JP2011236508A - 透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネルに用いた際のペン摺動耐久性、高温高湿条件下での抵抗安定性に優れる透明導電性フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜が10nm以上積層された透明導電性フィルムの製造方法であって、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する際、透明導電膜の膜厚が10nm以上のときの成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10−4〜1.0×10−1になるように、ガス分析装置でインライン観測を行うことで、酸素流量を制御して成膜する透明導電性フィルムの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜が10nm以上積層された透明導電性フィルムの製造方法であって、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する際、透明導電膜の膜厚が10nm以上のときの成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10−4〜1.0×10−1になるように、ガス分析装置でインライン観測を行うことで、酸素流量を制御して成膜する透明導電性フィルムの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、透明プラスチックフィルム基材上に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を積層した透明導電性フィルムの製造方法、特にペン入力用タッチパネル、またはカーナビ用タッチパネルに用いた際にペン摺動耐久性、高温高湿条件85℃85%R.H.下での抵抗値安定性に優れる透明導電性フィルムの製造方法に関するものである。
透明プラスチック基材上に、透明でかつ抵抗が小さい薄膜を積層した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のようなフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極等として、電気・電子分野の用途に広く使用されている。
携帯情報端末やタッチパネル付きノートパソコンの普及により、最近では従来以上のペン摺動耐久性に優れたタッチパネルが要求されるようになってきた。タッチパネルにペン入力する際、固定電極側の透明導電性薄膜と可動電極(フィルム電極)側の透明導電性薄膜同士が接触するが、この際にペン荷重で透明導電性薄膜にクラック、剥離等の破壊が生じない、優れたペン摺動耐久性を有する透明導電性フィルムが要望されている。さらに、近年、タッチパネル付きカーナビゲーションが普及により、高温高湿条件85℃85%R.H.下においても抵抗値変動が少ない透明導電性フィルムも求められている。
ペン摺動耐久性を向上させる手段として、可動電極(フィルム電極)側の透明導電性薄膜を結晶質にする方法がある(特許文献1〜11)。また、高温高湿条件下においても抵抗値変動を少なくする方法も検討されている(特許文献12、13)。
ペン摺動耐久性を向上させる手段として、可動電極(フィルム電極)側の透明導電性薄膜を結晶質にする方法がある(特許文献1〜11)。また、高温高湿条件下においても抵抗値変動を少なくする方法も検討されている(特許文献12、13)。
しかしながら、従来の透明導電性フィルムは次のような課題を有している。
特許文献1〜7は、透明プラスチックフィルム基材上に有機珪素化合物の加水分解により生成された下地層を設け、さらに結晶質の透明導電性薄膜を成膜した透明導電性フィルムである。しかしながら、これらの透明導電性フィルムは、後述のペン摺動耐久性試験に記載のポリアセタール製のペンを使用し、5.0Nの荷重で30万回の直線摺動試験後には、透明導電性薄膜に剥離が生じた結果、白化してしまい、ペン摺動に対する耐久性は不十分であった。
特許文献1〜7は、透明プラスチックフィルム基材上に有機珪素化合物の加水分解により生成された下地層を設け、さらに結晶質の透明導電性薄膜を成膜した透明導電性フィルムである。しかしながら、これらの透明導電性フィルムは、後述のペン摺動耐久性試験に記載のポリアセタール製のペンを使用し、5.0Nの荷重で30万回の直線摺動試験後には、透明導電性薄膜に剥離が生じた結果、白化してしまい、ペン摺動に対する耐久性は不十分であった。
特許文献8〜11は、スパッタリング時の成膜雰囲気中の水を極度に低減して、結晶質の透明導電性薄膜を成膜することを特徴とした透明導電性フィルムである。しかしながら、これらの透明導電性フィルムを作製するには、長時間の真空引きの実施もしくは非常に能力の高い真空ポンプが必要であり、生産性がよくない。また、特許文献11の透明導電性フィルムは、後述のペン摺動耐久性試験に記載のポリアセタール製のペンを使用し、5.0Nの荷重で30万回の直線摺動試験後には、透明導電性薄膜に剥離が生じた結果、白化してしまい、ペン摺動に対する耐久性は不十分であった。
特許文献12は、透明導電性薄膜を成膜する前に、プラスチックフィルム基材を加熱することで、熱収縮率を低減したことを特徴とした透明導電性フィルムである。しかしながら、プラスチックフィルム基材を成膜前加熱するには、加熱工程を準備しなければならず、工程数が増加し好ましくない。また、特許文献12の透明導電性フィルムでは85℃85%環境に500時間エージング後の抵抗値が初期の2倍程度となり、高温高湿条件下においても抵抗値安定性が不十分であった。
特許文献13は、透明導電膜に窒素を含有させることを特徴とした透明導電性フィルムである。しかしながら、透明導電性薄膜をスパッタリング法などの真空成膜法で成膜するときには、プラスチックフィルムから窒素が放出されるので、特許文献13のように(窒素)/(アルゴン+窒素)の値を恒常的に3000〜13000ppmになるように制御することは、非常に困難であるため、産業上の利用に適していない。
本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、タッチパネルに用いた際のペン摺動耐久性、高温高湿条件下での抵抗値安定性に優れる透明導電性フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた本発明の透明導電性フィルムの製造方法とは、以下の構成よりなる。
1. 透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜が10nm以上積層された透明導電性フィルムの製造方法であって、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する際、透明導電膜の膜厚が10nm以上のときの成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10 −4 〜1.0×10 −1 になるように、ガス分析装置でインライン観測を行うことで、酸素流量を制御して成膜することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
2. 透明導電膜の酸化インジウムの平均結晶粒径が30〜1000nmであり、かつ下記(1)式で定義された透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数が3〜500であることを特徴とする上記1に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
(透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数)=|A―B|÷B×100 ・・・(1)
A:2.5規定の塩酸を25℃にし、その中に透明導電性フィルムを投入し、20秒間浸漬し、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
B:透明導電膜の膜厚から10nm引いた値の半分の値だけ表層から2.5規定25℃の塩酸でエッチングし、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
3. 透明導電膜が、酸化インジウムを主成分とし、酸化スズを0.5〜8質量%含むことを特徴とする上記1又は2に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
4. 透明導電膜の厚みが、13〜200nmである上記1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法。
1. 透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜が10nm以上積層された透明導電性フィルムの製造方法であって、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する際、透明導電膜の膜厚が10nm以上のときの成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10 −4 〜1.0×10 −1 になるように、ガス分析装置でインライン観測を行うことで、酸素流量を制御して成膜することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
2. 透明導電膜の酸化インジウムの平均結晶粒径が30〜1000nmであり、かつ下記(1)式で定義された透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数が3〜500であることを特徴とする上記1に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
(透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数)=|A―B|÷B×100 ・・・(1)
A:2.5規定の塩酸を25℃にし、その中に透明導電性フィルムを投入し、20秒間浸漬し、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
B:透明導電膜の膜厚から10nm引いた値の半分の値だけ表層から2.5規定25℃の塩酸でエッチングし、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
3. 透明導電膜が、酸化インジウムを主成分とし、酸化スズを0.5〜8質量%含むことを特徴とする上記1又は2に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
4. 透明導電膜の厚みが、13〜200nmである上記1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法。
上記の通り、本発明によれば、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に透明導電膜を10nm以上成膜するときに透明導電膜の酸化インジウムの平均結晶粒径、及び透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数を前記記載の範囲に制御することによって、非常に優れたペン摺動耐久性、高温高湿条件85℃85%R.H.下での抵抗値安定性を持つ透明導電性フィルムを作製できる。得られた透明導電性フィルムは、ペン入力用タッチパネルやカーナビゲーション用タッチパネル等の用途に極めて有用である。
本発明により得られる透明導電性フィルムは、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜が10nm以上積層された透明導電性フィルムであって、透明導電膜の酸化インジウムの平均結晶粒径が30〜1000nmであり、かつ透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数が3〜500である。
ここで透明導電膜の酸化インジウムの平均結晶粒径の定義は次の通りである。
走査型電子顕微鏡下で透明導電膜層を観察したときに、多角形状の領域を持つものを結晶質の酸化インジウムと定義する。また、その多角形状の領域を酸化インジウムの結晶粒とし、すべての結晶粒の面積を出す。結晶粒の面積を円周率πで割った値の平方根を2倍した値を結晶粒径とする。すべての結晶粒の結晶粒径から平均結晶粒径を算出する。
走査型電子顕微鏡下で透明導電膜層を観察したときに、多角形状の領域を持つものを結晶質の酸化インジウムと定義する。また、その多角形状の領域を酸化インジウムの結晶粒とし、すべての結晶粒の面積を出す。結晶粒の面積を円周率πで割った値の平方根を2倍した値を結晶粒径とする。すべての結晶粒の結晶粒径から平均結晶粒径を算出する。
本発明により得られる透明導電膜の酸化インジウムの結晶粒径は30〜1000nmである。特に好ましくは35〜800nmである。結晶粒径が30nmより小さいときは結晶粒同士の結合力が弱いためペン摺動耐久性が悪化する。逆に、結晶粒径が1000nmを超えると耐屈曲性が悪化するため、可撓性が低下しプラスチックフィルム基材に透明導電薄膜を形成する意味を著しく逸する。
高温高湿条件下での抵抗値安定性の優れた透明導電膜を作製するためには、成膜した透明導電膜全体を化学的に安定な状態にする必要がある。つまり、透明導電膜の表層部分も膜内部も膜の深さ方向によらず一様に化学的に安定な状態にしなければならない。透明導電膜の深さ方向によらず一様に化学的安定な状態になっていると、透明導電膜の結晶粒径が膜の深さ方向によらず均一になる。よって、高温高湿条件下での抵抗値安定性の優れた透明導電膜を作製するためには、透明導電膜の結晶粒径を膜の深さ方向によらず均一に成長させることが重要になる。
しかしながら、プラスチックフィルム上に、透明導電膜の結晶粒径を膜の深さ方向によらず均一に成長させることは難しい。なぜなら、透明導電膜を成膜するときに、プラスチックフィルムから放出されるガスが、図1のように透明導電膜の膜厚の増加とともに変化していくからである。放出されるガスは質量数28のガス、主に一酸化炭素、窒素で、これらのガスは、透明導電膜成膜時に成膜プロセスガスである酸素と反応する。そのため、透明導電膜に実質的に取り込まれる酸素量が、透明導電膜の膜厚によって異なる。酸化インジウムなどの透明導電膜を成膜するときに、膜に取り込まれる酸素ガスの量が多いと、結晶粒径が小さくなる。ただし、極端に酸素ガスが少ないと、結晶粒径が小さくなる。
これらより、通常の成膜方法だと、図2のような膜厚方向に対して結晶粒径の均一性の低い膜になる。ここで、簡単に図2の説明をする。透明導電膜の成膜開始直後は、プラスチックフィルムからの放出ガス量が極端に多いため、透明導電膜に取り込まれる酸素が極端に少ないために、非晶状態、もしくは微結晶状態になっている。プラスチックフィルム上に透明導電膜がある程度、成膜されてくると、放出ガス量が低下していき、結晶粒が形成される。さらに、透明導電膜の厚みが増してくると、さらに放出ガスが低下し、結晶粒がだんだん小さくなっていく。
プラスチックフィルム上で、膜厚方向に均一な透明導電膜を成膜するには、一酸化炭素や窒素などの放出ガス量を考慮して、透明導電膜に実質的に取り込まれる酸素量が一定になるように酸素ガスをコントロールすることが重要である。
膜厚方向に均一な透明導電膜であることを評価するために、透明導電膜の深さ方向に対する結晶粒径の均一度を数値化することにした。透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数の定義は次の通りである。
(透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数)=|A―B|÷B×100
A:2.5規定の塩酸を25℃にし、その中に透明導電性フィルムを投入し、20秒間浸漬し、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
B:透明導電膜の膜厚から10nm引いた値の半分の値だけ表層から2.5規定25℃の塩酸でエッチングし、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
(透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数)=|A―B|÷B×100
A:2.5規定の塩酸を25℃にし、その中に透明導電性フィルムを投入し、20秒間浸漬し、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
B:透明導電膜の膜厚から10nm引いた値の半分の値だけ表層から2.5規定25℃の塩酸でエッチングし、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
透明導電膜を成膜すると基材側から10nm未満は、不均一な膜になっている。基材側から10nm未満の不均一な膜は、結晶性が悪く非晶性が高いが、電気的特性や高温高湿条件下での抵抗値安定性に関してほとんど影響がない。基材側から10nm以上の部分の結晶化した部分が、電気的特性や高温高湿条件下での抵抗値安定性に対して支配的であり、基材に近い不均一層は、プラスチックフィルムと結晶化した層との接合の役割を果たしているだけである。よって、上式において、基材に近い不均一層を除いた領域での平均結晶粒径の均一度を算出することにした。Aは表層のゴミなどを取り除くための処理後の状態で平均結晶粒径を算出している。Bは基材に近い不均一層を除いたときの、透明導電膜の膜厚方向の中心位置での平均結晶粒径を算出している。上式により、基材に近い不均一層を除いたときの、透明導電膜の膜厚方向の中心位置での平均結晶粒径と比較して、表層部分の平均結晶粒径がどの程度ずれているかが分かる。均一度係数が小さい方が、膜厚方向の均一性が高くなる。
本発明により得られる透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数は、3〜500であり、好ましくは3〜400である。500より大きいと、結晶粒が膜厚方向に不均一に分布していることになる。よって、化学的安定性を欠いた状態で結晶成長しているため、85℃85%環境に500時間エージングといった高温高湿条件下での抵抗値安定性はない。3以下は工業的に実現するのは困難である。
本発明の透明導電性フィルムの製造方法においては、酸素を含む雰囲気下で、80〜200℃、0.1〜12時間加熱処理を行うことが望ましい。熱処理の意義は、結晶粒の大きさの制御である。加熱温度及び時間を増加させると結晶粒が成長する。80℃より低い温度では結晶粒が成長しないため、ペン摺動耐久性向上には寄与しない。200℃より高い温度では透明プラスチックフィルムの平面性の維持をするのが難しくなり、さらに結晶粒が成長し過ぎることにより結晶粒子間に大きな応力が発生するためにペン摺動耐久性が悪化する。
膜厚方向に対して平均結晶粒径の均一性が高い透明導電性フィルムを得るためには、以下の要件が重要である。
透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する方法において、スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比を1.0×10−4〜1.0×10−1として、かつ成膜中はフィルム温度を80℃以下に保持して透明プラスチックフィルム上に透明導電膜を成膜することが望ましい。スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比を1.0×10−4以下にするためには非常に能力の高い真空ポンプが必要であり、経済的な実施が難しくなる。本発明では、スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比を1.0×10−4〜1.0×10−1に制御することにより、透明導電膜の結晶粒径を膜厚方向で均一化できペン摺動耐久性、および高温高湿条件下での抵抗値安定性が優れた透明導電膜を成膜できることを見出した。
透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する方法において、スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比を1.0×10−4〜1.0×10−1として、かつ成膜中はフィルム温度を80℃以下に保持して透明プラスチックフィルム上に透明導電膜を成膜することが望ましい。スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比を1.0×10−4以下にするためには非常に能力の高い真空ポンプが必要であり、経済的な実施が難しくなる。本発明では、スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比を1.0×10−4〜1.0×10−1に制御することにより、透明導電膜の結晶粒径を膜厚方向で均一化できペン摺動耐久性、および高温高湿条件下での抵抗値安定性が優れた透明導電膜を成膜できることを見出した。
本発明の透明導電性フィルムの製造方法には以下の方法〔1〕、及び〔2〕が望ましい。
〔1〕透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する方法において、透明導電膜の膜厚が10nm以上のときの成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10−4〜1.0×10−1になるように、ガス分析装置でインライン観測を行うことで、酸素流量を制御して成膜することが望ましい。
〔1〕透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する方法において、透明導電膜の膜厚が10nm以上のときの成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10−4〜1.0×10−1になるように、ガス分析装置でインライン観測を行うことで、酸素流量を制御して成膜することが望ましい。
〔2〕透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する方法において、透明導電膜を成膜する前に、SiOXやAl2OXなどの放出ガスを遮断する層を透明導電膜を成膜する面に設けることが望ましい。放出ガスを遮断する層があることにより、スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10−1以下で、かつ透明導電膜の膜厚に関わらず一定となる。
本発明により得られる透明導電性フィルムを構成する透明導電膜は、酸化インジウムを主成分とし、酸化スズを0.5〜8質量%含むことが望ましい。酸化インジウムに対して酸化スズは不純物添加に相当する。酸化スズの不純物添加により、酸化スズが入った酸化インジウムは融点が増大する。すなわち、酸化スズの不純物添加は結晶化を阻害する方向に働く。酸化スズは0.5〜8質量%を含むことが望ましい。より好ましくは、酸化スズを1〜7.5質量%含むことが望ましい。酸化スズが0.5%未満では結晶化はするが、表面抵抗は実用的な水準より高くなるので望ましくない。酸化スズが8質量%より大きい場合は結晶化が困難となりペン摺動耐久性が悪くなる。なお、本発明の透明導電性フィルムの表面抵抗は10〜1000Ω/□が好ましい。
本発明により得られる透明導電性フィルムを構成する透明導電膜の厚みは、13〜200nmであることが望ましい。透明導電膜の厚みが13nm未満になると膜のほとんどの部分が不均一になってしまうためペン摺動耐久性が弱くなる、さらに高温高湿条件下での抵抗値安定性も弱い。また、透明導電膜の厚みが200nmより厚くなると全光線透過率が実用的な水準より低くなるので望ましくない。なお、本発明により得られる透明導電性フィルムの全光線透過率は60〜95%が好ましい。
<透明プラスチックフィルム基材>
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材とは、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しをして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー等が挙げられる。
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材とは、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しをして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー等が挙げられる。
これらの有機高分子のなかで、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボネート、ポリアリレート等が好適である。また、これらの有機高分子は他の有機重合体の単量体を少量共重合したり、他の有機高分子をブレンドしてもよい。
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材の厚みは、10〜300μmの範囲であることが好ましく、70〜260μmの範囲が特に好ましい。プラスチックフィルムの厚みが10μm以下では機械的強度が不足し、特にタッチパネルに用いた際のペン入力に対する変形が大きくなる傾向があり、耐久性が不十分となりやすい。一方、厚みが300μmを越えると、タッチパネルに用いた際に、フィルムを変形させるためのペン荷重が大きくなりやすく、好ましくない。
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施してもよい。
透明プラスチックフィルム基材に硬化型樹脂層を塗布し、かつその硬化型樹脂層の表面を凹凸にした上に透明導電膜を成膜すると、ペン摺動耐久性の向上を期待することができる。この効果は主に2点ある。1点目は透明導電性薄膜と硬化型樹脂層の付着力が増すことにより、ペン摺動による透明導電膜の剥がれの防止をできるためペン摺動耐久性が向上するという点である。2点目はペン摺動により透明導電薄膜がガラスと接触するときの真の接触面積が減少し、ガラス面と透明導電膜との滑り性が良くなるためペン摺動耐久性が向上するという点である。硬化型樹脂層の詳細について以下に記載する。
<硬化型樹脂層>
また、本発明で用いる前記硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射等のエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に制限はなく、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。
また、本発明で用いる前記硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射等のエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に制限はなく、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。
このような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル等から合成されるような多官能性のウレタンアクリレート樹脂等を挙げることができる。必要に応じて、これらの多官能性の樹脂に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロリドン、メチルメタクリレート、スチレン等を加えて共重合させることができる。
また、透明導電性薄膜と硬化型樹脂層との付着力を向上するために、硬化型樹脂層の表面を表面処理することが有効である。具体的な手法としては、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基を増加するためにグロー又はコロナ放電を照射する放電処理法、アミノ基、水酸基、カルボニル基等の極性基を増加させるために酸又はアルカリで処理する化学薬品処理法等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂は、通常、光重合開始剤を添加して使用される。光重合開始剤としては、紫外線を吸収してラジカルを発生する公知の化合物を特に制限なく使用することができ、このような光重合開始剤としては、例えば、各種ベンゾイン類、フェニルケトン類、ベンゾフェノン類等を挙げることができる。光重合開始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂100質量部当たり通常1〜5質量部とすることが好ましい。
また、本発明において硬化型樹脂層には、主たる構成成分である硬化型樹脂のほかに、硬化型樹脂に非相溶な樹脂を併用することが好ましい。マトリックスの硬化型樹脂に非相溶な樹脂を少量併用することで、硬化型樹脂中で相分離が起こり非相溶樹脂を粒子状に分散させることができる。この非相溶樹脂の分散粒子により、硬化型樹脂表面に凹凸を形成させ、広領域における表面粗さを向上させることができる。
硬化型樹脂が前記の紫外線硬化型樹脂の場合、非相溶樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等が例示される。
本発明において、硬化型樹脂層の主たる構成成分である硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用い、硬化型樹脂に非相溶な高分子樹脂として高分子量のポリエステル樹脂を用いる場合、それらの配合割合は、紫外線硬化型樹脂100質量部当たりポリエステル樹脂0.1〜20質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜10質量部、特に好ましくは0.5〜5質量部である。
前記ポリエステル樹脂の配合量が紫外線硬化型樹脂100質量部当たり0.1質量部未満であると、硬化型樹脂層表面に形成される凸部が小さくなったり、凸部が減少する傾向にあり表面粗さが向上せず、ペン摺動耐久性のさらなる改良効果が発現せず好ましくない。一方、前記ポリエステル樹脂の配合量が紫外線硬化型樹脂100質量部当たり20質量部を超えると、この硬化型樹脂層の強度が低下し、耐薬品性が悪化しやすくなる。
しかしながら、ポリエステル樹脂は紫外線硬化型樹脂と屈折率に差異があるため、硬化型樹脂層のヘーズ値が上昇し透明性を悪化させる傾向があるので好ましくない。逆に、高分子量のポリエステル樹脂の分散粒子による透明性の悪化を積極的に利用し、ヘーズ値が高く防眩機能を有する防眩フィルムとして使用することもできる。
前記の紫外線硬化型樹脂、光重合開始剤及び高分子量のポリエステル樹脂は、それぞれに共通の溶剤に溶解して塗布液を調製する。使用する溶剤には特に制限はなく、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のようなアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のようなエステル系溶剤、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のようなエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のようなケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等のような芳香族炭化水素系溶剤等を単独に、あるいは混合して使用することができる。
塗布液中の樹脂成分の濃度は、コーティング法に応じた粘度等を考慮して適切に選択することができる。例えば、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合開始剤及び高分子量のポリエステル樹脂の合計量が占める割合は、通常は20〜80質量%である。また、この塗布液には、必要に応じて、その他の公知の添加剤、例えば、シリコーン系レベリング剤等を添加してもよい。
本発明において、調製された塗布液は透明プラスチックフィルム基材上にコーティングされる。コーティング法には特に制限はなく、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法等の従来から知られている方法を使用することができる。
コーティングされた塗布液は、次の乾燥工程で溶剤が蒸発除去される。この工程で、塗布液中で均一に溶解していた高分子量のポリエステル樹脂は微粒子となって紫外線硬化型樹脂中に析出する。塗膜を乾燥した後、プラスチックフィルムに紫外線を照射することにより、紫外線硬化型樹脂が架橋・硬化して硬化型樹脂層を形成する。この硬化の工程で、高分子量のポリエステル樹脂の微粒子はハードコート層中に固定されるとともに、硬化型樹脂層の表面に突起を形成し広領域における表面粗さを向上させる。
また、硬化型樹脂層の厚みは0.1〜15μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは0.5〜10μmの範囲であり、特に好ましくは1〜8μmの範囲である。硬化型樹脂層の厚みが0.1μm未満の場合には、突起が十分に形成されにくくなる。一方、15μmを超える場合には生産性の観点から好ましくない。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例における各種測定評価は下記の方法により行った。
(1)全光線透過率
JIS−K7105に準拠し、日本電色工業(株)製NDH−1001DPを用いて、全光線透過率を測定した。
JIS−K7105に準拠し、日本電色工業(株)製NDH−1001DPを用いて、全光線透過率を測定した。
(2)表面抵抗値
JIS−K7194に準拠し、4端子法にて測定した。測定機は、三菱油化(株)製 Lotest AMCP−T400を用いた。
JIS−K7194に準拠し、4端子法にて測定した。測定機は、三菱油化(株)製 Lotest AMCP−T400を用いた。
(3)平均結晶粒径
透明導電性薄膜層を積層したフィルムを電界放射型走査電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S4500)で観察して著しい損傷や汚れのない導電性薄膜表面部分を選び、加速電圧2.0kV、観測倍率50000倍で写真撮影を行った。
走査型電子顕微鏡下で透明導電膜層を観察したときに、多角形状の領域を持つものを結晶質の酸化インジウムと定義する。また、その多角形状の領域を酸化インジウムの結晶粒とし、すべての結晶粒の面積を出す。結晶粒の面積を円周率πで割った値の平方根を2倍した値を結晶粒径とする。すべての結晶粒の結晶粒径から平均結晶粒径を算出する。
透明導電性薄膜層を積層したフィルムを電界放射型走査電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S4500)で観察して著しい損傷や汚れのない導電性薄膜表面部分を選び、加速電圧2.0kV、観測倍率50000倍で写真撮影を行った。
走査型電子顕微鏡下で透明導電膜層を観察したときに、多角形状の領域を持つものを結晶質の酸化インジウムと定義する。また、その多角形状の領域を酸化インジウムの結晶粒とし、すべての結晶粒の面積を出す。結晶粒の面積を円周率πで割った値の平方根を2倍した値を結晶粒径とする。すべての結晶粒の結晶粒径から平均結晶粒径を算出する。
(4)透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数
透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数は以下の式で表される。
(透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数)=|A―B|÷B×100
A:2.5規定の塩酸を25℃にし、その中に透明導電性フィルムを投入し、20秒間浸漬し、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
B:透明導電膜の膜厚から10nm引いた値の半分の値だけ表層から2.5規定25℃の塩酸でエッチングし、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
エッチング量の確認は(5)の方法で行った。
透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数は以下の式で表される。
(透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数)=|A―B|÷B×100
A:2.5規定の塩酸を25℃にし、その中に透明導電性フィルムを投入し、20秒間浸漬し、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
B:透明導電膜の膜厚から10nm引いた値の半分の値だけ表層から2.5規定25℃の塩酸でエッチングし、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
エッチング量の確認は(5)の方法で行った。
(5)透明導電膜の厚み(膜厚)
透明導電性薄膜層を積層したフィルム試料片を1mm×10mmの大きさに切り出し、電子顕微鏡用エポキシ樹脂に包埋した。これをウルトラミクロトームの試料ホルダに固定し、包埋した試料片の短辺に平行な断面薄切片を作製した。次いで、この切片の薄膜の著しい損傷がない部位において、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM−2010)を用い、加速電圧200kV、明視野で観察倍率1万倍にて写真撮影を行って得られた写真から膜厚を求めた。
透明導電性薄膜層を積層したフィルム試料片を1mm×10mmの大きさに切り出し、電子顕微鏡用エポキシ樹脂に包埋した。これをウルトラミクロトームの試料ホルダに固定し、包埋した試料片の短辺に平行な断面薄切片を作製した。次いで、この切片の薄膜の著しい損傷がない部位において、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM−2010)を用い、加速電圧200kV、明視野で観察倍率1万倍にて写真撮影を行って得られた写真から膜厚を求めた。
(6)ペン摺動耐久性試験
透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にプラズマCVD法で厚みが20nmのインジウム−スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜(日本曹達社製、S500)を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ、30万回(往復15万回)の直線摺動試験をタッチパネルに行った。この時の摺動距離は30mm、摺動速度は60mm/秒とした。この摺動耐久性試験後に、まず、摺動部が白化しているかを目視によって観察した。さらに、ペン荷重0.5Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定した。ON抵抗は10kΩ以下であるのが望ましい。
透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にプラズマCVD法で厚みが20nmのインジウム−スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜(日本曹達社製、S500)を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ、30万回(往復15万回)の直線摺動試験をタッチパネルに行った。この時の摺動距離は30mm、摺動速度は60mm/秒とした。この摺動耐久性試験後に、まず、摺動部が白化しているかを目視によって観察した。さらに、ペン荷重0.5Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定した。ON抵抗は10kΩ以下であるのが望ましい。
(7)高温高湿安定性試験
高温高湿条件下での抵抗値安定性を確認するために、85℃85%R.H.条件下で500時間放置した。温度は±2℃、湿度は±2%で管理した。高温高湿安定性試験前の抵抗値で、高温高湿安定性試験後の抵抗値を除した値(=信頼度係数)ことで、抵抗値安定性を確認した。ただし、高温高湿安定性試験後の抵抗値測定は、85℃85%R.H.の高温高湿槽から透明導電性フィルムを取り出し、25℃60%の状態で30分放置後に抵抗測定を実施した。信頼度係数は0.8〜1.2の範囲が望ましい。
高温高湿条件下での抵抗値安定性を確認するために、85℃85%R.H.条件下で500時間放置した。温度は±2℃、湿度は±2%で管理した。高温高湿安定性試験前の抵抗値で、高温高湿安定性試験後の抵抗値を除した値(=信頼度係数)ことで、抵抗値安定性を確認した。ただし、高温高湿安定性試験後の抵抗値測定は、85℃85%R.H.の高温高湿槽から透明導電性フィルムを取り出し、25℃60%の状態で30分放置後に抵抗測定を実施した。信頼度係数は0.8〜1.2の範囲が望ましい。
(8)酸化インジウム中に含まれる酸化スズの含有率の測定
試料を切りとって(約15 cm2)石英製三角フラスコにいれ、6mol/l塩酸20 mlを加え、
酸の揮発がないようにフィルムシールをした。室温で時々揺り動かしながら9日間放置し、ITO層を溶解させた。残フィルムを取り出し、ITO層が溶解した塩酸を測定液とした。溶解液中のSn、Inは、ICP発光分析装置(メーカー名;リガク、装置型式;CIROS-120 EOP)を用いて、検量線法により求めた。各元素の測定波長は、干渉のない、感度の高い波長を選択した。また、標準溶液は、市販のSn、In標準溶液を希釈して用いた。
試料を切りとって(約15 cm2)石英製三角フラスコにいれ、6mol/l塩酸20 mlを加え、
酸の揮発がないようにフィルムシールをした。室温で時々揺り動かしながら9日間放置し、ITO層を溶解させた。残フィルムを取り出し、ITO層が溶解した塩酸を測定液とした。溶解液中のSn、Inは、ICP発光分析装置(メーカー名;リガク、装置型式;CIROS-120 EOP)を用いて、検量線法により求めた。各元素の測定波長は、干渉のない、感度の高い波長を選択した。また、標準溶液は、市販のSn、In標準溶液を希釈して用いた。
実施例、比較例において使用した透明プラスチックフィルム基材は、両面に易接着層を有する二軸配向透明PETフィルム(東洋紡績社製、A4340、厚み188μm)である。硬化型樹脂層として、光重合開始剤含有アクリル系樹脂(大日精化工業社製、セイカビーム(登録商標)EXF−01J)100質量部に、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン(登録商標)200、重量平均分子量18,000)を3質量部配合し、溶剤としてトルエン/MEK(8/2:質量比)の混合溶媒を、固形分濃度が50質量%になるように加え、撹拌して均一に溶解し塗布液を調製した。塗膜の厚みが5μmになるように、調製した塗布液をマイヤーバーを用いて塗布した。80℃で1分間乾燥を行った後、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線を照射(光量:300mJ/cm2)し、塗膜を硬化させた。
(実施例1〜5、及び参考例1)
透明導電性フィルムを得る手法は上記の〔1〕と〔2〕の方法を採用している。
実施例1〜5で採用している透明導電性フィルムを得る手法〔1〕において記載する。まず、透明導電膜を5nm成膜するまで、酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比をガス分析装置で観測する。次に、透明導電膜を5〜10nm成膜する間に、設定の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比になるように酸素流量をコントロールする。10nm以上の膜厚では設定の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比から5%ズレたら、設定値に近づけるように酸素流量をコントロールする。
透明導電性フィルムを得る手法は上記の〔1〕と〔2〕の方法を採用している。
実施例1〜5で採用している透明導電性フィルムを得る手法〔1〕において記載する。まず、透明導電膜を5nm成膜するまで、酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比をガス分析装置で観測する。次に、透明導電膜を5〜10nm成膜する間に、設定の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比になるように酸素流量をコントロールする。10nm以上の膜厚では設定の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比から5%ズレたら、設定値に近づけるように酸素流量をコントロールする。
次に、参考例1で採用している透明導電性フィルムを得る手法〔2〕を記載する。真空槽に透明プラスチックフィルムを投入し、2.0×10−4Paまで真空引きをした。次に酸素分圧が4.0×10−2Paになるように酸素を導入し、その後不活性ガスとしてアルゴンを導入し全圧を0.5Paにした。次に、Siターゲットに1W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、透明プラスチック基材の硬化型樹脂層を塗布した面にSiOxを10nmの膜厚で成膜した。
これらの実施例及び参考例における透明導電膜作製条件は表1に記載した。また、各実施例及び参考例において共通の作製条件は以下の通りである。
真空槽に透明プラスチックフィルム、ただし、参考例1においてはSiOx付きフィルムを投入し、2.0×10−4Paまで真空引きをした。次に酸素分圧が1.5×10−2にPaなるように酸素を導入し、その後不活性ガスとしてアルゴンを導入し全圧を0.5Paにした。
酸化スズを含む酸化インジウム焼結ターゲット、あるいは酸化スズを含まない酸化インジウム焼結ターゲットに1W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、透明プラスチック基材の硬化型樹脂層を塗布した面、ただし、参考例1においてはSiOx面に透明導電膜を成膜した。膜厚についてはフィルムがターゲット上を通過するときの速度を変えて制御した。また、スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガスに対する質量数28のガス分圧の比については、ガス分析装置(インフィコン社製、トランスペクターXPR3)を用いて測定した。
透明導電膜を成膜したフィルムは、150℃1時間熱処理した後、表2に記載の測定を実施した。測定結果を表2に示した。
真空槽に透明プラスチックフィルム、ただし、参考例1においてはSiOx付きフィルムを投入し、2.0×10−4Paまで真空引きをした。次に酸素分圧が1.5×10−2にPaなるように酸素を導入し、その後不活性ガスとしてアルゴンを導入し全圧を0.5Paにした。
酸化スズを含む酸化インジウム焼結ターゲット、あるいは酸化スズを含まない酸化インジウム焼結ターゲットに1W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、透明プラスチック基材の硬化型樹脂層を塗布した面、ただし、参考例1においてはSiOx面に透明導電膜を成膜した。膜厚についてはフィルムがターゲット上を通過するときの速度を変えて制御した。また、スパッタリング時の成膜雰囲気の酸素ガスに対する質量数28のガス分圧の比については、ガス分析装置(インフィコン社製、トランスペクターXPR3)を用いて測定した。
透明導電膜を成膜したフィルムは、150℃1時間熱処理した後、表2に記載の測定を実施した。測定結果を表2に示した。
(比較例1〜4)
これらの比較例の透明導電膜作製条件については、実施例、参考例と同じく表1に記載。また、各比較例において共通の作製条件についても実施例1〜5、参考例1と同じである。透明導電膜を成膜したフィルムに関して、表2に記載の測定を実施した。測定結果を表2に示した。
これらの比較例の透明導電膜作製条件については、実施例、参考例と同じく表1に記載。また、各比較例において共通の作製条件についても実施例1〜5、参考例1と同じである。透明導電膜を成膜したフィルムに関して、表2に記載の測定を実施した。測定結果を表2に示した。
表2に記載のとおり、実施例1〜5及び参考例1記載の透明導電性フィルムは、ペン摺動耐久試験後も摺動部が透明で、ON抵抗も10kΩ以下であり、かつ非常に優れたペン摺動耐久性が得られた。また、高温高湿条件下での抵抗安定性も優れている。
上記の通り、本発明によれば、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に透明導電膜を成膜するときに結晶粒径、及び膜厚方向の結晶粒径の均一度係数を前記記載の範囲に制御することによって、非常に優れたペン摺動耐久性、及び高温高湿条件下での抵抗安定性を持つ透明導電性フィルムを作製でき、これはペン入力用タッチパネルやカーナビゲーション用タッチパネル等の用途に極めて有効である。
1:結晶粒径の小さい透明導電層
2:結晶粒径が中程度の透明導電層
3:結晶粒径の大きい透明導電層
4:非晶状態、もしくは微結晶状態の層
5:プラスチックフィルム
2:結晶粒径が中程度の透明導電層
3:結晶粒径の大きい透明導電層
4:非晶状態、もしくは微結晶状態の層
5:プラスチックフィルム
Claims (4)
- 透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜が10nm以上積層された透明導電性フィルムの製造方法であって、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶質の酸化インジウムを主とした透明導電膜を成膜する際、透明導電膜の膜厚が10nm以上のときの成膜雰囲気の酸素ガス分圧に対する質量数28のガス分圧の比が、1.0×10 −4 〜1.0×10 −1 になるように、ガス分析装置でインライン観測を行うことで、酸素流量を制御して成膜することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
- 透明導電膜の酸化インジウムの平均結晶粒径が30〜1000nmであり、かつ下記(1)式で定義された透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数が3〜500であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
(透明導電膜の膜厚方向の結晶粒径の均一度係数)=|A―B|÷B×100 ・・・(1)
A:2.5規定の塩酸を25℃にし、その中に透明導電性フィルムを投入し、20秒間浸漬し、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。
B:透明導電膜の膜厚から10nm引いた値の半分の値だけ表層から2.5規定25℃の塩酸でエッチングし、その後、純水に10秒浸漬し、常温で1時間風乾した。この処理後の透明導電膜の平均結晶粒径。 - 透明導電膜が、酸化インジウムを主成分とし、酸化スズを0.5〜8質量%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
- 透明導電膜の厚みが、13〜200nmである請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法。
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