JP3996636B2 - 耐摩耗傷性コーティング組成物 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、ポリ酸により硬化したポリエポキシドベースのコーティング組成物、およびカラー−プラス−クリア(color-plus-clear)コーティングシステムにおけるこの組成物の使用に関する。
長年の間、自動車の純正装備の(original equipment)仕上げコーティングシステムには、カラー−プラス−クリア技術が用いられている。この技術は、顔料または他の手段で着色されたベースコートを基体に塗布し、次いで、ベースコート上に透明またはクリアトップコートを塗布することを含む。クリアコートは、システムに高い光沢およびイメージの明瞭さを付与し、かつ、ベースコートを環境による攻撃から保護する。
近年、このような純正装備の仕上げコーティングには、大気中の酸の沈着による仕上げ表面の腐蝕に対する耐性(言い換えれば、耐酸腐蝕性)を示すことが求められている。この要求を満足するために、ポリ酸により硬化したポリエポキシドベースの純正装備の仕上げコーティングシステムが開発されている。このシステムは、自動車製造における耐酸腐蝕性の要求を満足するか、またはその要求を超える。
耐酸腐蝕性の要求に加えて、純正装備の仕上げコーティングはまた、摩耗傷(mar)および掻き傷(scratching)に対する耐性も示さなければならない。ポリエポキシド−ポリ酸ベースのコーティングシステムは優れた耐酸腐蝕性を有するが、耐摩耗傷性が不十分である。耐摩耗傷性を改善するために、微粒子状材料(例えば、シリカ、金属スルフィド、または架橋スチレン−ブタジエン)がこのようなコーティングに加えられるが、これらの材料は、代表的には、粒子界面での光散乱により光沢およびイメージの明瞭さ(DOI)に悪影響を与える。そのため、これらの材料の効果は限定される。従って、非常に優れた耐酸腐蝕性、光沢およびDOIを維持しつつ良好な耐摩耗傷性を供し得る、自動車の純正装備の仕上げのポリエポキシド−ポリ酸ベースのカラー−プラス−クリアコーティングシステムが望まれている。
発明の要旨
本発明によれば、耐摩耗傷性および耐酸腐蝕性塗膜形成組成物が提供される。この組成物は、シリル部分を本質的に有さないポリエポキシドと、ポリ酸硬化剤と、耐摩耗傷性を改善するに有効な添加量の、重合性アルコキシシランモノマーを含むエチレン性不飽和モノマー成分の溶液ポリマーとを含む。
本発明によれば、コーティング組成物を基体に塗布する方法もまた提供される。この方法は、着色塗膜形成組成物を基体に塗布してベースコートを形成する工程と、このベースコート上に、本発明の耐摩耗傷性および耐酸腐蝕性クリア塗膜形成組成物をトップコートとして塗布する工程とを包含する。
発明の詳細な説明
本発明の塗膜形成組成物は、ポリエポキシドポリマーおよびポリ酸硬化剤ベースである。ポリエポキシドポリマーは、本質的にシリル部分を有さない;すなわち、ポリエポキシドポリマーは、このポリエポキシドポリマーの総重量を基準にしてケイ素を1%以下、好ましくは0.1%以下しか含まない。この塗膜形成組成物はまた、重合性エチレン性不飽和アルコキシシランモノマーを含むエチレン性不飽和モノマー成分から合成される溶液ポリマーを含む。好ましくは、このエチレン性不飽和モノマー成分は、少なくとも1種の他の重合性エチレン性不飽和モノマーをさらに含む。本発明の塗膜形成組成物は、硬化塗膜が良好な耐酸腐蝕性および良好な全体的外観を示し、かつ、改善された耐摩耗傷性を示すという点で特に有利である。
上記モノマー成分中に存在する重合性アルコキシシランモノマーの量は、モノマー成分中に存在するモノマーの総重量を基準にして約60〜約100重量%、好ましくは約60〜約80重量%の範囲である。適切な重合性アルコキシシランモノマーは、以下の構造式(I)および(II)で表されるものを包含する。
Figure 0003996636
ここで、Rは、CH3、CH3CH2、CH3O、またはCH3CH2Oであり;R1およびR2は独立して、CH3またはCH3CH2であり;R3は、H、CH3またはCH3CH2であり;そしてnは、0または1〜10の正の整数である。好ましくは、RはCH3OまたはCH3CH2Oであり、nは1である。
Figure 0003996636
ここで、R、R1およびR2は、上記の通りである。
構造式(I)を有するアルコキシシランモノマーの代表例としては、アクリレートアルコキシシラン(acrylatoalkoxy silane)(例えば、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)、およびメタクリレートアルコキシシラン(methacrylatoalkoxy silane)(例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、およびγ−メタクリルオキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン)が挙げられる。
構造式(II)を有するアルコキシシランモノマーの例としては、ビニルアルコキシシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン)が挙げられる。
適切なアルコキシシランモノマーとしては、さらに、エチレン性不飽和アクリルオキシシラン(例えば、アクリレートオキシシラン(acrylatoxy silane)およびメタクリレートオキシシラン(methacrylatoxy silane))、ビニルアセトキシシラン(例えば、ビニルメチルジアセトキシシラン、アクリレートプロピルトリアセトキシシラン(acrylatopropyltriacetoxy silane)、およびメタクリレートプロピルトリアセトキシシラン(methacrylatopropyltriacetoxy silane))、あるいは上記アルコキシシランモノマーの任意の混合物が挙げられる。好ましくは、アルコキシシランモノマーは、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。
他の重合性エチレン性不飽和モノマーが、エチレン性不飽和モノマー成分中に存在するモノマーの総重量を基準にして一般に約0〜約40重量%、好ましくは約20〜約40重量%の範囲の量で、エチレン性不飽和モノマー成分中に存在する。適切な重合性エチレン性不飽和モノマーの例としては、アルキル基中に1〜20個の炭素原子を有するアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート(例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート);ビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン);およびニトリルモノマー(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル)が挙げられる。好ましくは、他の重合性エチレン性不飽和モノマーは、n−ブチルメタクリレートである。
溶液ポリマーは、高分子化学の当業者に周知の標準的なフリーラジカル開始溶液重合技術を用いて合成される。一般に、重合は、Solvesso▲R▼-100(芳香族炭化水素、Exxon Chemical Companyより市販されている)のような高沸点溶媒中、水分を有さない環境を維持するために窒素または類似の不活性雰囲気下で行なわれる。一般に、重合は、還流温度で約1〜10時間、好ましくは約5〜8時間行なわれる。適切なフリーラジカル開始剤としては、有機過酸化物(例えば、ジ−tert-ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、およびジクメンパーオキサイド);およびアゾ化合物(例えば、2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル))が挙げられる。フリーラジカル開始剤の量は具体的な反応条件に依存して変化し得るが、代表的には、存在するモノマーの総重量を基準にして約3〜約8%が使用される。遊離モノマー濃度の合計が反応混合物の総重量を基準にして約2重量%未満になると、反応が完了したと考えられる。
溶液ポリマーは、耐酸腐蝕性、光沢およびDOIを維持しつつ、耐摩耗傷性を改善するに有効な量で、塗膜形成組成物に使用される。代表的には、その量は、組成物の樹脂固形分の総重量を基準にして約1〜約20重量%、好ましくは約10〜約20重量%の範囲で変化する。一般に、溶液ポリマーは、約500〜約20,000、好ましくは約1200〜約5000の数平均分子量(ポリスチレン標準を用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される)を有する。
好ましくは、溶液ポリマーを含む耐摩耗傷性および耐酸腐蝕性塗膜形成組成物は、着色ベースコート上の透明なトップコートを形成するために用いられるクリア塗膜形成組成物である。上記のように、本発明のクリア塗膜形成組成物は、塗膜形成剤として本質的にシリル部分を有さないポリエポキシド樹脂と、好ましくは酸無水物とポリオールとの反応で得られるハーフエステルを含むポリ酸硬化剤とを含む。
使用され得るポリエポキシドとしては、エポキシ含有アクリル系ポリマー、エポキシ縮合ポリマー(例えば、アルコールおよびフェノールのポリグリシジルエーテル、ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル)、およびこれらの混合物が挙げられる。本質的にシリル部分を有さないとは、ポリエポキシドポリマーが、ポリエポキシドポリマーの総重量を基準にしてケイ素を約1%以下、好ましくは約0.1%以下しか含有しないことを意味する。
適切なエポキシ含有アクリル系ポリマーは、少なくとも1つのエポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーと、エポキシ基を有さない少なくとも1種の重合性エチレン性不飽和モノマーとのコポリマーである。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの例としては、1,2-エポキシ基を含むものが挙げられ、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートおよびアリルグリシジルエーテルを包含する。
エポキシ基を有さないエチレン性不飽和モノマーの例としては、アルキル基中に1〜20個の炭素原子を有するアクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。これらのアクリレートおよびメタクリレートの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。他の共重合性エチレン性不飽和モノマーの例としては、ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエン);ニトリル類(例えば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル);ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン(例えば、ビニルクロライドおよびビニリデンフルオライド);ならびにビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)が挙げられる。
エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーは、エポキシ含有アクリル系ポリマーを調製する際に使用されるモノマーの総重量に対して、好ましくは約5〜約90重量%、より好ましくは約20〜約70重量%の量で使用される。残りの重合性エチレン性不飽和モノマーのうち、モノマー総重量に対して好ましくは約10〜約95重量%、より好ましくは約30〜約80重量%は、アクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステルである。
エポキシ含有アクリル系ポリマーは、適切なフリーラジカル開始剤(例えば、t-ブチルパーベンゾエート、t-アミルパーアセテートまたはエチル-3,3-ジ(t-アミルパーオキシ)ブチレートのような有機過酸化物、あるいは、2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル)および2,2'-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)のようなアゾ化合物)の存在下、周知のフリーラジカル開始溶液重合技術により調製され得る。この重合は、代表的には、モノマーおよびポリマーが溶解し得る有機溶媒中で行なわれる。適切な溶媒は、芳香族溶媒(例えば、キシレンおよびトルエン)、ケトン(例えば、メチルアミルケトン)、またはエステル溶媒(例えば、3-エトキシプロピオン酸エチル)である。
適切なエポキシ縮合ポリマーとしては、1より大きい1,2-エポキシ当量、好ましくは1より大きく約5.0までの1,2-エポキシ当量を有するポリエポキシドが挙げられる。このようなポリエポキシドの有用な例は、ポリカルボン酸と、エピクロロヒドリンのようなエピハロヒドリンとの反応で得られるポリグリシジルエステルである。ポリカルボン酸は、当該分野で公知のあらゆる方法によって形成され得、特に、脂肪族アルコール(とりわけ、ジオールおよびさらに官能性の高いアルコール)と酸無水物との反応により形成され得る。例えば、トリメチロールプロパンまたはペンタエリトリトールが、ヘキサヒドロフタル酸無水物と反応してポリカルボン酸が得られ得、次いで、このポリカルボン酸がエピクロロヒドリンと反応してポリグリシジルエステルが得られる。さらに、ポリカルボン酸は、酸官能性アクリル系ポリマーであり得る。
このようなエポキシドのさらなる例は、多価フェノールおよび脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテルである。これらのポリエポキシドは、多価フェノールまたは脂肪族アルコールとエピハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)とのアルカリ存在下でのエーテル化により得られ得る。
適切な多価フェノールの例としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)および1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。適切な脂肪族アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、1,2-プロピレングリコール、および1,4-ブチレングリコールが挙げられる。さらに、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、および水素化ビスフェノールAのような環状脂肪族ポリオールもまた使用され得る。
上記のポリエポキシドに加えて、特定のポリエポキシドモノマーおよびオリゴマーもまた使用され得る。これらの物質の例は、米国特許第4,102,942号の第3欄、第1行〜第16行に記載されており、この特許は、本明細書に参考として援用されている。このような低分子量ポリエポキシドの具体例としては、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、およびビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートが挙げられる。これらの物質は、上記のエポキシ含有アクリル系ポリマーのような脂肪族ポリエポキシドである。上記のように、エポキシ含有アクリル系ポリマーが好ましい。なぜなら、最適なコーティング特性の組み合わせ(すなわち、平滑性、光沢、耐久性、および耐溶媒性)を有する生成物が得られるからである。このようなポリマーは、カラー−プラス−クリア用途のクリアコートの形成に特に有用であることが見出されている。もちろん、上記のように、これらのポリエポキシドの混合物が使用され得る。
ポリエポキシドは、塗膜形成組成物中に、樹脂固形分の総重量を基準にして約10重量%〜約90重量%、好ましくは約20重量%〜約80重量%、より好ましくは約40重量%〜約70重量%の量で存在する。
ポリ酸硬化剤は、ポリエポキシドと反応して架橋コーティング塗膜(塗膜の耐有機溶媒性により示される)を形成する酸基を1分子当たり2つ以上有する。ポリ酸硬化剤は、好ましくは、酸無水物とポリオールとの反応で得られるハーフエステルを含む。酸の官能性は、好ましくはカルボン酸の官能性である。スルホン酸のような酸も使用され得るが、好ましくない。ハーフエステルは、比較的低分子量であり、かつ、エポキシとの反応性にきわめて優れ、優れた特性(例えば、光沢およびイメージの明瞭さ)を維持しつつ、高固形分の液体組成物の形成を可能にする。
ハーフエステルは、酸無水物が開環して実質的にポリエステル化の起こらないハーフエステルを形成するに十分な条件下での、ポリオールと1,2-酸無水物との間の反応により得られる。このような反応生成物は、狭い分子量分布の比較的低分子量で、かつ低粘度であり、得られるコーティングに優れた特性を付与しつつ、低揮発性の有機成分をコーティング組成物中に提供する。実質的にポリエステル化が起こらないとは、酸無水物の反応により形成されるカルボキシル基がポリオールと繰り返し反応してさらにエステル化されないことを意味する。このことは、高分子量ポリエステルが約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満しか形成されないことを意味する。
適切な反応条件下で酸無水物とポリオールとを混合すると、2つの反応が起こり得る。所望の反応モードは、以下のような、ヒドロキシル基による酸無水物の開環を含む:
Figure 0003996636
ここで、Xは、ポリオールが1,2-ジカルボン酸無水物と反応した後のポリオール残基であり、Rは、該酸無水物由来の有機部分であり、そしてAは、2以上の整数である。
次いで、酸無水物の開環により形成されたカルボン酸基は、ヒドロキシル基と反応して、縮合反応により脱水し得る。後者の反応は所望ではない。縮重合が起こり高分子量の生成物が得られるからである。
所望の反応を達成するために、1,2-酸無水物とポリオールとを、通常、反応容器内で2つの成分を混合することにより接触させる。好ましくは、これらを、窒素のような不活性雰囲気下で、かつ、固形成分を溶解し、および/または反応混合物の粘度を低下させる溶媒の存在下で接触させる。適切な溶媒の例としては高沸点物質が挙げられ、例えば、ケトン(例えば、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン);芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン);ならびに他の有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)が挙げられる。
所望の開環反応およびハーフエステルの形成のために、1,2-ジカルボン酸無水物が用いられる。酸無水物の代わりにカルボン酸をポリオールと反応させる場合には、脱水を伴う縮合によるエステル化を要し、水を蒸留により除去しなければならない。このような条件下では、所望でないポリエステル化が促進される。さらに、この反応温度は、好ましくは低温(すなわち、約135℃未満、好ましくは約120℃未満)であり、通常、約70℃〜約135℃の範囲、好ましくは約90℃〜約120℃の範囲である。135℃を超える温度は、ポリエステル化が促進されるので望ましくない。一方、70℃未満の温度は、反応速度が緩慢になるので望ましくない。
反応時間は主に反応温度に依存していくらか変化し得る。通常、反応時間は、約10分〜約24時間まで変化する。
ポリオールのヒドロキシルに対する酸無水物の当量比は、所望のハーフエステルへの転化が最大となるためには、好ましくは少なくとも約0.8:1(酸無水物が単官能の場合)である。0.8:1未満の当量比も用いられ得るが、このような当量比では、官能性の低いハーフエステルがより多く形成される。
所望のポリエステルを形成する際に使用され得る酸無水物は、酸無水物部分の炭素原子を除いて約2〜30個の炭素原子を有するものである。例としては、脂肪族(環状脂肪族を含む)、オレフィン性および環状オレフィン性酸無水物、ならびに芳香族酸無水物が挙げられる。置換基が酸無水物の反応性または得られるポリエステルの特性に悪影響を与えない限りは、置換脂肪族および芳香族酸無水物もまた、脂肪族および芳香族酸無水物に包含される。置換基の例としては、クロロ、アルキルおよびアルコキシが挙げられる。酸無水物の例としては、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸、無水オクタデセニルコハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキルヘキサヒドロフタル酸無水物(例えば、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物)、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水クロレンド酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸および無水マレイン酸が挙げられる。
使用され得るポリオールは、単純なポリオール(すなわち、約2〜20個の炭素原子を有するもの)、ならびにオリゴマー性ポリオールおよびポリマー性ポリオール(例えば、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールおよびアクリル系ポリオール)である。
単純なポリオールとしては、ジオール、トリオール、テトロールおよびこれらの混合物が挙げられる。ポリオールの例としては、好ましくは、2〜10個の炭素原子を有するもの(例えば、脂肪族ポリオール)が挙げられる。具体例としては以下の組成物が挙げられるが、これらに限定されない:ジ−トリメチロールプロパン(ビス(2,2-ジメチロール)ジブチルエーテル);ペンタエリトリトール;1,2,3,4-ブタンテトロール;ソルビトール;トリメチロールプロパン(TMP);トリメチロールエタン;1,2,6-ヘキサントリオール;グリセリン;トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート;プロピオン酸ジメチロール;1,2,4-ブタントリオール;TMP/ε-カプロラクトントリオール;エチレングリコール;1,2-プロパンジオール;1,3-プロパンジオール;1,4-ブタンジオール;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;ネオペンチルグリコール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;1,4-シクロヘキサンジメタノールおよび2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール。
適切なオリゴマー性ポリオールとしては、二酸とトリオールとの反応で得られるポリオール(例えば、トリメチロールプロパン/シクロヘキサン二酸およびトリメチロールプロパン/アジピン酸)が挙げられる。
ポリマー性ポリオールに関して、ポリエステルポリオールは、有機ポリカルボン酸またはその無水物と、有機ポリオールおよび/またはエポキシドとのエステル化により調製される。通常、ポリカルボン酸ならびにポリオールは、脂肪族または芳香族二塩基酸あるいは酸無水物ならびにジオールである。
ポリエステルを調製する際に通常使用されるポリオールとしては、トリメチロールプロパン、ジ−トリメチロールプロパン、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール)、および他のグリコール(例えば、水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ラクトンとジオールとの反応生成物(例えば、ε−カプロラクトンとエチレングリコールとの反応生成物)、ヒドロキシアルキル化ビスフェノール、ポリエステルグリコール(例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール))などが挙げられる。
ポリエステルの酸成分は、1分子当たり2〜18個の炭素原子を有するモノマー性カルボン酸または無水物から主に構成される。有用な酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルタル酸、クロレンド酸、テトラクロロフタル酸、および種々のタイプの他のジカルボン酸が挙げられる。さらに、より高官能性のポリカルボン酸(例えば、トリメリット酸、トリカルバリル酸)も使用され得る。しかし、このような高官能性のポリカルボン酸の使用は好ましくない。最終生成物が高粘度になるからである。
多塩基酸とポリオールとから形成されるポリエステルポリオールに加えて、ポリラクトン型ポリエステルもまた使用され得る。これらの生成物は、ラクトン(例えば、ε−カプロラクトン)とポリオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびトリメチロールプロパン)との反応から形成される。
ポリエステルポリオールに加えて、有機ポリイソシアネートと上記のようなポリエステルポリオールとの反応から形成されるポリウレタンポリオール(例えば、ポリエステル−ウレタンポリオール)が使用され得る。有機ポリイソシアネートは、OH/NCO当量比が1:1を超えるようにポリオールと反応し、その結果、得られる生成物は、遊離ヒドロキシル基を有する。ポリウレタンポリオールを調製する際に用いられる有機ポリイソシアネートは、脂肪族または芳香族ポリイソシアネートあるいはその混合物であり得る。ジイソシアネートが好ましい。高官能性のポリイソシアネート(例えば、トリイソシアネート)も使用され得るが、最終生成物が高粘度になってしまう。
適切なジイソシアネートの例としては、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が挙げられる。適切な高官能性ポリイソシアネートの例としては、ポリメチレンポリフェノールイソシアネートが挙げられる。
ポリ酸硬化剤として酸官能性アクリル系架橋剤を用いることも可能である。このアクリル系架橋剤は、メタクリル酸および/またはアクリル酸モノマーと他のエチレン性不飽和共重合性モノマーとの共重合により得られる。あるいは、酸官能性アクリル系架橋剤は、ヒドロキシ官能性アクリル系モノマーと環状酸無水物との反応により調製され得る。
ポリ酸硬化剤は、樹脂固形分の総重量を基準にして約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75重量%の量で、塗膜形成組成物中に存在する。
本発明の組成物に添加されるのが好ましい任意の塗膜形成材料としては、酸官能性アクリル系ポリマーおよび酸無水物が挙げられる。
酸官能性アクリル系ポリマーは、エチレン性不飽和重合性カルボン酸(例えば、アクリル酸またはメタクリル酸)と、これらの酸とは異なるエチレン性不飽和重合性モノマーとの反応生成物である。これらの生成物は非ゲル化物であり、代表的には、約500〜約5000、好ましくは約700〜約3000の数平均分子量(ポリスチレン標準を用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される)を有する。
使用される酸官能性アクリル系ポリマーの量は、樹脂固形分の総重量を基準にして約0〜約50重量%、好ましくは約10〜約20重量%の範囲で変化し得る。
好ましくは、ポリエポキシド−ポリ酸組成物はまた、酸無水物(好ましくは、25℃で液体である酸無水物)を含む。組成物中にこのような酸無水物が存在することにより、硬化反応性が改善される。適切な酸無水物の例としては、アルキル置換ヘキサヒドロフタル酸無水物(例えば、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、およびドデセニルコハク酸無水物)が挙げられる。用いられる酸無水物の量は、樹脂固形分の総重量を基準にして0〜約40重量%、好ましくは約5〜約25重量%の範囲で変化し得る。
クリア塗膜形成組成物におけるポリエポキシド中のエポキシに対するポリ酸硬化剤中のカルボン酸の当量比は、具体的な硬化条件に依存して変化し得る。例えば、高温では低い当量比が使用され得、一方、低温では高い当量比がより適切である。好ましくは、この比率は、エポキシ1当量当たり約0.3〜約3.0、好ましくは約0.8〜約1.5のカルボン酸当量(酸無水物が単官能の場合)となるように調整される。すなわち、エポキシに対する酸の当量比が、約0.3:1〜約3.0:1、好ましくは約0.8:1〜約1.5:1の範囲となるように調整される。
好ましくは、組成物は、エポキシ基と酸基との硬化を促進する触媒もまた含む。適切な触媒の例としては、有機アミンおよび4級アンモニウム化合物(例えば、ピリジン、ピペリジン、ジメチルアニリン、ジエチレントリアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルベンジルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムフルオライド、およびテトラブチルアンモニウムブロマイド)が挙げられる。触媒の量は、代表的には、樹脂固形分を基準にして0〜約10重量%、好ましくは約0.5〜約3重量%の範囲で変化する。
本発明のポリエポキシド−ポリ酸クリア塗膜形成組成物は、好ましくは、高固形分コーティング組成物に処方される。すなわち、これらの塗膜形成組成物は、約50重量%を超える、最も好ましくは約60重量%を超える樹脂固形分を有する。固形分含量は、組成物を約105℃〜約110℃に1〜2時間加熱して、揮発物質を取り除くことにより測定される。塗膜形成組成物は、好ましくは、一液型(one package)または二液型(two package)組成物のいずれかとして処方された高固形分液体組成物である。二液型組成物として処方される場合には、ポリエポキシド塗膜形成剤とポリ酸硬化剤とが別のパッケージに収容される限り、成分(アルコキシシランポリマーを含む)は、所望のいずれかのパッケージに収容され得る。好ましくは、組成物は一液型組成物として処方される。
さらに、任意の成分(例えば、アミノプラスト樹脂のような硬化助剤、可塑剤、酸化防止剤、およびUV吸収剤)が、塗膜形成組成物中に含まれ得る。これらの成分は、代表的には、樹脂の総重量を基準にして25重量%までの量で存在する。
本発明のクリア塗膜形成組成物を着色ベースコート上のトップコートとして用いる場合には、複合コートされた基体を調製する際、ベースコートの塗膜形成組成物は、コーティング用途(特に、自動車用途)に有用なあらゆる組成物であり得、熱可塑性および熱硬化性(架橋性)コーティング組成物を包含する。着色塗膜形成組成物は、代表的には、樹脂バインダーと顔料とを含む。特に有用な樹脂バインダーは、高分子化学の分野で公知の樹脂バインダー(例えば、アクリル系ポリマー、アルキドを含むポリエステルポリマー、およびポリウレタンポリマー)である。
アクリル系ポリマーは、代表的には、アルキル基中に1〜20個の炭素原子を有するアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル1つ以上と、任意に、1つ以上の他の重合性エチレン性不飽和モノマーとのコポリマーである。これらのポリマーは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれかであり得る。適切なアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルとしては、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、α−メチルスチレンダイマー、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、および2−エチルヘキシルメタクリレートが挙げられる。適切な他の共重合性エチレン性不飽和モノマーとしては、ビニル芳香族化合物(例えば、スチレンおよびビニルトルエン);ニトリル類(例えば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル);ハロゲン化ビニルおよびビニリデン(例えば、ビニルクロライドおよびビニリデンフルオライド);およびビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)が挙げられる。
アクリル系ポリマーが架橋タイプの場合には、適切な活性水素官能性モノマーが上記の他のアクリル系モノマーに加えて用いられ、これらは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタクリレートを包含する。このような場合のコーティング組成物は、官能性モノマーによりポリマーに供される活性水素基と反応し得る架橋剤(例えば、アミノプラスト樹脂)を含む。アミノプラスト樹脂は、アミンまたはアミドと、ホルムアルデヒドと反応した例えば尿素、メラミンまたはベンゾグアナミンとの縮合物、あるいは、これらの縮合物の低級アルキルエーテル(アルキル基が1〜4個の炭素原子を有する)を包含する。他の架橋剤(例えば、ブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート)もまた使用され得る。さらに、アクリル系ポリマーは、1つ以上のN−(アルコキシメチル)アクリルアミドモノマーおよび1つ以上のN−(アルコキシメチル)メタクリルアミドモノマーを用いて調製され得、上記のような架橋剤が存在しなくても自身で架橋し得るアクリル系ポリマーが得られ得る。
アクリル系ポリマーは、適切なフリーラジカル開始剤(例えば、有機過酸化物またはアゾ化合物(例えば、ベンゾイルパーオキサイドまたは2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル))の存在下、フリーラジカル開始溶液重合技術により調製され得る。重合は、モノマーおよび得られるポリマーが溶解し得る有機溶媒中で行われ得る。適切な溶媒としては、芳香族溶媒(例えば、キシレンおよびトルエン)およびケトン(例えば、メチルアミルケトン)が挙げられる。あるいは、アクリル系ポリマーは、当業者に周知の水性乳化重合技術または懸濁重合(dispersion polymerization)技術により調製され得る。
アクリル系ポリマーに加えて、ベースコート組成物の樹脂バインダーは、ポリエステルポリマー(アルキドを含む)であり得る。このようなポリマーは、多価アルコールとポリカルボン酸との縮合による公知の方法で調製され得る。適切な多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリトリトールが挙げられる。
適切なポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、およびトリメリット酸が挙げられる。上記のポリカルボン酸に加えて、ポリカルボン酸の官能性等価物(例えば、存在する場合には酸無水物)、あるいは、ポリカルボン酸の低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル)が使用され得る。
ポリエステルポリマーから空気乾燥アルキド樹脂を得ることが望ましい場合には、適切な乾燥油性脂肪酸が用いられ、当業者に周知の方法でポリエステルを変性し得る。このような脂肪酸としては、アマニ油、ダイズ油、トール油、脱水ヒマシ油、または桐油から誘導されるものが挙げられる。
アルキドポリマーを含むポリエステルポリマーは、熱可塑性または熱硬化性であり得る。熱硬化性ポリエステルは、一般に、遊離ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基の部分を有し、これらは架橋剤との架橋反応に利用され得る。適切な架橋剤は、アミンまたはアミド−アルデヒド縮合物、あるいは、上記のポリイソシアネート硬化剤である。
ポリウレタンもまた、ベースコートの樹脂バインダーとして使用され得る。使用され得るポリウレタンとしては、ポリマー性ポリオールが挙げられる。これらは、OH/NCO当量比が1:1を超え、その結果、生成物中に遊離ヒドロキシル基が存在するようにして、上記のようなポリエステルポリオールまたはアクリル系ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより調製される。
ポリウレタンポリオールを調製するために用いられる有機ポリイソシアネートは、脂肪族または芳香族ポリイソシアネート、あるいはこれらの混合物であり得る。高官能性のポリイソシアネートがジイソシアネート代わりに、またはジイソシアネートと組み合わせて使用され得るが、ジイソシアネートが好ましい。
適切な芳香族ジイソシアネートの例としては、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびトルエンジイソシアネートが挙げられる。適切な脂肪族ジイソシアネートとしては、直鎖状脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート)が挙げられる。環状脂肪族ジイソシアネートもまた使用され得る。例としては、イソホロンジイソシアネートおよび4,4'-メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)が挙げられる。適切な高官能性ポリイソシアネートの例としては、1,2,4-ベンゼントリイソシアネートおよびポリメチレンポリフェニルイソシアネートが挙げられる。
上記のようにアクリル系ポリマーは、水性乳化重合技術により調製され得、水ベースのベースコート組成物の塗膜形成バインダーとして使用され得るが、上記のようにして調製されたポリマーは、代表的には、有機溶媒ベースのポリマーである。カラー−プラス−クリア用途に用いられる適切な水ベースのベースコートは、本明細書に参考として援用される米国特許第4,403,003号に開示され、本発明の実施の際に使用され得る。本明細書に参考として援用される米国特許第4,147,679号に従って調製されるような水ベースのポリウレタンもまた、ベースコートの樹脂バインダーとして使用され得る。
上記のように、ベースコート組成物は顔料も含み、色を付与する。メタリックフレーク顔料を含有する組成物は、主に自動車本体表面のいわゆる「魅力的なメタリック(glamour metallic)」仕上げを作製するのに特に有用である。メタリック顔料の適正な配向により、非常にすぐれたフロップ(flop)、イメージの明瞭さおよび高い光沢を有する、宝石のように輝いた外観が得られる。フロップとは、視角の変化(すなわち、90°〜180°の変化)に伴うメタリックコーティングの明度および輝度の視覚的変化を意味する。変化(すなわち、明から暗への外観の変化)が大きいほど、フロップに優れる。フロップは重要である。なぜなら、自動車本体のような湾曲した表面の輪郭を目立たせるからである。適切なメタリック顔料は、特に、アルミニウムフレーク、青銅フレークおよびマイカを含む。
メタリック顔料に加えて、本発明のベースコート組成物は、コーティング組成物に慣用的に使用される非メタリック顔料を含み得る。この非メタリック顔料は、無機顔料(例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛およびカーボンブラック)、および有機顔料(例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン)を包含する。一般に、コーティング組成物に含有される顔料の総量は、組成物の樹脂固形分の重量を基準にして約1重量%〜約80重量%の量である。メタリック顔料は、上記総重量の約0.5重量%〜約25重量%の量で使用される。
所望であれば、ベースコート組成物は、自動車(formulated)表面コーティングの分野で周知の他の材料をさらに含有し得る。このような材料としては、界面活性剤、流れ制御剤、チキソトロピー剤、充填剤、抗ガス剤、有機共溶媒、触媒および他の通常の助剤が挙げられる。これらの材料は、コーティング組成物の総重量の40重量%までを構成し得る。
ベースコート組成物は、それらが接着する種々の基体に塗布され得る。組成物は、慣用的な手段(はけ塗り、浸し塗り、流し塗り、スプレーなどを含む)により塗布され得るが、スプレー塗布される場合が最も多い。空気スプレーおよび静電スプレーの通常のスプレー技術および装置、ならびに、手動または自動のいずれかの方法が使用され得る。
本発明のコーティングは、実際、あらゆる基体(木材、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体(エラストマー性基体を含む)などを含む)に塗布され得る。本発明のコーティングは、自動車に見られる金属およびエラストマー性基体への塗布に特に有用である。
ベースコート組成物を基体に塗布する間に、ベースコートの塗膜が基体上に形成される。代表的には、ベースコートの厚みは、約0.05〜3ミル、好ましくは0.1〜2ミルである。
ベースコート組成物を基体に塗布した後、塗膜が基体表面に形成される。これは、加熱によりまたは単に一定期間空気乾燥することによりベースコート塗膜から溶媒(すなわち、有機溶媒または水)を除去することによって達成される。好ましくは、加熱工程は、トップコート組成物がベースコートに溶解することなく(すなわち、「ストライクイン(striking in)」することなく)ベースコートに塗布され得ることを保証するに十分であればよく、短期間である。適切な乾燥条件は、具体的なベースコートの組成に依存し、ある種の水ベースの組成物では周囲の湿度に依存するが、一般に、約60°F〜175°F(15℃〜79℃)の温度での約1〜5分の乾燥時間であれば、2つのコートの混合を最小化することを保証するに十分である。同時に、ベースコート塗膜はトップコート組成物により十分に湿潤され、その結果、十分なコート間接着が得られる。さらに、1つを超えるベースコートと多数のトップコートが塗布されて、最適な外観を提供し得る。通常、コート間には、先に塗布されたベースコートまたはトップコートがフラッシュされる(flashed)(すなわち、約1分〜約20分間周囲条件にさらされる)。
上記のように着色ベースコートを塗布した後、本発明のクリア塗膜形成組成物が、任意の通常のコーティング技術(例えば、はけ塗り、スプレー、浸し塗り、または流し塗り)によりベースコートに塗布され得るが、スプレー塗りが好ましい。なぜなら、最適な光沢が得られるからである。あらゆる公知のスプレー技術(例えば、圧縮空気スプレー、静電スプレー、ならびに手動または自動の方法のいずれか)が使用され得る。トップコートの塗布前に、ベースコートされた基体が短期間(代表的には、約1分〜約5分)空気フラッシュされ得る。必要に応じて、コートされた基体は、ベースコートとトップコートの塗布の間に加熱フラッシュされ得る。
着色ベースコートにクリアトップコート組成物を塗布した後、コートされた基体は加熱され、コーティング層が硬化する。硬化操作においては、溶媒が除去され、そしてトップコートおよび/またはベースコートの塗膜形成材料が硬化する。加熱または硬化操作は、通常、約250°F〜約400°F(121℃〜205℃)、より好ましくは約260°F〜約325°F(127℃〜162℃)の範囲の温度で行なわれる。代表的には、トップコートは、通常は約0.5〜約5ミル、より好ましくは約1.2〜約3ミルの範囲の均一な塗膜厚で塗布される。
以下の実施例を参照して本発明をさらに説明する。他の表示がない場合には、部はすべて重量部である。
実施例
以下の実施例A、B、およびCは、溶液ポリマー、ポリエポキシド樹脂およびポリ酸硬化剤の調製を示す。これらは、実施例1〜5の一液型クリア塗膜形成組成物の処方に用いられる。
実施例A
アルコキシシラン溶液ポリマーを、以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
初期仕込みを、反応容器内で窒素雰囲気下で撹拌しながら還流温度(155℃)まで加熱した。供給1および3を同時に開始し、反応混合物を還流温度に維持しながら、3時間にわたって実質的に連続的に供給を継続した。供給1および3が完了した時点で、滴下漏斗を供給2および4ですすぎ、反応混合物を還流温度で1時間維持した。次いで、供給5を30分間にわたって加え、滴下漏斗を供給6ですすいだ。反応混合物を還流温度で2時間維持し、重合を完結させた。反応混合物を冷却し、濾過した。得られた溶液ポリマーは、69.1%の総固形分(110℃で1時間の条件で測定された)、および2405の数平均分子量(ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された)を有していた。Gardner-Holdt粘度はD+であった。
実施例B
エポキシ含有アクリル系ポリマーを、以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
Figure 0003996636
仕込み1を適切な反応器内で還流温度まで加熱した。反応容器に仕込み2および仕込み3を約4時間にわたって同時に加え、次いで、反応物を還流温度に維持しながら仕込み4を30分にわたって加えた。添加が完了した時点で、反応混合物を還流温度で1時間維持し、130℃まで冷却した後、仕込み5を1時間にわたって加えた。次いで、反応物を還流温度で30分間維持した。仕込み6を1時間にわたって加え、反応物を130℃でさらに30分間維持した。次いで、仕込み7を1時間にわたって加え、反応物を130℃で2時間維持した。次いで、反応混合物を室温まで冷却した。得られたエポキシ含有アクリル系ポリマーは、約64.5%の総固形分、および約2800の重量平均分子量を有していた。固形分基準の理論エポキシ当量は237であった。
実施例C
ポリ酸硬化剤を以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
ジ−トリメチロールプロパンと559.2gのメチルイソブチルケトンとを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下で115℃まで加熱した。メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を、115℃で約2時間にわたって加えた。残りのメチルイソブチルケトンをすすぎとして加えた。反応物を115℃で4時間維持した。次いで、反応混合物を100℃まで冷却し、n−プロピルアルコールを加えた。次いで、反応混合物を105℃まで加熱し、30分間維持した後、室温まで冷却した。得られた生成物は、72.3%の固形分、および163の酸価を有していた。
実施例1
一液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
以下の実施例2〜5では、実施例Aのアルコキシシランポリマーを、種々のレベル(樹脂固形分を基準にして、それぞれ、5、10、15および20%)で上記実施例1のクリアコーティング組成物に処方した。次いで、実施例1〜5のコーティング組成物の着色ベースコート(後述の実施例6で詳細を説明する)上での耐摩耗傷性を評価した。評価の詳細を以下の実施例6に示し、結果を表Iに示す。
実施例2
一液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
実施例3
一液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
実施例4
一液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
実施例5
一液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
実施例6
溶媒性の(solventborne)黒色アクリル−メラミンベースコート(NHU-9517として、PPG Industries Inc.より市販されている)を、鋼鉄製試験パネル(ACT Corporation, Cleveland, Ohioより入手可能な研磨されていない鋼鉄に、B40,ED5000処理を施した)にスプレー塗布した。ベースコートを周囲条件で90秒間フラッシュした。次に、実施例1〜5のクリア塗膜形成組成物の2つのコートを、ベースコートされた試験パネルにスプレー塗布した。コート間に周囲条件で2分間フラッシュしながら、種々のクリア塗膜形成組成物の2つのコートを、ベースコートされた試験パネルにウェット−オン−ウェット方式で塗布した。最後に周囲条件で5分間フラッシュした後、試験パネルを285°F(141℃)で30分間ベークした。ベースコートの総塗膜厚は約0.8ミルであり、種々のクリアコートの総塗膜厚は約1.5〜1.8ミルであった。次いで、以下の手順により、パネルを耐摩耗傷性の試験に供した。
1.乾燥Bon-Amiクレンザー(Faultless Starch/Bon Ami Company, Kansas City, MOにより製造されているFeldspar/Calciteクレンザー)を試験パネルの半分に塗布した。
2.試験パネル上にクレンザーの薄膜が残るように、過剰のクレンザーをはたいて取り除いた。
3.Atlas AATCC Crockmeter CM-5型(Atlas Electric Devices Company, Chicago, Illinoisにより製造されている)のアクリルフィンガーを、2インチ四方のフェルト布(Atlas Electric Devicesより入手可能)で覆った。
4.クレンザーでコートされたパネルを、Crockmeterを用いてフェルト布で10回(10往復(ten double rubs))こすった。
5.各試験の後フェルト布を交換して、試験を少なくとも1回繰り返した。
6.試験後、パネルを水で洗浄してクレンザーを除去し、次いで、慎重に乾燥した。
7.光沢測定装置(Byk-Gardner Inc., Silver Spring MDにより製造されている)を用いて、パネルの摩耗傷のついていない部分と摩耗傷のついた部分との両方について20°の光沢を測定した。光沢の差を、耐摩耗傷性の指標とした。差が小さいほど、耐摩耗傷性に優れる。
結果を以下の表に一覧する:
Figure 0003996636
実施例3および4は、上記の耐摩耗傷性試験に供した場合に光沢が19ユニットしか損失しないという点で、最も優れた耐摩耗傷性の改善を示した。これらの結果は、アルコキシシランポリマー添加物を含まず、耐摩耗傷性試験に供した場合に35ユニットの光沢の差を有する実施例1と比較され得る。
以下の実施例D、E、F、G、H、およびIは、溶液ポリマー、ポリエポキシド樹脂、ポリ酸硬化剤および薫蒸(fumed)シリカ樹脂分散体の調製を示す。これらは、実施例7の二液型塗膜形成組成物の調製に用いられる。
実施例D
アルコキシシラン溶液ポリマーを、以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
仕込み1を、反応容器内で窒素雰囲気下で撹袢しながら還流温度(155℃)まで加熱した。還流温度で、仕込み2から50.7gを3時間にわたって反応容器に添加した。仕込み2の添加開始から5分後、仕込み3の添加を開始し、反応混合物を還流温度に維持しながら、3時間にわたって実質的に連続的に添加を継続した。仕込み3の添加が完了した時点で、タンクおよび管を仕込み4ですすぎ、反応混合物を還流温度で1時間維持した。次いで、仕込み2の残りの10.2gを30分間にわたって加え、次いで、タンクおよび管を仕込み5ですすぎ、反応混合物を還流温度で2時間維持し、重合を完結させた。反応混合物を冷却し、濾過した。得られたポリマーは、69.6%の総固形分(110℃で1時間の条件で測定された)、および1703の数平均分子量(ポリスチレン標準を用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された)を有していた。
実施例E
エポキシ含有アクリル系樹脂を、以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
仕込み1を適切な反応器内に入れ、窒素雰囲気下で還流温度まで加熱した。反応容器に仕込み2および仕込み3を3時間にわたって同時に加え、次いで、反応物を還流温度で30分間維持した。次いで、仕込み4を30分にわたって加え、反応混合物を還流温度で30分間維持した。最後に、仕込み5を30分にわたって加え、反応混合物を還流温度で2時間維持した。次いで、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物は、約59.5%の総固形分、および約5831の重量平均分子量を有していた。
実施例F
ポリ酸樹脂を以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
仕込み1を適切な反応容器に入れ、窒素雰囲気下で115℃まで加熱した。仕込み2を1〜2時間にわたって加え、反応混合物を115℃で4時間維持した後100℃まで冷却し、仕込み3を添加した。次いで、反応混合物を105℃まで加熱し、30分間維持した後、室温まで冷却した。反応混合物は、69.5%の固形分、および189.5の酸価を有していた。
実施例G
ポリ酸樹脂を以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
仕込み1を適切な反応容器に入れ、窒素雰囲気下で115℃まで加熱した。仕込み2を1〜2時間にわたって加え、反応混合物を115℃で4時間維持した後100℃まで冷却し、仕込み3を添加した。次いで、反応混合物を105℃まで加熱し、30分間維持した後、室温まで冷却した。反応混合物は、79.5%の固形分、および167.6の酸価を有していた。
実施例H
酸無水物コポリマーを以下の成分の混合物から調製した:
Figure 0003996636
仕込み1を適切な反応器内に入れ、窒素雰囲気下で還流温度まで加熱した。仕込み2および仕込み3を2時間にわたって同時に加え、次いで、反応混合物を還流温度で1時間維持した後、130℃まで加熱し1時間維持した。次いで、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物は、73.3%の総固形分を有していた。
実施例I
以下の成分を混合し、混合物をミルに入れてHegman番号7まで粉砕することにより、薫蒸シリカ粉末を調製した:
Figure 0003996636
実施例7
二液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
以下の実施例8および9では、実施例Aのアルコキシシランポリマーを、種々のレベル(樹脂固形分を基準にして、それぞれ、5および10%)で上記実施例7のクリア塗膜形成組成物に処方した。次いで、これらのコーティング組成物の着色ベースコート(後述の実施例10で詳細を説明する)上での耐摩耗傷性を評価した。評価の詳細を以下の実施例10に示し、結果を表IIに示す。
実施例8
二液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
実施例9
二液型クリア塗膜形成組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
Figure 0003996636
実施例10
溶媒性の黒色アクリル−メラミンベースコート(NHU-9517として、PPG Industries, Inc.より市販されている)を、鋼鉄製試験パネル(ACT Corporation, Cleveland, Ohioより入手可能な研磨されていない鋼鉄に、B40,ED 5000処理を施した)にスプレー塗布した。ベースコートを周囲条件で90秒間フラッシュした。次に、実施例7〜9のクリア塗膜形成組成物の2つのコートを、ベースコートされた試験パネルにスプレー塗布した。コート間に周囲条件で2分間フラッシュしながら、種々のクリア塗膜形成組成物の2つのコートを、ベースコートされたパネルにウェット−オン−ウェット方式で塗布した。最後に周囲条件で5分間フラッシュした後、試験パネルを250°F(121℃)で30分間ベークした。ベースコートの総塗膜厚は約0.8ミルであり、種々のクリアコートの総塗膜厚は約1.5〜1.8ミルであった。次いで、上記実施例6に記載の手順により、パネルを耐摩耗傷性の試験に供した。
試験結果を以下の表に一覧する。
Figure 0003996636
実施例8および9は、上記の耐摩耗傷性試験に供した場合に光沢がそれぞれ16および15ユニットしか損失しないという点で、耐摩耗傷性が改善されていることを示した。これらの結果は、アルコキシシランポリマー添加物を含まず、耐摩耗傷性試験に供した場合に25ユニットの光沢の差を有する実施例7と比較され得る。

Claims (21)

  1. 樹脂固形分の総重量を基準にして10〜80重量%のポリエポキシドポリマーであって、該ポリエポキシドポリマーの重量を基準にして1%以下のケイ素を含む、ポリエポキシドポリマーと;
    樹脂固形分の総重量を基準にして10〜90重量%のポリ酸硬化剤であって、酸無水物とポリオールとの組み合わせによって形成されるハーフエステルである、ポリ酸硬化剤と;
    樹脂固形分の総重量を基準にして1〜20重量%の、重合性エチレン性不飽和モノマーから得られる溶液ポリマーであって、該モノマーが、該モノマーの総重量を基準にして60〜100重量%の重合性エチレン性不飽和アルコキシシランモノマーを含む、溶液ポリマーと
    を含む、塗膜形成組成物。
  2. 前記溶液ポリマーを得るための前記エチレン性不飽和モノマーが、少なくとも1種の他の重合性エチレン性不飽和モノマーをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記重合性アルコキシシランモノマーが、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、およびこれらの混合物から選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記他のエチレン性不飽和モノマーが、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニル芳香族モノマー、アクリロニトリルおよびそれらの混合物でなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記他のエチレン性不飽和モノマーが、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルクリレートおよびそれらの混合物でなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記溶液ポリマーが、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランとn−ブチルメタクリレートとのコポリマーである、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記溶液ポリマーが、前記塗膜形成組成物の樹脂固形分の総重量を基準にして10〜20重量%の量で該塗膜形成組成物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記溶液ポリマーが、500と20,000との間の数平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記ポリエポキシドが、少なくとも1つのエポキシ基を有する少なくとも1つのモノエチレン性不飽和モノマーと、エポキシ基を有さない少なくとも1つのモノエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記ポリエポキシドコポリマーが、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと、少なくとも1つの他の共重合性エチレン性不飽和モノマーとのコポリマーである、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記他の共重合性エチレン性不飽和モノマーが、アルキル基中に1〜20個の炭素原子を有するアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルを少なくとも一部含む、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記ポリ酸硬化剤が、以下の構造のハーフエステルである、請求項1に記載の組成物:
    Figure 0003996636
    ここで、Xは、ポリオールが1,2-ジカルボン酸無水物と反応した後のポリオール残基であり、Rは、該酸無水物由来の有機部分であり、Aは少なくとも2の整数である。
  13. 前記ポリオールが、ジ−トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、1,2,3,4-ブタンテトロール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,6-ヘキサンジオール、1,3,6-ヘキサントリオール、グリセリン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジメチロールプロピオン酸、1,3,4-ブタントリオール、ネオペンチルグリコール、およびこれらの混合物でなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記1,2-ジカルボン酸無水物が、ヘキサヒドロフタル酸無水物およびアルキル置換ヘキサヒドロフタル酸無水物でなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  15. 前記ポリ酸硬化剤中の酸の前記ポリエポキシド中のエポキシに対する当量比が、0.3:1〜3:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記組成物が、少なくとも40%の樹脂固形分を有する、請求項1に記載の組成物。
  17. 前記組成物の樹脂固形分の総重量を基準にして50重量%までの、500〜5000の数平均分子量を有するカルボン酸官能性アクリル系ポリマーをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  18. アミノプラスト樹脂をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記アミノプラスト樹脂が、前記組成物の樹脂固形分の総重量を基準にして30重量%までの量で該組成物中に存在する、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記塗膜形成組成物が、クリア塗膜形成組成物である、請求項1に記載の組成物。
  21. 複合コーティングを基体に塗布する方法であって、
    (I)該基体の表面に着色塗膜形成組成物を塗布する工程と;
    (II)前記工程(I)で塗布された該組成物を少なくとも部分的に乾燥または硬化させて、該表面上にベースコートを形成する工程と;
    (III)該ベースコートに請求項1に記載のクリア塗膜形成組成物を塗布する工程と;
    (IV)該クリア組成物を少なくとも部分的に乾燥または硬化させて、該ベースコート上に透明なトップコートを形成する工程と
    を包含する、方法。
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