JP2016500405A - サーモトロピックポリマー - Google Patents

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Abstract

(A)i)30重量%〜99.9重量%の、少なくとも1つのC12〜C48n−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体I、ii)0重量%〜60重量%の、少なくとも1つのC1〜C11n−アルキル側鎖および/または1つのC3〜C48i−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体II、iii)0.1重量%〜20重量%の、少なくとも2つの非共役エチレン性二重結合を有する1種類以上の単量体III、iv)0重量%〜69.9重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体IV、v)0重量%〜40重量%の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体Vを含む単量体混合物を油相として有する水中油型ミニエマルションを、フリーラジカル共重合して得られる、重合体粒子総重量に対して10重量%〜100重量%の重合体相Aと、(B)i)0重量%〜100重量%の、C1〜C10アルキル(メタ)アクリレートからなる群に由来する1種類以上の単量体VI、ii)0重量%〜100重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体VII、iii)0重量%〜50重量%の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体VIIIを含む単量体混合物を、工程(A)で得られた前記重合体相Aの存在下で続けてフリーラジカルグラフト共重合して得られる、重合体粒子総重量に対して0〜90重量%の重合体相Bと、を含有し、前記各工程において使用される前記各単量体混合物の重量パーセンテージは合計で100重量%である、50nm〜10μmの平均一次粒子径d50を有する重合体粒子。【選択図】図1

Description

本発明はサーモトロピック成形用組成物およびそれらのサーモトロピック成形用組成物の調製方法に関する。特に本願は温度依存性屈折率を有する重合体粒子、その調製方法、およびサーモトロピックプラスチックの調製のための添加剤としてのそのような重合体粒子の使用に関する。さらに、本発明はサーモトロピックプラスチックの調製方法およびその使用に関する。
サーモトロピック材料は温度が変化するとそれらの電磁放射線散乱挙動を可逆的に変更する。サーモトロピック材料は特定の温度範囲において高光透過率を有する、すなわち、透明である。すなわち、それらの材料は光散乱を全く、または最小限にしか示さない。この状態は次の点でオフモードとも呼ばれる。この温度範囲を超えるときか、この温度範囲に届かないときに光散乱の増加が観察される。結果生じる混濁状態は次の点でオンモードとも呼ばれる。温度向性は可逆的な過程である。開始温度に達するとサーモトロピック材料はそれらの元の状態に戻る。切換えプロセスの方向に応じて正の温度向性(温度が上昇するにつれての混濁度の上昇)と負の温度向性(温度が上昇するにつれての混濁度の減少)の間を区別することができる。正のサーモトロピック材料は、例えば、入射放射光強度の温度依存性調節用の遮光要素としてビル、温室または集光器のガラス材に使用され得るので特に興味深い。
電磁放射線の散乱は適切なマトリクス物質の中に含まれる分離ドメインに基づいて起こる。散乱が生じるにはドメインとマトリクスは異なる屈折率を有していなくてはならない。一般に、散乱は(a)そのドメインの屈折率とそのマトリクスの屈折率の間の差が可能な限り大きく、(b)それらの散乱ドメインの体積率が高く、且つ、(c)それらのドメインの大きさが電磁放射線の波長に類似している場合に特に強い。(例えば、ビルのファサードにおける)遮光要素としてのサーモトロピック材料の用途を考慮すると、混濁状態において可能な限り大きなエネルギーが反射されるべきであるので、すなわち、後半分の空間に散乱させられるべきであるので、適切な量は総散乱強度ではなく後方散乱分である。散乱ドメインの直径が光の波長よりもわずかに下であるときに最大後方散乱効率が達成される。日射光(AM1.5グローバル)の最適後方散乱特性はd=200〜400nmの直径によって得られる(P.M. Nitz、「サーモトロピック系の光学的モデリングと測定」博士論文、アルベルト・ルートヴィッヒ大学フライブルク、1999年)。しかしながら、この最適条件はより大きい直径に向かって非常に広くなっており、約400〜2000nmのサイズ範囲のドメインによっても比較的に好適な後方散乱特性が達成され得る。
切換え機構に関して先行技術に従って正のサーモトロピック材料について2つのコンセプト(AおよびB)を区別することができる。
コンセプトAでは、光学的切換えは可逆的な分離過程と混合過程に基づく。そのような系は異なる屈折率を有する少なくとも2種類の成分からなる。これらの成分は分子レベルで均質に混合されているのでオフモードではこれらの成分の間での屈折率の差は効果を生じ得ない。このモードではその材料は平均的な屈折率を有し、理想的な事例では非常に透明である。特定の温度、すなわち、下限臨界溶解温度(LCST)を超えると相分離が起こる。主に、または完全にそれらの成分のうちの1つからなる散乱ドメインが形成される。その場合、それらの散乱ドメインの屈折率は周囲のマトリクスの屈折率と異なるので散乱がドメイン/マトリクス接触面で起こり、その材料は混濁しているように見える。LCSTの下まで冷却されると成分が再び混ざり、散乱ドメインが消え、それによってその材料がその元の透明状態に戻る。
コンセプトAによるサーモトロピック材料はガラス材要素にとって適切であり、ヒドロゲル(水/重合体混合物)またはポリマーブレンド(少なくとも2種類の重合体の混合物)のどちらかである。そのようなLCST系はしばしば特許文献に記載されている。サーモトロピックヒドロゲルについては例として米国特許第5057560号明細書、米国特許第5147923号明細書、欧州特許第0678534号明細書、および欧州特許第0873367号を挙げることができる。サーモトロピックポリマーブレンドは、例えば、欧州特許第0611803号明細書および欧州特許第0181485号明細書に記載されている。
サーモトロピックLCST系は次のような多数の欠点を有する。
・分離過程/混合過程は分子レベルで高移動度を必要とする。数回の切換えサイクルの後に部分的な肉眼レベルでの分離が起こる場合があり、その結果、恒久的に混濁した部位が生じる。したがって、恒久的で完全な可逆性は保証され得ない。
・組成中の微小な変化が既に相挙動に影響を与えるので、LCST系は不純物に非常に敏感である。したがって、例えば、サーモトロピックポリマーブレンドは非常に感湿性である。
・必要とされる分子移動度のため、LCST系はプラスチックに典型的な用途特性を示さない。それらの系は独立した自立型系として機能しない。したがって、LCST系は支持層およびカバー層との関係で使用され、それらの層は好ましくはガラスまたは透明プラスチックから作製される。2つの層の間でのサーモトロピック材料の統合は通常は高い技術的支出を伴う。サーモトロピックヒドロゲルについては水の喪失を防ぐ端部複合物が追加的に必要である。しかしながら、詳細なテストにより、その端部複合物の水に対する拡散耐性は10年を越える期間の間ではほとんど制御可能ではないことが示されている。
・サーモトロピックヒドロゲルはそれらの水分含量のために熱可塑性物質として加工され得ない。サーモトロピックポリマーブレンドの押出し成形は個々の重合体成分が通常は明らかに異なる粘性を有するので困難である。加えて、加工温度はポリマーブレンドの切換え温度より高い。押出し成形の後では均質なポリマーブレンドを得ないので混濁性が非可逆的である、すなわち、切換え温度より低い温度でも混濁したままである。欧州特許第1218467号明細書ではサーモトロピックポリマーブレンド中間層を有するマルチレイヤーシートの押出し成形による加工のために適切な補助剤(例えば、有機溶媒)を添加している。実際には、それによって分離温度を上昇させて温度を加工温度の上にすることができる。しかしながら、微量な不純物が既にサーモトロピックポリマーブレンドの相挙動に悪影響を与え得るのでこれらの補助剤は追加の加工工程において残留物が無いように取り除かれなくてはならない。
・LCST系は通常は熱負荷状態または日光の中で恒久的な耐久性を有しない。損傷の症状として恒久的に混濁した部位、切換えストロークの減少、ヒステリシスの増加、および黄色の変色が観察される。安定化剤、例えば、フリーラジカル捕捉剤および光安定剤は多くの場合に効果が無いままであり、加えて、相挙動に悪影響を与え得る。
・LCST系は必要な拡散過程がゆっくりと進むので温度変化に対してゆっくりと応答する。したがって、特に混濁オンモードから清澄オフモードへの移行は数時間を、特には数日もかかることがあり得る。
コンセプトBによるサーモトロピック材料には分離過程/混合過程が伴わない。ここでは、透過率の変化は含まれる成分の屈折率の異なる温度依存性によって引き起こされる。コンセプトBによるサーモトロピック材料はまた少なくとも2種類の成分、すなわち、ドメイン形成性添加剤、およびマトリクスとしての透明重合体からなる。オフモードではそれらのドメインの屈折率とそのマトリクスの屈折率は最適なことに類似しているので高い透明度が達成される。温度が上昇するにつれてそれらのドメインの屈折率の顕著な減少が観察され、一方でそのマトリクスの屈折率はほぼ一定のままである。それによってその系は光散乱混濁状態に変化する。温度による屈折率の顕著であり、できることなら急激な変化を達成するため、切換え温度の範囲内で相転移を示す材料をドメイン形成剤(サーモトロピック添加剤)として使用することが好ましい。
欧州特許第0000868号明細書、独国特許第4433090号明細書、欧州特許第0946443号明細書、独国特許第19825984号明細書および欧州特許第1258504号明細書では切換え温度の範囲内で融解転移を示す低分子量有機物質がサーモトロピック添加剤として使用されている。それぞれの透明重合体マトリクスの中で形成するドメインについて、サーモトロピック添加剤はその高分子マトリクスの中で少なくとも部分的には不溶性でなければならない。アルカン、カルボン酸、エステルおよびそれらのアミドならびに相当するクラスの化合物が適切なクラスの低分子量物質として言及されている。サーモトロピック添加剤は純粋な、すなわち、「非保護」状態で組み入れられる。このことは幾つかの欠点を意味する。通常、サーモトロピック添加剤は特定の濃度範囲(例えば、2〜5%)の中でのみサーモトロピック物質として有効である。この濃度範囲の下ではサーモトロピック添加剤は完全に可溶性であり、ドメインを形成しない。すなわち、その添加剤とマトリクスが単一の相として存在する。高分子マトリクスの重要な材料特性(例えば、ガラスまたは相当する支持体への接着性)がそのことによって悪影響を受けることがあり得る。ドメイン形成は特定の添加剤濃度の上でのみ始まり、その添加剤濃度はマトリクスに応じてかなり変わることがあり得る。対照的に、高い添加剤濃度では恒久的な散乱効果がその温度範囲全体にわたって生じる危険性が存在する。その場合にはサーモトロピック切換え特性は大いに失われる。別の欠点は予想される長期安定性に関する。光散乱オンモードではサーモトロピック添加剤は液体であり、したがって、拡散過程の対象となりやすい。切換え効果の喪失と恒久的散乱効果が結果として起こる。
サーモトロピック添加剤としての低分子量有機物質を有するサーモトロピック層を調製するための様々な方法が提唱されている。欧州特許第0946443号明細書では溶媒含有被覆溶液が最初に調製され、次に印刷技術の公知の被覆方法(例えば、ナイフ塗布、スプレーまたは流し塗り)により基材(例えば、フロートガラス)に塗布される。その後、溶媒を蒸発させ、熱誘導性架橋を行う。溶媒を蒸発させるときは環境と健康にとって有害な蒸気が放出される。そこで労働安全に対する投資費用の増加が必要とされる。独国特許第19825984号明細書よりUV硬化キャスティング樹脂調合物に基づくサーモトロピック合わせガラスパネルの調製が知られている。適切なスペーサーを間に2枚のガラスパネルを接着することより得るパネルの間の隙間にサーモトロピック樹脂を充填する。そのサーモトロピック樹脂はUV光の照射により硬化される。この方法の変法として、サーモトロピックシートの調製方法が欧州特許第1258504号において特許請求されている。硬化が完了した後にスペーサーを取り除くことによって2枚の支持パネルが互いから取り外される。こうしてサーモトロピックシートが分離され得る。そのシートを簡単に取り外すために支持パネルは、例えば、低付着特性を有する材料(例えば、PTFE、シリコン)からなる。加えて、欧州特許第1258504号明細書は無溶媒UV硬化性調合物がシートキャスティング器具により平板状支持面に塗布される方法について記載している。空気を排除したUV硬化の後にサーモトロピックシートが生じ、そのサーモトロピックシートを支持層から剥がすことができる。最後に、言及した方法のいずれも大きな工業規模で経済的に効率的な生産の要求事項を満たさないことを挙げることができる。
科学文献(Solar Energy Materials & Solar Cells誌、第93巻、2009年、1510〜1517頁)の中に低分子量成分が純粋な状態ではなく、コア/シェル粒子の形態で高分子マトリクスに組み込まれるさらなる開発が記載されている。低分子量成分、すなわち、30〜40℃の融点を有するn−アルカン混合物はコアを形成し、保護性高分子シェルで被覆される。低分子量成分のカプセル化は粉体状物質を産出し、その粉体状物質は使用温度の範囲内では常に固形物の形態であり、非保護添加物と比べて明らかにより加工しやすい。高分子シェルは拡散過程を妨害するので長期安定性が著しく改善される。キャスティング樹脂合わせガラスを調製するための技術が確立されているが、広い領域での用途には適切ではない。現行の熱可塑性加工方法、例えば、シート押出し成形へのこのコンセプトの移転は中でも独国特許出願公開第102007061513号明細書に記載されている。
欧州特許第0985709号明細書により低分子量物質の代わりに特定の共重合体がサーモトロピック成分として使用されているサーモトロピックプラスチック成形用組成物が知られている。使用されるそれらの共重合体はマトリクス重合体と熱力学的に混和性ではなく、したがって、熱可塑性加工の後に高分子マトリクス内にドメインを形成する。そのサーモトロピック成分はマトリクスと比較して高い温度依存性を屈折率について示すので、結果生じるサーモトロピック成形用組成物は温度が上昇するにつれ可逆的な混濁性を示す。エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体またはエチレン/C1〜4−アルキルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体(例えば、Arkema社のLotader(登録商標)GMAタイプ)およびメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(例えば、Rohm & Haas社のParaloid(登録商標)BTAタイプ)が好ましくはサーモトロピック成分として使用される。透明重合体マトリクスは好ましくは非晶性ポリアミドまたはコポリアミド(例えば、EMS Grivory社のGrilamid(登録商標)TRタイプ)からなる。それらの2つの成分は混合により無理やりサーモトロピック成形用組成物へ混ぜ合わされる。成形部材へのさらなる加工のために全ての一般的な熱成形加工法、例えば、射出成形、射出ブロー成形、および押出し成形を適用することができる。1つの実施形態では、マトリクス成分としての透明ポリアミドをドメイン形成剤としてのエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体(Lotader(登録商標)GMA AX8840)と混合し、射出成形加工の後にシート(100×100×4mm)に加工する。そのようにして調製されたサーモトロピックポリアミドシートは温度が(室温から80℃へ)上昇するにつれて560nmでの透過率のほぼ持続的な低下を示す。サーモトロピック添加剤の濃度が上昇すると、予想通り、オンモードでの混濁度が上昇する。その透過率はまたその添加剤濃度が上昇するとオフモードで著しく低下するので有効な「切換えストローク」(オフモードとオンモードの間の透過率の差)が低いことが欠点である。この不利益な効果は既に比較的に低い添加剤濃度(10%未満)で生じ、このことはその添加剤の屈折率とそのマトリクスの屈折率の間での不充分な合致を表している。オフモードでの同時に高い透明度と同時のオンモードでの高い散乱強度にとって必要である散乱ドメインの高い体積率はそのために達成され得ない。非常に広い切換え範囲(室温から80℃)のため、これらの系は、例えば、約25〜40℃、または30〜40℃の狭い切換え温度範囲が要求されるビルの加熱保護のような用途には適切ではない。加えて、記載されている加工はドメインサイズが選択的に影響を受けることを許容しない。結果として、散乱特性(例えば、後方散乱分に関して)の最適化が不可能である。
本発明は先行技術の言及されている欠点の少なくとも幾つかを克服するサーモトロピック成形用組成物を提供することを目的とする。
本発明の1つの態様によれば、その目的はサーモトロピック添加剤として機能し得る粒子を供給することによって達成される。本発明による粒子は、
(a)30〜95重量%の、少なくとも12個の炭素原子を有するアルキル側鎖を有する1種類以上のビニル単量体、
(b)0.1〜10重量%の、1種類以上の架橋剤、
(c)3〜70重量%の、脂肪族側鎖に1〜11個の炭素原子を有する1種類以上のビニル単量体であって、所望により当該脂肪族側鎖が1つ以上の官能基を含んでもよい、前記ビニル単量体、
(d)0〜50重量%の、芳香族側基を有する1種類以上のビニル単量体であって、所望により当該芳香族側基が置換されていてもよい、前記ビニル単量体
の共重合により得られる。
本発明によればそのような粒子は、1〜11個の炭素原子を含み且つ所望により1つ以上の官能基を含んでよい脂肪族側鎖を有するビニル単量体と、炭素原子数が12以上である長い脂肪族側鎖を有するビニル単量体と、を重合することにより生産される。対照的なことだが、使用成分(a)は置換されていない。1種類以上のフリーラジカル型開始剤がその重合に必要である。
さらに、芳香族側基を含むビニル単量体であって、その芳香族側基が置換されていてよい前記ビニル単量体が存在していてよい。
本発明によれば、「ビニル単量体」は一般式−CH=CRを有する化合物を意味する。多くの場合、R=Hであり、Rは所望により官能基を介して前記側鎖を含む。
様々なビニル単量体が当業者に知られている。本発明による加工に特に適切なビニル単量体はアクリレートを含む。そこで、上述の式においてRは−C(=O)ORであり、R=Hである。メタクリレートでは上述の式の前記Rは−C(=O)ORであり、Rはメチル基である。さらに適切な化合物にはアクリルアミドが含まれ、アクリルアミドではRは−C(=O)−NHRであり、ビニルエーテルが含まれ、ビニルエーテルではRは−O−Rであり、そして、例えば、ビニルエステルが含まれ、ビニルエステルでは上記の式のRは−O−C(=O)−Rである。
それから、Rは(a)、(c)および(d)において定義されている側鎖/側基に対応する。
その他のビニル単量体が当業者に知られている。
成分(a)の定義について、Rは非分岐型アルキル基であり、すなわち、非環式であり、飽和型である。好ましい鎖長には12〜48個までの炭素原子が含まれる。
前記ビニル単量体と反応することができる少なくとも2つの基を有する化合物が成分(b)として使用される。ジエチレン性不飽和ビニル単量体またはポリエチレン性不飽和ビニル単量体が架橋剤または架橋性混合物として特に適切である。
成分(c)について、R基は1〜11個までの炭素原子の脂肪族化合物を含む。これらも基本的には非環式または環式であってよく、部分的に不飽和であってよい。しかしながら、この場合ではRは幾つかの官能基、例えば、ヒドロキシ基、エステル、エーテル、アミド、アミン、ハロゲン、カルボキシ基、およびそれらの組合せを含んでよい。例えば、成分(c)はラジカルRに1、2または3つのヒドロキシ基を含み得る。Rも1、2または3つのエステル基を含み得る。ヒドロキシ基とハライドの組合せも可能である。(c)の条件に合致する様々なビニル単量体の混合物も適切である。
任意の成分として、Rが芳香族側基であるビニル単量体を成分(d)として含むことができる。芳香族分子は共役二重結合に非局在化電子を含む環系、または非p軌道を含む環系、または非共有電子対を含む環系を有する。この種の好ましい化合物はフェニル化合物である。本発明によれば、これらは好ましくはハロゲンで置換されていてもよい。電子過剰系複素芳香族化合物の使用が好ましい。
1つの実施形態では、別の層が本発明による粒子上にグラフトされており、その層は脂肪族側鎖または芳香族側鎖に1〜11個の炭素原子を有する、すなわち、この事例ではRが1〜11個の炭素原子を有する脂肪族基または芳香族基であるビニル単量体の重合により獲得される。
別の層のグラフトについて、少なくとも2つの異なる反応性の炭素間二重結合を有する二官能性架橋剤または多官能性架橋剤が使用される。
本発明による粒子は−20〜150℃の温度範囲内で一次相転移を示す。
本発明による粒子は好ましくは100〜10,000nmまで、または100〜2000nmまで、好ましくは100〜500nmまでの平均粒径で調製される。平均粒径d50は全ての粒子の50重量%が表示値よりも大きく、50%が表示値よりも小さいときのその値である。そのようなd50値は、例えば、レーザー屈折によって決定される。
好ましくは、前記粒子は比較的に狭い分布を有する。したがって、粒径d90値は好ましくはd50値の3倍よりも大きくはない。したがって、例えば、d50値が200nmである場合にd90値は好ましくは600nm以下である。したがって、d50値に対するd90値の割合は好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下である。
本発明による粒子は0〜10重量%の無機粒子をさらに含み得る。特に適切な粒子には元素Al、Si、Zr、Hf、Ti、Zn、Pbのケイ酸塩および酸化物、およびそれらの元素の可能な混合酸化物が含まれる。
本発明はマトリクスと1〜50重量%の本発明による粒子、または少なくとも成分(a)および(b)によって定義される粒子、すなわち、
(a)30〜99.9重量%の、少なくとも12個の炭素原子を有するアルキル側鎖を有する1種類以上のビニル単量体、
(b)0.1〜10重量%の、1種類以上の架橋剤、
(c)0〜70重量%の、脂肪族側鎖に1〜11個の炭素原子を有する1種類以上のビニル単量体であって、所望により1つ以上の官能基を含む脂肪族側鎖を有する前記ビニル単量体、
(d)0〜50重量%の芳香族側基を有する1種類以上のビニル単量体であって、所望により置換される芳香族側基を有する前記ビニル単量体
の重合により得られる粒子を含む成形用組成物にも関する。
そのような成形用組成物は熱の作用下でその光透過率を変更することができる場合はサーモトロピック成形用組成物である。
凝固した実施例1に由来する乾燥重合体の走査電子顕微鏡写真を示す図である。その重合体の平均一次粒子径d50は100〜400nmの範囲にある。 試料の光学的特徴解析のために用いられた2つの測定の構成を示す図である。 実施例9において見られる垂直入射‐半球放射型透過率のスペクトルを示す図である。 温度に対してプロットされた透過率スペクトルから計算される垂直入射‐垂直放射型可視光透過率(Tvisnn)の透過率を示す図である。
粒子とマトリクス物質の間では屈折率の差は光透過状態に基づいて好ましくは0.5未満、または0.3未満、または0.2未満、または0.1未満、または0.05未満、または0.01未満である。
その屈折率は粒子中の成分(a)〜(d)を選択することにより制御され得る。
好ましくは、そのマトリクス物質自体が透明または半透明である。本発明の範囲内では「透明」は同時に透明に見える、または透明の心象がある光透過を意味する。透明と半透明を区別するため、「半透明」は透明に見えない、または透明の心象がない光透過を意味する。
透明成形部材および半透明成形部材は光学的特徴解析の実施例において述べられている測定条件の下で実施例6の検査試料と類似の検査試料を用いて75%、好ましくは80%のTvisnhにより定義される。
本発明の別の実施形態では前記目的は、50nmから10μmまで、好ましくは100〜2000nmまで、とりわけ200〜1000nmまで、または500〜1000nmまでの平均一次粒子径を有する重合体粒子であって、それらの総重量に対して
(A)i)30重量%〜99.9重量%の、少なくとも1つのC12〜C48n−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体I、
ii)0重量%〜60重量%の、少なくとも1つのC〜C11n−アルキル側鎖および/または1つのC〜C48i−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体II、
iii)0.1重量%〜20重量%の、少なくとも2つの非共役エチレン性二重結合を有する1種類以上の単量体III、
iv)0重量%〜69.9重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体IV、
v)0重量%〜40重量%の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体V
を含む単量体混合物を油相として有する水中油型ミニエマルションを、フリーラジカル共重合して得られる、重合体粒子総重量に対して10重量%〜100重量%の重合体相Aと、
(B)i)0重量%〜100重量%の、C〜C10 アルキル(メタ)アクリレートからなる群に由来する1種類以上の単量体VI、
ii)0重量%〜100重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体VII、
iii)0重量%〜50重量%の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体VIII
を含む単量体混合物を、工程(A)で得られた前記重合体相Aの存在下で続けてフリーラジカルグラフト共重合して得られる、重合体粒子総重量に対して0〜90重量%の重合体相Bと、
を含有し、
前記各工程において使用される前記各単量体混合物の重量パーセンテージは合計で100重量%である、
本発明による一相系または二相系の重合体粒子によって達成される。
前記有機相中に有機溶媒を添加することなく重合を実施することが好ましい。そのような溶媒は、例えば、n−アルカン、例えば、1−オクタデカンである。
好ましくは、本発明による重合体粒子は粒子コアの表面に球状配置から逸脱しているどのような固定基も有しない。
本発明による粒子は−20〜150℃の温度範囲内で一次相転移を示す。
本発明の範囲内では接頭辞「Cx〜Cy−」(xおよびy=1、2、3等であり、y>xである)は関連のアルキル化合物、アルキル化合物クラスまたはアルキル基がx〜y個の炭素原子から成り得ることを意味する。非分岐型非環式のアルキル化合物、アルキル化合物クラスまたはアルキル基は「n−」という接頭辞を担持し、一方で分岐型非環式または環式のものは「i−」という接頭辞を担持する。「(メタ)アクリル」はアクリル化合物またはメタクリル化合物の省略であり、「(複素)芳香族」は芳香族化合物または複素芳香族化合物の省略であり、「(複素)環式」は環式化合物または複素環式化合物の省略である。
サーモトロピックプラスチックの調製のために本発明による粒子は適切な透明または半透明のプラスチックと混合される。このプラスチックの中でそれらの粒子は、理想的な事例では、分離ドメインの形態で均一に分布させられている。そのプラスチックは所望により他の添加剤と組み合わされてマトリクスを形成し、それ故、以降ではそのプラスチックをマトリクスプラスチック(Matrixkunststoff)とも呼ぶ。
それらのドメインとマトリクスとの間の屈折率の差は光散乱の発生に特徴的である。相転移より低い温度(オフモード)ではそれらのドメインの屈折率nとそのマトリクスの屈折率nは可能な限り類似しており(n=n)、そのためにそのサーモトロピックプラスチックは理想的なことにその純粋なマトリクスプラスチックの透明度または半透明度を示す。相転移の温度範囲内ではそれらのドメインの屈折率はあっけなく減少し(n<n)、そのためにドメイン/マトリクス接触面で光が散乱し、透明度または半透明度が低下する(オンモード)。そのサーモトロピックプラスチックは通常は相転移の温度範囲内で透過率の最大の変化を示す。この温度範囲を以降では「切換え温度」とも呼ぶ。
本発明による重合体粒子の重合体相Aは、少なくとも2つのグループ(I、III)または最大で5つの異なるグループ(I〜V)またはそれより多くのグループから選択される単量体単位を有する共重合体である。単量体Iはサーモトロピック切換え挙動にとって必須である。したがって、重合体相Aを形成するために重合は少なくとも1種類の単量体Iに関わらなければならない。加えて、本発明による重合体粒子の形と大きさを後続の加工工程において保持するために重合体相Aを少なくとも1種類の単量体IIIと架橋する。対照的に、他のクラスII、IVおよびVの単量体が重合に含まれるかどうか、およびどれくらいの重量パーセンテージで重合に含まれるのかは重要なことに所望の切換え温度とマトリクスプラスチックの特性(オフモードの温度範囲内での屈折率、重合体粒子との適合性等)に依存する。
本発明による重合体粒子の重合体相Aは30〜99.9重量%、好ましくは50〜97重量%、とりわけ60〜95重量%、または75〜85重量%が、炭素原子が12〜48個のn−アルキル側鎖を有する単量体単位(単量体I)から構成される。幾つかの実施形態では、そのn−アルキル側鎖の長さは12〜16個までの炭素原子の範囲内にあり、他の場合は20〜48個までの炭素原子の範囲内にある。幾つかの実施形態では2種類以上の異なる単量体を一緒に使用する。
フリーラジカル重合の後に単量体Iはいわゆるコームポリマーを形成する。それらは一本の重合体主鎖とそれに結合している多数のC12〜C48n−アルキル側鎖からなる。それらの側鎖は通常は固定基、例えば、エステル基を介してその主鎖に共有結合している。
従来の部分結晶性重合体であって、主鎖が結晶化している部分結晶性重合体(例えば、ポリエチレン)と対照的に、本明細書で結晶化するものはn−アルキル側鎖である(N.A. Plate、V.B. Shibaev、Comb−Like Polymers. Structure and Properties, Polymer Sci.: Macromolecular Reviews誌、1974年、第8巻、117〜253頁を参照のこと)。融解/結晶化は特定の相転移温度Tで起こる。その相転移温度Tは示差走査熱量測定(DSC)による公知の方法で決定され得る。側鎖結晶化が起こるためには最小の鎖長が必要であり、その鎖長は主鎖の柔軟性に応じて変化し得る。その最小の長さは通常は固定基を除く約8〜11個の炭素原子の長さである。その最小の長さよりも長い側鎖にとって、その側鎖の長さが増加するにつれて相転移温度Tが上昇する。例として、文献から知られているn−テトラデシルアクリレートのホモ重合体の相転移温度:T=19.5℃およびn−ドコシルアクリレートのホモ重合体の相転移温度:T=67.7℃(K.A. O’Leary、 D.R. Paul、 Physical properties of poly(n−alkyl acrylate) copolymers, Part 1. Crystalline/crystalline combinations、 Polymer誌、2006年、第47巻、1226〜1244頁を参照のこと)を挙げることができる。
長さが異なる側鎖を有する2種類以上の単量体Iを共重合することにより、それらのホモ重合体によって定義される温度ウインドウ内で重量比により各相転移温度を調節することができる。そこで、例えば、長さが異なる側鎖を有する2種類の単量体Iの共重合体について、短鎖単量体の割合が高いほど(またはその鎖が短いほど)共重合体中の結晶化できる炭素原子の数が少なく、且つ、Tが低いことが非常に一般的である。
単量体Iは好ましくは
(Ia)α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸とC12〜C48n−アルカノールのエステル、
(Ib)エステルラジカルとしての少なくとも1つのC12〜C48n−アルキル側鎖を有するα,β−エチレン性不飽和C〜Cジカルボン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、および
(Ic)C13〜C49n−アルカン酸のアリルエステルおよびビニルエステル
からなる群より選択される。
少なくとも1つのC12〜C48n−アルキル側鎖を有するフリーラジカル重合性モノエチレン性不飽和単量体Iからなるその他のグループが当業者に知られている。
グループ(Ia)の好ましい単量体Iにはn−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、n−ドコサノール、およびn−オクタコサノールからなる(メタ)アクリレートが含まれる。純粋な化合物に加えて、様々な長さのn−アルキルラジカルを有するC12〜C48n−アルキル(メタ)アクリレートの市販されている混合物(例えば、BASF社のSA1618)を使用してもよい。幾つかの実施形態ではオクタデシルアクリレートを添加しない。
グループ(Ib)の単量体Iには2つの同一のC12〜C48n−アルキル基、2つの異なるC12〜C48 n−アルキル基、1つのC12〜C48n−アルキル基と1つのC〜C11 n−アルキルまたはC〜C48i−アルキル基とα,β−エチレン性不飽和C〜Cジカルボン酸のジアルキルエステル、およびC12〜C48n−アルキル基を有する対応するモノアルキルエステルが含まれる。好ましくは、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、n−ドコサノールおよびn−オクタコサノールとマレイン酸およびイタコン酸のジアルキルエステルを使用する。
グループ(Ic)の好ましい単量体Iにはn−テトラデカン酸、n−ヘキサデカン酸、n−オクタデカン酸、n−ドコサン酸およびn−オクタコサン酸のビニルエステルおよびアリルエステルが含まれる。
主に単量体Iから形成される重合体の相転移温度Tの低下のため、12個未満の炭素原子を有する直鎖状アルキル側鎖または3〜48個の炭素原子を有する分岐型環式または非環式アルキル側鎖を有するフリーラジカル重合性単量体(単量体II)を特に使用してもよい。単量体IIは0〜60重量%、好ましくは0〜40重量%、とりわけ0〜20重量%、または1〜60重量%の割合で重合に含まれる。
単量体IIは好ましくは(IIa)α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸とC〜C11 n−アルカノールまたはC〜C48i−アルカノールのエステル、(IIb)α,β−エチレン性不飽和C〜Cジカルボン酸とC〜C11n−アルカノールおよび/またはC〜C48i−アルカノールのモノエステルおよびジエステル、および(IIc)C〜C12 n−アルカン酸とC〜C49i−アルカン酸のアリルエステルおよびビニルエステルからなる群より選択される。
グループ(IIa)の好ましい単量体IIにはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、イソデカノールおよびイソオクタデカノール、シクロヘキサノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノール、ボルネオール、イソボルネオールおよび3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、およびジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートからなる(メタ)アクリレートが含まれる。
グループ(IIb)の好ましい単量体IIにはメタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノールおよび2−エチルヘキサノールとマレイン酸およびイタコン酸のジエステルが含まれる。
グループ(IIc)の好ましい単量体IIにはビニルアセテートおよびアリルアセテート、および対応するプロピオネート、ブチラート、バレラート、カプロナート、デカノエート、およびラウレートが含まれる。幾つかの実施形態ではビニルアセテートを使用しない。
サーモトロピックプラスチックの散乱特性は散乱ドメインの大きさに大いに依存する(上記の説明を参照のこと)。散乱ドメインの大きさは本発明による重合体粒子の重合体相Aの直径によって主に定義される。重合体相Aの形と大きさがマトリクスプラスチックとの加工後にも保持されるために重合体相Aが架橋されることが好ましい。フリーラジカル重合性二官能性架橋剤または多官能性架橋剤(単量体III)が内部架橋用に使用される。これらには少なくとも2つの非共役エチレン性二重結合を有する単量体が含まれる。単量体IIIは0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の割合で重合に含まれる。
二官能性および多官能性の単量体IIIとして(IIIa)多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(IIIb)多価アルコールのビニルエーテルおよびアリルエーテル、および(IIIc)アリル基、ビニル基、または(メタ)アクリル基による二置換または多置換された(複素)環式化合物および(複素)芳香族化合物を使用することができる。
グループ(IIIa)の適切な二官能性または多官能性単量体IIIには、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ジ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリルオキシプロパン、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジグリセロラートジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジウレタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート(EO度=3〜20)、トリメチロールプロパンプロポキシラートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロポキシラートトリ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロール)プロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタ(メタ)アクリレート、およびジ(ペンタエリスリトール)ヘキサ(メタ)アクリレートが含まれる。
グループ(IIIb)の適切な二官能性または多官能性単量体IIIには、例えば、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]アジペート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]スクシネート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]イソフタラート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]テレフタラート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]1,6−ヘキサンエジルヘキサンジイルビスカルバマート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリス[4−(ビニルオキシ)ブチル]トリメリテート、アリルエーテルおよびトリメチロールプロパンジアリルエーテルが含まれる。
グループ(IIIc)の適切な二官能性または多官能性単量体IIIには、例えば、ジビニルベンゼン、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリアリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン、トリス[2−(アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、2,2’−ジアリルビスフェノール−A、2,2’−ジアリルビスフェノール−Aジアセテートエーテル、1,4−フェニレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aエトキシレートジ(メタ)アクリレート(EO度=2〜30)、ビスフェノール−Aグリセロラートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aプロポキシラートグリセロラートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、およびビスフェノール−Fエトキシレートジ(メタ)アクリレートが含まれる。
オフモードの温度範囲内では純粋なマトリクスプラスチックの透明度または半透明度に理想的に対応する透明度または半透明度がサーモトロピックプラスチックに求められる。この目的のために多くの場合で本発明による重合体粒子の屈折率をそれぞれのマトリクスプラスチックの屈折率に合致させることが必要である。適切な透明または半透明のマトリクスプラスチックの屈折率n 20(λ=589nm、20℃)は1.35〜1.65の範囲内であり、大半は1.49〜1.59の範囲内である(Saechtling Kunststoff Taschenbuch、第30版、Carl Hanser Verlag社、ミュンヘン、2007年、表8.28、764〜765頁を参照のこと)。単量体Iおよび所望により単量体IIから形成されるホモ重合体および共重合体は多くの場合に相転移よりも低い温度(オフモード)でより低い屈折率を有する。
オフモードの温度範囲内での本発明による重合体粒子の屈折率をマトリクスプラスチックの屈折率に合致させるため、ホモ重合体が1.50より高い屈折率n 20、好ましくは1.55より高い屈折率n 20を有する(複素)芳香族単量体IVと前記単量体を共重合する。単量体IVは0〜69.9重量%、好ましくは0〜50重量%、とりわけ0〜30重量%の割合で共重合される。幾つかの実施形態では、単量体IVの含量は少なくとも0.1重量%である。
単量体IVは好ましくは(IVa)ビニル(複素)芳香族および(IVb)(複素)芳香族(メタ)アクリレートからなる群より選択される。
グループ(IVa)の適切な単量体IVには、例えば、スチレン、4−アセトキシスチレン、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、4−tert−ブチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、3,4−ジメトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、4−エトキシスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−ビニルアニソール,3−ビニルベンジルクロリド、4−ビニルベンジルクロリド、9−ビニルアントラセン、4−ビニルビフェニル、2−ビニルナフタレン、9−ビニルカルバゾール、N−ビニルフタルイミド、2−ビニルピリジン、4−ビニル-ピリジン、および1−ビニル−2−ピロリジノンが含まれる。
グループ(IVb)の適切な単量体IVには、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモベンジル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、9H−カルバゾール−9−エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−2−([メタ]クリロイルオキシ)エチルフタラート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、および1−ピレンメチル(メタ)アクリレートが含まれる。
単量体IVの代わりに、または単量体IVに加えて、芳香族基礎骨格を有する架橋性単量体III、例えば、ジビニルベンゼンを使用して屈折率を増加させてもよい。
本発明による重合体粒子の調製特性と加工特性を改善するためにモノエチレン性不飽和単量体I、IIおよびIV以外のモノエチレン性不飽和単量体を単量体Vとして使用してよい。それらの単量体Vは0〜40重量%、好ましくは0〜20重量%、とりわけ0〜10重量%、または1〜40重量%の割合で共重合される。幾つかの実施形態では、単量体Vの含量は少なくとも0.1重量%である。
単量体Vは好ましくは(Va)α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸、(Vb)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸無水物、(Vc)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド、および(Vd)ヒドロキシ置換、アルコキシ置換、カルボキシ置換、アミノ置換、エポキシ置換、スルフォ置換、シリル置換、またはハロ置換のアルキル(メタ)アクリレート、および複素環式(メタ)アクリレートからなる群より選択される。
グループ(Va)の適切な単量体Vには、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、およびイタコン酸が含まれる。
グループ(Vb)の適切な単量体Vには、例えば、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、およびクロトン酸無水物が含まれる。
グループ(Vc)の適切な単量体Vには、例えば、N−エチル、N−イソプロピル、N−tert−ブチル、N,N−ジメチル、N,N−ジエチル、N−ヒドロキシメチル、N−ヒドロキシエチル、N−(3−メトキシプロピル)、N−(ブトキシメチル)、N−(イソブトキシメチル)、N−フェニル、N−ジフェニルメチル、N−(トリフェニルメチル)およびN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミドが含まれる。
グループ(Vd)の適切な単量体Vには、例えば、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシ-ブチル、ヒドロキシエチルカプロラクトン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル、ジ(エチレングリコール)2−エチルヘキシルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルエーテル、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル、エチルジグリコール、エチルトリグリコール、ブチルジグリコール、2−カルボキシエチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、2−(ジイソプロピルアミノ)エチル、2−(tert−ブチルアミノ)エチル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチル、グリシジル、2−(メチルチオ)エチル、3−(トリメトキシシリル)プロピル、2−(トリメチルシリルオキシ)エチル、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル、トリメチルシリル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、テトラヒドロフルフリルおよび2−N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート、および4−(メタ)クリロイルモルホリン、モノ−2−([メタ]クリロイルオキシ)エチルスクシネート、およびモノ−2−([メタ]クリロイルオキシ)エチルマレートが含まれる。
好ましい実施形態では、重合体相Aを形成するための単量体相は
・75〜85重量%の単量体I、
・5〜10重量%の単量体II、
・3〜6重量%の単量体III、4〜6重量%の単量体VI、
・3〜5重量%の単量体V
を含む。
他の実施形態では、重合体相Aを調製するための単量体相の重量パーセンテージは
・単量体Iが65〜75重量%、
・単量体IIが15〜25重量%、
・単量体IIIが3〜6重量%、
・単量体Vが4〜6重量%
である。
他の実施形態では、重合体相Aを調製するための単量体相の好ましい含量は
・単量体Iが85〜92重量%、
・単量体IIIが3〜6重量%、
・単量体IVが1〜5重量%、
・単量体Vが3〜6重量%
である。
さらなる実施形態では、重合体相Aを形成するための単量体相の含量は
単量体Iが85〜92重量%、
単量体IIIが3〜7重量%、
単量体Vが4〜8重量%
である。
さらなる実施形態では、重合体相Aを調製するための単量体相の好ましい組成は
単量体Iが85〜94重量%、
単量体IIIが3〜8重量%、
単量体Vが3〜8重量%
である。
重合体相Aを調製するための単量体相の言及された成分は合計で100重量%になる。言及された実施形態では、原理的に単量体相に他の成分が含まれ得る。重合開始剤に加えてこれらの成分は原理的に他の物質の混合物でもあり得る。好ましくは、その他の成分は5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、さらにより好ましくは1重量%未満、または0.5重量%未満になる。
幾つかの実施形態では重合体相Bの存在が必要である。
本発明による重合体粒子の重合体相Aの調製は水中油型ミニエマルションのフリーラジカル共重合によって行われる。
50nmから約1μmまでのサイズ範囲内の重合体粒子は通常は一段式または多段式水中油型エマルション重合によって生産される(例えば、C.S.Chern、Emulsion polymerization mechanisms and kinetics、Prog. Polym. Sci誌、2006年、第31巻、443〜486頁を参照のこと)。水中油型ミニエマルション重合(水中油型ミニエマルション重合)とのよりよい区別のため、水中油型エマルション重合をこれ以降は「水中油型マクロエマルション重合」と呼ぶ。実際の重合反応の開始点は重合される単量体が油相を形成する水中油型マクロエマルションである。その水中油型マクロエマルションは通常は界面活性剤の存在下での単なる機械的撹拌により生産される。単量体溶滴の直径は比較的に大きく(1μm超)、そのサイズ分布は広い。単量体溶滴は主要重合部位ではない。それらはむしろ単量体貯留体として機能し、それらから少なくとも部分的には水溶性である単量体分子と共に水相が供給される。その界面活性剤は通常は臨界ミセル濃度(cmc)より高い濃度で使用される。この界面活性剤濃度を超えた場合、幾つかの界面活性剤分子が会合して球状のミセルになり(10nm以下)、それらの中央部に単量体分子が組み入れられ得る。水溶性重合開始剤によってその水相の中で発生した開始剤フリーラジカルがその時に単量体溶滴の中でも単量体分子で充填されたミセルの中でも重合を開始することができる。ミセルは単量体溶滴と比べて数が多いためにそれらのミセルの全表面は多数倍も大きく、そのためにミセル内での重合開始は非常にずっと可能性がある(ミセル性核形成)。
工業的に生産される水中油型マクロエマルション状重合体には、例えば、ポリ(メタ)アクリレート成形用組成物用の耐衝撃性改良剤が含まれる。コア‐シェル形態またはコア‐シェル‐シェル形態を有するこれらの二相系または三相系の重合体粒子は通常は100〜300nmの範囲内の総直径を有する(例えば、欧州特許第1572769号明細書を参照のこと)。しかしながら、この方法は極度に疎水性の単量体、例えば、本発明による単量体Iのフリーラジカル重合にとってはほとんど適切ではない。単量体Iの水溶解性は大きい単量体溶滴からの水相を介した重合部位への単量体移動には通常は不充分である。適切な相転移剤、例えば、シクロデキストリンにより疎水性分子の拡散が促進されることは少数の例でしか示されていない(例えば、R.J. Leyrer、W. Machtle、Macromol. Chem. Phys.誌、2000年、第201巻、1235〜1243頁を参照のこと)。しかしながら、この方法は複数の単量体の総重量における疎水性単量体の重量パーセンテージが50重量%以上であるときの共重合にとって通常は不適切である。加えて、比較的に大量の相転移剤が必要であり、そのことがそのような添加剤の分離のために使用される材料の増加のための、および、可能であればその回収のための追加費用の原因となる。
疎水性単量体から形成される重合体粒子は原理的には懸濁重合により合成され得る。そのような場合ではフリーラジカル重合は油溶性開始剤によって開始されるので、ほぼ例外なく水相よりもむしろ単量体溶滴において粒子形成が起こる。しかしながら、懸濁液状重合体の粒径は本発明による使用を考慮すると通常はかなり大きすぎる。反応条件に応じて10μmから5mmまでの直径を有する重合体粒子が通常は獲得される(例えば、Eduardo Vivaldo−Limaら、An Updated Review on Suspension Polymerization、Ind. Eng. Chem.Res.誌、1997年、第36巻、939〜965頁を参照のこと)。
したがって、本発明による重合体粒子の重合体相Aを形成するためにミニエマルション技術を用いる(例えば、F.J. Schorck、Y. Luo、W. Smulders、J.P. Russum、A. Butte、K. Fontenot、Adv. Polym. Sci.誌、2005年、第175巻、129〜255頁を参照のこと)。水中油型ミニエマルション重合は基本的に2つの独自性、すなわち、
(a)ホモジナイズ工程、および
(b)所望により共安定化剤(「超疎水性」)の添加
によって加工条件の点で古典的な水中油型マクロエマルション重合と異なる。
ホモジナイズ工程では高剪断力、例えば、超音波の形態の高剪断力の作用によって水中油型ミニエマルションが生産される。ミニエマルションは大半がナノスケールからサブマイクロスケールの狭いサイズ分布を有する動力学的に安定な水相内の溶滴からなる。水中油型マクロエマルションと比べた水中油型ミニエマルションの高い安定性は界面活性剤と共安定化剤の共同作用により生じる。界面活性剤が衝突と合体に対して溶滴を安定化する一方で共安定化剤はいわゆるオストワルド熟成が起こることを防止する。後者の過程は小溶滴における高ラプラス圧の結果として単量体が小溶滴からより大きい溶滴へ移動することを含む。共安定化剤は、多くの場合に「超疎水性」とも称される理由であるが、非常に低い水溶解性を有し、溶解した、且つ、均一に分布した形態で溶滴相に存在する。共安定化剤はその低い水溶解性のために単量体の移動に関与しないので、オストワルド熟成により単量体溶滴の間で濃度勾配が形成される。濃度勾配の形成は熱力学的観点から好ましくない。したがって、共安定化剤の存在下ではオストワルド熟成が事実上起こらない。典型的な共安定化剤には、例えば、長鎖アルカン、例えば、n−ヘキサデカンが含まれる。単量体I通常は充分に低い水溶解性を有し、したがって、それら自体が共安定化剤の機能を取り入れているので、本発明による重合体相Aの合成に共安定化剤は通常必要ない。共安定化剤の添加、とりわけ1−オクタデカンの添加を伴わない方法の実施が好ましい。水中油型マクロエマルション重合と対照的に、単量体溶滴内で粒子核形成が起こる。重合体粒子がほぼ全ての溶滴から形成されるので、このことにより粒子サイズの非常に好適な制御が可能になる。界面活性剤の種類と量により溶滴サイズと、したがって粒子サイズを調節することができる。イオン性界面活性剤を使用するとき、粒径は通常は50〜500nmまでである。また、非イオン性界面活性剤により、または保護性コロイドおよび/またはピッカリング系を使用することにより最大で約10μmのより大きな直径に調節することができる。
本発明による重合体粒子の調製のためには、重合体相Aの形成に必要なそれぞれの単量体を均一な単量体相に混合することによる自体公知の簡単な方法で水中油型マクロエマルションをまず生産し、次に、例えば、機械撹拌しながらそれを水性界面活性剤溶液に導入する。使用される単量体Iの物質状態または使用される2種類以上の単量体Iの混合物の物質状態に応じてその単量体相が均一な液体単量体相になるように予備的に加熱されることが有利であり得る。そのような事例ではその単量体相がちょうど均一に液体になるだけの高さの温度が選択されることが好ましい。概して、この温度は使用される単量体Iまたは使用される数種類の単量体Iの混合物の融点の辺り、またはそれより少し上である。水性界面活性剤溶液をこの温度にまで予備加熱しておくことも2相が混合されたときに単量体Iまたは複数の単量体Iが凝固することを防止するために有利である。水性界面活性剤溶液は追加として炭酸水素ナトリウムなどの緩衝物質を含有してよく、緩衝物質が後のフリーラジカル重合を考慮して有利な水相のpHを提供する。
原理的に水中油型マクロエマルション重合にも適切なあらゆる陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤が界面活性剤として使用され得る。好ましくは、陰イオン性および/または非イオン性の界面活性剤を使用する。
一般的な陰イオン性界面活性剤には、例えば、アルキルラジカル中に通常は8〜18個の炭素原子を有するアルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルジフェニルオキシドジスルホネート、アルキルイセチオネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルカルボキシラート、およびアルキルホスフェートが含まれる。その対イオンは通常はアルカリカチオン(概してNa)、またはアンモニウム(NH )である。
一般的な非イオン性界面活性剤には、例えば、アルキルラジカル中に通常は4〜36個の炭素原子を有し、且つ、3〜40のエトキシル化度を有する脂肪族アルコール、アルキルフェノールおよび脂肪酸のエトキシレートが含まれる。
その他の一般的な陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤が当業者に知られている。それらは、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Surfactants、Wiley−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、ヴァインハイム、2012年、DOI:10.1002/14356007.a25_747に記載されている。
基本的に最終的に生じる水中油型ミニエマルションの水相における臨界ミセル濃度(cmc)を超えないように界面活性剤の量が選択されることが好ましい。概して、界面活性剤の量は水中油型ミニエマルション中に含まれる単量体の量に対して0.1〜5重量%の範囲にある。
重合時に一次粒子の塊化(Agglomerieren)、凝集(Aggregieren)、凝固(Koagulieren)またはフロキュレーション(Ausflocken)を防止するため、保護性コロイドを水相に追加的に添加することが有利であり得る。あり得る保護性コロイドにはポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)およびその共重合体、およびセルロース誘導体、例えば、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどの高分子量水溶性化合物が含まれる。ポリ(ビニルアルコール)の使用はあまり好ましくない。
本発明に従って必要に応じた水中油型ミニエマルションを得るために高剪断力を印加して水中油型マクロエマルションを均質化する。乳化装置、例えば、超音波反応器、高圧ホモジナイザー、ローター固定子システム、スタティックミキサー、またはそれらの組合せによってそのような高エネルギー出力を発生させることができる。エネルギー出力を上昇させるとエマルション中の溶滴サイズがまず低下する。エネルギー出力の強度または持続期間のいずれかによりエネルギー量を調節することができる。特定の組成の各エマルションについて最適エネルギー出力の限度があり、その最適エネルギー出力により最小の溶滴サイズが生じる。この最小の溶滴サイズに到達すると、さらにエネルギーを導入することは単に溶滴サイズ分布のさらなる低下を導くだけである。
本発明に従って使用されるミニエマルションは、表面活性物質によって安定化され、且つ、10nm〜600nm、とりわけ40nm〜450nm、好ましくは50nm〜400nmの乳化溶滴の粒子サイズを有する基本的に水性の単量体エマルションである。
水中油型ミニエマルションの総重量における単量体相Aの割合は5〜70重量%、好ましくは20〜50重量%、または20〜40重量%である。好ましくは、その有機相の割合は15%超、または20%超、または25重量%超である。
重合体相Aを形成するためのフリーラジカル重合開始剤として原理的にフリーラジカル重合を開始することができるあらゆる化合物を使用してよい。水中油型マクロエマルション重合と対照的に水溶性開始剤に加えて油溶性開始剤を使用してもよい。
適切な油溶性フリーラジカル重合開始剤には一般的なペルオキソ化合物およびアゾ化合物、例えば、ジラウロイル過酸化物、ジベンゾイル過酸化物、tert−アミルペルオキシピバレート、tert−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2’−アゾジ(イソブチロニトリル)および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)が含まれる。
適切な水溶性フリーラジカル重合開始剤には、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウムおよびペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、および過酸化水素が含まれる。
いわゆるレドックス開始剤系を重合開始剤として使用してもよい。上述の水溶性重合開始剤は、例えば、レドックス開始重合用の酸化剤として適切である。適切な還元剤には、例えば、亜ジチオン酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、およびアスコルビン酸が含まれる。さらに、レドックス触媒系の有効性は所望により複合体化薬剤と組み合わせて鉄塩などの金属塩を添加することによってさらに改善され得る。その他の一般的なレドックス開始剤系は、例えば、A.S. Sarac、Redox polymerization、Prog.Polym.Sci.誌、1999年、第24巻、1149〜1204頁に記載されている。
フリーラジカル重合開始剤の物質状態と溶解性挙動に応じてフリーラジカル重合開始剤は大量に溶液として、懸濁液として、またはエマルションとして供給され得る。
水溶性重合開始剤はホモジナイズ工程の後にだけ好ましくは水性溶液として水中油型ミニエマルションに添加される。未成熟重合、とりわけエネルギー集中ホモジナイズ工程時の未成熟重合の危険性をそれによって最小化することができる。
前記単量体相において充分に高い崩壊温度と好適な溶解性を有する油溶性重合開始剤は通常は水中油型マクロエマルションの調製前にその単量体相に添加され、後者に完全に溶解され得る。低い崩壊温度を有する油溶性重合開始剤は後の時点、好ましくはホモジナイズ工程の後に溶液、懸濁液またはエマルションとして添加されるのが好ましい。
それらの重合開始剤の添加を完全に、少しずつ、または持続的に行うことができる。あるいは、重合開始剤の一部を一回で添加し、残りの部分の量を長期の時間にわたって持続的に、または少しずつ計量してよい。
幾つかの事例では2種類以上の異なる油溶性重合開始剤および/または水溶性重合開始剤を使用することが有利であり得る。これらの重合開始剤は好ましくは異なる崩壊温度を有し、且つ、重合反応前および/または重合反応中の様々な時点で添加される。
通常、重合される単量体の量に対して0.1〜5重量%のフリーラジカル重合開始剤を使用する。
重合温度は使用されるフリーラジカル重合開始剤の崩壊温度に主に依存する。典型的な重合温度は20〜100℃、とりわけ50〜95℃である。高圧力条件下では重合温度は100℃を越えてもよい。重合は通常は通常圧力下で行われる。
重合体相Aを形成するための反応時間は通常は1〜10時間まで、大抵は1.5〜4時間までである。
さらなる合成工程において、化学組成が重合体相Aと異なる第2の重合体相Bを水中油型ミニエマルション重合により調製された重合体相Aにグラフトすることができる。コア‐シェル形態を有する重合体粒子が生じるように合成条件を選択する。その後、重合体相Aは内部コアを形成し、重合体相Bは外部シェルを形成する。
外部重合体相Bが必要であるかどうかは基本的に重合体相Aとマトリクスプラスチックの間の適合性に依存する。その適合性が不充分であるとき、本発明による重合体粒子はマトリクスプラスチック中での分布が不充分である。その後、それらの粒子は多くの場合により大きな集塊または凝集体を形成し、それによってマトリクスプラスチックの材料特性および光学的特性に悪影響を与える。
重合体相Aおよびマトリクスプラスチックの適合性が高い場合、重合体相Aに重合体相Bをさらにグラフトしないことが好ましい。これには2つの主要な理由が存在する。(1)重合体相Bのために総粒子重量における重合体相Aの重量の割合が低下する。結果として、重合体相Bだけがサーモトロピック切換え効果に寄与するので同等の切換え特性を有するサーモトロピックプラスチックを得るためにサーモトロピックプラスチックにおける重合体粒子の濃度を増加させなければならない。このことが材料の必要量を増加させ、通常は追加コストの原因となる。加えて、高粒子濃度はマトリクスプラスチックの材料特性に悪影響を与え得る。(2)追加の重合体相がオフモードにおけるサーモトロピックプラスチックの透明度を低下させ得る。異なる化学組成のために重合体相AとBの屈折率ならびにマトリクスの屈折率も少なくともわずかに異なる。
第2の重合体相Bが重合体相Aにグラフトされる場合、本発明による粒子の総重量における重合体相Bの重量の割合は5〜90重量%、好ましくは10〜50重量%、とりわけ15〜35重量%である。
重合体相Bのグラフトのため、異なる反応性を有する2つの非共役エチレン性二重結合を有する単量体IIIを重合体相Aの合成において使用することが好ましい。そのようなグラフト架橋剤ではフリーラジカル重合性二重結合(例えば、メタクリル基の)は単量体Iの反応速度と同様の速度で反応する。2つ目の二重結合(例えば、アリル基の)は著しく低い速度で重合し、それによりこれらの二重結合の幾つかが重合の最後で未変化のままである。こうして2つの重合体相の間でのグラフト架橋が可能である。
特に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸およびジカルボン酸のアリルエステル、メタリルエステル、およびクロチルエステル、好ましくはアリル(メタ)アクリレートおよびジアリルマレートがグラフト可能単量体IIIとして適切である。
本発明による重合体粒子の重合体相Bは0〜100重量%のC〜C10−アルキル(メタ)アクリレートからなる群に由来する1種類以上の単量体VI、0〜100重量%の1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体VII、および0〜50重量%の1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体VIIIからなる。
オフモードの温度範囲における重合体相Bの屈折率が重合体相Aとそれぞれのマトリクスプラスチックの屈折率に近似するように単量体選択または単量体VI〜VIIIの重量の割合の選択が行われることが好ましい。理想的には重合体相Bとマトリクスプラスチックが同じ単量体組成を有する。その場合、重合体相Bとマトリクスプラスチックを単一相として見ることになり、結果として唯一の相接触面が粒子コア(重合体相A)と粒子シェル(重合体相B)の間に存在する。両方の相の屈折率を最適に適合させることにより、純粋なマトリクスプラスチックの透明度または半透明度に近似的に対応する透明度または半透明度がそうしてオフモードの温度範囲内で達成され得る。
重合体相Bを形成するための好ましい単量体VIにはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートおよびジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートが含まれる。
単量体VIIとして上述の単量体IVを使用してよい。
単量体VIIIとして上述の単量体Vを使用してよい。
ポリ(メタ)アクリレート成形用組成物にとって好ましい実施形態では重合体相Bは80〜99.99重量%のメチルメタクリレートおよび0.01〜20重量%のC〜Cアルキルアクリレート(単量体VI)の共重合により形成されている。
重合体相Bの形成に必要な単量体は重合体相Aの重合が完了した後に重合体相Aの水性分散体に添加される。新しい粒子の形成が回避されるような条件下でそれらの単量体を添加し、且つ、この重合段階で生じる重合体相Bをシェルとして重合体相Aの周りに被覆することが好ましい。それらの単量体が消費されるのと同じ速度で添加されることが好ましい。
好ましくは、重合体相Bの形成に必要な単量体は水中油型マクロエマルションとして重合体相Aの水性分散体に添加される。水中油型マクロエマルションの調製のため、例えば単なる機械撹拌によりそれらの単量体を水性界面活性剤溶液と混合する。その水性界面活性剤溶液はフリーラジカル重合を考慮して水相の有利なpHを提供するために緩衝物質を追加で含有してよい。
原理的に、上述の全ての界面活性剤を前記界面活性剤として使用してよい。両方の重合段階(重合体相Aおよび重合体相B)に同一の界面活性剤を使用することが好ましい。
重合体相Bの形成に必要な水中油型マクロエマルションにおける界面活性剤の量は、新たな粒子形成のリスクを最小にするため、重合体相Aを含有する水相中のその界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)を超えないように選択されることが好ましい。概して、界面活性剤の量は水中油型マクロエマルションに含まれる単量体の量に対して0.01〜2重量%の範囲にある。
水溶性フリーラジカル重合開始剤を重合体相Bの形成のために使用することが好ましい。適切な開始剤には上述の水溶性フリーラジカル重合開始剤が含まれる。
その水溶性フリーラジカル重合開始剤の添加は重合体相Bの重合時に一回で、または長期の時間にわたって行われてよい。あるいは、重合開始剤の一部を一回で添加し、残りの部分の量を長期の時間にわたって計量してよい。好ましくは、その水溶性フリーラジカル重合開始剤は水中油型マクロエマルションと共に両方一緒に、または別々のフィードのどちらかで持続的に計量される。
通常、重合される単量体の量に対して0.01〜1重量%のフリーラジカル重合開始剤を使用する。
重合体相Aが形成される第1重合段階において水溶性重合開始剤が既に使用されており、且つ、これらの水溶性重合開始剤がそれでも第2重合段階時に充分な量の重合体相Bを形成するために利用可能である場合、水溶性重合開始剤のさらなる添加は多くの場合に免除され得る。
計量予定の水中油型マクロエマルションの総重量における単量体相Bの割合は10〜80重量%、好ましくは25〜70重量%、とりわけ35〜60重量%である。
単量体の添加の完了後の重合体相Bの形成のための反応時間は通常は0.25〜8時間まで、大抵は0.5〜4時間までである。
実際のフリーラジカル重合反応後に、結果生じる粒子分散体から残留している単量体と他の揮発性有機成分の大部分を取り除くことが多くの場合に有利である。これは、例えば、蒸気蒸留により、または不活性ガスを用いる除去により行われ得る。さらに、残留している単量体の含量をフリーラジカル後重合により低下させることもでき、そのフリーラジカル後重合は、例えば、上述のレドックス開始剤系の添加により開始され得る。さらに適切な方法は、例えば、P.H.H. Araujoら、Techniques for Reducing Residual Monomer Content in Polymers: A Review、Polymer Engineering and Science誌、2002年7月、第42巻(第7号)、1442〜1468頁に記載されている。
所望により、それぞれの重合体相の重合において0〜2重量%の分子量調節剤を添加してよい。分子量調節剤はそれぞれの重合体相の一部となる。分子量調節剤は重合体鎖の長さを制限する。こうして重合体相の分子量を後続の相の分子量またはマトリクスプラスチックの分子量に合致させることができる。
例えば、C〜C18アルカンチオール、例えば、2−エチルヘキサンチオール、1−ドデカンチオールおよび1−オクタデカンチオールが分子量調節剤として適切である。
重合の完了後、通常は20〜50重量%の固形成分含量を有する水性分散体の形態で本発明による重合体粒子を得る。その水性分散体から例えば噴霧乾燥により本発明による重合体粒子を回収することができる。しかしながら、この方法は水溶性重合助剤が分離されないという欠点を有する。
したがって、その過程の好ましい実施形態では、本発明による重合体粒子は沈殿/凝固、濾過、洗浄および乾燥の一連の処理により回収される。前記分散体の直接濾過は本発明による重合体粒子の一次粒子のサイズが小さいために通常は非常に時間がかかるものであるため、濾過前にそれらの一次粒子を沈殿/凝固させる。この目的のために多種多様な方法が知られている。したがって、例えば、強電解質物質の添加により分散体を凝固させることができる。塩凝固では多価陽イオン、例えば、Ca2+、Mg2+またはAl3+を含有する塩が通常は使用される。さらに、塩を添加することなく高分子分散体の凝固を開始する方法、例えば、高剪断力の印加(剪断沈殿)、または凍結(凍結凝固)が知られている。
本発明による重合体粒子の分離のための別の好ましい方法ではたった一回の操作でスクリュー押出機により凝固、脱水および脱気が行われる特別な押出し方法が適用される(例えば、独国特許第2917321号明細書を参照のこと)。この方法では憂慮される量の水溶性非揮発性成分の残留物を残すことなく水相を分離する。重合体が溶融ストランドとして獲得され、その溶融ストランドを後にペレット化してよい。これらの方法は重合体を直接的にマトリクスプラスチックとしての成形用組成物と混合する可能性を追加的に提供し、その結果として別の作業を省略することができる。
本発明による重合体粒子の一次粒子平均直径は50nm〜10μm、好ましくは100〜2000nm、より好ましくは200〜1000nmの範囲から選択される。このサイズ範囲内の粒径は、例えば、レーザー回折によって決定される。d50値は平均一次粒子径とされている。d50は粒子の50重量%が表示値よりも小さく、それらの粒子の50重量%が表示値よりも大きいことを意味する。一次粒子はサイズ測定の前に粒子の互いの間での凝集/接着を崩壊させることを意味する。
本発明による重合体粒子は0〜10重量%の無機ナノ粒子をさらに含有してよい。特に適切なナノ粒子には元素Al、Si、Zr、Hf、Ti、Zn、Pbのケイ酸塩および酸化物、およびそれらの元素の可能な混合酸化物が含まれる。好ましくは、これらの無機ナノ粒子の粒子サイズは5〜50nmの範囲にある。そのような被覆のため、本発明による重合体粒子において温度安定性の拡大が観察される。
本発明は総重量に対して、
(A)1〜80重量%の本発明による重合体粒子、
(B)
(i)50〜100重量%の少なくとも1種類の透明または半透明マトリクスプラスチック、および
(ii)0〜50重量%の他の添加剤
からなる20〜99重量%のマトリクス
を含有するプラスチックにも関する。
そのようなプラスチックはサーモトロピックプラスチックまたはサーモトロピック成形用組成物であり、温度が変化するとその光透過率を可逆的に変更する。
特に適切なマトリクス物質にはプラスチック重合体、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、およびそれらの混合物が含まれる。適切な物質の例にはポリエチレン標準ホモ重合体および共重合体(例えば、PE−LD、PE−HD)、架橋ポリエチレン誘導体(例えば、PE−X)、エチレン共重合体(PE−ULD、PE−VLD、EVA、EVOH、EBA、EEAK、EMA、EAMA、COC、EIM)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン共重合体(例えば、ABS、SAN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、透明ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、および透明PCブレンド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、および透明PETブレンド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリルスルホン(polyarylsulfone:PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、透明セルロース誘導体(CA、CAB、CAP)、および好ましくはポリメタクリレートホモ重合体および共重合体または高耐衝撃性改良物(PMMA、AMMA、MBS、MABS、PMMI、PMMA−HI)が挙げられる。
熱可塑性加工に使用される一般的な透明または半透明成形用組成物はマトリクスプラスチックとして適切である。それらのマトリクスプラスチックはポリエチレン標準ホモ重合体および共重合体(例えば、PE−LD、PE−HD)、エチレン共重合体(PE−ULD、PE−VLD、EVA、EVOH、EBA、EEAK、EMA、EAMA、COC、EIM)、ポリプロピレン(PP)、スチレン重合体(PS、ABS、SAN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリメタクリレートホモ重合体および共重合体、または高耐衝撃性改良物(PMMA、AMMA、MBS、MABS、PMMI、PMMA−HI)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、およびPCブレンド、テレフタル酸のポリエステル(PET、PBT)およびブレンド、ポリアリルスルホン(polyarylsulfone:PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、およびセルロース誘導体(CA、CAB、CAP)からなる群より選択される。
これらの群に由来する特に適切な透明または半透明成形用組成物にはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、高耐衝撃性改変型PMMA(PMMA−HI)、メチルメタクリレート共重合体(AMMA)、ポリメタクリルメチルイミド(PMMI)、芳香族ジカルボン酸系または分岐型脂肪族ジアミン系または非環式ジアミン系透明ポリアミド(PA)、ドデカンジオン酸系および環式脂肪族ジアミン系透明ポリアミド(PA)、ビスフェノールA系ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルブチラール(PVB)、および熱可塑性ポリウレタン(TPU)が含まれる。
マトリクス物質の透明度を決定するために実施例において記載される測定方法を使用する。
サーモトロピックプラスチックは、本発明による重合体粒子をマトリクスプラスチックとしての成形用組成物と混合し、所望により例えば押出機または混練機において配合することにより添加剤をさらに混合することによる特に簡単な方法で調製され得る。
結果生じるサーモトロピック成形用組成物は熱可塑性物質を成形するための通常の方法、例えば、押出し成形、カレンダー成形、押出しブロー成形、射出成形、射出圧縮成形、射出ブロー成形、および圧縮成形により任意の成形部材、例えば、固体板、マルチスキンシート、波形シート、フィルム、棒、チューブ、またはそれらのようなものに成形され得る。
熱可塑性成形組成物に加えて他の透明または半透明プラスチックをマトリクスプラスチックとして使用してもよい。これらのプラスチックには特に硬化性成形用組成物および硬化性キャスティング用ラミネート樹脂が含まれる。両方の事例において、それらの樹脂は化学硬化剤の添加により、UV放射光または電子ビームにより、または高温により硬化する反応性樹脂である。サーモトロピックプラスチックを調製するための適切な反応性樹脂には特に透明または半透明のホルムアルデヒド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシド樹脂、シリコン樹脂、ジアリルフタラート樹脂、およびジアリルジグリコールカーボネートが含まれる。
PMMA成形用組成物を用いる熱可塑性加工(アクリルガラスXT)に加えてサーモトロピックPMMAの調製にはいわゆるキャスティング方法(アクリルガラスGS)を適用してもよい(独国特許第639095号明細書。Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Polymethacrylates、Wiley−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA社、ヴァインハイム、2013年、DOI:10.1002/14356007.a21_473.pub2も参照のこと)。そのキャスティング方法は特に高い光学的品質、鏡面仕上げ、および大きな厚みを有する製品が要求されるときに重要である。サーモトロピックアクリルガラスGSの前駆体として、PMMA、メチルメタクリレート(MMA)、本発明による重合体粒子、熱重合開始剤および所望によりその他の添加剤、例えば、(架橋)共重合用単量体、安定化剤等からなる混合物を使用することが好ましい。重合は通常は傷の無い面を有する2枚のガラスシートとスペーサーからなる密閉された平板状チャンバーの中で行われる。重合には水平または垂直に配置された充填済み平板状チャンバーを20〜60℃の範囲内の変換に適合した温度プログラムで数時間加熱する。最終重合は110〜130℃の温度で行われる。あるいは、サーモトロピックアクリルガラスは連続キャスティング方法、例えば、二重ベルト法(米国特許第3376371号明細書)によって調製されてもよい。
原理的に前記サーモトロピック成形用組成物はその他の成分、例えば、滑剤、粘着防止剤、離型剤、安定化剤(抗酸化剤、光安定剤、熱安定剤)、帯電防止剤、難燃剤、着色料、耐衝撃性改良剤、可塑剤、接着促進剤、充填剤、増強剤、膨張剤等、およびそれらの混合物を含んでよい。
特に簡単な方法では前記成形用組成物は例えば押出機または混練機において配合することにより本発明による粒子をマトリクスと混合して調製され得る。
本発明によるサーモトロピックプラスチックはもちろん複合材料の調製に使用されてもよい。したがって、そのサーモトロピックプラスチックはその他の材料、例えば、ガラス、プラスチック、木材、金属などに接着させられ、その結果として複合材料、例えば、ラミネートシート、合わせガラス、サーモトロピック接着シートで被覆されたガラス、またはサーモトロピックラッカーで被覆されたガラスが獲得される。この目的のためにマトリクスプラスチックに応じて一般的な方法、例えば、共押出し成形、多成分射出成形、接着結合、ラミネート加工、キャスティング、スプレー、ナイフ塗布、流し塗りなどが適用され得る。
次に、最終製品の調製のために例えば押出し成形または射出成形により本発明による成形用組成物を使用して成形部材、例えば、固体板、マルチスキンシート、波形シート、フィルム、チューブ、またはそれらのようなものを得ることができる。
それにより得ることができるこれらの成形部材は、例えば、冬園、温室、カーポートにおける、またはビルのガラス材における加熱保護および眩輝保護として適切である。
それにより調製されるサーモトロピックプラスチックおよびサーモトロピック成形部材またはサーモトロピックプラスチック部材は、例えば、ビル、車両、冬園、温室のガラス材用に、ガラスファサード、ガラスファサード要素およびカーテンウォール用に、ソーラーグラスおよび光指向性ソーラーグラス用に、断熱ガラス、遮熱ガラス、および断熱プレート用に、合わせガラス、安全ガラス、および遮音合わせガラス用に、カーポート、バルコニーのガラス材、テラスの屋根ふき材、グラスハウス、屋内水泳プールのガラス材および屋根ふき材用に、屋根の、頭上の、および明り取りのガラス材用に、工業用ガラス材用に、透明建築部材、ドーム天窓、連続的天井窓および筒形ボールト用に、型ガラス、中空チャンバープレート、およびパネル用に、透明断熱材用に、集光器および光電池モジュールのカバーとして、遮光フィルムおよびラッカー用に、農業用フィルムおよび温室用フィルム用に、例えば合わせガラス用のラミネート加工フィルムとして、屋内用ガラス材、仕切り壁、間仕切り壁、シャワーキャビネット、ガラスドア、およびガラス引き戸用に、装飾ガラス用に、照明器具カバー、ランプシェード、反射器および光導波路用に、光学レンズおよび眼鏡のレンズまたはそれらの被覆用に、発光広告およびネオンサイン用に、交通信号および標識用に、および包装用に適切である。
後続の実施例により本発明をさらに例示する。
実施例1−本発明による重合体粒子の調製
実施例1について、マトリクスプラスチックとしてのポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)用のサーモトロピック添加剤として使用され得る、本発明による重合体粒子を調製した。それらの重合体粒子は市販されているPMMA成形用組成物を用いる熱可塑性加工(アクリルガラスXT、実施例6および7)にもPMMAキャスト材の調製(アクリルガラスGS、実施例8および9)にも適切である。本発明による二相重合体粒子は(使用される単量体の量に基づいて)A/B=75/25重量%の重量比にある重合体相A及びBからなる。1つの重合体相Aのみからなる本発明による重合体粒子は通常はPMMA成形用組成物を用いる熱可塑性加工に不適切である。大抵は不充分な重合体相AのPMMA成形用組成物との適合性のため、対応する成形部材は多くの場合に恒久的な混濁、不均質性、および破壊パターンとしての多数の粒子集塊を呈する。
両方の重合体相の単量体組成が表1および表2に示されている。重合体相Aの組成は関連のサーモトロピックPMMA成形部材またはキャスト材が主に30〜40℃の温度範囲内でそれらの光透過率を可逆的に変更するように選択された。極めて一般的なことだが、グループIIからVまでのその他の単量体との共重合によってTが低下するので30〜40℃の切換え温度にはその切換え温度より高い相転移温度Tmを有するホモ重合体または共重合体を有する単量体Iまたは2種類以上の単量体Iの混合物だけが適切である。したがって、重合体相Aの単量体IとしてODAを選択した。ホモ重合体p(ODA)の相転移温度である約50℃のT(K.A. O’Leary、D.R. Paul、Physical properties of poly(n−alkylacrylate) copolymers、Part1. Crystalline/crystalline combinations、Polymer誌、2006年、第47巻、1226〜1244頁を参照のこと)は30〜40℃の切換え温度に必要な相転移温度よりも約10〜20K上である。したがって、重合体相Aのその相転移温度はBA(単量体II)との共重合によって低下する。残りの単量体III〜VもTの低下に寄与することに留意すべきである。重合体相AとBの両方のグラフト架橋のため、重合によりALMA(単量体III)を組み入れた。オフモードの温度範囲において高い透明度を有するPMMA成形部材またはPMMAキャスト材を得るため、スチレンとの共重合により重合体相Aの屈折率をPMMAマトリクスの屈折率(n 20=1.49)に合致させた。重合体相Aの5番目の成分として重合によりHEMA(単量体V)を組み入れた。こうして本発明による重合体粒子の調製特性と加工特性を改善することができた。
重合体相Bについて、市販されているPMMA成形用組成物の組成に典型的に対応する組成を選択した。一方でこのことは本発明による粒子のPMMAマトリクスとの適合性を改善し、他方で重合体相Bとマトリクスプラスチックの屈折率の最適マッチングを達成することができ、それによってオフモードにおける透明度が決定的に改善される。市販されているPMMA成形用組成物の調製のため、主要な単量体としてのMMAに加えて成形用組成物に好適な加工性とより高い熱安定性をもたらす少量のアクリレート(例えば、EA)を共重合用単量体として主に使用した。
出発物質
単量体相Aのフリーラジカル重合について、0.60gのLPOを油溶性重合開始剤として使用した。
上記に係る水相Aは0.30gのSDS、0.075gのNaHCO、および140gの超純水から構成される。
上記に係る水相Bは0.020gのSDS、0.010gのNaHCO、0.020gのNaPDS、および20gの超純水から構成される。
装置
超音波ホモジナイズ:Sonotrode S14装着HIELSCHER超音波反応器UP200Sおよび振幅100%とサイクル1の設定。
計量ポンプ:HEIDOLPHポンプドライブPD5101、ポンプヘッドSP QUICK D 1,6、TYGON 2001柔軟チューブ 0,8/1,6、ステージ10で計量
真空濾過:フィルターMACHERY−NAGEL MN640W(中速度、150mmの直径)、プラスチックフリット(150mmの直径)、1000mlのフィルターフラスコ、メンブレンポンプ。
方法
35℃に温度制御された水相Aを最初にチャージした。循環空気乾燥キャビネット内で単量体Iを60℃で完全に溶融した。水浴(35℃)内で単量体II〜Vを前もって温め、磁気撹拌しながら液体単量体Iと混合した。結果生じる単量体相Aを連続的に撹拌しながら35℃でさらに15分間保った。単量体相Aと水相Aを混合する直前に油溶性開始剤を単量体相Aに添加し、磁気撹拌しながら完全に溶解した。35℃で10分間の磁気撹拌子を用いる激しい撹拌により混合相を水中油型マクロエマルションに予備分散した。その後、その水中油型マクロエマルションを超音波で30分間ホモジナイズして水中油型ミニエマルションにした。超音波処理時に水浴(25℃)を用いて混合物を冷却し、且つ、内部温度をモニターした。加えて、磁気撹拌子を用いて当該エマルションを撹拌して基本的に均一な温度分布を確保した。超音波処理時に内部温度は30〜45℃の範囲であった。超音波処理後、35℃に予備加熱した重合容器に当該水中油型ミニエマルションを移した。還流濃縮器、不活性ガス注入口および精密ガラス撹拌子を有する500ml三首フラスコを重合容器として使用した。精密ガラス撹拌子の分当たりの回転数を電子撹拌機により300rpmに設定した。撹拌ホットプレート付きの温度制御油浴を使用して重合容器を加熱した。磁気撹拌がその油浴中に均一な温度分布をもたらした。不活性ガス(アルゴン)流下で撹拌しながら35℃の油浴温度において水中油型ミニエマルションを15分間脱気した。不活性ガス流を低下させ、そのミニエマルションを85℃で加熱した。その後、一定の回転数で撹拌しながら重合を85℃でさらに120分間実施した。2時間の重合体相Aの重合時間の間に、重合体相Bの水中油型マクロエマルションを調製した。単量体相Bを水相Bと混合し、磁気撹拌子を用いて30分間激しく撹拌した。得られた水中油型マクロエマルションを、2時間の重合体相Aの重合時間が終了してから、85℃で計量ポンプを使用して45分の時間にわたって滴下することで添加した。添加の完了後、撹拌を一定の回転数により85℃で120分間続けた。その後、油浴を取り外し、粒子分散体を凝固させた。この目的のため、まだ温かいうちに分散体をビーカーに移し、磁気撹拌子を用いる激しい撹拌により150mlの0.5%硫酸マグネシウム溶液と混合した。凝固物を真空条件下で濾過した。残ったフィルター残留物をそれぞれ250mlの水でさらに5回洗浄して全ての水溶性重合助剤を可能であれば完全に除去した。湿った重合体をフード下で質量が一定になるまで乾燥させて73.4gの無色の固形物を得た。
粒子分析
PERKIN ELMER DSC4000を使用する示差走査熱量測定により実施例1の乾燥重合体を特徴解析した。−20〜120℃の温度範囲において、および10K/分の加熱速度または冷却速度を用いて2本の加熱曲線と1本の冷却曲線を記録した(順番:加熱曲線1、冷却曲線1、加熱曲線2)。冷却曲線1および加熱曲線2を評価に使用した。一次相転移が見出されている。冷却曲線1:開始温度=34.4℃、ピーク温度=30.3℃、ΔH=−39.2J/g;加熱曲線2:開始温度=30.7℃、ピーク温度=39.0℃、ΔH=39.4J/g。
図1は凝固した実施例1の乾燥重合体の走査電子顕微鏡写真を示す。当該重合体の平均一次粒子径d50は100〜400nmの範囲内にある。
後続の実施例2〜5では、様々な相転移温度を有する本発明による他の重合体粒子の調製を記載する。
実施例2−本発明の重合体粒子の調製
出発物質
単量体相Aのフリーラジカル重合には、0.30gのAIBNを油溶性重合開始剤として使用した。
上記に係る水相Aは0.30gのSDS、0.075gのNaHCO、および140gの超純水から構成される。
上記に係る水相Bは0.020gのSDS、0.010gのNaHCO、0.020gのNaPDS、および20gの超純水から構成される。
方法
方法は実施例1に類似しており、次の変更点を有した。
単量体Iは循環空気乾燥キャビネット内で80℃で完全に溶融された。
水相A、単量体相Aおよび両方の相から調製される水中油型マクロエマルションは45℃の温度まで制御した。超音波処理時に水浴(35℃)を用いて当該エマルションを冷却した。内部温度は40〜55℃の範囲であった。超音波処理後、45℃に予備加熱した重合容器に当該水中油型ミニエマルションを移した。
重合体相Aを形成するために必要な重合開始剤AIBNを前記超音波処理の直後に45℃で前記水中油型ミニエマルションに添加した。
71.9gの無色の固形物を得た。
粒子分析
実施例1と同様にDSCを使用して粒子分析を実施した。加熱曲線2を評価に使用した。一次相転移が見出されている。加熱曲線2:開始温度=46.5℃、ピーク温度=52.8℃、ΔH=47.5J/g。
実施例3−本発明による重合体粒子の調製
出発物質
単量体相Aのフリーラジカル重合について、0.60gのLPOを油溶性重合開始剤として使用した。
上記に係る水相Aは0.30gのSDS、0.075gのNaHCO、および140gの超純水から構成される。
上記に係る水相Bは0.020gのSDS、0.010gのNaHCO、0.020gのNaPDS、および20gの超純水から構成される。
方法
方法は実施例1に類似しており、次の変更点を有した。
単量体Iは両方一緒に循環空気乾燥キャビネット内で60℃で完全に溶融された。
重合後に凍結により粒子分散体を凝固させた。この目的のため、粒子分散体を−18℃の冷凍庫内で24時間貯蔵した。融解後に実施例1と同様に凝固物を濾過し、洗浄し、乾燥した。
75.2gの無色の固形物を得た。
粒子分析
実施例1と同様にDSCを使用して粒子分析を実施した。加熱曲線2を評価に使用した。一次相転移が見出されている。加熱曲線2:開始温度=30.9℃、ピーク温度=37.3℃、ΔH=48.7J/g。
実施例4−本発明による重合体粒子の調製
出発物質
単量体相Aのフリーラジカル重合について、0.60gのBPO(75%、水中)を油溶性重合開始剤として使用した。
上記に係る水相Aは0.30gのSDS、0.075gのNaHCO、および140gの超純水から構成される。
上記に係る水相Bは0.015gのSDS、0.0075gのNaHCO、0.015gのNaPDS、および15gの超純水から構成される。
したがって、重合体相AとBの重量比は重量比で(使用される単量体の量に基づいて)A/B=80/20である。
方法
方法は実施例1に類似しており、次の変更点を有した。
単量体Iは循環空気乾燥キャビネット内で80℃で完全に溶融された。
水相A、単量体相Aおよびそれらから調製される水中油型マクロエマルションは50℃の温度まで制御した。超音波処理時に水浴(40℃)を用いて当該エマルションを冷却した。内部温度は40〜60℃の範囲であった。超音波処理後、50℃に予備加熱した重合容器に当該水中油型ミニエマルションを移した。
重合体相Aを形成するために必要な重合開始剤BPOを前記超音波処理の直後に50℃で前記水中油型ミニエマルションに添加した。
単量体相Bの水中油型マクロエマルションは35分の時間にわたって滴下しながら添加された。
67.9gの無色の固形物を得た。
粒子分析
実施例1と同様にDSCを使用して粒子分析を実施した。加熱曲線2を評価に使用した。一次相転移が見出されている。加熱曲線2:開始温度=58.8℃、ピーク温度=63.7℃、ΔH=67.8J/g。
実施例5−本発明による重合体粒子の調製
出発物質
単量体相Aのフリーラジカル重合では、0.30gのAIBNを油溶性重合開始剤として使用した。
上記に係る水相Aは0.30gのSDS、0.075gのNaHCO、および140gの超純水から構成される。
上記に係る水相Bは0.020gのSDS、0.010gのNaHCO、0.020gのNaPDS、および20gの超純水から構成される。
方法
方法は実施例1に類似しており、次の変更点を有した。
単量体Iは循環空気乾燥キャビネット内で80℃で完全に溶融された。
水相A、単量体相Aおよびそれらから調製される水中油型マクロエマルションは50℃の温度まで制御した。超音波処理時に水浴(40℃)を用いて当該エマルションを冷却した。内部温度は40〜60℃の範囲であった。超音波処理後、50℃に予備加熱した重合容器に当該水中油型ミニエマルションを移した。
重合体相Aを形成するために必要な重合開始剤AIBNを前記超音波処理の直後に50℃で前記水中油型ミニエマルションに添加した。
76.1gの無色の固形物を得た。
粒子分析
実施例1と同様にDSCを使用して粒子分析を実施した。加熱曲線2を評価に使用した。一次相転移が見出されている。加熱曲線2:開始温度=48.3℃、ピーク温度=52.8℃、ΔH=57.1J/g。
実施例6−サーモトロピックPMMA成形用組成物および成形部材
本発明によるサーモトロピック成形用組成物の調製のために実施例1の重合体粒子を溶融状態で220〜250℃の温度において耐衝撃性改良PMMA成形用組成物(60〜40重量%の比率のLUCITE DIAKON CLH952およびIM9386)と混合した。溶融状態で混合するために10ゾーンツインスクリュー押出機(COPERION ZSK18)を使用した。サーモトロピックPMMA成形用組成物の熱混合物ストランドは押出機のノズルを出てきたときには濃い白色である。室温まで冷却した後に熱混合物ストランドは目に見えて透明になる。その後、冷えた混合物ストランドをペレット化した。
その後、ペレット化された混合物を自動射出成形機(ENGEL VIKTORY 200/50 Focus)において240〜260℃の温度でさらに加工して、60×60×2mmの寸法の固体板を形成した。
実施例7−サーモトロピックPMMA成形用組成物および成形部材
本発明によるサーモトロピック成形用組成物を調製するために、同じ組成を有する重合体粒子を、溶融状態で、210〜250℃の温度において耐衝撃性改良PMMA成形用組成物PLEXIGLAS zk4HC(EVONIK社)と混合した。溶融状態で混合するために一対の共回転スクリューを有するツインスクリュー・デスクトップ混合機(COLLIN ZK 25T、TEACH−LINE)を使用した。室温まで冷却した後に混合物ストランドをペレット化した。
ペレット化された混合物を実験室用板プレス機(COLLIN P200 M)でさらに加工して50×50×4mmの寸法の固体板を形成した。それらのペレットを圧縮フレームの空洞の中の2枚のKapton保護フィルムの間に広げ、その後、220℃の温度および200バールの圧力下の2枚のクローム鍍金鏡面仕上げ真鍮プレートの間で圧縮成形した。
実施例8−キャスティング法により調製されたサーモトロピックPMMA固体板
サーモトロピック特性を有するキャストPMMA固体板(アクリルガラスGS)を本発明に従って調製するために簡単な構成の工業的平板状チャンバー法を使用した。2枚のフロートガラスシート(100×100×5mm)、スペーサーとしての3mm厚のPVCストリングおよび4つのダブルクリップから形成される簡単なチャンバーが実験室規模での重合に役立った。10重量%の成形用組成物PLEXIGLAS 7Nと90重量%の単量体MMAからなるプレポリマーをPMMA前駆体として使用した。磁気撹拌子を高回転数で60分間用いて15重量%の本発明による重合体粒子と85重量%のプレポリマーの混合物を混合して均質な粒子/プレポリマー分散体を形成した。その後、撹拌しながら0.2重量%(粒子/プレポリマー分散体の総重量に対して)の重合開始剤LPOを添加した。撹拌をさらに10分間継続した。結果生じる熱硬化性粒子/プレポリマー分散体をチャンバーに充填し、循環空気乾燥キャビネット内で垂直に配置して重合のために58℃で16時間加熱した。最終重合を110℃で2時間実施した。その後、サーモトロピックPMMA固体板をそのチャンバーから分離した。その固体板は2.9mmの層厚を有する。
実施例9−キャスティング法により調製されたサーモトロピックPMMA固体板
本方法は5mmの直径を有するPVCストリングをチャンバー用のスペーサーとして使用したことを除いて実施例8と同様であった。そのようにして調製されたサーモトロピックPMMA固体板の層厚は4.6mmであった。
実施例6〜9の光学的特徴解析
太陽光スペクトル(280〜2500nm)の波長範囲における透過率の温度依存的測定により射出成形PMMA部材(実施例6)、圧縮成形PMMA部材(実施例7)および2枚のキャストPMMA固体板(実施例8および9)を光学的に特徴解析した。図2は試料の光学的特徴解析のために用いられた両方の測定の構成を示す。両方の事例において入射ビームが高角度で検査試料に当たる。90°の射出角方向部分の放射光だけが検出される場合、これは垂直入射‐垂直放射型透過率(Tnn)と呼ばれる。対照的に、垂直入射‐半球放射型透過率測定(Tnh)では前記方向部分に加えて全前方散乱(拡散)放射光が検出される。したがって、垂直入射‐半球放射型透過率は検査試料の総透過率を表す。
JASCO社の2ビーム式分光光度計(V−670)を使用して全ての透過率測定を実施した。垂直入射‐半球放射測定にはJASCO社の固形試料保持器具付きの60mmのウルブリヒト積分球を使用した。
サーモスタット制御試料保持器具内で検査試料を少なくとも20分間それぞれの温度に平衡化した。オフモードを25℃で測定し、オンモードを85℃で測定した。
(DIN EN410:ガラス材の輝度特性および日射特性の決定、欧州標準EN410、ドイツ語版、欧州標準化委員会、ブリュッセル、1998年に従って)可視光(vis)のスペクトル分布または日射光(sol)のスペクトル分布を考慮して積分透過率パーセンテージTvisおよびTsolを測定スペクトルから計算した。
放射光透過率の後続の特徴に基づいて前記試料のサーモトロピック切換え特性の評価を実施した。
Tvisnn、Tvisnhは標準光原D65のスペクトル輝度感受性と正規化相対的スペクトル放射光分布を考慮した可視光波長範囲(380〜780nm)における垂直入射‐垂直放射型(nn)透過率または垂直入射‐半球放射型(nh)透過率のパーセントである。
Tsolnhは球状放射光の正規化相対的スペクトル放射光分布を考慮した太陽光波長範囲(300〜2500nm)における垂直入射‐半球放射型(nh)透過率のパーセントである。
ΔTabsはΔTabs=T(OFF)−T(ON)に従って計算されるオフモードとオンモードの間でのそれぞれの透過率の絶対的差異である。
ΔTrelはΔTrel=100−[T(ON)/T(OFF)*100]に従って計算されるオフモードとオンモードの間でのそれぞれの透過率の相対的差異である。したがって、ΔTrelはT(OFF)に基づく透過率の変化のパーセントを表す。
実施例6〜9の検査試料はオフモードにおいて高い光線透過率を有する(Tvisnh(OFF)=82〜89%)。太陽光透過率はわずかに低いだけである(Tsolnh(OFF)=74〜85%)。温度の上昇が可視光透過率Tvisnhを26%から43%まで低下させ、太陽光透過率Tsolnhを20%から34%まで低下させる。オフモードにおける透過率に基づく相対的変化は可視光波長範囲において32%から52%までであり、太陽光波長範囲において25%から46%までである。
図3は実施例9の垂直入射‐半球放射型透過率の関連のスペクトルを示す。
垂直入射‐半球放射型透過率の測定に加えて、垂直入射‐垂直放射型透過率の温度依存的測定により実施例7の圧縮成形PMMA部材を特徴解析した。したがって、分光光度計のビーム経路内に直接的にあるサーモスタット制御試料保持器具内で検査試料を20℃から85℃まで徐々に加熱した。20℃、22.5℃、25℃、27.5℃、30℃、32℃、34℃、36℃、38℃、40℃、42℃、50℃および85℃の温度において280〜2500nmの波長範囲内で透過スペクトルを記録した。予備加熱時間は15〜60分であった。図4において、透過スペクトルから計算される垂直入射‐垂直放射型可視光透過率(Tvisnn)の透過率値が温度に対してプロットされている。オフモードの温度範囲(20〜30℃)においてTvisnnはほぼ一定である。約30℃の試料温度からサーモトロピック切換えの開始がある。そこで、30〜40℃の温度範囲において透過率が75%超まで著しく低下する。40℃(オンモード)を超えるとTvisnnはわずかにしか低下しない。
この実施例は透過率の最大の低下が本発明による粒子の重合体相Aの相転移温度Tの範囲内で観察され得ることを示している。曇りは試料温度に対応する比較的に狭い温度ウインドウ内で起こる。切換え時間は短い。冷却すると、試料は元の透明状態に戻る。清澄化はわずかに低い温度でわずかに遅れて起こる。
文中で使用された略語
AIBN アゾビス(イソブチロニトリル)
ALMA アリルメタクリレート
BA n−ブチルアクリレート
BPO ジベンゾイル過酸化物
BzMA ベンジルメタクリレート
DCA n−ドコサニルアクリレート
EA エチルアクリレート
HDA n−ヘキサデシルアクリレート
HEMA 2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HPA ヒドロキシプロピルアクリレート(異性体の混合物)
LPO ジラウロイル過酸化物
MMA メチルメタクリレート
NaHCO 炭酸水素ナトリウム
NaPDS ペルオキソ二硫酸ナトリウム
ODA n−オクタデシルアクリレート
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
引用されている全ての刊行物は、それらの中に含まれる開示が本発明の教示と矛盾しない限り、全体が参照により本明細書に含まれる。

Claims (59)

  1. (A)i)30重量%〜99.9重量%の、少なくとも1つのC12〜C48n−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体I、
    ii)0重量%〜60重量%の、少なくとも1つのC〜C11n−アルキル側鎖および/または1つのC〜C48i−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体II、
    iii)0.1重量%〜20重量%の、少なくとも2つの非共役エチレン性二重結合を有する1種類以上の単量体III、
    iv)0重量%〜69.9重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体IV、
    v)0重量%〜40重量%の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体V
    を含む単量体混合物を油相として有する水中油型ミニエマルションを、フリーラジカル共重合して得られる、重合体粒子総重量に対して10重量%〜100重量%の重合体相Aと、
    (B)i)0重量%〜100重量%の、C〜C10 アルキル(メタ)アクリレートからなる群に由来する1種類以上の単量体VI、
    ii)0重量%〜100重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体VII、
    iii)0重量%〜50重量%の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体VIII
    を含む単量体混合物を、工程(A)で得られた前記重合体相Aの存在下で続けてフリーラジカルグラフト共重合して得られる、重合体粒子総重量に対して0〜90重量%の重合体相Bと、
    を含有し、
    前記各工程において使用される前記各単量体混合物の重量パーセンテージは合計で100重量%である、
    50nm〜10μmの平均一次粒子径を有する重合体粒子。
  2. 前記重合体粒子が−20℃〜150℃の温度範囲で一次相転移を示すことを特徴とする、請求項1に記載の重合体粒子。
  3. 前記単量体Iが
    Ia)α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸とC12〜C48n−アルカノールとのエステル、
    Ib)エステルラジカルとしての少なくとも1つのC12〜C48n−アルキル側鎖を有するα,β−エチレン性不飽和C〜Cジカルボン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、および
    Ic)C13〜C49n−アルカン酸のアリルエステルおよびビニルエステル
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1および請求項2の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  4. 前記単量体IIが
    IIa)α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸とC〜C11n−アルカノールまたはC〜C48i−アルカノールとのエステル、
    IIb)α,β−エチレン性不飽和C〜Cジカルボン酸とC〜C11n−アルカノールおよび/またはC〜C48i−アルカノールとのモノエステルおよびジエステル、ならびに
    IIc)C〜C12n−アルカン酸およびC〜C49i−アルカン酸のアリルエステルおよびビニルエステル
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  5. 前記粒子の全重量における重合体相Bの割合が0重量%であり、且つ、前記単量体IIIが
    IIIa)多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、
    IIIb)多価アルコールのビニルエーテルおよびアリルエーテル、および
    IIIc)アリル基、ビニル基、または(メタ)アクリル基により二置換または多置換された(複素)環式化合物および(複素)芳香族化合物、
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項4の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  6. 前記粒子の全重量における重合体相Bの割合が0重量%より高く、且つ、前記単量体IIIがα,β−エチレン性不飽和カルボン酸およびジカルボン酸のアリルエステル、メタリルエステル、およびクロチルエステルからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項4の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  7. 前記単量体IVが
    IVa)ビニル(複素)芳香族および
    IVb)(複素)芳香族(メタ)アクリレート
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項6の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  8. 前記単量体Vが
    Va)α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸、
    Vb)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸無水物、
    Vc)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド、および
    Vd)ヒドロキシ置換、アルコキシ置換、カルボキシ置換、アミノ置換、エポキシ置換、スルフォ置換、シリル置換、またはハロ置換のアルキル(メタ)アクリレート、および複素環式(メタ)アクリレート、
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項7の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  9. 前記単量体VIIが
    IVa)ビニル(複素)芳香族および
    IVb)(複素)芳香族(メタ)アクリレート
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項8の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  10. 前記単量体VIIIが
    Va)α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸、
    Vb)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸無水物、
    Vc)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド、および
    Vd)ヒドロキシ置換、アルコキシ置換、カルボキシ置換、アミノ置換、エポキシ置換、スルフォ置換、シリル置換、またはハロ置換のアルキル(メタ)アクリレート、および複素環式(メタ)アクリレート
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項9の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  11. 前記重合体相Bが80重量%〜99.99重量%のメチルメタクリレートと0.01〜20重量%のC〜Cアルキルアクリレートとの共重合により形成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項10の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  12. 本発明による粒子の総重量における重合体相Bの重量の割合が5重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜50重量%、とりわけ15重量%〜35重量%であることを特徴とする、請求項1〜請求項11の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  13. 前記重合体粒子が、元素Al、Si、Zr、Hf、Ti、Zn、Pbのケイ酸塩および酸化物、並びにこれらの元素の可能な混合酸化物からなる群より選択される無機粒子を0重量%〜10重量%含有することを特徴とする、請求項1〜請求項12の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  14. 前記のそれぞれの重合体相がC〜C18アルカンチオールからなる群より選択される分子量調節剤を0重量%〜2重量%含有することを特徴とする、請求項1〜請求項13の少なくとも1項に記載の重合体粒子。
  15. (A)水と界面活性剤からなる水相Aを供給し、
    (B)i)30重量%〜99.9重量%の、少なくとも1つのC12〜C48n−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体I、
    ii)0重量%〜60重量%の、少なくとも1つのC〜C11n−アルキル側鎖および/または1つのC〜C48i−アルキル側鎖を有する1種類以上のモノエチレン性不飽和単量体II、
    iii)0.1重量%〜20重量%の、少なくとも2つの非共役エチレン性二重結合を有する1種類以上の単量体III、
    iv)0重量%〜69.9重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体IV、
    v)0重量%〜40重量の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体V
    を含む10重量%〜100重量%の単量体相Aを添加し、混合物をまず撹拌により予備分散して水中油型マクロエマルションを形成し、次にホモジナイズして水中油型ミニエマルションを形成し、最終的に単量体I、II、III、IVおよびVの総重量に対して少なくとも90重量%が転換するまで重合し、
    (C)i)0重量%〜100重量%の、C〜C10アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種類以上の単量体VI、
    ii)0重量%〜100重量%の、1種類以上の(複素)芳香族モノエチレン性不飽和単量体VII、
    iii)0重量%〜50重量%の、1種類以上の他のモノエチレン性不飽和単量体VIII
    を含む0重量%〜90重量%の単量体相Bを添加し、混合物を単量体VI、VIIおよびVIIIの総重量に対して少なくとも90重量%が転換するまで重合し、得られた重合体を水相より分離し、ここで前記単量体相Aおよび前記単量体相Bの表記された重量パーセンテージは合計で100重量%であり、
    前記単量体相Aと前記水相Aを含有する前記水中油型ミニエマルションを形成するための前記ホモジナイズ工程に超音波反応器、高圧ホモジナイザー、ローター固定子システム、スタティックミキサーシステム、またはそれらの組合せを使用することを特徴とする、
    請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子を調製するための方法。
  16. 新しい粒子の形成が回避される条件下で前記単量体相Bを添加し、且つ、この重合段階で生じる前記重合体相Bをシェルとして、前記第1重合段階において前記単量体相Aから形成される重合体相Aの周りに被覆することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 前記単量体相Bが、消費されるのと同じ速度で水中油型マクロエマルションとして添加されることを特徴とする、請求項15および請求項16の少なくとも1項に記載の方法。
  18. 1種類以上の油溶性および/または水溶性フリーラジカル重合開始剤を単量体相Aの重合に使用することを特徴とする、請求項15〜請求項17の少なくとも1項に記載の方法。
  19. 重合される単量体の量に対して0.1重量%〜5重量%のフリーラジカル重合開始剤を単量体相Aの重合に使用することを特徴とする、請求項15〜請求項18の少なくとも1項に記載の方法。
  20. 1種類以上の水溶性フリーラジカル重合開始剤を単量体相Bの重合に使用することを特徴とする、請求項15〜請求項19の少なくとも1項に記載の方法。
  21. 重合される単量体の量に対して0.01重量%〜1重量%のフリーラジカル重合開始剤を単量体相Bの重合に使用することを特徴とする、請求項15〜請求項20の少なくとも1項に記載の方法。
  22. 前記のそれぞれの重合段階の重合温度が20〜100℃、好ましくは50〜95℃、とりわけ60〜90℃であることを特徴とする、請求項15〜請求項21の少なくとも1項に記載の方法。
  23. 陰イオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤を使用することを特徴とする、請求項15〜請求項22の少なくとも1項に記載の方法。
  24. 前記単量体相Aを含有する前記水中油型ミニエマルションの水相中の界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)を越えないように前記界面活性剤の量を選択することを特徴とする、請求項15〜請求項23の少なくとも1項に記載の方法。
  25. 炭酸水素ナトリウムなどの緩衝物質を添加することによって、前記水相AのpHをフリーラジカル重合に有利とすることを特徴とする、請求項15〜請求項24の少なくとも1項に記載の方法。
  26. 水中油型マクロエマルションに混合される前に前記単量体相Aと前記水相Aを25〜100℃の温度、好ましくは30〜60℃の温度に予備加熱することを特徴とする、請求項15〜請求項25の少なくとも1項に記載の方法。
  27. 重合の完了後に得られる前記水性分散体の固形成分含量が10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%、とりわけ30〜50重量%であることを特徴とする、請求項15〜請求項26の少なくとも1項に記載の方法。
  28. 重合の完了後に沈殿/凝固、濾過、洗浄および乾燥の一連の処理により水相から請求項1〜請求項14のうち少なくとも1項に記載の重合体粒子を回収することを特徴とする、請求項15〜請求項27の少なくとも1項に記載の方法。
  29. 重合の完了後に多価陽イオン、例えば、Ca2+、Mg2+またはAl3+を含有する塩の添加により請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子を沈殿または凝固させることを特徴とする、請求項15〜請求項28の少なくとも1項に記載の方法。
  30. 重合の完了後に0℃〜−40℃、好ましくは−10℃〜−30℃の温度で凍結することにより請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子を凝固させることを特徴とする、請求項15〜請求項29の少なくとも1項に記載の方法。
  31. 重合の完了後にスクリュー押出機を使用する凝固、脱水および脱気により水相から請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子を回収することを特徴とする、請求項15〜請求項30の少なくとも1項に記載の方法。
  32. 重合の完了後に一回の操作でスクリュー押出機を使用して請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子を凝固、脱水、および脱気し、且つ、マトリクスプラスチックとしての成形用組成物と混合することを特徴とする、請求項15〜請求項31の少なくとも1項に記載の方法。
  33. プラスチック材の総重量に対して
    (a)1〜80重量%の、請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子、並びに
    (b)20〜99重量%の、
    (i)50〜100重量%の少なくとも1種類のマトリクスプラスチック、および
    (ii)0〜50重量%の他の添加剤、例えば、滑剤、粘着防止剤、離型剤、分散剤、帯電防止剤、難燃剤、着色料、耐衝撃性改良剤、可塑剤、接着促進剤、充填剤、増強剤、膨張剤および抗酸化剤、光安定剤、熱安定剤などの安定化剤
    からなるマトリクス、
    を含むことを特徴とするプラスチック材。
  34. 2mmの層厚を有するプラスチック板またはプラスチックフィルムに形成された場合、DIN EN410による全光線透過率が、−20℃〜150℃の温度範囲内で、前記プラスチック板またはプラスチックフィルムの最大全光線透過率に対して少なくとも5%変化することを特徴とする、請求項33に記載のプラスチック材。
  35. ポリエチレン標準ホモ重合体および共重合体(例えば、PE−LD、PE−HD)、エチレン共重合体(PE−ULD、PE−VLD、EVA、EVOH、EBA、EEAK、EMA、EAMA、COC、EIM)、ポリプロピレン(PP)、スチレン重合体(PS、ABS、SAN)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリメタクリレートホモ重合体および共重合体、または高耐衝撃性改良物(PMMA、AMMA、MBS、MABS、PMMI、PMMA−HI)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、およびPCブレンド、テレフタル酸のポリエステル(PET、PBT)およびブレンド、ポリアリルスルホン(polyarylsulfone:PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、およびセルロース誘導体(CA、CAB、CAP)からなる群より選択される熱可塑性成形組成物がマトリクスプラスチックとして使用されていることを特徴とする、請求項33および請求項34の少なくとも1項に記載のプラスチック材。
  36. ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、高耐衝撃性改変型PMMA(PMMA−HI)、メチルメタクリレート共重合体(AMMA)、ポリメタクリルメチルイミド(PMMI)、芳香族ジカルボン酸または分岐型脂肪族ジアミン系または非環式ジアミン系透明ポリアミド(PA)、ドデカンジオン酸および環式脂肪族ジアミン系透明ポリアミド(PA)、ビスフェノールA系ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルブチラール(PVB)、および熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる群より選択される熱可塑性成形組成物がマトリクスプラスチックとして使用されていることを特徴とする、請求項33〜請求項35の少なくとも1項に記載のプラスチック材。
  37. 硬化性成形用組成物および硬化性キャスティング用ラミネート樹脂、例えば、透明または半透明のホルムアルデヒド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシド樹脂、シリコン樹脂、ジアリルフタラート樹脂、およびジアリルジグリコールカーボネートが前記マトリクスプラスチックの前駆体として使用されることを特徴とする、請求項33および請求項34の少なくとも1項に記載のプラスチック材。
  38. ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、メチルメタクリレート(MMA)、少なくとも1種類のフリーラジカル重合開始剤および所望により(架橋性)共重合用単量体からなる熱硬化性プレポリマー混合物が前記マトリクスプラスチックの前駆体として使用されることを特徴とする、請求項33および請求項34の少なくとも1項に記載のプラスチック材。
  39. 請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子を、特に押出機または混練機の中において配合することにより前記マトリクスと混合することを特徴とする、請求項33〜請求項36の少なくとも1項に記載のプラスチック材を調製するための方法。
  40. 請求項33〜請求項36の少なくとも1項に記載のプラスチック材を、さらに、適切な方法、例えば、押出し成形、カレンダー成形、押出しブロー成形、射出成形、射出圧縮成形、射出ブロー成形、および圧縮成形により成形部材に、例えば、固体板、マルチスキンシート、波形シート、フィルム、棒、チューブまたは他の成形部材に成形することを特徴とする、請求項39に記載の方法。
  41. 請求項33〜36の少なくとも1項に記載のプラスチック材を、さらに、例えば共押出し成形、多成分射出成形、接着結合、ラミネート加工、キャスティング、スプレー、ナイフ塗布、流し塗りなどにより他の材料、例えば、ガラス、プラスチック、木材、金属などに接着させることを特徴とする、請求項39および請求項40の少なくとも1項に記載の方法。
  42. 請求項1〜請求項14の少なくとも1項に記載の重合体粒子を前記マトリクスプラスチックの硬化性前駆体と混合し、混合物を硬化して、板、フィルムなどのプラスチック部材または合わせガラスなどの複合材料にすることを特徴とする、請求項33、請求項34、請求項37および請求項38の少なくとも1項に記載のプラスチック材を調製するための方法。
  43. 成形部材およびプラスチック部材、例えば、固体板、マルチスキンシート、波形シート、フィルム、棒、チューブなどを調製するための、請求項33〜請求項38の少なくとも1項に記載のプラスチック材の使用。
  44. ビル、車両、冬園、温室のガラス材用の、
    ガラスファサード、ガラスファサード要素およびカーテンウォール用の、
    ソーラーグラスおよび光指向性ソーラーグラス用の、
    断熱ガラス、遮熱ガラス、および断熱プレート用の、
    合わせガラス、安全ガラス、および遮音合わせガラス用の、
    カーポート、バルコニーのガラス材、テラスの屋根ふき材、グラスハウス、屋内水泳プールのガラス材および屋根ふき材用の、
    屋根の、頭上の、および明り取りのガラス材用の、
    工業用ガラス材用の、
    透明建築部材、ドーム天窓、連続的天井窓および筒形ボールト用の、
    型ガラス、中空チャンバープレート、およびパネル用の、
    透明断熱材用の、
    集光器および光電池モジュールのカバーとしての、
    遮光フィルムおよびラッカー用の、
    農業用フィルムおよび温室用フィルム用の、
    例えば合わせガラス用のラミネート加工フィルムとしての、
    屋内用ガラス材、仕切り壁、間仕切り壁、シャワーキャビネット、ガラスドア、およびガラス引き戸用の、
    装飾ガラス用の、
    照明器具カバー、ランプシェード、反射器および光導波路用の、
    光学レンズおよび眼鏡のレンズまたはそれらの被覆用の、
    発光広告およびネオンサイン用の、
    交通信号および標識用の、および
    包装用の、
    請求項43に記載の使用。
  45. (a)30重量%〜95重量%の、少なくとも12個の炭素原子を有するアルキル側鎖を有する1種類以上のビニル単量体、
    (b)0.1重量%〜10重量%の、1種類以上の架橋剤、
    (c)3重量%〜70重量%の、1つ以上の官能基を含んでもよい脂肪族側鎖に1〜11個の炭素原子を有する、1種類以上のビニル単量体、
    (d)0重量%〜50重量%の、置換されていてもよい芳香族側基を有する、1種類以上のビニル単量体
    の共重合により得られる粒子。
  46. 脂肪族側鎖および/または芳香族側鎖に1〜11個の炭素原子を有する1種類以上のビニル単量体の重合により得られる別の層が上にグラフトされていることを特徴とする、請求項45に記載の粒子。
  47. 前記粒子が−20℃〜150℃の温度範囲内で一次相転移を示すことを特徴とする、請求項45または請求項46に記載の粒子。
  48. 前記ビニル単量体がアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項45〜請求項47のいずれか1項に記載の粒子。
  49. 前記粒子の平均粒径(d50)が100〜2000nm、好ましくは100〜500nmであることを特徴とする、請求項45〜請求項48のいずれか1項に記載の粒子。
  50. 前記粒子の粒径d90値が最大で200%、d50値より大きいことを特徴とする、請求項45〜請求項49の少なくとも1項に記載の粒子。
  51. 前記粒子が、元素Al、Si、Zr、Hf、Ti、Zn、Pbのケイ酸塩および酸化物、およびそれらの元素の可能な混合酸化物からなる群より選択される無機粒子を0重量%〜10重量%含有することを特徴とする、請求項45〜請求項50の少なくとも1項に記載の粒子。
  52. マトリクスと、
    1重量%〜50重量%の、請求項45〜請求項51のいずれか1項に記載の粒子、および/または
    (a)30重量%〜99.9重量%の、少なくとも12個の炭素原子を有するアルキル側鎖を有する1種類以上のビニル単量体、
    (b)0.1重量%〜10重量%の、1種類以上の架橋剤、
    (c)0重量%〜70重量%の、1つ以上の官能基を含んでもよい脂肪族側鎖に1〜11個の炭素原子を有する、1種類以上のビニル単量体、
    (d)0重量%〜50重量%の、置換されていてもよい芳香族側基を有する、1種類以上のビニル単量体
    の重合により得られる粒子、
    を含有する成形用組成物。
  53. 前記マトリクスが透明であることを特徴とする、請求項52に記載の成形用組成物。
  54. 太陽光分光範囲におけるその垂直入射‐半球放射型透過率が−20℃〜150℃の温度範囲において少なくとも5%変化することを特徴とする、請求項52または請求項53に記載の成形用組成物。
  55. 前記マトリクスが(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレンから選択されることを特徴とする、請求項52〜請求項54のいずれか1項に記載の成形用組成物。
  56. 請求項45〜51のいずれか1項に記載の粒子をマトリクスと配合することを特徴とする、請求項52〜請求項55のいずれか1項に記載の成形用組成物を調製するための方法。
  57. 請求項52〜請求項55のいずれか1項に記載の成形用組成物を成形することにより得られる成形部材。
  58. 前記成形部材が固体板、マルチスキンシート、波形シート、フィルム、またはチューブであることを特徴とする、請求項57に記載の成形部材。
  59. 冬園、温室、カーポート、またはビルのガラス材における加熱保護および眩輝保護としての請求項57または請求項58に記載の成形部材の使用。
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