JP2016203621A - 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、及び電池 - Google Patents

積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、及び電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2016203621A
JP2016203621A JP2016073852A JP2016073852A JP2016203621A JP 2016203621 A JP2016203621 A JP 2016203621A JP 2016073852 A JP2016073852 A JP 2016073852A JP 2016073852 A JP2016073852 A JP 2016073852A JP 2016203621 A JP2016203621 A JP 2016203621A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
porous film
laminated porous
laminated
polypropylene resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016073852A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6627616B2 (ja
Inventor
昌幸 瀬尾
Masayuki Seo
昌幸 瀬尾
隆敏 牟田
Takatoshi Muta
隆敏 牟田
根本 友幸
Tomoyuki Nemoto
友幸 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Publication of JP2016203621A publication Critical patent/JP2016203621A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6627616B2 publication Critical patent/JP6627616B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

【課題】透気特性に優れるだけでなく、製膜時の安定性、生産性に優れ、イオン透過性の向上した電気抵抗値の低い積層多孔性フィルムを提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I層)と、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)、及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(II)よりなる耐熱層(II層)との少なくとも2層を有し、前記ビニル芳香族エラストマー(C)の、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1g/10分以下であることを特徴とする積層多孔性フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、積層多孔性フィルムに関し、特に、リチウムイオン二次電池用セパレータとして使用時において、電池性能に寄与する優れた透気特性を有すると共に、多孔構造制御に伴う優れた電気抵抗値を有し、電池の機能性の向上に有効な積層多孔性フィルムに関する。本発明はまた、この積層多孔性フィルムを用いた電池用セパレータ及び電池に関する。
二次電池はOA、FA、家庭用電器または通信機器等のポータブル機器用電源として幅広く使用されている。特に機器に装備した場合に容積効率がよく機器の小型化および軽量化につながることからリチウムイオン二次電池を使用したポータブル機器が増加している。
一方、大型の二次電池はロードレベリング、UPS、電気自動車をはじめ、エネルギー/環境問題に関連する多くの分野において研究開発が進められ、大容量、高出力、高電圧および長期保存性に優れている点より非水電解液二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池の用途が広がっている。
リチウムイオン二次電池の使用電圧は通常4.1Vから4.2Vを上限として設計されている。このような高電圧では水溶液は電気分解を起こすので電解液として使うことができない。そのため、高電圧でも耐えられる電解液として有機溶媒を使用したいわゆる非水電解液が用いられている。
非水電解液用の溶媒としては、より多くのリチウムイオンを存在させることができる高誘電率有機溶媒が用いられ、該高誘電率有機溶媒としてポリプロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の有機炭酸エステルが主に使用されている。また、溶媒中でリチウムイオン源となる支持電解質として、6フッ化リン酸リチウム等の反応性の高い電解質を溶媒中に溶かして使用している。
リチウムイオン二次電池には内部短絡の防止の点から、電池用セパレータが正極と負極の間に介在されている。当該電池用セパレータにはその役割から当然絶縁性が要求される。また、リチウムイオンの通路となる透気性と電解液の拡散・保持機能を付与するために微細孔構造である必要がある。これらの要求を満たすため、電池用セパレータとしては多孔性フィルムが使用されている。
リチウムイオン二次電池用セパレータは、高安全性、低電気抵抗であることが望まれている。電池用セパレータにおける高安全性とは、リチウムイオン二次電池が異常を起こし、熱暴走状態に陥った際に、絶縁性を保ち、破膜や収縮を生じることなく、電極間の短絡を防止し、電池の異常発熱による発火等の事故を防止する機能である。このような安全性を高めたセパレータとして、無機粒子を樹脂組成物内に充填し、その後多孔化したものや、無機粒子からなる溶液を多孔膜上にコートしたもの、それらに高融点の耐熱樹脂を加えた多孔膜などが知られている。また、低電気抵抗として、電池の大電流での放電性能や低温での放電性能を向上させるために、セパレータが電解液を保液した状態で流れるイオンの抵抗をできるだけ小さくする必要があり、電解液を含ませた状態での電気抵抗値が低いセパレータが望まれている。電池用セパレータの用途においては、近年、電池の高性能化及び生産効率の向上を目的として、イオン透過性の向上した電気抵抗値が低い多孔性フィルムの要求が高まっている。
従来、電池用セパレータとして用いられる微細孔構造を有するフィルムとして、特開平10−50287号公報(特許文献1)では、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体及び/又は無機繊維からなる耐熱性に優れた無機物質含有多孔性フィルムが提案されている。
また、多孔性フィルムの透過性を高めるために、結晶形態の一つであるβ晶をポリプロピレン樹脂に含有させて、ポリプロピレンフィルムを延伸して多孔性フィルムを得る方法が、特開平6−100720号公報(特許文献2)で提案されている。
また、積層多孔性フィルムとして、無機粒子と熱可塑性樹脂からなる粒子層の両面にポリオレフィン樹脂からなる多孔層を形成したフィルムが特開2012−22911号公報(特許文献3)にて、無機粒子を含有した層と含有していない層を2層共押出し、セパレータを得る方法が特開2009−185093号公報(特許文献4)にて提案されている。
また、ポリオレフィン系樹脂に無機粒子とエラストマーを添加した多孔性フィルムとして、特開2012−131990号公報(特許文献5)や特開2012−92213号公報(特許文献6)が提案されている。これらの多孔性フィルムでは、エラストマーを添加することにより、フィルムの機械強度を向上できるとしている。
特開平10−50287号公報 特開平6−100720号公報 特開2012−22911号公報 特開2009−185093号公報 特開2012−131990号公報 特開2012−92213号公報
しかしながら、特許文献1のセパレータは、多孔性フィルム中の全層に無機粒子が含まれるため、延伸時に無機粒子を起点として形成される孔構造が粗大になりやすく、機械強度面に不安が残る。
また、特許文献2の多孔性フィルムは、電池用セパレータとして使用するには耐熱性が十分とは言えず、電池の安全性を確保するという点で改良の余地がある。
また、特許文献3の積層セパレータ及び特許文献4のポリオレフィン微多孔膜は、無機粒子を含む多孔層を有することで、耐熱性に優れるとしているが、多孔膜全体の厚みに対する透気抵抗が比較的高いため、これらを用いて電池を組んだ際の電気抵抗が高いと推察され、改良の余地がある。
また、エラストマーの添加に伴い、特許文献5では伸度保持率の向上、特許文献6では引き裂き強度の向上を謳っているが、これらの文献では、エラストマー添加に伴う孔形成への影響については考慮されておらず、多孔構造や孔同士の連通性が大きな影響を与える電気抵抗に関して改良の余地が残る。
加えて、特許文献1及び4では多孔性フィルムを製造する際、ポリオレフィン系樹脂と無機粒子に可塑剤を混合し、この混合物をシート状に成形する一次加工、該シートを延伸・圧延等して空孔を設ける二次加工を行った後に、配合している可塑剤を有機溶媒で抽出除去する工程が必要となり、この抽出工程で多量の有機溶媒等を使用するため、環境上の観点から好ましくない上、生産効率も低下するおそれがある。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、透気特性に優れるだけでなく、製膜時の安定性、生産性に優れ、イオン透過性の向上した電気抵抗値の低い積層多孔性フィルム及びその製造方法と、この積層多孔性フィルムを用いた電池用セパレータ及び電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I層)と、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)及び、特定のビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物よりなる耐熱層(II層)との少なくとも2層を有する積層多孔性フィルムにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I層)と、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)、及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(II)よりなる耐熱層(II層)との少なくとも2層を有し、前記ビニル芳香族エラストマー(C)の、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1g/10分以下であることを特徴とする積層多孔性フィルム。
[2]前記樹脂組成物(II)100質量部中に、前記ビニル芳香族エラストマー(C)を1〜30質量部含むことを特徴とする[1]に記載の積層多孔性フィルム。
[3]前記多孔層(I層)がβ晶活性を有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の積層多孔性フィルム。
[4]前記多孔層(I層)にβ晶核剤が含まれていることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の積層多孔性フィルム。
[5]延伸フィルムであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の積層多孔性フィルム。
[6]25℃において、JIS P8117(2009年)に準拠して測定された透気度が100秒/100ml以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の積層多孔性フィルム。
[7]1Mの過塩素酸リチウムを含むプロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:1(v/v)溶液を含浸させて、25℃で測定した厚さ方向の電気抵抗値が0.7Ω以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の積層多孔性フィルム。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の積層多孔性フィルムを用いた電池用セパレータ。
[9][8]に記載の電池用セパレータを用いた電池。
[10][1]〜[7]のいずれかに記載の積層多孔性フィルムの製造方法であって、前記I層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物と、前記II層を構成する、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)、及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(II)とを、共押出して無孔膜状物を作製する工程と、当該無孔膜状物を少なくとも一軸方向に延伸して多孔化する工程とを有し、かつ、添加剤を溶媒で除去する工程を含まないことを特徴とする積層多孔性フィルムの製造方法。
本発明の積層多孔性フィルムは、特定の多孔層(I層)と耐熱層(II層)とを有し、かつII層が無機粒子(B)と特定のMFRのビニル芳香族エラストマー(C)を含有することで、孔同士の連通性が高く、優れた透気特性及び優れたイオン透過性に伴う低電気抵抗値を有し、さらに耐熱性にも優れる。そのため、本発明の積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた電池の効率や安全性を高めることができる。
また、本発明の積層多孔性フィルムは、厳密な製造条件の制御を必要とせず、原料を溶融混練し、得られた樹脂組成物を用いて作製した無孔膜状物を少なくとも一軸方向に延伸するのみで多孔化して製造することができ、添加剤を溶媒で除去する工程が不要であるため、生産性に優れると共に、環境への悪影響を低減することができる。
本発明の積層多孔性フィルムを収容している電池の概略的な内部展開斜視図である。 広角X線回折測定における積層多孔性フィルムの固定方法を説明する図である。
以下に本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されず適宜変形して、実施することができる。
[積層多孔性フィルム]
1.多孔層(I層)
本発明の積層多孔性フィルムにおいて、多孔層(I層)は、ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分として構成される層であり、ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分とするポリプロピレン系樹脂組成物(以下「樹脂組成物(I)」と称す場合がある。)により形成される層であり、好ましくはポリプロピレン系樹脂(A)とβ晶核剤(D)を含む樹脂組成物(I)により構成され、β晶活性を有することで、延伸後に均質な多孔性フィルムとされた層である。
なお、ここで主成分とは、多孔層(I層)又は樹脂組成物(I)中の成分として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含むことをいう。
1−1.ポリプロピレン系樹脂(A)
本発明におけるポリプロピレン系樹脂(A)としては、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンもしくは1−デセンなどαオレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体などが挙げられる。この中でも、機械的強度の観点からホモポリプロピレンがより好適に使用される。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)としては、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率が80〜99%であることが好ましく、より好ましくは83〜98%、更に好ましくは85〜97%である。アイソタクチックペンタッド分率が80%以上であれば、機械的強度が低下するおそれが少ない。一方、アイソタクチックペンタッド分率の上限については現時点において工業的に得られる上限値で規定しているが、将来的に工業レベルで更に規則性の高い樹脂が開発された場合においてはこの限りではない。
アイソタクチックペンタッド分率とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素―炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al.(Macromol.8,687(1975))に準拠する。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)は、分子量分布を示すパラメータであるMw/Mnが1.5〜10.0であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)のMw/Mnはより好ましくは2.0〜8.0、更に好ましくは2.0〜6.0である。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が狭いことを意味するが、Mw/Mnが1.5以上であることで、十分な押出成形性が得られ、工業的に大量生産が可能である。一方、Mw/Mnが10.0以下であることで、十分な機械的強度を確保することができる。
ポリプロピレン系樹脂(A)のMw/MnはGPC(ゲルパーエミッションクロマトグラフィー)法によって測定される。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常、0.5〜15g/10分であることが好ましく、1.0〜10g/10分であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)のMFRが0.5g/10分以上であることで、成形加工時において十分な溶融粘度を有し、高い生産性を確保することができる。一方、ポリプロピレン系樹脂(A)のMFRが15g/10分以下であることで、十分な強度を有することができる。
ポリプロピレン系樹脂(A)のMFRはJIS K7210−1(2014年)に準拠して温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
ポリプロピレン系樹脂(A)の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(A)としては、例えば、商品名「ノバテックPP」、「WINTEC」(以上、日本ポリプロ社製)、「ノティオ」、「タフマーXR」(以上、三井化学社製)、「ゼラス」、「サーモラン」(以上、三菱化学社製)、「住友ノーブレン」、「タフセレン」(以上、住友化学社製)、「プライムポリプロ」、「プライムTPO」(プライムポリマー社製)、「Adflex」、「Adsyl」、「HMS−PP(PF814)」(以上、サンアロマー社製)、「バーシファイ」、「インスパイア」(以上、ダウケミカル社製)など市販されている商品を使用できる。
ポリプロピレン系樹脂(A)は1種のみを用いてもよく、組成や物性の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の積層多孔性フィルムにおいて、多孔層(I層)は、β晶活性を有することが好ましい。β晶活性は、延伸前の膜状物においてポリプロピレン系樹脂がβ晶を生成していたことを示す一指標と捉えることができる。延伸前の膜状物中のポリプロピレン系樹脂がβ晶を生成していれば、フィラー等の添加剤を使用しなくても、その後延伸を施すことで微細かつ均一な孔が多く形成されるため、機械的強度が高く、透気性能に優れ、電池用セパレータとして電池特性を向上させることができる積層多孔性フィルムとすることができる。
本発明の積層多孔性フィルムにおいては、下記(1)の示差走査型熱量計によりポリプロピレン系樹脂のβ晶に由来する結晶融解ピーク温度が検出された場合、及び/又は、下記(2)のX線回折装置を用いた測定によりβ晶に由来する回折ピークが検出された場合に、「β晶活性」を有すると判断される。
ポリプロピレン系樹脂のβ晶活性は、本発明の積層多孔性フィルムについて、その積層多孔性フィルム全層の状態で測定することができる。
(1) 示差走査型熱量計による場合
示差走査型熱量計で積層多孔性フィルムを25℃から240℃まで加熱速度10℃/分で昇温後1分間保持し、次に240℃から25℃まで冷却速度10℃/分で降温後1分間保持し、更に25℃から240℃まで加熱速度10℃/分で再昇温させた際に、再昇温時にポリプロピレン系樹脂のβ晶に由来する結晶融解ピーク温度(Tmβ)が検出された場合、β晶活性を有すると判断する。
β晶活性度は、検出されるポリプロピレン系樹脂のα晶由来の結晶融解熱量(ΔHmα)とβ晶由来の結晶融解熱量(ΔHmβ)を用いて下記式で計算される。
β晶活性度(%)=〔ΔHmβ/(ΔHmβ+ΔHmα)〕×100
例えば、ポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレンの場合は、主に145℃以上160℃未満の範囲で検出されるβ晶由来の結晶融解熱量(ΔHmβ)と、主に160℃以上170℃以下に検出されるα晶由来の結晶融解熱量(ΔHmα)から計算することができる。また、例えばポリプロピレン系樹脂が、エチレンが1〜4モル%共重合されているランダムポリプロピレンの場合は、主に120℃以上140℃未満の範囲で検出されるβ晶由来の結晶融解熱量(ΔHmβ)と、主に140℃以上165℃以下の範囲に検出されるα晶由来の結晶融解熱量(ΔHmα)から計算することができる。
多孔層(I層)のβ晶活性度は大きい方が好ましく、具体的には20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。多孔層(I層)が20%以上のβ晶活性度を有するものであれば、延伸前の膜状物中においてもポリプロピレン系樹脂のβ晶が多く生成することができることを示し、延伸により微細かつ均一な孔が多く形成され、結果として機械的強度が高く、透気性能に優れた積層多孔性フィルムとすることができる。
β晶活性度の上限値は特に限定されないが、β晶活性度が高いほど前記効果がより有効に得られるので100%に近いほど好ましい。
(2) X線回折装置による場合
β晶活性の有無を、特定の熱処理を施した積層多孔性フィルムの広角X線回折測定により得られる回折プロファイルから判断する場合、詳細には、ポリプロピレン系樹脂の結晶融解ピーク温度を超える温度である170〜190℃の熱処理を施し、徐冷してβ晶を生成・成長させた積層多孔性フィルムについて広角X線測定を行い、ポリプロピレン系樹脂のβ晶の(300)面に由来する回折ピークが2θ=16.0°〜16.5°の範囲に検出された場合、β晶活性が有ると判断する。
ポリプロピレン系樹脂のβ晶構造と広角X線回折に関する詳細は、Macromol.Chem.187,643−652(1986)、Prog.Polym.Sci.Vol.16,361−404(1991)、Macromol.Symp.89,499−511(1995)、Macromol.Chem.75,134(1964)、及びこれらの文献中に挙げられた参考文献を参照することができる。広角X線回折を用いたβ晶活性の詳細な評価方法については、後述の実施例にて示す。
前述したβ晶活性を得る方法としては、樹脂組成物(I)にポリプロピレン系樹脂(A)のα晶の生成を促進させる物質を添加しない方法や、樹脂組成物(I)に特許3739481号公報に記載されているように過酸化ラジカルを発生させる処理を施したポリプロピレンを添加する方法、及び樹脂組成物(I)にβ晶核剤を添加する方法などが挙げられる。中でも、樹脂組成物(I)にβ晶核剤(D)を添加してβ晶活性を得ることが特に好ましい。β晶核剤(D)を添加することで、より均質に効率的にポリプロピレン系樹脂(A)のβ晶の生成を促進させることができ、β晶活性を有する多孔層(I層)を備えた電池用積層多孔性フィルムを得ることができる。
1−2.β晶核剤(D)
前述の通り、本発明では微細な多孔質構造を得るために、多孔層(I層)はβ晶活性を有することが好ましく、中でもβ晶核剤(D)を用いることが好ましい。本発明で用いるβ晶核剤(D)としては以下に示すものが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂(A)のβ晶の生成・成長を増加させるものであれば特に限定される訳ではなく、また2種類以上を混合して用いても良い。
β晶核剤(D)としては、例えば、アミド化合物;テトラオキサスピロ化合物;キナクリドン類;ナノスケールのサイズを有する酸化鉄;1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウムもしくはコハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリもしくはアルカリ土類金属塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二もしくは三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;有機二塩基酸である成分Aと周期表第2族金属の酸化物、水酸化物もしくは塩である成分Bとからなる二成分系化合物;環状リン化合物とマグネシウム化合物からなる組成物などが挙げられる。
市販されているβ晶核剤(D)の具体例としては、新日本理化社製β晶核剤「エヌジェスターNU−100」、β晶核剤の添加されたポリプロピレン系樹脂の具体例としては、Aristech社製ポリプロピレン「Bepol B−022SP」、Borealis社製ポリプロピレン「Beta(β)−PP BE60−7032」、mayzo社製ポリプロピレン「BNX BETAPP−LN」などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(A)に添加するβ晶核剤(D)の割合は、β晶核剤(D)の種類またはポリプロピレン系樹脂(A)の組成などにより適宜調整することが必要であるが、ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対しβ晶核剤(D)0.0001〜5.0質量部であることが好ましく、0.001〜3.0質量部であることがより好ましく、0.01〜1.0質量部であることが更に好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対するβ晶核剤(D)の添加量が0.0001質量部以上であれば、製造時において十分にポリプロピレン系樹脂(A)のβ晶を生成・成長させて十分なβ晶活性が確保でき、積層多孔性フィルムとした際にも十分なβ晶活性が確保でき、所望の透気性能が得られる。一方、ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対するβ晶核剤(D)の添加量が5.0質量部以下であれば、経済的にも有利になる上に、フィルム表面へのβ晶核剤(D)のブリードなどがなく好ましい。
1−3.他の成分
多孔層(I層)を形成する樹脂組成物(I)には、その性質を損なわない程度に添加剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、滑剤、難燃剤などの各種添加剤を適宜配合してもよい。またその性質を損なわない程度に他の樹脂を含んでも良く、特にエラストマーの添加により、透気特性の向上を図ることができる。
2.耐熱層(II層)
本発明の積層多孔性フィルムにおいて、耐熱層(II層)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と無機粒子(B)と特定のビニル芳香族エラストマー(C)を含む樹脂組成物(以下「樹脂組成物(II)」と称す場合がある。)により形成される層である。耐熱層(II層)及び樹脂組成物(II)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と無機粒子(B)とビニル芳香族エラストマー(C)を主成分として合計で50質量%以上、特に70質量%以上、とりわけ90〜100質量%含むことが好ましい。
2−1.ポリプロピレン系樹脂(A)
本発明においては、耐熱層(II層)がポリプロピレン系樹脂(A)を含んでなることが重要である。ポリプロピレン系樹脂(A)を含有することにより、II層が良好な透気性や耐熱性、機械強度、生産性を有するだけでなく、II層が多孔層(I層)と直接接触する場合の層間接着性に優れる。
耐熱層(II層)を構成するポリプロピレン系樹脂(A)としては、多孔層(I層)を構成するポリプロピレン系樹脂(A)として例示したものの1種又は2種以上を用いることができる。多孔層(I層)を構成するポリプロピレン系樹脂(A)と耐熱層(II層)を構成するポリプロピレン系樹脂(A)とは同一であっても異なるものであってもよいが、同一であることが、材料の調達、後述の共押出成形性等の面において好ましい。
2−2.無機粒子(B)
本発明においては、耐熱層(II層)が無機粒子(B)を含んでなることが重要である。耐熱層(II層)が無機粒子(B)を含有することで、良好な透気性と寸法安定性を有する耐熱層(II層)を形成することができる。
本発明に用いることができる無機粒子(B)の例としては、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの金属炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどの金属硫酸塩;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカ、酸化チタンなどの金属酸化物;塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化銀、塩化カルシウムなどの金属塩化物;タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイトなどの粘土鉱物が挙げられる。中でも電池用セパレータとして用いた場合、電池に組み込んだ際に化学的に不活性であるという観点で、金属酸化物が好ましく、酸化アルミニウムが特に好ましい。
無機粒子(B)の平均粒径の下限としては、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上である。一方、上限として好ましくは3.0μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。無機粒子(B)の平均粒径が0.01μm以上であると、本発明の積層多孔性フィルムが十分な耐熱性を発現することができるため好ましい。また、無機粒子(B)の平均粒径が3.0μm以下であると、無機粒子(B)の分散性が向上するという観点から好ましい。
なお、本実施の形態において「無機粒子(B)の平均粒径」は、例えば、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定される。
無機粒子(B)の比表面積は、1m/g以上、30m/g未満であることが好ましい。無機粒子(B)の比表面積が1m/g以上であれば、本発明の積層多孔性フィルムをリチウムイオン二次電池にセパレータとして組み込む際に電解液の浸透が速くなり、生産性が良好となるため好ましい。また、無機粒子(B)の比表面積が30m/g未満であれば、電解液成分の吸着を抑えられるため好ましい。
2−3.ビニル芳香族エラストマー(C)
本発明においては、耐熱層(II層)がビニル芳香族エラストマー(C)を含んでなることが重要である。耐熱層(II層)がビニル芳香族エラストマー(C)を含有することにより、効率的に均一性の高い多孔構造を得ることができ、空孔の形状や孔径を制御し易くなるとともに、透気性やイオン透過性に優れた積層多孔性フィルムを得ることができる。
本発明におけるビニル芳香族エラストマー(C)とは、スチレン成分を基材とした熱可塑性エラストマーの1種で、軟質成分(例えばブタジエン成分)と硬質成分(例えばスチレン成分)との連続体からなる共重合体である。この共重合体の種類には特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。一般にブロック共重合体としては、線状ブロック構造や放射状枝分れブロック構造等種々のものが知られている。本発明においてはいずれの構造のものを用いてもよい。
本発明で用いるビニル芳香族エラストマー(C)は、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1g/10分以下であることが重要である。樹脂組成物(II)中に分散したビニル芳香族エラストマー(C)は、ポリプロピレン系樹脂(A)との粘度差によってその形状が変化するが、前記上限以下のMFRのビニル芳香族エラストマー(C)であるならば、その形状が球状になり易い。球状に分散したドメインは、アスペクト比が大きなドメインとは異なり、その後の延伸工程によって得られる多孔構造の均一性が高くなり易く、物性安定性に優れるので好ましい。さらに、上記上限以下のMFRのビニル芳香族エラストマー(C)は、延伸工程において、高い弾性率を有するマトリックスと低い弾性率のドメイン界面部分に応力が集中しやすくなるため、開孔起点が生じやすく、多孔化し易いという特徴を有する。
このような観点から、ビニル芳香族エラストマー(C)のMFRはより好ましくは0.7g/10分以下であり、更にこの好ましくは0.5g/10分以下である。MFRが0.5g/10分以下のビニル芳香族エラストマー(C)を用いることで、延伸時にフィルム中の多孔化をさらに促すことができる。
また、本発明におけるビニル芳香族エラストマー(C)は、スチレン含有量が10〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましい。ビニル芳香族エラストマー(C)のスチレン含有量が10質量%以上であることにより、効果的に耐熱層(II層)中にドメインを形成することができる。一方で、ビニル芳香族エラストマー(C)のスチレン含有量が40質量%以下であることにより、過度に大きなドメイン形成を抑制することができる。本発明においては、ビニル芳香族エラストマー(C)の配合により、孔同士の連通性が得られ、低い電気抵抗値を得ることができる。
前記ビニル芳香族エラストマー(C)の具体的な種類については特に限定しないが、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)などが挙げられる。
効率的に樹脂組成物(II)中にビニル芳香族エラストマー(C)を分散させるためには、前記ビニル芳香族エラストマー(C)の中でも、ポリプロピレン系樹脂(A)との相溶性が高い、エチレン成分、ブチレン成分を含有するものが好ましく、中でも、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)がより好ましい。
ビニル芳香族エラストマー(C)は、1種のみを用いてもよく、組成や物性の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
2−4.配合割合
上記のビニル芳香族エラストマー(C)は、樹脂組成物(II)100質量部に対して、1〜30質量部含まれることが好ましく、より好ましくは10〜20質量部である。ビニル芳香族エラストマー(C)の含有量が、1質量部以上であることによって、延伸による多孔化が生じやすくなり、透気特性の向上が可能となる。一方、ビニル芳香族エラストマー(C)の含有量が、30質量部以下であることによって、延伸に伴う多孔構造の粗大化を防ぎ、機械強度を向上できるため好ましい。また、耐熱層(II層)中に耐熱性の向上に有用な無機粒子(B)を十分に充填することができる。
また、耐熱層(II層)及び樹脂組成物(II)におけるポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)の配合比は、ポリプロピレン系樹脂(A)と無機粒子(B)とビニル芳香族エラストマー(C)との混合比率として、(A)/(B)/(C)=20〜60質量%/20〜60質量%/1〜30質量%(ただし、(A)+(B)+(C)=100質量%とする。)であることが好ましく、より好ましくは(A)/(B)/(C)=10〜40質量%/20〜60質量%/10〜20質量%(ただし、(A)+(B)+(C)=100質量%とする。)である。無機粒子(B)を20質量%以上含有することで、電池の異常発熱に対する耐熱性を高め、電池の安全性を高めることができる。また、無機粒子(B)を60質量%以下含有することにより、安定した製膜を行うことができ、積層多孔性フィルムの生産性を高めることができる。
また、耐熱層(II層)及び樹脂組成物(II)は、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有することにより、各々の材料の有する良好な特性が相俟って、優れた耐熱性を有し、均一に多孔化され、透気性やイオン透過性にも優れた積層多孔性フィルムを形成する。
特に、無機粒子(B)とビニル芳香族エラストマー(C)を同時に含有することにより、各々単独では実現が難しい、均一な多孔性と耐熱性を兼ね備えた積層多孔性フィルムを得ることができる。
2−5.他の成分
耐熱層(II層)を形成する樹脂組成物(II)には、その性質を損なわない程度に添加剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、結晶核剤、着色剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、滑剤、難燃剤などの各種添加剤を適宜配合してもよい。またその性質を損なわない程度に他の樹脂を含んでも良い。
3.積層構成
本発明の積層多孔性フィルムは、多孔層(I層)と耐熱層(II層)との少なくとも2層を有するものであればよく、積層多孔性フィルム中の多孔層(I層)と耐熱層(II層)の積層構成に関して、特に制限されるものではない。
多孔層(I層)が少なくとも1層存在することにより、本発明の積層多孔性フィルムを、優れた透気特性と機械強度を有するものとすることができる。
また、耐熱層(II層)が少なくとも1層存在することにより、本発明の積層多孔性フィルムを優れた透気特性、耐熱性と良好な電気抵抗値を有するものとすることができる。
さらに、I層とII層を少なくとも1層ずつ有することによって、各々の有する良好な特性や、I層とII層が直接接触している場合の良好な層間接着性が相俟って、本発明の積層多孔性フィルムを、透気特性に優れるだけでなく、製膜時の安定性、生産性に優れ、イオン透過性の向上した電気抵抗値の低いものとすることができる。
また、本発明の積層多孔性フィルムは、その機能を妨げない範囲で、多孔層(I層)及び耐熱層(II層)以外の他の層(III層)を積層することもできる。具体的には、強度保持層、耐熱層(高融解温度樹脂層)、シャットダウン層(低融解温度樹脂層)などを積層させた構成が挙げられる。層数としては2層、3層、4層、5層、6層、7層と適宜選択できる。ただし、生産性または経済性の観点からは2層または3層構造が好ましい。
本発明の積層多孔性フィルムの積層構成として、例えばI層/II層の2種2層構成や、I層/II層/I層、II層/I層/II層の2種3層構成が挙げられる。
多孔層(I層)と耐熱層(II層)の積層厚み比に関しては、特に制限されるものではなく、用途、目的に応じて適宜調整されるが、後述の本発明の積層多孔性フィルムの製造方法における延伸前の各層厚み比として、I層/II層の2種2層構成の場合は、I層/II層=1/(0.1〜10)であることが好ましく、1/(0.2〜5)であることがより好ましく、1/(0.33〜3)であることがさらに好ましく、1/(0.5〜2)が特に好ましい。
また、I層/II層/I層の2種3層構成の場合は、I層/II層/I層=(0.1〜10)/1/(0.1〜10)であることが好ましく、(0.2〜5)/1/(0.2〜5)であることがより好ましく、(0.33〜3)/1/(0.33〜3)であることがさらに好ましく、(0.5〜2)/1/(0.5〜2)であることが特に好ましい。
また、II層/I層/II層の2種3層構成の場合は、II層/I層/II層=(0.1〜10)/1/(0.1〜10)であることが好ましく、(0.2〜5)/1/(0.2〜5)であることがより好ましく、(0.33〜3)/1/(0.33〜3)であることがさらに好ましく、(0.5〜2)/1/(0.5〜2)であることが特に好ましい。
いずれの層構成の場合であっても、積層多孔性フィルムを形成する耐熱層(II層)の厚み比が、このような厚み比であれば、粘度の差によるムラが生じ難いため、製膜安定性及び延伸性に優れる。
4.積層多孔性フィルムの製造方法
次に、本発明の積層多孔性フィルムの製造方法について説明するが、以下の説明は、本発明の積層多孔性フィルムを製造する方法の一例であり、本発明の積層多孔性フィルムはかかる製造方法により製造される積層多孔性フィルムに限定されるものではない。
本発明の積層多孔性フィルムは、多孔層(I層)に関して、ポリプロピレン系樹脂(A)及び必要に応じて配合されるβ晶核剤(D)やその他の成分を含む樹脂組成物(I)を、また、耐熱層(II層)に関して、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)、ビニル芳香族エラストマー(C)及び必要に応じて配合されるその他の成分を含む樹脂組成物(II)を、それぞれ、ポリプロピレン系樹脂(A)の融点以上、分解温度未満の温度条件下で押出機等を用いて、混練・溶融成形することによって、積層無孔膜状物を得、これを延伸処理して延伸フィルムとすることにより製造することができる。
また、本発明の積層多孔性フィルムの製造方法においては、多孔化するために添加剤を溶媒で除去する工程を含まないことが好ましく、すなわち延伸のみによって多孔化することが好ましい。
4−1.積層無孔膜状物の製造
積層無孔膜状物の製造方法は特に限定されず公知の方法を用いてよいが、例えば押出機を用いて樹脂組成物(I)及び(II)をそれぞれ溶融し、Tダイから共押出し、キャストロールで冷却固化するという方法が挙げられる。また、チューブラー法により製造した膜状物を切り開いて平面状とする方法も適用できる。
より好ましい態様としては以下の製造方法が挙げられる。
押出成形において、押出温度は樹脂組成物(I)及び(II)の流動特性や成形性等によって適宜調整されるが、180〜370℃が好ましく、180〜300℃がより好ましく、180〜240℃が更に好ましい。押出温度を180℃以上とすることで、ポリプロピレン系樹脂(A)が溶融し、その溶融樹脂の粘度が十分に低く、成形性に優れ、生産性が向上するので好ましい。一方、押出温度を370℃以下にすることで、樹脂組成物(I)及び(II)の劣化、ひいては電池用セパレータとなる積層多孔性フィルムの機械的強度の低下を抑制できる。
キャストロールによる冷却固化温度は本発明において重要であり、冷却固化温度を制御することで、ポリプロピレン系樹脂(A)のβ晶を生成・成長させ、積層無孔膜状物中のβ晶の比率を調整することができる。キャストロールの冷却固化温度は好ましくは80〜150℃、より好ましくは90〜140℃、更に好ましくは100〜130℃である。冷却固化温度を80℃以上とすることで冷却固化させた積層無孔膜状物中のβ晶の比率を十分に増加させることができ、好ましい。また、冷却固化温度を150℃以下とすることで押出された溶融樹脂がキャストロールへ粘着し巻き付いてしまうなどのトラブルが起こりにくく、効率よく製膜することが可能なため好ましい。
前記温度範囲にキャストロールを設定することで、延伸前の積層無孔膜状物中のポリプロピレン系樹脂(A)のβ晶比率は40〜100%に調整することが好ましく、50〜100%に調整することがより好ましく、60〜100%に調整することが更に好ましい。延伸前の積層無孔膜状物中のポリプロピレン系樹脂(A)のβ晶比率を40%以上とすることで、その後の延伸操作により多孔化が行われやすく、透気特性の良いフィルムを得ることができる。
4−2.積層無孔膜状物の延伸処理
得られた積層無孔膜状物の延伸方法については、ロール延伸法、圧延法、テンター延伸法、同時二軸延伸法などの手法があり、これらを単独あるいは2つ以上組み合わせて一軸延伸あるいは二軸延伸を行う。
一軸延伸は縦一軸延伸であってもよいし、横一軸延伸であってもよい。二軸延伸は同時二軸延伸であってもよいし、逐次二軸延伸であってもよい。本発明の目的である高い透気性を有する積層多孔性フィルムを作製する場合には、各延伸工程で延伸条件を選択でき、多孔構造を制御し易い逐次二軸延伸がより好ましく、縦延伸後に横延伸を行う逐次二軸延伸が特に好ましい。なお、積層無孔膜状物押出時の流れ方向(MD)への延伸を「縦延伸」といい、流れ方向に対して垂直方向(TD)への延伸を「横延伸」という。
逐次二軸延伸を用いる場合、延伸温度は、用いる樹脂組成物(I)及び(II)の組成、結晶融解ピーク温度、結晶化度等によって適時選択する必要があるが、逐次二軸延伸は多孔構造の制御が比較的容易であり、機械強度や収縮率など他の諸物性とのバランスがとりやすい。
縦延伸での延伸温度は概ね20〜140℃が好ましく、より好ましくは40〜120℃、更に好ましくは60〜110℃の範囲である。縦延伸における延伸温度が20℃以上であれば、延伸時の破断が抑制され、均一な延伸が行われるため好ましい。一方、縦延伸における延伸温度が140℃以下であれば、ポリプロピレン系樹脂(A)中の空孔形成と、ポリプロピレン系樹脂(A)と無機粒子(B)の界面剥離、ポリプロピレン系樹脂(A)とビニル芳香族エラストマー(C)による界面剥離の3種の空孔形成が起こるため、効率よく空孔形成を行うことができる。
縦延伸倍率は、任意に選択できるが、一軸延伸あたりの延伸倍率は1.1〜10倍が好ましく、より好ましくは1.5〜8.0倍であり、さらに好ましくは1.5〜5.0倍である。一軸延伸あたりの延伸倍率を1.1倍以上とすることで白化が進行して、延伸による多孔化が十分起こっていることを示唆している。また、一軸延伸あたりの延伸倍率を10倍以下とすることで、空孔の変形は抑制され、十分に白化した積層多孔性フィルムを得ることができる。
横延伸温度は、好ましくは100〜160℃であり、より好ましくは110〜155℃である。横延伸温度が上記範囲内であることによって、縦延伸時に生じた空孔が拡大されて多孔層の空孔率を増加することができ、十分な透気特性を有するものとすることができる。
横延伸倍率は、任意に選択できるが、好ましくは1.1〜10倍であり、より好ましくは1.5〜8.0倍、更に好ましくは1.5〜4.0倍である。上記横延伸倍率で延伸することによって、縦延伸時に生じた空孔を変形することなく、十分な透気特性を有するものとすることができる。
4−3.熱処理
上記のようにして得られた積層多孔性フィルムは、寸法安定性の改良を目的として熱処理を施すことが好ましい。この際、熱処理温度は好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上とすることで、寸法安定性の効果が期待できる。一方、熱処理温度は好ましくは170℃以下、より好ましくは165℃以下、更に好ましくは160℃以下である。熱処理温度が170℃以下であれば、熱処理によってポリプロピレン系樹脂(A)の融解が起こりにくく、多孔構造を維持できるため好ましい。また、熱処理工程中には、必要に応じて1〜20%の弛緩処理を施しても良い。
熱処理後、均一に冷却して巻き取ることにより、積層多孔性フィルムの捲回体が得られる。
4−4.その他
さらに、本発明の積層多孔性フィルムには、本発明を損なわない範囲で必要に応じて熱処理後に、コロナ処理、プラズマ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面加工、更にはミシン目加工などを施すことができる。
5.積層多孔性フィルムの物性ないし特性
5−1.厚み
本発明の積層多孔性フィルムの厚みは、100μm未満が好ましく、50μm未満がより好ましく、40μm未満がさらに好ましい。一方で下限として、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。厚みが100μm未満であれば、積層多孔性フィルムの電気抵抗を小さくできるため、蓄電デバイスの性能を十分に確保することができる。また、厚みが3μm以上あれば、実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば大きな電圧がかかった場合にも短絡しにくく安全性に優れる。
5−2.透気度
本発明の積層多孔性フィルムは、25℃において、JIS P8117(2009年)に準拠して測定された透気度が100秒/100ml以下であることが好ましい。透気度が100秒/100ml以下の積層多孔性フィルムであれば、優れた電気抵抗値を有することができる。積層多孔性フィルムの透気度は、より好ましくは90秒/100ml以下、更に好ましくは80秒/100ml以下である。
透気度は積層多孔性フィルムの厚み方向の空気の通り抜け難さを表し、具体的には100mlの空気が当該積層多孔性フィルムを通過するのに必要な秒数で表現されている。そのため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方が積層多孔性フィルムの厚み方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方が当該積層多孔性フィルムの厚み方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とは積層多孔性フィルムの厚み方向の孔のつながり度合いである。
積層多孔性フィルムの透気度は、具体的には後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
5−3.電気抵抗値
本発明の積層多孔性フィルムは、1Mの過塩素酸リチウムを含むプロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:1(v/v)溶液を含浸させて、25℃で測定した厚さ方向の電気抵抗値が0.7Ω以下であることが好ましい。厚さ方向の電気抵抗値は、0.65Ω以下であることがさらに好ましく、0.6Ω以下であることが特に好ましい。なお、厚さ方向の電気抵抗値の下限は特に限定されないが、材料選択上の制約から通常0.01Ω以上である。
厚さ方向の電気抵抗値を0.7Ω以下とすることによって、本発明の積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして用いた電池の高出力化における大電流放電を得やすく、電池性能に優れたものとすることができる。このような低電気抵抗値を積層多孔性フィルムにおいて実現するためには、多孔構造を制御し、孔同士の連通性を高め、イオンの移動をしやすくする必要があり、積層多孔性フィルムの前記透気特性に電気抵抗は大きく依存する。すなわち、上記透気度の値が低いほど、電気抵抗値も低くなる関係にある。但し、透気度と電気抵抗値は必ずしも比例関係にある訳ではない。
本発明では、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1g/10分以下であるビニル芳香族エラストマー(C)が、積層多孔性フィルムにおける多孔構造の孔形成、及び孔同士の連通性に寄与し、十分に低い電気抵抗値を有する積層多孔性フィルムを実現する。
積層多孔性フィルムの電気抵抗値は、具体的には後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
[電池]
次に、本発明の積層多孔性フィルムを電池用セパレータとして収容しているリチウムイオン二次電池について図1を参照して説明する。
正極板21、負極板22の両極は電池用セパレータ10を介して互いに重なるようにして渦巻き状に捲回し、巻き止めテープで外側を止めて捲回体とする。
正極板21、電池用セパレータ10および負極板22を一体的に巻き付けた捲回体を有底円筒状の電池ケース内に収容し、正極および負極のリード体24、25と溶接する。ついで、下記電解液を電池缶内に注入し、電池用セパレータ10などに十分に電解液が浸透した後、電池缶の開口周縁にガスケット26を介して正極蓋27を封口し、予備充電、エージングを行うことにより、筒型のリチウムイオン二次電池20が作製される。
電解液としては、リチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランもしくは4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類、またはスルホランなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
負極としてはアルカリ金属またはアルカリ金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と一体化させたものが用いられる。前記アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属を含む化合物としては、例えばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズもしくはマグネシウムなどとの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物もしくは硫化物との化合物などが挙げられる。
負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としてはリチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、例えば黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
正極としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウムもしくはクロム酸化物などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の積層多孔性フィルムについてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら制限を受けるものではない。
[各種評価・測定方法]
<示差走査型熱量測定(DSC)>
積層多孔性フィルムをパーキンエルマー社製の示差走査型熱量計(DSC−7)を用いて、25℃から240℃まで走査速度10℃/分で昇温後1分間保持し、次に240℃〜25℃まで走査速度10℃/分で降温後1分間保持し、次に25℃から240℃まで走査速度10℃/分で再昇温させた。この再昇温時にポリプロピレン系樹脂のβ晶に由来する結晶融解ピーク温度(Tmβ)である145〜160℃にピークが検出されるか否かによりβ晶活性の有無を以下の基準にて評価した。
○:Tmβが145℃〜160℃の範囲内に検出された場合(β晶活性あり)
×:Tmβが145℃〜160℃の範囲内に検出されなかった場合(β晶活性なし)
なお、β晶活性の測定は、試料量10mgで、窒素雰囲気下にて行った。
<広角X線回折測定(XRD)>
図2(A)に示すように、積層多孔性フィルムを縦60mm、横60mm角に切り出したサンプル32を、中央部に40mmφの円形の孔が形成された2枚のアルミ板(材質:JIS A5052、サイズ:縦60mm、横60mm、厚さ1mm)31,31の間にはさみ、図2(B)に示すように周囲をクリップ33で固定した。
積層多孔性フィルムのサンプル32を2枚のアルミ板31,31間に拘束した状態で、設定温度180℃、表示温度180℃である送風定温恒温器(ヤマト科学株式会社製、型式:DKN602)に入れ3分間保持した後、設定温度を100℃に変更し、10分以上の時間をかけて100℃まで徐冷を行った。表示温度が100℃になった時点で取り出し、サンプル32を2枚のアルミ板31,31間に拘束した状態のまま、25℃の雰囲気下で5分間冷却したものについて、以下の測定条件で、中央部の40mmφの円状の部分について広角X線回折測定を行った。図2(B)中、34はフィルム縦方向を示し、35はフィルム横方向を示す。
・広角X線回折測定装置:株式会社マックサイエンス製、型番:XMP18A
・X線源:CuKα線、出力:40kV、200mA
・走査方法:2θ/θスキャン
2θ範囲:5°〜25°
走査間隔:0.05°
走査速度:5°/min
得られた回折プロファイルについて、ポリプロピレン系樹脂のβ晶の(300)面に由来するピークより、β晶活性の有無を以下のように評価した。
○:2θ=16.0〜16.5°の範囲にピークが検出された(β晶活性あり)
×:2θ=16.0〜16.5°の範囲にピークが検出されなかった(β晶活性なし)
<厚み>
積層多孔性フィルムの厚みは、1/1000mmのダイアルゲージにて、積層多孔性フィルムの面内を無作為に10箇所測定し、その平均値として算出した。
<透気度>
積層多孔性フィルムの透気度は、25℃の空気雰囲気下にて、JIS P8117(2009年)に準拠して測定した。測定機器として、デジタル型王研式透気度専用機(旭精工社製)を用いた。
<電気抵抗値>
25℃の空気雰囲気下にて、積層多孔性フィルムを3.5cm×3.5cm角に切り、ガラスシャーレに入れ、電解液として、1Mの過塩素酸リチウムを含むプロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:1(v/v)溶液(キシダ化学社製)を積層多孔性フィルムが浸る程度入れ、電解液を浸み込ませた。その後、積層多孔性フィルムを取り出し、余分な電解液を拭い、φ60mmのステンレス製シャーレの中央に置いた。この上に、底面がφ30mmの円柱状の100gステンレス製分銅をゆっくり載せ、シャーレと分銅に端子を接続し、HIOKI LCR HiTESTER(日置電機社製、型番3522−50)を用いて電気抵抗値を測定した。得られた電気抵抗値について、以下のように評価した。
○:電気抵抗値が0.7Ω以下である。
×:電気抵抗値が0.7Ωを超える。
[製膜原料]
<ポリプロピレン系樹脂(A)>
・A−1;ポリプロピレン(ノバテックFY6HA、日本ポリプロ社製、MFR:2.4g/10分、Mw/Mn=3.2)
<無機粒子(B)>
・B−1;アルミナ(LS235C、日本軽金属社製、平均粒径0.53μm、比表面積6.4m/g)
・B−2;アルミナ(LS710A、日本軽金属社製、平均粒径0.50μm、比表面積6.9m/g)
<ビニル芳香族エラストマー(C)>
・C−1;スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(グレード名;SEPTON1001、スチレン含有量:35質量%、MFR:0.1g/10分、クラレ社製)
・C−2;スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(グレード名:SEPTON2007、スチレン含有量:30質量%、MFR:2.7g/10分、クラレ社製)
<β晶核剤(D)>
・D−1;3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
[実施例1]
ポリプロピレン系樹脂(A−1)100質量部に対して、β晶核剤(D−1)を表1に示す配合部数にて配合し、2軸押出機に投入し、設定温度240℃で溶融混合後、水槽にてストランドを冷却固化し、ペレタイザーにてストランドをカットし、ポリプロピレン系樹脂からなる多孔層(I層)を形成する樹脂組成物(I)のペレット(以下「ペレット(I)」と称す。)を作製した。同様の方法で、ポリプロピレン系樹脂(A−1)、無機粒子(B−1)及びビニル芳香族エラストマー(C−1)を表1に示す配合部数にて配合し、耐熱層(II層)を形成する樹脂組成物(II)のペレット(以下「ペレット(II)」と称す。)を作製した。
作製したペレットは、単軸押出機を用いて、200℃で溶融混合後、リップ開度1mmのTダイで、表裏層側押出機にポリプロピレン系樹脂(A−1)とβ晶核剤(D−1)のペレット(I)、中層側押出機にポリプロピレン系樹脂(A−1)と無機粒子(B−1)と、ビニル芳香族エラストマー(C−1)のペレット(II)を用いて、200℃の押出温度で共押出成形を行い、127℃のキャストロールに導いて積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は縦延伸機を用いて、105℃に設定したロール間において、延伸倍率4.5倍で縦方向に延伸を行った。縦延伸後のフィルムは、フィルムテンター設備(京都機械社製)にて、予熱温度145℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度145℃で横方向に2.0倍延伸した後、155℃で熱処理を行い、積層多孔性フィルムを得た。得られた積層多孔性フィルムの評価結果を表1に纏める。
[実施例2]
実施例1と同様の方法にて、表1に示す配合部数にて配合し、多孔層(I層)を形成するペレット(I)と、耐熱層(II層)を形成するペレット(II)を作製した。
作製したペレット(I)及び(II)より、実施例1と同様の方法にて成形を行い、積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法にて、縦延伸、横延伸、熱処理を行った。得られた積層多孔性フィルムの評価結果を表1に纏める。
[実施例3〜5]
実施例1と同様の方法にて、表1に示す配合部数にて配合し、多孔層(I層)を形成するペレット(I)と、耐熱層(II層)を形成するペレット(II)を作製した。
作製したペレット(I)及び(II)より、中層側押出機にペレット(I)を、表裏層側押出機にペレット(II)を用いて成形を行い、積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法にて、縦延伸、横延伸、熱処理を行った。ただし、実施例3及び4では、横延伸倍率を3.0倍とした。得られた積層多孔性フィルムの評価結果を表1に纏める。
[比較例1]
実施例1と同様の方法にて、表1に示す配合部数にて配合し、多孔層(I層)を形成するペレット(I)を作製した。
作製したペレット(I)を実施例1と同様の方法で、表裏層側押出機、及び中層側押出機に用いて成形を行い、単層無孔膜状物を得た。その後、単層無孔膜状物は実施例1と同様の方法にて、縦延伸、横延伸、熱処理を行った。得られた単層多孔性フィルムの評価結果を表1に纏める。
[比較例2]
実施例1と同様の方法にて、表1に示す配合部数にて配合し、多孔層(I層)を形成するペレット(I)と、耐熱層(II層)を形成する、ポリプロピレン系樹脂(A−1)と無機粒子(B−1)を含み、ビニル芳香族エラストマー(C−1)を含まないペレット(II)を作製した。
作製したペレット(I)及び(II)より、実施例1と同様の方法にて成形を行い、積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法にて、縦延伸、横延伸、熱処理を行った。得られた積層多孔性フィルムの評価結果を表1に纏める。
[比較例3]
実施例1と同様の方法にて、表1に示す配合部数にて配合し、多孔層(I層)を形成するペレット(I)と、ポリプロピレン系樹脂(A−1)と無機粒子(B−1)を含み、ビニル芳香族エラストマー(C−1)を含まない耐熱層(II層)を形成するペレット(II)を作製した。
作製したペレット(I)及び(II)より、中層側押出機にペレット(I)を、表裏層側押出機にペレット(II)を用いて成形を行い、積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法にて、縦延伸、横延伸、熱処理を行った。得られた積層多孔性フィルムの評価結果を表1に纏める。
[比較例4]
実施例1と同様の方法にて、表1に示す配合部数にて配合し、多孔層(I層)を形成するペレット(I)と、耐熱層(II層)を形成する、ポリプロピレン系樹脂(A−1)と無機粒子(B−1)とビニル芳香族エラストマー(C−2)とを含むペレット(II)を作製した。
作製したペレット(I)及び(II)より、実施例1と同様の方法にて成形を行い、積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法にて、縦延伸、横延伸、熱処理を行った。得られた積層多孔性フィルムの評価結果を表1に纏める。
表1に実施例、比較例に関する評価結果を示した。
Figure 2016203621
実施例1〜5より明らかなように、ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I層)と、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)、及び温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1g/10分以下のビニル芳香族エラストマー(C)を含む耐熱層(II層)を有する積層多孔性フィルムは、(I層)及び(II層)の積層比やビニル芳香族エラストマー(C)の添加部数に関わらず、優れた透気特性を示し、電気抵抗値についても良好な結果が得られた。
一方、比較例1に示したポリプロピレン系樹脂多孔層(I層)のみからなる単層多孔性フィルムでは、無機粒子(B)やビニル芳香族エラストマー(C)を含んでいないため、無機粒子(B)やビニル芳香族エラストマー(C)添加に伴う孔形成は生じず、透気度は高い値を示し、電気抵抗値も高くなった。また、比較例2、3の積層多孔性フィルムでは、積層多孔性フィルム中の耐熱層(II層)中にビニル芳香族エラストマー(C)を含んでいない場合、ビニル芳香族エラストマー(C)添加に伴う延伸時の多孔化への寄与がないため、孔同士の連通性が得難くなり、低い電気抵抗値を得ることはできなかった。また、比較例4の積層多孔性フィルムでは、積層多孔性フィルム中の耐熱層(II層)中のビニル芳香族エラストマーが、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上であるため、マトリックス−ドメインの界面部分に応力が集中せず、開孔起点とならないことから、十分な低電気抵抗値を確保することはできなかった。
本発明の積層多孔性フィルムは、蓄電デバイスとして、ニッケル・水素電池、リチウムイオン二次電池のような電池系デバイス、アルミ電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタのようなコンデンサ系デバイスとして幅広く利用が期待できる。また、透気特性が要求される種々の用途に応用することができ、使い捨て紙オムツ等の体液吸収用パット、もしくは手術衣等の医療用材料、ジャンパー、雨着等の衣料用材料、家屋防水材、断熱材等の建築用材料、乾燥剤、使い捨てカイロ等の包装材料等の資材としても好適に使用できる。
10 電池用セパレータ(積層多孔性フィルム)
20 リチウムイオン二次電池
21 正極板
22 負極板
24 正極リード体
25 負極リード体
26 ガスケット
27 正極蓋

Claims (10)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I層)と、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)、及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(II)よりなる耐熱層(II層)との少なくとも2層を有し、前記ビニル芳香族エラストマー(C)の、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1g/10分以下であることを特徴とする積層多孔性フィルム。
  2. 前記樹脂組成物(II)100質量部中に、前記ビニル芳香族エラストマー(C)を1〜30質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の積層多孔性フィルム。
  3. 前記多孔層(I層)がβ晶活性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層多孔性フィルム。
  4. 前記多孔層(I層)にβ晶核剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルム。
  5. 延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルム。
  6. 25℃において、JIS P8117(2009年)に準拠して測定された透気度が100秒/100ml以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルム。
  7. 1Mの過塩素酸リチウムを含むプロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:1(v/v)溶液を含浸させて、25℃で測定した厚さ方向の電気抵抗値が0.7Ω以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルムを用いた電池用セパレータ。
  9. 請求項8に記載の電池用セパレータを用いた電池。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層多孔性フィルムの製造方法であって、前記I層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物と、前記II層を構成する、ポリプロピレン系樹脂(A)、無機粒子(B)、及びビニル芳香族エラストマー(C)を含有する樹脂組成物(II)とを、共押出して積層無孔膜状物を作製する工程と、当該積層無孔膜状物を少なくとも一軸方向に延伸して多孔化する工程とを有し、かつ、添加剤を溶媒で除去する工程を含まないことを特徴とする積層多孔性フィルムの製造方法。
JP2016073852A 2015-04-15 2016-04-01 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、及び電池 Active JP6627616B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015083460 2015-04-15
JP2015083460 2015-04-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016203621A true JP2016203621A (ja) 2016-12-08
JP6627616B2 JP6627616B2 (ja) 2020-01-08

Family

ID=57486726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016073852A Active JP6627616B2 (ja) 2015-04-15 2016-04-01 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、及び電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6627616B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017218470A1 (de) 2016-10-17 2018-04-19 Yazaki Corporation Stromschienenmodul
WO2019117217A1 (ja) * 2017-12-14 2019-06-20 株式会社ブリヂストン ゴム組成物およびタイヤ
WO2019235112A1 (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 旭化成株式会社 多層セパレータ
JP2021523527A (ja) * 2018-05-10 2021-09-02 セルガード エルエルシー 電池セパレーター、被覆された電池セパレーター、電池及び関連する方法
WO2021200083A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 日本ゼオン株式会社 電気化学素子機能層用組成物、電気化学素子用積層体、および電気化学素子
WO2023146073A1 (ko) * 2022-01-27 2023-08-03 더블유스코프코리아 주식회사 다층 분리막의 제조방법

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009045774A (ja) * 2007-08-15 2009-03-05 Mitsubishi Plastics Inc 積層多孔性フィルム、それを利用した電池用セパレータおよび電池
JP2012014914A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Asahi Kasei E-Materials Corp 微多孔膜及びその製造方法、並びに非水電解液2次電池用セパレータ
JP2012092302A (ja) * 2010-10-01 2012-05-17 Mitsubishi Plastics Inc 多孔性フィルム、電池用セパレータ及び電池
WO2013035622A1 (ja) * 2011-09-09 2013-03-14 三菱樹脂株式会社 電池用セパレータおよび電池
JP2014124780A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Mitsubishi Plastics Inc 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、および電池
JP2015018813A (ja) * 2009-03-09 2015-01-29 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法、並びに、積層ポリオレフィン微多孔膜

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009045774A (ja) * 2007-08-15 2009-03-05 Mitsubishi Plastics Inc 積層多孔性フィルム、それを利用した電池用セパレータおよび電池
JP2015018813A (ja) * 2009-03-09 2015-01-29 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法、並びに、積層ポリオレフィン微多孔膜
JP2012014914A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Asahi Kasei E-Materials Corp 微多孔膜及びその製造方法、並びに非水電解液2次電池用セパレータ
JP2012092302A (ja) * 2010-10-01 2012-05-17 Mitsubishi Plastics Inc 多孔性フィルム、電池用セパレータ及び電池
WO2013035622A1 (ja) * 2011-09-09 2013-03-14 三菱樹脂株式会社 電池用セパレータおよび電池
JP2014124780A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Mitsubishi Plastics Inc 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、および電池

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017218470A1 (de) 2016-10-17 2018-04-19 Yazaki Corporation Stromschienenmodul
WO2019117217A1 (ja) * 2017-12-14 2019-06-20 株式会社ブリヂストン ゴム組成物およびタイヤ
JP2021523527A (ja) * 2018-05-10 2021-09-02 セルガード エルエルシー 電池セパレーター、被覆された電池セパレーター、電池及び関連する方法
WO2019235112A1 (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 旭化成株式会社 多層セパレータ
JPWO2019235112A1 (ja) * 2018-06-08 2021-02-25 旭化成株式会社 多層セパレータ
JP7042338B2 (ja) 2018-06-08 2022-03-25 旭化成株式会社 多層セパレータ
WO2021200083A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 日本ゼオン株式会社 電気化学素子機能層用組成物、電気化学素子用積層体、および電気化学素子
CN115039282A (zh) * 2020-03-31 2022-09-09 日本瑞翁株式会社 电化学元件功能层用组合物、电化学元件用层叠体以及电化学元件
WO2023146073A1 (ko) * 2022-01-27 2023-08-03 더블유스코프코리아 주식회사 다층 분리막의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6627616B2 (ja) 2020-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5994016B2 (ja) 多孔性フィルムの製造方法
JP6627616B2 (ja) 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、及び電池
WO2010026954A1 (ja) セパレータ用積層多孔性フィルム
WO2011132533A1 (ja) 積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、および非水電解液二次電池
WO2010053172A1 (ja) 積層多孔性フィルム、リチウム電池用セパレータおよび電池
JP6093636B2 (ja) 積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池
JP6154585B2 (ja) 積層多孔性フィルム
JP5699212B2 (ja) 多孔性フィルム、電池用セパレータ、および電池
JP2011194650A (ja) ポリオレフィン樹脂多孔性フィルム、および電池用セパレータ
JPWO2013146342A1 (ja) 積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池
JP2010111833A (ja) 多孔性フィルム、それを利用したリチウム電池用セパレータ、および電池
JP4801706B2 (ja) セパレータ用積層多孔性フィルム、およびその製造方法
WO2016159339A1 (ja) 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、及び電池
JP6117493B2 (ja) 積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池
JP4801705B2 (ja) セパレータ用積層多孔性フィルム、およびその製造方法
JP6103921B2 (ja) 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、および電池
JP5750511B2 (ja) 電池用セパレータおよび電池
JP5848193B2 (ja) 積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池
JP5885104B2 (ja) 積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池
JP5727747B2 (ja) 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ及び電池
JP6642214B2 (ja) 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ、及び電池
JP5997000B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂多孔性フィルム
JP6232771B2 (ja) 多孔性フィルム、それを利用した電池用セパレータおよび電池
JP4801717B2 (ja) 電池用セパレータ及び電池
JP6379484B2 (ja) 積層多孔性フィルム、電池用セパレータ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191118

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6627616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151