JP2006342311A - 高屈折率薄膜 - Google Patents

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Tokuo Nakayama
徳夫 中山
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Abstract

【課題】
高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、ゾル液及びそれを含んだ分散安定性、塗布適性に優れる高屈折率コーティング材料を提供する。さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性等が良好なLCDやCRT等の表示面や各種光学レンズの表面を被覆する反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの光学薄膜を形成できる高屈折率コーティング組成物を提供する。
【解決手段】
(1)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核とし、金属酸化物からなる被覆層を設けた複合酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶剤を含有してなるコーティング組成物、当該コーティング組成物を用いて形成した光学薄膜および該薄膜を有する光学基材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、ゾル液及びそれを含んだ分散安定性、塗布適性に優れる高屈折率コーティング組成物に関する。さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性が良好な反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの光学薄膜、帯電防止層、透明導電層などの導電性薄膜、高屈折率ハードコート膜等の高屈折薄膜に関する。
本発明は特に好適には、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等の表示面や、メガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ、カメラのレンズ等の各種光学レンズの表面を被覆する反射防止膜を構成する層、特に中〜高屈折率層、増反射膜の高屈折率層、高屈折率ハードコート層、導電性透明薄膜などの光学薄膜を形成するのに適したコーティング組成物、および当該コーティング組成物を用いて形成した高屈折率薄膜の層を有する光学基材に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置やメガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ、カメラのレンズ等の各種光学レンズの表面には、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、通常、保護フィルム(反射防止膜)が設けられている。反射防止膜は屈折率の異なる材料からなる複数の薄膜の多層積層体を作製し、可視光領域の反射をできるだけ低減させるような設計が行われている。表示画像の鮮明化とともに、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性等が良好な反射防止膜が要求されている。また、液晶表示装置(LCD)において偏光板は不可欠な光学材料であり、これらの保護フィルムに反射防止機能を付与することで大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また、表示面に導電性を有する帯電防止膜を設ける場合がある。ほこり、ごみなどが表示面に付着して視認性が低下する場合があるからである。これを防ぐために帯電防止膜は、表示面に反射防止膜と共に設けたり、反射防止膜の高屈折率層を兼ねて設けたり、又は、前記反射防止膜を必要としない表示面に帯電防止膜のみ設けたりする。また、液晶表示装置などには透明電極として透明導電膜が組み込まれている。
また、基材としてプラスチックなどの有機樹脂が用いられる場合がある。これらは表面が柔らかく傷つき易いため、上記の反射防止膜や帯電防止膜を設ける場合には、基材上にまずハードコート層を形成し、その上に反射防止膜や帯電防止膜を設けることが行われる場合もある。これらはいずれも透明性が要求されている。
一般的に反射防止膜は酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ニオブ等の金属酸化物を真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法等のドライ処理法により、屈折率の異なる材料からなる複数の薄膜の多層積層体を作製し、可視光領域の反射をできるだけ低減させるような設計が行われている。しかし、このようなドライコーティングプロセスでは密着性が悪く、画像表示装置の製造過程や使用時に反射防止層が剥れるなどの不具合が生じることがあった。また、装置が高価で、成膜速度が遅く、生産性が高くないため大量生産に適していないなどの課題を有している。このため、生産性が高い塗布による形成方法が期待されている。
このように樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性等が良好な反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの光学薄膜を形成できる塗布型の高屈折率コーティング組成物が望まれている。
近年、上記のような高屈折率層を形成するために有機物からなるバインダー成分を溶解した液に高屈折率微粒子を分散させたコーティング組成物を基材上に塗布し薄膜を形成する方法が提案されている。
このような薄膜は可視光領域において透明である必要があるため、高屈折率微粒子としては一次粒子径が可視光線の波長以下であるナノオーダーの超微粒子を使用する必要がある。さらに当該高屈折率超微粒子をコーティング組成物中及び塗膜中に均一に分散する必要がある。一般的に、サブミクロンオーダー以上の凝集体を含む場合には、得られる塗膜のヘイズが悪化して透明性が低下するなどの問題を生じる。従って、高屈折率層の薄膜を形成するコーティング液には、ヘイズの小さい均一な塗膜を形成するために十分な分散性を有することが求められる。また、コーティング液には、長期間に渡って容易に保存できるように十分な分散安定性を有することが求められる。
上記のような光学薄膜を塗布法で作製する場合、膜形成保持のためのマトリックスとしてバインダー樹脂を使用する。しかし、このバインダー樹脂の屈折率は通常1.45〜1.60であることから、各層の屈折率は無機粒子の種類及び使用量によって調整される。特に、反射防止膜などに使われる高屈折率薄膜においては、屈折率1.9以上の無機微粒子が必要とされている。そのため、高い屈折率を有する超微粒子を、膜強度を充分に保持したマトリックス中に均一に分散することが極めて重要となる。
このような塗布型反射防止膜の高屈折率層としては、Zr、Sn、Sb、Mo、In、Zn、Ti等の結晶構造を有する、屈折率の高い透明性単体金属酸化物を含むものが知られている。また、高屈折率の無機微粒子を、分散状態を保ったままより多く薄膜中に導入して、高屈折率層を形成する技術も提案されている。
さらに、超微粒子の分散性、塗膜の耐擦傷性、表面硬度、強度等を向上するために、上記のような高屈折率の金属元素からの複合金属酸化物が提案されている。
しかしながら、上記の技術では、膜の強度などを保持できるマトリックス量を用いながら高い屈折率の薄膜を設計することは、未だ不十分であった。屈折率を上げようと微粒子の含有量が多すぎると膜が脆弱となり、密着性も低下するからである。高屈折率層の屈折率が十分に高くない場合に、例えば反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1%以下にまで下げるためには、低屈折率層の屈折率を十分に下げる必要がある。
さらに屈折率を増大させるため、屈折率の高い金属酸化物粒子である酸化チタン粒子を用いる方法が提案されている。酸化チタンは特に屈折率が高く、かつ透明性も高いため、光学薄膜の高屈折率化に特に好適である。しかしながら有機バインダー成分と酸化チタン微粒子からなる光学薄膜は、その耐光性が低下するという欠点があった。すなわち、酸化チタンの光触媒作用により、光吸収で発生した電子−ホールによる有機物分解を起こし、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、紫外線遮蔽性等が問題となっている。
そこで、このような欠点を解決した、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、ゾル液及び樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性等が良好な反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの光学薄膜を形成できる高屈折率コーティング組成物、当該コーティング組成物を用いて形成した光学薄膜の層を有する光学基材が望まれている。
酸化チタンには代表的な結晶型としてルチル型とアナターゼ型とがある。これまで高屈折率用の金属酸化物超微粒子ゾル液として、屈折率no=2.56、ne=2.49を有するアナターゼ型酸化チタン超微粒子を主成分とした材料が、主に用いられている。これに対し、ルチル型酸化チタンはその屈折率が屈折率no=2.61、ne=2.9(no:常光線に対する屈折率、ne:異常光線に対する屈折率)(実験科学講座 日本化学会編)であり、アナターゼ型に比べて高屈折率、紫外線吸収といった光学特性などに優れていることが知られており、このルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液を合成する試みが積極的に行われていた。しかしながら、産業的に用い得るルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液は未だ得られていないのが現状であった。
本発明の目的は上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、ゾル液及びそれを含んだ分散安定性、塗布適性に優れる高屈折率コーティング材料を提供することにある。さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性等が良好なLCDやCRT等の表示面や各種光学レンズの表面を被覆する反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの光学薄膜を形成できる高屈折率コーティング組成物を提供することにある。
特に反射防止膜に含まれる高屈折率層や高屈折率ハードコート層、帯電防止膜や帯電防止性ハードコート層や透明電極膜などの導電性透明薄膜、あるいは画像表示装置の表示面に好適に適用される反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの高屈折率薄膜、及び該薄膜を設けた光学基材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、焼結剤として用いられるスズ化合物が長繊維化を防止すると共に凝集も防止し、ルチル型酸化チタン超微粒子、分散性に優れたゾル液が得られることを見出した。さらには、これを核超微粒子とし金属酸化物で被覆することによって分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた高屈折率の平均粒子径が1〜100nmの複合酸化物超微粒子、即ち金属酸化物被覆ルチル型酸化チタン超微粒子が得られることを見出した。当該超微粒子をバインダー成分と複合することにより分散安定性、塗布適性に優れる高屈折率コーティング組成物が得られ、樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性が良好な反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの光学薄膜を形成できる高屈折率コーティング組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち
1.(1)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子と一種以上の金属酸化物を含む被覆層から構成される複合酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶剤を含有してなるコーティング組成物。
2.(1)の核微粒子が、
チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であり、且つ結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである前記1記載のコーティング組成物。
3.(1)の超微粒子からなる凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmである超微粒子またはそのゾルを用いることを特徴とする前記1または2記載のコーティング組成物。
4.(1)の超微粒子が、水あるいは有機溶剤に分散してなるゾル液であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のコーティング組成物。
5.(2)の硬化性バインダー成分が、光硬化性および/または熱硬化性の有機モノマー又はオリゴマー、有機ポリマー、並びに有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物の少なくともいずれかである前記1〜4のいずれかに記載のコーティング組成物。
6.前記1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物を光学基材表面に塗布、硬化してなる屈折率が1.5〜2.8である光学薄膜。
7.前記1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は前記6記載の薄膜を用いた反射防止膜。
8.屈折率の異なる薄膜を二層以上積層してなる反射防止膜であって、このうち少なくとも1層が前記1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は前記6記載の薄膜を用いた層であり、且つ当該層が中〜高屈折率層であることを特徴とする前記7記載の反射防止膜。
9.前記1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は前記6記載の薄膜を用いた高屈折率ハードコート膜。
10.前記1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は前記6記載の薄膜を用いた導電性透明薄膜。
11.前記9および/または10記載の薄膜を有することを特徴とする前記7または8記載の反射防止膜。
12.前記6〜11のいずれかに記載の薄膜が施されている光学基材。
に関するものである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子は、従来の製法では成し得なかったものであり、かつアナターゼ型では得られない高屈折率の超微粒子、ゾル液を提供することが出来る。このスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を金属酸化物で被覆して得られた超微粒子、ゾル液をコーティング組成物および光学薄膜に適用した場合に、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性等に優れた高屈折率薄膜を安価に大量に提供することが可能になった。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本願発明におけるコーティング組成物は、(1)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子と一種以上の金属酸化物を含む被覆層から構成される複合酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶剤を含有してなるコーティング組成物、である。
本発明の(1)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子と一種以上の金属酸化物を含む被覆層から構成される複合酸化物超微粒子は、アナターゼ型酸化チタンを用いた場合に比べて屈折率を大きくでき、従って高屈折率の薄膜を形成することが可能となる。
本発明において、好適な、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子と一種以上の金属酸化物を含む被覆層から構成される複合酸化物超微粒子としては、より具体的には、ルチル型酸化チタン超微粒子が、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であって、該超微粒子のSn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であり、且つ結晶径の短軸、長軸が2〜20nm、超微粒子凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmであることを特徴とするスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子と一種以上の金属酸化物を含む被覆層から構成される複合酸化物超微粒子である。
なお、ここで言う結晶径とは、いわゆる一次粒子径のことであって、化学便覧改訂3版(基礎編 丸善株式会社)記載のようにa、c軸方向長さで表現される。本明細書ではそれぞれ短軸、長軸と呼ぶ。また、平均凝集粒子径とは、一次粒子が凝集してなる粒子径を表す。
まず、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の製造法について説明する。
本発明において用いられるスズ化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば塩化スズ、硝酸スズ、硫酸スズ、スズ酸塩などのスズ塩化合物あるいは酸化物、水酸化物、金属スズ等から選ばれるスズ化合物等が好ましいものとして挙げられる。
本発明において用いられるチタン化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、塩化酸化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、チタンアルコキシド、水和酸化チタン(あらかじめチタン化合物をアルカリ条件で加水分解させたものも含む)などから選ばれるチタン化合物等が好ましいものとして挙げられる。
まず、スズ化合物を水溶液に添加しておき、これにチタン化合物を加える。スズ化合物とチタン化合物は同時に加えてもよいし、どちらが先であってもよい。また、混合化合物の形態であってもよい。反応媒体は水が望ましいが、アルコール等の有機溶剤あるいは水と有機溶剤の混合媒体でもよい。
ルチル型酸化チタンの結晶成長制御のための修飾剤として反応に用いるスズ化合物の量は、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2、好ましくは0.01〜1であることが望ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子は生成するが、結晶径、凝集粒子径が大きくなり、したがって分散性が悪くなる可能性がある。また、コート膜とした際に塗膜の透明性が低下する可能性がある。また、上記範囲より多くしていっても、ルチル型を有する酸化チタン超微粒子の合成は可能であるが、反応に要する時間が長くなり、この場合はルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られる可能性がある。また、これより大きいと残存スズ化合物量が多くなり、粒子屈折率が低下する可能性がある。
反応液中のTi濃度は0.07〜5mol/l、好ましくは0.1mol/lから1mol/lが望ましい。上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.01〜0.03の範囲でスズ化合物を添加してもアナターゼ型とルチル型の混合酸化チタン超微粒子が生成する可能性がある。同様に上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.03より大きい範囲でスズ化合物を添加すると、ルチル型酸化スズを有する酸化チタン酸化スズ混合超微粒子が生成する可能性がある。
反応液のpHは−1〜3が望ましい。必要に応じて塩酸や硝酸などで調節する。pHが3より大きい条件で反応させると、スズ化合物を加えない場合ではアナターゼ型酸化チタンになってしまい、これを避けるためにスズ化合物を添加してルチル構造を得ようとすると、酸化スズなどのルチル型酸化チタンではない異種物質が生成してしまう可能性がある。
反応温度に関しては、Ti濃度とpHが上記の範囲であれば良く、特に制限は無いが、好ましくは−10〜100℃、さらに好ましくは20〜60℃が推奨される。反応温度に応じて反応完了時間が決定されるが、通常は0.5〜10時間で実施する。
上記の反応により生成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子中に含まれるスズ化合物量として、Sn/Tiモル比=0.001〜0.5であることが好ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子の粒子径が大きくなり、分散性が悪くなる可能性がある。また、上記範囲より多くしていくと、より効率よく結晶成長及び凝集を制御し、粒子径の小さな超微粒子が得られるが、ルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られ、結果として屈折率の低い超微粒子が得られる可能性がある。
この方法により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる反応機構(反応メカニズム)は現在十分に明らかではないが、これは表面がスズ化合物で修飾されていることを特徴としている。原料に用いたスズ化合物、あるいは溶液中で解離したスズイオン、あるいは加水分解等により溶液中で生成したスズ化合物が、酸化チタン表面に配位、吸着、化学結合等により付着したものと推測される。また、元々アナターゼ型ではなくルチル型酸化チタン生成条件でスズ化合物を修飾剤として添加したもので、長軸方向への結晶成長が阻止された結果生じたものと推測される。このことは超微粒子の結晶径が2〜20nmであるスズ修飾酸化チタン超微粒子を得るために必要な修飾スズ化合物量が酸化チタンを隙間無く被覆する量には程遠い、チタンに対するモル比が0.001〜0.5という少量であることからも窺える。
上記により得られた反応生成物は、そのままスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の媒体に対して再分散させることも可能である。スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を水に分散させたゾル液は、メタノールなどのアルコール類、2−メトキシエタノールなどのセロソルブ類といった有機溶媒に溶媒置換して、有機溶媒分散スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いることも可能である。
本発明により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmであることが好ましい。結晶径が2nmより小さいと、これらを含むコーティング液を用いてコート膜を作成した場合に耐擦傷性、硬度が不十分となり、また、本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、得られるコート膜が白濁し、不透明となる可能性がある。
本発明において、上記で合成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子あるいはそのゾル液をコーティング用途あるいは樹脂組成物に用いる場合、酸化チタンの光触媒性による周辺有機物の劣化を防止するため、耐光性を付与することが必要になる。この目的のために核微粒子を金属酸化物で被覆することが行われる。なお、被覆とは超微粒子表面を完全に覆った形態、あるいは隙間が空いた形態両方を意味する。
次に被覆層の調製方法について述べる。
本発明において、上記で合成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子あるいはそのゾル液をコーティング用途あるいは光学薄膜に用いる場合、酸化チタンの光触媒性による周辺有機物の劣化を防止するため、耐光性を付与することが必要になる。この目的のためにスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を金属酸化物で被覆することが行われる。なお、被覆とは微粒子表面を完全に覆った形態、あるいは隙間が空いた形態両方を意味する。
上記被覆に用いられる金属酸化物としてはZr、Si、Al、Sb、Sn、Mo、Nb、Zn、Ta、Fe、W、Bi、Ce、Pb、Cu、Y、In、V、Mg、La等の酸化物が好適である。これらを一種のみで被覆して用いることも、2種以上用いて被覆することも可能である。金属酸化物同士が個々に被覆した形態、複合化して被覆した状態、固溶体となって被覆した形態、あるいは一種で被覆した後、さらにもう一種で被覆した形態となっていてもよい。また、無定形の酸化物、結晶性の酸化物、あるいは水和した状態であってもよい。また、ケイ酸、アンチモン酸などの酸、それらのオリゴマーあるいはそれらの塩の形態で核微粒子表面に吸着、結合した状態であってもよい。
このようにして得られる金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子は、被覆層に選ばれる金属酸化物種とその量により、金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子自体の屈折率と耐光性を調節することが出来る。耐光性を付与出来、かつ屈折率が1.5〜2.8で調節可能である。用いられる金属酸化物の量は、スズ修飾ルチル型酸化チタン微粒子に対する重量比で0.05〜1.5、好ましくは0.1〜1が望ましい。この範囲より小さいと酸化チタンの光触媒性を抑えることが出来ず、コート膜の耐光性が悪くなる可能性がある。また、この範囲より大きいと微粒子の屈折率が下がり、必要とする屈折率に対応出来なくなる可能性がある。
金属酸化物の被覆方法は、公知の方法をスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のゾル液に適用して行うことが出来る。すなわち、原料となる化合物を水に溶解させ、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液と混合し攪拌する。必要に応じて加熱してもよい。また、必要に応じてpHを調整してもよい。
例えばケイ素酸化物被覆を行う場合には、用いられる原料化合物として、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどを挙げることが出来る。
また、例えばアルミニウム酸化物被覆を行う場合には、用いられる原料化合物として、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどを挙げることが出来る。
また、例えばアンチモン酸化物被覆を行う場合には、用いられる原料化合物として、塩化アンチモン、アンチモンアルコキシド、酢酸アンチモン、酸化アンチモン、酒石酸アンチモニルカリウム、ヘキサヒドロキソアンチモン酸カリウム、アンチモン酸カリウム、アンチモン酸ナトリウムなどを挙げることが出来る。
また、例えばジルコニウム酸化物で被覆する場合には、本願発明者らが見出した特開2004−18311号公報に記載の方法に従って行うことも出来る。用いられる原料化合物として、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウムなどが挙げられる。
また、例えばモリブデン酸化物で被覆する場合には、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物、酸化モリブデンなどが挙げられる。
また、例えばニオブ酸化物で被覆する場合には、ニオビウムエトキシド、ニオブ酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明では、被覆に用いる金属酸化物の等電点の違いを利用することによって、金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の分散性を変えることも可能である。例えば、Si、Nb、W、Mo、Sb等を用いた場合には、特に塩基性条件下で分散性に優れたゾル液を得ることが出来る。また例えば、Zr、Bi等を用いた場合には、特に酸性条件下で分散性に優れたゾルを得ることが出来る。
また、スズドープ酸化インジウム(ITO)アンチモンドープ酸化スズ(ATO)などの導電性酸化物層で被覆することによってスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子に導電性を付与することも可能である。
本発明では、被覆に用いる金属酸化物を複数用いて被覆することによってさらに耐候性を向上させることも可能である。
特に酸化アンチモンと酸化ケイ素で被覆した場合には特に優れた耐候性、耐光性を有するスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、そのゾル液が得られる。これらは光学薄膜に付与したい機能を考慮して適宜選択しうる。
上記により得られた反応生成物は、そのまま金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の媒体に対して再分散させることも可能である。金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を分散させた水ゾル液は、メタノールなどのアルコール類、2−メトキシエタノールなどのセロソルブ類といった有機溶媒に溶媒置換して、有機溶媒に分散した金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いることも可能である。
本発明により得られた複合酸化物超微粒子、即ち金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のカルボン酸、アミン、有機ケイ素酸化物、あるいは有機ポリマーなどにより修飾することにより、表面修飾された金属酸化物被覆被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いることも可能である。これにより有機溶剤、硬化バインダー等への分散性、相溶性が向上する。
表面処理に用いられるカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酒石酸、グリコール酸などが好適に用いられる。
また、表面処理に用いられるアミンとしては、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミンなどが好適に用いられる。これらで表面処理を行うには、例えばこれらの水あるいはアルコールなどの溶液に超微粒子あるいはゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、所定時間常温で放置するか、加熱処理を行うとよい。
有機ケイ素酸化物表面処理は、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシランなどが好適に用いられる。処理方法としては有機ケイ素酸化物を含む溶剤にゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、一定時間室温から60℃の範囲で加熱した後に限外ろ過、遠心分離などの方法で混合液中の未反応分を除去する等の方法で行われる。
また有機ポリマーとしてはアミノ基、カルボン酸基など微粒子表面と反応、吸着等相互作用を有することが可能な官能基を有するポリマーが望ましい。ポリスチレンをアミノ化、クロロメチル化、スルホン化した、さらにはそれらの誘導体であるスチロール系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。表面処理方法は上記記載の方法で行えばよい。
用いられる表面処理剤の量は、用いる有機溶剤、樹脂などのバインダー等への分散性を考慮して適宜設定される。
この方法により結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmの複合酸化物超微粒子、即ち金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる。
本発明により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、または金属酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmであることが好ましい。結晶径が2nmより小さいと、これらを含むコーティング液を用いてコート膜を作成した場合に耐擦傷性、硬度が不十分となり、また、本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、得られるコート膜が白濁し、不透明となる可能性がある。
次に本発明の(2)硬化性バインダー成分について説明する。
本発明において使用される(2)硬化性バインダー成分としては、特に制限されるものではないが、その中でも光硬化性および/または熱硬化性の有機モノマー又はオリゴマー、有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物、並びに有機ポリマーの少なくともいずれかが好適である。
本発明において、塗膜に十分な耐擦傷性、硬度、強度、密着性を付与するためには、本発明に係るコーティング組成物を基材の表面に塗布し、必要に応じて乾燥させた後、何らかの化学反応によって重合、好ましくは架橋して硬化するバインダー成分が好ましく、光あるいは熱硬化性を有する有機モノマーあるいはオリゴマー、有機金属化合物及び/またはその部分加水分解物が好ましい。
さらに、光硬化型のバインダーとしては可視光、または紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接または開始剤の作用を受けて重合反応を生じるモノマーあるいはオリゴマーを用いることができ、アクリル基あるいはメタクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが好適である。中でも架橋させて耐擦傷性、硬度を上げるには多官能性バインダー成分であることが好ましい。
一分子中に一個の官能基をもつものとしては、具体的には例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシージエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシートリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシーポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシーポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルーコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n―ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
二個以上の官能基を持つものとしては、具体的には例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等が挙げられ、更にベンゼン環を有する化合物としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレートエチレングリコールジアクリレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFジアクリレート、ポリエステルアクリレート等の多官能アクリレート類あるいはメタクリレート類が挙げられる。
また、1,2−ビス(メタ)アクリロイルチオエタン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルチオプロパン、1,4−ビス(メタ)アクリロイルチオブタン、1,2−ビス(メタ)アクリロイルメチルチオベンゼン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルメチルチオベンゼンなどの硫黄含有(メタ)アクリレート類を用いることも高屈折率化に有効である。
また、紫外線や熱による硬化を促進させるため、光または熱重合開始剤を配合してもよい。
光重合開始剤としては、一般に市販されているもので構わないが、特に例示すると、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー651)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1―フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品ダロキュアー1173 ランベルティー社製品 エサキュアーKL200)、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチルー1―フェニル−プロパン−1−オン)(ランベルティー社製品 エサキュアーKIP150)、(2−ヒドロキシエチル)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパンー1−オン)(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー2959)、2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリのプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー369)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 CGI403)、2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド(=TMDPO BASF社製ルシリンTPOチバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 ダロキュアーTPO、)、チオキサントンまたはその誘導体などが挙げられ、これらのうち1種、あるいは2種以上混合して用いる。
また、光増感作用の目的により第三アミン、例えばトリエタノールアミン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、イソペンチルメチルアミノベンゾエートなどを添加しても良い。
熱重合開始剤としては、主として過酸化ベンゾイル(=BPO)などの過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル(=AIBN)などのアゾ化合物が用いられる。
配合する光、熱重合開始剤の量は通常、組成物((メタ)アクリレート+無機超微粒子)100重量部に対し、0.1〜10重量部程度である。
また、エポキシ基、チオエポキシ基、オキセタニル基等のカチオン重合性官能基を有するモノマーあるいはオリゴマーを用いてもよい。必要に応じて光カチオン開始剤等を組み合わせて用いる。同様に多官能であることが好ましい。
本発明において、用いられる上記(2)硬化性バインダー成分の量は用途に応じて適宜設定される。好ましくは硬化性バインダー成分+超微粒子成分合計に対して、超微粒子成分が1〜90重量%であり、さらに好ましく10〜80重量%である。これより小さいと高屈折率化など微粒子の特性が付与されない可能性がある。これより大きいと機械強度が不足する可能性がある。
また、有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物としては、通常公知の有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物が挙げられ、特に制限されるものではない。中でも好ましいものとしては、有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質から成り、用いられる有機ケイ素化合物としては特に制限はないが、以下の一般式(a)で表される有機ケイ素化合物が好ましいものとして挙げられる。
(R)(R)Si(OR)(3−a−b) (a)
(式中、R、Rはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ビニル基、アリル基、アシル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基等を有する有機基であり、Si−C結合によりケイ素と結合するものである。Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(a)におけるR、R及びRとしては、具体的には例えば、アルキル基を有する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が、ハロゲン化アルキル基を有する有機基としては、クロロメチル基、3−クロロプロピル基等が、アシル基を有する有機基としては、アセトキシプロピル基等が、アクリロキシ基を有する有機基としては、3−アクリロキシプロピル基等が、メタクリロキシ基を有する有機基としては、メタクリロキシプロピル基等が、メルカプト基を有する有機基としては、メルカプトメチル基等が、アミノ基を有する有機基としては、3−アミノプロピル基等が、エポキシ基を含有する有機基としては、3−グリシドキシプロピル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基等が挙げられる。
一般式(a)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミニプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、などが挙げられ、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
本発明においては、一般式(a)で表される有機ケイ素化合物の中で、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン及びこれらの加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物がより好適に用いられる。また、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
また、上記有機ケイ素化合物以外の有機ケイ素化合物として以下の一般式(b)で表される化合物を併用することもできる。
Si(OR) (b)
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(b)におけるRの具体例としては、一般式(a)のRと同じものが挙げられる。
一般式(b)で表される化合物としては、具体的には例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等が挙げられる。また、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
一般式で表される有機ケイ素化合物の加水分解は塩酸などを添加することにより行われる。これによりアルコキシ基の一部または全てが加水分解される。メタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などで希釈して行ってもよい。
また、上記有機ケイ素化合物は、触媒がなくても硬化は可能であるが、反応を促進するために硬化触媒を加えることが可能である。
硬化反応を促進するための硬化触媒としては、特に制限はなく、具体的には例えばアルミニウムアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、等の金属錯体、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属有機カルボン酸塩、過塩素酸アルミニウムなどの過塩素酸塩、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の有機カルボン酸、メチルイミダゾール、ジシアンジアミド等の窒素含有有機化合物、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等の金属アルコキシド、等を例示できる。
これらの中から特にアルミニウムアセチルアセトナートを使用することが、耐擦傷性、ポットライフ等の観点から望ましい。上記に用いる触媒量としては、膜中固形分に対して0.1〜5重量%の範囲で用いることが望ましい。この範囲より小さいと触媒としての効果が低い可能性がある。逆にこの範囲より大きいと硬度、耐擦傷性が不十分となる可能性がある。
塗布した膜の硬化は熱風乾燥によって行い、硬化条件としては、80〜200℃の熱風中で行うことがよく、特に90〜120℃が好ましい。硬化時間としては0.5〜5時間、特に1〜2時間が好ましい。また、ハードコート膜として用いる場合、膜厚は概ね0.01〜30μm、好ましくは0.5〜5μmが望ましい。この範囲より小さいと強度が不十分となる可能性がある。また、この範囲より大きいと外観不良となる可能性がある。
また、硬化性樹脂と硬化剤を架橋して硬化するバインダー成分でもよい。このような熱硬化型樹脂には、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、等が挙げられる。電離放射線硬化型樹脂には、例えば、ラジカル重合性不飽和基(アクリロイルオキシ基、スチリル基、ビニルオキシ基等)及び/又はカチオン重合性基(エポキシ基、チオエポキシ基等)の官能基を有する樹脂が挙げられる。
これらの硬化型樹脂に必要に応じて、架橋剤(エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、メラミン化合物等)、重合開始剤(アゾビス化合物、有機過酸化化合物、有機ハロゲン化合物、オニウム塩化合物、ケトン化合物等のUV光開始剤等)等の硬化剤、重合促進剤(有機金属化合物、酸化合物、塩基性化合物等)等の従来公知の化合物を加えて使用することができる。
機械強度には劣るが従来公知の熱可塑性ポリマーを用いることも可能である。例えば、ポリアクリル樹脂、ポリメタアクリル樹脂、イミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
最後に本発明の(3)水または有機溶剤について説明する。
本発明のコーティング組成物に用いられる有機溶剤としては、特に制限はなく、具体的には例えばメタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などが挙げられ、2種以上混合して用いてもよい。
コーティング組成物中の固形分(主に硬化性バインダー成分+超微粒子成分)濃度は、薄膜を得るために固形分濃度を0.1〜40重量%にするよう調整することが好ましく、塗布方法、作製したい膜厚に応じて適宜設定される。この範囲より小さいと、用いる(3)成分量が多くなり効率的ではなく、この範囲より大きいと、コーティング組成物の粘度が大きくなり、塗膜作製が困難となる可能性がある。
本発明のコーティング組成物の調製方法としては、バインダー成分の溶液とスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子又は該超微粒子を金属酸化物で被覆してなる超微粒子を、水あるいは有機溶剤等に分散したゾル液を混合した後に必要に応じて上記の有機溶剤を添加してもよいし、あらかじめ(1)成分あるいは(2)成分に上記有機溶剤を添加した後、混合してもよい。
本発明において、(1)成分はスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子又は該超微粒子を金属酸化物で被覆してなる超微粒子のみが望ましいが、屈折率向上などの効果が前記超微粒子より劣るものの他の金属超微粒子と併用することも可能である。例えばコロイダルシリカ、酸化アンチモンコロイドなどを挙げることが出来る。また導電性を付与することを目的としてスズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)などの微粒子を配合することが可能である。
また、塗布時におけるぬれ性および硬化膜の平滑性を向上させる目的で、シリコン系あるいはフッ素系など各種の界面活性剤をコーティング液に含有させることが出来る。さらに、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散染料、顔料、色素、染色向上剤等も添加することも可能である。
本発明に係るコーティング組成物は、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子又は該超微粒子を金属酸化物で被覆してなる超微粒子の分散性に優れているので、当該超微粒子の含有量をコントロールし、コーティング組成物を基材表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電離放射線の照射などの化学反応工程により硬化させることによって、超微粒子の物性に起因する何らかの機能が付加され、実用に耐え得る耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性等を有する塗膜が得られる。
従って、本発明に係るコーティング組成物は、高い透明性が要求される光学薄膜を形成するのに適しており、本願発明者らが見出した高屈折率を有し、分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子を用いているため、例えば反射防止膜の中〜高屈折率層又は高屈折率ハードコート層を形成するのに適している。また、本発明に係るコーティング組成物に、導電性の高い無機酸化物微粒子を配合する場合には、透明性の高い導電性透明薄膜が得られ、反射防止膜等の光学薄膜に設ける帯電防止膜や、透明電極膜などを形成するのに適している。
また、本発明に係るコーティング組成物は、長期間に渡る分散安定性にも優れているのでポットライフが長く、長期間保存した後に使用する場合でも実用に耐え得る耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性を有する塗膜を形成することができる。
本発明のコーティング組成物は、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の各種方法で基材上に塗布することができる。
上記方法により、屈折率1.5以上、好ましくは1.7以上の薄膜が得られ、透明性を要求されるプラスチックシート、プラスチックフィルムなどとして好適に用いられ、特に高屈折率の光学材料として利用することができる。
次に本発明に係る光学薄膜について説明する。
本発明により得られる塗膜はスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子又は該超微粒子を金属酸化物で被覆してなる超微粒子、そのゾル液を用いているため、上記の方法で本発明のコーティング組成物を塗布、硬化して得られた光学薄膜は1.5〜2.8の屈折率を有している。特に1.7以上の屈折率を必要とする用途に好適である。
次に本発明に係る反射防止膜について述べる。本発明に係るコーティング組成物は、光透過性を有しかつ互いに屈折率の異なる層を二層以上積層してなる多層型反射防止膜のうちの一層、主として中〜高屈折率層として用いることが可能である。多層型反射防止膜においては、最も屈折率の高い層を高屈折率層と称し、最も屈折率の低い層を低屈折率層と称し、それ以外の中間的な屈折率を有する層を中屈折率層と称する。従って、反射防止膜の中屈折率層は、本発明の硬化性コーティング組成物から形成された高屈折率の被膜から構成されたものであってもよい。低屈折率層は公知の方法により作成した塗膜を用いることが出来る。
これらの膜厚は従来から良く知られた条件であり、例えば特開昭59−50401号公報に記載されているように設定すればよい。
次に本発明に係る高屈折率ハードコート層について説明する。
ハードコート層は、反射防止膜に耐擦傷性、硬度、強度を付与するために、基材の表面に設ける。特に、基材と高屈折率層の間に設けることが好ましい。また、高屈折率層はハードコート層を兼ねることができる。反射防止性能を得るためにハードコート層の上に高屈折率層/低屈折率層という層構成の薄膜を作るべきところを、ハードコート層の屈折率を上げることで低屈折率層のみで同様の反射防止性能が得られるため、製造工程の簡略化などが可能となる。
本発明により得られる光学薄膜は、金属酸化物被覆ルチル型酸化チタン超微粒子に加えて、屈折率は劣るものの導電性の高い金属酸化物微粒子を配合することによって反射防止膜に設けられる帯電防止層や、導電性透明薄膜としても好適に利用することができる。さらに、高屈折率を有しているため単なる導電性透明薄膜として反射防止膜に付加することができるだけでなく、反射防止膜を構成する中又は高屈折率層としても機能する層として付加することもできる。帯電防止機能を有する高屈折率ハードコート膜として用いることも可能である。
本発明の反射防止膜としては、本発明のコーティング組成物からなる高屈折率ハードコート膜及び/又は導電性透明薄膜を有する層構成とするのも、好ましい態様である。
このような構成を採用することにより、元々薄膜全体としても各構成層それぞれについても高屈折率を有しているため、単なる導電性透明薄膜として反射防止膜に付加することができるだけでなく、帯電防止機能を有する高屈折率ハードコート膜を有する反射防止膜とすることも可能である。
反射防止膜には、以上に述べた以外の層を設けてもよい。例えば、接着層、シールド層、滑り層、プライマー層等を設けてもよい。シールド層は電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
本発明のコーティング組成物を塗布する基材としては、特に制限されない。好ましい基材としては、例えば、ガラス板、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン等の各種樹脂で形成したフィルム等を例示することができる。また、基材層の形状は特に限定されず、フィルムや板等の平板状、CRT表面等の曲面状やマイクロレンズ等の球面若しくは非球面のレンズ形状等が挙げられる。
これらの基材層を含む反射防止用積層体とすることにより、メガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ、カメラレンズ等の各種光学レンズや、カメラレンズ、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)の反射防止基材として好適である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、ゾル液の調製)
[製造例1]
四塩化スズ五水和物0.27gを100mlナス型フラスコに仕込み、イオン交換水50mlに溶解し、酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti 15重量%含有)5mlを加えた。溶液のpHは−0.1であった。(仕込みTiモル濃度=0.45mol/l、Sn/Tiモル比=0.03)マグネチックスターラーで攪拌し、50℃で1時間加熱したところ、白色の沈殿を得た。遠心分離を行い、白色沈殿を回収、イオン交換水に再分散させた。限外ろ過を行い、固形分2重量%のゾル液を得た。この固形分の粉末X線回折測定、電子顕微鏡観察を行った。120℃で2時間熱風乾燥を行った後に粉末X線回折測定を行ったところ、酸化チタンルチル型であった。結晶径は回折ピークの半値幅からDebye−Sherrerの式を用いて計算した。その結果、結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmであった。電子顕微鏡観察は透過型電子顕微鏡を用い、メッシュに希薄ゾル液を滴下したものを倍率20万倍、200万倍で観察した。その結果、平均凝集粒子径が23nmのルチル型酸化チタンであった。誘導結合プラズマ法分析によるSn/Tiの元素モル比は0.02であった。上記固形分の2.0重量%ゾル液10gをとり、ポリビニルピロリドン200mgを加え、さらにイオン交換水10gを加えたものを石英基板にスピンコートし、120℃で乾燥後、すみやかにエリプソメーターで屈折率を測定した。含有される固形分の体積分率から固形分の屈折率を評価し、n=2.72を得た。
[製造例2]
製造例1で四塩化スズ五水和物を0.9g用いた以外は実施例1と同様に実施した。(仕込みTiモル濃度=0.45mol/l、Sn/Tiモル比=0.1)得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところ、結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmで、平均凝集粒子径が20nmのルチル型酸化チタンであった。Sn/Tiの元素モル比は0.06であった。製造例1と同様に固形分の屈折率を評価し、n=2.65を得た。
(アンチモン酸化物+ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[製造例3]
三酸化アンチモン30gの水懸濁液240gに水酸化カリウム20gを加えて70℃に加熱した後、35重量%過酸化水素水30gを滴下し、五酸化アンチモン換算で10重量%アンチモン酸塩水溶液を調製した。pH=8.3であった。
水ガラス(酸化ケイ素 35重量%含有)にイオン交換水を加えて酸化ケイ素換算で3重量%の水溶液とした。
水溶液を陽イオン交換樹脂に通液し、pH=2.6のケイ酸ゾル液を調製した。つづいてpH=8.2となるまで10重量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、2重量%の安定化ケイ酸ゾル液とした。
製造例1で調製した2重量%スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液1500gに上記のアンチモン酸塩水溶液66gを加えて85℃で8時間加熱した。限外ろ過を行い精製し、4重量%のアンチモン酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液とした。
このアンチモン酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液2500gを90℃に加熱した。減圧にして水を除去しながら液量を2500gに保ちながら上記の安定化ケイ酸ゾル液630gを90時間かけて滴下し、さらに3時間加熱した。限外ろ過を行い精製し、10重量%のアンチモン酸化物+ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液を調製した。120℃で2時間熱風乾燥を行った後に誘導結合プラズマ法による元素分析を行ったところ、酸化物換算で酸化アンチモン/酸化ケイ素/スズ修飾酸化チタン重量比=0.12/0.9/1であった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を変換し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
[製造例4]
製造例2で調製したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液を用いた以外は製造例3と同様にして20重量%メタノール分散ゾル液を調製した。
(高屈折率層用コーティング組成物の調製)
製造例3、4で得られた20重量%メタノール分散ゾル液を19.5g(固形分3.9g)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物1.3g(DPHA、日本化薬(株)製)を混合後、エチルセロソルブ3.0gを加えた。さらに光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド(TMDPO)を0.17g、Si系界面活性剤(日本ユニカー(株)製 商品名FZ−2110)を添加し、充分攪拌しコーティング液を調製した。(アクリレート成分/微粒子成分=25/75)
(高屈折率硬化膜付基材の調製)
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用い、上記実施例1で得られたコーティング液をバーコート法にて塗布し、室温で1時間乾燥させた後、メタルハライドランプ(強度120W/cm)を60秒間照射し、高屈折率硬化膜付基材を形成した。
(ハードコーティング組成物の調製)
(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン15gに0.001規定塩酸 3.5gを2時間かけて滴下し、3時間攪拌した。エチルセロソルブを30g加え、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン部分加水分解物の溶液とした。次に、製造例3、4で得たメタノールゾル液(全固形濃度20重量%)9.3gに前述の(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン部分加水分解物溶液5.3gを添加、さらに硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトナート50mg、界面活性剤(日本ユニカー(株)製:L7604)10mgを添加し、攪拌しコーティング液を作成した。
(ハードコート膜+高屈折率硬化膜付基材の調製)
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用い、実施例3で得られたコーティング液をスピンコート法で塗布し、90℃で30分、その後120℃で2時間加熱処理をして、塗膜を硬化させた。次に実施例1で得られたコーティング液を用いて実施例2と同様にして高屈折率硬化膜付基材を形成した。
(ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液、コーティング液、高屈折率硬化膜付基材の調製)
[比較例1]
製造例2で得られたゾル液を用いた以外は実施例1、2と同様にして高屈折率硬化膜付基材を形成した。
(アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液、コーティング液、高屈折率硬化膜付基材の調製)
[比較例2]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液20mlを加え、60℃で6時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、固形分2重量%ゾル液とした。得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところ、結晶径が短軸、長軸共に平均5nmのアナターゼ型酸化チタンであった。製造例1と同様に固形分の屈折率を評価し、n=2.52を得た。このゾル液を用いた以外は実施例1、2と同様にして高屈折率硬化膜付基材を形成した。
(ジルコニウム酸化物被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液、コーティング液、高屈折率硬化膜付基材の調製)
[比較例3]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液20mlを加え、60 ℃で6時間加熱した。酸化塩化ジルコニウム八水和物32gを溶解した水溶液 50gを滴下し、90 ℃に昇温し、1時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過を行った。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、4重量%ゾル液とした。酸化ジルコニウム被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子の組成は酸化物換算で酸化ジルコニウム/酸化チタン重量比=0.85/1であった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を変換し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。製造例1と同様に固形分の屈折率を評価し、n=2.12を得た。このゾル液を用いた以外は実施例1、2と同様にして高屈折率硬化膜付基材を形成した。
上記方法により高屈折率硬化膜付基材について、以下に示すように耐擦傷性、耐光性、屈折率、およびコーティング液について、分散安定性を評価した。その結果を表1に示す。
(a)分散安定性:調製したコーティング液を室温で一ヶ月保存した際の変化を以下の指標で評価した。
○… 変化しない
△… 増粘した
×… ゲル化した
(b)耐擦傷性:スチールウール(♯0000)により1kg荷重で表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で評価した。判断基準は以下の通りである。
○… ほとんど傷がつかない
△… 少し傷がつく
×… ひどく傷がつく
(c)耐 光 性:得られたハードコート膜付基材をソーラーシュミレーター(Type:sss−252161−ER ウシオ電機(株)製)による300時間照射後の密着性試験で剥離が無いもの、及び黄変がないものを○とした。基材と硬化膜との密着性は、JISK−5600に準じてクロスカットテープ試験によって行った。すなわち、ナイフを基材表面に1mm感覚に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を25個形成させる。次にその上へセロファン粘着テープを強く押し付けた後表面から90°方向へ急に引っ張り剥離した後コート膜の残っているマス目をもって密着性指標とした。
○… 剥がれなし(25/25)
×… 剥がれあり(24/25以下)
(d)塗膜屈折率の測定:石英基板上にコーティング液をスピンコート法により膜厚約700Åに塗布し、熱風乾燥した塗布膜を、自動波長走査型エリプソメーターM−150(日本分光(株)製)を用いて550nmでの屈折率を測定した。
(e)光透過率:波長500nmでの透過率を、反射率及び基材の透過率を補正後求めた。
○… 98%以上
×… 98%未満
Figure 2006342311
表1に示すように、本発明の実施例はルチル型酸化チタン超微粒子を用いることによってアナターゼ型酸化チタン超微粒子を用いた場合よりも高い屈折率が得られ、金属酸化物で被覆することによって耐光性が向上していることが分かる。
本発明によれば、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、ゾル液及びそれを含んだ分散安定性、塗布適性に優れる高屈折率コーティング材料を提供することができる。さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、耐擦傷性、耐磨耗性、透明性、耐熱性等が良好な反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの光学薄膜を形成できる高屈折率コーティング組成物、当該コーティング組成物を用いて形成した高屈折率薄膜の層を有する光学基材を提供することができる。
特に反射防止膜に含まれる高屈折率層や高屈折率ハードコート層、帯電防止膜や帯電防止性ハードコート層や透明電極膜などの導電性透明薄膜、あるいは画像表示装置の表示面、各種光学レンズ表面等に好適に適用される反射防止膜、増反射膜、選択透過膜、紫外線カット膜などの高屈折率薄膜、及び該薄膜を設けた光学基材を提供することができる。

Claims (12)

  1. (1)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子と一種以上の金属酸化物を含む被覆層から構成される複合酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶剤を含有してなるコーティング組成物。
  2. (1)の核微粒子が、
    チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であり、且つ結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである請求項1記載のコーティング組成物。
  3. (1)の超微粒子からなる凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmである超微粒子またはそのゾルを用いることを特徴とする請求項1または2記載のコーティング組成物。
  4. (1)の超微粒子が、水あるいは有機溶剤に分散してなるゾル液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング組成物。
  5. (2)の硬化性バインダー成分が、光硬化性および/または熱硬化性の有機モノマー又はオリゴマー、有機ポリマー、並びに有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物の少なくともいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物を光学基材表面に塗布、硬化してなる屈折率が1.5〜2.8である光学薄膜。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は請求項6記載の薄膜を用いた反射防止膜。
  8. 屈折率の異なる薄膜を二層以上積層してなる反射防止膜であって、このうち少なくとも1層が請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は請求項6記載の薄膜を用いた層であり、且つ当該層が中〜高屈折率層であることを特徴とする請求項7記載の反射防止膜。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は請求項6記載の薄膜を用いた高屈折率ハードコート膜。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング組成物又は請求項6記載の薄膜を用いた導電性透明薄膜。
  11. 請求項9および/または10記載の薄膜を有することを特徴とする請求項7または8記載の反射防止膜。
  12. 請求項6〜11のいずれかに記載の薄膜が施されている光学基材。
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