JP2017007071A - 旋盤の防塵カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】ベッド上を主軸の軸線方向に移動する主軸台を備えた旋盤のベッド上面を保護する伸縮性を備えた防塵カバーに関し、移動主軸台が前進したときには、切粉の落下口が狭くなり、後退したときには広くなる構造の防塵カバーを提供することにより、切粉の排出性能が優れた旋盤を提供する。
【解決手段】主軸軸線方向に移動する移動主軸台3と、移動主軸台3の移動に伴って伸縮する防塵カバー1を備えた旋盤において、基端を移動主軸台3に固定した伸縮可能な防塵カバー1の先端が主軸軸線方向に所定距離移動自在にしてベッドに係止されていることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

この発明は、ベッド上を主軸の軸線方向に移動する主軸台を備えた旋盤のベッド上面を保護する伸縮性を備えた防塵カバーに関するものである。
2主軸対向旋盤では、対向する2個の主軸の少なくとも一方の主軸台が主軸軸線方向に移動可能に設けられている。移動主軸台は、ベッドに設けた直線ガイドに移動自在に案内され、当該直線ガイドと平行に軸支された送りねじに螺合しており、当該送りねじを正逆回転することによって設定されたストロークの範囲内で主軸軸線方向に移動する。
ワークを加工する際には、切削液が供給され、切粉が発生する。この切削液や切粉が直線ガイドや送りねじに付着しないようにベッド上面に防塵カバーが設けられる。移動主軸台を備えた旋盤では、この防塵カバーは、主軸軸線方向に伸縮自在でなければならない。
一方、ベッドの下方には、切削により生じた切粉を受け入れる切粉容器が設けられて、当該容器に落下した切粉がチップコンベアなどによって機外に排出されるようになっている。そこで、旋盤のベッドには、切粉を切粉容器に落下させるための落下口が設けられている。この落下口には、防塵カバーを設けることはできない。
一方、直線ガイドや送りねじは、移動主軸台の前進端の位置まで設ける必要があり、直線ガイドや送りねじを設けた部分には、防塵カバーが必要である。移動主軸台の移動に伴って伸縮する従来の防塵カバーは、先端を落下口の縁の部分に固定し、基端を移動主軸台に固定して設けられている。
伸縮する防塵カバーの先端をベッドに固定し、基端を移動主軸台に固定した従来構造では、主軸が後退した状態で、すなわち防塵カバーが伸ばされた状態で加工を行うとき、切削液や切粉の大部分が防塵カバー上に落下して、切粉の排出が円滑に行われないという問題がある。
この発明は、移動主軸台が前進(2主軸対向旋盤の場合には、相手主軸側に移動)したときには、切粉の落下口が狭くなり、後退したときには、切粉の落下口が広くなる構造の防塵カバーを提供することにより、切粉の排出性能が優れた2主軸対向旋盤を提供することを課題としている。
この発明では、基端を移動主軸台3に連結した伸縮構造の防塵カバー1の先端を、移動主軸台3が前進したときには前方に、後退したときには後方に、所定距離を遊動可能にすることで、切粉が落ちる落下口5を大きくとれるようにしている。
本願の発明に係る旋盤の防塵カバーは、主軸軸線方向に移動する移動主軸台3と、移動主軸台3の移動に伴って伸縮する防塵カバー1を備えた旋盤において、基端を移動主軸台3に固定した伸縮可能な防塵カバー1の先端が主軸軸線方向に所定距離移動自在にしてベッドに係止されていることを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明は、防塵カバー1の先端が主軸軸線方向に移動自在に装着され、当該先端の前進側の移動端を規定する前進端ストッパ16と、後退側の移動端を規定する後退端ストッパ15とを備え、前記所定距離が前進端ストッパ16と後退端ストッパ15の間隔となつている旋盤の防塵カバーである。
また本願の請求項3の発明に係る旋盤の防塵カバーは、縮んだときに積層状態となる複数枚のスライドプレート11〜14からなる防塵カバー1において、最下層の先端プレート11を案内する固定のプレートガイド24を備え、移動主軸台3が後退端に位置したとき、先端プレート11の先端がプレートガイド24によって後退側への移動を阻止され、移動主軸台3が前進端に位置したとき、先端プレート11及びその上に積層したスライドプレート12〜14が移動主軸台3とプレートガイド24に支えられてプレートガイド24より前方に張り出した状態で保持されることを特徴とする。
この発明により、移動主軸台が前進したときには、切粉の落下口が狭くなり、後退したときには、切粉の落下口が広がる構造の防塵カバーを提供できる。この発明によれば、移動主軸台のための直線ガイドや送りねじが切削液や切粉から保護されると共に、切削液や切粉の排出をより円滑に行うことができる旋盤が得られるという効果がある。
防塵カバーを分離した状態で移動主軸台の後退状態を示す斜視図 移動主軸台が前進した状態の防塵カバーの斜視図 防塵カバーの積層状態を示す図 2主軸対向旋盤の切粉落下口の状態を示した要部の側面図
この発明の実施例を示す図において、1は防塵カバー、2はベッド、3は移動主軸台である。4は移動主軸台3に対向している固定主軸台、5は切粉の落下口である。防塵カバー1は、縮んだ状態で積層状態となる(図2、3参照)複数枚のスライドプレート11〜14と、エンドプレート15で構成されている。エンドプレート15は、先端プレート11の先端に固定されており、基端プレート14の基端は、ボルトで移動主軸台3に固定されている。
移動主軸台3は、ベッド2に固定された直線ガイド21、21により、主軸台3に軸支された移動主軸(図示されていない)の軸線方向に案内され、直線ガイド21と平行に装架された送りねじ23に螺合している。送りねじ23は、図示されていない送りモータによって正逆回転して、移動主軸台3を主軸軸線方向に進退させる。
ベッド2の直線ガイド21及び送りねじ23を配置した部分の先端にプレートガイド24が固定されている。プレートガイド24は、防塵カバーの先端プレート11の内側に嵌まり込んだ状態で先端プレート11を主軸軸線方向に摺動自在に案内している。プレートガイド24の図1で左手前側の部分がベッドに設けた切粉の落下口となっている。
先端プレート11の基端側の端部、すなわち図1のスライドプレート12側の端部には、内側に伸びるストッパ16が形成されている。このストッパ16は、移動主軸台3が前進したときに、先端プレート11の前進を阻止するストッパとなっており、エンドプレート15が移動主軸台3が後退したときに、プレートガイド24と当接して防塵カバー1の先端の後退移動を阻止するストッパとなっている。
上記構造において、移動主軸台3が後退すると、エンドプレート15がプレートガイド24に当接して、防塵カバー1が引き伸ばされ、切粉の落下口が広がる。一方、移動主軸台3が前進端まで移動すると、先端プレート11がストッパ16とプレートガイド24が当接する位置まで前進して、図2に示すように、積層状態となった防塵カバー1がプレートガイド24から落下口側へ張り出した状態となって、切粉の落下口を狭くする。
以上の実施例から理解されるように、この発明では、図4(a)に示す移動主軸台3が対向する主軸台(図の例では固定主軸台)4から離れている後退状態では、防塵カバー1が伸長してその先端が移動主軸台3に引かれて後方(対向する主軸台4から離れる方向)に移動し、切粉の落下口5を広げる。一方、移動主軸台3が固定主軸台4に接近する前進状態では、同図(b)に示すように、防塵カバー1が圧縮されてその先端が移動主軸台3に押されて前方(固定主軸台4側)に移動し、切粉の落下口5を狭める。
このようにして、この発明の防塵カバーは、移動主軸台3が前進したときには狭くなり、後退したときには広くなって、ベッドに設けた落下口からの切削液や切粉の排出をより円滑にする。
1 防塵カバー
3 移動主軸台
5 落下口
11〜14 スライドプレート
15 後退端ストッパ
16 前進端ストッパ
24 プレートガイド

Claims (3)

  1. 主軸軸線方向に移動する移動主軸台と、この移動主軸台の移動に伴って伸縮する防塵カバーを備えた旋盤において、基端を移動主軸台に固定した防塵カバーの先端が主軸軸線方向に所定距離移動自在にしてベッドに係止されていることを特徴とする、旋盤の防塵カバー。
  2. 防塵カバーの先端が主軸軸線方向に移動自在に装着され、当該先端の先端側の移動端を規定する進出端ストッパと、後退側の移動端を規定する後退端ストッパとを備え、前記所定距離が前進端ストッパと後退側ストッパの間隔である、請求項1記載の旋盤の防塵カバー。
  3. 縮んだときに積層状態となる複数枚のスライドプレートからなる防塵カバーにおいて、最下層の先端プレートを案内する固定のプレートガイドを備え、移動主軸台が後退端に位置したとき、先端プレートの先端がプレートガイドによって後退側への移動を阻止され、移動主軸台が前進端に位置したとき、先端プレート及びその上に積層した基端プレートが移動主軸台とプレートガイドに支えられてプレートガイドより前方に張り出した状態で保持される、請求項1記載の旋盤の防塵カバー。
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