JPWO2014007253A1 - 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体、熱可塑性樹脂積層成形体及び太陽電池モジュール - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体、熱可塑性樹脂積層成形体及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

熱可塑性樹脂(A)とフレーク状ガラス(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は30〜80であり、熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、25〜70質量部であり、熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率の差が、0以上、0.05以下である熱可塑性樹脂組成物。

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体、熱可塑性樹脂積層成形体及び太陽電池モジュールに関する。
本願は、2012年7月6日に、日本に出願された特願2012−152115号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、太陽電池モジュールのトップシート部材にはガラス材料が用いられている。ガラス製のトップシート部材は寸法安定性及び難燃性が良好であるが、軽量化のために厚みを薄くするためには化学強化ガラス等を使用する必要があり、太陽電池モジュールのような大面積の製品に使用する場合には高コストとなる。このため、太陽電池モジュールの軽量化のために樹脂材料への置き換えが検討されている。
太陽電池モジュールのトップシート部材として樹脂材料を使用する場合、太陽電池の光電変換効率を良好とするために、良好な透光性を有する樹脂材料が求められる。
透光性に優れた樹脂材料を得る方法としては、透明なマトリクス樹脂中に透明な粒子や繊維等を分散させ、マトリクス樹脂と粒子の屈折率差を調整する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、ガラス代替樹脂シートとして、透明樹脂中に透明樹脂との屈折率差が0.01〜0.04であるガラスを分散させたシートが提案されている。しかしながら、用いられているガラスは繊維状で、且つ、繊維直径が小さいため、得られる成形体内で多重散乱が生じ易く、透光性が低下する恐れがある。
上記の繊維状ガラスの問題点を解決するために、例えば、フレーク状ガラスを使用することが考えられ、特許文献2には、熱可塑性樹脂中にフレーク状ガラスを0.1〜20重量%分散させて得られる成形体が提案されている。
特開2007−077,385号公報 特開2008−074,927号公報
一方、太陽電池モジュールには高い信頼性が必要であり、この要求を満たすために、85℃〜−40℃の温度変化が生じる熱サイクル試験に対しても変形が少ないトップシート部材が求められる。
このような状況において、特許文献2に示される成形体ではガラスの含有率が低いため、熱サイクル試験後に太陽電池モジュールの最大出力が低下するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、透光性に優れ、熱サイクル試験後でも太陽電池モジュールの最大出力の低下が抑制された太陽電池モジュール用のトップシート部材を提供できる熱可塑性樹脂組成物、太陽電池モジュール用のトップシート部材として使用できる熱可塑性樹脂成形体及び熱可塑性樹脂積層成形体、並びに上記性能を有する太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下に関する。
〔1〕 熱可塑性樹脂(A)とフレーク状ガラス(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、
熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、30〜80であり、
熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、25〜70質量部であり、
熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率の差が、0以上、0.05以下である熱可塑性樹脂組成物。
〔2〕フレーク状ガラス(B)の平均粒径が30〜600μmである前記〔1〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔3〕 熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレートが、5g/10分間以上、20g/10分間以下である前記〔1〕又は〔2〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔4〕 熱可塑性樹脂(A)が、(メタ)アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂である前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔5〕 熱可塑性樹脂(A)とフレーク状ガラス(B)とを含む熱可塑性樹脂成形体であって、
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、25〜70であり、
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、25〜70質量部であり、
熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率の差が、0以上、0.05以下であり、
熱可塑性樹脂成形体における全光線透過率が86%以上、93%以下である熱可塑性樹脂成形体。
〔6〕 50℃における熱線膨張係数が、9ppm/K以上、40ppm/K以下である前記〔5〕に記載の熱可塑性樹脂成形体。
〔7〕 熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径が25〜500μmである前記〔5〕又は〔6〕に記載の熱可塑性樹脂成形体。
〔8〕 熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレートが5g/10分間以上、20g/10分間以下である前記〔5〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の熱可塑性樹脂成形体。
〔9〕 熱可塑性樹脂(A)が、(メタ)アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂である前記〔5〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の熱可塑性樹脂成形体。
〔10〕 前記〔5〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の熱可塑性樹脂成形体に(メタ)アクリル重合体保護層が積層された熱可塑性樹脂積層成形体。
〔11〕 前記(メタ)アクリル重合体保護層が、(メタ)アクリルフィルム、及び分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2つ有する単量体を含有する(メタ)アクリルコーティング組成物の硬化物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む前記〔10〕に記載の熱可塑性樹脂積層成形体。
〔12〕 前記〔6〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の熱可塑性樹脂成形体、又は前記〔10〕若しくは前記〔11〕に記載の熱可塑性樹脂積層成形体を用いた太陽電池モジュール。
〔13〕 熱可塑性樹脂成形体、又は熱可塑性樹脂積層成形体が、厚さ1〜3mmのシートである前記〔12〕に記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、透光性に優れ、且つ温度変化による変形の発生が低減された熱可塑性樹脂成形体を得ることができる。また、この熱可塑性樹脂成形体を太陽電池モジュール用のトップシート部材として使用することにより、最大出力の低下が抑制され、且つ軽量な太陽電池モジュールを提供することができる。
<熱可塑性樹脂(A)>
熱可塑性樹脂(A)は、本発明の一実施形態である熱可塑性樹脂組成物の構成成分の1つである。
熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレート(以下、MFRという場合がある。)は、5g/10分間以上、20g/10分間以下が好ましい。熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)を5g/10分間以上とすることにより、本発明の一実施形態である熱可塑性樹脂組成物の成形時における後述するガラスフレーク(B)の破砕が抑制できる点で好ましく、熱可塑性樹脂成形体の透光性を向上することができる点で好ましい。
熱可塑性樹脂のMFRを20g/10分間以下とすることにより、熱可塑性樹脂組成物を押出成形して後述の熱可塑性樹脂成形体を得る際の作業性が向上する。
熱可塑性樹脂のMFRは、8g/10分間以上、17g/10分間以下がより好ましく、12g/10分間以上、15g/10分間以下がさらに好ましい。
ここでいう 熱可塑性樹脂(A)の「メルトフローレート」とは、溶融プラスチックの流動性の大きさを意味する。また、熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレートの測定は、JIS K7210に準拠し、温度230度、荷重37.3Nの条件下で行う。
熱可塑性樹脂(A)の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した質量平均分子量(Mw)が、5万〜20万であることが好ましい。熱可塑性樹脂(A)のMwが5万以上である場合、熱可塑性樹脂成形体の強度や耐久性が向上する点で好ましく、熱可塑性樹脂(A)のMwが20万以下である場合、熱可塑性樹脂成形体を得る際の成形時における熱可塑性樹脂組成物の流動性等の加工性が向上する点で好ましい。
熱可塑性樹脂(A)のMwの下限値は6万以上がより好ましい。また、熱可塑性樹脂(A)のMwの上限値は15万以下がより好ましい。即ち、熱可塑性樹脂(A)のMwは、6万以上、15万以下であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂(A)のMwの下限値は7万以上がさらに好ましい。また、熱可塑性樹脂(A)のMwの上限値は10万以下がさらに好ましい。即ち、熱可塑性樹脂(A)のMwは、7万以上、10万以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)として(メタ)アクリル樹脂を使用する場合、後述する本発明の熱可塑性樹脂成形体の耐候性を向上することが出来る。また、熱可塑性樹脂(A)としてポリカーボネート樹脂を使用する場合、熱可塑性樹脂成形体の耐衝撃性を向上することが出来る。
(メタ)アクリル樹脂としては、後述するフレーク状ガラス(B)との屈折率差を0.05以下に調整しやすいことから、(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体、及び(メタ)アクリル酸エステルとスチレンとの共重合体であるMS樹脂が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体がより好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
尚、本明細書及び請求の範囲において、「(メタ)アクリル樹脂」は、「アクリル樹脂」と「メタクリル樹脂」の一方又は両方を意味し、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」と「メタクリル酸」の一方又は両方を意味する。
(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体の原料である(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体は、必要に応じて(メタ)アクリル酸エステル単位以外のその他の単量体単位を含有することができる。
その他の単量体単位を構成するための原料であるその他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル;スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;及びN−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体の光線透過率、耐熱性、力学的特性及び成形性が良好であることから、(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体の総質量に対して、(メタ)アクリル酸メチル単位を80〜100質量%、及びその他の単量体単位を0〜20質量%含有し、且つ、前記(メタ)アクリル酸メチル単位の総質量に対して、メタクリル酸メチル単位が50〜100質量%である重合体が好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製「ユーピロン」(登録商標)及び住化スタイロン(株)製「SDポリカ」(登録商標)等が挙げられる。
<フレーク状ガラス(B)>
フレーク状ガラス(B)は本発明の一実施態様である熱可塑性樹脂組成物の構成成分の1つである。
なお、本願明細書及び請求の範囲において「フレーク状ガラス」とは、厚さが0.5μm以上、20μm以下、アスペクト比が30以上、200以下の平板状ガラスを意味する。フレーク状ガラスの形状としては、多角形や円形等が挙げられ、特に限定されない。
熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は30〜80である。熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比が30以上の場合、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比を25以上にすることができ、熱可塑性樹脂成形体の透光性が良好になる。また、熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比が80以下の場合、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比を75以下にすることができ、熱可塑性樹脂成形体の耐衝撃性が良好になる。
熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比の下限値は35以上が好ましく、45以上がより好ましい。熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比の上限値は75以下が好ましく、70以下がより好ましく、65以下が更に好ましい。
即ち、熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、35以上、75以下が好ましく、45以上、75以下がより好ましく、45以上、70以下が更に好ましく、45以上、65以下が特に好ましい。
尚、本発明の一実施態様である熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、フレーク状ガラス(B)の平均粒径をフレーク状ガラス(B)の厚さの値で除して得られた値である。
なお、ここでいうフレーク状ガラス(B)の「厚さ」は、電子顕微鏡等で測定することが出来る。
具体的には、「熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の厚さ」は、電子顕微鏡により、原料であるフレーク状ガラス(B)単体または熱可塑性樹脂組成物の、断面または表面を、フレーク状ガラス(B)の面方向から観察し、電子顕微鏡のスケールバーを用いて測定することが出来る。
本発明においては、熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径は、30〜600μmが好ましい。熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径を30μm以上とすることにより熱可塑性樹脂成形体の透光性が良好となる点で好ましい。成形前の熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径が600μmを超える場合、成形の過程でフレーク状ガラス(B)が崩れて平均粒径が600μm以下になる点で好ましい。そのため、熱可塑性樹脂組成物又は熱可塑性樹脂成形体を得る際の作業性の点で、熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径は600μm以下が好ましい。
熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径の下限値は80μm以上がより好ましく、200μm以上が更に好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径の上限値は500μm以下がより好ましく、400μm以下が更に好ましい。
即ち、熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径は、80μm以上、500μm以下がより好ましく、200μm以上、400μm以下が更に好ましい。
尚、本発明の一実施態様である「熱可塑性樹脂組成物におけるフレーク状ガラス(B)の平均粒径」は、電気マッフル炉を用いて熱可塑性樹脂組成物を灰化することによりフレーク状ガラス(B)を得た後、粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−950V2(商品名))を用いて、水中を流動しているフレーク状ガラス(B)に波長650μmのレーザー光を照射し、その散乱パターンから平均粒径を解析した値をいう。
フレーク状ガラス(B)を構成するガラスの種類としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス及び高誘電率ガラス等が挙げられる。
<熱可塑性樹脂組成物>
本発明の一実施態様である熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、フレーク状ガラス(B)を25〜70質量部含有する。熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の含有量が25質量部以上の場合、熱可塑性樹脂組成物を成形することにより得られる熱可塑性樹脂成形体の熱線膨張係数をガラスのレベル(即ち、7〜9ppm/K)近づけることができ、熱サイクル試験後の太陽電池モジュールの最大出力の低下を抑制することができる。また、熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の含有量が70質量部以下の場合、熱可塑性樹脂成形体を得る際の成形時の加工性が良好となる。熱可塑性樹脂組成物中、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対するフレーク状ガラス(B)の含有量の下限値は30質量部以上が好ましい。また、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対するフレーク状ガラス(B)の含有量の上限値は60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。
即ち、熱可塑性樹脂組成物中、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対するフレーク状ガラス(B)の含有量は、30質量部以上、60質量部以下が好ましく、30質量部以上、50質量部以下がより好ましい。
熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率との差は、0以上、0.05以下である。熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率との差を0.05以下とすることにより、熱可塑性樹脂成形体の透光性が良好となる。熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率との差は0以上、0.04以下が好ましく、0以上、0.03以下がより好ましい。
ここでいう「熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率」とは、原料として用いる熱可塑性樹脂(A)の屈折率のことであり、真空を1とした絶対屈折率を意味する。熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率は、原料として用いる熱可塑性樹脂(A)を用い、JIS K 7142に準拠し、アッベ屈折計(NAR−2:株式会社アタゴ製)等で測定することが出来る。
また、ここでいう「熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の屈折率」とは、原料として用いるフレーク状ガラス(B)の屈折率のことであり、真空を1とした絶対屈折率を意味する。熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の屈折率は、原料として用いるフレーク状ガラス(B)を様々な屈折率の屈折率標準液に浸漬し、光学顕微鏡観察においてフレーク状ガラス(B)と屈折率標準液の界面が見えなくなった時に使用した屈折率標準液の屈折率をガラスフレーク(B)の屈折率として測定することが出来る。
本発明においては、熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、公知の安定剤や添加剤を添加してもよい。
熱可塑性樹脂組成物の形状としては、例えば、粉体及びペレットが挙げられる。ここでいう「ペレット」とは、最長の長さが1mm以上、10mm以下で多面体、円柱、球、その他の形状をとる粒状の形態を意味する。
ペレットの寸法としては、取扱い性や成形の容易さから、最長の長さが1〜5mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。
ここでいう「粉体」とは、粒径1mm以下の粉状固形物質を意味する。
粉体としては、取扱い性や成形の容易さから、粒径が200μm以上、1mm以下であることが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物は、例えば、熱可塑性樹脂(A)及びフレーク状ガラス(B)を混合した粉体としてもよく、及び熱可塑性樹脂(A)及びフレーク状ガラス(B)を溶融混練したペレットとしてもよい。
熱可塑性樹脂(A)として(メタ)アクリル樹脂を使用する場合、熱可塑性樹脂組成物は、例えば、以下のようにして得ることができる。
(メタ)アクリル樹脂を得るための単量体を含む原料の部分重合体、又は(メタ)アクリル樹脂を別の(メタ)アクリル樹脂を得るための単量体を含む原料に溶解し、粘調な液体であるシラップ状物(以下、「シラップ」ということがある)を得る。次いで、その中に、フレーク状ガラス(B)を分散させ、その後、前記シラップを重合させる。その結果、熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
熱可塑性樹脂(A)及びフレーク状ガラス(B)を混合する装置としては、例えば、リボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の予備混合機が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂(A)及びフレーク状ガラス(B)を溶融混練する装置としては、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出機等の溶融混練装置が挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)及びフレーク状ガラス(B)を混合、又は溶融混練する際の温度としては、250度以上、280度以下が好ましい。
溶融混練装置への各種原材料の供給方法としては、予め各成分を混合した後に供給する方法が好ましいが、それぞれの成分を独立した形で溶融混練装置に供給することも可能である。
<熱可塑性樹脂成形体>
本発明の一実施態様である「熱可塑性樹脂成形体」とは、熱可塑性樹脂組成物が所望の形状に成形されたものを意味し、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形等の成形方法によって成形することができる。
本発明の一実施態様である熱可塑性樹脂成形体は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、フレーク状ガラス(B)25〜70質量部を含有する。熱可塑性樹脂成形体中、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、フレーク状ガラス(B)の含有量を25質量部以上とすることにより、熱可塑性樹脂成形体の熱線膨張係数をガラスのレベル(即ち、7〜9ppm/K)に近づけることができ、熱サイクル試験後の太陽電池モジュールの最大出力の低下を抑制することができる。また、熱可塑性樹脂成形体中、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、フレーク状ガラス(B)の含有量を70質量部以下とすることにより、熱可塑性樹脂成形体を得る際の成形時の加工性が良好となる。熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)100質量部に対するフレーク状ガラス(B)の含有量の下限値は30質量部以上が好ましい。また、熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)100質量部に対するフレーク状ガラス(B)の含有量の上限値は60質量部以下が好ましく、50質量部以上がより好ましい。
即ち、熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)100質量部に対するフレーク状ガラス(B)の含有量は、30質量部以上、60質量部以下が好ましく、30質量部以上、50質量部以下がより好ましい。
熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率との差は、0以上、0.05以下である。熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率との差は、0以上、0.04以下が好ましく、0以上、0.03以下がより好ましい。熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率との差を0.05以下とすることにより、熱可塑性樹脂成形体の透光性が良好となる。
なお、ここでいう「熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率」は、「熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率」と同じ意味であり、原料である熱可塑性樹脂(A)を用いて測定した屈折率を意味する。
また、ここでいう「熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の屈折率」は、「熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の屈折率」と同じ意味であり、原料であるフレーク状ガラス(B)を用いて測定した屈折率を意味する。
熱可塑性樹脂成形体の全光線透過率は86%以上、93%以下である。本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して成形体を得ることにより、樹脂成形体の全光線透過率を86%以上、93%以下とすることができる。
ここでいう「熱可塑性樹脂成形体の全光線透過率」とは試験片の平行入射光束に対する全透過光束の割合を意味する。
また、熱可塑性樹脂成形体の全光線透過率の測定方法としては、JIS K 6361−1に準拠し、ヘイズメーター((株)村上色彩技術研究所製HM−150(商品名))等で測定することが出来る。
熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は、5g/10分間以上、20g/10分間以下が好ましい。
熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂のMFRは、8g/10分間以上、17g/10分間以下がより好ましく、12g/10分間以上、15g/10分間以下がさらに好ましい。
なお、 熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)の「メルトフローレート」とは、溶融プラスチックの流動性の大きさを意味する。
また、熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレートの測定は、JIS K7210に準拠し、温度230度、荷重37.3Nの条件下で行う。
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)はフレーク状(鱗片状)である。
なお、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)における「フレーク状ガラス」とは、厚さが0.5μm以上、20μm以下、アスペクト比が30以上、200以下の平板状ガラスを意味する。形状は多角形や円形等が挙げられ、特に限定されない。
また、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の形態は熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の形態と同じか、又は熱可塑性樹脂成形体を得る際の成形条件等により粉砕されてフレーク状ガラス(B)の平均粒径やアスペクト比が熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径やアスペクト比よりも小さくなる場合がある。
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、25〜70である。熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比を25以上とすることにより熱可塑性樹脂成形体の透光性が良好となる。また、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比を70以下とすることにより、熱可塑性樹脂成形体の表面平滑性が良好となる。熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比の下限値は30以上が好ましく、35以上がより好ましい。また、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比の上限値は65以下が好ましい。
即ち、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、30以上、65以下が好ましく、35以上、65以下がより好ましい。
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径の値を、原料として用いるフレーク状ガラス(B)の厚さの値で除して得られた値である。
「原料として用いるフレーク状ガラス(B)の厚さ」は、上記と同様の方法で測定することができる。
熱可塑性樹脂成形体は、熱サイクル試験後の太陽電池モジュールの最大出力を維持するために、50℃における熱線膨張係数が、8ppm/K以上、40ppm/K以下であることが好ましく、8ppm/K以上、37ppm/K以下であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径は、25〜500μmが好ましい。熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径を25μm以上とすることにより、熱可塑性樹脂成形体の透光性が良好となる傾向にある。また、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径を500μm以下とすることにより、熱可塑性樹脂成形体の表面の平滑性が良好となる傾向にある。
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径の下限値は、60μm以上がより好ましく、150μm以上が更に好ましい。また、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径の上限値は、400μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましい。
即ち、熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径としては、60μm以上、400μm以下であることがより好ましく、150μm以上、300μm以下であることが更に好ましい。
熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径の測定方法としては、電気マッフル炉を用いて、熱可塑性樹脂成形体を灰化することによりフレーク状ガラス(B)を得た後、粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−950V2(商品名))を用いて、水中を流動しているフレーク状ガラス(B)に波長650μmのレーザー光を照射し、その散乱パターンから平均粒径を解析した値をいう。
熱可塑性樹脂成形体が太陽電池モジュールのトップシート部材として使用される場合、熱可塑性樹脂成形体の形状としては、例えば、厚さ1〜3mmのシート状であることが好ましい。シートの厚さを1mm以上とすることにより、熱可塑性樹脂成形体の剛性が良好となり、得られる太陽電池モジュールは熱サイクル試験後も最大出力を維持できる点で好ましい。また、シートの厚さを3mm以下とすることにより、太陽電池モジュールを軽量化することが出来る点で好ましい。シートの厚さの下限値は1.5mm以上がより好ましい。また、シートの厚さの上限値は2.5mm以下がより好ましい。即ち、シートの厚さとしては、1.5mm以上、2.5mm以下であることがより好ましい。
なお、ここでいう「シートの厚さ」とは、シートの長さ方向における中央部において、シートの幅方向に垂直に切断した断面における厚さを意味する。
熱可塑性樹脂成形体を得る方法としては、熱可塑性樹脂組成物を、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形等の成形方法で成形して得る方法が挙げられる。これらの成形法の中で、所望の形状に均一に成形できることから、押出成形が好ましい。
押出成形により板状、又はフィルム状の成形体を得るために、Tダイ等の押出機を用いて押出した溶融樹脂を、冷却ロールで冷却しながら引取ることができる。
本発明においては、平滑性に優れた表面を有する熱可塑性樹脂成形体を得るために、必要に応じて成形体の表面を加熱プレスすることができる。
加熱プレスする方法としては、例えば、高圧プレス機によるバッチ式プレス法、ロールプレス法、ベルトプレス法等の連続プレス法が挙げられる。
加熱プレスする際の温度としては、例えば、200〜300℃での加熱が挙げられる。また、プレス圧としては、例えば、3〜15MPaでのプレスが挙げられる。
<熱可塑性樹脂積層成形体>
熱可塑性樹脂積層成形体は、熱可塑性樹脂成形体上に(メタ)アクリル重合体保護層が積層されたものである。
なお、ここでいう「積層」とは、熱可塑性樹脂成形体上に(メタ)アクリル重合体保護層を「被覆」する場合も包含する。
(メタ)アクリル重合体保護層としては、耐候性、耐衝撃性、耐擦傷性、高硬度、柔軟性等の各種機能を有する機能層が挙げられる。
(メタ)アクリル重合体保護層は、(メタ)アクリル重合体から形成される保護層である。なお、ここでいう「(メタ)アクリル重合体」とは、(メタ)アクリル酸が重合した重合体を意味する。
(メタ)アクリル重合体としては、例えば、(メタ)アクリルフィルム、及び分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2つ有する単量体を含有する(メタ)アクリルコーティング組成物の硬化物が挙げられる。
(メタ)アクリルフィルムは、(メタ)アクリル酸が重合することにより構成された、厚さ50〜200μmのフィルムであることが好ましく、例えば、三菱レイヨン(株)製の「アクリプレンHBS006」(登録商標)が挙げられる。
分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2つ有する単量体を含有する(メタ)アクリルコーティング組成物の硬化物とは、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2つ有する単量体を含有する(メタ)アクリル酸の重合体を含むコーティング組成物を硬化したものである。その具体例としては、ハードコート層等の各種機能層を形成するための各種(メタ)アクリルコーティング組成物の硬化物が挙げられる。
熱可塑性樹脂積層成形体が太陽電池モジュールのトップシート部材として使用される場合、熱可塑性樹脂積層成形体の形状としては、厚さ1〜3mmのシート状であることが好ましい。シートの厚さを1mm以上とすることにより熱可塑性樹脂積層成形体の剛性が良好となり、得られる太陽電池モジュールは熱サイクル試験後も最大出力を維持できる点で好ましい。また、シートの厚さを3mm以下とすることにより、太陽電池モジュールを軽量化することが出来る点で好ましい。シートの厚さの下限値は1.5mm以上がより好ましい。また、シートの厚さの上限値は2.5mm以下がより好ましい。即ち、シートの厚さは、1.5mm以上、2.5mm以下がより好ましい。
なおここでいう「熱可塑性樹脂積層成形体のシートの厚さ」とは、熱可塑性樹脂積層成形体のシートの長さ方向における中央部において、シートの幅方向に垂直に切断した断面における厚さを意味する。
熱可塑性樹脂積層成形体を得る方法としては、例えば、熱プレス法及びコーティング法が挙げられる。
熱プレスする際の温度としては、例えば、200〜250℃での加熱が挙げられる。また、プレス圧としては、例えば、5〜20MPaでのプレスが挙げられる。
コーティングの方法としては、バーコート、グラビアコート、スピンコートなどの方法を用いることが出来る。
<太陽電池モジュール>
本発明の一実施態様である太陽電池モジュールは、熱可塑性樹脂成形体又は熱可塑性樹脂積層成形体を用いて得られる。
本発明の一実施態様である太陽電池モジュールとしては、例えば、前面保護部材(本発明の熱可塑性樹脂成形体又は熱可塑性樹脂積層成形体)、裏面保護部材、4連太陽電池セル、封止材層及び電極材料で構成された太陽電池モジュールが挙げられる。詳細には、太陽電池モジュールの太陽光線が入射する受光面側(表面側)に、前面保護部材(本発明の熱可塑性樹脂成形体又は熱可塑性樹脂積層成形体)が設けられ、太陽電池モジュールの受光面側と対向する面(裏面側)に裏面保護部材が設けられている。前面保護部材(本発明の熱可塑性樹脂成形体又は熱可塑性樹脂積層成形体)と裏面保護部材との間には封止材層が形成されている。封止材層中には4連太陽電池セルと電極材料が埋設されており、4連太陽電池セルから伸びる電極材料は、太陽電池モジュールの外部に接続可能な状態になっている。
4連太陽電池セルは4枚の太陽電池セルが電極材料により2行2列に直列配線されている。
本発明の一実施態様である太陽電池モジュールにおいては、裏面保護部材としては、例えば、ポリフッ化ビニルを主成分とする樹脂シートの片面又は両面にポリエチレンテレフタレート(PET)シートを積層したシートが挙げられる。
本発明の一実施形態である太陽電池モジュールにおける太陽電池セルとしては、半導体の光起電力効果を利用して発電できる太陽電池セルであれば特に限定はされず、公知の太陽電池セルを用いることができる。太陽電池セルとしては、発電性能とコストとのバランスの観点から、結晶系シリコンセルが好ましい。
本発明の一実施態様である太陽電池モジュールにおける封止材料としては、例えば、絶縁性透明樹脂が挙げられる。
絶縁性透明樹脂の具体例としては、例えば、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリビニルブチラール、アイオノマー系樹脂、低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂;及びウレタン系硬化性樹脂、エポキシ系硬化性樹脂、(メタ)アクリレート系硬化性樹脂等の公知の硬化性樹脂が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下において「部」は「質量部」を示す。
(1)熱可塑性樹脂(A)の評価
(a)屈折率
熱可塑性樹脂(A)のペレットを、100TON加熱用成形機(庄司鉄工(株)製)を用いて、220℃及び10MPaで3分間プレスして、厚さ2mm×長さ20mm×幅8mmの試験片を作製した。次いで、JIS K 7142に基づいて、アッベ屈折率計((株)アタゴ製DR−A1(商品名))を用い、ナトリウムのD線にて試験片の屈折率を測定した。
(2)熱可塑性樹脂組成物の評価
(a)フレーク状ガラス(B)の平均粒径とアスペクト比
熱可塑性樹脂組成物50mgを、電気マッフル炉(アドバンテック東洋(株)製、形式「FUW−230PA」)を用いて、400℃で1.5時間以上灰化し、フレーク状ガラス(B)を得た。次いで、水5mlにフレーク状ガラス(B)10mgを分散させ、粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−910(商品名))を用いて粒径を測定し、その質量平均を求めて平均粒径とした。尚、フレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、フレーク状ガラス(B)のカタログに記載されている厚さの値(即ち、5μm)で、上記平均粒径を割り返すことにより求めた。
(3)熱可塑性樹脂成形体の評価
(a)全光線透過率
熱可塑性樹脂成形体から5cm角の試験片を切り出し、JIS K 6361−1に基づいて、ヘイズメーター((株)村上色彩技術研究所製HM−150(商品名))を用い、D65光源にて試験片の全光線透過率を測定した。
(b)フレーク状ガラス(B)の平均粒径とアスペクト比
熱可塑性樹脂成形体50mgを、電気マッフル炉(アドバンテック東洋(株)製、形式「FUW−230PA」)を用いて、450℃で1.5時間以上灰化し、フレーク状ガラス(B)を得た。次いで、水5mlにフレーク状ガラス(B)10mgを分散させ、粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−950V2(商品名))を用いて粒径を測定し、その質量平均を平均粒径とした。尚、フレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、フレーク状ガラス(B)のカタログに記載されている厚さの値(即ち、5μm)で、上記平均粒径を割り返すことにより求めた。
(d)熱線膨張係数
熱可塑性樹脂成形体から長さ15mm×幅5mmの試験片を切り出し、熱機械分析装置(TMA)((株)リガク製TMA8310(商品名))を用いてJIS K 7197に基づき5℃/分間の昇温速度で、熱線膨張係数を30〜100℃の範囲で測定した。尚、本発明においては50℃における値を熱線膨張係数とした。
(3)太陽電池モジュールの評価
(a)温度サイクル試験(TC50試験)
モジュールテスター((株)エヌ・ピー・シー製)を用いて、太陽電池モジュールの初期状態における最大出力の値を測定した。その後、IEC61215に基づくTC50試験を行い、試験後の最大出力の値を測定し、試験前後における最大出力の値の低下率を求め、5%以下のものを合格とした。
(e)シャルピー衝撃強度
熱可塑性樹脂成形体から長さ80mm×幅10mmの試験片を切り出し、U−F(シャルピー)衝撃試験機((株)上島製作所製)を用いてJIS K7111に基づきシャルピー衝撃強度を求めた。試験条件は、フラットワイズ、ノッチなしとした。
(f)メルトフローレート
熱可塑性樹脂のペレットを用いてJIS K7210に準拠して、メルトフローレート(MFR)を測定することにより、流動性を評価した。MFRの測定は、温度:230℃、荷重:37.3Nの条件で行なった。
(g)耐候性試験
(a)で用いた試験片をサンシャインウェザーメーターS80(スガ試験機(株)製)を用いて2000時間の耐候性試験にかけ、試験後の試験片について(a)と同様に全光線透過率を測定した。耐候性試験条件は、60分間中12分間を雨とする繰り返し、ブラックパネル温度は63℃で行った。
(製造例1)(メタ)アクリルコーティング組成物(1)の製造
(メタ)アクリル重合体保護層を形成するための原料として、フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製ビスコート#192)50部、ビスフェノールA−ジエポキシジアクリレート(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名:エポキシエステル3000A)50部、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバガイギー社製、商品名:ダロキュア1173)1.5部を混合し、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2つ有する単量体を含有する(メタ)アクリルコーティング組成物(1)を得た。
(実施例1)
熱可塑性樹脂(A)として(メタ)アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットVH001)100部に、Cガラスである、屈折率1.52、平均粒径667μm及びアスペクト比133のフレーク状ガラス(B)(日本板硝子(株)製、商品名「RCF−600」、厚み5μm)33部を加え、ドライブレンド物を得た。
次いで、上記のドライブレンド物を二軸押出機(東芝機械(株)製、58mmφ二軸押出機)を用いて、250℃で溶融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
上記熱可塑性樹脂組成物を単軸押出機(ナカムラ産機(株)製)を用いて、250℃で、厚さ2mm×幅35cmのシート状に押出した。次いで、得られたシート状物を長さ50cmに切断し、100TON加熱用成形機(庄司鉄工(株)製)を用いて、220℃及び10MPaの条件で表面を平滑化して、熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた熱可塑性樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
太陽電池ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製LM−50X50−S(商品名))の熱板上に、幅34.3cm×長さ37.3cmに切断した上記熱可塑性樹脂成形体、幅34.3cm×長さ37.3cm×厚さ0.45mmの封止材(シーアイ化成(株)製エチレン−酢酸ビニル共重合体、商品名「CIKcap」)、4つのセルを直列配線した5インチの太陽電池セル(アスデン(株)製、多結晶シリコン太陽電池セル)、幅34.3cm×長さ37.3cm×厚さ0.45mmの封止材(シーアイ化成(株)製エチレン−酢酸ビニル共重合体、商品名「CIKcap」)、及び幅34.3cm×長さ37.3cm×厚さ0.3mmの裏面保護部材((株)エムエーパッケージング製PETフィルム積層体、商品名「PTD250」)を順次積層させた積層体を、500mm四方の離型フィルム(本多産業(株)製、商品名「HGS−P610」)に挟んで真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名「LM−50X50−S」)内に設置した。その後、真空ラミネーター内を90mmHgとし、135℃で15分間、及び101.3kPaの条件で、前記積層体を真空圧着させて太陽電池モジュール積層体を得た。次いで、太陽電池モジュール積層体から2枚の離型フィルムを剥離し、太陽電池モジュールを得た。得られた太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
Figure 2014007253
表1中の略号は以下の化合物を示す。
VH:(メタ)アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットVH001)
TF8:(メタ)アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットTF8 001)
MF:(メタ)アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットMF001)
S2000:ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアプラスチック(株)製、商品名:ユーピロンS2000)
HBS:(メタ)アクリルフィルム(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリプレンHBS006)
(実施例2、3及び比較例1)
フレーク状ガラス(B)の含有量を表1に記載のように変更する以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体及び太陽電池モジュールを得た。評価結果を表1に示す。尚、比較例1においては、太陽電池モジュールについてTC50試験を行ったところ、配線が断線したことにより発電せず、最大出力の値の測定が不可能であった。
(実施例4)
熱可塑性樹脂(A)としてとして(メタ)アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットTF8 001)を用いること以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体及び太陽電池モジュールを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
熱可塑性樹脂(A)としてとして(メタ)アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットMF001)を用いること以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体及び太陽電池モジュールを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
熱可塑性樹脂(A)としてポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアプラスチック(株)製、商品名:ユーピロンS2000)及びフレーク状ガラス(B)としてEガラスのREF−600(日本板硝子(株)製、商品名、屈折率1.56、平均粒径600μm、厚さ5μm、アスペクト比120)を用いること以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体及び太陽電池モジュールを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例6で得られた熱可塑性樹脂成形体の上に、(メタ)アクリル重合体保護層として、厚み125μmの(メタ)アクリルフィルム(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリプレンHBS006)を貼り合わせて熱可塑性樹脂積層成形体を得た。貼り合わせの際の粘着材としては、光学材料用粘着フィルムPD−S1(パナック(株)製、商品名)を使用した。得られた熱可塑性樹脂積層成形体の評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例6で得られた熱可塑性樹脂成形体の上に、(メタ)アクリル重合体保護層として、(メタ)アクリルコーティング組成物(1)を塗布したのち紫外線により硬化して厚さ5μmの(メタ)アクリルコーティング組成物(1)の硬化膜(以下、「膜(1)」ということがある)が積層された熱可塑性樹脂積層成形体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層成形体の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ガラスフレーク(B)として、CガラスのRCF−160(日本板硝子(株)製、商品名、屈折率1.52、平均粒径160μm、厚さ5μm、アスペクト比32)を用いること以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体及び太陽電池モジュールを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
ガラスフレーク(B)として、CガラスのRCF−015(日本板硝子(株)製、商品名、屈折率1.52、平均粒径26μm、厚さ5μm、アスペクト比5)を用いること以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体及び太陽電池モジュールを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
ガラスフレーク(B)としてEガラスのREF−600(日本板硝子(株)製、商品名、屈折率1.56、平均粒径600μm、厚さ5μm、アスペクト比120)を用いること以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成形体及び太陽電池モジュールを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
熱可塑性樹脂(A)の原料として、(メタ)アクリル樹脂の原料となるアクリシラップSY−116(三菱レイヨン(株)製、商品名)100部に、フレーク状ガラス(B)としてCガラスのRCF−600N(日本板硝子(株)社製、商品名、厚さ5μm、屈折率1.52、平均粒径437μm、アスペクト比87)33部、及び重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製、商品名:パーヘキシルPV)0.2部を加え、ガラスフレークが分散した重合性樹脂組成物を得た。
上記重合性樹脂組成物をシート形状の鋳型に流し込み、80℃で30分間加熱した後、130℃で30分間乾燥して、長さ10cm×幅10cm×厚さ2mmのシート状のシラップ硬化物を熱可塑性樹脂(A)とする熱可塑性樹脂成形体を得た。得られた熱可塑性樹脂積層成形体の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜5では、得られた熱可塑性樹脂成形体は透明性に優れ、且つ温度変化による変形が少ないことから、TC試験後でも太陽電池モジュールの最大出力の低下は認められなかった。これに対して、比較例1では、フレーク状ガラス(B)の含有量が下限値未満であるために熱線膨張係数の低減が十分でなく、TC50試験中における熱可塑性樹脂成形体の変形を防ぐことが出来なかった。
一方、比較例2及び3では、フレーク状ガラス(B)のアスペクト比が下限値未満であるために全光線透過率が低下した。また、熱線膨張係数が十分ではなく、TC50試験中における熱可塑性樹脂成形体の変形を防ぐことが出来なかった。
比較例4では、熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率の差が上限値以上であるために全光線透過率が低下した。
比較例5では、フレーク状ガラス(B)のアスペクト比が上限値以上であるためにシャルピー衝撃強度が低下した。
(比較例6)
熱可塑性樹脂(A)であるアクリペットVH001(三菱レイヨン(株)製、商品名)100部に、Cガラスである、屈折率1.52、平均粒径437μm及びアスペクト比87のフレーク状ガラス(B)(日本板硝子(株)製、商品名「RCF−600」、厚さ5μm)82部を加え、ドライブレンドした。 次いで、上記のドライブレンド物を二軸押出機(東芝機械(株)製、58mmφ二軸押出機)を用いて、250℃で溶融混練し、ストランドの作製を試みた。
しかし、フレーク状ガラス(B)の含有量が上限値を超えており、熱可塑性樹脂組成物の連続したストランドを得ることができなかったので、熱可塑性樹脂成形体の評価は実施しなかった。
本発明は、透光性に優れ、且つ温度変化による変形の発生が低減された熱可塑性樹脂成形体を提供でき、また、この熱可塑性樹脂成形体を太陽電池モジュール用のトップシート部材として使用することにより、最大出力の低下が抑制され、且つ軽量な太陽電池モジュールを提供することができるので、産業上極めて有用である。

Claims (13)

  1. 熱可塑性樹脂(A)とフレーク状ガラス(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、
    熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、30〜80であり、
    熱可塑性樹脂組成物中のフレーク状ガラス(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、25〜70質量部であり、
    熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率の差が、0以上、0.05以下である熱可塑性樹脂組成物。
  2. フレーク状ガラス(B)の平均粒径が30〜600μmである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレートが5g/10分間以上、20g/10分間以下である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 熱可塑性樹脂(A)が、(メタ)アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂(A)とフレーク状ガラス(B)とを含む熱可塑性樹脂成形体であって、
    熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)のアスペクト比は、25〜70であり、
    前記熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、25〜70質量部であり、
    熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)の屈折率とフレーク状ガラス(B)の屈折率の差が0以上、0.05以下であり、
    熱可塑性樹脂成形体における全光線透過率が86%以上、93%以下である熱可塑性樹脂成形体。
  6. 50℃における熱線膨張係数が8ppm/K以上、40ppm/K以下である請求項5に記載の熱可塑性樹脂成形体。
  7. 熱可塑性樹脂成形体中のフレーク状ガラス(B)の平均粒径が25〜500μmである請求項5又は6に記載の熱可塑性樹脂成形体。
  8. 熱可塑性樹脂成形体中の熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレートが5g/10分間以上、20g/10分間以下である請求項5〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成形体。
  9. 熱可塑性樹脂(A)が、(メタ)アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂である請求項5〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成形体。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成形体に(メタ)アクリル重合体保護層が積層された熱可塑性樹脂積層成形体。
  11. 前記(メタ)アクリル重合体保護層が、(メタ)アクリルフィルム、及び分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2つ有する単量体を含有する(メタ)アクリルコーティング組成物の硬化物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む請求項10に記載の熱可塑性樹脂積層成形体。
  12. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成形体、又は請求項10若しくは請求項11に記載の熱可塑性樹脂積層成形体を用いた太陽電池モジュール。
  13. 熱可塑性樹脂成形体又は熱可塑性樹脂積層成形体が、厚さ1〜3mmのシート状である請求項12に記載の太陽電池モジュール。
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