JP2017006591A - ラベル縫製装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラベル搬送装置40は、搬送方向に直交する方向に沿ってラベルLの一端部を延出させた状態で当該ラベルをクランプする下クランプ部材44及び二つの上クランプ部材411,421と、二つの上クランプ部材を個別にクランプ状態と解放状態とに切り替える二つのアクチュエーター412,422とを有し、二つの上クランプ部材は、ラベルをクランプする把持部が互いに重ならないように配置され、一方の上クランプ部材のみがクランプ状態を維持したままラベル供給装置20からラベルを受け取り、当該受け取ったラベルの上からクランプするように他方の上クランプ部材をクランプ状態に切り替え、その後、一方の上クランプ部材を解放状態に切り替える動作制御を二つのアクチュエーターに対して行う制御装置90を備えている。
【選択図】図10
Description
このため、ラベルを複数枚重ねて一度に縫着したいという要請に応えることができなかった。
また、上記ラベル搬送装置のクランプ部材を増やして一度に搬送できるラベルの枚数を増やすことも考えられるが、その場合には、クランプ部材の増加による搬送装置のヘッドの大型化、部品点数の増加の問題が生じると共に、複数台のラベル供給装置からラベルを順番に受け取る際に、整然と重ねられた状態を維持することが困難であった。
ラベル縫製装置において、
布地に縫着するラベルを供給するラベル供給装置と、
前記ラベル供給装置から供給されたラベルを搬送するラベル搬送装置と、
前記ラベル搬送装置により搬送されたラベルを布地に縫着するミシンとを備え、
前記ラベル搬送装置は、
搬送方向に直交する方向に沿って前記ラベルの一端部を延出させた状態で当該ラベルをクランプする下クランプ部材及び二つの上クランプ部材と、
二つの前記上クランプ部材を個別にクランプ状態と解放状態とに切り替える二つのアクチュエーターとを有し、
二つの前記上クランプ部材は、前記ラベルをクランプする把持部が互いに重ならないように配置され、
一方の前記上クランプ部材のみがクランプ状態を維持したまま前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取り、
当該受け取ったラベルの上からクランプするように他方の前記上クランプ部材をクランプ状態に切り替え、
その後、前記一方の上クランプ部材を解放状態に切り替える動作制御を前記二つのアクチュエーターに対して行う制御装置を備えることを特徴とする。
前記制御装置は、前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取る際にクランプ状態を維持している上クランプ部材が、前記ラベルの受け取り毎に交互に切り替わるように前記二つのアクチュエーターを制御することを特徴とする。
前記制御装置は、前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取る際にクランプ状態を維持している上クランプ部材が、前記ラベルの受け取り毎に常に一定となるように前記二つのアクチュエーターを制御することを特徴とする請求項1記載のラベル縫製装置。
前記二つの上クランプ部材は、それぞれの前記把持部が前記ラベルの延出方向に沿って並んで配置され、
前記制御装置は、前記延出方向について前側となる上クランプ部材が、前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取る際にクランプ状態を維持するように、前記二つのアクチュエーターを制御することを特徴とする。
前記二つの上クランプ部材は、いずれも前記把持部が板状であることを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明のラベル縫製装置10について説明する。図1はラベル縫製装置10の斜視図、図2はラベル縫製装置10の制御構成を示す制御ブロック図である。図示のように、ラベル縫製装置10は、縫製物の布地Cに縫着するラベルL1,L2,L3を供給する三基のラベル供給装置20A,20B,20Cと、ラベル供給装置20A,20B,20Cから供給されたラベルL1,L2,L3を搬送するラベル搬送装置40と、ラベル搬送装置40により搬送されたラベルL1,L2,L3を布地Cに縫着するミシン60と、ラベル縫製装置10の全体を統括的に制御する制御装置90と、全体の構成を載置支持するテーブル11とを備えている。
なお、以下の説明において、ラベルLが搬送される水平な方向をX軸方向、水平であってX軸方向に直交する方向をY軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向とする。
また、搬送方向上流側から順番に並んだ三基のラベル供給装置20A,20B,20Cを区別して記載しているが、これらを特に区別する必要がない場合には総称してラベル供給装置20と記載するものとする。
また、ラベル供給装置20A,20B,20Cの構成が同一であるため、図2ではラベル供給装置20Aのみについてその構成を記載し、ラベル供給装置20B、20Cについては構成の記載を省略している。
図3及び図4はミシン60の縫い針61の周辺の斜視図である。
ミシン60は、図1及び図2に示すように、ミシンフレーム62と、図示しない針上下動機構により縫い針61を上下動させるミシンモーター63と、上面が水平な作業台64と、作業台64の上で布地Cを載置する下板65と、下板65の上から布地Cを押さえる第一の保持枠66と、下板65の上からラベルを押さえる第二の保持枠67と、第一及び第二の保持枠66,67を上下動可能に支持する支持台68と、支持台68をX軸方向に沿って任意に移動させるX軸モーター69と、支持台68をY軸方向に沿って任意に移動させるY軸モーター70と、第一の保持枠66を昇降させる第一の枠昇降用エアシリンダー71と、第二の保持枠67を昇降させる第二の枠昇降用エアシリンダー72と、図示しない釜機構、天秤、糸調子等を備えている。
また、第二の保持枠67には、縫い針61を挿通させる貫通穴671が形成されている。この貫通穴671はラベルLの縫着に適したX軸方向に沿った長穴である。
図5及び図6はラベル供給装置20の斜視図、図7は後述するラベル貯留部22の縦断面図である。図1,図2及び図5〜図7に基づいてラベル供給装置20について説明する。以下の説明では、Y軸方向における一方であって、ラベル供給装置20に対するラベル搬送装置40側を「手前」側とし、その逆側を「奥」側とする。また、X軸方向における一方の方向であって、ラベル搬送装置40に対するミシン側を「下流」側とし、その逆側の方向を「上流」側とする。
三基のラベル供給装置20A,20B,20Cは、いずれも同一の構造であることから、以下の説明では一基のラベル供給装置20のみについて説明を行う。
支持枠21は、上面が水平な平板状の土台211と、土台211の下面側に固定装備された矩形枠状の支持ブラケット212と、土台211のX軸方向上流側端部にY−Z平面に沿って立設した状態で固定装備された側壁部213とから主に構成されている。
上記支持枠21は、ラベル供給装置20の全ての構成を支持している。前述したように、ラベル縫製装置10にラベル供給装置20は三基搭載されるが、各ラベル供給装置20はいずれも支持枠21に全体の構成を支持させることにより、個々のラベル供給装置20が個別にユニット化されている。
そして、支持枠21は、ラベル搬送装置40のラベルの搬送経路に隣接するようにテーブル11に着脱することが可能となっている。この着脱構造は、例えば、ネジ止め、その他の周知の取付構造により実現することができる。
また、ラベル供給装置20は、上記支持枠21により、ラベル搬送装置40のラベルの搬送経路に沿って複数台取り付けることができる。つまり、ユニット化したラベル供給装置20を容易に増設或いは減ずることができるようになっている。
ラベル貯留部22は、長方形の短冊状のラベルLを四方から囲繞すると共に上下方向に複数のラベルLを積層状態で貯留する積層部23と、積層部23内のラベルLを上方にせり上げて最上位置のラベルLの高さを一定の目標高さに維持する昇降機構25とを備えている。
第一及び第二の壁板231,232は断面L字状の屈曲平板であり、水平部分とY−Z平面に沿った立設部分とからなる。第一及び第二の壁板231,232の立設部分は、ラベルLのY軸方向に沿った二辺にそれぞれ近接対向するように配置され、第一及び第二の壁板231,232の立設部分の間に挟まれて積層された複数のラベルLをX軸方向について適正に位置決めすることができる。
また、第一及び第二の壁板231,232の水平部分にはX軸方向に沿った長穴231a(第二の壁板232の長穴は図示略)が二つずつ形成されており、ネジ231b(第二の壁板232側のネジは図示略)の締結により土台211の上面に固定されている。このネジ231bを緩めることにより、第一及び第二の壁板231,232は、X軸方向に沿って位置調節可能となり、X軸方向について任意の幅のラベルLをX軸方における任意の位置に貯留することができる。
即ち、第一及び第二の壁板231,232と長穴231aとネジ231bとの構成は、積層された複数のラベルLの端部位置を調節する位置調節機構として機能する。
また、第四の壁板234の水平部分にはY軸方向に沿った長穴234aが二つ形成されており、ネジ234bの締結により土台211の上面に固定されている。このネジ234bを緩めることにより、第四の壁板234は、Y軸方向に沿って位置調節可能となり、Y軸方向について任意の長さのラベルLを貯留することができる。
即ち、第四の壁板234と長穴234aとネジ234bとの構成は、積層された複数のラベルLの端部位置を調節する位置調節機構として機能する。
これら発光素子235及び受光素子236は、光軸がX軸方向に沿った同一軸上となるように対向配置されており、当該光軸の高さが積層部23に積層されるラベルLの規定の目標高さに設定されている。この規定の目標高さは、移送部30のノズル311,311が最上位置のラベルLを吸着するのに適した高さである。
積層部23に積層された複数のラベルLは、昇降機構25によりせり上げられるが、最上位置のラベルLが規定の目標高さに達すると、発光素子235からの出射光の受光素子236による受光が遮られるので、受光量の変化から最上位置のラベルLが規定の目標高さにあることを検出することができる。
昇降板251は、その上面に複数のラベルLが積層状態で載置され、これらのラベルLは繰り出しモーター254の駆動によってせり上げることができる。
前述した第一の高さ検出部を構成する発光素子235及び受光素子236によって最上位置のラベルLが規定の目標高さの到達したことを検出することができるので、第一の高さ検出部の出力を監視しつつ繰り出しモーター254を制御することより、積層部23内のラベルLが移送部30の供給動作によって減じる場合でも、最上位置のラベルLを一定の目標高さに維持することができる。
繰り出しモーター254を制御する制御装置90は、原点センサー257の検出により原点が定まると、当該原点からの繰り出しモーター254に対する駆動指令であるステップ数をカウントする。即ち、カウントされたステップ数の積算値から昇降板251の高さを求めることができる。つまり、上記原点センサー257と繰り出しモーター254のステップ数をカウントする制御装置90とが協働することにより「載置部の高さを検出する第二の高さ検出部」として機能する。
図8は移送部30の正面図である。図5,図6及び図8に示すように、移送部30は、二本のノズル311,311を保持するヘッド31と、ヘッド31を上下動可能に支持するスライドブロック32と、スライドブロック32を水平方向であるY軸方向に沿って往動可能に支持する水平支持部33と、ヘッド31の昇降及び水平移動の動作を付与する移送動作付与機構34とを備えている。
これらのノズル311,311は同じ高さでY軸方向に沿って並んでヘッド31に取り付けられている。そして、ノズル311,311はいずれも内部中空の管状であって、その上端部は図示しない負圧源、例えば、コンプレッサー、吸引ポンプ、インジェクター等に接続され、その下端部においてラベルLを吸着する。
これに対して、スライドブロック32は、ヘッド31の垂直スライド軸312を上下動可能に挿入支持する第一のスライド軸受け321と、水平スライド軸331を挿入して当該水平スライド軸331に沿って摺動可能とする第二のスライド軸受け322と、ヘッド31が垂直スライド軸312回りに回転しないようにガイドするためにZ軸方向に沿ったガイド穴が形成されたガイド板323とを備えている。
また、スライドブロック32のX軸方向上流側の面にはガイド板332のガイド穴に挿入される図示しない回り止め突起が突設されている。
また、ヘッド31は、ガイド板323により垂直スライド軸312回りの回転が抑止されつつ、垂直スライド軸312によってZ軸方向に沿って往復移動が可能となっている。
つまり、図8に示すように、ヘッド31は、Y−Z平面に沿って任意に移動することが可能となっている。
移送用モーター341は、側壁部213のX軸方向上流側の面に固定装備されており、その出力軸が側壁部213を貫通してX軸方向下流側の面から突出している。
一方、ヘッド31のX軸方向上流側の面にはX軸方向に沿って図示しない有底穴が形成されており、アーム部材342のピン343が挿入されている。
従って、アーム部材342が移送用モーター341の駆動により回動を行うと、図8に示すように、ピン343の移動に伴い半円状の軌跡に沿ってヘッド31は移動を行う。
また、図6に示すように、吸着位置から回動腕345の先端部が上死点位置を過ぎて180°回動した状態(回動腕345が水平であってその先端部がY軸方向手前側に位置する状態)でヘッド31に搭載された二本のノズル311,311は吸着したラベルLをラベル搬送装置40に渡す「渡し位置」とする。
また、吸着位置と渡し位置の間であって、吸着位置から回動腕345の先端部が上死点位置を過ぎて120°回動した位置を「中間待機位置」とする。なお、この中間待機位置は、ヘッド31に搭載された二本のノズル311,311及びこれらに吸着されたラベルLが、このラベル供給装置20の近傍を通過するラベル搬送装置40との干渉を生じる直前の位置である。なお、中間待機位置は上記120°の位置に限定されず、上記の干渉を生じない範囲で渡し位置になるべく近い位置であればよい。
後述するラベル搬送装置40のスライドブロック473が搬送開始位置に戻るまでは、この中間待機位置で二本のノズル311,311を待機させ、搬送開始位置にスライドブロック473が到達すると、二本のノズル311,311を渡し位置に移動させることができる。これにより干渉を回避しつつ、スライドブロック473の搬送開始から即座にラベルLを供給することが可能となる。
そして、図6に示すように、側壁部213のY軸方向奥側端部近傍には、「吸着位置」にあるアーム部材342の回動腕345の先端部に対向するように、移送用モーター341の原点位置を求めるための原点センサー344が設けられている。この原点センサー344は、アーム部材342の回動腕345の先端部の有無により原点を求める近接センサーである。
また、図5及び図6に示す符号35は、ラベル貯留部22の積層部23に積層された最上位置のラベルLを湿らせるラベル加湿装置である。
このラベル加湿装置35は、ラベル加湿用の液体を噴霧する噴霧ノズルであり、液体の供給源とノズル内を加圧する加圧源とに接続されている。また、噴霧を行う加圧源は制御装置90により制御されており、各ノズル311,311が最上位置のラベルLに到達する直前に液体の噴霧を行うよう制御される。
ラベル加湿装置35のノズルは、移送部30により最上位置のラベルLが上方に引き上げられる際に当該ラベルLと干渉しないように、ラベルLの真上から外れた斜め上方の位置から斜め下方に向かって二つのノズル311,311の吸着位置が含まれるように液体の噴霧を行う。
なお、加湿用の液体は水の他、ラベルLを汚したり変質させたりしないアルコールなどの他の液体であっても良い。また、加湿用の液体は揮発性であるものが望ましい。
このように、ラベル加湿装置35によって吸着前に予め最上位置のラベルが湿らされることにより、ラベルLの繊維の隙間から空気を通り難くすることができ、良好な吸着を行うことが可能となる。また、ラベルLの繊維の隙間から空気を通り難くするので、最上位置のラベルLの下のラベルLの吸着を抑制することができ、誤って二枚のラベルを縫着する縫製ミスを低減することが可能となる。
図9はラベル搬送装置40の斜視図、図10は各クランプ機構周辺の斜視図である。
三基のラベル供給装置20は、X軸方向に沿って並んで配置されており、それぞれ上流側から順番にラベルL1,L2,L3をラベル搬送装置40に渡す。この時、各ラベル供給装置20は、いずれも、ラベルL1〜L3のY軸方向手前側の端部をラベル搬送装置40側に延出させた状態で待機し、ラベル搬送装置40は、X軸方向の下流側に向かってラベルL1,L2,L3を受け取りながら順番に上に重ね、その状態でミシン60の第二の保持枠67の押さえ位置に供給する。
図9に示すように、クランプ搬送機構47は、ラベル搬送の全範囲を網羅する長尺な平板であるベース板471と、X軸方向に沿ってベース板471上に設けられたスライドガイド472と、スライドガイド472に沿って滑動する搬送体としてのスライドブロック473と、スライドブロック473上に設けられ、クランプ昇降機構46を支持する支持ブラケット474と、スライドブロック473をスライドガイド472に沿って往復移動させる可動部48とを備えている。
スライドガイド472は、ラベル搬送動作の全長よりも幾分長く形成され、全長に渡って凹溝が形成されたレールである。
スライドブロック473は凹溝に嵌合することで外れが防止され、かかる状態でスライドガイド472に沿って滑動することができる。
第一の受け取り位置検出センサー491はスライドブロック473の到達を検出する近接センサーであり、当該第一の受け取り位置検出センサー491は、ラベル供給装置20Aが差し出すラベルL1を第一及び第二のクランプ機構41,42がクランプ可能な位置となるときのスライドブロック473を検出するよう配置されている。
第二の受け取り位置検出センサー492はスライドブロック473の到達を検出する近接センサーであり、当該第二の受け取り位置検出センサー492は、ラベル供給装置20Bが差し出すラベルL2を第一及び第二のクランプ機構41,42がクランプ可能な位置となるときのスライドブロック473を検出するよう配置されている。
第三の受け取り位置検出センサー493はスライドブロック473の到達を検出する近接センサーであり、当該第三の受け取り位置検出センサー493は、ラベル供給装置20Cが差し出すラベルL3を第一及び第二のクランプ機構41,42がクランプ可能な位置となるときのスライドブロック473を検出するよう配置されている。
供給位置検出センサー494はスライドブロック473の到達を検出する近接センサーであり、当該供給位置検出センサー494は、第一及び第二のクランプ機構41,42がクランプしたラベルL1〜L3をミシン60の第二の保持枠67が保持することが可能な位置となるときのスライドブロック473を検出するよう配置されている。
第一及び第二のクランプ機構41,42について図10に基づいて説明する。
第一のクランプ機構41は、第一の上クランプ部材411と、当該第一の上クランプ部材411を昇降させるアクチュエーターとしての第一のクランプ用エアシリンダー412と、第一のクランプ用エアシリンダー412のプランジャーと第一の上クランプ部材411とを連結する連結体413とを備えている。
また、第二のクランプ機構42は、第二の上クランプ部材421と、当該第二の上クランプ部材421を昇降させるアクチュエーターとしての第二のクランプ用エアシリンダー422と、第二のクランプ用エアシリンダー422のプランジャーと第二の上クランプ部材421とを連結する連結体423とを備えている。
そして、第一及び第二のクランプ用エアシリンダー412,422は、いずれもプランジャーの動作方向がZ軸方向に平行であって、ピストンを内蔵する本体部が同じ高さとなるように一体的に連結された状態で、クランプ解放機構45の支持ブロック452に支持されている。
各連結体413,423は、各クランプ用エアシリンダー412,422のプランジャーに固定支持された基端部と、基端部のY軸方向奥側の端部から下方に垂下した垂下部と、垂下部の下端部からY軸方向奥側に延出された延出部とを備えている。
そして、各連結体413,423の下面側に上クランプ部材411,421の基端部がそれぞれ連結されている。
なお、第二のクランプ機構42の連結体423の延出部の下面には、一枚の介挿ブロック414が介挿され、一枚の厚さ分だけ第二の上クランプ部材421の基端部が低くなるように支持されている。
このため、第一及び第二のクランプ用エアシリンダー412,422のプランジャーが後退状態(突出していない状態)である場合に、第二の上クランプ部材421の把持部421dよりも第一の上クランプ部材411の把持部411dが上となるように高低差を生じる。
また、第一の上クランプ部材411の把持部411dは、下降時に、第二の上クランプ部材421の把持部421dと重合が生じないように、幾分前方に配置されている。
また、後述する下クランプ部材44は、二つの把持部411d,421dが圧接するクランプ面(上面)441を備えており、Y軸方向から見て一様に、各把持部411d,421dの波形形状に対応する波形となっている。これにより、下降した二つの把持部411d,421dのそれぞれのクランプ面を、下クランプ部材44のクランプ面441に隙間なく面接触させることができるようになっている。
クランプ解放機構45は、クランプ昇降機構46に支持された断面L字状の支持フレーム451と、各クランプ用エアシリンダー412,422を支持する支持ブロック452と、支持フレーム451に対して支持ブロック452を昇降させる解放用エアシリンダー453とを備えている。
そして、解放用エアシリンダー453はプランジャーの後退時に支持フレーム451と支持ブロック452とを近接状態とし、プランジャーの突出時に支持フレーム451と支持ブロック452とを離間状態とする。
解放用エアシリンダー453のプランジャーの後退時には、各クランプ用エアシリンダー412,422のプランジャーの突出動作により二つの上クランプ部材411,421が下クランプ部材44のクランプ面441に圧接し、解放用エアシリンダー453のプランジャーの突出時には、二つのクランプ用エアシリンダー412,422のプランジャーが突出状態にあっても、両方とも下クランプ部材44のクランプ面441から離間した状態となる様に、解放用エアシリンダー453のストロークが設定されている。
即ち、各上クランプ部材411,421によりラベルL1,L2,L3がクランプ状態にある場合であっても、解放用エアシリンダー453によるプランジャーの突出動作によって全てのラベルL1,L2,L3をクランプ状態から解放することができる。
下クランプ部材44は、クランプ解放機構45の支持フレーム451の下面に固定支持された基端部と、基端部のY軸方向奥側の端部から下方に垂下した垂下部と、垂下部の下端部からY軸方向奥側に延出された延出部とを備えている。
そして、下クランプ部材44の延出部の先端部上面には、上クランプ部材411,421の把持部411d,421dのクランプ面が面接触するクランプ面441が形成さている。
クランプ昇降機構46は、支持ブラケット474に支持された昇降用エアシリンダー461を有している。この昇降用エアシリンダー461は、クランプ解放機構45の支持フレーム451を介して、当該クランプ解放機構45、下クランプ部材44及び第一及び第二のクランプ機構41,42を一度に昇降させることができる。
昇降用エアシリンダー461は通常はプランジャーを突出(上昇)させた状態にあり、その状態において下クランプ部材44の延出部の下面がミシン60の第一の保持枠66の上面よりも高くなる様に設定されている。また、昇降用エアシリンダー461のプランジャーを後退(下降)させたときには、下クランプ部材44の延出部の下面がミシン60の下板65の上面に十分に接近するまで下降するように設定されている。
これは、ラベル搬送装置40がミシン60の第一の保持枠66の内側にある第二の保持枠67までラベルLを搬送する際に、下クランプ部材44が第一の保持枠66と干渉しないようにするためである。また、ラベルLが第一の保持枠66の内側まで搬送され、第二の保持枠67に保持させる際には各ラベルLは下板65に近接することが望ましいので、把持されたラベルLを下降させることができるようになっている。
ラベル縫製装置10の制御系を図2に基づいて説明する。
ラベル縫製装置10の制御装置90は、縫製制御のプログラムが記憶、格納されたROM92と、この制御プログラムに従って各種演算処理を行うCPU91と、各種処理におけるワークメモリとして使用されるRAM93と、各種の縫製データ及び設定データを格納したEEPROM94とで概略構成されている。
また、第一及び第二の枠昇降用エアシリンダー71,72、第一及び第二のクランプ用エアシリンダー412,422、解放用エアシリンダー453、昇降用エアシリンダー461及びラベル加湿装置35は、いずれも、これらに空気圧を供給する電磁弁を介して制御装置90は動作制御を行うが、これらの電磁弁については、図2において図示を省略する。
また、発光素子235、受光素子236、原点センサー257,344、第一〜第三の受け取り位置検出センサー491,492,493及び供給位置検出センサー494についても所定のインターフェイスを介して制御装置90に接続されているが、これらのインターフェイスについては、図2において図示を省略する。
上記制御装置90の動作制御に基づいて行われるラベル縫製装置10のラベル縫着縫製動作について図11と図12のフローチャートに基づいて説明する。
なお、このラベル縫着縫製制御では、第一の受け取り位置検出センサー491の検出位置をラベル搬送装置40のスライドブロック473の搬送開始位置とし、予め、クランプ昇降機構46は各クランプ機構41,42等を上方に保持し、クランプ解放機構45は各クランプ用エアシリンダー412,422を下方に保持し、第一のクランプ機構41は上クランプ部材411を下降させた状態にあり、第二のクランプ機構42は上クランプ部材421を上方に引き上げた状態にあるものとする。
また、各ラベル供給装置20A,20B,20Cはいずれも各ノズル311,311にラベルL1,L2,L3を吸着した状態でヘッド31を中間待機位置で待機させた状態にあるものとする
そして、第一の受け取り位置検出センサー491によりスライドブロック473が検出されない場合には、搬送用モーター481を駆動してスライドブロック473を第一の受け取り位置まで移動させる(ステップS5)。
図13及び図14は第一と第二のクランプ機構41,42の動作状態を示す動作説明図、図15〜図21は上下のクランプ部材とラベルを模式図で示した工程図である。
この時、第一の上クランプ部材411の上にラベルL1が載った状態となり、ラベルL1は第二の上クランプ部材421のみによりクランプされた状態となる。
さらに、CPU91は、第二の上クランプ部材421を上昇させて解放状態とする(図21参照)。これにより、第一の上クランプ部材411と第二の上クランプ部材421の配置は、ラベルL1が供給される直前の状態に戻るので、次に新たにラベルL2が供給されたときに、再び、図15〜図21の動作制御を繰り返すことで、ラベルL1,L2を順番に重ねてクランプした状態とすることができる。ラベルL3が供給された場合も同様とする。
また、スライドブロック473の搬送開始と共に、ラベル供給装置20Aのラベル加湿装置35を作動させ、積層部23の最上位置のラベルL1の加湿を行う(ステップS15)。
この時、制御装置90は、各ノズル311,311の吸引力が弱くなるように予め図示しない切替弁を制御する。つまり、弱い吸引力で最上位置のラベルL1を吸着する。
そして、第二の受け取り位置検出センサー492によりスライドブロック473が検出されない場合には、搬送を継続し、第二の受け取り位置検出センサー492によりスライドブロック473が検出された場合には、制御装置90は、搬送用モーター481を停止させる(ステップS25)。
また、スライドブロック473の搬送開始と共に、ラベル供給装置20Bのラベル加湿装置35を作動させ、積層部23の最上位置のラベルL2の加湿を行う(ステップS31)。
そして、移送用モーター341を駆動してヘッド31を中間待機位置に移送する(ステップS35)。この時も、制御装置90は、ヘッド31が吸着位置から中間待機位置に移動する途中までは吸引力を弱くし、途中から吸引力が強くなるように切替弁を制御する。
そして、第三の受け取り位置検出センサー493によりスライドブロック473が検出されない場合には、搬送を継続し、第三の受け取り位置検出センサー493によりスライドブロック473が検出された場合には、制御装置90は、搬送用モーター481を停止させる(ステップS41)。
また、スライドブロック473の搬送開始と共に、ラベル供給装置20Cのラベル加湿装置35を作動させ、積層部23の最上位置のラベルL3の加湿を行う(ステップS47)。
そして、移送用モーター341を駆動してヘッド31を中間待機位置に移送する(ステップS51)。この時も、制御装置90は、ヘッド31が吸着位置から中間待機位置に移動する途中までは吸引力を弱くし、途中から吸引力が強くなるように切替弁を制御する。
そして、供給位置検出センサー494によりスライドブロック473が検出されない場合には、搬送を継続し、供給位置検出センサー494によりスライドブロック473が検出された場合には、制御装置90は、搬送用モーター481を停止させる(ステップS57)。
そして、制御装置90は、ミシン60の第二の枠昇降用エアシリンダー72を作動させて第二の保持枠67を下降させる(ステップS61)。これにより、重なった状態のラベルL1〜L3のY軸方向奥側の端部が第二の保持枠67に保持される。
そして、規定の針数で縫製パターンの運針が行われると、ラベルL1〜L3の縫着縫製動作が終了する。
上記ラベル縫製装置10は、制御装置90が、第一の上クランプ部材411のみがクランプ状態を維持したままラベル供給装置20からラベルLを受け取り、当該受け取ったラベルLの上からクランプするように第二の上クランプ部材421をクランプ状態に切り替え、その後、第一の上クランプ部材411を解放状態に切り替えるクランプ制御を第一と第二のクランプ用エアシリンダー412,422に対して行うので、順次、ラベルLが供給される場合に、第一の上クランプ部材411と第二の上クランプ部材421のいずれか一方が常に積層されたラベルLをクランプすることができ、複数のラベルを重ねた状態でクランプして搬送することができ、より多くのラベルLを複数重ねて一度に縫製することが可能となる。
これにより、ミシン60へ供給する際にクランプしている上クランプ部材がいつも第一の上クランプ部材411となり、一定の供給状態でミシン60へのラベル供給を行うことが可能となる。
このため、ミシン60に重ねたラベルLを供給する際に、より針落ち位置に近い第一の上クランプ部材411がクランプした状態で受け渡すことができ、ラベルLが良好に重なった状態で供給することができる。従って、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
このため、クランプされるラベルLが薄い、長い、軟らかい等の理由により下側に折れ易い素材である場合であっても、Z軸方向の剛性を高めることができ、水平に延出した状態を維持することが可能となる。
このため、ラベルの折れ曲がりによる縫製不良の発生を抑制し、より良好な縫製を行うことが可能となる。
このため、積層状態のラベルLを各ノズル311,311が複数枚吸着する事態を抑制し、なお且つ、移送中は十分な吸引力で安定的にラベルを移送することができ、より良好な縫製を行うことが可能となる。
このため、最上位置のラベルLの通気性を低減させて吸着性を高めると共に、その下のラベルLへの吸引力の到達を低減でき、最上位置のラベルLのみをより効果的に吸着することが可能となる。従って、二枚以上の同一のラベルの縫い付けの発生を抑制し、縫製動作をより良好且つより確実に行うことができ、信頼性及び縫い品質の向上を図ることが可能となる。
このため、昇降機構25の制御により最上位置のラベルLを常に一定の目標高さに維持することができ、各ノズル311,311の吸着を安定して行うことが可能となる。
一方、昇降機構25の制御により最上位置のラベルLは常に一定の目標高さに維持されているので、昇降板251の高さを検出すると、その間の距離を求めることでラベルLの残量を取得することが可能となる。
このため、ラベル供給装置20の個体数の増減を容易に行うことが可能となり、同時に縫着するラベルの枚数も任意に調節することが可能となる。
このため、各ラベル供給装置20A〜20Cのノズル311,311を中間待機位置で待機させることによって、当該ノズル311,311及び吸着されたラベルLと搬送されるスライドブロック473との干渉を避けつつも、ラベルLの吸着動作を終えた状態で各ノズル311,311を渡し位置により近づけて待機させることが可能となる。
従って、ラベル縫着を連続して行う場合に、サイクルタイムを効果的に低減し、作業効率の向上を図ることが可能となる。
前述したクランプ制御では、ラベル供給装置20からラベルLを受け取る際にクランプ状態を維持している上クランプ部材が、ラベルの受け取り毎に常に第一の上クランプ部材411となるように第一及び第二のクランプ用エアシリンダー412,422を制御している。
しかしながら、これに限定されず、例えば、ラベル供給装置20からラベルLを受け取る際にクランプ状態を維持している上クランプ部材が、ラベルの受け取り毎に常に第一の上クランプ部材411と第二の上クランプ部材421との間で交互に入れ替わるように第一及び第二のクランプ用エアシリンダー412,422を制御してもよい。
そして、ラベル供給装置20Aの各ノズル311,311が退避すると(図18参照)、CPU91は、第一の上クランプ部材411を上昇させて解放状態にする(図14,図19参照)。
これ以降は、同一の動作制御を繰り返すことにより、ラベルLを順次積層してクランプすることができる。
ラベル供給装置20は三基に限らず、より多くしても良い。制御装置90が行うクランプ制御によれば、ラベル搬送装置40は三枚より多くのラベルLを受け取ってミシン60に搬送することが可能であるため、ラベル供給装置20の増設にも容易に対応することができる。
11 テーブル
20,20A,20B,20C ラベル供給装置
30 移送部
31 ヘッド
311 ノズル
40 ラベル搬送装置
41 第一のクランプ機構
411 第一の上クランプ部材
411d 把持部
412 第一のクランプ用エアシリンダー(アクチュエーター)
42 第二のクランプ機構
421 第二の上クランプ部材
421d 把持部
422 第二のクランプ用エアシリンダー(アクチュエーター)
44 下クランプ部材
441 クランプ面
60 ミシン
90 制御装置
C 布地
L,L1,L2,L3 ラベル
Claims (5)
- 布地に縫着するラベルを供給するラベル供給装置と、
前記ラベル供給装置から供給されたラベルを搬送するラベル搬送装置と、
前記ラベル搬送装置により搬送されたラベルを布地に縫着するミシンとを備え、
前記ラベル搬送装置は、
搬送方向に直交する方向に沿って前記ラベルの一端部を延出させた状態で当該ラベルをクランプする下クランプ部材及び二つの上クランプ部材と、
二つの前記上クランプ部材を個別にクランプ状態と解放状態とに切り替える二つのアクチュエーターとを有し、
二つの前記上クランプ部材は、前記ラベルをクランプする把持部が互いに重ならないように配置され、
一方の前記上クランプ部材のみがクランプ状態を維持したまま前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取り、
当該受け取ったラベルの上からクランプするように他方の前記上クランプ部材をクランプ状態に切り替え、
その後、前記一方の上クランプ部材を解放状態に切り替える動作制御を前記二つのアクチュエーターに対して行う制御装置を備えることを特徴とするラベル縫製装置。 - 前記制御装置は、前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取る際にクランプ状態を維持している上クランプ部材が、前記ラベルの受け取り毎に交互に切り替わるように前記二つのアクチュエーターを制御することを特徴とする請求項1記載のラベル縫製装置。
- 前記制御装置は、前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取る際にクランプ状態を維持している上クランプ部材が、前記ラベルの受け取り毎に常に一定となるように前記二つのアクチュエーターを制御することを特徴とする請求項1記載のラベル縫製装置。
- 前記二つの上クランプ部材は、それぞれの前記把持部が前記ラベルの延出方向に沿って並んで配置され、
前記制御装置は、前記延出方向について前側となる上クランプ部材が、前記ラベル供給装置から前記ラベルを受け取る際にクランプ状態を維持するように、前記二つのアクチュエーターを制御することを特徴とする請求項3記載のラベル縫製装置。 - 前記二つの上クランプ部材は、いずれも前記把持部が板状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のラベル縫製装置。
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