000であることがより好
ましく、上記上限は8000であることがより好まし
い。上記数平均分子量(Mn)が500未満であると、
塗料の硬化性が充分でなく、10000を超えると、共
重合体の粘度が高くなり、高固形分の塗料になりにく
い。上記重合反応に使用するラジカル重合開始剤として
は特に限定されず、例えば、上記重合体(1−i)の重
合において使用することができるラジカル重合開始剤と
して例示した化合物等を挙げることができる。
【0065】上記カルボキシル基含有アクリル共重合体
(3b)は、カルボキシル基を1分子中に少なくとも2
個含有することが好ましい。2個より少ないと、硬化性
が充分でない場合がある。好ましくは15個以下であ
る。
【0066】上記カルボキシル基含有アクリル重合体
(3b)は、上記熱硬化性バインダーに対して、下限5
質量%、上限50質量%の割合で含まれることが好まし
い。5質量%未満であると、高固形分の塗料になりにく
く、50質量%を超えると、塗膜の耐候性が低下するた
め、好ましくない。上記下限はより好ましくは、10質
量%である。上記上限はより好ましくは、40質量%で
あり、更に好ましくは30質量%である。
【0067】上記熱硬化性バインダーは、[上記エポキ
シ基含有アクリル共重合体(2)のエポキシ基総数]/
[上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体(1)
及び上記カルボキシル基含有重合体(3)のハーフエス
テル化された酸無水物基及びカルボキシル基総数]が、
下限0.5、上限1.5の範囲内であることが好まし
い。上記エポキシ基含有アクリル共重合体(2)のエポ
キシ基総数割合の下限は、0.6であることがより好ま
しく、上記エポキシ基含有アクリル共重合体(2)のエ
ポキシ基総数割合の上限は、1.3であるのがより好ま
しい。また、[上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)の水酸基総数]/[上記ハーフエステル酸基含有
アクリル共重合体(1)のハーフエステル化された酸無
水物基総数]は、下限0.1、上限1.5の範囲内であ
ることが好ましい。上記エポキシ基含有アクリル共重合
体(2)の水酸基総数割合の下限は、0.3であること
がより好ましく、上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(2)の水酸基総数割合の上限は、1.2であることが
より好ましい。
【0068】上記比を与える上記エポキシ基含有アクリ
ル共重合体(2)の配合量は、例えば、上記ハーフエス
テル酸基含有アクリル共重合体(1)及び上記カルボキ
シル基含有重合体(3)の合計100質量部に対し、下
限50質量部、上限250質量部の範囲内であることが
好ましい。上記下限は、80質量部であることがより好
ましく、上記上限は、150質量部であることがより好
ましい。上記エポキシ基含有アクリル共重合体(2)の
配合量が50質量部未満であると、充分な塗膜硬化が行
われず、硬化塗膜の耐水性、耐候性等が低下することが
あり、250質量部を超えると、未反応のカルボキシル
基が残存して耐薬品性が低下することがある。
【0069】上記オニウム塩触媒(4)は、アンモニウ
ム、ピリジニウム、スルホニウム、ホスホニウム等のオ
ニウムカチオンの塩である。上記オニウム塩触媒(4)
を含有することによって、上記熱硬化性バインダーの硬
化性が良好となるため好ましい。上記オニウム塩触媒
(4)が有するカチオン部としては特に限定されず、例
えば、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラメチ
ルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウム
カチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テト
ラオクチルアンモニウムカチオン、テトラデシルアンモ
ニウムカチオン、テトラヘキサデシルアンモニウムカチ
オン、トリエチルヘキシルアンモニウムカチオン、メチ
ルトリオクチルアンモニウムカチオン、セチルトリメチ
ルアンモニウムカチオン、2−クロロエチルトリメチル
アンモニウムカチオン等のテトラアルキルアンモニウム
カチオン;2−ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニ
ウム(コリン)カチオン等のトリアルキルアラルキルア
ンモニウムカチオン;メチルピリジニウムカチオン等の
アルキルピリジニウムカチオン;テトラブチルホスホニ
ウムカチオン等のテトラアルキルホスホニウムカチオ
ン;トリメチルスルホニウムカチオン等のトリアルキル
スルホニウムカチオン等を挙げることができる。様々な
種類を工業的に入手することができるテトラアルキルア
ンモニウムカチオン、アルキルピリジニウムカチオンで
あることが好ましい。
【0070】上記オニウム塩触媒(4)の有するアニオ
ン部としては特に限定されず、例えば、クロライドアニ
オン、ブロマイドアニオン、アイオダイドアニオン等の
フッ素アニオンを除くハライドアニオン;安息香酸、サ
リチル酸等の一塩基性カルボン酸から誘導されるアニオ
ン;マレイン酸、フタル酸、マロン酸、シュウ酸、コハ
ク酸、アジピン酸等の多塩基性カルボン酸から誘導され
るアニオン;硝酸アニオン;メタンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のス
ルホン酸から誘導されるアニオン;硫酸アニオン;メト
硫酸等の酸性硫酸エステルから誘導されるアニオン;亜
硝酸アニオン;リン酸アニオン;リン酸ジ−t−ブチル
アニオン等の酸性リン酸エステルから誘導されるアニオ
ン等を挙げることができる。硬化性の観点から、上記ハ
ライドアニオンやカルボキシレートアニオンであること
が好ましい。
【0071】上記カチオン及び上記アニオンからなるオ
ニウム塩触媒(4)としては、例えば、テトラブチルア
ンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロ
マイド、ジエチルジブチルアンモニウムクロライド、オ
クチルトリメチルブロマイド、ジオクチルジメチルアン
モニウムサリチレート、ベンジルラウリルジメチルアン
モニウムクロライド、2−ヒドロキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムク
ロライド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テト
ラブチルホスホニウムクロライド、トリメチルスルホニ
ウムクロライド等を挙げることができる。
【0072】上記オニウム塩触媒(4)としては、分子
内にオニウム塩を有するアクリル系単量体(4−a)と
その他のラジカル重合性単量体(4−b)との共重合に
よって得られるオニウム塩を有する重合体も挙げること
もできる。上記オニウム塩を有するアクリル系単量体
(4−a)としては、例えば、2−(メタクリロイルオ
キシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−
(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウ
ムブロマイド等の第4級化アミノアルキル(メタ)アク
リレート;メタクリロイルアミノプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピル
トリメチルアンモニウムブロマイド等の第4級化アミノ
アルキル(メタ)アクリルアミド;テトラブチルアンモ
ニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアン
モニウム(メタ)アクリレート等の第4級アンモニウム
(メタ)アクリレート;メタクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウムジメチルホスフェート等の第4級
ホスフィノアルキル(メタ)アクリレート;トリオクチ
ル(4−ビニルベンジル)ホスホニウムクロライド、ト
リ−n−ブチル(2−メタクリロイルオキシエチル)ホ
スホニウムクロライド、2−アシッドホスホキシエチル
メタクリレートジテトラブチルアンモニウム塩、トリ−
n−ブチルメタクリロイルオキシエチルホスホニウムク
ロライド、トリ−n−オクチル−4−ビニルベンジルホ
スホニウムクロライド等の第4級ホスホニウム(メタ)
アクリレート等を挙げることができる。
【0073】上記その他のラジカル重合性単量体(4−
b)としては特に限定されず、例えば、上記ハーフエス
テル酸基含有アクリル共重合体の重合に使用するその他
のラジカル重合性単量体(1−b)として例示した単量
体等を挙げることができる。
【0074】上記オニウム塩触媒(4)は、上記化合物
を単独で使用するものであっても、2以上の任意の成分
を併用して使用するものであってもよい。上記オニウム
塩触媒(4)は、熱硬化性バインダー中の重合体成分の
固形分質量に対して、下限0.01質量%、上限10質
量%の範囲内で配合することが好ましい。0.01質量
%未満であると、充分な硬化性が得られない場合があ
る。10質量%を超えて配合しても、効果は良好になら
ない。上記下限は、0.05質量%であることがより好
ましく、上記上限は、5質量%であることがより好まし
い。
【0075】上記熱硬化性バインダーは、上記オニウム
塩触媒(4)と併用してスズ系の触媒を配合するもので
あってもよい。上記スズ系の触媒を配合することによっ
て、上記熱硬化性バインダーの硬化を促進することがで
きる。上記スズ系の触媒としては特に限定されず、例え
ば、ジメチルスズビス(メチルマレート)、ジメチルスズ
ビス(エチルマレート)、ジメチルスズビス(ブチルマレ
ート)、ジブチルスズビス(ブチルマレート)、ジブチル
スズビス(ドデシルベンゼンスルホネート)等を挙げるこ
とができる。上記スズ触媒の配合量は、上記熱硬化性バ
インダーに対し、下限0.1質量%、上限3.0質量%
の範囲内であることが好ましい。
【0076】上記光硬化性バインダーは、2個以上の
α,β−不飽和カルボニル基を有する紫外線硬化性化合
物(5)及び光重合触媒(6)からなるものである。上
記光重合触媒(6)存在下で、上記紫外線硬化性化合物
(5)中の不飽和結合が反応することによって硬化を生
ずるものである。
【0077】上記紫外線硬化性化合物(5)は、1分子
当たり2個以上のα,β−不飽和カルボニル基を有する
化合物である。上記α,β−不飽和カルボニル基は、カ
ルボニル基に対するα炭素及びβ炭素の間に二重結合が
ある官能基であり、例えば、メタクリレート基、アクリ
レート基、マレエート基、フマレート基等を挙げること
ができる。上記α,β−不飽和カルボニル基を1個しか
有さない場合は、充分な紫外線硬化性を示さない点で好
ましくない。上記α,β−不飽和カルボニル基は、一分
子当たり10個以下であることが好ましく、6個以下で
あることがもっとも好ましい。
【0078】上記紫外線硬化性化合物(5)としては特
に限定されず、例えば、ポリオールの(メタ)アクリル
酸エステル、フマル酸やマレイン酸等のα,β−不飽和
ジカルボン酸を酸成分として含む不飽和ポリエステル重
合体、エポキシ重合体(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリロイル基含有ウレタン化合物、α,β−
不飽和カルボニル基含有アクリル重合体、(メタ)アク
リロイル基含有ポリエーテル重合体及び(メタ)アクリ
ロイル基含有シリコーンオリゴマー等を挙げることがで
きる。
【0079】上記ポリオールの(メタ)アクリル酸エス
テルは、2以上の水酸基を有するポリオールとアクリル
酸とのエステルである。上記2以上の水酸基を有する化
合物は、低分子量化合物であっても重合体であってもよ
い。上記ポリオールの(メタ)アクリル酸エステルとし
ては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、1,4−シクロヘキシルジメタノー
ルジ(メタ)アクリレート、4,4’−イソプロピリデ
ンジシクロヘキサノールジ(メタ)アクリレート、ビス
(ヒドロキシメチル)トリシクロ〔5,2,1,0〕デ
カンジ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリス(2
−ヒドロキシエチル)シアヌル酸トリ(メタ)アクリレ
ート等の低分子量ポリオールの(メタ)アクリル酸エス
テル;水酸基を有するアクリル重合体の(メタ)アクリ
ル酸エステル、ポリエステルポリオールの(メタ)アク
リル酸エステル、ポリエーテルポリオールの(メタ)ア
クリル酸エステル、エポキシポリオールの(メタ)アク
リル酸エステル、ポリウレタンポリオールの(メタ)ア
クリル酸エステル及びシリコーンポリオールのポリ(メ
タ)アクリル酸エステル等の水酸基含有重合体の(メ
タ)アクリル酸エステルを挙げることができる。本明細
書中(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタ
アクリレートを指す。
【0080】上記不飽和ポリエステル重合体としては特
に限定されず、例えば、無水マレイン酸、フマル酸等の
α,β−不飽和ジカルボン酸及び必要に応じて使用する
その他の多価カルボン酸からなる酸成分と、水酸基を2
以上有するポリオールとの重縮合により得られる重合体
等を挙げることができる。
【0081】上記不飽和ポリエステル重合体に使用する
ポリオールとしては特に限定されず、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、4,4´−イソプロピリデ
ンジシクロヘキサノール、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ〔5,2,1,0〕デカン、1,3,5−トリ
ス(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸、イソプロピリ
デンビス(3,4−シクロヘキサンジオール)並びにこ
れらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及び
/又はカプロラクトン等の付加物等を挙げることができ
る。
【0082】上記不飽和ポリエステル重合体に使用する
ことができるその他の多価カルボン酸としては特に限定
されず、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コ
ハク酸、ドデセニルコハク酸、シクロヘキサン−1,4
−ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0083】上記エポキシ重合体(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては、例えば、ビスフェノール型、ノボラッ
ク型等のエポキシ重合体と(メタ)アクリル酸との開環
付加反応によって得られる重合体等を挙げることができ
る。
【0084】上記(メタ)アクロイル基含有ウレタン化
合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイ
ソシアネート化合物又はそのウレタンプレポリマーと2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加反応
によって得られる化合物等を挙げることができる。
【0085】上記α,β−不飽和カルボニル基含有アク
リル重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリ
シジルを共重合したアクリル重合体に(メタ)アクリル
酸を反応させることによって得られる(メタ)アクリレ
ート基を側鎖に有するアクリル重合体;カルボキシル基
含有アクリル重合体にグリシジル(メタ)アクリレート
等エポキシ基含有アクリル系単量体を反応させることに
よって得られる(メタ)アクリレート基を側鎖に有する
アクリル重合体等を挙げることができる。
【0086】上記(メタ)アクリロイル基含有ポリエー
テル重合体としては、例えば、末端に水酸基を有するポ
リエーテルに、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
イソシアネートを反応させて得られる化合物等を挙げる
ことができる。
【0087】上記(メタ)アクリロイル基含有シリコー
ンオリゴマーとしては、例えば、両末端に3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピル基を有するポリオルガノシ
ロキサン等を挙げることができる。
【0088】なお、上記紫外線硬化性化合物(5)は、
α,β−不飽和カルボニル基の他に、水酸基等を複数個
有するものであってもよい。上記紫外線硬化性化合物
(5)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0089】本発明の塗料組成物に含まれる紫外線硬化
性化合物(5)としては、工業的な入手が容易であるこ
とから、ポリオールの(メタ)アクリル酸エステルであ
ることが好ましい。
【0090】本発明の塗料組成物に含まれる紫外線硬化
性化合物(5)の数平均分子量(Mn)は、下限20
0、上限10000の範囲内であることが好ましい。上
記数平均分子量(Mn)が200未満である場合、加熱
硬化時の揮散、塗膜の硬度の低下、塗料の硬化性の低下
によって塗膜の耐溶剤性、耐水性や耐候性が低下する場
合がある。上記数平均分子量(Mn)が10000を超
える場合、紫外線硬化性化合物(5)自体の粘度が高く
なり、塗布する際の希釈された塗料中の有機溶剤の含有
量が多量になる場合がある。上記下限は、300である
ことがより好ましい。上記上限は、3000であること
がより好ましい。
【0091】上記紫外線硬化性化合物(5)の二重結合
当量は、下限100、上限1500の範囲内であること
が好ましい。上記二重結合当量が100未満である場
合、得られる塗膜中に未反応の(メタ)アクリレート基
が残存し、塗膜の耐候性が低下したり、得られる塗膜が
硬く脆くなったりする場合がある。また、1500を超
えると、得られる塗膜の架橋密度が小さくなり、塗膜物
性や性能が低下する場合がある。なお、本明細書におけ
る二重結合当量は、二重結合1個当たりの分子量を意味
するものである。上記上限は、1000であることが更
に好ましい。
【0092】上記紫外線硬化性化合物(5)は、上記熱
硬化性バインダーの固形分質量に対する含有量が、下限
20質量%、上限80質量%の範囲内であることが好ま
しい。含有量が20質量%未満の場合は、耐擦り傷性改
善の効果が充分に得られないため、好ましくない。含有
量が80質量%を超える場合は、塗膜が脆くなり耐衝撃
性が低下するため、好ましくない。上記下限は、30質
量%であることがより好ましく、40質量%であること
が更に好ましい。上記上限は、70質量%であることが
より好ましく、60質量%であることが更に好ましい。
【0093】上記光重合触媒(6)としては特に限定さ
れず、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエ
ーテルのようなベンゾイン及びベンゾインアルキルエー
テル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン
のようなアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン
−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、N,N−ジメ
チルアミノアセトフェノンのようなアミノアセトフェノ
ン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラ
キノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−
クロロアントラキノンのようなアントラキノン類;2,
4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサントンのようなチオキサントン類;ア
セトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタ
ールのようなケタール類;ベンゾフェノン、4,4’−
ビスジエチルアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェ
ノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、芳香族のヨー
ドニウム塩、スルホニウム塩及びジアゾニウム塩、ポリ
シラン化合物等を挙げることができる。これらは、2種
以上を同時に使用するものであってもよい。更にトリエ
タノールアミン等の3級アミン、ジメチルアミノ安息香
酸エチル等の光重合開始助剤を併用するものであっても
よい。
【0094】本発明の塗料組成物における光重合触媒
(6)の量は特に限定されるものではなく、紫外線硬化
と加熱硬化の反応割合に応じて適宜設定される。また要
求される耐候性等度合いにより、更に、後述する紫外線
吸収剤成分の種類や量に応じて調整することができる。
一般的には、上記光重合触媒(6)の配合量は、上記紫
外線硬化性化合物(5)の質量に対し、下限0.01質
量%、上限10質量%の範囲内であることが好ましい。
上記下限は0.05質量%であることがより好ましい。
上記上限は5質量%であることがより好ましい。
【0095】本発明の塗料組成物は、上記(1)〜
(6)の成分をそれぞれ別個の成分として含有すること
が好ましいが、上記(1)〜(6)のうちの複数の成分
としての性質を同時に有する一の化合物を含有するもの
であってもよい。このような化合物としては、例えば、
ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体(1)、エポ
キシ基含有アクリル共重合体(2)又はカルボキシル基
含有アクリル共重合体(3b)のアクリル重合体であっ
て、側鎖にオニウム塩を有しているためオニウム塩触媒
(4)としての作用も有する重合体、ハーフエステル酸
基含有アクリル共重合体(1)、エポキシ基含有アクリ
ル共重合体(2)又はカルボキシル含有重合体(3)で
あって、分子中にα,β−不飽和カルボニル基を有する
ため熱硬化性バインダーとしての作用だけではなく、光
硬化性バインダーとしての作用も有する重合体等を挙げ
ることができる。なお、上記(1)〜(6)の各成分の
配合量は、上記(1)〜(6)を各々別個の成分として
含有する場合の配合量を表わすものである。
【0096】上記塗料組成物中には、上記バインダーの
他、ベンゾフェノン系やトリアゾール系等の紫外線吸収
剤;ヒンダードアミン光安定剤、フェノール系、リン系
等の酸化防止剤;架橋重合体粒子;シリコーン系、アク
リル系等の表面調整剤;シリコーン系、フッ素系等の消
泡剤;特殊重合体系等の顔料分散剤;非イオン系、イオ
ン系等の帯電防止剤;及びこれらの混合物等を配合して
も良い。上記架橋重合体粒子を用いる場合は、本発明の
塗料組成物の重合体固形分に対して、下限0.01質量
%、上限10質量%の割合で配合することが好ましい。
上記下限は、0.1質量%であることがより好ましく、
上記上限は、5質量%であることがより好ましい。上記
架橋重合体粒子の添加量が10質量%を超えると得られ
る塗膜の外観が悪化し、0.01質量%未満であるとレ
オロジーコントロール効果が得られない。
【0097】塗膜の耐候性を向上させる目的で、塗料組
成物に上記紫外線吸収剤が含まれる場合は、紫外線照射
時に光硬化性バインダーの硬化不良が発生しない範囲で
紫外線吸収剤の種類とその含有量とを設定する必要があ
る。また、特開平7−18245号公報には、紫外線吸
収剤のフェノール性水酸基を一時的にブロックする方法
も開示されている。更に別の方法として、紫外線吸収剤
が吸収する波長領域とは異なる波長領域の活性エネルギ
ーに官能して硬化する増感剤を用いる方法も一般的に行
われている。
【0098】本発明の塗料組成物は、更に、着色顔料及
び体質顔料を含むものであってもよい。上記着色顔料と
しては、例えば、酸化鉄、酸化鉛、二酸化チタン、カー
ボンブラック、コールダスト、カドニウムイエロー、カ
ドニウムレッド、クロムイエロー等の無機顔料;フタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾー
ルバイオレット、アントラピリジン、アゾオレンジ、フ
ラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、アゾ
イエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロン
レッド、ペリレンレッド、アゾレッド、アントラキノン
レッド、キナクリドンレッド等の有機顔料等を挙げるこ
とができ、上記体質顔料としては、例えば、タルク、硫
酸バリウム等を挙げることができる。なお、本発明の塗
料組成物をクリヤー塗料として用いてもよい。この場合
は、上記顔料を含まないものであるか、又は、透明性を
失わない程度に上記顔料等を含んでいるものであること
が好ましい。
【0099】本発明の塗料組成物の固形分は、塗装時に
おいて50%質量以上であることが好ましく、70質量
%であることがより更に好ましい。また、95質量%以
下であることが好ましい。50質量%未満である場合、
揮発性有機成分が多量になり、最近の環境問題に対して
充分満足すべき効果が得られない恐れがある。上記塗料
組成物の調製方法として特に限定されず、上記各成分を
攪拌機等により混合攪拌することにより行うことができ
る。
【0100】本発明の塗料組成物はいかなる基板、例え
ば、木、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体等、
特に、プラスチック及び金属表面、例えば、スチール、
アルミニウム及びこれらの合金に有利に用いることがで
きる。優れた外観特性、耐擦り傷性等の性質を有するた
め、特に自動車用のクリヤー塗料として使用することが
好ましい。
【0101】塗膜形成方法についての本発明は、基材に
対して上記塗料組成物を塗布する工程(C)、塗膜を加
熱することにより熱硬化性バインダーを硬化する工程
(H)及び塗膜に紫外線を照射することにより光硬化性
バインダーを硬化する工程(L)からなる。
【0102】上記塗料組成物を塗布する工程(C)は、
スプレー塗装、刷毛塗り塗装、浸漬塗装、ロール塗装、
流し塗装等により行うことができる。上記塗料組成物を
塗布後、バインダーを硬化する工程までのセッティング
時間は、下限3分、上限15分程度の範囲内とすること
が好ましい。セッティング時間が3分より短いと、塗膜
にワキが発生し易く、15分より長くした場合も、セッ
ティングによる効果が既に飽和しており、逆に、塗膜表
面に埃等が付着するため好ましくない。
【0103】上記加熱により熱硬化性バインダーを硬化
する工程(H)は、上記熱硬化性バインダーを加熱によ
って硬化させる工程である。上記工程(H)は、下限1
00℃、上限180℃の温度範囲内で行うことが好まし
い。上記下限は、より好ましくは120℃である。上記
上限は、より好ましくは、160℃である。上記加熱を
行う時間は、温度によって異なるが、120〜160℃
であれば、下限10分、上限30分の範囲内であること
が好ましい。
【0104】上記紫外線照射によって光硬化性バインダ
ーを硬化する工程(L)は、上記紫外線硬化性化合物
(5)を紫外線照射による光重合反応によって硬化させ
る工程である。上記工程(L)で使用する紫外線照射源
としては特に限定されず、例えば、カーボンアークラン
プ、水銀蒸気ランプ、キセノンランプ、蛍光ランプ、ア
ルゴングロー放電等を挙げることができる。なお、照射
強度や照射時間は、塗料中の各成分の種類によって適宜
設定することができる。
【0105】上記工程(H)及び上記工程(L)は、加
熱手段及び紫外線照射手段を同時に備えた装置によって
同時に行っても、それぞれの手段を備えた装置によって
順次行ってもよい。上記工程(H)及び上記工程(L)
を順次行う場合、その順番は特に限定されるものではな
い。
【0106】本発明の塗料組成物は、クリヤー塗料組成
物として使用することが好ましい。上記クリヤー塗料組
成物を塗布する場合は、被塗装物に対してベース塗料を
塗装してベース未硬化塗膜を形成した後、上記ベース未
硬化塗膜上に上記クリヤー塗料組成物を塗装してクリヤ
ー未硬化塗膜を形成し、上記ベース未硬化塗膜及びクリ
ヤー未硬化塗膜を同時に加熱して硬化させることにより
複層塗膜を形成することが好ましい。
【0107】上記ベース塗料としては特に限定されず、
例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤、有機系、無機系又は
光輝材等の着色顔料及び体質顔料等を含んでも良い。上
記ベース塗料の形態としては特に限定されず、水性又は
有機溶剤型のもの等を挙げることができる。
【0108】上記被塗装物に対して、上記ベース塗料を
塗装する方法としては特に限定されず、スプレー塗装、
回転霧化式塗装等を挙げることができ、外観向上の観点
から、これらの方法を用いた多ステージ塗装、又は、こ
れらを組み合わせた塗装方法であることが好ましい。
【0109】上記複層塗膜の形成方法における上記ベー
ス塗料による塗装膜厚は、乾燥膜厚で下限10μm、上
限20μmの範囲内であることが好ましい。
【0110】上記複層塗膜の形成方法において、上記ベ
ース塗料が水性のものである場合、良好な仕上がり塗膜
を得るために、上記クリヤー塗料組成物を塗装する前
に、ベース未硬化塗膜を40〜100℃で2〜10分間
加熱しておくことが望ましい。上記複層塗膜の形成方法
において上記クリヤー塗料を塗装する方法としては、具
体的には、マイクロマイクロベル、マイクロベルと呼ば
れる回転霧化式の静電塗装機による塗装方法を挙げるこ
とができる。
【0111】上記複層塗膜の形成方法における上記クリ
ヤー塗料の塗装膜厚は、乾燥膜厚で下限30μm、上限
45μmの範囲内であることが好ましい。
【0112】上記の方法によって形成されたベースの未
硬化塗膜及びクリヤーの未硬化塗膜は、加熱された際に
同時に硬化し、複層塗膜を形成する。このようにして得
られた複層塗膜の膜厚は、下限40μm、上限65μm
の範囲内であることが好ましい。上記方法によって得ら
れた複層塗膜は、耐傷性、耐酸性及び耐溶剤性等の塗膜
物性に優れている。
【0113】
【実施例】以下本発明について実施例を掲げて更に詳し
く説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。また実施例中、「部」は特に断りのな
い限り「質量部」を意味する。
【0114】製造例1 ハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体a(成分(1))の製造 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた3Lの反応槽に、キシレン330部とプロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート110部とを
仕込み、127℃に昇温した。この反応槽に滴下ロート
を用いスチレン300部、メタクリル酸−2−エチルヘ
キシル360部、アクリル酸イソブチル112部、アク
リル酸26部、無水マレイン酸202部、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート300部、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート90部、
及び、キシレン100部からなる溶液を3時間かけて滴
下した。滴下終了後30分間にわたり127℃で保持し
て反応させた後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート10部とキシレン50部とからなる溶液を
30分間で滴下した。上記滴下終了後、更に1時間、1
27℃にて反応を継続させ、数平均分子量(Mn)30
00のアクリルポリ酸無水物を含む不揮発分53%のワ
ニスを得た。得られたワニス1990部に、メタノール
100部を加え、70℃で23時間反応させ、酸価12
7mgKOH/g(固形分換算)のハーフエステル酸基
含有アクリル共重合体aを得た。なお、このハーフエス
テル酸基含有アクリル重合体について赤外吸収スペクト
ルを測定し、酸無水物基の吸収(1785cm−1)が
消失しているのを確認した。
【0115】製造例2 エポキシ基含有アクリル共重合
体b(成分(2))の製造 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた2Lの反応槽に、キシレン500部を仕込み、1
25℃に昇温した。この反応槽に滴下ロートを用いメタ
クリル酸グリシジル380部、スチレン212部、メタ
クリル酸−2−ヒドロキシエチル116部、メタクリル
酸−2−エチルヘキシル292部、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート100部、及び、キシレ
ン293部からなる溶液を3時間かけて滴下した。滴下
終了後30分間にわたり125℃で保持して反応を行っ
た後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト10部とキシレン10部とからなる溶液を30分間で
滴下した。この滴下後、更に1時間、125℃にて反応
を継続させ、数平均分子量(Mn)3700、エポキシ
当量400(固形分換算)、水酸基価47mgKOH/
g(固形分換算)、不揮発分62%のエポキシ基含有ア
クリル共重合体bを得た。
【0116】製造例3 カルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体c(成分(3a))の製造 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた2Lの反
応槽に、ペンタエリスリトール136部、ε−カプロラ
クトン228部及びジブチル錫オキサイド0.1部を仕
込み、180℃に昇温した。上記反応槽を3時間にわた
り180℃で保持して、反応を行った。その後、加温し
て溶融したヘキサヒドロ無水フタル酸462部を加え、
150℃で1時間保持して反応を行った。反応後、3−
エトキシプロピオン酸エチル275部を加え、数平均分
子量(Mn)1100、酸価204mgKOH/g(固
形分換算)、水酸基価68mgKOH/g(固形分換
算)、不揮発分75%のカルボキシル基含有ポリエステ
ル重合体cを得た。
【0117】製造例4 ベース塗料組成物の調製 下記の表1に記載した原料を混合することによって、ベ
ース塗料組成物を調製した。
【0118】
【表1】
【0119】表1中のアルミフレークペーストは、アル
ペースト7160N(商品名、東洋アルミニウム社製;
アルミフレーク含有量65質量%)であり、メチルエー
テル化メラミン樹脂は、トリアジン環1個当たりのイミ
ノ基含有基が0.1の不揮発分100%のものであり、
水性アクリル重合体ワニスは、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル76部、スチレン15部、メタクリル酸
メチル63部、メタクリル酸27部、アクリルアミド3
0部、アゾビスイソプチロニトリル3部、ジメチルエタ
ノールアミン28部及び脱イオン水200部からなる溶
液により重合して得られる数平均分子量(Mn)120
00、水酸基価70(固形分換算)及び酸価58(固形
分換算)のアクリルアミド含有アクリル重合体を含む不
揮発分50%のワニスである。
【0120】実施例1 チヌビン384(チバガイギー社製紫外線吸収剤)2
部、チヌビン123(チバガイギー社製光安定剤)1
部、日本ペイント社製アクリル系表面調整剤(固形分5
0質量%)2部及び日本ペイント社製有機微粒子(固形
分25質量%)10部を混合して、添加剤溶液を得た。
製造例1で得たハーフエステル酸基含有アクリル共重合
体a43部、製造例2で得たエポキシ基含有アクリル共
重合体b37部、製造例3で得たカルボキシル基含有ポ
リエステル重合体c20部、テトラブチルアンモニウム
ブロマイド1部、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘ
キサアクリレート混合物(M−400;東亜合成社製特
殊アクリレート)100部、ダロキュアー1173(チ
バスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤;2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−
オン)2部をディスパーにて攪拌、混合して均一にした
後、上記添加剤溶液を加えて攪拌し、クリヤー塗料組成
物を得た。上記クリヤー組成物を酢酸n−ブチルによっ
て、塗料組成物の粘度をNO.4フォードカップ(20
℃)で30秒になるように希釈した。
【0121】リン酸亜鉛処理した厚さ0.8mmのダル
鋼板にカチオン電着塗料である日本ペイント社製パワー
トップPU−50(商品名)を乾燥膜厚約25μmにな
るように電着塗装し、その上に日本ペイント社製中塗り
塗料、オルガP−2シーラー(商品名)を乾燥膜厚約4
0μmになるようにエアースプレー塗装して140℃で
30分間加熱硬化させた。この塗装試験板に上記製造例
4により得られた水性メタリッタベース塗料を乾燥膜厚
16μmになるようにエアースプレー塗装して、ベース
塗料を塗装後の試験板を80℃で3分間プレヒートし
た。
【0122】次いで、セッティングした水性メタリック
ベース塗料試験板の上に、粘度調整した上記クリヤー塗
料組成物をウェットオンウェットで、乾燥膜厚約40μ
mになるようにエアースプレー塗装した。約7分間セッ
ティングした後、140℃で30分間加熱硬化させた。
加熱硬化後、塗装試験板を1時間自然冷却し、80W/
cm高圧水銀灯、コンベアスピード3m/分、距離10
cmの条件で紫外線を照射し紫外線硬化させ、実施例1
の試験板を得た。以下に示す評価方法によって、得られ
た塗料試験板の塗膜を評価した。その結果を表2に示し
た。
【0123】(評価方法) (1)鉛筆硬度 JIS K5400 8.4.2に準拠して鉛筆硬度を
測定した。
【0124】(2)耐擦り傷性試験 ニューホーミングクレンザー(花王社製;研磨剤87
%、界面活性剤5%及びその他)の50%水分散体1g
を塗布した2cm×2cmのネル製布を学振型摩擦堅牢
度試験機(大栄科学精機社製)に装着した。ついで、実
施例及び比較例の塗膜を500gの負荷で100往復摩
擦した。摩擦前後の20度グロスをスガ試験機社製光沢
計を用いて測定し、摩擦後のグロスの保持率を求めた。
評価基準を以下の通りとし、3点以上を合格とした。 5点 80%以上 4点 60〜80% 3点 40〜60% 2点 20〜40% 1点 20%未満
【0125】(3)外観塗膜硬化後、塗膜の表面状態を
以下の基準により目視判定した。 ◎ 表面の光沢が均一で良好である ○ 表面の光沢が僅かに不均一である × 全面的に光沢が無いか、全面的に光沢が不均一であ
【0126】(4)耐衝撃性試験 デュポン衝撃試験機の受け台に塗膜を上向きにして置
き、半径6.35mmの半球形の先端をもった撃針を塗
面にのせ、撃針に500gのおもりを規定の高さから落
下させて割れが生じた時の高さを求めた。評価基準を以
下の通りとし、3点以上を合格とした。 5点 40cm以上 4点 35−40cm 3点 30−35cm 2点 20−30cm以下 1点 20cm以下
【0127】実施例2〜12 表2及び表3の各配合に基づいて調製されたクリヤー塗
料組成物を使用する以外は、実施例1と同様に塗膜形成
を行うことによって試験板を得た。当該試験板について
物性測定を行った結果を表2及び表3に示した。
【0128】比較例1 光硬化性バインダーを構成する成分(5)及び成分
(6)を除いた塗料組成物を調製、塗装し、加熱硬化の
みを行い、紫外線照射を行わなかった以外は、実施例1
と同様に塗膜形を行うことによって試験板を得た。当該
試験板について物性測定を行った結果を表3に示した。
【0129】比較例2 熱硬化性バインダーを構成する成分(1)〜(4)を除
いた塗料組成物を調製、塗装し、紫外線照射のみを行
い、加熱硬化を行わなかった以外は、実施例1と同様に
して硬化性塗膜を形成し、試験板を得た。当該試験板に
ついて物性測定を行った結果を表3に示した。
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】上記結果から、本発明の塗料組成物から形
成される塗膜は、耐擦り傷性、耐衝撃性及び外観特性の
すべての特性に優れていることが明らかである。これに
対して、熱硬化性バインダーのみからなる塗料組成物に
よって形成された比較例1の塗膜は、耐擦り傷性が本発
明の塗料組成物によって形成された塗膜より劣っている
ことが明らかである。また、光硬化性バインダーのみか
らなる塗料組成物によって形成された比較例2の塗膜
は、鉛筆硬度が5Hで耐衝撃にも劣ることから、固くも
ろい塗膜であり、実用性が低いことが明らかである。
【0133】
【発明の効果】本発明の塗料組成物によって、高度の耐
擦り傷性を有し、耐衝撃性及び外観特性においても優れ
た性質を有する塗膜を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/14 C09D 133/14 135/02 135/02 157/10 157/10 167/00 167/00 201/00 201/00 (72)発明者 田辺 久記 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE12 BB26Z BB42Z BB46Z CA02 CA04 CA32 CA38 CA44 CB04 CB06 DA06 DA25 DB02 DB07 DB13 DB20 DB21 DB31 DC11 EA19 EA21 EA43 EB14 EB20 EB22 EB24 EB33 EB35 EB37 EB38 EB43 EB56 EC37 4J038 CG081 CG141 CH021 CH121 CH171 DD001 DD121 DF001 DG321 DL101 GA01 GA06 JB01 JC17 JC29 KA03 KA04 NA11 PA17 PA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性バインダー及び光硬化性バイン
    ダーからなる塗料組成物であって、前記熱硬化性バイン
    ダーは、ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
    (1)、エポキシ基含有アクリル共重合体(2)、カル
    ボキシル基含有ポリエステル重合体(3a)及びカルボ
    キシル基含有アクリル重合体(3b)からなる群より選
    択される少なくとも1つのカルボキシル基含有重合体
    (3)、並びに、オニウム塩触媒(4)からなり、前記
    光硬化性バインダーは、2個以上のα,β−不飽和カル
    ボニル基を有する紫外線硬化性化合物(5)及び光重合
    触媒(6)からなることを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化性化合物(5)は、前記熱硬
    化性バインダーの固形分質量に対する含有量が20〜8
    0質量%である請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 紫外線硬化性化合物(5)は、ポリオー
    ルの(メタ)アクリル酸エステル、不飽和ポリエステル
    重合体、エポキシ重合体(メタ)アクリル酸エステル、
    (メタ)アクリロイル基含有ウレタン化合物、α,β−
    不飽和カルボニル基含有アクリル重合体、(メタ)アク
    リロイル基含有ポリエーテル重合体及び(メタ)アクリ
    ロイル基含有シリコーンオリゴマーからなる群より選択
    される少なくとも1つである請求項1又は2記載の塗料
    組成物。
  4. 【請求項4】 オニウム塩触媒(4)は、テトラアルキ
    ルアンモニウムカチオン、トリアルキルアラルキルアン
    モニウムカチオン、アルキルピリジニウムカチオン、テ
    トラアルキルホスホニウムカチオン及びトリアルキルス
    ルホニウムカチオンからなる群より選択されるカチオ
    ン、並びに、フッ素アニオンを除くハライドアニオン、
    一塩基性カルボン酸、多塩基性カルボン酸、硝酸、スル
    ホン酸、硫酸、酸性硫酸エステル、亜硝酸、リン酸及び
    酸性リン酸エステルから誘導されるアニオンからなる群
    より選択されるアニオンからなる塩である請求項1、2
    又は3記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 前記塗料組成物はクリヤー塗料組成物で
    ある請求項1、2、3又は4記載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】 基材に対して塗料組成物を塗布する工程
    (C)、塗膜を加熱することにより熱硬化性バインダー
    を硬化する工程(H)及び塗膜に紫外線を照射すること
    により光硬化性バインダーを硬化する工程(L)からな
    る塗膜形成方法であって、前記塗料組成物は、請求項
    1、2、3、4又は5記載の塗料組成物であることを特
    徴とする塗膜形成方法。
  7. 【請求項7】 被塗装物に、ベース塗料を塗布してベー
    ス未硬化塗膜を得た後、前記ベース未硬化塗膜に、請求
    項1、2、3、4又は5記載のクリヤー塗料組成物を塗
    布してクリヤー未硬化塗膜を得た後、前記ベース未硬化
    塗膜及びクリヤー未硬化塗膜に対して同時に加熱及び紫
    外線照射することによって硬化させることを特徴とする
    複層塗膜形成方法。
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