JP2016501149A - 空力抵抗を減少させるタイヤのサイドウォール部マーキング - Google Patents

空力抵抗を減少させるタイヤのサイドウォール部マーキング Download PDF

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Abstract

乗用車に装備するためのタイヤ(1)であって、回転時に路面に接するように意図されたトレッド部を外側に有するクラウン部(2)を含み、このクラウン部(2)は、タイヤが装着されたリム部(J)に接触するように意図されたビード部(4、4’)において終端するサイドウォール部(3、3’)によって横方向に延ばされ、各サイドウォール部(3、3’)は、タイヤを膨張させる空気に接する内壁と、外気に接する外壁とを含み、サイドウォール部の少なくとも一方は、複数の第1のセクタ(311)及び第2のセクタ(312)を含み、これらの第1及び第2のセクタは、クラウン部(2)と、タイヤがその装着リムに装着されてその使用圧まで膨張した時の軸方向最外地点である地点(F)との間に位置する第1のサイドウォール部分(31)の外壁上に形成され、第1のセクタ(311)は、隆起したマーキング、すなわち0.2mmを上回る高さの隆起したマーキングを全く含まず、第2のセクタ(312)は、少なくとも0.2mmに等しい高さを有する隆起したマーキング(3120)を有し、第1のセクタ(311)は、各々が少なくとも20?に等しい角度を成し、第1のセクタの角度の合計は少なくとも120?に等しい。【選択図】図2

Description

本発明は、回転時に通常のタイヤに比べて良好な空力性能をタイヤに与えるタイヤのマーキングの改善に関する。
乗用車に装備されるタイヤの、特にタイヤが受ける周期的変形に関連するエネルギー損失を通じたエネルギー消費における重要な役割は既に確立されている。
タイヤの形成において、適切な特性を有する材料を使用することによって実質的な改善が得られている。
本発明は、回転時のタイヤに対して風洞内で行った実験的観察によってもたらされる別の方法を探るものである。
タイヤは、通常、回転時に路面に接するように意図されたトレッド部を外側に有するクラウン部を含む。このクラウン部は、リム部に接触するように意図されたビード部において終端するサイドウォール部によって横方向に延ばされる。
一般に、タイヤのサイドウォール部は、回転時に路面に接触した時に容易に撓むことができるように適当な柔軟性を有する。サイドウォール部の内壁は、タイヤを膨張させる空気に接し、一方でサイドウォール部の外壁は、車両及び車両のタイヤが移動する際の外気に接する。
様々な風洞試験が行われ、本出願人らは、80kph〜220kphの複数の回転速度における車両の前車軸のタイヤの空力(特に抗力)効果に関連するエネルギー損失のかなりの部分を特定することができた。
車両のタイヤを特定の速度で駆動することができる装置を風洞内に取り付け、これらのタイヤを車両の使用条件下で膨張及び圧搾させる。これらの試験及び測定に基づいて、フロントタイヤのサイドウォール部、具体的には車両の外側に位置するサイドウォール部がエネルギーの損失(空力抵抗)を引き起こし、この損失が係数Cxの増加、従って使用時における車両の消費の増加を引き起こすことが立証された。
これらのエネルギー損失の一部は、タイヤのサイドウォール部上の隆起したマーキング(文字、数字、ロゴなど)の存在に関連するように思われる。本明細書では、マーキングがサイドウォール部の外側に向かって突出している場合、これを「隆起している」と言う。逆に、サイドウォール部の厚みの範囲内には窪んだマーキングが形成され、従ってこのマーキングは、上記サイドウォール部上に顕著なエッジを有していない。
規定によれば、販売を目的とするタイヤは、そのサイドウォール部に、特にタイヤのサイズ、製造情報(国、日付)及びその他の様々な有用な情報を示す一定数のマーキングを含まなければならない。サイドウォール部には他の情報も見られ、自身が使用しているタイヤの出所を顧客が知ることができるようにタイヤのブランド及びメーカーのロゴが成形されている。一般的に言えば、この情報は全て、タイヤの成形及び加硫中にメーカーによって成形される。
各サイドウォール部では、第1のサイドウォール部分と第2のサイドウォール部分を区別することができる。第1のサイドウォール部分は、タイヤをその装着リムに取り付けてその使用圧まで膨張させた時に赤道面から軸方向に最も離れた地点の半径方向外側に位置する。第2の部分は、第1の部分を引き延ばし、この第1の部分の半径方向内側に位置する。第2の部分は、タイヤのビード部に結合される。
風洞試験中には、タイヤを販売するために必須であるマーキングが、特にこれらのマーキングが第1の部分(すなわち、サイドウォール部の半径方向最外部)に位置する場合に、空力抵抗に影響を与えないわけではないことが観察された。
達成すべき性能のベンチマークを確立するために、滑らかなタイヤ、すなわちサイドウォール部に隆起したマーキングが全く存在しないタイヤの性能を測定した。
定義
赤道中央平面:これは、回転軸に垂直な平面であって、この軸から半径方向に最も離れたタイヤの地点を通る平面のことである。
本文書において、半径方向は、タイヤの回転軸に垂直な方向を意味する(この方向はトレッド部の厚みの方向に対応する)。
横方向又は軸方向は、タイヤの回転軸に平行な方向を意味する。
円周方向は、回転軸を中心とするあらゆる円に正接する方向を意味する。この方向は、軸方向及び半径方向の両方に垂直である。
軸方向外側は、タイヤの内部空洞の外側に向かう方向を意味する。
本文書で意図されるタイヤの通常の回転条件又は使用条件は、E.T.R.T.O.規格によって定められたものであり、これらの使用条件は、タイヤの負荷指標及び速度コードによって示されるその積載量に対応する基準膨張圧を定める。これらの使用条件は、「公称条件」又は「使用条件」とも呼ばれる。
本発明は、サイドウォール部に隆起したマーキングを含むタイヤを用いて、滑らかなサイドウォール部を有するタイヤの空力抵抗性能に近付け、さらにはこの空力抵抗性能を達成することを目的とする。
この目的のために、本発明は、乗用車用のタイヤであって、回転時に路面に接するように意図されたトレッド部を外側に有するクラウン部を備え、このクラウン部が、タイヤが装着されるリム部に接触するように意図されたビード部において終端するサイドウォール部によって横方向に延ばされたタイヤに関する。
各サイドウォール部は、タイヤを膨張させる空気に接する内壁と、外気に接する外壁とを含む。
本発明によれば、サイドウォール部の少なくとも一方が、複数の第1のセクタ及び第2のセクタを含み、これらの第1及び第2のセクタは、クラウン部と、タイヤがその装着リムに装着されてその使用圧まで膨張した時の軸方向最外地点である地点との間に位置する第1のサイドウォール部分の外壁上に形成される。
第1のセクタは、隆起したマーキング(すなわち0.2mmを上回る高さの隆起したマーキング)を全く含まず、第2のセクタは、少なくとも0.2mmに等しい高さを有する隆起したマーキングを含む。さらに、マーキングを全く含まない第1のセクタは、各々が少なくとも20°に等しい角度を成し、第1のセクタの角度の合計は少なくとも120°に等しい。
サイドウォール部が滑らかな(すなわち、少なくとも0.2mmの高さの隆起したマーキングを含まない)タイヤの空力抵抗性能を、隆起したマーキングを含む、従って観察者にとって特に読みやすいタイヤによっても達成できることが予期せず検証された。同様に、本文書では、最大で0.2mmの高さの隆起したマーキングが存在しないということは、サイドウォール部が最大で0.2mmに等しい表面粗度を有すると理解しなければならない。
好ましい実施形態では、第1のセクタが、窪んだマーキングを有することができる(隆起したマーキングとは対照的に、窪んだマーキングは、隆起した顕著なエッジをサイドウォール部に形成しない)。これらの窪んだマーキングは、最大で1.5mmに等しい、好ましくは少なくとも0.5mm〜最大で0.8mmの深さを有する。
隆起したマーキングは、最大で1.5mmに等しい、さらに好ましくは0.5〜0.8mmの高さを有することが有利である。このことは、TCタイヤのサイドウォール部の平均厚が比較的小さく、すなわち3mm未満の場合に特に当てはまり、これによってサイドウォール部のヒステリシス損失を減少させることができる。
トレッド部を延ばすサイドウォール部の少なくとも第1の部分では、関連するサイドウォール部の外壁の子午線断面形状が実質的に連続し、すなわち、傾斜した不連続部を特徴として有していないことがさらに有利である。子午線断面形状とは、タイヤの回転軸を含むあらゆる切断面において見られるサイドウォール部の外壁の断面形状を意味する。
本出願人らは、 車両の外側に存在するように意図されたサイドウォール部が空力抵抗に影響を与え、このサイドウォール部に、このサイドウォール部を外側に位置付けるように意図された特定のマーキングを形成し、本発明による分散型マーキングを含めた方が良いことを認めた。
言うまでもなく、タイヤが好ましい回転方向を有する場合、このタイヤは、同じ車軸上の右手位置又は左手位置のいずれかに装着できるように、本発明による2つのサイドウォール部で作成することが好ましい。
タイヤが好ましい回転方向を有していない場合、少なくとも外側にくるように意図された側面に本発明によるマーキングを形成した方が良い。
本発明の主題の1つの実施形態を非限定的な例として示す添付図面を参照しながら示す以下の説明により、本発明のその他の特徴及び利点が明らかになる。
本発明によるタイヤの断面図である。 図1のタイヤの一方のサイドウォール部5を示す図である。
図1は、本発明による、装着リムJに装着された乗用車タイヤ1の断面図である。この205/55R16のサイズのタイヤは、回転時に路面に接するように意図されたトレッド部21を半径方向外側に有するクラウン部2を含む。このクラウン部2は、補強アーマチャ22によって補強され、リムJに接触するビード部4、4’において終端するそのサイドウォール部3、3’によって横方向に延ばされる。タイヤ1は、サイドウォール部3、3’を介して一方のビード部から他方のビード部に延びるカーカスアーマチャ5を含む。
各サイドウォール部3及び3’は、タイヤを膨張させる気体に接する内壁と、ユーザに見えるマーキングが形成された外壁とを含む。
図示の構成では、タイヤがその使用圧まで膨張し、平衡状態にある断面形状を取っている。この構成では、カーカスアーマチャが、赤道中央平面XX’に対して軸方向最外地点であるサイドウォール部3及び3’内のそれぞれの地点C、C’を通過する。これらの地点C及びC’は、サイドウォール部3及び3’の外壁上のそれぞれの地点F及びF’を定める。これらの地点F及びF’は、回転軸YY’に平行な、地点C及びC’の各々を通る直線と各サイドウォール部の外壁との交点とによって定められる。
図1の子午線部分には、地点L及びL’を示しており、これらの地点L及びL’は、使用圧まで膨張したタイヤがその使用荷重を受けた時にトレッド部が地面に接する横方向の限界に対応する。
各サイドウォール部3(又は3’)は、第1の部分31(又は31’)及び第2の部分32(又は32’)に分割される。第1の部分31は、地点Fと地点Lの間に延び、第2の部分32は、第1の部分31をビード部4に向かって延ばす。
本発明によるタイヤは、第1の部分31及び31’に形成された成形マーキングが以下のルールに従うようになっている。
− 各サイドウォール部3、3’上に3つの第1のセクタ311及び3つの第2のセクタ312が形成され、これらの第1及び第2のセクタは、その第1のサイドウォール部分31の外壁上に形成される。
− 第1のセクタ311は、隆起したマーキング、すなわち0.2mmよりも高い隆起したマーキング、及び0.2mmよりも高いあらゆる凹凸を全く含まない。
− 第2のセクタ312は、隆起したマーキング3120を有し、これらの隆起したマーキングは、平均で0.6mmに等しい高さを有する。
さらに、マーキングを含まない第1のセクタ311は、各々が実質的に90°に等しい角度を成し、これらの第1のセクタの角度の合計は270°に等しい。第2のセクタは、実質的に30°に等しい角度を成す。
図2で分かるように、各セクタは、タイヤの回転軸を含む2つの平面をトレーシングし、各マーキングの限界をできるだけ厳密にフレーミングすることによって定められる。
この図2には、図1のタイヤのサイドウォール部の一方を示している。このサイドウォール部3上では、第1のサイドウォール部分31において、マーキングを全く含まない3つの第1のセクタ311を識別しており、この第1のサイドウォール部分31は、地点Fを通る円と地点Lを通る円の間に含まれる。
さらに、3つの第2のセクタ312は、第1のサイドウォール部分の壁面上に隆起したマーキング3120を含む。この例では、隆起したマーキング3120の高さが、平均で0.6mmに等しい。第1のセクタと第2のセクタは交互に配置される。
第2のサイドウォール部分32上には、ここでは文字Kで示す1.0mmに等しい高さの法令による隆起したマーキングが形成され、これらの法令によるマーキングは、風洞試験中に検証したように、空力抵抗に大きな影響を与えない。
マーキングを含まない第1のセクタは、各々が実質的に90°に等しい角度を成す。第2のセクタは、実質的に30°に等しい角度を成す。
なお、第1のセクタは、タイヤの空力抵抗を著しく変更することなく、最大で1.5mmに等しい深さの窪んだマーキングを有することもできる。
さらに、これらの非常に限られた数を考慮すると、タイヤ用の金型上に形成された通気オリフィス内での成形中に形成される材料の隆起部分は、空力抵抗のかなりの部分を生じるマーキングと見なすべきではない。言うまでもなく、これらは取り除くことが望ましい。
実施例を用いて説明した本発明は、図示し説明した例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。とりわけ、適切な色及び最大で0.2mmに等しい厚みの自己接着ラベル又は「ステッカー」を適用することによって第1のサイドウォール部セクタにマーキングを形成することが可能である。
3 サイドウォール部
31 第1のサイドウォール部分
311 第1のセクタ
312 第2のセクタ
3120 隆起したマーキング
F 地点
L 地点

Claims (7)

  1. 乗用車に装備するためのタイヤ(1)であって、回転時に路面に接するようになっているトレッド部を外側に有するクラウン部(2)を含み、該クラウン部(2)は、前記タイヤが装着されたリム部(J)に接触するようになっているビード部(4、4’)において終端するサイドウォール部(3、3’)によって横方向に延ばされ、各サイドウォール部(3、3’)は、前記タイヤを膨張させる空気に接する内壁と、外気に接する外壁とを含み、前記サイドウォール部の少なくとも一方は、複数の第1のセクタ(311)及び第2のセクタ(312)を含み、該第1及び第2のセクタは、前記クラウン部(2)と、前記タイヤがその装着リムに装着されてその使用圧まで膨張した時の軸方向最外地点である地点(F)との間に位置する第1のサイドウォール部分(31)の前記外壁上に形成され、前記第1のセクタ(311)は、隆起したマーキング、すなわち0.2mmを上回る高さの隆起したマーキングを全く含まず、前記第2のセクタ(312)は、0.2mm以上の高さを有する隆起したマーキング(3120)を含み、前記マーキングを全く含まない前記第1のセクタ(311)は、各々が20°以上の角度を成し、前記第1のセクタの前記角度の合計は120°以上の、
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記第1のセクタ(311)は、1.5mm以下の深さを有する窪んだマーキングを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記第1のセクタ(311)の前記窪んだマーキングは、0.5mm以上かつ0.8mm以下の間の深さを有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記第2のセクタ(312)の前記隆起したマーキングは、1.5mm以下の高さを有する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記第2のセクタ(312)の前記隆起したマーキングは、0.5mm〜0.8mmの高さを有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のタイヤ。
  6. 前記サイドウォール部の前記外壁の子午線断面形状は実質的に連続し、すなわち前記サイドウォール部の少なくとも前記第1の部分(31)に、傾斜した不連続部がないことを特徴としている、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のタイヤ。
  7. 0.2mmよりも高いマーキングを含まない前記第1のセクタ(311)と、前記隆起したマーキング(3120)を含む前記第2のセクタ(312)とを有する、車両の外側にくるようになっている前記サイドウォール部は、該サイドウォール部を前記車両の外側に位置付けるようになっている特定のマークを含む、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のタイヤ。
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