JP2017030531A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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充 平間
Mitsuru Hirama
充 平間
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【課題】ドライ路面における操縦安定性を低下させることなく、摩耗の進行度を容易に確認することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】ウェアインジケータ40近傍の陸部20に摩耗表示用のサイプ50を形成し、該サイプ50を両端が陸部20内で終端すると共に、陸部表面において直線状に延在し、且つ、摩耗の進行に伴って露出するサイプ50の延長方向が変化するように深さ方向に沿って捩じりが加えられて、サイプの陸部表面から最深部までの捩じれ角度θ1が30°以上135°未満である形状にする。【選択図】図3

Description

本発明は、ウェアインジケータを備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ドライ路面における操縦安定性を低下させることなく、摩耗の進行度を容易に確認することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤでは、一般的に、摩耗限界を示すためのウェアインジケータが設けられている。ウェアインジケータは、トレッドに設けられた周方向溝の溝底を部分的に隆起させることで形成される。ドライバーは、このウェアインジケータがトレッド表面に露出したことを目視することによって、タイヤが摩耗限界に達したことを認知する。しかしながら、このようなウェアインジケータでは、摩耗限界に達したことは認知できるが、摩耗限界に達するまでの摩耗の進行度を判断することは難しかった。
そこで、例えば特許文献1は、周方向溝の子午線断面形状を溝底に向かって溝幅が段階的に減少する階段状にして、摩耗の進行度に応じて溝幅が段階的に減少するようにして、摩耗限界に達する以前の摩耗の進行度を判断可能にすることを提案している。しかしながら、この方法では、摩耗が進むにつれて周方向溝の溝幅が減少してウェット性能が悪化するという問題がある。
これに対して、例えば特許文献2は、トレッド部に深さの異なる複数の凹部を設けて、摩耗の進行に応じて深さが小さい凹部から順番にトレッド表面から消失するようにして、摩耗限界に達する以前の摩耗の進行度を判断可能にすることを提案している。確かに、この方法であれば、摩耗の進行度を示す手段が周方向溝とは別に設けられるので、ウェット性能は維持することができる。しかしながら、トレッド部に複数の凹部が形成されることで、トレッド剛性が低下してドライ路面における操縦安定性(ドライ性能)が悪化すると言う問題がある。そのため、ドライ性能を維持しながら、摩耗の進行度を容易に確認可能にすることが求められている。
実開平4‐109605号公報 特開2006‐232152号公報
本発明の目的は、ドライ路面における操縦安定性を低下させることなく、摩耗の進行度を容易に確認することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部を備え、該トレッド部の表面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を有し、該周方向溝により複数の陸部が区画される一方で、該周方向溝の溝底に該溝底から隆起するウェアインジケータが形成された空気入りタイヤにおいて、前記ウェアインジケータ近傍の陸部に摩耗表示用のサイプが形成され、該サイプは両端が陸部内で終端すると共に、陸部表面において直線状に延在し、且つ、摩耗の進行に伴って露出する前記サイプの延長方向が変化するように深さ方向に沿って捩じりが加えられて、前記サイプの陸部表面から最深部までの捩じれ角度が30°以上135°未満である形状を有することを特徴とする。
本発明では、上述のようなサイプを設けているので、摩耗の進行に応じて陸部表面に露出するサイプの延長方向が変化することで、摩耗の進行度を容易に判断することが可能になる。特に、捩じれ角度が30°以上135°未満であるので、サイプの延長方向が適度な範囲で変化して、摩耗の進行度を容易かつ確実に判別することができる。また、このサイプは、陸部剛性が相対的に高いウェアインジケータ近傍に設けられるので、サイプを設けることによる局所的な陸部剛性の低下を回避して、ドライ性能を維持することができる。
本発明では、サイプがタイヤ周方向に間隔をおいて2〜12箇所に分散して配置されることが好ましい。このとき、このサイプはタイヤ周方向に等間隔に配置されることが好ましい。このようにサイプを配置することで、トレッド剛性の低下を避けながら、摩耗の進行度の確認を容易にすることができる。更に、周方向に複数のサイプが配列されるので、周方向の偏摩耗を容易に検出することも可能になる。
本発明では、サイプが、タイヤ幅方向最外側の周方向溝の外側に位置するショルダー陸部のうち少なくとも車両装着時に車両に対して外側となる外側ショルダー陸部に設けられた仕様にすることもできる。このような仕様では、摩耗の進行度を示すサイプが車両装着時に車両に対して外側のショルダー部に設けられているので、タイヤが車両に装着された状態での摩耗の進行度の確認が容易になる。
或いは、本発明では、サイプが、タイヤ赤道に最も近い陸部とタイヤ幅方向最外側の周方向溝の外側に位置するショルダー陸部とにそれぞれ設けられた仕様にすることもできる。このような仕様では、摩耗の進行度の確認を容易にするだけでなく、タイヤ幅方向の偏摩耗を容易に検出することも可能になる。
本発明では、サイプの深さが有効溝深さの40%以上であると共に、サイプの陸部表面から有効溝深さの30%の位置を30%摩耗位置としたときのサイプの陸部表面から30%摩耗位置までの捩じれ角度が90°以下であることが好ましい。このようにサイプを構成することで、摩耗の進行度を示すためのサイプが摩耗限界に達するまで充分に残存して、確実に摩耗の進行度を確認することが可能になり、且つ、サイプが適度に捩じれことでサイプ自体の損傷を防ぐことができる。尚、本発明において、有効溝深さとは、各溝における陸部表面からウェアインジケータの上面までの深さである。
本発明では、サイプの厚さが0.4mm〜1.0mmであることが好ましい。このようにサイプの厚さを設定することで、トレッド剛性の維持とサイプの視認性の向上とを高度に両立することができる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッド部を示す正面図である。 本発明の摩耗表示用のサイプ近傍を拡大して示す斜視図である。 摩耗に伴うサイプの延長方向の変化を説明する模式図である。 本発明の別の実施形態からなる摩耗表示用のサイプ近傍を拡大して示す斜視図である。 本発明の別の実施形態からなる摩耗表示用のサイプ近傍を拡大して示す斜視図である。 本発明の別の実施形態からなる摩耗表示用のサイプ近傍を拡大して示す斜視図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、符号CLはタイヤ赤道を表わす。本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とから構成される。左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側からタイヤ外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
図1の空気入りタイヤのトレッド部1には、図2に示すように、複数本(図1,2では4本)の周方向溝10が形成され、これら複数本の周方向溝10によって、複数列(図1,2では5列)の陸部20が区画される。尚、周方向溝10には、溝幅が例えば4mm〜20mmの主溝11と、溝幅が例えば1.6mm〜4mmの細溝12とが含まれる。図1,2の実施形態では、タイヤ赤道CLのタイヤ幅方向両側に一対の主溝11が配置され、これら一対の主溝11のタイヤ幅方向外側の一方側(図の右側)には主溝11、他方側(図の左側)には細溝12が配置される。これにより、タイヤ赤道CLのタイヤ幅方向両側に配置された一対の主溝11の間にセンター陸部21が区画される。また、タイヤ赤道CL側の主溝11とそのタイヤ幅方向外側に配置された主溝11との間と、タイヤ赤道CL側の主溝11とそのタイヤ幅方向外側に配置された細溝12との間とに、それぞれ中間陸部22が区画される。更に、タイヤ幅方向外側の主溝11のタイヤ幅方向外側と、細溝12のタイヤ幅方向外側とに、それぞれショルダー陸部23が区画される。
図2の例では、センター陸部21および中間陸部22のそれぞれに、主溝11に連通して各陸部20(センター陸部21、中間陸部22)内で終端するラグ溝30がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられる。これらラグ溝30は、タイヤ幅方向に対して一方側に傾斜している。また、各主溝11のタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30どうしの間の部分に主溝11に沿って面取りが施されている。尚、主溝11と細溝12との間の中間陸部22については、前述のラグ溝30に加えて、細溝12に連通して中間陸部22内で終端するラグ溝30が設けられている。
主溝11のタイヤ幅方向外側に区画されたショルダー陸部23には、主溝11に連通せずにタイヤ幅方向に延在するラグ溝30がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられる。一方、細溝12のタイヤ幅方向外側に区画されたショルダー陸部23には、細溝12に連通してタイヤ幅方向に延在するラグ溝30がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられる。ショルダー陸部23に設けられたこれらラグ溝30には、ショルダー陸部23の表面におけるラグ溝30の輪郭に沿って面取りが施されている。また、細溝12側のショルダー陸部23については、細溝12のタイヤ周方向に隣り合うラグ溝30どうしの間の部分に細溝12に沿って面取りが施されている。尚、細溝12の両側に位置するラグ溝30は略同一線上に配置されている。
各周方向溝10(主溝11および細溝12)には、ウェアインジケータ40が設けられる。ウェアインジケータウェアインジケータ40は、トレッド部1の摩耗限界を示すものであり、周方向溝10の溝底からの高さが例えば1.6mmに設定される。ウェアインジケータ40はタイヤ周上の例えば4箇所以上に設けられる。各ウェアインジケータ40は、図3に示すように、溝底から隆起した形状を有し、頂面と一対の傾斜面とを有する。
本発明では、図2,3に示すように、上述のウェアインジケータ40の近傍の陸部20に摩耗表示用のサイプ50が形成されている。このサイプ50は、両端が陸部内で終端すると共に、陸部20の表面において直線状に延在し、且つ、摩耗の進行に伴って露出するサイプ50の延長方向が変化するように深さ方向に沿って捩じりが加えられた形状を有する。このとき、サイプ50の陸部表面から最深部までの捩じれ角度θ1は30°以上135°未満に設定される。尚、本発明において、捩じれ角度θ1とは、サイプ50の陸部20の表面における延長方向と最深部における延長方向との間の捩じれ方向の角度差である。
本発明では、上述の形状のサイプ50を設けているので、摩耗の進行に応じて、図4に模式的に示すように、陸部表面における捩じりサイプの延長方向が変化する。図4の例では、図4(A)に示す新品時では、サイプ50がタイヤ周方向に延長しているが、例えば、図4(B)に示す30%摩耗時(陸部表面から有効溝深さDの30%が摩耗した状態)から図4(C)に示す60%摩耗時(陸部表面から有効溝深さDの60%が摩耗した状態)へと摩耗が進行するにつれて、摩耗して露出した表面に現れるサイプ50の延長方向が徐々にタイヤ周方向に対して傾斜してタイヤ幅方向に近付いている。従って、摩耗時に露出するサイプ50の延長方向を見ることで、摩耗の進行度を容易に判断することが可能になる。
このとき、捩じれ角度θ1が30°以上135°未満に設定されているので、サイプ50の延長方向が適度な範囲で変化して、摩耗の進行度の判断が容易かつ確実になる。捩じれ角度θ1が30°よりも小さいと、摩耗に伴うサイプ50の延長方向の変化が小さくなり、摩耗の進行度の判別が難しくなる。捩じれ角度θ1が135°以上であると、摩耗に伴うサイプ50の延長方向の変化量を誤認する可能性があり(例えば、捩じれ角度θ1が150°の場合、本来の捩じれと逆方向に30°捩じれたようにも見える)、摩耗の進行度を適切に認識できなくなる。好ましくは、捩じれ角度θ1を45°以上90°以下にするとよい。尚、サイプ50の捩じれ形状は、一定の割合で捩じれる(サイプ50の深さと捩じれ角度が比例する)形状であるとよいが、サイプ50の深さと捩じれ角度が比例しない形状であってもよい。
また、サイプ50は、陸部剛性が相対的に高いウェアインジケータ40近傍に設けられるので、サイプ50を設けることで陸部剛性が局所的に低下することが避けられ、ドライ路面における操縦安定性を維持することができる。逆に言えば、サイプ50によってウェアインジケータ40近傍の陸部剛性の上昇を抑えて、トレッド剛性の均一化を図ることができる。尚、ウェアインジケータ40近傍とは、ウェアインジケータ40のタイヤ周方向中心からタイヤ周方向に50mm以内の範囲である。
本発明において、サイプ50は、主溝11、細溝12、ラグ溝30よりも溝幅が小さい微細な溝である。このサイプ50は、少なくとも通常のサイプと同程度の厚さ(例えば0.3mm〜1.5mm)を有していればよいが、摩耗表示手段として充分な視認性を得るためにサイプの厚さを例えば0.4mm〜1.0mmにすることが好ましい。このとき、サイプ50の厚さが0.4mmよりも小さいと、サイプ50が薄くなり過ぎてサイプ50の視認性が悪くなる。また、サイプ50の製造が困難になる。サイプ50の厚さが1.0mmよりも大きいと、トレッド剛性が低下してドライ性能を維持することが難しくなる。
また、サイプ50は、摩耗限界に近付くまで充分に摩耗表示手段として機能できるように、深さdが有効溝深さDの好ましくは40%以上、より好ましくは50%〜80%であるとよい。サイプ50の深さdが有効溝深さDの40%よりも小さいと、摩耗限界に達する前にサイプ50が消失する虞がある。特に、偏摩耗時のように局所的に摩耗が進行した場合等に、サイプ50が消失して、摩耗の進行度を認識することができなくなる可能性がある。尚、深さdを有効溝深さDの50%以上にした場合に、このサイプ50を冬用タイヤに採用すると、冬用タイヤとしての使用限度を示すスノープラットホームの補助として機能させることもできる。
各サイプ50の捩じれの程度について、陸部表面から最深部までの捩じれ角度θ1を上述の範囲に設定するだけでなく、サイプ50の陸部表面から30%摩耗位置(陸部表面から有効溝深さの30%の位置)までの捩じれ角度θ2を90°以下にすることが好ましい。より好ましくは、捩じれ角度θ2は捩じれ角度θ1の20%〜50%であるとよい。このようにサイプ50を構成することで、サイプ50が適度に捩じれることでサイプ50自体の損傷を防ぐことができる。捩じれ角度θ2が90°を超えると、陸部表面の近くにおいてサイプ50に大きな捩じれが生じて、製造時や走行時にサイプ50が損傷し易くなる。
サイプ50は、前述のようにウェアインジケータ40の近傍に設けられるが、タイヤ周方向に間隔をおいて2〜12箇所、好ましくは6〜9箇所に分散して配置するとよい。このとき、特にサイプ50をタイヤ周方向に等間隔に配置することが好ましい。このようにサイプ50を配置することで、トレッド剛性の低下を避けながら、摩耗の進行度の確認を容易にすることができる。更に、周方向に複数のサイプ50が配列されるので、周方向の偏摩耗を容易に検出することも可能になる。特に、複数のサイプ50がタイヤ周方向に等間隔で配置されると、摩耗の進行度を確認しようとする際に、いずれかのサイプ50がタイヤの上部側に存在するようになるので、サイプ50を視認し易くなる。
図2の例では、サイプ50は、タイヤ赤道CLに最も近い陸部(センター陸部21)とタイヤ幅方向最外側の周方向溝10(主溝11および細溝12)の外側に位置するショルダー陸部23とにそれぞれ設けられているが、このような仕様では、摩耗の進行度の確認を容易にするだけでなく、タイヤ幅方向の偏摩耗を容易に検出することも可能になる。即ち、タイヤ幅方向に並んだサイプ50の摩耗後における延長方向を比較することで、各部分の摩耗の進行度を比較することができ、偏摩耗の検出が可能になる。
或いは、タイヤ幅方向最外側の周方向溝の外側に位置するショルダー陸部23のうち少なくとも車両装着時に車両に対して外側となる外側ショルダー陸部にサイプ50が設けられた仕様にすることもできる。このような仕様では、摩耗の進行度を示すサイプ50が車両装着時に車両に対して外側のショルダー陸部23に設けられているので、タイヤが車両に装着された状態での摩耗の進行度の確認が容易になる。尚、図2の例では、タイヤ幅方向両側のショルダー陸部23にサイプ50が設けられているので、どちら側を車両に対して外側にして装着されても、サイプ50を視認し易く、タイヤが車両に装着された状態での摩耗の進行度の確認が容易である。
新品時の陸部表面におけるサイプ50の延長方向は特に限定されない。例えば、新品時の陸部表面におけるサイプ50の延長方向をタイヤ周方向にした場合、摩耗が進むにつれてサイプ50が徐々にタイヤ幅方向を向く(サイプ50の末端が周方向溝10の方を向く)ので、摩耗の進行度の判別がし易い。逆に、新品時の陸部表面におけるサイプ50の延長方向をタイヤ幅方向にした場合も、摩耗が進むにつれてサイプ50が徐々にタイヤ周方向を向く(サイプ50の延長方向が周方向溝の延長方向に揃う)ので、摩耗の進行度の判別がし易い。
サイプ50の形状は、図3の態様に限定されず、例えば、図5〜7に示すような態様にすることもできる。図5および図6の実施形態では、前述のサイプ50が角度の変化しない基準サイプ51と組み合わされている。図5の場合、サイプ50と基準サイプ51とが交差して新品時は十字状のサイプ対が形成され、摩耗が進むにつれてサイプ50が基準サイプ51に重なるように、サイプ50の延長方向が変化していく。図6の場合、サイプ50の端部と基準サイプ51の端部とが繋がり、L字状のサイプ対が形成され、摩耗が進むにつれてサイプ50が基準サイプ51に重なるように、サイプ50の延長方向が変化していく。
また、図7に示すように、サイプ50に孔52を組み合わせることもできる。図7の例では、サイプ50の一方側の端部に陸部表面における形状が円形である孔52が設けられている。これにより、サイプ50において、孔52が設けられた一方側の端部と他方側の端部との区別がつき、摩耗の進行に伴ってサイプ50の延長方向が変化する際に、変化の方向(捩じれ方向)が判り易くなる。尚、孔52の形状は図示の円形に限らず、多角形状にすることもできる。また、孔52は必ずしもサイプ50の端部に形成する必要は無く、サイプ50の長手方向の中途部に設けることもできる。
タイヤサイズが225/40R18であり、図1に例示する基本構造を有し、図2に例示するトレッドパターンを基調とする空気入りタイヤにおいて、摩耗表示用のサイプの有無、このサイプの幅方向および周方向の配置、厚さ、有効溝深さに対する深さ、陸部表面から最深部までの捩じれ角度θ1、陸部表面から30%摩耗位置までの捩じれ角度θ2をそれぞれ表1のように設定した従来例1、比較例1、実施例1〜14の16種類の空気入りタイヤを作製した。
尚、各例において、ウェアインジケータは各周方向溝において周上6箇所に設けられている。従来例1は、ウェアインジケータの近傍に、摩耗の進行度を表示するための手段を一切有さない例である。比較例1は、ウェアインジケータの近傍に摩耗表示用の凹部を有する例である。具体的には、比較例1では、前述の各ウェアインジケータの近傍の陸部にそれぞれ深さの異なる3個の凹部が設けられており、摩耗に伴ってこれら凹部のうち深さの小さいものから順に消失することで、摩耗の進行度を認知することができる。
表1の「サイプの周方向配置」の欄について、実施例1,6〜14はそれぞれ、各ウェアインジケータ(周上6箇所)の近傍の陸部にそれぞれ1つずつのサイプが設けられることで、サイプが周上6箇所に形成されている。実施例2は、各ウェアインジケータの近傍の陸部のうちの2箇所に1つずつのサイプが限定的に設けられることで、サイプが周上2箇所に形成されている。実施例3は、各ウェアインジケータの近傍の陸部のうちの4箇所に1つずつのサイプが限定的に設けられることで、サイプが周上4箇所に形成されている。実施例4は、各ウェアインジケータの近傍の陸部にそれぞれサイプが設けられるが、一部の陸部に2つのサイプが設けられることで、サイプが周上9箇所に形成されている。実施例5は、各ウェアインジケータの近傍の陸部にそれぞれ2つずつのサイプが設けられることで、サイプが周上12箇所に形成されている。
表1の「サイプの幅方向配置」の欄について、サイプがセンター陸部のみに配置された場合を「Ce陸部」、サイプが車両装着時に車両に対して外側になるショルダー部のみに配置された場合を「外Sh陸部」、センター陸部とタイヤ幅方向両側のショルダー陸部に配置された場合を「Ce陸部/両Sh陸部」と示した。表1の「サイプの周方向配置」の欄について、サイプが周方向に分散配置された箇所の数を示している。いずれの場合もサイプは周方向に等間隔に配置されている。
これら16種類の空気入りタイヤについて、下記の評価方法により摩耗度確認までの所要時間、摩耗度確認の容易性、ドライ操縦安定性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
摩耗度確認までの所要時間
各試験タイヤをリムサイズ18×7.5Jのホイールに組み付けて、空気圧を230kPaとして、排気量が2Lである試験車両に装着し、テストドライバーによる試験走行(走行距離:約500km)を20回実施し、各試験走行後に摩耗度を確認する際の所要時間を測定した。評価結果は、3回の平均値にて示した。この所要時間が短いほど摩耗度を確認し易いことを意味する。
摩耗度確認の容易性
上述の各試験走行後に各試験タイヤを試験車両から取り外したうえで摩耗度を測定し、上述の試験走行後の摩耗度確認の結果と比較して、これらの差を求めた。評価結果は、従来例1の値の逆数を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど、車両装着状態において目視で確認した摩耗度と実際の摩耗度との誤差が小さく、車両装着状態でも容易に摩耗度が確認できることを意味する。
ドライ操縦安定性
各試験タイヤをリムサイズ18×7.5Jのホイールに組み付けて、空気圧を230kPaとして、排気量が2Lである試験車両に装着し、乾燥路面からなるテストコースにてテストドライバーによる試験走行を実施し、その際の操縦安定性能を官能評価した。評価結果は、従来例1を100とする指数で示した。この指数値が大きいほどドライ操縦安定性が優れていることを意味する。尚、指数値が「98」以上であれば、従来レベルを維持している。
Figure 2017030531
表1から明らかなように、実施例1〜16はいずれも従来例1に対して、ドライ操縦安定性を維持しながら、摩耗度確認までの所要時間および摩耗度確認の容易性を向上した。尚、表1には示していないが、実施例13や実施例14において、サイプの周方向配置、サイプの厚さ、サイプの深さ、捩じれ角度1〜2を実施例2〜12のように変化させた場合、実施例1に対する実施例2〜12と同様の結果となった。
一方、比較例1は、深さの異なる複数の凹部によって、摩耗度を確認可能であるものの、これら凹部によって陸部剛性が低下するため、ドライ操縦安定性を維持することができなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 周方向溝
11 主溝
12 細溝
20 陸部
21 センター陸部
22 中間陸部
23 ショルダー陸部
30 ラグ溝
40 ウェアインジケータ
50 サイプ
51 基準サイプ
52 孔
CL タイヤ赤道

Claims (7)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部を備え、該トレッド部の表面にタイヤ周方向に延在する周方向溝を有し、該周方向溝により複数の陸部が区画される一方で、該周方向溝の溝底に該溝底から隆起するウェアインジケータが形成された空気入りタイヤにおいて、
    前記ウェアインジケータ近傍の陸部に摩耗表示用のサイプが形成され、該サイプは両端が陸部内で終端すると共に、陸部表面において直線状に延在し、且つ、摩耗の進行に伴って露出する前記サイプの延長方向が変化するように深さ方向に沿って捩じりが加えられて、前記サイプの陸部表面から最深部までの捩じれ角度が30°以上135°未満である形状を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記サイプがタイヤ周方向に間隔をおいて2〜12箇所に分散して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイプをタイヤ周方向に等間隔に配置したことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイプが、タイヤ幅方向最外側の周方向溝の外側に位置するショルダー陸部のうち少なくとも車両装着時に車両に対して外側となる外側ショルダー陸部に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイプが、タイヤ赤道に最も近い陸部とタイヤ幅方向最外側の周方向溝の外側に位置するショルダー陸部とにそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイプの深さが有効溝深さの40%以上であると共に、前記サイプの陸部表面から有効溝深さの30%の位置を30%摩耗位置としたときの前記サイプの陸部表面から30%摩耗位置までの捩じれ角度が90°以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイプの厚さが0.4mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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