JP2016501151A - 土木工学用タイヤのための摩耗インジケータ - Google Patents

Abstract

大きな初期厚さＥのトレッド（２）を有する土木工学機械用のタイヤ（１）であって、この厚さは、使用中に摩耗可能な材料の厚さに対応しており、トレッド（２）は、転動中、路面に接触するようになった滑らかな（即ち、凹部が全くない）転動面（２０）を有し、トレッド（２）は、側方フェース（２１）によって軸方向に制限され、タイヤ上における側方フェースの半径方向延長部として、サイドウォール（３）が設けられ、トレッド（２）は、トレッドの摩耗レベルを視覚的に指示する摩耗インジケータ型装置を備え、タイヤ（１）は、摩耗インジケータ型装置がトレッドの側方フェース（２１）のうちの少なくとも一方に形成された複数本の溝（２１１，２１２，２１３）と、各溝について、摩耗すべき残存する初期厚さＥの百分率に対応した摩耗レベルを指示する可視指数（２１１０，２１２０，２１３０）とを組み合わせて有することを特徴とするタイヤ（１）。

Description

本発明は、土木工学車両用タイヤに関し、特に、大きな厚さを備えたトレッド（「エキストラディープトレッド（extra deep tread）」）を有していて、地下鉱床で用いられる車両に取り付けられるようになったタイヤに関する。

性質上暗い地下鉱床で用いられる工事車両は、トレッドにはトレッドパターンが全くないタイヤを備えている。これらタイヤは、特に劣悪な走路に沿って転動し、モニタ可能でなければならないトレッドの摩耗を呈し、その目的は、結果的に採鉱を停止させる困難な介入を必要とする出来事の発生を回避することにある。

関連のタイヤは、この場合、摩耗すべき材料の極めて大きな厚さを備えたトレッドを有し、極めて大きな厚さは、この場合、少なくとも７０ｍｍに等しく、そして最高１３０ｍｍ又はそれどころかそれ以上の範囲にわたる場合のある厚さを意味するようになっている。

慣例として、結果的に、トレッドの摩耗をモニタすることができるようにするためにこれらトレッドには少なくとも１つの横方向切り欠きが設けられている。これら横方向切り欠きは、タイヤを成型する際に形成され、トレッドの転動面上とこのトレッドの側方フェースのうちの一方上の両方に開口する。

この摩耗モニタ装置により、残存する切り欠き深さの評価を視覚的に行うことができるが、これは、残存する厚さの示唆的評価であるに過ぎない。かかる摩耗モニタ装置は、完全に満足のゆくものではない。というのは、残存する厚さを知るためには、適当な装置を用いて切り欠きの残存する深さの測定を実施することが必要だからである。

さらに、新品状態において転動面上に開口した各切り欠きは、鉱床中の走路上で見受けられる場合のある異物の入り込みの可能性のある箇所である。すると、これら異物は、タイヤを損傷させ又はそれどころか材料の引きちぎりを促進する場合があり、次に摩耗すべき材料の残存深さの読みを妨げる場合がある。

さらに、特に英国特許出願公開第２３１２６５４（Ａ）号明細書で分かるように、互いに異なる色の２つの層を重ね合わせることによってトレッドを形成することが知られており、第２の層の外観は、所定の摩耗レベルを指示している。

定義

赤道中間面：これは、回転軸線に垂直であり且つこの軸線から見て半径方向最も遠くに位置するタイヤの箇所を通る平面である。

半径方向は、本明細書では、タイヤの回転軸線に垂直な方向を意味することが意図されている（この方向は、トレッドの厚さの方向に一致している）。

横方向又は軸方向は、タイヤの回転軸線に平行な方向を意味することが意図されている。

円周方向は、中心が回転軸線上に位置する任意の円に接する方向を意味することが意図されている。この方向は、軸方向と半径方向の両方向に垂直である。

トレッドの全厚Ｅは、このトレッドを備えたタイヤの赤道面上で、新品状態における転動面と新品状態におけるクラウン補強材の半径方向最も外側の部分との間で測定される。

通常のタイヤ転動条件又は使用条件は、規格E.T.R.T.O.（欧州タイヤ・リム技術協会）又は規格T.R.A.（タイヤ・リム協会）により定められた条件であり、これら使用条件は、ロードインデックス及び速度コードで指示されるタイヤの積載能力に対応した基準インフレーション圧力を規定している。これら使用条件は、「公称条件」又は「利用条件」とも呼ばれる場合がある。

英国特許出願公開第２３１２６５４（Ａ）号明細書

本発明の目的は、土木工学車両用のタイヤのための摩耗インジケータを提案することにあり、これらタイヤは、大きな厚さのトレッドを有し、摩耗インジケータは、実際の使用現場において、特に地下鉱床で遭遇する暗闇又は半暗闇条件において容易な読みを可能にする。

この目的のため、本発明の要旨は、使用中に摩耗可能な材料の厚さに対応した大きな厚さＥのトレッドを有する土木工学車両用のタイヤであって、トレッドは、新品状態において、転動中、路面に接触するようになった滑らかな（即ち、凹部が全くない）転動面を有し、トレッドは、側方フェースによって軸方向に制限され、側方フェースの半径方向延長部として、タイヤのサイドウォールが設けられ、トレッドがトレッドのための摩耗インジケータ型装置を備えている形式のタイヤにある。

このタイヤは、摩耗インジケータ型装置がトレッドの側方フェースのうちの少なくとも一方に形成された複数本の溝と、各溝について、摩耗すべき残存する初期厚さの百分率に対応した摩耗レベルを指示する可視指数とを組み合わせて有することを特徴としている。

可視指数は、具体的に言えば、摩耗すべき材料の残存百分率に対応したタイプ７５、５０、２５、即ち、それぞれ、厚さＥの７５％、５０％、２５％のものである場合がある。

有利には、摩耗レベルを指示する装置は、複数本の円周方向に差し向けられた溝を有し、溝は、同心円に沿って配置されると共に中心が回転軸線上に位置している。

好ましくは、各溝は、摩耗すべき残存厚さをモニタしなければならない観察者によって容易に識別されるようにするためにタイヤ周りにぐるりと丸一回転するよう円周方向に連続している。

さらにより好ましくは、各溝の深さは、新品状態におけるトレッドの転動面に対するその位置と関連し、この深さは、新品状態における転動面に対する距離が増大すると、減少することができる。

有利には、各溝が側壁及び側壁を相互に連結している溝の底を有し、少なくとも、この溝の底は、光を反射することができる着色材料で被覆されている。

この摩耗モニタ装置は、トレッドの一方の側方部分にのみ又は両方の側方部分上に作られるのが良い。

別の有利な変形例では、少なくとも、各溝の底は、この溝に特有の色で塗られる。この構成により、摩耗レベルの改善された指示及び解釈が可能であり、しかも特に暗い環境、例えば地下鉱床内でも改善された指示及び解釈が可能である。さらに、各溝の可視指数は、これが特徴付ける溝の色と同じ色で塗られるのが良い。

本発明の他の特徴及び他の利点は、非限定的な例として本発明の要旨の実施形態を示す添付の図面を参照して、以下に与えられる説明から明らかになろう。

円周方向の向きの複数本の溝を備えた土木工学用タイヤのサイドウォールの平面図であり、これら溝が、連続している状態を示す図である。 図１に示されたタイヤのトレッドの一部分の断面図である。 本発明の土木工学用タイヤのサイドウォールの別の変形例を示す図であり、この変形例が円周方向の向きの複数本の不連続の溝を有する状態を示す図である。

図の読みを容易にするため、同一の参照符号が本発明の実施形態の説明に用いられており、なお、これら参照符号は、構造的であれ機能的であれいずれにせよ、性質が同一の要素を指している。

図１は、土木工学用タイヤの側部の平面図であり、このタイヤは、摩耗インジケータ型装置を有するトレッドを備え、この摩耗インジケータ型装置は、円周方向の向きの複数本の溝によって形成され、これら溝は、連続している。

図示のタイヤ１は、２６．５Ｒ２５のサイズのタイヤである。このタイヤは、１２４ｍｍに等しい初期厚さＥ及び６８２ｍｍに等しい幅のトレッド２を備えている。このトレッド２は、新品状態では、転動中、路面に接触するようになった転動面２０を有し、各側におけるこの転動面２０の延長部として、側方フェース２１が設けられ、これら側方フェースそれ自体の延長部として、タイヤのサイドウォール３が設けられている。これらサイドウォール３は、取り付けリムと接触関係をなすようになったビード４で終端している。トレッドは、全体がその転動面２０上に開口した溝を備えておらず、従って、材料は全て、使用中に摩耗可能である。

トレッドの摩耗を指示する装置がトレッド２の側方フェース２１のうちの一方上に形成されている。この装置は、一連の３本の円周方向に連続した溝２１１，２１２，２１３から成り、これら溝２１１，２１２，２１３は、同心であり且つ中心がタイヤの回転軸線上に位置している。図示の実施例では、各溝２１１，２１２，２１３にはそれぞれ、可視指数２１１０，２１２０，２１３０が割り当てられており、各可視指数は、摩耗すべき残存する厚さを指示している。例えば、半径方向最も外側の溝２１１は、可視指数“７５”と組み合わされ、それにより、トレッドの摩耗がこの溝にいったん達すると、初期厚さＥの７５％に等しい摩耗すべき厚さが残存していることを指示している。各溝の深さは、この場合、１０ｍｍに等しい。

溝に関する可視指数は、当然のことながら、適当な時点でのその読みを容易にするためにこの溝上の互いに異なる位置に形成されている。

この実施例では、摩耗すべき残存厚さの可視性及び解釈を強化するため、各溝が側壁及びこれら側壁を相互に連結する溝の底を有する状態で、各溝の底は、各溝に特有な色を有し且つ光を反射することができる塗料５で覆われている。このように、地下鉱床で遭遇する条件である特に望ましくない条件下における読みが結果として容易になる。というのは、フロントランプからの入射光が溝の底の塗料によって強く反射されるからである。同様に、この塗料は、溝の底及び壁上に施されるのが良い。

図２は、図１に示されたタイヤ１のトレッド２の側方部分及びサイドウォール３の断面図である。

この図２は、３本の溝２１１，２１２，２１３を示しており、これら溝の底には、タイヤを成型後に施された塗料５が塗布されており、この塗料は、事実上完全な暗闇又はそれどころか完全な暗闇の条件下において自己反射性である。溝は、トレッドの側面２１に実質的に垂直であるよう成形されている。図示していない変形例では、これら溝は、これら溝が回転軸線に平行であるように成形されても良い。

図３は、本発明の土木工学用タイヤの別の変形例を示しており、この変形例は、トレッド２の側方フェース２１上に、円周方向の向きの複数本の不連続の溝２１１，２１２，２１３を有している。摩耗すべき残存厚さを指示する可視指数２１１０，２１２０，２１３０に対応した各摩耗レベルは、一連の複数本の小さな溝から成る。

この変形例は、トレッド２が僅かな程度までしか弱体化されないという点で有利である。というのは、なくなる材料の量（各溝と関連した）が図１及び図２に示された実施例と比較して制限されるからである。

この変形例によれば、一摩耗レベル当たりの溝の本数（各可視指数に対応している）は、摩耗すべき残存する厚さにつれて減少する。別の変形例では、この本数は、摩耗すべき残存する厚さにつれて増大する場合がある。

当然のことながら、この変形例を着色被膜の存在と組み合わせることが可能であり、この着色被膜は、適当な時点でその読みを促進するために自己反射性であるのが良い。また、可視指数２１１０，２１２０，２１３０が各々、複数本の溝に関してこれが付随する色を有するようにすることが有利な場合がある。

これら２つの変形例を用いて本発明を説明したが、理解されるべきこととして、本発明は、これら変形例には限定されず、特許請求の範囲の記載によって定められる本発明の範囲から逸脱することなく、これら変形例に対して種々の改造を行うことができる。特に、本発明の摩耗インジケータ型装置は、トレッドの各側方部分上に設けられても良い。

Claims (7)

1. 大きな初期厚さＥのトレッド（２）を有する土木工学車両用のタイヤ（１）であって、前記厚さは、使用中に摩耗可能な材料の厚さに対応しており、前記トレッド（２）は、転動中、路面に接触するようになった滑らかな、即ち、凹部が全くない転動面（２０）を有し、前記トレッド（２）は、側方フェース（２１）によって軸方向に制限され、前記タイヤ上における前記側方フェースの半径方向延長部として、サイドウォール（３）が設けられ、前記トレッド（２）は、前記トレッドの摩耗レベルを視覚的に指示する摩耗インジケータ型装置を備えている、タイヤにおいて、前記摩耗インジケータ型装置は、前記トレッドの前記側方フェース（２１）のうちの少なくとも一方に形成された複数本の溝（２１１，２１２，２１３）と、各溝について、摩耗すべき残存する前記初期厚さＥの百分率に対応した摩耗レベルを指示する可視指数（２１１０，２１２０，２１３０）とを組み合わせて有する、タイヤ（１）。
2. 前記トレッドの前記摩耗インジケータ型装置は、複数本の円周方向に差し向けられた溝（２１１，２１２，２１３）を有し、前記溝（２１１，２１２，２１３）は、同心円に沿って配置されると共に中心が回転軸線上に位置している、請求項１記載のタイヤ（１）。
3. 各溝（２１１，２１２，２１３）は、前記タイヤ周りにぐるりと丸一回転するために円周方向に連続している、請求項１又は２記載のタイヤ（１）。
4. 各溝（２１１，２１２，２１３）の深さは、新品状態における前記トレッドの前記転動面（２０）に対するその位置と関連し、前記深さは、前記転動面に対する距離が増大すると、減少する、請求項１乃至３の何れか１項に記載のタイヤ（１）。
5. 各溝（２１１，２１２，２１３）は、溝の底（５）を有し、前記溝の底は、光反射着色材料で被覆されている、請求項１乃至４の何れか１項に記載のタイヤ（１）。
6. 各溝（２１１，２１２，２１３）は、該溝に特有の色で塗られている、請求項５記載のタイヤ（１）。
7. 各可視指数（２１１０，２１２０，２１３０）は、該可視指数に特有の色で塗られ、前記色は、前記摩耗レベルと関連している、請求項１乃至６の何れか１項に記載のタイヤ（１）。

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