JP2019055136A - 被縫製物搬送装置 - Google Patents

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英浩 福沢
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啓宣 伊藤
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智 井村
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秀峰 水島
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Abstract

【課題】連続的、効率的に被縫製物を供給する。【解決手段】複数の被縫製物Cを積層可能である平坦な載置部20と、載置部の上で最上位に位置する被縫製物を把持する把持機構70と、把持機構に把持された被縫製物を搬送する搬送機構40と、搬送機構により搬送された被縫製物が載置される平坦な作業台25とを備え、作業台は、ミシンの針板に被縫製物を搬送できるようにミシンに接続可能であり、ミシンによって作業台上を送られる被縫製物に錘81を供給する錘機構80と、作業台に搬送された被縫製物をミシンの針板まで搬送する中継枠93を有する中継機構90とを備え、錘の被縫製物を押さえる錘本体811が中継枠の下側に進入可能とした。【選択図】図16

Description

本発明は、縫製が施される被縫製物の搬送を行う被縫製物搬送装置に関する。
縫製が行われる複数の生地を積層した状態でストックする載置台から、最上位の生地を取り上げて作業台に搬送する生地搬送装置が従来から使用されている。
この生地搬送装置は、積層された生地から最上位の生地を取り上げるために、把持部材と爪部材とを有する把持機構と、把持機構を載置台と作業台との間で往復搬送する搬送機構とを備えている。
そして、縫製作業時には、把持機構が載置台の生地を把持し、搬送機構が把持機構と共に生地を作業台に搬送し、作業台で生地を解放してミシンに供給していた(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−172341号公報
上記生地搬送装置は、載置台に積層された生地から最上位の生地を取り上げる工程と、載置台から作業台まで搬送する工程と、作業台からミシンへ生地を供給する工程を有するので、載置台に複数積層された生地を連続的かつ効率的にミシンに供給すべき要求が高い。
しかしながら、従来の生地搬送装置は生地の供給の自動化を図ることは可能だが、より迅速な生地の供給を行うための工夫を有していないため、生地を連続的かつ効率的にミシンに供給することができなかった。
本発明は、ミシンに対してより連続的かつ効率的に被縫製物の供給を行うことをその目的とする。
請求項1記載の発明は、被縫製物搬送装置において、
複数の被縫製物を積層可能である平坦な載置部と、
前記載置部の上で最上位に位置する被縫製物を把持する把持機構と、
前記把持機構に把持された前記被縫製物を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により搬送された前記被縫製物が載置される平坦な作業台とを備え、
前記作業台は、ミシンの針板に前記被縫製物を搬送できるように前記ミシンに接続可能であり、
前記ミシンによって前記作業台上を送られる被縫製物に錘を供給する錘機構と、
前記作業台に搬送された被縫製物を前記ミシンの針板まで搬送する中継枠を有する中継機構とを備え、
前記錘の前記被縫製物を押さえる錘本体が前記中継枠の下側に進入可能であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の被縫製物搬送装置において、
前記中継機構の前記中継枠が前記被縫製物を前記ミシンの前記針板まで搬送してから、前記錘の前記錘本体が前記中継枠の下側に進入するまで、前記中継枠が前記被縫製物の搬送方向上流側に戻らないで待機するように前記中継機構を制御する制御装置を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の被縫製物搬送装置において、
前記中継機構の前記中継枠が前記被縫製物を前記ミシンの前記針板まで搬送してから後退し、前記被縫製物を押さえながら前記被縫製物の搬送方向下流側に送るように前記中継機構を制御する制御装置を備えることを特徴とする。
本発明は、錘機構の錘本体が中継機構の下側に進入可能となっているので、被縫製物の搬送時に、中継機構の待機位置に対して、錘をよりミシン側まで搬送させることができ、作業台における中継機構の後方のスペースを広く空けることが可能となり、錘の移動後に速やかに次の被縫製物を作業台に供給することができる。
従って、被縫製物を連続的且つ効率的にミシンに供給し、連続する縫製業の迅速化を図ることが可能となる。
発明の実施形態である生地搬送装置の斜視図である。 フレームを除いた生地搬送装置の斜視図である。 フレームを除いた生地搬送装置を図2と異なる方向から見た斜視図である。 把持機構周辺の斜視図である。 把持機構の斜視図である。 把持機構を図5と異なる方向から見た斜視図である。 把持機構の側面図であって図7(A)は把持前の状態を示し、図7(B)は把持後の状態を示す。 把持機構周辺の構成の位置関係を示す側面図である。 把持機構の側面図であって図9(A)は把持前の状態を示し、図9(B)は把持部材の下降後の状態を示し、図9(C)は把持部材の上昇後の状態を示す。 把持機構の側面図であって図10(A)は把持部材の上昇後の状態を示し、図10(B)は把持部材の下側にカバー部材が介挿された状態を示す。 把持機構の側面図であって図11(A)は生地の把持後であって搬送前の状態を示し、図11(B)は搬送途中の状態を示し、図11(C)は生地の解放状態を示す。 錘を保持した状態の錘機構の斜視図である。 錘を保持した状態の錘機構の断面図である。 中継機構の斜視図である。 中継機構の他の斜視図である。 中継機構の側面図である。 生地搬送装置の制御系を示すブロック図である。 生地搬送装置の生地搬送動作を示すフローチャートである。 図19(A)〜図19(C)は生地搬送装置の錘の配置から生地のミシンへの供給までの一部を示す動作説明図である。 図20(A)〜図20(C)は生地搬送装置の錘の停止から次の生地の供給開始までの動作説明図である。 中継機構の動作説明図である。 図21に続く中継機構の動作説明図である。 図22に続く中継機構の動作説明図である。 図23に続く中継機構の動作説明図である。 図24に続く中継機構の動作説明図である。 図25に続く中継機構の動作説明図である。 図26に続く中継機構の動作説明図である。 図28(A)〜図28(C)は、図20(A)〜図20(C)に替わる生地搬送装置の錘の停止から次の生地の供給開始までの他の動作例を示した動作説明図である。
[本発明の実施の形態の概略]
以下、本発明の実施の形態である縫製システム1000について図面に基づいて説明する。
図1は縫製システム1000の全体構成を示す斜視図である。
縫製システム1000は、ミシン1と被縫製物搬送装置としての生地搬送装置10とから構成される。
上記生地搬送装置10は、ミシン等の縫製対象物となる被縫製物である複数の生地Cを積層状態でストックし、当該生地Cを一枚ずつ取り上げて所定の作業を行うミシン1に搬送するためのものである。
[ミシン]
ミシン1は、縫い針2を保持する針棒3(図16参照)と、針棒3を上下動させる針上下動機構と、縫い目を形成する釜機構又はルーパ機構と、送り歯により生地Cを間欠的に送る送り機構等、ミシンにおける周知の構成を備えている。そして、ミシン1の縫い針2の針落ち位置に対する生地Cの搬送方向上流側には上からベルトを供給するベルト供給機構4(図24参照)が配置されており、ミシン1は生地Cに対してベルトを縫着する縫製を行う。実施例の図では、ベルトは三本並んで供給され、ミシン1は、各ベルトの両側部に対して針落ちを行って縫着することから、合計六本の縫い針を有しているが、ベルト、縫い針の本数は限定しない。
なお、ベルト縫着は一例であり、送り機構により一定の直進方向に生地Cを送る形式のミシンであれば、いかなる種別のミシンを使用することも可能である。
なお、ミシン1は、後述する作業台25の前端部に配置され、当該作業台25から搬送される生地Cが滞りなくミシン1の針板に到達可能な程度の高低差しか生じないように高さが調整されている。厳密には、作業台25の上面に形成されるガイド部254(後述)の上面とミシン1の針板を含むミシンベッド部の上面とが同じ高さに設定されている。
また、ミシン1の送り機構による生地Cの送り方向と後述する生地搬送装置10の搬送機構40の搬送方向とが一致している。
[生地搬送装置]
生地搬送装置10は、全体を支持するフレーム11と、複数の生地Cを積層可能である平坦な載置部としての載置板20と、載置板20の上で最上位に位置する生地Cを把持する把持機構70と、把持機構70に把持された生地Cを搬送する搬送機構40と、搬送機構40により搬送された生地Cが載置される平坦な作業台25と、載置板20の上の生地Cの端部を上から押さえる押さえ機構30(図8参照)と、把持機構70が把持して上昇させた生地Cの下側にカバー部材51を介挿するカバー機構50と、作業台25における生地Cの搬送方向下流側の端部において、生地Cの搬送方向下流側の端部を作業台25の上面に沿わせる平滑機構60と、作業台25上をミシン1の送り歯によって送られる生地Cに錘を供給する錘機構80と、搬送機構40により作業台25に搬送された生地Cをミシンの針板まで搬送する中継機構90と、上記各構成の動作を制御する制御装置100(図17参照)とを備えている。
なお、以下の説明において、水平且つ生地Cの搬送方向に平行な方向をY軸方向、水平且つY軸方向に直交する方向をX軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向とする。
また、生地Cの搬送方向下流側を「前」、搬送方向上流側を「後」、前から見て左側を「左」、前から見て右側を「右」とする。
[フレーム]
フレーム11は、断面矩形の柱材を直方体形状に組み上げて構成されている。また、フレーム11は、その上部がY軸方向に長く、前側において作業台25を水平な状態で固定的に支持し、後側において、載置板20を水平な状態で着脱可能に支持している。
また、フレーム11は、後半分にはX軸方向に沿った柱材が設けられておらず、上方、後方及び下方について開放されている。
載置板20は、予め、複数の生地Cが積層された状態で図示しない台車に乗せられて生地搬送装置10に運搬される。フレーム11は、前述したように、後半分の上方、後方及び下方が開放されているので、フレーム11の後端部から内側に台車ごと載置板20を搬入し、当該載置板20をフレーム11にセットして、台車のみをフレーム11の後端部から搬出することができる構造となっている。
[載置板]
図2及び図3は生地搬送装置10からフレーム11のみを除去して残る各構成をそれぞれ異なる視線から見た斜視図である。
載置板20は長方形状の平板から構成されており、その平板面を水平に向けた状態でフレーム11の後部内側に設けられた支持機構21により下から支持されている。
支持機構21は、載置板20を下から載置支持する載置フレーム211と、載置フレーム211を上下動可能に支持する支持ガイド212と、載置フレーム211及び載置板20の上下動の駆動源となる上下動モーター213と、上下動モーター213のトルクを上下動動作に変換するボールネジ214とを備えている。
載置フレーム211は、上方から見て門型に形成され、その開口部を後方に向けた状態で上下方向に沿った二本の支持ガイド212に支持されている。これにより、台車に載置板20を載置した状態で後方から搬入した場合に、台車との干渉を回避することができる。
載置フレーム211は、載置板20の下面に当接する設置板を上端部に有する四本の支柱215が設けられており、載置板20の下面の外縁部を四点で下から支持することができる。載置板20の搬入の際には、四本の支柱215の上端部が載置板20よりも低くなるように載置フレーム211が下降した状態にあり、台車で搬入されると、載置フレーム211が上昇して載置板20を上方に持ち上げた状態で支持し、台車のみをフレーム11外に搬出することができる。
なお、載置板20の上昇動作の際には、積層された複数の生地Cの最上位の生地Cが後述する押さえ機構30の押さえ部材31に下から当接すると、当該押さえ部材31に装備された常閉式のマイクロスイッチ33(図17参照)が当接を検出して開状態となり、上下動モーター213が駆動を停止するように制御される。
上記制御は、載置板20のセッティングの場合だけでなく、最上位の生地Cが把持機構70により取り上げられた場合にも実行させる。これにより、載置板20上の最上位の生地Cは常に一定の高さを維持することができるようになっている。
[搬送機構]
図4は把持機構70と搬送機構40の拡大斜視図である。
図3及び図4に示すように、搬送機構40は、三基の把持機構70を支持するX軸方向に沿った角柱状の支持桿41と、支持桿41の左右両端部を支持する左右一対の側板42と、それぞれの側板42の下端部に設けられた図示しないスライドブロックを介して支持桿41及び一対の側板42をY軸方向に沿って滑動可能に支持するスライドレール43と、支持桿41及び一対の側板42のY軸方向の移動駆動源となる搬送モーター44(図17参照)と、搬送モーター44の移動力を側板42に付与するタイミングベルト45とを備えている。
一対の側板42は、X軸方向に沿った長尺の連結板46により連結されており、支持桿41と一対の側板42と連結板46とが櫓状の可動体47を構成している。
そして、支持桿41の後面側には、三基の把持機構70が垂下された状態でX軸方向に並んで固定支持されている。
また、一対の側板42の下端部にはY軸方向に沿って張設されたタイミングベルト45がそれぞれ連結されており、搬送モーター44からトルクが付与されるベルトプーリによりタイミングベルト45が搬送され、可動体47がY軸方向に沿って移動する。
可動体47の移動経路上には、把持機構70の原点位置を定めた原点センサー48が設けられている。把持機構70が載置板20上の生地Cを把持する把持位置と、作業台25において生地Cを解放する解放位置とは、原点位置からの搬送モーター44の駆動量から求めることができ、それぞれの位置で可動体47を停止させることができる。
[把持機構]
前述したように、把持機構70は搬送機構40に三基設けられているが、これらは同一の構成なので、その内の一つのみについて説明する。
図5は把持機構70を斜め上方から見た斜視図、図6は斜め下方から見た斜視図である。
把持機構70は、図示のように、生地を把持する第一及び第二の把持部材71,72と、第一及び第二の把持部材71,72の把持動作の駆動源となる把持用エアシリンダー73と、第一及び第二の把持部材71,72を昇降させる昇降機構74と、第一及び第二の把持部材71,72の把持開始前の開口幅を調節する調節部75と、搬送機構40の支持桿41に第一及び第二の把持部材71,72並びに昇降機構74を取り付ける取付部76とを備えている。
第一の把持部材71は、把持用エアシリンダー73と共に、後述する昇降機構74の第一支持板741の下端部に垂下支持されており、第二の把持部材72は、把持用エアシリンダー73のピストンに支持されている。
第一の把持部材71に対して第二の把持部材72は前側に配置されており、第一の把持部材71の前端面711と第二の把持部材72の後端面721とが近接対向している。
また、第一の把持部材71と第二の把持部材72は、それぞれの底面712,722が平滑であって同一高さで支持されている。生地Cを把持する際には、第一及び第二の把持部材71,72の底面712,722を生地Cの上面に当接させると共に、第一及び第二の把持部材71,72を相対的に接近させてそれぞれの前端面711及び後端面721に生地Cの一部を挟み込む。
このため、生地Cの把持を良好に行うために、第一及び第二の把持部材71,72の底面712,722には、摩擦体713,723がそれぞれ設けられている。摩擦体713,723としては、平滑な底面712,722よりも摩擦係数が大きなシート状のものであれば良く、例えば、ゴムシート、サンドペーパー、布等の繊維等が挙げられる。また、第一及び第二の把持部材71,72の底面712,722そのものに、摩擦係数を高める摩擦構造、例えば、ローレット加工や鋸歯状溝等を施してもよい。
把持用エアシリンダー73は、ピストンを前方に向けた状態で第一支持板741に支持されており、生地Cを把持しないときにはピストンが前方に突出した状態とされ、把持する際にはピストンがシリンダー側に後退した状態とされる。
これにより、第二の把持部材72が第一の把持部材71に対して前方に離間した状態から後退して、第一の把持部材71の前端面711と第二の把持部材72の後端面721とが圧接した状態に切り替えられる。
調節部75は、第二の把持部材72の前端面に当接して、非把持状態において、把持用エアシリンダー73のピストンにより前方に押し出された状態の第二の把持部材72のストッパーとなり、第一及び第二の把持部材71,72の把持開始前の開口幅を規定する。
具体的には、調節部75は、フレームとアンビルとを有さないマイクロメーターが使用される。この調節部75は、第一支持板741により、第二の把持部材72の前方となる配置で、前後移動可能なスピンドル751を後方に向けた状態で支持されている。
そして、後方を向いたスピンドルの先端部が第二の把持部材72の前端面に当接することで、非把持状態に把持用エアシリンダー73により前方に押し出された第二の把持部材72の停止位置を規定し、第一及び第二の把持部材71,72の把持開始前の開口幅を規定する。
そして、調節部75はマイクロメーターからなるので、そのスピンドルにより、第一及び第二の把持部材の把持開始前の開口幅を0.01[mm]単位で任意に調節することができる。
図7(A)及び図7(B)は第一及び第二の把持部材71,72による把持動作を右方から見た動作説明図である。
第一の把持部材71と第二の把持部材72は、それぞれの底面712,722に摩擦体713,723を備えており、また、第一及び第二の把持部材71,72には把持開始前の開口幅を調節する調節部75が併設されている。
生地Cの厚さに対して、第一及び第二の把持部材71,72の把持開始前の開口幅が広すぎると、把持の際に二枚以上の生地Cが同時に把持されて重送を生じてしまう。
一方、生地Cの厚さに対して、第一及び第二の把持部材71,72の把持開始前の開口幅が狭いと、把持の際に底面712,722に滑りが生じて把持ミスが発生しやすくなる。
従って、図7(A)及び図7(B)のように、第一及び第二の把持部材71,72の底面712,722に摩擦体713,723を設け、把持開始前の開口幅を調節部75により調節可能とすることにより、一枚の生地Cを把持するのに適した狭い開口幅でより確実に一枚ずつ把持を行うことが可能となる。
昇降機構74は、前述した第一支持板741と、第一支持板741を介して第一及び第二の把持部材71,72を後斜め上方向に昇降させる昇降用エアシリンダー742とを備えている。
図8は第一及び第二の把持部材71,72と周囲の構成との関係を示す右方から見た説明図である。
第一及び第二の把持部材71,72は、昇降用エアシリンダー742により前斜め下側に下降したときには、それぞれの底面712,722が載置板20の上面の最上位の生地Cに当接する把持高さとなり、昇降用エアシリンダー742により後斜め上側に上昇したときには、周囲の各構成と干渉せずに前方に移動可能な搬送高さとなる。
また、昇降用エアシリンダー742は、Y軸方向後方に対して後斜め上に45〜60°程度起伏した傾斜角度にピストンの移動方向が向けられている。これは後述する押さえ機構30の押さえ部材31との関係で、下の生地Cから最上位の生地Cのみを良好に剥離させるのに適した角度となっている。
取付部76は、昇降機構74の昇降用エアシリンダー742を前述した姿勢で固定支持する第二支持板761と、搬送機構40の支持桿41の後面に固定装備された取付レール762と、第二支持板761を取付レール762に装備する取付ブロック763とを備えている。
第二支持板761はその平板面上において昇降用エアシリンダー742を前述した傾斜角度で支持し、その前端部には取付ブロック763が固定されている。
取付レール762は、X軸方向に沿って支持桿41に固定されており、取付ブロック763は取付レール762に対してその長手方向に沿って位置調節可能に装着されている。つまり、取付ブロック763を介して第一及び第二の把持部材71,72はX軸方向に沿って位置調節可能である。即ち、位置調節の際には、支持板761に組み付けられたインデックスプランジャーを使用し、取付レール762の取付板にレールの長手方向と同じ方向に並んで形成された位置決め穴を利用して任意の位置決めが可能である。
なお、取付レール762は、三基の把持機構70において共用されている。
[押さえ機構]
図9は押さえ機構30を用いた生地Cの把持動作を示す側面図であり、図9(A)〜図9(C)の順で把持動作が進行する。
図8及び図9に示すように、押さえ機構30は、載置板20の上面に積層された生地Cの前端部を上から押さえる押さえ部材31と、当該押さえ部材31をフレーム11に対して上下動可能に支持する図示しない支持構造と、生地Cによる押さえ部材31の押し上げを検出する検出部としてのマイクロスイッチ33(図17参照)と、載置板20の上面における押さえ部材31の押さえ位置に設けられた摩擦体32とを備えている。
押さえ部材31は、水平且つX軸方向に長尺な帯状の平板であって、その前端部と後端部とがX軸方向に沿った折り目で垂直下方に折曲されている。また、押さえ部材31は、載置板20のX軸方向の幅と同程度の幅を有している。
そして、押さえ部材31の後端部の垂直下方に折曲された部位の下端部の全幅には、モール材等の生地Cを保護する保護材311が装着されており、当該保護材311を有する下端部により、最上位の生地Cの上面の前端部をX軸方向の全幅に渡って、押さえ部材31の自重により押圧する。
押さえ部材31の支持構造は、当該押さえ部材31を水平に維持したままで昇降可能に支持している。
マイクロスイッチ33は、押さえ部材31が予め定められた規定の高さ以上となると、OFF信号を出力する。
摩擦体32は、平滑な載置板20の上面よりも摩擦係数が大きな平面状のものであれば良く、例えば、ゴムシート、サンドペーパー、布等の繊維等が挙げられる。また、載置板20の上面そのものに、摩擦係数を高める摩擦構造、例えば、ローレット加工や鋸歯状溝等を施してもよい。
この摩擦体32の意義は、押さえ部材31の意義と共に後述する。
図9に示すように、押さえ部材31が積層された生地Cの前端部の上から押さえ圧を付与した状態で、第一及び第二の把持部材71,72が最上位の生地Cを把持して、昇降機構74により上方且つ押さえ部材31から離間する方向(後方)に上昇する。
その場合、二枚目の生地Cの前端部は三枚目の生地Cとの摩擦により、最上位の生地Cとの摺動摩擦に抗して、定位置を維持することができ、最上位の生地Cと二位枚目の生地Cが一緒に把持されることや、二枚目の生地Cが最上位の生地Cとの摺動摩擦で引きずられて弛みや皺、まくり上がり等の乱れた状態となることを抑止、低減することが可能となる。
特に、昇降機構74は45〜60°の傾斜角度で第一及び第二の把持部材71,72を上昇させると、押さえ部材31による上記効果を良好に得ることが可能である。
さらに、載置板20の上面の前端部に摩擦体32を設けているので、載置板20に載置された生地Cが残り二枚になった場合において、最上位の生地Cが把持されて上昇する際に、二枚目の生地Cは、定位置に保持するための摩擦力をその下の生地Cから得ることは出来ないが、その代わりに同程度かそれ以上の摩擦力を摩擦体32から得ることが出来るので、二枚目の生地C(最後の一枚となる生地C)も、最上位の生地Cと一緒に把持されることや、最上位の生地Cによる乱れた状態となることを抑止、低減することが可能となる。
[カバー機構]
図10(A)及び図10(B)はカバー機構50の動作説明図である。
カバー機構50は、図2、図4及び図10に示すように、第一及び第二の把持部材71,72が把持して上昇させた最上位の生地Cの下側に介挿されるカバー部材51と、カバー部材51の後端部を保持するX軸方向に沿った駆動棒52と、駆動棒52の左右両端部を個別に支持する二つのスライドブロック53と、各スライドブロック53をY軸方向に沿って滑動可能に支持する二本のスライドレール54と、駆動棒52をスライドレール54に沿って往復移動させる駆動源としてのカバー用モーター56(図17参照)とを備えている。
駆動棒52は、載置板20のX軸方向幅よりも幾分長く、カバー部材51の長手方向の一端部(後端部)を保持している。
そして、図8に示すように、駆動棒52は、一対のスライドブロック53及び一対のスライドレール54により、載置板20の上面から上昇時の第一及び第二の把持部材71,72の底面712,722までの間の高さを維持して、載置板20の前端部よりも幾分前方となる位置(前位置)から載置板20の後端部の位置(後位置)までの範囲を前後に往復移動可能に支持されている。
なお、上記往復動作は、カバー用モーター56を駆動源として、図示しないベルト機構を介して駆動棒52に付与される。
カバー部材51は、可撓性を備えた長方形状のシート材であり、その長手方向一端部は駆動棒52に支持されている。そして、カバー部材51は、前位置にある駆動棒52から前方に向かい、作業台25の後端部よりも前側の位置で支持ローラー55(図10参照)によって湾曲して下方に向かい、カバー部材51の他端部は下方に垂下された状態となっている。
カバー部材51は、駆動棒52の前後の可動範囲の移動長さよりも長く、駆動棒52が後位置まで移動した状態で、載置板20の全長に渡って水平に張設された状態となり、当該載置板20を覆うことができる。
従って、図10(A)に示すように、第一及び第二の把持部材71,72が最上位の生地Cを把持して上昇した状態で、図10(B)に示すように、最上位の生地Cと載置板20上に残る二枚目以降の生地Cとの間にカバー部材51を介在させることができ、その後の最上位の生地Cの作業台25への搬送の際には、二枚目以降の生地Cとの摺接を防ぐことができ、当該摺接による二枚目以降の生地Cの乱れを抑止、低減することが可能である。
また、カバー用モーター56は、制御装置100により、第一及び第二の把持部材71,72が最上位の生地Cを把持して上昇すると、速やかに駆動棒52を前位置から後位置まで移動させると共に、搬送機構40による各把持機構70の前進移動の開始に同期して、駆動棒52を後位置から前位置まで移動させる。
これにより、各把持機構70の前進移動の際に、生地Cがカバー部材51と共に前進移動して相互間の摺動を抑制するので、摺動による生地Cの乱れを低減することが可能となる。また、カバー部材51を速やかに積層された生地Cの上方から退避させるので、次の把持動作を速やかに行うことが可能となる。
なお、駆動棒52を後位置から前位置まで移動させると、カバー部材51は支持ローラー55を介して再び垂下された状態に復帰する。
[作業台]
図11(A)〜図11(C)は作業台25に生地Cが搬送される際の搬送動作を示した動作説明図である。
図1〜図3及び図11に示すように、作業台25は、長方形状の平板から構成されており、その平板面を水平に向けた状態でフレーム11の前側上部に固定支持されている。この作業台25の上面高さは、前述した載置板20の支持機構21が載置板20上の最上位の生地Cを一定に維持する高さと一致している。
上記作業台25の後端部251の後側には、落差部としての開口252が形成されている。この開口252は、正確には、作業台25の後端部251とカバー機構50のカバー部材51が支持ローラー55により下方に湾曲している部位との隙間である。
図11(A)から図11(B)のように、生地Cを載置板20から作業台25に搬送する際には、その搬送速度が速い場合等に、生地Cの後端部が空気抵抗により乱れて捲れ上がりや折れ曲がりを生じる場合がある。その場合、生地Cの後端部を開口252の上を通過させて、一旦、作業台25の後端部251から垂下させると共に、後端部251の角で摺動させることにより、生地Cの後端部が乱れた状態から平坦な正常の状態に戻すことができる。
なお、作業台25の後端部251の摺動を生じる角部は、図11(B)のように断面円弧状とすることが望ましい。
また、作業台25の前端部近傍にもそのX軸方向の全幅に渡って開口部253が形成されている。この開口部253には、後述する平滑機構60の延長板61が当該開口部253を開閉可能な状態で装備されている。
そして、作業台25の上面のX軸方向における中央部には、Y軸方向の全長に渡って、後述する錘機構80の錘81の移動を案内するためのガイド部254が設けられている。
このガイド部254は、Y軸方向に沿った幾分幅の広いレールであり、その上面は平滑であって水平である。
また、ガイド部254は、前述した開口部253により途中が一部分断されているが、この開口部253を閉塞する延長板61のX軸方向中央部にガイド部254と同じ幅で凸条となる補助ガイド部611が形成されている。延長板61が開口部253を閉じた状態で、補助ガイド部611の平滑な上面は水平となり、さらに、補助ガイド部611の上面とガイド部254の上面とが面一となる。また、X軸方向における補助ガイド部611の配置は、ガイド部254と一致する。これにより、補助ガイド部611は、ガイド部254の分断された部分を完全に補完し、ガイド部254と一体となって錘81の移動を案内する機能を果たすことができる。
[平滑機構]
図1及び図11に示すように、平滑機構60は、作業台25の前端部にX軸回りで回動可能に連結された延長板61と、当該延長板61を回動させる駆動源である回動用エアシリンダー62(図17参照)とを備えている。
延長板61は、X軸方向に長尺な平板であり、X軸方向の長さは作業台25のX軸方向の幅と概ね等しくなっている。そして、延長板61は、その後端部が複数のヒンジにより作業台25に回動可能に連結されている。
この延長板61は、回動により水平に向けるとその上面が作業台25の上面と面一となり(水平状態とする)、その状態から前端部を下方に回動させることができる(垂下状態とする)。
回動用エアシリンダー62は、延長板61を回動させて上記水平状態と垂下状態の二状態に切り替えることができる。
図11(B)から図11(C)のように、生地Cはその前端部寄りの位置を第一及び第二の把持部材71,72に把持されて搬送されるが、生地Cの把持位置よりも前側の部分は、搬送中は下方に垂下した状態となる。従って、目的位置まで搬送し、第一及び第二の把持部材71,72の把持状態を解除して、生地Cを解放すると、垂下した生地Cの把持位置よりも前側の部分は、生地Cの下側に潜り込んでしまったり、折れ曲がったりする。
このため、生地Cの搬送時には、延長板61を予め垂下状態としておき、生地Cの把持位置が作業台25の前端部より前方、望ましくは前端部の近傍となる位置で生地Cを把持状態から解放する。
これにより、垂下した生地Cの把持位置よりも前側の部分が、図11(C)のように、垂下状態の延長板61に沿った状態となる。この状態で、延長板61が垂下状態から水平状態に回動するように回動用エアシリンダー62を制御することにより、生地Cの前端部に潜り込みや折れ曲がりを生じないで、平坦に載置した状態にすることができる。
[錘機構]
図12は錘機構80の斜視図、図13は錘機構80の断面図である。
錘機構80は、把持機構70を搬送する搬送機構40の連結板46の前面のX軸方向中央部に装備されている。
錘機構80は、着脱可能な錘81と当該錘81の着脱機構82とを備え、着脱機構82は、錘81を支持する支持部材83と、支持部材83に昇降動作を付与する駆動源としての錘着脱用エアシリンダー84とを備えている。
錘81は、錘本体811と、錘本体811の後端部に設けられた着脱機構82に対する連結部812と、錘本体811の左右両端部に設けられた位置規制板813,814とを備えている。
錘本体811は、中央部が広く開口し、適度な重量を有する金属又は樹脂の平板であり、平面視でY軸方向に長い長方形状を呈している。そして、錘本体811のX軸方向の幅が前述した作業台25のガイド部254より僅かに広く設定されている。
錘本体811の左右両端部に設けられた位置規制板813,814は、Y軸方向に長く、Z軸方向の幅が狭い長尺板であり、その下端部が錘本体811の下面よりも僅かに下方に突出している。
これにより、錘81を生地Cが載置された作業台25の中央に載せると、ガイド部254が左右の位置規制板813,814の間に嵌まり、Y軸方向に沿って搬送される生地Cをガイド部254に沿って真っ直ぐに移動させることができる。
錘81の連結部812は、錘本体811の後端部において、上方に向かって立設されており、その上端部には、左右方向に延出された被係止腕815,816が設けられている。また、連結部812の上端部には、前方に延出された押し当て板817が左右一組装備されている。これらの押し当て板817は、前端部が上方に直角に屈曲形成されており、当該前端部にX−Z平面に沿った平滑部が形成されている。
錘81は、前側に錘本体811が設けられ、後側に連結部812が設けられており、Y軸方向の長さにおける大部分は錘本体811が占めている。そして、錘本体811及び位置規制板813,814は、連結部812に比して、いずれもZ軸方向について十分に薄型化が図られている。
従って、この錘81は、連結部812を除く大部分を中継機構90の中継枠93の後方からその下側に進入させることができるようになっている(図16参照)。
支持部材83は、錘着脱用エアシリンダー84のピストンロッドに固定された背面板834と、当該背面板834の下端部に左右一対で前方に延出された支持腕831,832と、一対の支持腕831,832の間に設けられた当接部835とを有している。
各支持腕831,832は、いずれもその前端上部に上方に突出した突起部836,837が形成されている。そして、各支持腕831,832は、突起部836,837よりも後側が相対的に下方に凹んでおり、当該凹みとなる部分によって、錘81の被係止腕815,816を下からすくい上げるようにして係止することができる。
当接部835は、背面板834の前面側下端部における各支持腕831の間において前方に延出されると共に、その前端部が下方に屈曲形成されて、X−Z平面に沿った平坦面を有している。
前述したように、支持部材83は、錘着脱用エアシリンダー84のピストンロッドに固定装備されているので、錘着脱用エアシリンダー84の作動により、下位置と上位置とに切り替えることができる。そして、下位置では、各支持腕831,832の突起部836,837の上端部が錘81の被係止腕815,816よりも低くなるように設定されている。このため、錘81の連結部812の後方から、被係止腕815,816の下側に各支持腕831,832を差し込むことができる。そして、その状態から錘着脱用エアシリンダー84の作動により、支持部材83を上位置に押し上げると、各支持腕831,832の突起部836,837の後側の凹みによって被係止腕815,816を係止しつつ、錘81を上方に引き上げることができる。
このとき、図13に示すように、錘本体811が支持部材83の前側に設けられているので、錘81の重心は支持部材83よりもかなり前方に位置しており、支持部材83による錘81の引き上げの際には、錘本体811側が下がる方向にモーメントが作用する。
しかし、支持部材83の支持腕831,832の間には当接部835が設けられているので、錘81の連結部812の後端面が当接部835に当接し、錘本体811側が垂れ下がることなく持ち上げられて、水平状態を維持しながら支持部材83に係止される。
[中継機構]
図14は中継機構90を右斜め上から見た斜視図、図15は右斜め下から見た斜視図、図16は右側面図である。
中継機構90は、図1〜図3及び図14〜図16に示すように、作業台25の上側であって前端部近傍に配置されている。そして、この中継機構90は、搬送機構40によって作業台25の所定位置に搬送された生地Cを上から押さえる押さえ部材91と、押さえ部材91の押さえと解除を切り替える昇降動作の駆動源となる押さえ用エアシリンダー921と、押さえ部材91を支持する中継枠93と、中継枠93の左右両端部をY軸方向に沿って滑動可能に支持するスライドレール43と、中継枠93のY軸方向の移動駆動源となる中継モーター941と、中継モーター941から中継枠93に移動力を付与するタイミングベルト942とを備えている。
さらに、中継機構90は、中継枠93によって昇降可能に支持された昇降ブラケット95と、昇降ブラケット95に対してY軸方向に沿って前後移動可能に支持された払い部材96と、昇降ブラケット95を昇降させる払い部材昇降用エアシリンダー922と、払い部材96による前進移動を実行させる払い前進用エアシリンダー923とを備えている。
なお、スライドレール43は、搬送機構40と共用しているが独立して備える構成としても良い。
中継枠93は、作業台25の上方において、左右方向に延在して押さえ部材91を支持する支持板931と、支持板931の両端部から下方に延びる左右一対の側板932と、支持板931の前面中央に設けられた支持ブラケット933とを備えている。
支持板931は、X−Z平面に平行であってX軸方向に長尺な平板であり、X軸方向の長さは作業台25のX軸方向幅よりも幾分長い。また、支持板931は、その下端部が全長に渡って作業台25の上面に対して上方に離隔して配置されている。
上記中継枠93は、押さえ部材91が押さえた生地Cを前方に位置するミシン1に搬送する機能を有しており、Y軸方向の任意の位置に位置決め可能である。
そして、中継枠93の支持板931を作業台25の上面に対して十分に離隔させて配置しているので、支持板931に支持される全ての構成を作業台25の上面から離隔させることができ、これによって、図16に示すように、前述した錘81の錘本体811を中継機構90の中継枠93の下側に進入させることができる。
その際、支持板931は、その後面が錘81の押し当て板817の前面に当接した状態となり、前方に移動する際の錘81を停止させるストッパーとして利用することができる。
支持板931の両端部に設けられた一対の側板932の下端部には、Y軸方向に沿って張設されたタイミングベルト942がそれぞれ連結されており、中継モーター941からトルクが付与されるベルトプーリによりタイミングベルト942が搬送され、中継枠93がY軸方向に沿って移動する。
中継枠93の移動経路上には、中継枠93の原点位置を定めた原点センサー943(図17参照)が設けられている。中継枠93が把持機構70から解放された生地Cを受け取る受け取り位置やミシン1の針落ち位置に生地Cを供給する供給位置は、原点センサー943が示す原点位置からの中継モーター941の駆動量から求めることができ、制御装置100は、それぞれの位置で中継枠93を停止させる制御を実行することができる。
支持ブラケット933は、平面視でコ字状を呈しており、コ字状の開口部を後方に向けた状態で支持板931の前面中央部に固定装備されている。
この支持ブラケット933は、その前面部に払い部材昇降用エアシリンダー922が装備され、当該払い部材昇降用エアシリンダー922を介して昇降ブラケット95を昇降可能に支持している。
また、支持ブラケット933の前端部の後面には、作業台25上の生地Cの端部を検出するための布端センサー934が装備されている。
支持板931の前面中央部であって支持ブラケット933の内側には、押さえ用エアシリンダー921が装備され、当該押さえ用エアシリンダー921を介して、押さえ部材91が上下動可能に支持されている。
押さえ用エアシリンダー921は、ピストンロッドがZ軸方向に沿って進出するように支持板931に取り付けられており、当該ピストンロッドに押さえ部材91が固定されている。
押さえ部材91は、X−Z平面に沿った立設部911が押さえ用エアシリンダー921のピストンロッドに固定されており、当該立設部911の下端部には前方に延出された四枚の押さえ板912〜915を備えている。
各押さえ板912〜915は、いずれもY軸方向に沿った長尺板であり、押さえ部材91が下降すると作業台25上の生地Cに上から当接し、中継枠93の前進移動に伴って生地Cを前方に搬送する。このように、各押さえ板912〜915は、生地Cに接して搬送する機能を有するので、その底面にはゴムシート、サンドペーパー、布等の繊維からなる摩擦体を設けたり、ローレット加工や鋸歯状溝等の摩擦構造を施してもよい。
また、各押さえ板912〜915は、X軸方向に並んで配置されており、その両端部に位置する二つの押さえ板912,913は、内側に位置する二つの押さえ板914,915に比べて幅が広く、より前方まで延出されている。
払い部材昇降用エアシリンダー922は、ピストンロッドがZ軸方向に沿って進出するように支持ブラケット933の前面に取り付けられており、当該ピストンロッドに昇降ブラケット95が固定されている。
昇降ブラケット95は、生地Cをミシン1に搬送する際に、その前端部がミシン1の針落ち位置に接近するので、昇降ブラケット95の底板部951は、その前端部の中央が大きく切り欠かれている。
そして、昇降ブラケット95の底板部951の下面側には、スライドレール952を介してスライド板953がY軸方向に沿って滑動可能に支持されている。
また、このスライド板953と底板部951との間には弾性体としての引っ張りバネ954が設けられ、スライド板953は昇降ブラケット95に対して常に前方に張力が付勢されている。
また、スライド板953の下面には、Z軸方向に沿った支軸955と弾性体としてのコイルバネ956を介して払い部材96が吊下支持されている。払い部材96は、コイルバネ956によって下方に押圧されつつ、支軸955に沿って幾分昇降することができる。
昇降ブラケット95が支持ブラケット933に対して下降動作を行うと、スライド板953を介して払い部材96も下降する。そして、払い部材96は、支軸955とコイルバネ956によって、作業台25上の生地Cに対してバネ圧によりゆるやかに圧接する。
払い部材前進用エアシリンダー923は、昇降ブラケット95の底板部951の上面において、ピストンロッドがZ軸方向に沿って進退動作を行うように取り付けられている。そして、払い部材前進用エアシリンダー923のピストンロッドは、下方に進出すると、底板部951を貫通して、その下側に設けられたスライド板953の図示しない止め穴に先端部が挿入されるように配置されている。
スライド板953及びこれに支持された払い部材96は、前述したように、スライドレール952によりY軸方向に沿って滑動可能に支持され、且つ、引っ張りバネ954により前進移動が付勢されている。
このスライド板953及び払い部材96の滑動範囲の前端を「最前進位置」、後端を「最後退位置」とした場合、スライド板953及び払い部材96が最後退位置に位置する状態で、払い部材前進用エアシリンダー923のピストンロッドの先端部がスライド板953の止め穴に挿入されるように、払い部材前進用エアシリンダー923が配置されている。
従って、引っ張りバネ954に抗してスライド板953及び払い部材96を最後退位置に保持し、払い部材前進用エアシリンダー923のピストンロッドを突出させてスライド板953の止め穴に挿入した状態から、ピストンロッドを後退させると、スライド板953及び払い部材96は引っ張りバネ954によって最前進位置まで前進移動させることができる。
なお、スライド板953及び払い部材96を最後退位置に戻して、払い部材前進用エアシリンダー923により最後退位置を保持させるためには、中継モーター941の動力を利用する。
即ち、中継モーター941により、中継枠93全体をミシン1まで前進移動させると、払い部材96がミシン1に設けられた図示しないストッパーに当接し、さらに、中継モーター941の駆動を続けると、スライド板953及び払い部材96が引っ張りバネ954に抗して押し戻される。従って、スライド板953及び払い部材96が最後退位置に押し戻されるまで中継モーター941を前進方向に駆動させてから、払い部材前進用エアシリンダー923のピストンロッドを突出させることにより、スライド板953及び払い部材96を最後退位置に保持することができる。
払い部材96は、平面視で、前述した左右両側に配置された二つの押さえ板912,913の間に配置されている。
そして、この払い部材96は、平板状の本体部961と、本体部961の左右両端部に設けられた位置規制板962,963とを備えている。
本体部961は、前端部に下降勾配が形成されて厚さが漸減する楔状を呈している。さらに、当該前端部は、図16に示すように、中継枠93が最前進移動したときにミシン1の縫い針2の針落ち位置に接近するので、縫い針との干渉を避けるために、三つの切り欠きが形成され、櫛歯状になっている。
また、昇降ブラケット95が下降し、スライド板953及び払い部材96が最後退位置にあるときに、内側の二つの押さえ板914,915の前端部との干渉が生じないように、本体部961の後端部には、二つの矩形の切り欠きが形成されている。
本体部961は、そのX軸方向の幅が前述した作業台25のガイド部254より僅かに広く設定されている。
本体部961の左右両端部に設けられた位置規制板962,963は、Y軸方向に長く、Z軸方向の幅が狭い長尺板であり、その下端部が本体部961の下面よりも僅かに下方に突出している。
これにより、昇降ブラケット95を下降させて、払い部材96を生地Cが載置された作業台25の中央に載せると、ガイド部254が左右の位置規制板962,963の間に嵌まり、生地Cと共にY軸方向に沿って真っ直ぐに移動させることができる。
さらに、払い部材96の前端部は、スライド板953及び払い部材96が最前進位置にある場合には、左右両側に配置された二つの押さえ板912,913の前端部よりも前に位置し、スライド板953及び払い部材96が最後退位置にある場合には、左右両側に配置された二つの押さえ板912,913の前端部よりも後に位置するように設定されている。
払い部材96は、上記構成により、押さえ部材91が生地Cを上から押さえた状態で、最後退位置で下降し、その後、最前進位置まで前進すると、生地Cの前端部に上向きに丸まったカールが生じている場合に、払い部材96の楔状の先端部が生地Cの前端部のカール部分を前方に押し戻し、平らに均すことができる。
二つの押さえ板912,913の前端部と生地Cの前端部とが一致するように生地Cを上から押さえた場合、払い部材96は、生地Cの前端部より前方に突出した状態となるが、前述したように、スライド板953及び払い部材96は滑動可能且つ引っ張りバネ954により弾性支持されているので、ミシン1まで搬送されると、ミシン1側のストッパーにより後方に押し戻される。
そして、払い部材96の前端部が後方に押し戻される過程で、生地Cの前端部はミシン1の布押さえ5(図16参照)により、上から押さえられるので、再びカールが発生することなくミシン1に供給され、良好に縫製を行うことができる。
また、縫製時には払い部材96の前端部が生地Cの前端部より後退するので、縫製作業には影響は生じないようになっている。
[生地搬送装置:制御系]
図17は生地搬送装置10の制御系を示すブロック図である。
図示のように、生地搬送装置10の制御装置100には、支持機構21の上下動モーター213、搬送機構40の搬送モーター44、カバー機構50のカバー用モーター56、中継機構90の中継モーター941が、ぞれぞれの駆動回路213a,44a,56a,941aを介して接続されている。
また、制御装置100には、平滑機構60の回動用エアシリンダー62を作動させる電磁弁62a、把持機構70の把持用エアシリンダー73を作動させる電磁弁73a、昇降機構74の昇降用エアシリンダー742を作動させる電磁弁742a、錘機構80の錘着脱用エアシリンダー84を作動させる電磁弁84a、中継機構90の押さえ用エアシリンダー921を作動させる電磁弁921a、払い部材昇降用エアシリンダー922を作動させる電磁弁922a、払い部材前進用エアシリンダー923を作動させる電磁弁923aが、ぞれぞれの駆動回路62b,73b,742b,84b,921b,922b,923bを介して接続されている。
なお、把持機構70は三基備えているが、図12では、把持用エアシリンダー73、昇降用エアシリンダー742に関しては一つのみを図示して残りは省略している。一方、三基の把持用エアシリンダー73を作動させる電磁弁73aとその駆動回路73bは一つのみであり、共用で三つのエアシリンダーを同時に作動させる。
また、昇降用エアシリンダー742を作動させる電磁弁742aとその駆動回路742bも一つのみであり、共用で三つのエアシリンダーを同時に作動させる。
さらに、制御装置100には、押さえ機構30のマイクロスイッチ33、搬送機構40の原点センサー48、中継機構90の布端センサー934及び原点センサー943が、それぞれのインターフェイス33a,48a,934a,943aを介して接続されている。
また、後述するが、搬送機構40の可動体47には、作業台25上の生地Cの後端部を検出するための布端センサー49が錘機構80よりも後方に設けられており、この布端センサー49も、インターフェイス49aを介して制御装置100に接続されている。
また、制御装置100は、ミシン1の制御装置と通信する図示しない通信部を備えており、生地Cの搬送動作と縫製の開始・終了を連携して行い、必要な情報の送受信を行うことができる。
そして、制御装置100は、各モーター213,44,56,941及び各エアシリンダー62,73,742,84,921,922,923に対して所定の制御を行うCPU101と、当該制御を実行させる制御プログラム及び設定データが書き込まれているメモリ102とを備えている。
[生地搬送装置の動作制御]
生地搬送装置10の搬送作業を、制御装置100が実行する動作制御を踏まえて図18のフローチャート、図7〜図11の動作説明図、図19(A)〜図20(C)の動作説明図、図21〜図27の中継機構90の動作説明図により説明する。なお、図19(A)〜図20(C)の動作説明図は錘81の配置から回収までの動作のみを示している。
なお、図21〜図27の中継機構90の動作説明図ではミシン1の針板を図示を省略しているが、布押さえ5の下側が針板の設けられている位置である。
まず、台車により複数の生地Cが積層した状態で載置された載置板20がフレーム11の後部に搬入されると、制御装置100のCPU101は、上下動モーター213を制御して、載置板20を上昇させる(ステップS1)。
そして、載置板20が一定の高さに達すると、押さえ部材31に設けられたマイクロスイッチ33がオフ状態になり、CPU101は上下動モーター213を停止させて、最上位の生地Cを一定の目標高さに維持する(ステップS3)。
次いで、CPU101は、昇降用エアシリンダー742の電磁弁742aを制御して、把持位置の上方で待機していた第一及び第二の把持部材71,72を下降させ(ステップS5:図7(A))、把持用エアシリンダー73の電磁弁73aを制御して、最上位の生地Cの把持を行う(ステップS7:図7(B))。
さらに、CPU101は、昇降用エアシリンダー742の電磁弁742aを制御して、第一及び第二の把持部材71,72を上昇させてから(ステップS9:図8及び図9)、カバー用モーター56を制御し、カバー機構50の駆動棒52を前位置から後位置に移動させる(ステップS11:図10(A)及び図10(B))。これにより、上方に取り上げられた最上位の生地Cと残る二枚目以降の生地Cとの間にカバー部材51を介挿させる。
なお、最上位の生地Cが取り上げられた直後に、二枚目の生地Cは上昇して最上位の高さに調整される。
そして、CPU101は、搬送モーター44を制御して、第一及び第二の把持部材71,72の前進移動を開始し(ステップS13)、同時に、カバー用モーター56を制御して、駆動棒52を後位置から前位置に移動させる(ステップS15)。これにより、カバー部材51は、搬送される生地Cに追従するように前方に搬送されて、退避状態(垂下状態)に戻される。
そして、CPU101は、原点センサー48が示す原点位置からの搬送モーター44の駆動量により停止位置の到達が検出されると、搬送モーター44を制御して、第一及び第二の把持部材71,72の前進移動を停止させる(ステップS17)。この時、停止の直前で搬送される生地Cの後端部は、作業台25の後端部より後方の開口252に落ち込み、作業台25の後端部251の角部に摺動を生じて、生地Cの後端部の乱れが矯正される(図11(B))。
次いで、CPU101は、把持用エアシリンダー73の電磁弁73aを制御して、生地Cの把持状態を解除する(ステップS19)。これにより、生地Cは作業台25に載置され、当該生地Cの前端部は垂下状態にある延長板61に倣って垂下した状態となる。
さらに、CPU101は、回動用エアシリンダー62の電磁弁62aを制御して、延長板61を水平状態に回動させる(ステップS21:図11(C))。これにより、生地Cは、前端部も水平となり、全体に水平且つ平坦な状態に矯正される。
そして、搬送機構40の可動体47は載置板20の把持位置に向かって後退移動を開始し、中継機構90の中継枠93も搬送された生地Cを受け取る受け取り位置に向かって後退移動を行う(ステップS23、図19(A))。
なお、最初の一枚目の生地Cの搬送の際には、可動体47に支持された錘機構80は錘81を当初から保持した状態にある。
そして、可動体47は後退移動の途中で、布端センサー49が搬送した生地Cの後端部を検出すると、CPU101は、錘着脱用エアシリンダー84の電磁弁84aを制御して、生地Cの後端部の上に錘81を配置する(ステップS25,図19(B))。この時、錘81は、位置規制板813,814の間にガイド部254が嵌合する。
また、中継機構90は、布端センサー934による生地Cの前端部の検出により、中継枠93の受け取り位置の到達を認識すると、CPU101は、押さえ用エアシリンダー921の電磁弁921aを制御して、押さえ部材91を下降させて生地Cの前端部を保持する(ステップS27:図21)。
次いで、CPU101は、払い部材昇降用エアシリンダー922の電磁弁922aを制御して、昇降ブラケット95を下降させる(図22)。
これにより、払い部材96も下降し、その前端部が作業台25上の生地Cの前端部より僅かに後方となる位置に着地する。このとき、生地Cを介して払い部材96の位置規制板962,963の間にガイド部254が嵌合する。
そして、CPU101は、払い部材前進用エアシリンダー923の電磁弁923aを制御してシリンダロッドを後退させてスライド板953の止め穴から引き抜くと、スライド板953及び払い部材96が引っ張りバネ954により前進移動する(ステップS29:図23)。
これにより、払い部材96の前端部が生地Cの前端部のカール部分を平らに均すことができる。
さらに、CPU101は、中継モーター941を制御して、中継枠93を前進移動させて、生地Cの縫い開始位置をミシン1に向かって前進搬送する(ステップS31、図19(C)及び図24)。
この前進に伴い、払い部材96は、その前端部がミシン1側に設けられた図示しないストッパーに当接し、スライド板953と共に昇降ブラケット95に対して後退移動を行う。
そして、中継枠93の前進移動量から、払い部材96及びスライド板953が最後退位置まで押し戻されたことが認識されると、CPU101は、払い部材前進用エアシリンダー923の電磁弁923aを制御してシリンダロッドを突出させてスライド板953の止め穴に挿入する。
これにより、払い部材96及びスライド板953が最後退位置に保持される(図25)。
また、生地Cの前端部は平らに均された状態でミシン1の布押さえ5の下側に挿入される。
次いで、CPU101は、押さえ用エアシリンダー921の電磁弁921aを制御して押さえ部材91を上昇させる(ステップS33、図26)。
なお、昇降ブラケット95は下降状態を維持しているので、払い部材96が一定の押圧力で生地Cを押さえている。
従って、この後、ミシン1の送り歯によって前方に送られることになるが、縫製が行われている間、払い部材96と錘81とにより、生地Cは、ガイド部254に沿って真っ直ぐに搬送される。
ミシン1による縫製中は、中継枠93は、ミシン1に対する生地Cの供給位置で待機している。一方、生地Cの後端部がミシン1に近づくと、錘81の錘本体811が中継機構90の中継枠93の下側に進入し、押し当て板817が中継枠93の支持板931の後面に当接して移動を停止する(図20(A)及び図16参照)。
その結果、生地Cだけが前方に移動する。
そして、生地Cの後端部が布端センサー934により検出されると(ステップS35)、CPU101は、次の生地CについてステップS5〜S21の制御を実行して作業台25に新たに供給する(ステップS37)。
さらに、次の生地Cの搬送が終わった可動体47及び把持機構70を、そのまま、中継枠93の後側まで前進させて、錘着脱用エアシリンダー84の作動により錘81を回収させる(ステップS39:図20(B))。
一方、生地Cの後端部が布端センサー934により検出されてから、CPU101は、ミシン1から針数の情報を取得し、針数と縫いピッチから生地Cの後端部の針落ち位置の到達を判断し、これにより生地Cの縫い終わりを認識すると、払い部材昇降用エアシリンダー922を制御して、昇降ブラケット95を上昇させる(ステップS41:図27)。
その後は、ステップS23に処理を戻し、二枚目以降の生地Cに対しても、搬送と縫製とを実行する。
[実施形態の効果]
縫製システム1000の生地搬送装置10は、錘機構80の錘81の錘本体811が中継機構90の中継枠93の下側に進入可能となっている。
このため、生地Cの搬送時に、中継枠93の待機位置に対して、錘81をより前方(ミシン側)まで搬送させることができ、作業台25における中継枠93の後方のスペースを広く空けることが可能となり、錘81の移動後に速やかに次の生地Cを作業台25に供給することができる。
従って、生地Cを連続的且つ効率的にミシン1に供給し、連続する縫製業の迅速化を図ることが可能となる。
また、生地Cが中継枠93の下を通過している間も錘81が生地Cの後端部に載置されているので、生地Cの後端部まで安定的に真っ直ぐに搬送させることが可能となる。
また、生地搬送装置10では、制御装置100により、中継機構90の中継枠93が生地Cをミシン1まで搬送してから、錘81の錘本体811が中継枠93の下側に進入するまで、中継枠93が生地Cの搬送方向上流側に戻らないで待機するように中継機構90が制御されるので、縫製中に錘81の前進移動が阻害されず、作業台25における中継枠93の後方のスペースを速やかに空けることが可能となる。
従って、生地Cを、さらに連続的且つ効率的にミシン1に供給し、連続する縫製業のさらなる迅速化を図ることが可能となる。
また、生地搬送装置10では、中継機構90が、搬送時に生地Cを上から押さえる押さえ部材91と、生地Cの前端部をミシン1側に払う払い部材96とを備えている。
このため、生地Cの前端部にカールが発生した場合でも、これを平らに均してからミシン1に供給することが可能となり、不良品の発生や、縫直しの発生を低減することが可能となる。
また、払い部材96は、引っ張りバネ954によりミシン1側に前進動作が付勢されているので、中継枠93の前進移動の際に、ミシン1側のストッパーに当接すると、払い部材96を後退させることができる。このため、払い部材96をミシン1側に最大限に接近させることができ、生地Cの前端部のカールを平らに均した状態を良好に維持してミシン1側に渡すことができる。
従って、ミシン1の縫製による不良品の発生や、縫直しの発生をさらに効果的に低減することが可能となる。
また、払い部材96は、生地Cに対してコイルバネ956により上から押さえ圧を付与する構成となっているので、生地Cの前端部のカールを平らに均した後は、生地Cの搬送を真っ直ぐに安定的に維持する効果を得ることが可能となる。
[その他]
上記生地搬送装置10では、中継機構90の中継枠93が生地Cをミシン1の針板まで搬送してから錘81の錘本体811が中継枠93の下側に進入するまで待機する動作制御を例示したが、これに限定されない。
例えば、図28に示すように、制御装置100は、中継機構90の中継枠93が生地Cをミシン1の針板まで搬送すると後退させ(図28(A))、中継枠93を図20(A)の場合よりも搬送方向上流側となる予め定められた錘81の回収位置で待機させる。
そして、錘81が中継枠93に当接して、生地Cが錘81の下から抜けると、押さえ部材91を下降させて生地Cの後端部を押さえ、それ以降は、中継枠93が生地Cを搬送するように制御しても良い(図28(B))。
この場合も、生地Cの後端部の殆ど縫い終わりまで安定的に真っ直ぐに搬送させることが可能となる。
また、上記制御の場合も、錘の回収位置をより前方に設定することにより、次の生地Cの供給を迅速に行うことができ(図28(C))、連続する縫製業の迅速化を図ることが可能となる。
また、上記生地搬送装置10では、払い部材96を引っ張りバネに954により前進させているが、これに替えてエアシリンダー等のアクチュエーターにより払い部材96をミシン1側に前進させる構成としても良い。
その場合、払い部材前進用エアシリンダー923を不要とし、アクチュエーターにより払い部材96の前進移動と後退移動の両方を行うことができ、払い部材96の支持構造や前進後退動作の制御をより簡略化することが可能となる。
また、上記生地搬送装置10では、ガイド部254は、凸条の形態を例示したが,一定方向に錘81を案内可能な構造であればこれに限定されない。例えば、ガイド部254を溝状としたり、より幅の狭いレール状としてもよい。
なお、その場合、払い部材96の底部の構造も、溝状又はより幅の狭いレール状のガイド部254に対応する構造とすることが望ましい。
1 ミシン
10 生地搬送装置
20 載置板(載置部)
25 作業台
30 押さえ機構
31 押さえ部材
40 搬送機構
70 把持機構
80 錘機構
81 錘
811 錘本体
812 連結部
813,814 位置規制板
815,816 被係止腕
817 押し当て板
83 支持部材
90 中継機構
91 押さえ部材
93 中継枠
95 昇降ブラケット
96 払い部材
100 制御装置
912〜915 押さえ板
921 押さえ用エアシリンダー
922 払い部材昇降用エアシリンダー
923 払い部材前進用エアシリンダー
933 支持ブラケット
941 中継モーター
954 引っ張りバネ
956 コイルバネ
961 本体部
962,963 位置規制板
1000 縫製システム
C 生地(被縫製物)

Claims (3)

  1. 複数の被縫製物を積層可能である平坦な載置部と、
    前記載置部の上で最上位に位置する被縫製物を把持する把持機構と、
    前記把持機構に把持された前記被縫製物を搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構により搬送された前記被縫製物が載置される平坦な作業台とを備え、
    前記作業台は、ミシンの針板に前記被縫製物を搬送できるように前記ミシンに接続可能であり、
    前記ミシンによって前記作業台上を送られる被縫製物に錘を供給する錘機構と、
    前記作業台に搬送された被縫製物を前記ミシンの針板まで搬送する中継枠を有する中継機構とを備え、
    前記錘の前記被縫製物を押さえる錘本体が前記中継枠の下側に進入可能であることを特徴とする被縫製物搬送装置。
  2. 前記中継機構の前記中継枠が前記被縫製物を前記ミシンの前記針板まで搬送してから、前記錘の前記錘本体が前記中継枠の下側に進入するまで、前記中継枠が前記被縫製物の搬送方向上流側に戻らないで待機するように前記中継機構を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項1記載の被縫製物搬送装置。
  3. 前記中継機構の前記中継枠が前記被縫製物を前記ミシンの前記針板まで搬送してから後退し、前記被縫製物を押さえながら前記被縫製物の搬送方向下流側に送るように前記中継機構を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項1記載の被縫製物搬送装置。
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