JP2017008380A - 透明電極付き基板およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】 熱処理による結晶化促進と常温結晶化抑制とを達成しつつ、シート抵抗を制御する透明電極付き基板等を提供する。【解決手段】 透明フィルム基材16と透明導電性酸化物を含有する透明電極層17とを含む透明電極付き基板10では、抵抗調整層12および下地層11が、この順で、透明電極層17から透明フィルム基材16に向かって配置され、透明電極層17、抵抗調整層12、および下地層11が接触し、下地層11は、酸化インジウムを主成分として含有する結晶質な誘電体である。【選択図】 図1

Description

本発明は、透明電極付き基板およびその製造方法に関する。
透明電極付き基板は、タッチパネル若しくはディスプレイ等の表示デバイス、LED等の発光デバイス、または、太陽電池等の受光デバイスに用いられる。そして、この透明電極付き基板では、シート抵抗として表される電気特性の制御が重要である。
特に、透明電極層を熱処理(アニール)することで結晶化促進させて低抵抗化する技術は重要であり、従来の研究開発は結晶化促進を追及し、低抵抗率を達成するものが大勢であった。例えば、特許文献1には、酸化セリウムを下地層として形成し、これにより、透明電極層を低抵抗化する技術が記載されている。また、特許文献2には、透明電極層を多層構造にすることで、低抵抗化に要する結晶化促進技術が記載されている。さらに、特許文献3には、基板上に誘電性層と導電性層とを積層させることで、電気特性および物理的耐久性を改善する技術が記載されている。
特開平7−178863号公報 特開2012−114070号公報 特表平3−504900号公報
ところが、最近、アニール前に、透明電極付き基板を常温常圧環境下で長期間保管した場合、非晶質な透明電極層が熱力学的に安定な結晶質に転移し、それに起因したシート抵抗の変化が問題になっている。それは、このような結晶化が生じてしまうと、アニールによる結晶化後の透明電極付き基板のシート抵抗が、所望の値に調整できないという問題である。この問題は、透明電極層等の層厚変更によって解決することも可能だが、そうしてしまうと、シート抵抗以外の他の特性(例えば光学特性)が劣化してしまう。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、熱処理による結晶化促進と常温結晶化抑制とを達成しつつ、シート抵抗を制御する透明電極付き基板等を提供することにある。
フィルム基材と透明導電性酸化物を含有する透明電極層とを含む透明電極付き基板にあって、抵抗調整層および下地層が、この順で、上記透明電極層から上記フィルム基材に向かって配置されるとともに、上記透明電極層、上記抵抗調整層、および上記下地層が接触しており、上記下地層は、インジウムを主成分とする酸化物を含有する、結晶質な誘電体である。
なお、このような透明電極付き基板を製造する場合に、上記下地層および上記透明電極層は、共に反応性ガスとして酸素ガスを用いてマグネトロンスパッタリング法で製膜し、かつ、上記下地層での上記酸素ガス量は、上記透明電極層での上記酸素ガス量より1.5倍以上である、透明電極付き基板の製造方法も、本発明である。
本発明によれば、熱処理による結晶化促進と常温結晶化抑制とを達成しつつ、シート抵抗を制御する透明電極付き基板となる。
は、透明電極付き基板の断面図である。 は、透明電極付き基板の断面図である。 は、透明導電性酸化物層の一般的な性質の関係を示す説明図である。 は、透明電極層の深さと、その深さに存在する低抵抗粒子の平均粒径とを示す参考グラフである。 は、実施例1に対するX線光電子分光の結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態について説明する。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
<透明電極付き基板>
図1は、透明電極付き基板10を示す断面図である。この透明電極付き基板10は、透明フィルム基材16、下地層11、抵抗調整層12、および透明電極層17、を含む。詳説すると、透明フィルム基材16上に、下地層11が製膜され、この下地層11上に、抵抗調整層12が製膜され、さらに、この抵抗調整層12上に、透明電極層17が製膜される。なお、透明電極層17、抵抗調整層12、および下地層11は、互いに接触している。
<透明フィルム基材>
透明フィルム基材16は、透明電極付き基板10の土台となる材料(基礎となる材料:基材)で、例えばフィルム状である。そして、透明フィルム基材16は、少なくとも可視光領域で、無色透明であれば、特に限定されない。
また、透明フィルム基材16の厚みも、特に限定されないが、10μm以上400μm以下であれば好ましく、20μm以上200μm以下であればより好ましい。この範囲内であれば、透明フィルム基材16、ひいては透明電極付き基板10は、十分な耐久性を確保するとともに、適度な柔軟性を有する。
その上、この厚みの範囲内の透明フィルム基材16であれば、ロール・トゥ・ロール方式で、下地層11、抵抗調整層12、および透明電極層17等を製膜させられ、その結果、透明電極付き基板10が高い生産性で製造される。なお、透明フィルム基材16としては、二軸延伸により分子を配向させることで、ヤング率等の機械的特性または耐熱性を向上させたものが好ましい。
また、一般に、延伸フィルムは、延伸による歪が分子鎖に残留するため、加熱された場合に熱収縮する性質を有している。そのため、このような熱収縮の低減を図るべく、延伸の条件調整または延伸後の加熱によって応力(歪)を緩和させ、熱収縮率を0.2%程度、または、それ以下に低減させるとともに、熱収縮開始温度を高めた二軸延伸フィルム(低熱収縮フィルム)が知られている。そこで、透明電極付き基板10の製造工程における透明フィルム基材16の熱収縮による不具合を抑止する観点から、このような低熱収縮フィルムが透明フィルム基材16として用いられると好ましい。
なお、透明フィルム基材16の材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフテレート(PBT)、または、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂が挙げられるだけでなく、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、または、セルロース系樹脂等も挙げられる。中でも、安価で透明性に優れる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましく用いられる。
また、透明フィルム基材16の片面(表面または裏面)または両面に、例えば、光学調整層、反射防止層、ぎらつき防止層、易接着層、応力緩衝層、ハードコート層、易滑層、帯電防止層、結晶化促進層、結晶化速度調整層、または、コーティング層等の機能性層14が製膜されてもよい(図2参照)。
例えば、ハードコート層の場合、透明フィルム基材16に適度な耐久性と柔軟性とを持たせるためには、そのハードコート層の厚みは、1μm以上10μm以下であれば好ましく、3μm以上8μm以下であればより好ましく、5μm以上8μm以下であればより一層好ましい。なお、ハードコート層の材料としては、特に制限されず、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、またはシリコーン系樹脂等が挙げられ、それら材料から適切に選択されたものが塗布・硬化させられる。
<下地層>
次に、透明電極層17の下地となる下地層11について説明する。下地層11は、透明電極層17の下地になるもので、酸化インジウムを主成分として含有する結晶質な誘電体で形成される。なお、本明細書において、ある物質を「主成分とする」とは、当該物質の含有量が51重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上であることを意味する。
また、下地層11の層厚は、2nm以上5nm以下であると好ましい。なぜなら、下地層11には、透明フィルム基材16からの炭素原子若しくは窒素原子等の透明電極層17の結晶化阻害成分の拡散抑制、透明電極層17をスパッタリングで形成するときのプラズマからの透明フィルム基材16の保護、または、透明電極層17形成時の表面自由エネルギー制御等の役割があり、これらの役割を満たすためには上記層厚範囲が好ましいためである。
酸化インジウムについて説明する。酸化インジウム(インジウムを主成分とする酸化物)が下地層11に主成分として含まれることは、かかる下地層11の表面自由エネルギーを透明電極層17の形成に最適な値に制御する点から好ましい。また、酸化インジウムは、水蒸気等の化学的な要因だけでなくプラズマ等の物理的な要因に対してフィルムを保護するバリア特性の観点からも好ましいし、透明電極層17の結晶化阻害となり得る炭素または窒素原子を含まないことからも好ましい。
さらには、酸化インジウムは、酸化珪素等の公知の下地層材料と比べて、透明電極層17の常温結晶化を抑制する。これは、酸化インジウムが、透明電極層17を結晶化させる場合の活性化エネルギーの制御に効果が有ることに起因すると考えられる。
特に、インジウムを主成分とする酸化物から成る無機化合物を用いたスパッタリング法により下地層11が形成される場合は、例えば、酸素との結合が強い珪素を用いたスパッタリング法により下地層が形成される場合に比べて、有用である。
なぜなら、珪素は、インジウムに比べて強く酸素と結合するため、スパッタリング製膜において、容易に酸素過飽和な膜(層)となりやすく、それに起因して、その酸素過飽和な層の上に形成された透明電極層17では、結晶化が過剰に促進され、常温結晶化が進行する虞がある。しかしながら、酸化インジウムの場合、そのような虞が無い。また、下地層11との格子マッチングの観点からも、酸化インジウムは好ましい。
以上を踏まえると、下地層11は、酸化珪素を実質的に含有しないことが好ましい。なお、「実質的に含有しない」とは、当該物質の含有量が1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、特に好ましくは0重量%であることを意味する。
結晶質について説明する。「結晶質」とは、結晶粒等の結晶状態を確認できるもののうち、透過電子顕微鏡(TEM)を用いた格子像の観測により、原子配列の秩序を含有することが確認できるものを意味する。詳説すると、5nm程度の距離で原子配列の秩序を含有するものは、結晶質といえる。なお、TEM観測の前に、原子間力顕微鏡(AFM)の電流像測定モードで、1ミクロン四方の形状測定を行い、形状から結晶粒の存在を確認した後に、かかるTEM観測を行った。
一方で、結晶粒等の結晶状態を確認できないものは「非晶質」である。また、結晶粒等の結晶状態を確認できるものであっても、原子配列の秩序を含有しないものは非晶質とする。透明電極層17の結晶質および非晶質についても同様である。なお、TEMを用いた断面観察では、画像のコントラストによって結晶質と非晶質とを区別する。
そして、下地層11は、熱処理(アニール)による結晶化工程前において結晶質である。このようになっていると、上記したように、下地層11の表面自由エネルギーまたはバリア特性を制御する。また、下地層11上に、抵抗調整層12、さらにその層の上に透明電極層17がスパッタリング製膜される場合に、結晶質の下地層11であると、抵抗調整層12を介していても、その抵抗調整層12と透明電極層17との界面付近に、透明電極層17の結晶核を形成させられる。そして、この結晶核は、アニールにおける結晶化を促進させる。
誘電体について説明する。下地層11は、実質誘電体であることが好ましい。「実質誘電体」であるとは、下地層11のみの電気特性を測定した場合に導電性を示さないことを意味し、「導電性を示さない状態」とは、抵抗率で1×10Ωcm以上であることを意味する。
そして、下地層が、誘電体ではなく導電体であると、下地層中の自由電子と透明電極層の自由電子との相互移動が起こり、それによる電子−格子間相互作用により結晶化が促進されることがある。そして、このようなことが起きると、常温結晶化が進行する虞があり好ましくない。
<抵抗調整層>
次に、抵抗調整層12について説明する。抵抗調整層12は、アニールによる結晶化工程前において非晶質な層であり、透明電極付き基板10のシート抵抗を調整する役目を果たす。特にシート抵抗を上げる(すなわち抵抗率を上げる)ことを目的として、抵抗調整層12は、下地層11と透明電極層17との間に挿入される。
一般的に、シート抵抗に関連する透明導電性酸化物は、図3に示されるような性質を有する。つまり、シート抵抗は、透明導電性酸化物の層厚が厚いほど、低くなる。そのため、一定以上のシート抵抗を維持するためには、層厚を薄くしなくてはならない。例えば、2.2×10−4Ωcmの抵抗率を有する透明導電性酸化物において、150Ω/□のシート抵抗が必要な場合には、14.6nmとすることが必要である。
このように、透明導電性酸化物が15nm以下の層厚になる場合、結晶化に必要な活性化エネルギーが高くなり、その結果、アニールでの結晶化時間が長くなりやすい。さらに、一般的に、層厚の薄い透明導電性酸化物は、湿熱耐久性等の耐久性が低下しやすい。このような性質に対して、透明導電性酸化物の層厚を薄くすることなく、シート抵抗を上げるべく、抵抗調整層12が設けられている。
抵抗調整層12の組成は、酸化インジウムを主成分とすると好ましく、より好ましい組成は、抵抗調整層12と接する透明電極層17と同じ組成である。これにより、透明電極層17とのマッチングが良くなるので、導電性・耐久性に優れる透明電極付き基板10が製造される。
また、抵抗調整層12の層厚は1nm以上3nm未満であると好ましい。この層厚範囲の上限以上の場合、厚みの高厚化に伴って、抵抗調整層および透明電極層17が常温にて結晶化し易くなってしまう一方、この層厚範囲の下限未満の場合、薄すぎて、抵抗調整層が透明電極層17の抵抗を調整する機能を発揮できない。その上、下地層・抵抗調整層・透明電極層の層厚の合計が薄くなることから、抵抗調整層および透明電極層のアニールによる結晶化が長時間になってしまう。
しかしながら、この層厚範囲であれば、かかるような不具合を抑えられる。その結果、透明電極付き基板10のシート抵抗が適切に調整されながら、下地層11の役割である結晶化の制御も可能となる。
<透明電極層>
次に、透明電極層17について説明する。透明電極層17は、アニールによる結晶化工程前において非晶質で、透明導電性酸化物を主成分として含む層である。そして、透明導電性酸化物が、例えば酸化インジウムの場合、その酸化インジウムの含有量は、87.5重量%以上99.0重量%以下であると好ましく、90重量%以上95重量%以下であるとより好ましい。
また、透明電極層17は、層中にキャリア密度を持たせて導電性を付与するためのドープ不純物を含有する。このようなドープ不純物としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、または、酸化タングステンが挙げられる。例えば、ドープ不純物が酸化スズである場合、透明電極層17は酸化インジウム・スズ(ITO)を含んでいるとよく、ドープ不純物が酸化亜鉛である場合、透明電極層17は酸化インジウム・亜鉛(IZO)を含んでいるとよい。
なお、透明電極層17中のドープ不純物の含有量は、4.5重量%以上12.5重量%以下であることが好ましく、5重量%以上10重量%以下であるとより好ましい。このようなドープ不純物の範囲であれば、透明電極層17のキャリア密度は、4×1020cm−3以上9×1020cm−3以下という好適な範囲、6×1020cm−3以上8×1020cm−3以下というより好適な範囲になる。
そして、このようなキャリア密度の範囲であれば、アニール後の結晶質な透明電極層17の抵抗率は、3.5×10−4Ωcm以下といった低抵抗となり、さらに、透明電極層17の表面抵抗が、170Ω/□以下、好ましくは150Ω/□以下にもなる。そして、このように低抵抗な透明電極層17は、静電容量方式タッチパネルの応答速度向上、有機EL照明の面内輝度の均一性向上、または、各種光学デバイスの省消費電力化等に寄与する。
透明電極層17は、多層であっても単層であっても構わない。また、透明電極層17の層厚は、低抵抗かつ高透過率とする観点から、15nm以上30nm以下が好ましく、17nm以上27nm以下がより好ましく、20nm以上25nm以下がより一層好ましい。
また、透明電極層17と抵抗調整層12と下地層11との層厚の合計は、50nm未満であると好ましく、18nm以上45nm以下であるとより好ましく、20nm以上30nm以下であるとより一層好ましい。なぜなら、このような層厚の範囲であれば、アニールでの透明電極層17および抵抗調整層12の結晶化を短時間で確実に完了させられるためである。
このように結晶化時間が短縮する理由は、明確にはわからないが、層厚が厚なっていると、スパッタリングにおけるプラズマプロセス(輻射熱)の影響によって、各層が結晶化しやすい構造に変位すると推定する。なお、一般的には層厚が厚くなると、シート抵抗は低下していくが、抵抗調整層12があることによって、透明電極付き基板10のシート抵抗の低下は抑制される。
また、アニールによる結晶化後、透明電極層17は、結晶化度80%以上であると好ましく、90%以上であるとより好ましい。このような結晶化度の範囲であれば、透明電極層17による光吸収を小さくできるとともに、環境変化等による抵抗値の変化を抑制する。なお、結晶化度は、顕微鏡観察時において観察視野内で結晶粒が占める面積の割合から求められる。
また、アニールによる透明電極層17の均一な結晶化および常温での透明電極層17の結晶化抑制のために、透明電極層17は低抵抗粒子を有していることが好ましい。低抵抗粒子とは、上記した、結晶質の下地層11が存在することで、抵抗調整層12と透明電極層17との界面付近に生じる結晶核のことである。そして、この低抵抗粒子は、透明電極層17に含有される透明導電性酸化物の粒子であるとよい。
低抵抗粒子は、透明電極層17の層厚方向に形成され、原子間力顕微鏡(AFM)の電流像測定モードで、透明電極層17を観察した場合に、低抵抗粒子の径が透明電極層17の層内部で最大値を示すことが好ましい。「透明電極層の層内部」とは、透明電極層17の層厚方向の最表面および最底面以外の箇所を意味する。
図4は、低抵抗粒子の径が透明電極層17の層内部で最大値を示すこと説明する参考図で、透明電極層17の層厚方向の低抵抗粒子の平均粒径のプロファイルを示している。横軸は、透明電極層17の深さであり、横軸最小点が透明電極層17の最表面、横軸最大点が透明電極層17と抵抗調整層12との界面直上である、透明電極層17の最底面を示す。
縦軸は、低抵抗粒子の平均粒径である。平均粒径は、透明電極層17に対して導電性カンチレバーで一定のバイアスをかけ、測定面に流れる電流を電流像として取得し、その電流像を画像解析することで取得される。そして、透明電極層17を、最表面から最低面まで順にエッチングしながら測定を行うことにより、層厚方向の低抵抗粒子の平均粒径のプロファイルが求められる
そして、図4のように、透明電極層17の層内部、特に中央部分で、結晶粒径が最大値を示すような場合、大径の低抵抗粒子が層厚方向の中央に分布していることになり、アニールにおいて、層厚方向の中心から徐々に最表面および最底面に向かって結晶化していく。これによって、透明電極層17が均一に結晶化していく。
その上、抵抗調整層12と透明電極層17との界面付近で、大径の低抵抗粒子が存在していると、結晶成長が大幅に促進されてしまう虞があり、常温結晶化が進行することもあり得るが、図4のような場合、このような虞が低減される。
<透明電極付き基板の用途>
以上のように製造された透明電極付き基板10は、例えば、タッチパネル、ディスプレイ、またはデジタルサイネージのような表示デバイスの透明電極として用いられるが、特にタッチパネル用の透明電極として好適に用いられる。中でも、透明電極層11が低抵抗であることから、静電容量方式タッチパネル用途に好ましく用いられる。
ところで、タッチパネルの形成においては、透明電極付き基板10上に、導電性インクまたは導電性ペーストが塗布・加熱処理され、そのような導電性部材が引き廻し回路用配線としての集電極となる。なお、この加熱処理は特に限定されず、オーブンまたはIRヒータ等による加熱処理が挙げられる。また、加熱処理の温度または時間は、導電性部材が透明電極層11に付着する温度または時間を考慮して適宜に設定される。オーブンによる加熱であれば120℃以上150℃以下の範囲で30分以上60分以下の範囲、IRヒータによる加熱であれば150℃程度で5分程度の例が挙げられる。
なお、引き回し回路用配線の形成方法は、導電性インクまたは導電性ペーストの塗布・加熱処理に限定されず、例えば、ドライコーティング法またはフォトリソグラフィ法によって形成されてもよい。特に、フォトリソグラフィ法によって引き廻し回路用配線が形成された場合、その配線は、比較的容易に細線化される。
<透明電極付き基板の製造方法>
透明電極付き基板の製造方法について説明する。まず、透明フィルム基材16を準備する [基材準備工程]。なお、透明フィルム基材16は、透明フィルム基材16単体であってもよいし、機能層14を積層させた透明フィルム基材16であってもよい(図2参照)。
<製膜工程>
透明フィルム基材16上の層、すなわち、下地層11、抵抗調整層12、および、透明電極層17は、生産性の観点から、スパッタリング法による製膜(スパッタ製膜)、特にマグネトロンスパッタリング法によって、形成されると好ましい。スパッタ製膜では、製膜室内に、アルゴンまたは窒素等の不活性ガス、および、酸素ガスを含むキャリアガスが導入されながら行われる。
この導入ガスは、アルゴンと酸素との混合ガスであると好ましい。なお、アルゴンと酸素とは、所定の混合比に予め調整されていてもよいし、それぞれのガスが流量制御装置(マスフローコントローラ)により流量を制御された後に混合されてもよい。また、混合ガスには、各層の機能が損なわない限りにおいて、その他のガスが含まれていてもよい。
また、製膜室内の圧力(全圧)は、0.10Pa以上1.00Pa以下であると好ましく、0.15Pa以上0.80Pa以下であるとより好ましい。
スパッタ製膜での基板温度は、透明フィルム基材16の耐熱性範囲であればよく、60℃以下であれば好ましく、−20℃以上40℃以下であればより好ましい。このような基板温度であれば、透明フィルム基材16からの水分または有機物質(例えばオリゴマー成分)の揮発等が起こり難くなり、酸化インジウムの結晶化が起こりやすくなる。
その上、後のアニールによる結晶化工程において、非晶質である透明電極層17が結晶化された後、すなわち結晶化された透明電極層(結晶質透明電極層)17が形成された場合、結晶内の欠陥生成を抑制することが可能のため、その透明電極層17の抵抗率の上昇が抑制される。
また、基板温度が上記の温度範囲であれば、透明電極層17の透過率の低下、または、透明フィルム基材16の脆化が抑制される。その上、製膜工程における透明フィルム基材16が大幅な寸法変化を起こさない。
また、製膜工程では、巻取式スパッタリング装置を用いたロール・トゥ・ロール法により、下地層11、抵抗調整層12、および透明電極層17の製膜が行われと好ましい。このロール・トゥ・ロール法により製膜が行われることで、非晶質の透明電極層17を最表面に積層した透明フィルム基材16の長尺シートのロール状巻回体が得られる。なお、巻取式スパッタリング装置を用いて、下地層11、抵抗調整層12、および透明電極層17は、連続して製膜されると好ましい。
以降、各層のスパッタ製膜に関して説明する。
(下地層の製膜)
従来、スパッタリング法で、特に酸化インジウムまたは酸化亜鉛を誘電体とすることは、化学量論数、酸素欠損の生成等の観点から容易ではなかった。そこで、以下のように形成することで、光学的・電気的な影響を比較的少なくし、下地層は導電性を発現させることなく、結晶質な下地層11の製膜に成功した。
具体的には、マグネトロンスパッタリング法でのマグネットの強度を、700ガウス以上1300ガウス以下の範囲に設定した。この範囲であれば、極端なエロージョンによるスパッタターゲットの利用効率低下が抑制され、かつ良質な下地層11が形成された。これは、磁場強度が大きくなることで、放電電圧が下げられることに起因する。そして、これによって、下地層11の形成が、透明フィルム基材16に対して低ダメージで製膜された。
なお、スパッタリングに用いる電源には制限が無く、直流電源または交流電源等が、ターゲット材料にあわせて選択される。一方、放電電圧は、スパッタ装置または使用電源の種類に依るが、−350V以上−100V以下程度であると、良好な透明導電性酸化物層を形成するためには好ましく、−300V以上−180V以下程度がより好ましい。
また、下地層11は、透明フィルム基材16、または図2に示されるような有機化合物を含むコーティング層14の上に形成されることもある。そのため、下地層11よりも下層、ひいては透明電極付き基板10に対するダメージを低減させるように、かかる下地層11が製膜されると好ましい。このような低ダメージ製膜は、上記のような強磁場カソードによる低電圧製膜の他に、入力される電力密度を上げない等の手法が有る。
また、下地層11を形成する場合には、スパッタチャンバー内に導入する酸素量が重要である。なぜなら、通常の透明導電性酸化インジウムを形成する場合に導入する酸素量(いわゆるボトム酸素量)よりも1.5倍以上多い酸素を導入しながら製膜することで、上述の誘電体の下地層11が形成されるためである。そのため、酸素分圧は、例えば、1.0×10−2Pa以上4.0×10−1Pa以下であると好ましく、1.5×10−2Pa以上2.0×10−1Pa以下であるとより好ましい。
このように、過剰の酸素供給下でスパッタ製膜が行われることにより、酸素欠損等による導電性キャリアが生成していたとしても、それを導電させないためのキャリア密度の低下、または、結晶粒界のバリア高による極端な移動度の低下が生じるために、誘電体の酸化インジウムが形成されると考えられる。
なお、誘電体の下地層11の製膜に要する酸素導入量は、好ましくは、ボトム酸素量の3倍以上8倍以下である。なぜなら、多すぎる酸素量は、製膜速度の低下、または、大過剰な酸素により発生する酸素プラズマによる薄膜へのダメージを引き起こす虞があるためである。
(抵抗調整層の製膜)
抵抗調整層12の形成方法は、下地層11同様に、マグネトロンスパッタリング法だと好ましい。また、マグネトロンスパッタリング法において良質な抵抗調整層12の形成には、マグネットの強度および放電電圧は、下地層11の製膜条件と同じであれば好ましい。また、抵抗調整層12も下地層11同様に、低ダメージ製膜であるとよいので、スパッタチャンバー内に導入する酸素量は、下地層11の製膜条件範囲と同じ程度であれば好ましい。例えば、酸素分圧は、例えば、5.5×10−2Pa以上2.0×10−1Pa以下であると好ましく、8.0×10−2Pa以上1.0×10−1Pa以下であるとより好ましい。
ただし、抵抗調整層12は、下地層11と異なり、非晶質であり、かつ導電性を必要とする。そのため、チャンバー全体の圧力調整が重要となり、抵抗調整層12を製膜する場合のスパッタチャンバー全体の圧力(全圧)は、下地層11を製膜する場合の全圧よりも2倍以上高いと好ましい。このようになっていれば、酸素分圧の上昇を抑制させながら、プラズマ雰囲気中の酸素原子・酸素プラズマの数を増やせるようになり、適度な導電性を付与されるだけでなく、非晶質となる。
(透明電極層の製膜)
透明電極層17の形成方法は、下地層11および抵抗調整層12同様に、マグネトロンスパッタリング法だと好ましい。
ただし、透明電極層17を形成する場合の酸素分圧は、非晶質にすべく、下地層11および抵抗調整層12の酸素分圧に比べて低い値、例えば、1.0×10−3Pa以上5.0×10−2Pa以下であると好ましく、3.0×10−3Pa以上4.0×10−2Pa以下であるとより好ましい。そして、このような酸素供給量が少ない状態であれば、製膜後の非晶質膜中に、酸素欠損が多く存在し、導電性キャリアがより多く生じる。
なお、スパッタリングによる透明電極層17の形成は、1回の製膜で所望の層厚の全厚を形成してもよいが、複数回の積層により形成したほうが、生産処理速度または透明フィルム基材16への熱履歴の観点から好ましい。複数回製膜を行う場合には、以下の2つの手法により結晶性を制御すると好ましい。
1つ目の製法では、同じ組成のターゲットを用いて、各層毎の製膜条件を変える。この方法において、例えば下地層11上に透明電極層17を製膜する場合、スパッタ装置の入力電力が高めに設定されていると、透明電極層17における結晶核形成を促せる。逆に、スパッタ装置の入力電圧が低めに設定されていると、結晶化のために要する活性化エネルギーを高められる。
さらに、透明電極層17の最表面層を製膜する場合、スパッタ装置における入力電力または反応性ガス(酸素等)の分圧が調整されることで、透明電極層17に含まれるドーパントの透明電極層17の表面への偏析が抑制され、透明電極層17中で均一な結晶化が実現する。
2つ目の製法では、透明電極層17を構成する酸化材料またはドーパントの組成・濃度を順次変更して形成する方法である。この製法の場合、透明電極層17中のスムーズな電子輸送の観点から、ドーパントの材料は同一であると好ましく、また、ドーパントの濃度の変化は、層厚方向のみに生じさせると好ましい。
なお、透明電極層17をスパッタリング製膜する場合、真空装置内の雰囲気は、四重極質量分析計で測定したm(質量)/z(電荷)=18の成分の分圧が2.8×10−4Pa以下であり、かつ、m/z=28の成分の分圧が7.0×10−4Pa以下であると好ましい。
m/z=18の成分は主に水であり、m/z=28の成分は主に有機物由来の成分または窒素である。これらの分圧が、上記の関係を満たしていれば、透明電極層17中に結晶化阻害物質の混入が抑制される。
そして、このような雰囲気にするには、スパッタ装置内または装置投入前のフィルムロールの脱ガス処理を行う方法が一般的であり、例えば加温することで水分除去する。これらに加えて、透明電極層17の下層に下地層11が形成されることで、透明電極層17を形成する場合における透明フィルム基材16からの上記成分拡散が抑制され、製膜後の拡散も抑制される。
<結晶化工程>
以上の工程を経ることで、透明電極付き基板10が製造される。この透明電極付き基板10は、ユーザの任意のタイミングで、アニール等によって結晶化させられる。この結晶化工程を経ると、抵抗調整層12および透明電極層17が結晶化することに起因して、低抵抗の透明電極層17が得られる。
詳説すると、非晶質の透明電極層17を形成された透明電極付き基板10は、120℃以上170℃以下の温度でアニールされることによって結晶化する。この結晶化工程において、酸素が透明電極層17の層中に十分に取り込まれて、結晶化時間が短縮するためには、アニールは大気中等の酸素含有雰囲気下で行われると好ましい。真空中または不活性ガス雰囲気下でも結晶化は進行するが、低酸素濃度雰囲気下では、酸素雰囲気下に比べて結晶化に長時間を要する傾向があるためである。
また、透明電極付き基板10が、長尺シートのロール状巻回体として、結晶化させられる場合、巻回体のままで結晶化が行われてもよいし、ロール・トゥ・ロールでフィルムが搬送されながら結晶化が行われてもよい。また、透明電極付き基板10であるフィルムが所定サイズに切り出されて結晶化が行われてもよい。
なお、巻回体のまま結晶化が行われる場合、透明電極層17形成後の透明フィルム基材16を、そのまま常温・常圧環境に置くか、加熱室等で養生(静置)すればよい。ロール・トゥ・ロールで結晶化が行われる場合、透明フィルム基材16が搬送されながら加熱炉内に導入されて加熱が行われた後、再びロール状に巻回される。なお、室温で結晶化が行われる場合も、透明電極層17を酸素と接触させて結晶化を促進させる等の目的で、ロール・トゥ・ロール法が採用されてもよい。
<発明の構成>
発明に関しては、以下のように表現できる。
透明フィルム基材16と透明導電性酸化物を含有する透明電極層17とを含む透明電極付き基板10では、抵抗調整層12および下地層11が、この順で、透明電極層17から透明フィルム基材16に向かって配置される。さらに、透明電極層17、抵抗調整層12、および下地層11が接触する。そして、下地層11は、インジウムを主成分とする酸化物を含有する、結晶質な誘電体である。
また、透明電極付き基板10では、抵抗調整層12は、インジウムを主成分とする酸化物を含有すると好ましいし、1nm以上3nm未満の層厚であると好ましい。
また、透明電極付き基板10では、下地層11が、2nm以上5nm以下の層厚であると好ましい。
また、透明電極付き基板10では、下地層11、抵抗調整層12、および透明電極層17の層厚の合計が、18nm以上45nm以下であり、透明電極層17が、インジウムを主成分とする酸化物を含有すると好ましい。
また、透明電極付き基板10では、透明電極層17、抵抗調整層12、および下地層11において、含有酸素濃度の最も高い層は下地層11であると好ましい。
また、透明電極付き基板10では、透明フィルム基材16は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンのいずれかで形成されており、透明フィルム基材16の両面のうちの少なくとも一方面には、コーティング層14が形成されると好ましい。
なお、以上のような透明電極付き基板10の製造方法、すなわち、下地層11および透明電極層17は、共に反応性ガスとして酸素ガスを用いてマグネトロンスパッタリング法で製膜し、かつ、下地層11での酸素ガス量は、透明電極層17での酸素ガス量より1.5倍以上であると好ましい。
また、透明電極付き基板10の製造方法では、下地層11のスパッタ製膜では、直流電源または交流電源のいずれかの電源が使用され、その電源の放電電圧が、−350V以上−100V以下であると好ましい。
また、透明電極付き基板10の製造方法では、透明電極層17の形成条件では、製膜雰囲気の酸素分圧が、透明電極層17の結晶化速度を最速とするための条件であると好ましい。
また、透明電極付き基板10の製造方法では、下地層11および透明電極層17は、ロール・トゥ・ロール法で製膜されると好ましい。
また、透明電極付き基板10の製造方法では、透明電極層17をマグネトロンスパッタリング法で製膜する場合の雰囲気は、四重極質量分析計で測定した場合のm(質量)/z(電荷)=18の成分の分圧が2.8×10−4Pa以下であり、かつ、m/z=28の成分の分圧が7.0×10−4Pa以下であると好ましい。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない(下記表1参照)。
<層厚測定>
下地層、抵抗調整層、および、透明電極層の層厚は、透明電極付き基板の断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた値を使用した。
<抵抗測定>
透明電極層のシート抵抗は、低抵抗率計ロレスタGP(MCP‐T710、三菱化学社製)を用いた四探針圧接測定により測定した。また、下地層の抵抗率は、別途下地層のみの製膜を行い、その下地層に対する表面抵抗の測定の結果から、抵抗率を算出した。
<下地層の評価>
別途下地層のみの製膜を行い、表面の抵抗測定の結果から抵抗率を算出した。また、SII社製NanoNavi IIの原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、1ミクロン四方の形状測定を行い、形状から結晶粒の存在を確認し、さらに、層厚測定同様のTEMを用いた格子像観察から、5nm以上の短距離の秩序を確認した。
なお、下地層の評価では、透明電極層をエッチング除去したものを評価してもよい。透明電極層と下地層とが異なる材料の場合、エッチングすることで下地層の表面から物性を評価することが容易である。また、下地層と透明電極層とが同じ材料の場合、両者の界面で結晶性が異なる点を考慮すると、エッチング速度を測定することで、下地層の表面をあらわにし、物性を評価できる。
<結晶化工程および結晶性評価>
透明電極付き基板10に対して、150℃で1時間、アニールを行った。そして、アニール後の透明電極層の結晶性の確認には、層厚測定同様のTEMを使用した。その結果、透明電極層17が完全に結晶かされていることが確認された(結晶化度100%)。
<常温結晶化および結晶性評価>
アニールされていない透明電極付き基板10を、25℃・50%RHの環境において1週間放置し、その1週間後の透明電極層のシート抵抗を測定することで評価した。シート抵抗が低下していることと結晶化が進んでいることとを等価とした。
[◆実施例1]
下地層、抵抗調整層、透明電極層の製膜では、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量10重量%)をターゲットとして用いた。なお、表1におけるターゲット材料の表記では、nITO(n=1,5,7,10)とし、“n”は、酸化スズをn重量%含有する酸化インジウムであることを意味する。また、全実施例および全比較例での製膜における基板温度は20℃にして、酸素とアルゴンとの混合ガスを装置内に導入しながら製膜した。
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:100の比率で供給し、酸素分圧0.100Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は160Ωcmであった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:22の比率で供給し、酸素分圧0.090Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度1.5kWにし、層厚は2.2nmとした。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は22.0nmとした。その結果、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.2nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は392Ω/□、アニール後(R)は119Ω/□、常温結晶化後(R2)は378Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は14Ω/□となった。
[◆実施例2]
下地層、抵抗調整層、透明電極層のターゲットは、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量7重量%)を使用した。
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:120の比率で供給し、酸素分圧0.109Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は210Ωcmであった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:21の比率で供給し、酸素分圧0.087Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度1.5kWにし、層厚は2.2nmとした。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は22.0nmとした。その結果、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.2nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は420Ω/□、アニール後(R)は147Ω/□、常温結晶化後(R2)は399Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は21Ω/□となった。
[◆実施例3]
下地層、抵抗調整層、透明電極層のターゲットは、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量10重量%)を使用した。
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:100の比率で供給し、酸素分圧0.100Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は160Ωcmであった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:16の比率で供給し、酸素分圧0.069Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度1.5kWにし、層厚は2.2nmとした。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は22.0nmとした。その結果、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.2nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は336Ω/□、アニール後(R)は102Ω/□、常温結晶化後(R2)は324Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は12Ω/□となった。
[◆実施例4]
下地層、抵抗調整層、透明電極層のターゲットは、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量10重量%)を使用した。
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:100の比率で供給し、酸素分圧0.100Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は160Ωcmであった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:22の比率で供給し、酸素分圧0.090Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度1.0kWにし、層厚は1.6nmとした。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は22.0nmとした。その結果、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、26.6nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は364Ω/□、アニール後(R)は111Ω/□、常温結晶化後(R2)は351Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は13Ω/□となった。
[◆実施例5]
下地層、抵抗調整層、透明電極層のターゲットは、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量5重量%)を使用した。
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:150の比率で供給し、酸素分圧0.120Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は300Ωcmであった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:20の比率で供給し、酸素分圧0.083Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度1.5kWにし、層厚は2.2nmとした。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は22.0nmとした。その結果、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.2nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は490Ω/□、アニール後(R)は150Ω/□、常温結晶化後(R2)は469Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は21Ω/□となった。
[◆実施例6]
下地層、抵抗調整層、透明電極層のターゲットは、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量10重量%)を使用した。
この実施例6では、下地層と透明フィルム基材との間に、コーティング層を形成した。コーティング層は、以下のように製膜した。
まず、アクリル樹脂(商品名:ダイヤナールBR−102、三菱レイヨン製)をメチルセロソルブに溶解し、固形分濃度は30重量%とした。そして、この樹脂溶液に、酸化ジルコニウム(商品名:ジルコニア粒子TZ−3Y−E、東ソー製)を、アクリル樹脂に対して1重量%添加して十分に撹拌することで、中屈折率制御層塗布液を作成した。この樹脂溶液をバーコート法により、3マイクロメートル(μm)の厚みに塗布し、125℃で15分間乾燥させることで、1マイクロメートル厚の樹脂層(コーティング層)を形成した。なお、このコーティング層の屈折率は1.53であった。
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:100の比率で供給し、酸素分圧0.100Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は160Ωcmであった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:22の比率で供給し、酸素分圧0.090Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度1.5kWにし、層厚は2.2nmとした。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は22.0nmとした。その結果、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.2nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は385Ω/□、アニール後(R)は126Ω/□、常温結晶化後(R2)は371Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は14Ω/□となった。
[◆実施例7]
透明電極層は2層構造で、上層側のターゲットは、酸化スズ含量1重量%、下層側のターゲットは、酸化スズ含量10重量%の酸化インジウム・スズのターゲットを使用した。抵抗調整層は、酸化スズ含量10重量%の酸化インジウム・スズ、下地層は酸化スズ含量5重量%の酸化インジウム・スズのターゲットを使用した
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:100の比率で供給し、酸素分圧0.100Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は300Ωcmであった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:22の比率で供給し、酸素分圧0.090Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度1.5kWにし、層厚は2.2nmとした。
透明電極層(下層)の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:20の比率で供給し、酸素分圧0.083Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度11.0kWにし、層厚は19.0nmとした。また、透明電極層(上層)の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。その結果、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.2nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は448Ω/□、アニール後(R)は155Ω/□、常温結晶化後(R2)は427Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は21Ω/□となった。
[◇比較例1]
この比較例1では、抵抗調整層の製膜において、パワー密度3.0kWとし、層厚を4.1nmと高厚にする以外は、実施例1と同様の製膜を行った(なお、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、29.1nmとなった)。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は403Ω/□、アニール後(R)は121Ω/□、常温結晶化後(R2)は145Ω/□となり、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は258Ω/□となった。
[◇比較例2]
この比較例2では、抵抗調整層の製膜において、パワー密度0.5kWとし、層厚を0.7nmと低厚にする以外は、実施例1と同様の製膜を行った(なお、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、25.7nmとなった)。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は360Ω/□、アニール後(R)は80Ω/□、常温結晶化後(R2)は265Ω/□となり、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は95Ω/□となった。
[◇比較例3]
この比較例3では、下地層の製膜において、酸化珪素のターゲットに対して、アルゴンおよび酸素を100:100の比率で供給し、酸素分圧0.150Pa、製膜室内全圧力0.30Pa、パワー密度7.0kWにし、3.0nmの層厚にした以外、実施例1と同様の製膜を行った(なお、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.2nmとなった)。
なお、下地層の抵抗率は4000Ωcmとなった。また、シート抵抗は、製膜後(R)は448Ω/□、アニール後(R)は119Ω/□、常温結晶化後(R2)は168Ω/□となり、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は280Ω/□となった。
[◇比較例4]
この比較例4では、実施例1同様に、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量10重量%)をターゲットとして用いるものの、下地層を製膜しなかった。
抵抗調整層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:22の比率で供給し、酸素分圧0.090Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は24.0nmとした。その結果、抵抗調整層、および透明電極層の層厚の合計値は、27.0nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は360Ω/□、アニール後(R)は280Ω/□、常温結晶化後(R2)は324Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は36Ω/□となった。
[◇比較例5]
この比較例5では、実施例1同様に、酸化インジウム・スズ(酸化スズ含量10重量%)をターゲットとして用いるものの、抵抗調整層を製膜しなかった。
下地層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:100の比率で供給し、酸素分圧0.100Pa、製膜室内全圧力0.20Pa、パワー密度2.0kWにし、層厚は3.0nmとした。なお、下地層の抵抗率は160Ωcmであった。
透明電極層の製膜では、アルゴンおよび酸素を100:5の比率で供給し、酸素分圧0.024Pa、製膜室内全圧力0.50Pa、パワー密度12.0kWにし、層厚は24.0nmとした。その結果、下地層および透明電極層の層厚の合計値は、27.0nmとなった。
なお、シート抵抗は、製膜後(R)は257Ω/□、アニール後(R)は78Ω/□、常温結晶化後(R2)は248Ω/□であった。その結果、製膜後(R)と常温結晶化後(R2)とのシート抵抗の差異は9Ω/□となった。
[■表1の総評]
全実施例と比較例5とを比較すると、抵抗調整層が存在することで、結晶化工程を経た透明電極付き基板のシート抵抗が過度に低くなることなく、所望の値(100Ω/□以上200Ω/□以下)を担保することがわかる。すなわち、抵抗調整層の効果が確認できた。
また、比較例2のように、抵抗調整層が1.0nm未満のように薄いと、シート抵抗が100Ω/□以上にならず、さらに、常温にて結晶化が進むことがわかる(製膜後(R)と常温結晶化後(R)とのシート抵抗の差異が25Ω/□以下の正の数値にならない)。
逆に、比較例1のように、抵抗調整層が3.0nm以上のように厚いと、シート抵抗が100Ω/□以上になるものの、常温にて結晶化が進むことがわかる。また、比較例3のように、下地層が酸化珪素を含有していると、比較例1同様に、シート抵抗が100Ω/□以上になるものの、常温にて結晶化が進むこともわかる。
また、比較例4のように、下地層が無いと、アニールによる結晶化工程を経ても、結晶化が十分に進行せず、低抵抗化しない(シート抵抗が200Ω/□を超える)。
一方で、全実施例では、下地層、抵抗調整層、および透明電極層の層厚合計が27nm前後(26.5nm以上27.5nm以下)において、アニール後のシート抵抗は、所望の値(100Ω/□以上200Ω/□以下)になるだけでなく、常温での結晶化も抑制されている(R−Rが25Ω/□以下の正の数値になる)。
なお、実施例1に対してX線光電子分光の層厚測定をしたところ、図5のような結果が得られた。この結果によると、下地層の酸素濃度が最も高くなっており、抵抗調整層は下地層から透明電極層に向かってほぼ連続的に酸素量が減衰する。これは、抵抗調整層の形成時の運動エネルギー等により、下地層からの原子拡散を受けた結果と考えられる。
10 透明電極付き基板
11 下地層
12 抵抗調整層
14 機能性層
16 透明フィルム基材[フィルム基材]
17 透明電極層

Claims (12)

  1. フィルム基材と透明導電性酸化物を含有する透明電極層とを含む透明電極付き基板にあって、
    抵抗調整層および下地層が、この順で、上記透明電極層から上記フィルム基材に向かって配置されるとともに、上記透明電極層、上記抵抗調整層、および上記下地層は接触しており、
    上記下地層は、インジウムを主成分とする酸化物を含有する、結晶質な誘電体である、透明電極付き基板。
  2. 上記抵抗調整層は、インジウムを主成分とする酸化物を含有する、請求項1に記載の透明電極付き基板。
  3. 上記抵抗調整層は、1nm以上3nm未満の層厚である、請求項1または2に記載の透明電極付き基板。
  4. 上記下地層が、2nm以上5nm以下の層厚である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明電極付き基板。
  5. 上記下地層、上記抵抗調整層、および上記透明電極層の層厚の合計が、18nm以上45nm以下であり、
    上記透明電極層が、インジウムを主成分とする酸化物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明電極付き基板。
  6. 上記透明電極層、上記抵抗調整層、および上記下地層において、含有酸素濃度の最も高い層は上記下地層である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明電極付き基板。
  7. 上記フィルム基材は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンのいずれかで形成されており、
    上記フィルム基材の両面のうちの少なくとも一方面には、コーティング層が形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明電極付き基板。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明電極付き基板の製造方法にあって、
    上記下地層および上記透明電極層は、共に反応性ガスとして酸素ガスを用いてマグネトロンスパッタリング法で製膜し、かつ、上記下地層での上記酸素ガス量は、上記透明電極層での上記酸素ガス量より1.5倍以上である、透明電極付き基板の製造方法。
  9. 上記下地層のスパッタ製膜では、直流電源または交流電源のいずれかの電源が使用され、上記電源の放電電圧が、−350V以上−100V以下である、請求項8に記載の透明電極付き基板の製造方法。
  10. 上記透明電極層の形成条件では、製膜雰囲気の酸素分圧が、上記透明電極層の結晶化速度を最速とするための条件である、請求項8または9に記載の透明電極付き基板の製造方法。
  11. 上記下地層および上記透明電極層は、ロール・トゥ・ロール法で製膜される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の透明電極付き基板の製造方法。
  12. 上記透明電極層を上記マグネトロンスパッタリング法で製膜する場合の雰囲気は、四重極質量分析計で測定した場合のm(質量)/z(電荷)=18の成分の分圧が2.8×10−4Pa以下であり、かつ、m/z=28の成分の分圧が7.0×10−4Pa以下である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の透明電極付き基板の製造方法。

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