以下においては、本発明の実施例を添付図面を参照して詳しく説明する。トロリーは天井(または空中)におよそ水平に設置されたレールに沿って走行することができ、各種産業現場、埠頭、船舶などで重量物を吊るして運搬する用途に用いることができる。レールは図1に示したように、H型またはI型断面構造を有したビーム形状であり得るが、その形状がこれに限定されるものではない。
図1は、一般的なトロリー1を示す斜視図である。一般に、トロリー1は作業者がチェーン2を引っ張ることによってレール10の上で駆動される。チェーン2は駆動軸3を回転させ、駆動軸3と連結されるホイール4が回転してトロリー1がレール10に沿って走行する。しかし、トロリー1に重い物体が吊るされた場合には、作業者がチェーン2を引っ張ってトロリー1を移動させる際に大きい力が必要とされるという問題点がある。
また、チェーン2を用いることによって発生する問題点として安全上の問題と美観上の問題とがある。チェーン2は、底部5から作業者が引っ張ることができる程度の高さ(H)まで垂れ下がっていなければならず、トロリー1を利用しない場合にも除去しにくい。また、チェーン2は流動性が大きいだけでなく、普通金属材質からなるため相当な重さとなる。したがって、波浪などによって船舶が横揺れする場合、作業者などに危険要素や障害物として作用することがあり、船舶の空間を占めることによって美観を損なう。
本発明の第1実施例によるトロリー100は、駆動または制動のためのチェーン2を除去することによって上のような問題点などを解決するものである。
図2は、本発明の第1実施例によるトロリーがレールに設置された状態を示した側面図であり、図3は本発明の第1実施例によるトロリーの駆動部を示す斜視図であり、図4は図3の側面図である。
本発明の第1実施例によるトロリー100は、レール10と接して走行運動を行うホイール(110;110a、110b)と、ホイールを支持する本体部120及びホイールに駆動力を伝達する駆動部を備える。
ホイール110は、一つ以上設けることができ、複数のホイール110は、安定した走行のためにレール10の両側にそれぞれ二個ずつ離隔した状態で配置され得る。本発明の第1実施例は、両側に二個ずつ計四個のホイール110が採用された場合を提示するが、ホイール110の数や配置形状がこれに限定されるものではない。ホイール110の数や配置はレール10の形状などが変更される場合変わることもあり得る。すなわち、本体部120に一つのホイール110が装着される形状とすることもできる。
本体部120は、図2に示したように、レール10の両側に相互に離隔するように配置され、それぞれ二つのホイール110を支持する第1側面板121と第2側面板122及びレール10の下側で第1側面板121と第2側面板122を連結する連結部123を備える。
連結部123は、図3に示した例のように相互に平行に離隔した状態で、それぞれの両端が第1側面板121と第2側面板122を貫通するように設置され、それぞれの両端に絞りナット123bが締結されることによって、第1側面板121及び第2側面板122に固定される二つの支持ロッド123aを備えることができる。このような連結部123は、第1側面板121と第2側面板122との間の支持ロッド123aの外面に結合されるワッシャーまたはブッシュの数を調節する方式によって、第1側面板121と第2側面板122との間の距離を調節することができる。したがって、適用されるレール10の幅に対応して第1側面板121と第2側面板122との間の距離を調節することができる。複数の絞りナット123bは、第1及び第2側面板122外側で各支持ロッド123aに締結されることによって、支持ロッド123aが第1及び第2側面板122に堅く結合されるようにすることができる。
掛け部130は、アーチ型に設けられて両側支持ロッド123aの中間部分を相互連結する形状で設置することができる。また、物体を掛けて吊るせるようにその中間部分に掛け溝131を備えることができる。図2に示したように、掛け部130の掛け溝131にはチェーンブロックのような巻上装置20を掛けて設置することができる。もちろん、掛け溝131に直接ロープを結束する方式でも移送しようとする物体を吊るすことができる。
一方、本発明の第1実施例において、第1側面板121と第2側面板122を連結する連結部123は、二つの支持ロッド123aを備える形状であるが、連結部123の構成がこれに限定されるものではない。連結部123は、第1側面板121と第2側面板122下側の中間部分とを連結する一つの支持ロッドによっても構成され得る。また連結部123は、両端が溶接やボルト締結によって、第1側面板121と第2側面板122に固定される金属パネルや形鋼などで構成され得る。また連結部123は、第1側面板121及び第2側面板122と一体に連結された金属構造物とすることができる。すなわち、第1側面板121と第2側面板122と連結部123とを鋳物製作によって一体に設けることができる。
図3に示したように、複数のホイール(110;110a、110b)は第1側面板121と第2側面板122に固定された軸(111;111a、111b)によって回転可能に設置され得る。また各ホイール110は円滑な回転のためにその内側に設置されたベアリングによって軸外面に回転可能に支持され得る。
一つまたは複数のホイール110の少なくとも一つ以上には、ねじ山(112;112a、112b)が設けられる。駆動部は、ねじ山112に歯合して第1軸方向(X)を有する第1ギア113と、これに連結されて第2軸方向(Y)の駆動力を第1軸方向(X)に転換するギアユニット200とを備える。トロリー100は、作業者の上部において移動するため、作業者は本体部120の下部で駆動力を入力することになる。したがって、第2軸方向(Y)はトロリー100の下部と垂直の方向とすることができ、第1軸方向(X)は第2軸方向(Y)とレール10の長さ方向にすべて垂直の方向とすることができる。
本発明の第1実施例によるトロリー100は、第2軸方向(Y)の駆動力を提供するハンドルユニット400を備えることができる。ハンドルユニット400の一端は、ギアユニット200と接続されるように連結され、他端は、作業者が操作できる程度に下に延長されて位置することができる。
本発明の第1実施例によるトロリー100の動作の様子を説明すると、次のとおりである。トロリー100の下部に位置する作業者が、下に延長されたハンドルユニット400を回転させて第2軸方向(Y)の回転力を入力すると、ハンドルユニット400と接続されたギアユニット200に第2軸方向(Y)の駆動力が提供される。ギアユニット200は、駆動方向転換部(ベベルギア体など)を備えるため、第2軸方向(Y)の駆動力を第1軸方向(X)に転換することができる。転換された第1軸方向(X)の駆動力は、ギアユニット200と連結される第1ギア113を回転させ、第1ギア113の回転によって、第1ギア113と歯合するねじ山112を備えるホイール110が回転し、トロリー100がレール10上で移動する。
一つのホイール110のみに、ねじ山112が具備されて第1ギア113が噛み合うことができるが、図2に示したように、二個のホイール(110a、110b)にねじ山(112a、112b)が具備されて第1ギア113が同時に噛み合うことができる。この場合、第1ギア113の回転によって、二個のホイール(110a、110b)が同時に回転してレール10とホイール110との接地力を高めることができるようになる。説明では除外されたが、複数のホイール110が、ねじ山112を具備してこれに歯合される複数の第1ギア(113参照)がギアユニット200と連結されることも可能である。また、ホイール110は、円状の接地面を具備してレール10と接するのが普通であるが、ホイール110が備えるねじ山112が直接レール10と接することも可能である。
次に、本発明の第1実施例によるトロリー100に使用されるギアユニット200に対して詳しく説明する。ギアユニット200は、ハンドルユニット400の端部と接続されて第2軸方向(Y)を有する入力軸201を備える入力ベベルギア202と、これに歯合されて出力軸203を備える出力ベベルギア204を備えることができる。入力ベベルギア202の入力軸201を介して入力される第2軸方向(Y)の回転運動は、出力ベベルギア204の出力軸203を介してその回転運動の軸方向が転換(Y→X)される。出力軸203は、第1軸方向(X)と平行とすることができるが、そうでない場合でも、出力ベベルギア204と連結される他のギア体(図示せず)によって第1軸方向(X)に転換され得る。また、出力ベベルギア204は第1ギア113の軸と直接連結されて第1ギア113を回転させることもできるが、その間に減速部(図示せず)などを備えることができる。
減速部は、入力軸201の回転とホイール110の回転との間の回転比が異なるようにするため追加的にギアを備えることができる。例えば、入力軸201の回転に比べてホイール110の回転数を大きくすると、トロリー100の速力を増加させることができるが、重い物体が吊るされた場合には作業者に大きい力が要求される。反対に、入力軸201の回転に比べてホイール110の回転数が少なければ、トロリー100の速力は、減少する代りに小さな力でも重い物体が吊るされたトロリー100を移動させることが可能となる。
減速部のギア比は、作業者の作動によって変更され得る。この場合、多様な状況によって流動的にトロリー100を運転することが可能である。すなわち、物体が吊るされない場合や軽い物体を吊るした場合には、入力軸201の回転に比べてホイール110の回転数を大きくし、重い物体を吊るした場合や安全な運転が必要な場合には、ホイール110の回転数を小さくするギア比を使用することができる。その他にも、一定の重さ以上の品物が吊るされる場合に、自動的にホイール110の回転数が小さくなるようにギア比を変更する減速部を利用することも可能である。
次に、本発明の他の実施例によるトロリー101に使用されるギアユニット300に対して詳しく説明する。図5は、本発明の他の実施例によるトロリー101の駆動部を示す斜視図である。
ギアユニット300は、ウォームギア体を備えることができる。ギアユニット300は、ハンドルユニット400の端部と接続されて第2軸方向(Y)を有する入力軸301を備えるウォームギア302と、前記ウォームギア302に歯合されて出力軸303を備えるウォームホイール304とを備えることができる。ウォームギア302の入力軸301を介して入力される第2軸方向(Y)の回転運動は、ウォームホイール304の出力軸303を介してその回転運動の軸方向が転換(Y→X)される。出力軸303は、第1軸方向(X)と平行とすることができるが、そうでない場合でも、ウォームホイール304と連結される他のギア体(図示せず)により第1軸方向(X)に転換され得る。また、ウォームホイール304は、第1ギア113の軸と直接連結されて第1ギア113を回転させることもできるが、その間に減速部(図示せず)を備えることができる。
次に、図6と図7を参照してハンドルユニット400に対して説明する。図6は、本発明の第1実施例によるトロリー100のハンドルユニット400を示す図であり、屈折の前の状態を示し、図7は図6の屈折後の状態を示す。
ハンドルユニット400は、図2に示したように、使用者の作業位置より高い所に位置するトロリー100のギアユニット200に連結しなければならないため、長さが長いバー(bar)形状に設けられることができる。一般的なトロリー1(図1参照)は、チェーン2(図1参照)を用いて駆動部(図1参照)を動作するため、作業者が垂れ下がったチェーン2を引っ張って作業を行う。しかし、このような方法は、大きい力を要求し、揺れるチェーンにより作業者の安全に脅威を与える。
本発明の第1実施例によるトロリー100は、チェーン2(図1参照)を除去してもハンドルユニット400を用いて駆動することができる。一般的に、トロリー1の駆動のために使用されるチェーン2は、作業者が引っ張る力によって軸を回転させる一方、本発明の実施例によるハンドルユニット400は、作業者が軸を回転させることによりギアユニット200に駆動力を伝達する。
ハンドルユニット400は、ギアユニット200と分離可能となるように接続され得る。ハンドルユニット400は、入力軸201の端部に連結される第1接続部410と、第1接続部410と分離可能となるように接続される第2接続部420と、第2接続部420に連結されるハンドルバー430とを備えることができる。第1接続部410と第2接続部420は、分離が可能ながらもハンドルバー430の回転力を入力軸201に伝達しなければならない。したがって、接続部410、420は、角の立った面を備える溝部と、これに対応する形状を有して溝部に挟まれる突起部とを備えることができる。突起部は、溝部に挟まれた状態で空転しないため、第2接続部420の回転力を第1接続部410に伝達することができる。
図6には、6角形状の接続突起421とこれに対応する形状の接続溝411を図示した。接続突起421と接続溝411が多角形形状を備えることによって、ハンドルユニット400を介して伝達される回転力が損失なしに入力軸201に伝達され得る。したがって、これと形状が異なっても、すべらずに回転力を伝達することができれば本発明の実施例に含まれる。この際、第1接続部は、溝部となることができるだけでなく突起部となることも可能である。図6は、第1接続部410に接続溝411が具備され、第2接続部420に接続突起421が具備されたものを図示した。これと反対に、第2接続部に溝部が具備され、第1接続部に突起部が具備されることも可能である。
第1接続部410の端部には、第2接続部420の接続を容易にするために、接続突起421を案内できるガイド部412を設けることができる。ガイド部412は、端部に行くほど開口が広くなる形状を備えることができる。したがって、接続突起421が接続溝411にぴったりと合うように結合されなくてもガイド部412の開口内部にさえ挿入されれば、ガイド部412の内面に沿って案内されて接続溝411に挿入可能となる。
また、ハンドルユニット400の回転を容易にするために、図6に示したように、ハンドルユニット400の端部は、使用者が回転力を容易に入力できるように2段(a1、a2参照)に折ることができる。このような回転動作の入力方法は、既存のチェーンを用いる場合と比べると、さらに安全に小さな力で手軽く駆動力を提供することができる。また、ハンドル434とハンドルバー430とを連結する連結部435の長さが長いほど大きい力を出すことができ、短いほど速い回転が可能である。
ハンドルユニット400は、屈折部を備えることができる。屈折部は曲がったり関節によって折れたりする部分を備える。以下、混同を避けるために、曲がる屈折部は曲部431(図8参照)とし、関節によって折れる屈折部は関節部440(図6参照)と表示することにする。また、特別な理由がない限り、関節部440に対する説明は曲部431にも適用され得る。
トルクは、入力軸201(図3参照)、301(図5参照)から屈折される部分までの長さに比例する。したがって、入力軸201、301と屈折される部分の長さが近くなると、トルクは小くなって入力軸201、301に加わる疲労は軽減される。また、関節部440により作業者は、進行方向に折れて傾いたハンドルユニット400を用いてトロリー100を動作することができるので、重い物体を吊るしているトロリー100を容易に動かせるようになる。
ハンドルユニット400の関節部440は、進行方向に障害物がある場合でもハンドルユニット400が利用できるようにする。特に、ユニバーサルジョイントなどを用いる多方向関節部を備える場合には、四方の空間を用いて障害物を避けながら進行できるようになる。
関節部440は、接続部410、420より本体部120の近くに位置することもでき、遠くに位置することもできる。図2などのトロリー100には、接続部410、420が関節部440より上側に位置することを図示したが、これと異なり、関節部440が接続部410、420の上側に位置する場合も本発明の実施例に含まれる。
図6のハンドルユニット400は、入力軸201に連結される第1接続部410を備える。第1接続部410は、ハンドルユニット400が分離可能に結合される多角形の接続溝411を備えることができる。また、ハンドルユニット400は、第1接続部410に結合されて、端部が多角形形状に設けられた接続突起421を備える第2接続部420と、屈折のために関節部440を具備するハンドルバー430とを備える。
ハンドルユニット400は、関節部440が折れることを防止できる折れ防止部を備えることができる。第2接続部420の下部に関節部440が位置する場合、第1接続部410に接続させる過程において関節部440が折れ、接続過程が容易でないことがある。折れ防止部は、このような接続過程などにおいて関節部440が折れないように防止するものであって、関節部440周辺部を少なくとも一部囲むようにハンドルバー430に渡って設けられ、ハンドルバー430に沿ってスライディング移動可能なカバー部材451を備えることができる。カバー部材451が第2接続部420方向に滑って移動する場合、関節部440周りを少なくとも一部囲むため、関節部440が折れることを防止することができる。
また、前記ハンドルバー430に設けられて、前記カバー部材451が前記関節部440を露出させるように下向きに移動された場合、前記カバー部材451が原位置に復帰されるように弾性力を付与する弾性支持部452を備えることができる。弾性支持部452は、下方向に移動されたカバー部材451が原位置に復帰されるようにカバー部材451の下端部を支持する。また、第2接続部420の下端またはハンドルバー430の上端に設けられて、カバー部材451の上端部を支持して前記カバー部材451の上側動きを制限することができる掛り部456が具備され得る。
ここで、弾性支持部452は、カバー部材451の下端部を支持し、上面にロック突起453aが設けられた下部支持部453と、下部支持部453の下部に設けられて、下部支持部453との間に復元力を有するスプリング部材455を介在した固定部材454bと、固定部材454bに回動可能に設けられて、カバー部材451が下方向に移動した状態でロック突起453aに締結されるロッククリップ454aを備えることができる。ロッククリップ454aは、ロック突起453aに掛かるように先段が一回以上屈曲された形状であることができる。
図7に示したように、使用者はハンドルユニット400を第1接続部410に接続させた後、カバー部材451を下方向に移動させて関節部440の部位が完全に露出されるようにした後、斜めの角度でハンドルユニット400の回転を操作することができる。すなわち、関節部440の部位がカバー部材451により囲まれた状態では、ハンドルユニット400の第2接続部420とハンドルバー430とが直立された状態のため、第1接続部410に容易に接続され得る。
そして、ハンドルユニット400を第1接続部410に接続させた後には、ハンドルユニット400が屈折され得るように、関節部440の部位が完全に露出されるように、カバー部材451を引っぱって下方向に移動させる。したがって、使用者は、斜めの角度でハンドルユニット400の回転を入力軸201に伝達して駆動することができるようになる。この際、上述したロッククリップ454aをカバー部材451のロック突起453aに締結させ、引っぱられたカバー部材451を固定させた状態でハンドルユニット400による回転操作が遂行され得る。
一方、上述したように、ハンドルユニット400はトロリー100の使用が必要な場合、使用する時、ギアユニット200と連結される第1接続部410に連結することができる。このように、ハンドルユニット400を連結した状態で使用者がハンドルユニット400を回転させると、第1接続部410と連結される入力軸201を回転させる。したがって、使用者は、ハンドルユニット400を正回転または逆回転させる方式で入力軸201を正方向または逆方向に回転させることができ、これを介して駆動部を作動させて両方向移動を具現することができる。
次に、図8を参照して本発明の他の実施例によるハンドルユニットを説明する。図8は、図6の他の実施例によるハンドルユニットを示す図であり、屈折後の状態を示す。
ハンドルユニット400は、入力軸201に連結された第1接続部410を備える。第1接続部410は、ハンドルユニット400が分離可能となるように結合される多角形の接続溝411を備えることができる。ハンドルユニット400は、第1接続部410に結合され、端部が多角形形状に設けられた接続突起421を備える第2接続部420と、屈折のために第2接続部420と曲部431に連結され、一回以上屈曲されたハンドルバー430とを備える。以下、屈折は、一定の角度に曲がって折れる意味とし、直立状態から曲げ変形されるすべての場合を備える用語として定義され得る。
上述した曲部431は、図8の部分拡大図に示したように、弾性部材432と、弾性部材432を内挿した弾性カバー433を備えることができる。例えば、弾性部材432はスプリング、ゴム、プラスチックなどの弾性力を有した物質を含むことができる。弾性カバー433もまたゴム、プラスチックなどの弾性力を有した物質を含むことができる。
したがって、図8に示したように、ハンドルユニット400を第1接続部410に接続させた後、屈折が可能となるように設けられたハンドルユニット400を用いて、斜めの角度でもハンドルユニット400の回転を入力軸201に伝達して両方向移動を遂行することができるようになる。
図9乃至図13を参照し、本発明の第2実施例によるトロリーを説明する。図9は本発明の第2実施例によるトロリーがレールに設置された状態を示した側面図であり、図10は図9のA−A線による断面図であり、制動解除状態を示す。また、図11は本発明の第2実施例によるトロリーの制動部を示した斜視図であり、図12は図11の側面図であり、制動部の動作の様子を示し、図13は図12の平面図である。
図9を参照すると、トロリー500は天井(または空中)におよそ水平に設置されたレール10に沿って走行することができ、各種産業現場、埠頭、船舶などで重量物を吊るして運搬する用途で用いることができる。
レール10は、図10に示したように、H型またはI型断面構造を有したビーム形状とすることができるが、その形状がこれに限定されるものではない。レール10に設置されるトロリー500は、レール10の両側にその一部がそれぞれ収容される形状で配置され、レール10と接して走行運動する複数のホイール510と、複数のホイール510を回転可能に支持してこれらホイール510の走行運動によってレール10に沿って移動することができる本体部520と、物体を吊るすために本体部520の下側に設置された掛け部530と、そして必要なとき、本体部520の移動を制限できる制動部610とを具備する。
複数のホイール510は、安定した走行のためにレール10の両側にそれぞれ二個ずつ離隔した状態で配置され得る。本実施例は、両側に二個ずつ計四個のホイール510が採用された場合を提示するが、ホイールの数や配置形態がこれに限定されるものではない。ホイールの数や配置はレール10の形状などが変更される場合変わることもあり得る。すなわち、本体部520に一つのホイール510が装着される形状とすることもできる。
本体部520は、図10に示したように、レール10の両側に相互に離隔するように配置され、それぞれ二つのホイール510を支持する第1側面板521と第2側面板522、レール10の下側で第1側面板521と第2側面板522とを連結する連結部523を具備する。
連結部523は、図11に示した例のように、相互に平行となるように離隔した状態で、それぞれの両端が第1側面板521と第2側面板522を貫通するように設置され、それぞれの両端に絞りナット523bが締結されることによって、第1側面板521及び第2側面板522に固定される二つの支持ロッド523aを備えることができる。このような連結部523は、第1側面板521と第2側面板522との間の支持ロッド523aの外面に結合されるワッシャーまたはブッシュ523cの数を調節する方式により、第1側面板521と第2側面板522との間の距離を調節することができる。したがって、適用されるレール10の幅に対応して第1側面板521と第2側面板522との間の距離を調節することができる。複数の絞りナット523bは、第1及び第2側面板521、522外側で各支持ロッド523aに締結されることによって、支持ロッド523aが第1及び第2側面板521、522に堅く結合されるようにすることができる。
掛け部530は、アーチ型に設けられて両側支持ロッド523aの中間部分を相互連結する形態で設置することができる。また、物体を掛けて吊るせるようにその中間部分に掛け溝531を具備する。図9と図10に示したように、掛け部530の掛け溝531には、チェーンブロックのような巻上装置20を掛けて設置することができる。もちろん、掛け溝531に直接ロープを結束する方式によっても移送しようとする物体を吊るすことができる。
一方、本実施例において第1側面板521と第2側面板522を連結する連結部523は、二つの支持ロッド523aを備える形状であるが、連結部の構成がこれに限定されるものではない。連結部は、第1側面板521と第2側面板522下側中間部分を連結する一つの支持ロッドによっても構成され得る。また、連結部523は、両端が溶接やボルト締結によって、第1側面板521と第2側面板522に固定される金属パネルや形鋼などで構成され得る。また、連結部は、第1側面板521及び第2側面板522と一体に連結された金属構造物とすることができる。すなわち、第1側面板521と、第2側面板522と、連結部とが鋳物製作によって一体に設けられることができる。
また、制動部610またはギアユニット710を固定するために、第3側面板524を備えることができる。第3側面板524は、第1側面板521に固定され得、ギアユニット710を備えるために直方体形状とすることができる。しかし、その形状に関係なく、制動部610またはギアユニット710が固定できれば十分であり、第1側面板521と一体に形成されることも可能である。
図10に示したように、複数のホイール510は、第1側面板521と第2側面板522に固定された軸511によって回転可能に設置され得る。また各ホイール510は、円滑な回転のためにその内側に設置されたベアリング512により軸511外面に回転可能に支持され得る。
以下、図11乃至図13を参照し、第2実施例によるトロリー500の制動部610に関して具体的に説明する。
制動部610は、レール10の上で移動するホイール510を固定させる装置であって、制動プレート611と制動パッド612及び表示部614を備える。
制動プレート611は、一定の厚さを有する板形状の部材であって、下部に入力軸711が結合される。したがって、ハンドルユニット800により入力軸711が回転すると、入力軸711を中心として旋回する構造である。制動プレート611は一側に制動パッド612が結合され得る。
制動パッド612は、ホイール510の外側に接してトロリー500を固定させるものであって、制動プレート611の一側に結合され得る。制動パッド612は、制動プレート611の内側に一段部に垂直方向に結合されて、制動プレート611の回転によって、ホイール510に接したりホイール510から離脱したりすることができる。制動パッド612は、一側が制動プレート611に固定され、他の側はホイール510に接することができる。
制動パッド612は、弾力的に復元が可能な弾性体に形成され得る。例えば、制動パッド612は弾性力があるゴム材質で形成され得る。しかし、制動パッド612はゴム材質に限定されるものではなく、弾性力がある他の材質にいくらでも変形が可能である。
制動パッド612は、ホイール510に接する面615が内側に湾入され得る。したがって、制動パッド612がホイール510に接した時、ホイール510の外側に完全に密着されてレール10に沿って移動するホイール510を固定させることができる。
また、制動パッド612は、一側に突出部(図示せず)が形成され得る。突出部は制動パッド612の下端部に形成される。すなわち、制動パッド612は、上端部より下端部が突出した形状とすることができる。突出部は、制動パッド612がホイール510に接する場合、ホイール510とレール10との間に介在される。したがって、ホイール510は、突出部によって完全に固定され得、突出部がくさびの役割をしてホイール510が押されることが防止できる。
一方、制動プレート611の一側には表示部614が形成され得る。表示部614は、トロリー500の固定可否が確認できる装置であり、制動プレート611の一段部に形成され得る。表示部614は、内側面と外側面が互いに異なる色相に塗装される方法などで容易に識別され得る。したがって、トロリー500の下部においてもトロリー500の固定可否を容易に把握することができる。例えば、制動パッド612がホイール510に接する場合、表示部614は、本体部520の外側に突出して、トロリー500がレール10に固定されたことを確認することができる。反対に、制動パッド612がホイール510から離脱する場合、表示部614は、本体部520の外側に突出せず、トロリー500がレール10に固定されていないことが分かる。
表示部614は、制動プレート611の一段部に長さ方向に延長されて形成され得る。しかし、表示部614は、制動プレート611の長さ方向に延長されることに限定されるものではなく、多様な構造に変形され得る。例えば、表示部614は、制動プレート611の垂直方向に延長されて形成され得る。
制動部610が入力軸711によって動作されることは前の説明と同じである。制動部610と入力軸711を回転させる回転力を入力するハンドルユニット800との間には、ギアユニット710を設けることができる。図12を参照して、ギアユニット710を介して制動部610が動作する過程を説明する。本発明の第2実施例によるトロリー500は、第1側面板521に二つのホイール510a、510bが固定される。したがって、制動部610は、前記二つのホイール510a、510bをすべて制動して一つのホイール510のみを制動する際より、效果的に制動效果を得られるようになる。このために、入力軸711と連結されて前方のホイール510aを制動するための制動プレート611aだけでなく、後方のホイール510bを制動するための制動プレート611bを作動することを必要とする。このように、互いに異なる位置の制動プレート611a、611bを同時に動作させるためにギアユニット710を必要とする。
前方の制動プレート611aは、入力軸711と連結部材613aを介して連結され、入力軸711が回転すると、制動プレート611aも同時に回転する。後方の制動プレート611bも同時に動作させるために、ベベルギア体が使用され得る。第1ギア712は、回転軸711と共に回転して、第1ギア712と歯合して回転軸方向を転換する第2ギア713は、連結軸714により第3ギア715と連結される。第4ギア716は、第3ギア715と歯合して回転軸方向を転換することができ、第1ギア712と第2ギア713、第3ギア715と第4ギア716は相互ベベルギア体からなることができる。第4ギア716は、第4ギア軸717を回転させて、第4ギア軸717は、連結部材613bにより後方制動プレート611bと連結されているので、これを回転させる。結果的に、一つの入力軸711の回転が、ギアユニット710を介して回転方向が転換され、二つの制動プレート611a、611bを回転させ、二つの制動プレート611a、611bに結合される制動パッド612a、612bをホイール510a、510bに圧迫または摩擦してトロリー500を制動する。
次に、図14と図15を参照し、本発明の第3実施例によるトロリー501を説明する。ホイール510と本体部520及び掛け部530に関する説明は、第2実施例によるトロリー500と同一のため、省略する。
図14は、本発明の第3実施例によるトロリーの制動部を示した斜視図であり、図15は図14の平面図であり、制動部の動作の様子を示す。
制動部620は、レール10の上で移動するホイール510を固定させる装置であって、制動プレート621と制動パッド622及び表示部624とを備える。
制動プレート621は、一定の厚さを有し、ホイールの側面511a、511bを加圧できるように板形状としたり、ホイールの側面511a、511bと同時に角を加圧できるようにL字形状としたりできる。図14にはL字形状を有する制動プレート621が示されている。また、制動プレート621は、入力軸711に連結されてホイール510の側面方向に並進運動するように位置する。したがって、ハンドルユニット800により入力軸711が回転すると、入力軸711の回転運動がギアユニット720により並進運動に転換されて動く構造である。制動プレート621が、一方向にスライディング運動するように案内部材623を設けることができる。案内部材623は、第3側面板524に固定されることが可能である。
制動プレート621は、一側に制動パッド622が結合され得る。制動パッド622は、ホイール510の外側に接してトロリー501を固定させるものであって、制動プレート621の一側に結合され得る。制動パッド622は、制動プレート621の内側の一端部に結合され、制動プレート621のスライディング動きによりホイール510に接したりホイール510から離脱したりすることができる。制動パッド622は、一側が制動プレート621に固定され、他の側はホイール510に接することができる。
制動パッド622は、弾力的に復元が可能な弾性体に形成され得る。例えば、制動パッド622は、弾性力があるゴム材質で形成され得る。しかし、制動パッド622は、ゴム材質に限定されるものではなく、弾性力がある他の材質にいくらでも変形が可能である。
一方、制動プレート621の一側には、表示部624が形成され得る。表示部624は、トロリー501の固定可否が確認できる装置であって、制動プレート621の一端部に形成され得る。表示部624は、内側面と外側面が互いに異なる色相に塗装される方法などで容易に識別され得る。したがって、トロリー501の下部においてもトロリー501の固定可否を容易に把握することができる。例えば、制動パッド622がホイール510に接する場合、表示部624は、本体部520の外側に突出せず、トロリー500がレール10に固定されていないことが分かる。反対に、制動パッド622がホイール510から離脱する場合、表示部624は、本体部520の外側に突出して、トロリー501がレール10に固定されてことを確認することができる。
表示部624は、制動プレート621の一端部に長さ方向に延長されて形成され得る。しかし、表示部624は、制動プレート621の長さ方向に延長されるものに限定されるものではなく、多様な構造に変形され得る。例えば、表示部624は、制動プレート621の垂直方向に延長されて形成されることもできる。
制動部620が、入力軸711の回転によって並進運動する過程を説明する。入力軸711は、ピニオンギア723aと連結されていて、入力軸711の回転と同時にピニオンギア723aが回転する。制動プレート621aは、ピニオンギア723aと歯合するラックギア723bと連結されていて、回転するピニオンギア723aによって並進運動する。この際、案内部材623aによって一方向に並進運動が案内される。
制動部620とハンドルユニット800との間には、ギアユニット720を設けることができる。図14を参照してギアユニット720を介して制動部620が動作する過程を説明する。本発明の第3実施例によるトロリー501は、第1側面板521に二つのホイール510a、510bが固定される。したがって、制動部620は、前記二つのホイール510a、510bをすべて制動して、一つのホイール510のみを制動するときより、效果的に制動效果を得られるようになる。このために、入力軸711と連結されて前方のホイール510aを制動するための制動プレート621aだけでなく、後方のホイール510bを制動するための制動プレート621bを作動することが必要である。このように、互いに異なる位置の制動プレート621a、621bを同時に動作させるためにギアユニット720を必要とする。
前方の制動プレート621aは、入力軸711に連結されるピニオンギア723aとこれに歯合するラックギア723bとを介して連結され、入力軸711が回転すると、制動プレート621aも同時に並進運動するようになる。後方の制動プレート621bも同時に動作させるためにベベルギアが使用され得る。第1ギア722は、回転軸711と共に回転し、第1ギア722と歯合して回転軸方向を転換する第2ギア724は、連結軸725により第3ギア726と連結される。第4ギア727は、第3ギア726と歯合して回転軸方向を転換することができ、第1ギア722と第2ギア724、第3ギア726と第4ギア727は相互ベベルギア体とすることができる。第4ギア727は、第4ギア軸729を回転させて、第4ギア軸729は、ピニオンギア728aと連結されていてピニオンギア728aを回転させて、これに歯合されるラックギア728bに結合される制動プレート621bが、ラックギア728bと同時に並進運動してホイール510bを加圧したり圧力を解除したりするようになる。この際、案内部材623bによって一方向に並進運動が案内され得る。
結果的に、一つの入力軸711の回転が、ギアユニット720を介して回転方向が転換されて二つの制動プレート621a、621bを回転させ、両制動プレート621a、621bに結合される制動パッド622a、622bをホイール510a、510bに圧迫または摩擦してトロリー501を制動する。
次に、図16乃至図19を参照して、本発明の第4実施例によるトロリー502を説明する。図16は本発明の第4実施例によるトロリー502がレールに設置された状態を示した側面図であり、図17は図16のA−A線による断面図であり、制動解除状態を示す。また、図18は本発明の第4実施例によるトロリーの制動部を示した斜視図であり、図19は図17の制動状態を示す。
制動部630は、図17と図18に示したように、本体部520の下側に回転可能に設置されるねじ軸631と、ねじ軸631の回転動作によって昇降してレール10の底面を加圧したり加圧を解除したりする方式で制動を具現する加圧ユニットを備える。
ねじ軸631は、図18に示したように、第1側面板521と第2側面板522とを連結する二つの支持ロッド523aの間に支持ロッド523aと平行に配置され得る。ねじ軸631は、両端が第1側面板521と第2側面板522とを貫通する形状であって、第1及び第2側面板521、522に回転可能に支持され、両側に左ねじ部631aと右ねじ部631bとを備える。
加圧ユニットは、ねじ軸631の左ねじ部631aと右ねじ部631bとにそれぞれ結合された第1移動部材632と第2移動部材633、ねじ軸631上部のレール10の下側に配置され、およそ平板形状に設けられた加圧部材634、加圧部材634の一方と第1移動部材632を連結する第1連結リンク635と、加圧部材634の他方と第2移動部材633を連結する第2連結リンク636とを備える。
第1連結リンク635の両端は、それぞれ加圧部材634と第1移動部材632に回転可能に結合される。第2連結リンク636も同じ方式で第2移動部材633と加圧部材634とを連結する。加圧部材634は、摩擦力の増大のために、レール10と接する上面に摩擦パッド544aが附着され得る。摩擦パッド544aは、ゴム、シリコーン、皮革のように、摩擦力が大きい素材によって設けることができる。また、加圧ユニットは、図18に示したように、第1移動部材632と第2移動部材633との回転を制限し、かつ移動を案内するガイドバー637を備えることができる。ガイドバー637は、第1及び第2移動部材632、633と接した状態でねじ軸631と平行に配置され得、その両端が第1側面板521と第2側面板522とに固定され得る。
このような制動部630は、ねじ軸631の回転により第1移動部材632と第2移動部材633が相反した方向に移動することによって、第1及び第2連結リンク635、636が加圧部材634を押し上げたり引き下げたりする方式で加圧部材634の昇降を具現することができる。そして、加圧部材634は、図19の例のように、上昇動作によりレール10の底面を加圧することによって制動を具現することができ、図17の例のようにレール10の底面から離隔することによって制動を解除することができる。
また、第4実施例のトロリー502は、図16と図17に示したように、作業者がレール10に設置された本体部520と、離隔した位置において手動操作でねじ軸631を回転させるためのハンドルユニット800と、ハンドルユニット800の回転をねじ軸631に伝達するために本体部520に設置されたギアユニット730とを備える。
ギアユニット730は、図17に示したように、第1側面板521外側に延長されたねじ軸631の一方の端部に結合された被動ベベルギア731と、被動ベベルギア731と歯合されて入力軸711により駆動される駆動ベベルギア732とを備える。また、本体部520は、被動ベベルギア731と駆動ベベルギア732とを収容した状態で第1側面板521に結合され、駆動ベベルギア732の軸である入力軸711を回転可能に支持する第4側面板525を備えることができる。
本発明の実施例によるギアユニットは、ベベルギア体に限定されない。図20はベベルギア体をウォームギア体に転換した様子を示す斜視図である。
図20のギアユニット740は、ハンドルユニット800により回転力を伝達する入力軸711に設けられるウォームギア742と、前記ウォームギア742に歯合してねじ軸641に結合されるウォームホイール741とを備える。また、本体部520は、第1側面板521に結合された状態でウォームギア742とウォームホイール741とを収容して回転可能に支持する第4側面板525を備える。
図20のギアユニット740は、ハンドルユニット800を接続させた状態でハンドルユニット800でウォームギア742を回転させると、ウォームホイール741が回転しながらねじ軸641を正方向または逆方向に回転させることができ、このようなねじ軸641の動作により制動または制動解除を具現することができる。このようなギアユニット740は、ねじ軸641の回転が逆に(操作ヘンドルの方に)伝達されることを防止するので、制動状態または制動解除状態が安定的に維持されるようにすることができる。
次に、本発明の第2実施例によるトロリーのハンドルユニット800を説明する。図21は本発明の第2実施例によるトロリーのハンドルユニットを示す図であり、屈折前の状態を示し、図22は図20の屈折後の状態を示す。
ハンドルユニット800は、図9に示したように、使用者の作業位置より高い所に位置するトロリー500のギアユニット710に連結しなければならないので、長さが長いバー(bar)形態に設けることができる。既存のトロリーは、チェーンを用いて制動部を動作したため、作業者が垂れ下がったチェーンを引っ張って作業を行った。しかし、このような方法は大きい力を要求し、横揺れするチェーンによって作業者の安全に脅威を与えた。本発明の実施例であるトロリー500は、チェーンを削除しても制動部610を動作させることができる長所を有する。チェーンは、作業者が引っ張る力によって軸を回転させる一方、ハンドルユニット800は、作業者が軸を回転させてギアユニット710に入力動作を伝達する。この際、軸の回転を容易にするため、図21に示したようにハンドルユニット800の端部は、使用者が回転力を容易に入力できるように二段a1、a2に折ることができる。このような回転動作の入力方法は、既存のチェーンを用いる場合と比べると、さらに安全に小さな力で手軽く入力動作を提供することができる。また、ハンドル834とハンドルバー830とを連結する連結部835の長さが長いほど大きい力を出すことができ、短いほど速い回転が可能である。
ハンドルユニット800は、基本的に制動部610を動作させるためのものであるが、作業者がトロリー500を移動させる場合にも利用され得る。すなわち、作業者は、ハンドルユニット800を把持して引っ張ったり押したりする力を提供してレール10の上でトロリー500を移動させることができる。ハンドルユニット800は、ギアユニット710の入力軸711と連結されるが、作業者がトロリー500の移動のために、ハンドルユニット800に力を加える場合、長いバー形態のハンドルユニット800は入力軸711にトルク(Torque)を加える。このようなトルクは疲労が累積されて入力軸711の破損を引き起こすことがある。
したがって、ハンドルユニット800は屈折部を備えることができる。屈折部は、曲がったり関節によって折れたりする部分を備える。以下、混同を避けるために、曲がる屈折部は、曲部831(図23参照)とし、関節によって折れる屈折部は、関節部840(図21参照)として表示することにする。また、特別な理由がない限り、関節部840に対する説明は曲部831に適用され得る。トルクは、入力軸711(図20参照)から屈折される部分までの長さに比例する。したがって、入力軸711と屈折される部分の長さが近くなると、トルクは小くなって入力軸711に加わる疲労は軽減される。また、関節部840により作業者は、進行方向に折れて傾いたハンドルユニット800を用いて、トロリー500を引っ張ることができ、重い物体を吊るしているトロリー500を容易に動かせるようになる。
ハンドルユニット800の関節部840は、進行方向に障害物がある場合にも利用することができる。特に、ユニバーサルジョイントなどを用いる多方向関節部を備える場合には、四方の空間を用いて障害物を避けながら進行することができる。
また、ハンドルユニット800は、接続部810,820を具備してトロリー500を作業させない場合にギアユニット710から分離させることができる。したがって、作業者の移動などに危険要素として作用することのあるハンドルユニット800を臨時除去することができ、船舶内部の美麗な外観に役立つことができる。既存のトロリーは、チェーンを用いて駆動したり制動部を動作させたりしたため、いつも作業者の手が触れる所にチェーンが垂れ下がっていなければならなかった。このようなチェーンは、船舶の揺動によって揺れるので作業者にとって危険要素として作用した。また、トロリーを長期間使用しない場合にも除去することができず、美観を害して潜在的な危険要素として残ることとなった。
前記関節部840は、接続部810,820より本体部520に近く位置することもでき、遠く位置することもできる。図9などのトロリー500には、接続部810,820が関節部840より上側に位置することを示したが、これと異なる場合も本発明の実施例に含まれる。
図21のハンドルユニット800は、入力軸711に連結された第1接続部810を備える。ハンドルユニット800は、第1接続部810に結合される第2接続部820と、屈折のために関節部840を具備するハンドルバー830とを備える。
第1接続部810と第2接続部820との結合を容易にするため、第2接続部820を第1接続部810に案内することができるガイド部813を備えることができる。ガイド部813は、第1接続部810の端部に設けることができ、端部に行くほど開口が広くなる形状を備えることができる。
ハンドルユニット800は、関節部840が折れることを防止できる折れ防止部を備えることができる。第2接続部820の下部に関節部840が位置する場合、第1接続部810に接続させる過程において、関節部840が折れ、接続過程が容易でないことがある。折れ防止部は、このような接続過程などにおいて関節部840が折れないように防止するものであって、関節部840周辺部を少なくとも一部囲むようにハンドルバー830に掛けて設けられて、ハンドルバー830に沿ってスライディング移動可能なカバー部材851を備えることができる。カバー部材851が第2接続部820方向に滑って移動する場合、関節部840の周りを少なくとも一部囲むため、関節部840が折れることを防止することができる。
また、前記ハンドルバー830に設けられて、前記カバー部材851が前記関節部840を露出させるように下向きに移動した場合、前記カバー部材851が原位置に復帰するように弾性力を付与する弾性支持部852を備えることができる。弾性支持部852は、下方向に移動したカバー部材851が原位置に復帰するようにカバー部材851の下端部を支持する。また、第2接続部820の下端または、ハンドルバー830の上端に設けられ、カバー部材851の上端部を支持して前記カバー部材851の上側動きを制限することができる掛り部856が具備され得る。
ここで、弾性支持部852は、カバー部材851の下端部を支持し、上面にロック突起853aが設けられた下部支持部853と、下部支持部853の下部に設けられて、下部支持部853との間に復元力を有するスプリング部材855を介在した固定部材854bと、固定部材854bに回動可能に設けられて、カバー部材851が下方向に移動した状態でロック突起853aに締結されるロッククリップ854aとを備えることができる。ロッククリップ854aは、ロック突起853aに掛かるように先段が一回以上曲折された形態とすることができる。
図22に示したように、使用者はハンドルユニット800を第1接続部810に接続させた後、カバー部材851を下方向に移動させて関節部840の部位が完全に露出されるようにした後、斜めの角度でハンドルユニット800の回転を操作することができる。すなわち、関節部840の部位がカバー部材851により囲まれた状態では、ハンドルユニット800の第2接続部820とハンドルバー830が直立した状態のため、第1接続部810に容易に接続され得る。ハンドルユニット800を第1接続部810に接続させた後には、ハンドルユニット800が屈折されるように、関節部840の部位が完全に露出されるように、カバー部材851を引っぱって下方向に移動させる。したがって、使用者は、斜めの角度でハンドルユニット800の回転を入力軸711に伝達して制動及び制動解除を行うことができるようになる。この際、上述したロッククリップ854aをカバー部材851のロック突起853aに締結させ、引っぱられたカバー部材851を固定させた状態でハンドルユニット800による回転操作が遂行され得る。
一方、上述したように、ハンドルユニット800はトロリー500の使用が必要な場合、ギアユニット710と連結される第1接続部810に連結することができる。このように、ハンドルユニット800を連結した状態で使用者がハンドルユニット800を回転させると、第1接続部810と連結される入力軸711を回転させる。したがって、使用者は、ハンドルユニット800を正回転または逆回転させる方式で入力軸711を正方向または逆方向に回転させることができ、これを介して制動部を作動させて制動または制動解除を具現することができる。
次に、図23を参照して図21のハンドルユニットと他の実施例のハンドルユニットを説明する。図23は、図21の他の実施例によるハンドルユニットを示す図であり、屈折後の状態を示す。
ハンドルユニット800は、入力軸711に連結された第1接続部810を備える。ハンドルユニット800は、第1接続部810に結合される第2接続部820と、第2接続部820と曲部831に連結されて、一回以上屈曲されたハンドルバー830とを備える。以下、屈折は一定の角度に曲がって折れる意味であって、直立状態で曲げ変形されるすべての場合を備える用語として定義され得る。
上述した曲部831は、図23の部分拡大図に示したように、弾性部材832と、弾性部材832を内挿した弾性カバー833とを備えることができる。例えば、弾性部材832は、スプリング、ゴム、プラスチックなどの弾性力を有した物質を含むことができる。弾性カバー833もまた、ゴム、プラスチックなどの弾性力を有した物質を含むことができる。
したがって、図23に示したように、ハンドルユニット800を第1接続部810に接続させた後、屈折が可能となるように設けられたハンドルユニット800を用いて、斜めの角度でもハンドルユニット800の回転を入力軸711に伝達して制動及び制動解除を遂行することができるようになる。
次は、本発明の第2実施例によるトロリー500の使用法を説明する。
トロリー500を用いて重量物を移送しようとする際は、図9に示したように、トロリー500の掛け部530にチェーンブロックのような巻上装置20を掛けて設置することができ、巻上装置20を用いて重量物を持ち上げることができる。
使用者は、この状態で重量物を押したり引いたりする方式、またはハンドルユニット800を押したり引いたりする方式でトロリー500と共に望む方向に移動させることができる。もちろん、この際は、制動部610の制動が解除された状態である。
使用者が、トロリー500を望む位置に移送させた後、または現位置で停止させようとする際は、制動部610を用いて本体部520の移動を制限することができる。すなわち、使用者は、ハンドルユニット800をギアユニット710の第1接続部810に接続させた後、図13のようにハンドルユニット800で入力軸711を回転させることによって、制動プレート611を回転させてホイール510に制動パッド612を圧着させることができ、これを介してトロリー500の制動が実現できる。
このように制動を遂行すると、制動プレート611一面に附着された制動パッド612が、ホイール51を圧着したり(第2実施例または第3実施例によるトロリー、図9乃至図15参照)、加圧部材634の上面に附着された摩擦パッド634aがレール10の底面を圧着したりするようになるので(第4実施例によるトロリー、図16乃至図19参照)安定した制動状態を維持することができる。また、使用者は、制動後、ハンドルユニット800をギアユニット710の第1接続部810から分離して別に保管することができるので、トロリー500周辺の構造を単純に維持することができ、美麗な外観を提供することができる。
トロリー500の制動を解除しようとする際は、再び、ハンドルユニット800をギアユニット710の第1接続部810に接続させて、制動装置540を逆に動作させることによって容易に制動を解除することができる。
次に、図24乃至図26を参照して、ハンドルユニット800の接続部801を詳しく説明する。図24は、本発明の第2実施例によるトロリーの接続部の結合前の姿を示す斜視図であり、図25は図24の分解斜視図である。
ハンドルユニット800は、ギアユニット710と連結される第1接続部810と、第1接続部810に接続される第2接続部820とを備えることができる。第2接続部820は、作業者が回転力を提供するハンドルバー830と連結され、第1接続部810と第2接続部820は分離可能であり、かつ回転力を伝達できるように嵌めることができるので、ハンドルバー830の回転力は第1接続部810を介してギアユニット710にまで伝達される。
第1接続部810と第2接続部820は、溝部とこれに対応する突起部の結合によって接続され得、回転力を損失なく伝達するため、角が形成される溝部と突起部とを備えることができる。
本発明の実施例によるハンドルユニット800の第1接続部810は、ギアユニット710と連結される連結部材811、前記連結部材811に連結されて第2接続部820が挿入される挿入部材812を備える。本実施例においては、連結部材811がギアユニット710と連結されているが、これと異なり、連結部材811が制動部と連結されてハンドルユニットの回転力をギアユニット710を経ずに直接制動部に伝達することもできる。第2接続部820は、端部に挿入突起821が設けられて、挿入部材812の端部には前記挿入突起821の形状に対応する貫通溝812aが形成される。挿入突起821は貫通溝812aを介して挿入された後、挿入部材812の内部に設けられる挿入空間812bで回転され、再び貫通溝812aに離脱されることを防止することができる。この際、挿入突起821と貫通溝812aとの形状は、図24に示したように一文字の棒型を備え、これと異なっても挿入後の離脱を防止することができる機能を具備すれば、本発明の挿入突起821及び貫通溝812aに含むことができる。
挿入空間812bは、前記挿入突起821が所定の角度に回転することができる程度であれば十分であり、図25のように挿入突起821が回転できる程度に設けられることに限定されない。
ハンドルユニット800は、第2接続部820の回転力を第1接続部810に伝達しなければならないので、挿入空間812bの内部で挿入突起821が回転することを防止できなければならない。このために、前記貫通溝812aとずらして形成される定着溝812cを備えることができる。定着溝812cの形状は、貫通溝812aの形状と類似することができ、貫通溝812aと違って底面を具備して挿入突起821が離脱することを防止することができる。また、定着溝812cの形状は、図25に示したように凹んだ形状に限定されず、挿入突起821が定着されて回転されないように回転防止帯(図示せず)が形成されることを含むことができる。図25には貫通溝812aと定着溝812cが十字形態にずらして配置されることを示した。図には示さなかったが、定着溝812cは挿入突起821が定着することを助けるために案内面(図示せず)を備えることができる。案内面は定着溝812c方向に勾配して形成され得、挿入突起821が定着溝812cにぴったり合うように回転されなくても、挿入突起821が定着溝812cに定着できるように案内することができる。
挿入部材812は、挿入突起821が第2接続部820の回転力を第1接続部810に損失なく伝達できるように前記挿入突起821に貫通溝812a方向に力を加える弾性支持部812dを備えることができる。弾性支持部812dは、支持面812eと弾性部材812fとを備え、挿入突起821が挿入された後、回転した状態で挿入突起821を加圧して、第2接続部820を介して回転力が入力されるとき、挿入突起821が回転することを防止して第1接続部810に損失なく回転力を伝達することができる。この際、前述した定着溝812cを具備すれば、弾性支持部812dは挿入突起821が定着溝812cから離脱することを防止する役割のみを果たし、さらに效果的に回転力の損失を防止することができるようになる。支持面812eの形状と弾性部材812fとの形状は図25に示した形状に限定されない。
以下では、第1接続部810と第2接続部820が接続する様子に関し、図26を参照して説明する。図26は接続部の結合の様子を示すものであり、(a)は挿入突起が挿入される前の様子を、(b)は挿入突起が貫通溝に挿入された様子を、(c)は挿入突起が挿入空間内で90度回転した様子を、(d)は挿入突起が定着溝に定着した様子を示す断面図である。
第2接続部820の端部に設けられる挿入突起821は、第1接続部810の端部に設けられ、挿入突起821の形状と対応する貫通溝812aに挿入される。挿入突起821は、貫通溝812aを経ながら弾性支持部812dに当たって弾性部材812fの弾性力に勝る程度の力を加えて支持面812eを持ち上げる。挿入突起821が貫通溝812aを完全に通過した後、90度回転して定着溝812cに定着される。この際、弾性支持部812dを加圧している外力を除去すると、弾性支持部812dが挿入突起821を貫通溝812a方向に加圧して挿入突起821が定着溝812cから離脱することを防止できるようになる。したがって、第2接続部820に印加される回転力を第1接続部810に損失なく伝達することができるようになり、作業者が上向きの力を作用させて挿入突起821が弾性支持部812dを持ち上げる前までは、第2接続部820が第1接続部810から分離せず安定的な回転ができるようにする。
次に、図27乃至図46を参照して本発明の第5実施例によるトロリー900を説明する。図27は本発明の第5実施例によるトロリー900を示す斜視図であり、図28は図27の正面図であり、図29は図28の分解図であり、図30は図28のA−A線の断面図である。
本発明の第5実施例によるトロリー900は、レール10に沿って移動する本体部910と、本体部910に連結されてレール10に沿って走行運動するホイールと、本体部910の走行または制動のための動力を伝達する動力伝達部940とを備えることができる。
本体部910は、レール10の進行方向に対して両側部に位置する第1支持板911と第2支持板912及び両支持板911,912を連結する連結部914とを備えることができる。第1支持板911と第2支持板912はレール10を間に置いて平行に配置され得る。
連結部914は、図27に示した例のように、相互に平行に離隔した二つの連結部914の両端がそれぞれ第1支持板911と第2支持板912を貫通するように設置され得、それぞれの両端に絞りナット914aが締結されることによって第1支持板911及び第2支持板912に固定される二つの支持ロッド914bを備えることができる。
このような連結部914は、平行に配置される二つの連結部914が二つの支持板911,912と連結されることによって二つの支持板911,912の回転自由度を防ぐことができる。また、連結部914は、第1支持板911と第2支持板912との間の支持ロッド914bの外面に結合されるワッシャーまたはブッシュの数を調節する方式で、第1支持板911と第2支持板912との間の距離を調節することができる。したがって、適用されるレール10の幅に対応して第1支持板911と第2支持板912との間の距離を調節することができる。複数の絞りナット914aは、第1及び第2支持板911,912外側で各支持ロッド914bに締結されることによって、支持ロッド914bが第1及び第2支持板911,912に堅く結合される。
掛け部915は、アーチ型に設けられて両側支持ロッド914bの中間部分を相互連結する形態で設置することができる。また、物体を掛けて吊るせるようにその中間部分に掛け溝(図示せず)を具備することができる。掛け部915には、チェーンブロックのような巻上装置を掛けて設置することができる。もちろん、掛け溝に直接ロープを結束する方式でも移送しようとする物体を吊るすことができる。
一方、本実施例において、第1支持板911と第2支持板912を連結する連結部914は、二つの支持ロッド914bを備える形態であるが、連結部914の構成がこれに限定されるものではない。連結部914は、第1支持板911と第2支持板912の下側中間部分とを連結する一つの支持ロッド914bによっても構成され得る。また連結部914は、両端が溶接やボルト締結によって第1支持板911と第2支持板912に固定される金属パネルや形鋼などで構成され得る。また連結部914は、第1支持板911及び第2支持板912と一体に連結された金属構造物とすることができる。すなわち、第1支持板911、第2支持板912、連結部914を鋳物製作によって一体に設けることができる。
以下、連結部914の構成に対して図28と図29とを参照して詳しく説明する。
連結部914は、二つの支持板911,912を連結する支持ロッド914bと、支持ロッド914bの両端に締結されて二つの支持板911,912を固定する絞りナット914aとを備えることができる。また、支持ロッド914bは二つの支持板911,912を貫通する連結軸部材914b−1と、連結軸部材914b−1の外径に結合されて距離を一定に維持することができるスペーサー914b−2、914b−3とを備えることができる。
第1及び第2支持板911,912は、連結軸部材914b−1を支持するために、一側面に延長され、連結軸部材914b−1が貫通される貫通ホールが形成される軸支持部911aを備えることができる。図には、二つの支持板911,912の間に延長される軸支持部911aを示したが、これと異なり、二つの支持板911,912の外部に突出したり両面にすべて形成されたりすることも可能である。支持ロッド914bは二つの支持板911,912を結合固定すること以外にも大きい重量の物体を支持する役割をする。この際、物体の重量が重くなるほど支持ロッド914bに加えられる力が大きくなり、結果的に、二つの支持板911,912に加えられる力も増加する。この際、二つの支持板911,912に形成される軸支持部911aは、連結軸部材914b−1によって加えられる力を受ける面積を増加させて力を分散させる。したがって、さらに重い重量の物体を掛け部915に掛けることができるようになり、トロリー900の耐久性を増大させることができる。
スペーサー914b2、914b3は、二つの支持板911,912の外側側面に突出する連結軸部材914b−1の外径に結合し、支持板911、912と絞りナット914aとの間の距離を一定にする第1スペーサー914b−2と、二つの支持板911,912の内側側面に突出する連結軸部材914b−1の外径に結合して両支持板911,912の軸支持部911aの間の距離を一定にする第2スペーサー914b−3とを備えることができる。
連結部914は、二つの支持板911,912の間の距離より十分に長く設けることができる。これは、多様な幅の本体部910に適用できるだけでなく、回転中心からの距離が長くなって回転慣性が大きくなるため、より安定的に移動することができるためである。したがって、絞りナット914aと二つの支持板911,912との間は離隔された空間が発生し、この空間を第1スペーサーで914b−2が埋めることになる。また、第2スペーサー914b−3の外径には、掛け部915が締結され得るねじ山を設けることができる。掛け部915が、第2スペーサー914b−3の一地点に固定され得ず滑る場合、トロリー900の安全性を阻害するため、掛け部915と第2スペーサー914b−3は互いにねじ結合して滑ることを防止することができる。また、第2スペーサー914b−3は、掛け部915が支持する物体の荷重が連結軸部材914b−1に伝達される力を分散するように連結軸部材914b−1の外径の一定部分を覆うことができる。
支持ロッド914bは、二つの支持板911,912の間の距離が変わる場合にも適用され得る。このために、スペーサー914b−2、914b−3は多様な長さに製作され得る。第1支持板911と第2支持板912との間の距離が変わる場合、または連結軸部材914b−1の長さが変わる場合に、多様な大きさに製作されたスペーサー914b−2、914b−3を用いて変わった距離に合うスペーサー914b−2、914b−3を挿入することができる。したがって、多様なレールの大きさ及び形状の変更に関わらず、トロリー900を適用することができるようになる。
絞りナット914aが、連結軸部材914b−1から緩んで離脱することを防止するために、連結軸部材914b−1を貫通するホールにピン部材914cが挿入され得る。また、絞りナット914aの一側には、ピン部材914cの挿入できる溝914a−1が形成され、ピン部材914cが結合された状態で絞りナット914aが回転することを防止することができる。
本体部910は、ホイールを保護するために、フランジ部913をさらに備えることができる。フランジ部913は二つの支持板911,912の両側部に設けられ、内部に折曲されてホイールが外部と衝突することを防止する。図27には、第1支持板911と第2支持板912の両軸部に計4個のフランジ部913が設けられることを示す。
本体部910は、フランジ部913に附着される衝撃吸収部材916をさらに備えることができる。衝撃吸収部材916は、ゴムなどの弾性を有する物質を用いて、フランジ部913が障害物と衝突する際の衝撃量を減少させることができる。衝撃吸収部材916は、トロリー900の最外殼に位置するため、障害物と最も先に衝突する。また、前、後方の衝撃吸収部材916とフランジ部913はその間に位置するホイールを保護する役割をする。
また、二つの支持板911,912の一側面には、リング部材917を設けることができる。リング部材917は、トロリー900が容易に設置されるようにクレーン(図示せず)と結合することができる。トロリー900が設置されるレール10は、作業者の手が触れない高い所に位置するのが普通である。したがって、トロリー900をレールに設置するためには、クレーンを用いるのが便利であり、リング部材917はクレーン(図示せず)のリングを掛けることができる結合孔を形成する。リング部材917は、設置安定性を考慮して二つの支持板911,912にそれぞれ形成される。また、二つの支持板911,912の中心と近い所に形成される場合、トロリー900が持ち上げられる過程で揺れが発生することがあるため、二つの支持板911,912の中心から遠い所に形成され得る。また、二つの支持板911,912の前、後にそれぞれ4個が形成される代わりに、図27のように対角線方向に二つのみ形成されても十分である。
ホイールは、一つ以上を設けることができ、複数のホイールは安定した走行のために、レール10の両側にそれぞれ二個ずつ離隔した状態で配置され得る。本実施例は、図27に示したように、両側に二個ずつ計四個のホイールを採用した場合を提示するが、ホイールの数や配置形態がこれに限定されるものではない。ホイールの数や配置形態は、レール10の形状などが変更される場合、変わることもあり得る。すなわち、本体部910に一つのホイールが装着される形態とすることもできる。
複数のホイールは、第1支持板911または第2支持板912に結合されて回転可能に設置され得る。また、それぞれのホイールは円滑な回転のために、その内側に設置されたベアリングによって軸外面に回転可能に支持され得る。
ホイールは、レール10の上面に沿って走行する走行ホイール920,923と、レール10の下面を支持する支持ホイール930とを備えることができる。図27には、第1支持板911と第2支持板912にそれぞれ二個ずつ結合される走行ホイール920,923と、第2支持板912に結合される支持ホイール930とを示している。
走行ホイール920,923は、動力伝達部940から伝達される動力によってレール10に沿って走行運動する駆動ホイール920と、動力が直接的に伝達されないが、本体部910の移動によって駆動ホイール920と共に、レール10に沿って走行運動する被動ホイール923とを備えることができる。
駆動ホイール920は、第1支持板911に二個が結合され得、駆動ホイール920は、駆動ホイールギア921と一体に形成され得る。駆動ホイールギア921は、動力伝達部940から伝達される動力によって駆動ホイール920を回転させることができる。図30を参照すると、二つの駆動ホイールギア921は、動力伝達ギア922と同時に歯合され得、動力伝達ギア922は、出力軸944と連結されることができる。したがって、出力軸944の回転によって動力伝達ギア922が回転し、二つの駆動ホイール920は同時に同一方向に回転するようになる。したがって、二個の駆動ホイール920にすべて駆動力が加えられることによって、レール10と駆動ホイール920との間の接地力を向上させ、本体部910がレール10で滑ることを防止することができる。また、駆動ホイール920は、円形の接地面を具備してレール10と接することが普通であるが、駆動ホイールギア921のねじ山が直接レール10と接することも可能である。
被動ホイール923は、第2支持板912に二個が結合され得、駆動ホイール920の走行運動によって、レール10上で移動する本体部910に沿って被動的にレール10上で走行運動をする。図においては、被動ホイール923が駆動ホイール920の位置に対応して位置しているが、これと異なり、一個の被動ホイール923が位置したり、駆動ホイール920と交番的に位置したりするなど、被動ホイール923の個数と位置は選択的に変えることができる。
支持ホイール930は、トロリー900の重さ不均衡による不安定さを解消するために、動力伝達部940が位置しない第2支持板912に結合してレール10の下端を支持することができる。支持ホイール930は、第1支持板911に結合することも可能であるが、第2支持板912に結合してレール10下端を支持することが最も效果的である。
本発明の第5実施例によるトロリー900は、動力伝達部940が本体部910の一側に位置することによって両側の重さ不均衡が発生する。このような重さ不均衡は、トロリー900を不安定にして被動ホイール923をレール10から離隔させることがある。また、駆動ホイール920と動力伝達部940に疲労を累積させて整備周期を繰り上げさせることもある。
支持ホイール930は、本体部910の上下で位置変更可能となるように結合することができる。一例として、支持ホイール930は、支持ホイールブラケット931に固定結合され、支持ホイールブラケット931は、本体部910の上下に位置変更可能となるように結合することができる。支持ホイール930の位置を上下に変更することによって、トロリー900を容易にレール10に設置することができる。すなわち、設置の際には、支持ホイール930を下に位置させて被動ホイール923と間の間隔をレール10の厚さより広くした状態でレール10に設置した後、支持ホイール930を上にあげた状態で固定して支持ホイール930がレール10を支持するようにする。また、レール10の厚さは変わることがあるが、この場合、支持ホイール930の上下位置を変更することによって多様なレール10の厚さに対応することができる。
図30は、図28のA−A線の断面図である。図30を参照し、支持ホイール930の結合方法を説明する。支持ホイールブラケット931には上下方向にガイド溝931aが設けられている。また、ガイド溝931aを介して固定部材932が挿入されて第2支持板912に結合される。図28には、ボルト932aとナット932bを介して支持ホイールブラケット931を第2支持板912に結合することを示した。
図31は、本発明の第5実施例によるトロリー900の動力伝達部940を示す分解斜視図である。図27と図31を参照し、動力伝達部940に対して説明する。
動力伝達部940は、レール10の進行方向に対し、本体部910に連結されて本体部910の走行または制動のための動力を伝達することができる。図には、動力伝達部940が第1支持板911に結合されることを示する。
動力伝達部940は、動力によって回転する入力軸942と、入力軸942と連結されて本体部910を走行または制動する出力軸944と、入力軸942から出力軸944方向の回転力は伝達しながらも、出力軸944から入力軸942方向の回転力は伝達しないロックユニット950を備えることができる。
本発明の実施例による動力伝達部940は、走行のための動力を伝達する。しかし、これに限定されず、制動のための動力伝達部(図10の510参照)を備えることができる。制動のための動力を伝達する装置に対しては、本発明の第2実施例によるトロリー500乃至第4実施例によるトロリー502において説明したとおりである。但し、制動のために動力を伝達する動力伝達部は、上の発明に限定されず、多様な実施例を含むことができる。
以下では、走行のための動力を伝達する動力伝達部940に対して限定して説明する。動力伝達部940は、外部の動力が入力される入力軸942から出力軸944を経て駆動ホイール920を動作させるまでの機能的構成を総称することでと理解され得る。したがって、動力伝達部940は、入力軸942、入力ギア943、出力ギア945、出力軸944、動力伝達ギア922、及び/または駆動ホイールギア921を備えることができる。
入力軸942は、接続部960と連結されることができ、接続部960と接続されるハンドルユニット970によって動力が入力され得る。入力された動力によって本体部910が走行する方法に対して説明する。動力によって回転する入力軸942は入力ギア943を回転させて、入力ギア943と歯合する出力ギア945によって出力軸944が回転する。出力軸944は、動力伝達ギア922と連結され、出力軸944の回転は動力伝達ギア922と歯合する駆動ホイールギア921を回転させる。駆動ホイールギア921と一体に形成される駆動ホイール920が回転してレール10の上で走行運動し、駆動ホイール920と連結される本体部910がレール10の上を走行する。この際、本体部910と連結される被動ホイール923または支持ホイール930も同時に回転することができる。
入力ギア943と出力ギア945は、本体部910の下側で入力される動力を垂直方向に転換するように結合され得る。トロリー900は、天井(または空中)に設置されたレール10に沿って走行することが普通であるため、作業者がトロリー900の下部で動力を入力しなければならない。駆動ホイール920の軸方向は地面と水平方向であることが普通であるため、本体部910の下側で入力される動力を垂直方向に転換できるギア組立体が必要となる。図27には、入力ギア943と出力ギア945がベベルギア組立体に結合されることを示したが、これと異なり、ウォームとウォームギア組立体などに結合されることを含む。
ロックユニット950は、入力される動力により回転する能動回転体952と、能動回転体952の回転方向と同一方向に回転するように結合し、入力軸942または出力軸944と結合する被動回転体953とを備えることができる。図31には、出力ギア945と連結されて回転する能動回転体952と、出力軸944と結合して出力軸944を回転させる被動回転体953とを示した。これと異なり、能動回転体952が入力軸942と連結されて回転し、被動回転体953が入力ギア943を回転させることも可能である。但し、図30のように、ロックユニット950が本体部910近くに位置することによって、本体部910の重さ中心をトロリー900の中心にさらに近く置くことができるという利点がある。
ロックユニット950は、被動回転体953が能動回転体952の回転よって回転して出力軸944または入力軸942を回転させながらも、外部の力によって出力軸944または入力軸942に回転力が印加されても、被動回転体953が回転しないことを特徴とする。以下、図32及び図33を参照し、ロックユニット950が上述の機能を示すための、構成の一例を述べる。
図32は、本発明の第5実施例によるトロリー900のロックユニット950を示す断面図であり、図33は、図32のロックユニット950が回転する様子を示す図である。ロックユニット950は、被動回転体953を内部に収容するハウジング951と、ハウジング951と被動回転体953との間に介在されて一方向の回転方向にのみ引っ掛かりが発生するロック部材954、及び/または能動回転体952と連結されて回転によってロック部材954を移動させることができるロック解除部材952bとをさらに備えることができる。
能動回転体952と被動回転体953は、スタッド部材953aとスタッドホール952aの結合によって結合され得る。図31には、被動回転体953の一面にスタッド部材953aが突出して能動回転体952の対応する面にスタッドホール952aが形成されることを示し、軸を間に置いて一組のスタッド部材953aが結合することによって同心回転が可能となるようにした。
能動回転体952は、出力ギア945と結合して同回転が可能である。また、被動回転体953は、出力軸944と結合して同回転が可能である。被動回転体953と出力軸944はキー結合され得る。すなわち、被動回転体953に設けられるキー溝953cと出力軸944に設けられるキー溝944aの間にキー956が挿入され得る。
ロック部材954は、ハウジング951と被動回転体953の案内面953bの間に介在され、円筒形形状とすることができる。案内面953bはハウジング951の内面曲率半径より大きい曲率半径を有することができる。したがって、案内面953bとハウジング951との間の距離は案内面953bの中心から遠くなるほど近くなる。ロック部材954は、案内面953bとハウジング951との間の距離の最大値と最小値の間の直径を有することができる。したがって、ロック部材954が案内面953bの外郭方向に移動すると、ハウジング951と案内面953bとの間に引っ掛かりが発生し、ロック部材954が案内面953bの中央方向に移動すると、引っ掛かりなく走行することができる。
ロック部材954が、案内面953bの外郭部一側に一つ設けられる場合、被動回転体953は一方向にのみ回転することができる。ロック部材954は、被動回転体953が一方向に回転する際、引っ掛かりが発生して被動回転体953の回転を阻む。便宜上、一つのロック部材954のみが存在すると仮定して説明する。被動回転体953が時計方向に回転する場合、ロック部材954は案内面953bとの摩擦によって反時計方向に回転する。したがって、ロック部材954は、案内面953bの中央方向に向かって走行する力が作用し、被動回転体953は自由に回転することができる。
反対に、被動回転体953が反時計方向に回転する場合、ロック部材954は案内面953bとの摩擦によって時計方向に回転する。したがって、ロック部材954は、案内面953bの外郭方向に向けて走行する力が作用して案内面953bとハウジング951との間に挟まれて、被動回転体953は回転することができない。以下、被動回転体953が回可能な時計方向を<回転方向>と、被動回転体953が回転不可能な反時計方向を<引っ掛かり方向>と名付けて説明する。
ロック解除部材952bは、能動回転体952の被動回転体953と向き合う面に突出するように結合することができる。ロック解除部材952bは、ロック部材954の外郭に位置して、能動回転体952の回転と共に、同時に回転してロック部材954を案内面953bの中央方向に押し出す。したがって、ロック部材954がハウジング951と案内面953bとの間に挟まれず、被動回転体953は自由に回転することができる。
ロック解除部材952bは、引っ掛かり方向にあっても能動回転体952が回転する場合には、被動回転体953が回転するようにする。したがって、一方向クラッチ(One−way Clutch)として動作することができる。言い換えれば、能動回転体952が引っ掛かり方向に回転する場合には、ロック解除部材952bがロック部材954を挟まらない方向(案内面953bの中央方向)に移動させて被動回転体953が回転することができる。しかし、外力によって出力軸944に回転力が伝達されて被動回転体953が引っ掛かり方向に回転しようとする場合、ロック部材954がハウジング951と間に挟まって回転が不可能である。
ロック部材954とロック解除部材952bは、案内面953bの両方外郭に一組で設けることができる。これは、被動回転体953が両方向にすべて回転できるようにするためである。上で、ロック部材954とロック解除部材952bが案内面953bの一方外郭にのみ設けられた際の作用に対して説明した。以下では、ロック部材954とロック解除部材952bが案内面953bの両方の外郭に位置する場合、ロックユニット950の作用に対して図33を参照して説明する。
能動回転体952が回転する場合、時計方向または反対方向のどの方向に回転しても、被動回転体953は能動回転体952と共に回転することができる。図33は、能動回転体952が反時計方向に回転する場合を示す。能動回転体952の回転によりロック解除部材952bが回転して引っ掛かり位置にある第1ロック部材954−1を引っ掛かりが発生しない位置に押し出す。また、第2ロック部材954−2は引っ掛かりが発生しないため、被動回転体953は妨害されずに回転することができる。
反対に、被動回転体953が出力軸944に印加される外力によって回転しようとする場合、その方向がどの方向であっても、二つのロック部材(954−1,154−2)のいずれか一つに引っ掛かりが発生して被動回転体953が回転することができない。したがって、ロックユニット950は、動力がどの方向に入力されても、出力軸944を回転させて本体部910を駆動することができるが、本体部910に外力が加えられて出力軸944に回転力が印加される場合、被動回転体953が回転不可状態にあることによって本体部910が動かなくなる。
能動回転体952と被動回転体953は、回転運動のときに遊びが発生するように結合することができる。遊びは能動回転体952が被動回転体953と独立的に回転することができる回転角を意味する。ロック解除部材952bがロック部材954を引っ掛かりの発生しない位置に押し出すためには、ロック解除部材952bが動くことができる余裕回転角が必要である。この空間の間では、能動回転体952が被動回転体953と独立して動けなければならない。万一、被動回転体953と能動回転体952が遊びなしに結合されていると、ロック部材954によってロック解除部材952bが動ける余裕がなくなる。すなわち、能動回転体952が被動回転体953と遊びの回転角だけ回転する間に、ロック解除部材952bがロック部材954を引っ掛かりが発生しない位置に移動して被動回転体953が回転することができる。
遊びを発生させる実施例において、能動回転体952と被動回転体953はスタッドホール952aがスタッド部材953aを離隔して収容することによって結合され得る。被動回転体953は、スタッド部材953aとスタッドホール952aの離隔した距離だけ遊びを置いて能動回転体952の回転と共に回転する。すなわち、能動回転体952と被動回転体953の遊びのために、スタッド部材953aの外径よりスタッドホール952aの内径がさらに大きくなり得る。
ロックユニット950は、ロック部材954を引っ掛かりが発生する位置に押し出す弾性部材955をさらに備えることができる。出力軸944によって被動回転体953が回転することを防止するためには、ロック部材954が引っ掛かり状態になければならない。ロック部材954が引っ掛かり状態に位置しない場合、ロック部材954が引っ掛かり状態に位置するまで被動回転体953が回転することを阻むことができない。
また、図33のように、二つのロック部材954−1,954−2とロック解除部材952b−1,952b−2が案内面の両方外郭に一組で存在する場合、弾性部材955は二つのロック部材954−1,954−2の間に位置することができる。したがって、弾性部材955は両方に位置する二つのロック部材954−1,954−2を引っ掛かりが発生する位置に押し出して被動回転体953が回転できる余裕を遮断することができる。
次に、ロックユニット950を使用することによって得ることができる利点に対して説明する。本発明の実施例による動力伝達部940が、本体部910の走行または制動のための動力を伝達できることは前述したとおりである。
トロリー900は、船舶などのように流動が発生し得る場所に設置され得る。また、レール10はいつも水平にのみ存在することはできず、所定の傾斜を有して設置され得る。この場合、トロリー900には位置エネルギーによって力が発生するようになる。この外にも外部で多様な外力が発生してトロリー900に力を加えることがある。
動力伝達部940が走行のための動力を伝達する場合、動力伝達部940から伝達される動力が遮られる場合トロリー900は制動状態になる。走行のための動力が伝達される場合、回転力は入力軸942と入力ギア943及び能動回転体952と被動回転体953とを経て出力軸944に伝達され、駆動ホイール920が走行運動を始めてトロリー900をレール10の上で走行させる。しかし、動力が遮られる場合にはトロリー900は停止状態を維持することができる。傾斜などによって駆動ホイール920が受動的な走行運動をしようとする場合に、ロックユニット950が出力軸944の回転を防止するためである。したがって、別途の制動装置がなくても制動状態を維持することができるトロリー900を可能にする。
万一、動力伝達部(図示せず)が制動のための動力を伝達する場合、ロックユニット950は制動状態を維持することができる。一例において、制動動作が、ホイールまたはレール10に摩擦を加えるパッドによって起こる場合に、外力によって制動状態に所定の変化がある場合(制動が緩い場合)、トロリー900は不安定な状態となる。ロックユニット950は出力軸944の回転を未然に防止することによって、制動状態の所定の変化も遮断することができるようになる。
次に、図27に戻って、動力伝達部940が本体部910と接続部960との間に結合される姿に対して説明する。動力伝達部940はケース941によって囲まれて外部から保護され得る。動力伝達部940には軸とギアの結合が含まれるため、外部に露出する場合、耐久性に問題を起こすことがあるためである。
ケース941は、ベース部941aとカバー部941bとを備えることができる。ベース部941aの下部は入力軸942が貫通し、接続部960のボディー961と連結されて接続部960を支持することができる。また、ベース部941aの一側面は第1支持板911と結合することができる。この際、ベース部941aは第1支持板911と上、下方向にスライディング可能に結合することができる。出力軸944と出力ギア945は第1支持板911に固定支持され、入力軸942と入力ギア943はベース部941aに固定支持される。この際、出力ギア945と入力ギア943は互いに噛み合っている状態であるため、維持、補修のために分離する際には、出力ギア945と入力ギア943とを上、下方向に落とした後に分離した方が良い。二つのギア943,945が結合されている状態で外部の力が伝達されると、ギア歯が破損され得るためである。
すなわち、ベース部941aには、上、下方向にボルトが移動することができるスリットホールが形成され、第1支持板911には、ボルトが貫通する貫通ホール911c(図30参照)が形成され得る。または、これと異なり、第1支持板911にボルトが上、下方向に移動することができるスリットホールが、ベース部941aにボルトが貫通する貫通ホールが形成されることも可能である。ベース部941aと第1支持板911はボルトとナットによって結合され得、ボルトとナットの結合を緩くすると、ベース部941aが上、下方向にスライディング可能な状態になる。
ベース部941aは、第1支持板911と結合される面と底面を除いた四面が開放されていてもよい。これは動力伝達部940の維持、補修のために、ケース941を完全に分離する必要がなく、カバー部941bを分離するだけでも動力伝達部940を露出できるようになる。この際、カバー部941bとベース部941aとの結合のために、ベース部941aの側面は一部設けられることができ、カバー部941bとベース部941aはボルティング結合することができる。
図34は、本発明の第5実施例によるトロリー900の接続部960を示す切開図である。
本発明の第5実施例によるトロリー900は、動力を入力するためのハンドルユニット970と、分離可能に接続される接続部960とをさらに備えることができる。先に、従来のトロリー9が駆動または制動のためのチェーン2を不要の際に、削除できないという問題があることを述べた。したがって、本発明の実施例は、駆動または制動のための動力を入力するために、分離可能に接続されるハンドルユニット970と接続部960とを用いることができる。
接続部960は、一端がハンドルユニット970と接続され、他の端は動力伝達部940と連結される。接続部960の一端はハンドルバー971の端部に設けられる接続突起972と接続されてハンドルユニット970の回転力を動力伝達部940に連結することができる。接続部960はこのためにボディー961とベース962とを備えることができる。
ボディー961は、接続突起972が回転することができる回転空間961aを設けることができ、上部は入力軸942と連結され、下部はベース962と連結されることができる。ベース962は、接続突起972が挿入される貫通溝963と接続突起972が定着される定着溝964とを備えることができる。図34には、接続突起972の一例としてウォンド(bar)形態を示し、これと対応するように貫通溝963と定着溝964とが形成される。しかし、これと異なっても、挿入後、離脱を防止することができる機能を具備すれば本発明の貫通溝963と定着溝964とに含まれるものとする。
また、図34には、貫通溝963と定着溝964が90度で交差して設けられることを示したが、これに限定されない。回転空間961aは、図34と異なり、貫通溝963と定着溝964が交差される角度の鋭角程度のみ確保されても十分である。
接続突起972は、貫通溝963を介してボディー961内部に挿入された後、回転空間961a内で90度回転して定着溝964に定着され得る。接続突起972が定着溝964に定着された後、ハンドルバー971が回転する場合、ハンドルユニット970の回転力は接続部960にそのまま伝達される。すなわち、回転力はベース962とボディー961とを経て入力軸942を回転させる。
また、定着溝964の形状は、図34に示したように掘られた形状に限定されず、接続突起972が定着されて回転されないように回転防止帯(図示せず)が形成されることを備えることができる。
接続部960は、接続突起972が定着溝964に挟まれることを容易にするために、ガイド突起966を備えることができる。ガイド突起966は、傾いた案内面953bを備えて接続突起972が貫通溝963を通過した後、正確に90度回転しなくても接続突起972が定着溝964に定着され得るようにガイドすることができる。ガイド突起966は貫通溝963と定着溝964との間のベース962に設けることができる。
接続部960は、ハンドルユニット970の端部が容易に挿入されるように案内するガイド部材965を備えることができる。ガイド部材965は、ボディー961の下部に設けることができ、端部に行くほど開口が広くなる形状を備えることができる。したがって、接続突起972が貫通溝963にぴったりと合うように結合しなくてもガイド部材965の開口内部にのみ挿入されれば、ガイド部材965の内面に沿って案内されて貫通溝963に挿入され得るようになる。
図面に示さなかったが、接続部960は、接続突起972が定着溝964から離脱することを防止するために、接続突起972に貫通溝963方向に力を加える弾性支持部材(図示せず)を備えることができる。弾性支持部材(図示せず)は、支持面と弾性部材とを備えることができ、接続突起972が定着された状態で加圧し、接続突起972が定着溝964から離脱することを防止して接続部960に損失なく回転力を伝達することができるようになる。
図35は、本発明の第5実施例によるトロリー900のハンドルユニット970を示す図であり、屈折前の状態を示し、図36は図35の屈折後の状態を示す。
ハンドルユニット970は、トロリー900に含まれることもでき、別途に生産される装置とすることもできる。また、ハンドルユニット970は、本発明の第5実施例によるトロリー900に使用されることに限定されるものではなく、接続部960を備える他の装置に使用されることを含む。以下では、別途の装置としてのハンドルユニット970を説明する。
ハンドルユニット970は、レール10に沿って移動するトロリー900に走行または制動のための動力を入力するために、分離可能に接続され得る。また、ハンドルユニット970は、屈折部973を備えるハンドルバー971と、トロリー900の接続部960に接続される接続突起972とを備えることができる。
ハンドルユニット970は、使用者の作業位置より高い所に位置するトロリー9の接続部960に連結しなければならないので、長さが長いバー(bar)形態で設けることができる。一般的なトロリー9は、チェーン2を用いて駆動部または制動部を動作したため、作業者が垂れ下がったチェーン2を引っ張って作業をした。しかし、このような方法は、大きい力を要求し揺れるチェーン2によって作業者の安全に脅威を与えた。分離可能に接続されるハンドルユニット970を使用することによってチェーン2を削除しても動力伝達部940に動力を伝達することができるようになった。
また、チェーン2は、作業者が引っ張る力によって入力軸942を回転させる一方、ハンドルユニット970は、作業者が直接的にハンドルバー971を回転させたり伝動装置にハンドルバー971を連結したりして回転することができる。このような回転動作の入力方法は、既存のチェーン2を用いる場合と比べると、さらに安全に小さな力で手軽く入力動作を提供することができる。この際、ハンドルユニット970の回転を容易にするために、図35に示したように、ハンドルバー971の端部は使用者が回転力を容易に入力できるように2段(a1,a2参照)に折ることができる。ハンドル974とハンドルバー971とを連結する連結部(971−3)の長さが長いほど大きい力を出すことができ、短いほど速い回転が可能である。
ハンドルユニット970は、基本的に、走行または制動のための動力を伝達するものであるが、作業者がトロリー900を移動させる場合にも利用され得る。すなわち、作業者は接続部960に接続されたハンドルユニット970を把持した後,引っ張ったり押したりする力を提供してレール10の上でトロリー900を移動させることができる。
ハンドルバー971は、屈折部973を備えることができる。屈折部973は、曲がったり関節によって折れたりする部分を備える。屈折部973は一方向または多方向関節部を備える。屈折されるハンドルバー971により、作業者は多様な位置または姿勢においてもハンドルバー971を回転させることができる。また、作業者がトロリー900の移動などのために、ハンドルユニット970に力を加える場合、屈折部973がないハンドルユニット970は入力軸942に大きいトルク(Torque)を加えることになり、疲労が累積されて入力軸942の破損を引き起こすことがある。トルクは入力軸942から屈折される部分までの長さに比例する。したがって、入力軸942と屈折される部分の長さが近くなると、トルクは小くなって入力軸942に加えられる疲労は輕減される。
ハンドルバー971の屈折部973は、進行方向に障害物がある場合にも用いることができる。特に、ユニバーサルジョイントなどを用いる多方向関節部を備える場合には、四方の空間を用いて障害物を避けながら進行できるようになる。
図35には、屈折部973の一事例として多方向関節部973aを示した。ハンドルバー971は、関節部973aの一端に位置する第1ハンドルバー971−1と、関節部973aの他の端に位置する第2ハンドルバー971−2と、屈折部973を曲げる外力が除去された場合、屈折されない状態を維持することができる弾性部材973bとを備えることができる。弾性部材973bは、第1ハンドルバー971と第2ハンドルバー971に両端が固定されて関節部973aを囲むことができる。多方向関節部973aは、ユニバーサルジョイントを使用することができ、弾性部材973bはコイルスプリングを使用することができる。
弾性部材973bは、関節部973aにもかかわらず、ハンドルバー971が一文字を維持できるようにする。したがって、作業者は接続突起972を接続部960に容易に接続させることができる。また、船舶の揺動などによってハンドルバー971が屈折されることを防止して作業者の安全を図ることができる。
図37は、図35の関節部973aの構成を示す分解斜視図である。
関節部973aは、第1関節部材931a1と第2関節部材931a2とを備え、二つの関節部材931a1、931a2の間に挿入されて回転可能であり、かつ分離されないようにする挿入部材973a3と二つのピン974a4、974a5とを備える。第1及び第2関節部材931a1、931a2は、両側に結合のためのフランジ部が形成され、フランジ部にはピン973a4、973a5と結合するための貫通孔が形成される。二つの関節部材931a1、931a2は、互いに90度ねじれた状態で結合されて、二つの関節部材931a1、931a2の間には挿入部材973a3が介在する。挿入部材973a3は互いに90度方向に交差する貫通孔が形成され、この貫通孔にはそれぞれのピン973a4、973a5が結合される。
万一、二つの関節部材931a1、931a2が一つの軸に結合されれば、挿入部材973a3は必要ないが、一平面上の回転運動しか許容されない。しかし、本発明の実施例による関節部973aのように、二つの関節部材931a1、931a2が互いに90度方向に交差するピン973a4、973a5に結合されれば、二つの平面状でで回運動が可能になる。これは、単純に第1ハンドルバー971−1と第2ハンドルバー971−2がどの方向にも折れることができるだけではなく、二つのハンドルバー971−1,971−2が折れられた状態でも回転力が伝達されることを意味する。
図38は、回転カバーを備えるハンドルユニットを示す図である。
回転カバーは、ハンドル974に回転可能となるように設けられる第1回転カバー975−1と、第2ハンドルバー971−2に回転可能なように設けられる第2回転カバー975−2とを備えることができる。ハンドル974は、第1回転カバー975−1の上、下端を支持することができる支持帯974a、974bを備え、第2ハンドルバー971−2は、第2回転カバー975−2の上、下端を支持することができる支持帯971−2a,971−2bを備えることができる。回転カバーは、ハンドル974または第2ハンドルバー971−2と相対的に回転が可能である。相対的に回転が可能であるという意味は、ハンドル974及び第2ハンドルバー971−2の回転にもかかわらず停止状態を維持することができるということである。
次に、図39と図40を参照し、ハンドルユニット970を使用してトロリー900を動作させる方法に対して説明する。
図39は、本発明の第5実施例によるトロリー900の接続部960とハンドルユニット970の結合測定方法を示す図であり、(a)は接続突起972が挿入される前の様子を、(b)は接続突起972が貫通溝963に挿入された様子を、(c)は接続突起972が回転空間961a内で90度回転した様子を、(d)は接続突起972が定着溝964に定着した様子を示す断面図である。また、図40は、本発明の第5実施例によるトロリー900を動作させる姿を示す図である。
ハンドルバー971は、弾性部材973bによって一文字を維持することができるので、接続突起972をガイド部材965の開口内部に容易に位置することができる。接続突起972は、ガイド部材965によってガイドされて貫通溝963を貫通して回転空間961aに進入した後、貫通溝963と定着溝964がずれた角度(図39では90度)だけ回転して定着溝964に定着され得る状態になる。この際、所定の角度ずれたとしてもガイド突起966により定着溝964に案内され得る。定着溝964に定着され得る状態でハンドルユニット970を下に引っぱって接続突起972が定着溝964に定着される。以後、ハンドルバー971を回転させることで回転力を接続部960に伝達することができるようになる。この際、図40に示したように、作業者は片手でハンドル974を把持し他の手でハンドルバー971を把持して回転力を印加することができる。また、ハンドルバー971は屈折部973によって多様な角度に屈折されるので、作業者は多様な姿勢でハンドルバー971を回転することができる。
同時に、回転力を印加する際、回転カバー975−1、975−2の役割に対して説明する。回転カバーは、使用者が手でハンドル974及びハンドルバー971を把持した状態で回転力を入力する際、ハンドル974及びハンドルバー971の回転に伴って手を返さなければならない必要がないようにする。すなわち、使用者は両手に第1回転カバー975−1と第2回転カバー975−2を把持した状態で、第2回転カバー975−2を把持した腕は回転軸になるように固定した状態で、第1回転カバー975−1を把持した腕を回転軸を中心に自転のように回転させて回転力を入力する。使用者が入力する回転に伴ってハンドル974とハンドルバー971は回転するが、回転カバー975−1、975−2はこれらの回転と無関係に停止状態を維持することができ、使用者が煩わしく把持した手を回転方向の反対方向に回転したり手の平が摩擦されたりすることを防止することができる。
図41は、図35の他の実施例によるハンドルユニット980を示す図であり、屈折前の状態を示し、図42は図41の屈折後の状態を示す。
屈折部は、多方向関節部983と、関節部983を開放したり覆ったりすることができるカバー部材985を備えることができる。カバー部材985は図35の弾性部材973bに対応する他の実施例である。カバー部材985は、関節部983周辺部を少なくとも一部包むように設けられてハンドルバー981に沿ってスライディング移動することができる。カバー部材985が関節部983方向に滑って移動して関節部983の周りを少なくとも一部包むので、ハンドルバー981が折れることを防止することができる。
ハンドルバー981は、カバー部材985が関節部983を覆うように弾性力を提供する弾性支持部987をさらに備えることができる。弾性支持部987は、カバー部材985が関節部983を露出させるように下向きに移動した場合、カバー部材985が原位置(関節部983を覆う状態)に復帰するように弾性力を付与する。また、関節部983の上端に設けられ、カバー部材985の上端部を支持してカバー部材985の上側の動きを制限することができる停止帯985aが具備され得る。
ハンドルバー981は、カバー部材985が関節部983を開放した状態で、固定することができるカバー部材固定部986をさらに備えることができる。カバー部材固定部986は、カバー部材985の下端に突出する固定部材986bと、弾性支持部987の下端に設けられて回動可能で固定部材986bに結合する移動部材986aとを備えることができる。この際、固定部材986bと移動部材986aは互いに位置が入れ替わっても構わない。
図41に示したように、使用者は、カバー部材985が関節部983を覆って一文字が維持されたハンドルユニット980を接続部960に接続させることができる。その後、カバー部材985を引っぱってハンドルバー981が屈折され得るように、関節部983の部位が完全に露出されるようにする。したがって、使用者は斜めの角度でハンドルユニット980を回転することができる。この際、図41に示したように、カバー部材固定部986にカバー部材985を固定して関節部983が開放されたまま維持することができる。
図43は、図35のまた他の実施例によるハンドルユニット990を示す図であり、屈折後の状態を示す。屈折部993は、図43の部分拡大図に示したように、第2弾性部材993aと、第2弾性部材993aを内挿した弾性カバー993bとを備えることができる。例えば、第2弾性部材993aは、スプリングを備えることができ、弾性カバー993bはゴムまたはプラスチックなどの可撓性のある物質を備えることができる。また、第2弾性部材993aと弾性カバー993bが一体に形成されることを備える。弾性カバー993bは屈折部993を撓ませる外力が除去される場合、ハンドルバー991が一文字を維持できるようにする。
図44は,長さ延長が可能なハンドルユニット970を示す図であり、長さが延長された状態を示す。ハンドルユニット970は長さを可変的に変えることができる。トロリー900の設置高さは、必要によって変わる可能性があり、使用者の背や作業する環境が変わることもある。したがって、長さが可変的なハンドルユニット970は、多様な状況で最適の高さでトロリー900に動力を入力することが可能である。
図44を参考すると、第2ハンドルバー971−2は、1段ハンドルバー976aと2段ハンドルバー976cとを備える2段構造とすることができる。1段ハンドルバー976aは2段ハンドルバー976cの中に挿入可能である。したがって、1段ハンドルバー976aが2段ハンドルバー976cの中に挿入された状態では、ハンドルユニット970の全体的な長さが減少し、1段ハンドルバー976aが2段ハンドルバー976cと分離しない程度に抜け出た状態では、ハンドルユニット970の全体的な長さが増加する。この際、図に示さなかったが、1段ハンドルバー976aが2段ハンドルバー976cの外部に分離されることを阻むことができる係止帯と係止突起を1段ハンドルバー976aの外周面と2段ハンドルバー976cの内周面に備えることができる。
また、ハンドルユニット970は可変的に長さが変わるだけでなく、変わった状態で固定することもできる。1段ハンドルバー976aには、内部に挿入可能となるように設置され、外周面に突出した固定突起976bを設けることができる。固定突起976bは1段ハンドルバー976aの外部に突出した状態を維持するように弾性支持され得る。1段ハンドルバー976aが2段ハンドルバー976cの中に挿入される場合、2段ハンドルバー976cに設けられる係止溝(図示せず)により固定突起976bが係止される。この際、固定突起976aの2段ハンドルバー976cと向き合った面は、容易に挿入されるように曲線で設けられ、対向する面は、2段ハンドルバー976cの係止溝(図示せず)に係止した状態を容易に維持できるように傾いた形状で設けることができる。
図44は、長さ延長が可能なハンドルユニット970の最も一般的な形態を示したのみであり、長さが延長可能な構造または変形された長さ状態で固定する構造などは、通常の技術範囲内で採用することができる。また、2段以上の長さ延長構造が可能であり、クランプを用いて連続的な長さ可変が可能となるように設けることができる。
図45は、伝動装置(d)によって回転が可能なハンドルユニット970を示す図であり、図46は図45の底面図である。
作業者が直接回転力を入力する場合、動力の入力持続時間が短く、回転速度が遅く、回転力の大きさも小さいことがある。これと異なり、別途の伝動装置(Driver、D)を利用する場合、入力持続時間が長く、回転速度が早く、回転力の大きさも大きい。第2ハンドルバー971−2の下端には、伝動装置(D)のレンチ(Wrench、W)が挿入され得るソケット977aを設けることができる。ソケット977aはレンチ(W)の外面に対応する形状を有する。例えば、6角レンチ(W)を使用する場合ソケット977aも6角の溝を形成する。
ソケット977aは、第2ハンドルバー971−2に一体に形成されることだけではなく、別途のソケット部材977bに形成され得る。ソケット部材977bは、多様なレンチ(W)の大きさまたは形状に対応可能となるように多様な大きさまたは形状のソケット977aが形成され得、第2ハンドルバー971−2と脱着可能となるように結合することができる。また、ソケット部材977bが第2ハンドルバー971−2に挿入された状態で第2ハンドルバー971−2と独立的に回転することを防止するために、ソケット部材977bの外面には掛り部977cを設けることができる。
また、図面においては、伝動装置(D)にレンチ(W)が設けられ、第2ハンドルバー971−2にソケット部材977bが形成されたことを示したが、これと異なり、伝動装置(D)にソケット(図示せず)が設けられ、第2ハンドルバー971−2の底面にレンチ(図示せず)が突出され得る。
ソケット977aは、第2ハンドルバー971−2の下端に形成される場合、回転軸が並んで伝動装置(D)が自転することを防止することができる。この際、第2ハンドルバー971−2の回転と共に、これと連結されたハンドル974も同時に回転するようになる。ハンドル974は、第2ハンドルバー971−2を回転軸に自転するようになるが。この際、ハンドル974は、ソケット977aの位置より作業者側に突出しているので、回転において作業者にとって危険要素となることがある。
したがって、本発明の実施例によるハンドルユニット970は、ハンドル974を回転させることができる回転部978を備えることができる。ハンドル974は、回転部978により180度回転することができ、回転によって作業者側に突出した方向から遠くなる方向に位置が転換され得る。図面には示さなかったが、回転部978は、回転状態を固定することができる固定装置を備えることができる。回転の途中でハンドル974が作業者側に回転移動することを防止するためである。
本発明は、添付された図に示した一実施例を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、該技術分野において通常の知識を有した者であれば、これにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能だという点を理解することができる。したがって、本発明の真の範囲は添付された請求範囲によってのみ定められなければならない。