JP2016200709A - 偏光板保護フィルム、それが具備された偏光板及び偏光板保護フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光板保護フィルム、それが具備された偏光板及び偏光板保護フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】折り曲げ性に優れた偏光板保護フィルム、それが具備された偏光板を提供する。また、偏光板保護フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層2を有する偏光板保護フィルム1であって、23℃・55%RH環境下の測定で、前記樹脂層の引張試験の破断点伸度が6〜20%の範囲内であり、かつ、前記樹脂層の表面のマルテンス硬度が145〜160N/mm2の範囲内であるように調整されている。また、樹脂層2の上にハードコート層3が具備されている。【選択図】図2

Description

本発明は、折り曲げ性に優れた偏光板保護フィルム、それが具備された偏光板及び偏光板保護フィルムの製造方法に関する。
近年、表示装置において、大型化、薄膜化やフレキシブル化等の要求が強く、偏光板を含む各部材の高機能化が進んでいる。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう。)を搭載する画像表示装置に組み合わせる偏光板として、一般的に二つの保護フィルム間に偏光子が配置された構成を有し、偏光板に反射防止機能を付加するために、有機EL素子側に位相差を付与した保護フィルムが用いられている。また、液晶表示装置(LCD)は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを有している。
これらの表示装置に用いられている偏光板のうち、特に視認側の偏光板は、表面の傷付きを防止するため、高い耐擦傷性を有することが求められ、そのため、視認側の偏光板に用いられる偏光板保護フィルムの表面硬度を高めることが検討されている。例えば、偏光板保護フィルムの表面硬度を高める方法として、基材フィルム上にハードコート層を積層する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような硬度の高いハードコート層は、折り曲げ性に劣るという問題があった。
一方、基材として、従来広くに用いられているセルロースアセテートフィルムは、吸湿性や透湿性を有するという欠点があり、シクロオレフィンフィルムは、この欠点が少なく、耐水性、耐熱性、透明性や寸法安定性などが良好で、保護フィルムとして優れた熱可塑性樹脂として注目されている。しかしながら、用いられているシクロオオレフィン系樹脂は、セルロースエステル樹脂に比べ若干脆い性質があり、折り曲げ性や加工性が悪いという問題点があった。
このようなシクロオオレフィン系樹脂を基材として用い、ハードコート層を有する偏光板保護フィルムの折り曲げ性を改良するため、特定の構造のウレタン(メタ)アクリレート化合物をハードコート層に有するハードコートフィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、折り曲げて使用できる表示装置に求められるような、高い折り曲げ性を有する偏光板保護フィルムとしては、十分ではなかった。
特開2013−127058号公報 特開2014−16608号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、折り曲げ性に優れた偏光板保護フィルム、それが具備された偏光板を提供することである。また、偏光板保護フィルムの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程においてシクロオレフィン系樹脂に対し、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を含有させるか、又は下記一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤を含有させることにより、引張試験の破断点伸度及び樹脂層の表面のマルテンス硬度が増加する現象を見いだした。また、この樹脂をハードコート層を有する偏光板保護フィルムの基材として用いることにより、大幅に折り曲げ性が向上することを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層を有する偏光板保護フィルムであって、23℃・55%RH環境下の測定で、前記樹脂層の引張試験の破断点伸度が6〜20%の範囲内であり、かつ、前記樹脂層の表面のマルテンス硬度が145〜160N/mmの範囲内であるように調整されたことを特徴とする偏光板保護フィルム。
2.前記樹脂層上に厚さ1〜8μmの範囲内のハードコート層が、具備されていることを特徴とする第1項に記載の偏光板保護フィルム。
3.前記樹脂層が、前記シクロオレフィン系樹脂に対し、少なくとも、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を0.5〜5質量%の範囲内で含有するか、又は下記一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤を1〜10質量%の範囲内で含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の偏光板保護フィルム。
一般式(1):B−(G−A)−G−B
(式中、
Bは、環構造を含むヒドロキシ基含有モノカルボン酸から誘導される基を表す。
Gは、炭素原子数2〜12のアルキレンジオール、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオール及び炭素原子数6〜12のアリーレンジオールからなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジカルボン酸、及び炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸からなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
nは、0以上の整数を表す。)
4.前記樹脂層の厚さが、20〜40μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
5.偏光子の片側に第1項から第4項までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムが具備され、前記偏光子の他の片側に位相差フィルムが具備されていることを特徴とする偏光板。
6.シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層とハードコート層とを有する偏光板保護フィルムを製造する製造方法であって、
前記シクロオレフィン系樹脂に対し、少なくとも、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を0.5〜5質量%の範囲内で含有し、又は下記一般式(1)で表されるポリエステル系添加剤を1〜10質量%の範囲内で含有し、かつシクロオレフィン系樹脂を含有する溶液を基体上に流延する工程を経て、前記樹脂層を形成することを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
一般式(1):B−(G−A)−G−B
(式中、
Bは、環構造を含むヒドロキシ基含有モノカルボン酸から誘導される基を表す。
Gは、炭素原子数2〜12のアルキレンジオール、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオール及び炭素原子数6〜12のアリーレンジオールからなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジカルボン酸、及び炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸からなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
nは、0以上の整数を表す。)
本発明の上記手段により、折り曲げ性に優れた偏光板保護フィルム、それが具備された偏光板を提供することができる。また、偏光板保護フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
図1は、偏光板保護フィルムが割れを生じる機構を説明する概念図である。基材上にハードコート層を有する偏光板保護フィルムを、ハードコート層を内側にして折り曲げると、折り曲げる際に伸ばされる側の基材の折り曲げ部分A及びハードコート層のB部分から割れが発生すると考えられる。本発明の偏光板保護フィルムは基材の破断伸度が高いため、基材の折り曲げ部分Aが伸びることができ、割れを生じにくくなると考えられる。また、折り曲げて伸ばされる側のハードコート層のB部分は、接している樹脂層の表面硬度が高いため、ハードコート層のB部分にかかる応力を緩和できると考えられ、基材の特性を改善することにより偏光板保護フィルムの折り曲げ性を改善できるものと考えられる。
偏光板保護フィルムが割れを生じる機構を説明する概念図 偏光板保護フィルムの構成の一例
本発明の偏光板保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層を有する偏光板保護フィルムであって、23℃・55%RH環境下の測定で、前記樹脂層の引張試験の破断点伸度が6〜20%の範囲内であり、かつ、前記樹脂層の表面のマルテンス硬度が145〜160N/mmの範囲内であるように調整されたことを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項6までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記樹脂層上に厚さ1〜8μmの範囲内のハードコート層が、具備されていることが好ましい。また、前記樹脂層が、前記シクロオレフィン系樹脂に対し、少なくとも、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を0.5〜5質量%の範囲内で含有するか、又は前記一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤を1〜10質量%で含有することが、樹脂の自由体積を埋め、硬度を高くする効果が発現する。かつ自由体積を埋まることで樹脂-添加剤相互作用により破断点伸度も高くする効果が得られることから、好ましい。
さらに、本発明においては、樹脂層の厚さが、20〜40μmの範囲内であることが好ましい。これにより、40μm以下であると、折尾曲げた際、図1に示される折り曲げる際に延ばされる側の樹脂層の折り曲げ部分Aの伸びが小さくなり、その結果、折り曲げ耐性が向上する、また20μm以上であれ樹脂層として十分な折り曲げ性が得られる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、偏光子の片側に前記偏光板保護フィルムが具備され、前記偏光子の他の片側に位相差フィルムが具備されている偏光板であることが好ましい。
さらに、本発明のシクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層とハードコート層とを有する偏光板保護フィルムを製造する製造方法として、前記シクロオレフィン系樹脂に対し、少なくとも、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を0.5〜5質量%の範囲内で含有し、又は前記一般式(1)で表されるポリエステル系添加剤を1〜10質量%の範囲内で含有し、かつシクロオレフィン系樹脂を含有する溶液を基体上に流延する工程を経て、前記樹脂層を形成することを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《偏光板保護フィルムの概要》
本発明の偏光板保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層を有する偏光板保護フィルムであって、23℃・55%RH環境下の測定で、前記樹脂層の引張試験の破断点伸度が6〜20%の範囲内であり、かつ、前記樹脂層の表面のマルテンス硬度が145〜160N/mmの範囲内であるように調整されたことを特徴とする。
図2は、本発明の偏光板保護フィルムの一例である。本発明の偏光板保護フィルム1は、樹脂層2を基材としてそのまま用いてもよいが、樹脂層2の上にハードコート層3を有していることが好ましい。
このような構成とすることで、ハードコート層とシクロオレフィン系樹脂の持つ優れた特長を損なうことなく折り曲げ性を改良することができる。
偏光板保護フィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜100μmの範囲であり、液晶表示装置用には15〜50μmであることが好ましく、最近の薄型化を考慮すると20〜40μmの範囲内であることが、特に好ましい。また、ハードコート層の厚さは1〜10μmの範囲内であることが好ましい。1〜8μmの範囲内であることがより好ましい。さらに好ましくは3〜5μmの範囲内である。
〔破断点伸度〕
本発明に係る樹脂層は、23℃・55%RH環境下の測定で、引張試験の破断点伸度が、6〜20%の範囲内である。好ましくは10〜20%の範囲内である。6%未満の場合、折り曲げる際、樹脂層の折り曲げ部分Aに破断が生じ、良好な折り曲げ性が得られない。また、破断点伸度が、20%を超えると、破断点伸度とマルテンス硬度を維持することが難しい。
破断点伸度は、JIS K 7127に記載の方法に従い23℃・55%RHの環境下で測定を行う。試料幅を10mm、長さ130mmに切り出し、チャック間距離100mmにし、引っ張り速度100mm/分で引っ張り試験を行い求める。
破断点伸度は、例えば(株)エー・アンド・デイ テンシロン万能試験機 RTFシリーズを用いることができる。
〔マルテンス硬度〕
本発明に係る樹脂層は、23℃・55%RH環境下の測定で、表面のマルテンス硬度が145〜160N/mmの範囲内である。好ましくは、148〜160N/mmの範囲内である。樹脂層のマルテンス硬度がこの範囲内であることにより、ハードコート層における、ハードコート層の折り曲げ部分Bにかかる応力が、集中することなく緩和され、割れを発生しにくくなるものと考えられる。表面のマルテンス硬度が145N/mm未満の場合は、折り曲げ時のハードコート層の割れを防止することができない。
本発明でいうマルテンス硬度とは、試験荷重が負荷された状態(押し込み)で測定される硬さであり、負荷増加時の荷重−押し込み深さ曲線の値から求められる。マルテンス硬度には、塑性及び弾性変形の両方の成分が含まれる。マルテンス硬度は、四角錐圧子及び三角錐圧子について定義される。具体的には、以下の式(a)で示されるように、試験荷重Fを、接触ゼロ点から圧子の侵入した表面積Asで除した値と定義される。
式(a)
マルテンス硬度=F/As
マルテンス硬度は、例えば、ISO14577で規定されている方法に準拠して、荷重−押込み深さ試験から得られる。その具体的な測定方法の一例を、以下に示す。
ISO14577で規定する押込み試験の手順に従って行う。試験機としては、超微小硬度計(例えば、フィッシャーインストルメンツ製、商品名「フィッシャースコープ100C」)を用い、圧子としては、基部が正方形で対面角度が136°の角錐型ダイヤモンド圧子を用いる。
試験時の温度を23℃とし、位相差フィルムに圧子を一定速度で押し込んで10mNの荷重を加える。マルテンス硬度の測定は、試験片に対して正方形の角錐形ダイヤモンド圧子を用いて行う。マルテンス硬度の計算は、位相差フィルムに荷重(10mN)をかけ、接触ゼロ点を超えて侵入した圧子の表面積で除した値で求める。
《シクロオレフィン系樹脂》
本発明の偏光板保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層を有する。本発明に係るシクロオレフィン系樹脂としては、次のような構造を有する(共)重合体が挙げられる。
Figure 2016200709
〔式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、又は極性基(すなわち、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された炭化水素基である。ただし、R〜Rは、二つ以上が互いに結合して、不飽和結合、単環又は多環を形成していてもよく、この単環又は多環は、二重結合を有していても、芳香環を形成してもよい。RとRとで、又はRとRとで、アルキリデン基を形成していてもよい。p、mは0以上の整数である。〕
上記一般式(2)中、R及びRが水素原子又は炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R及びRが水素原子又は1価の有機基であって、R及びRの少なくとも一つは水素原子及び炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である特定単量体は、得られるシクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記特定単量体の極性基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、R及びRの少なくとも一つが式−(CHCOORで表される極性基である単量体は、得られるシクロオレフィン系樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。
シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。
本発明において、シクロオレフィン系樹脂は1種単独で、又は2種以上を併用することができる。
本発明に係るシクロオレフィン系樹脂の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inhで0.2〜5dL/g、さらに好ましくは0.3〜3dL/g、特に好ましくは0.4〜1.5dL/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8000〜100000、さらに好ましくは10000〜80000、特に好ましくは12000〜50000であり、重量平均分子量(Mw)は20000〜300000、さらに好ましくは30000〜250000、特に好ましくは40000〜200000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあることによって、シクロオレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明のシクロオレフィンフィルムとしての成形加工性が良好となる。
本発明に係るシクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、通常、110℃以上、好ましくは110〜350℃、さらに好ましくは120〜250℃、特に好ましくは120〜220℃である。Tgが110℃未満の場合は、高温条件下での使用、又はコーティング、印刷などの二次加工により変形するので好ましくない。一方、Tgが350℃を超えると、成形加工が困難になり、また成形加工時の熱によって樹脂が劣化する可能性が高くなる。
偏光板保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層を有する。主成分とは樹脂層中の50質量%以上がシクロオレフィン系樹脂であることを意味し、好ましくは70〜90質量%以上である。
シクロオレフィン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば特開平9−221577号公報、特開平10−287732号公報に記載されている、特定の炭化水素系樹脂、又は公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合しても良く、特定の波長分散剤、糖エステル化合物、酸化防止剤、剥離促進剤、ゴム粒子、可塑剤、などの添加剤を含んでも良い。
以上説明したシクロオレフィン系樹脂は、市販品を好ましく用いることができ、市販品の例としては、JSR(株)からアートン(ARTON)G、アートンF、アートンR、及びアートンRXという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(ZEONOR)ZF14、ZF16、ゼオネックス(ZEONEX)250又はゼオネックス280という商品名で市販されており、これらを使用することができる。
《ポリエステル系添加剤と紫外線吸収剤》
本発明に係る樹脂層は、前記シクロオレフィン系樹脂に対し、少なくとも、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を0.5〜5質量%の範囲内で含有するか、又は下記一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤を1〜10質量%で含有することが好ましい。
本発明者は、シクロオレフィン系樹脂に、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤有するか、又は前記一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤を含有させとことにより、引張試験の破断点伸度及び樹脂層の表面のマルテンス硬度が増加する現象を見いだした。このような現象は、セルロースエステル系樹脂には見られないもので、シクロオレフィン系樹脂の特徴である。このように、特定の化合物に上記特性が変化する現象は、明確ではないが樹脂の自由体積をこれらの添加剤が相溶良く埋めることで基材密度が向上したことによるものと推定される。
シクロオレフィン系樹脂に対する添加量の好ましい範囲は、添加剤により異なる。ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤の場合は、0.5〜5質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1〜4質量%の範囲内である。一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤の場合、添加量は1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、3〜8質量%の範囲内である。
〈ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤〉
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては株式会社ADEKAのLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはBASFジャパン株式会社のチヌビン234)などが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール〕(チヌビン1577FF、商品名、BASFジャパン社製)、〔2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール〕(CYASORB UV−1164、商品名、サイテックインダストリーズ製)等が挙げられる。
〈ポリエステル系添加剤〉
ポリエステル系添加剤は、ジオールとジカルボン酸とを脱水縮合反応させた後;得られる反応生成物の分子末端の(ジオール由来の)ヒドロキシ基を、環構造を有するヒドロキシ基含有モノカルボン酸のカルボキシ基と脱水縮合反応させて得られる化合物である。
ポリエステル系添加剤は、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物である。
一般式(1):B−(G−A)−G−B
式中、Bは、環構造を有するヒドロキシ基含有モノカルボン酸から誘導される基である。環構造とは、脂肪族炭化水素環、脂肪族ヘテロ環、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環を有する構造をいい、好ましくは脂肪族炭化水素環又は芳香族炭化水素環を有する構造をいう。環構造を有するヒドロキシ基含有モノカルボン酸は、炭素原子数5〜20の脂環式モノカルボン酸、炭素原子数7〜20の芳香族モノカルボン酸及びそれらの混合物でありうる。
炭素原子数5〜20の脂環式モノカルボン酸は、好ましくは炭素原子数6〜15の脂環式モノカルボン酸でありうる。脂環式モノカルボン酸の例には、4−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸、3−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸、2−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸、4−ヒドロキシシクロヘキシルプロピオン酸、4−ヒドロキシシクロヘキシル酪酸、4−ヒドロキシシクロヘキシルグリコール酸、4−ヒドロキシ−o−メチルシクロヘキシル酢酸、4−ヒドロキシ−m−メチルシクロヘキシル酢酸、4−ヒドロキシ−p−メチルシクロヘキシル酢酸、5−ヒドロキシ−m−メチルシクロヘキシル酢酸、6−ヒドロキシ−o−メチルシクロヘキシル酢酸、2,4−ジヒドロキシシクロヘキシル酢酸、2,5−ジヒドロキシシクロヘキシル酢酸、2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル酢酸、3−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル酢酸、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル酢酸、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)シクロヘキシル酢酸、3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)シクロヘキシル酢酸、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)シクロヘキシル酢酸等が含まれる。
炭素原子数5〜20の芳香族モノカルボン酸は、好ましくは炭素原子数6〜15の芳香族モノカルボン酸でありうる。芳香族モノカルボン酸の例には、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−o−トルイル酸、3−ヒドロキシ−p−トルイル酸、5−ヒドロキシ−m−トルイル酸、6−ヒドロキシ−o−トルイル酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−(ヒドロキシメチル)安息香酸、3−(ヒドロキシメチル)安息香酸、4−(ヒドロキシメチル)安息香酸、2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)安息香酸、3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)安息香酸、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)安息香酸等が含まれる。
これらの中でも、偏光板保護フィルムに十分な疎水性を付与し、偏光子の水分による劣化を抑制しやすい点から、芳香環を含むヒドロキシ基含有モノカルボン酸(ヒドロキシ基を含む芳香族モノカルボン酸)が好ましい。
式中、Gは、炭素原子数2〜12のアルキレンジオール、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオール及び炭素原子数6〜12のアリーレンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種から誘導される基である。
炭素原子数2〜12のアルキレンジオールの例には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等が含まれる。
炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオールの例には、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、水素化ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ブタン等が含まれる。
炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオールの例には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が含まれる。
炭素原子数6〜12のアリーレンジオールの例には、ビスフェノールA、ビスフェノールB等が含まれる。
ジオールは、1種又は2種以上の混合物として使用される。中でも、シクロオレフィン系樹脂との相溶性に優れる点で、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールが好ましい。
式中、Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジカルボン酸、及び炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種から誘導される基である。
炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸の例には、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等が含まれる。
炭素原子数6〜16のシクロアルキレンジカルボン酸の例には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等が含まれる。
炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸の例には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等が含まれる。
ジカルボン酸は、1種又は2種以上の混合物として使用される。ジカルボン酸は、アルキレンジカルボン酸とアリーレンジカルボン酸の混合物であることが好ましい。アルキレンジカルボン酸とアリーレンジカルボン酸の含有割合は、アルキレンジカルボン酸:アリーレンジカルボン酸=40:60〜99:1であることが好ましく、50:50〜90:10であることがより好ましい。
式中、nは、0以上の整数である。
ポリエステル系添加剤の数平均分子量は、好ましくは300〜30000、より好ましくは300以上700未満であり、より好ましくは300〜600である。数平均分子量が一定以上であると、ブリードアウトを抑制しやすい。数平均分子量が一定以下であると、シクロオレフィン系樹脂との相溶性を損ないにくくヘイズ上昇を抑制しやすい。
ポリエステル系添加剤の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されうる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置(東ソー株式会社製「HLC−8330」)を用いて、下記の測定条件で、エステル化合物の標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を測定することができる。
(測定条件)
カラム:「TSK gel SuperHZM−M」×2本及び「TSK gel SuperHZ−2000」×2本
ガードカラム:「TSK SuperH−H」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
ポリエステル系添加剤の数平均分子量は、縮合又は重縮合の反応時間によって調整することができる。
ポリエステル系添加剤の酸価は、好ましくは0.5mgKOH/g以下、より好ましくは0.3mgKOH/g以下である。ポリエステル系添加剤の水酸基価は、好ましくは25mgKOH/g以下、より好ましくは15mgKOH/g以下である。
ポリエステル系添加剤の合成は、常法によりジカルボン酸、ジオール、及び末端封止用モノカルボン酸のエステル化反応又はエステル交換反応による熱溶融縮合法;あるいはジカルボン酸及び末端封止用モノカルボン酸の酸クロライドとジオールとの界面縮合法のいずれかの方法で行うことができる。ジオールとジカルボン酸の仕込み比は、分子末端がジオールとなるように調整される。
<微粒子>
基材フィルムは、表面に滑り性等を付与するために、微粒子(マット剤)をさらに含みうる。微粒子は、無機化合物で構成されてもよいし、樹脂で構成されてもよい。
無機化合物の例には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が挙げられる。
樹脂の例には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂が含まれる。中でもシリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されているものが挙げられる。
これらの中でも、フィルムの濁度を低くしうる点で、二酸化ケイ素の微粒子が好ましい。二酸化ケイ素の微粒子の例には、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)が挙げられ、フィルムのヘイズを低く保ちながら摩擦係数を下げる効果が大きいことから、好ましくはアエロジル200V、アエロジルR972Vである。
微粒子の一次粒子の平均粒径は、好ましくは5〜400nm、より好ましくは10〜300nmである。微粒子は、主に粒径0.05〜0.3μmの2次凝集体として含有されてもよく、平均粒径100〜400nmの粒子であれば凝集せずに一次粒子として含有されてもよい。
《樹脂層の製造方法》
樹脂層は、任意の方法で製造されうるが、比較的分子量の大きな樹脂でも製膜しやすい、また添加剤を樹脂層中に均一に添加しやすい等の点から、溶液流延法で製造されることが好ましい。シクロオレフィン系樹脂を含有する溶液を基体上に流延する工程を経て、前記樹脂層を形成すること具体的には、シクロオレフィン系樹脂を含有する溶液を基体上に流延する工程を経て、樹脂層を形成することが好ましい。
樹脂層は、1)前述の各成分を溶剤に溶解させてドープ液を調製する工程、2)ドープ液を無端の基体上に流延する工程、3)流延したドープを乾燥した後、剥離して膜状物を得る工程、4)膜状物を乾燥及び延伸する工程を経て製造されうる。
なお、以下の記載において、本発明に係る樹脂層のみのフィルムを樹脂フィルムともいう。
上記1)の工程用いられる溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系溶剤;トルエン、キシレン、ベンゼン、及びこれらの混合溶剤などの芳香族系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、ジエチルエーテル;などが挙げられる。これら溶剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶液流延法では、ドープ中のシクロオレフィン系樹脂の濃度は、濃度が高い方が基体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、シクロオレフィン系樹脂の濃度が高すぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量%である。流延(キャスト)工程における基体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、基体としては、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の基体の表面温度は−50℃〜が沸騰して発泡しない温度以下に設定される。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化したりする場合がある。
好ましい基体温度としては0〜100℃で適宜決定され、5〜30℃がさらに好ましい。又は、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶剤を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。基体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水を基体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、基体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。
温風を用いる場合は溶剤の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶剤の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
特に、流延から剥離するまでの間で基体の温度及び乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
透明樹脂フィルムが良好な平面性を示すためには、基体からウェブを剥離する際の残留溶剤量は10〜150質量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%又は60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%又は70〜120質量%である。
残留溶剤量は下記式で定義される。
残留溶剤量(質量%)={(M−N)/N}×100
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、透明樹脂フィルムの乾燥工程においては、ウェブを基体より剥離し、さらに乾燥し、残留溶剤量を1質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にローラー乾燥方式(上下に配置した多数のローラーにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
延伸工程では、最大延伸方向(延伸率が最大となる方向)の延伸率は、好ましくは5〜30%、より好ましくは12〜28%としうる。例えば、互いに直交する2軸方向に延伸する場合、搬送方向(MD方向)に0〜15%、幅方向(TD方向)に5〜30%としうる。延伸率(%)は、下記式で定義される。
延伸率(%)={(延伸後のフィルムの(延伸方向)長さ−延伸前のフィルムの(延伸方向)長さ)/延伸前のフィルムの(延伸方向)長さ)}×100
延伸温度は、120〜180℃、好ましくは140〜180℃、より好ましくは145〜165℃としうる。
延伸開始時の膜状物の残留溶媒は、ヘイズの上昇を抑制する観点から、好ましくは5質量%未満、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下としうる。延伸開始時の残留溶媒を5質量%未満に保持するには、流延したドープを基体から剥離し、搬送する過程において前記乾燥工程を設け溶媒を蒸発させることが好ましい。
膜状物を延伸する方法は、特に限定されず、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してMD方向に延伸する方法や;テンターにより膜状物の両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔をTD方向に広げて延伸する方法等であってよい。中でも、TD方向の延伸は、テンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
その他の工程については、公知の溶液流延法;例えば特開2012−48214号の段落0109〜0140と同様としうる。
《ハードコート層》
本発明の偏光板保護フィルムは、ハードコート層を有することが好ましい。ハードコート層を有することで、偏光板の耐衝撃性や取扱い容易性等を向上させることができる。
ハードコート層を形成する材料としては、JIS K5700に規定される鉛筆硬度試
験で、「HB」以上の硬度を示すものであれば、特に制限はないが、活性線硬化性化合物の硬化物を含有することが好ましく、活性線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられる。活性線硬化性化合物としては、紫外線硬化性化合物や電子線硬化性化合物が挙げられるが、紫外線照射により硬化する化合物が、機械的膜強度(耐擦傷性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。
例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物等の有機系ハードコート材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート材料;等が挙げられる。中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、(メタ)アクリレート系、多官能(メタ)アクリル系化合物のハードコート形成材料の使用が好ましい。ここで(メタ)アクリルとはアクリル及びメタクリルを示す。
(メタ)アクリレートは、重合性不飽和基を分子内に一つ有するもの、二つ有するもの、三つ以上有するもの、重合性不飽和基を分子内に三つ以上含有する(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。(メタ)アクリレートは、単独で用いられても良く、2種類以上のものを用いても良い。
また、本発明に係るハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などを用いることができるまた、本発明のハードコート層は平均粒径サイズ0.2〜10μmの粒子を含有することで、防眩性を付与してもよく、高屈折率微粒子を分散含有し、屈折率を付与してもよい。
レベリング剤は、特に、ハードコート層を塗工する際、表面凹凸低減に効果的である。レネリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤として、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体が好適である。
平均粒径サイズ0.2〜10μmの粒子としては、無機粒子が好ましく、無機粒子の例としては、シリカ、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム/酸化スズ)、ATO(酸化アンチモン/酸化スズ)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化タングステン、複合酸化タングステン及び酸化アンチモンからなる群から選択される少なくとも1種類以上が挙げられる。この中で、表面硬度の向上効果を特に高くすることができ、強度を特に高くすることができることからシリカ微粒子が好ましい。また、ハードコート層に紫外線吸収性能を付加し、ハードコート層の経時劣化を抑制するという観点から、ITO、ATO、酸化タングステン又は複合酸化タングステンを用いることが好ましい。
上記紫外線安定剤としては、例えば、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤が好適に用いられる。ハードコート層が紫外線安定剤を含有することにより、紫外線によって発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を挙げることができ、これらの群より選択される1種又は2種以上のものを用いることができる。中でも、分散性の点から、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤が好ましい。また、上記紫外線吸収剤としては、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーも好適に使用される。かかる分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーを用いることで、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。この紫外線吸収基としては、ベンゾトリアゾール基、ベンゾフェノン基、シアノアクリレート基、トリアジン基、サリシレート基、ベンジリデンマロネート基等が挙げられる。中でも、ベンゾトリアゾール基、ベンゾフェノン基、トリアジン基が特に好ましい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、ハードコート形成材料の塗工液を、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法等、公知の方法により脂環式構造含有重合体を含む光学フィルム上に塗工し、空気や窒素などの雰囲気下で乾燥により、を除去した後に、アクリル系ハードコート材料を塗布し、紫外線や電子線等によって架橋硬化させたり、シリコーン系、メラミン系、エポキシ系のハードコート材料を塗布し、熱硬化させたりして行われる。乾燥時に、塗膜の膜厚ムラが生じやすいため、塗膜外観を損ねないよう吸気と排気を調整し、塗膜全面が均一になるよう制御することが好ましい。紫外線で硬化する材料を使用する場合、塗布後のハードコート形成材料を紫外線照射により硬化させる照射時間は通常0.01秒から10秒の範囲であり、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、通常40mJ/cmから1000mJ/cmの範囲である。また、紫外線の照射は、例えば窒素及びアルゴン等の不活性ガス中において行ってもよく、空気中で行ってもよい。
ハードコート層のドライ層厚としては、層厚が1〜8μmの範囲、好ましくは3〜5μmの範囲である。
〈ハードコート層を有する偏光板保護フィルムの製造方法〉
ハードコート層を有する偏光板保護フィルム(HC層有りの偏光板保護フィルムともいう)は、1)前述の樹脂フィルムを準備する工程と、2)当該樹脂フィルム上に活性エネルギー線硬化物層用塗布液を塗布した後、乾燥及び硬化させて活性エネルギー線硬化物層を得る工程とを経て製造されうる。
上記1)の樹脂フィルムを準備する工程は前述したとおりである。
上記2)の活性エネルギー線硬化層用塗布液の塗布は、例えばディッピング法、ダイコーター法、ワイヤーバー法、スプレー法等の任意の手段にて行うことができる。
上記2)の活性エネルギー線硬化層用塗布液の塗膜の硬化は、活性エネルギー線を照射して行うことができる。活性エネルギー線(好ましくは紫外線)を照射する光源の例には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が挙げられる。照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは50〜2000mJ/cmである。照射時間は、好ましくは0.5秒〜5分、作業効率等の観点からより好ましくは3秒〜2分としうる。
〈偏光子〉
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素又は二色性染料で染色したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよいし;ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素又は二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくは、さらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の吸収軸は、フィルムの延伸方向と平行である。
例えば、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報等に記載のエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、ケン化度99.0〜99.99モル%のエチレン変性ポリビニルアルコール等が用いられる。中でも、熱水切断温度が66〜73℃であるエチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましく用いられる。
偏光子の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、偏光板を薄型化するためなどから、10〜20μmであることがより好ましい。
〈他の偏光板保護フィルム〉
偏光子の他方の面には、必要に応じて前述の偏光板保護フィルムや基材フィルムが配置されてもよいし、他の偏光板保護フィルムが配置されてもよい。
他の偏光板保護フィルムの例には、市販のセルロースアシレートフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UE、KC4UE、KC4HR−1、KC4KR−1、KC4UA、KC6UA以上コニカミノルタ(株)製)等が含まれる。
本発明では、偏光子の片側に本発明の偏光板保護フィルムが具備され、前記偏光子の他の片側に位相差フィルムが具備されていることが好ましい。
他の偏光板保護フィルムは位相差フィルムであることが好ましい。位相差フィルムのリターデーションは、組み合わされる液晶セルの種類にもよるが、例えば23℃・55%RHの条件下、波長590nmで測定される面内方向のリターデーションRo(590)は20〜100nmであることが好ましく、厚さ方向のリターデーションRth(590)は70〜300nmであることが好ましい。リターデーションが上記範囲である保護フィルムは、例えばVA型液晶セル等の位相差フィルムとして適している。各リターデーション値は、以下の方法で測定されうる。
リターデーションRo及びRthは、それぞれ以下の式で定義される。
式(I):Ro=(n−n)×(nm)
式(II):Rth={(n+n)/2−n}×d(nm)
(式(I)及び(II)において、
は、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる遅相軸方向xにおける屈折率を表し;
は、フィルムの面内方向において前記遅相軸方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
は、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表し;
d(nm)は、フィルムの厚さを表す)
リターデーションRoおよびRthは、例えば以下の方法によって求めることができる。
1)偏光板保護フィルムを、23℃・55%RHで調湿する。調湿後の偏光板保護フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計などで測定する。
2)調湿後の偏光板保護フィルムに、当該フィルム表面の法線に平行に測定波長590nmの光を入射させたときのRoを、KOBRA−21DH、王子計測機器(株)にて測定する。
3)KOBRA−21ADHにより、偏光板保護フィルムの面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、当該フィルムの表面の法線に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときのリターデーション値R(θ)を測定する。リターデーション値R(θ)の測定は、θが0〜50°の範囲で、10°毎に6点行うことができる。面内遅相軸とは、フィルム面内のうち屈折率が最大となる軸をいい、KOBRA−21ADHにより確認することができる。
4)測定されたRo及びR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、KOBRA−21ADHにより、n、n及びnを算出して、測定波長590nmでのRthを算出する。リターデーションの測定は、23℃・55%RH条件下で行うことができる。
他の偏光板保護フィルムの厚さは、特に限定はないが、10〜250μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、30〜60μmであることが特に好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子と本発明の偏光板保護フィルムとを接着剤を介して貼り合わる工程と;貼り合わせた積層物を所定の大きさに裁断する工程とを経て得ることができる。
貼り合わせに用いられる接着剤は、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)であってもよいし、活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
以下の実施例で使用した化合物をその略号とともに示す。
〔ポリエステル系添加剤の合成〕
一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤P1〜P5と他のポリエステル系添加剤としてポリエステル系添加剤P6及びP7を合成した。
〈ポリエステル系添加剤P1の合成〉
〈ポリエステル系添加剤P1の合成〉
エチレングリコール341部、テレフタル酸とコハク酸を5:5のモル比で410部、4−ヒドロキシ安息香酸610部、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.35部を、温度計、撹拌機及び緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中で撹拌拌下、還流凝縮器を付して過剰量の1価アルコールを還流させながら、酸価が2以下になるまで230℃で加熱を続けて、生成する水を連続的に除去した。次いで、200℃で4×10Pa以下の減圧下にて、未反応のエチレングリコールを留去してポリエステル系添加剤P1を得た。
〈ポリエステル系添加剤P2〜P5の合成〉
ジオール、ジカルボン酸、及び末端封止用モノカルボン酸の種類を表1に示されるように変更した以外は同様にしてポリエステル系添加剤P2〜P5を得た。
〈ポリエステル系添加剤P6及びP7の合成〉
ジオール、ジカルボン酸、及び末端封止用モノカルボン酸の種類又は分子量を表1に示されるように変更した以外は同様にしてポリエステル系添加剤P6及びP7を得た。
得られたポリエステル系添加剤の数平均分子量を、以下の方法で測定した。
(数平均分子量(Mn)の測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置(東ソー株式会社製「HLC−8330」)を用いて、下記条件で、ポリエステル化合物の標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を測定した。
カラム:「TSK gel SuperHZM−M」×2本及び「TSK gel SuperHZ−2000」×2本
ガードカラム:「TSK SuperH−H」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
これらの結果を表1に示す。なお、表1中、HBPAは、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)を表す。
Figure 2016200709
〔シクロオレフィン系樹脂〕
COP1:シクロオレフィン樹脂(ARTON G7810、JSR(株)製)
COP2:シクロオレフィン樹脂(ARTON R5000、JSR(株)製)
COP3:シクロオレフィン樹脂(ARTON RX4500、JSR(株)製)
〔ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤〕
UV1:チヌビン928 (BASFジャパン製)
UV2:アデカスタブLA−31 (ADEKA製)
UV3:2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール
UV4:(2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV5:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミル−フェニル)ベンゾトリアゾール
UV6:2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
〔トリアジン系の紫外線吸収剤〕
UV7:チヌビン477 (BASFジャパン製)
UV8:アデカスタブ LA−F70 (ADEKA製)
UV9:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
UV10:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
UV11:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−(1−(2−エトキシヘキシルオキシ)−1−オキソプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン
UV12:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
〔無機微粒子〕
無機粒子:SiO微粒子(エアロジル R972V、日本エアロジル(株)製)
〔ハードコート層塗布液〕
(ハードコート層塗布液1(HC1))の調製)
下記組成のハードコート層塗布液1を調製した。紫外線硬化型樹脂と界面活性剤とプロピレングリコールモノメチルエーテルを混合した後、当該混合液を30分間撹拌し、ハードコート層塗布液1を調製した。
紫外線硬化型樹脂(オプスターZ7527、JSR社製) 100質量部
界面活性剤(サーフロンS−651、AGCセイミケミ カル社製) 0.1質量部
メチルエチルケトン 30質量部
(ハードコート層塗布液2(HC2)の調製)
下記組成のハードコート層塗布液2をハードコート層塗布液1と同様に調製した。
紫外線硬化型樹脂(オプスターZ7527、JSR社製) 100質量部
界面活性剤(サーフロンS−651、AGCセイミケミカル社製) 0.1質量部
メチルエチルケトン 20質量部
(ハードコート層塗布液3(HC3)の調製)
下記組成のハードコート層塗布液3をハードコート層塗布液1と同様に調製した。
紫外線硬化型樹脂(オプスターZ7527、JSR社製) 100質量部
界面活性剤(サーフロンS−651、AGCセイミケミカル社製) 0.1質量部
メチルエチルケトン 30質量部
PMMA粒子(積水化成品工業社製 数平均粒子径2.0μm) 3質量部
〔微粒子分散液及び微粒子添加液の調製〕
11.3質量部の微粒子(アエロジル R972V、日本アエロジル(株)製)と、84質量部のエタノールとを、ディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散した。
溶解タンク中の十分撹拌されているジクロロメタン(100質量部)に、5質量部の微粒子分散液を、ゆっくりと添加した。さらに、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFでろ過し、微粒子添加液を調製した。
《偏光板保護フィルム1の作製》
〔主ドープの調製〕
下記組成の主ドープを調製した。まず加圧溶解タンクにジクロロメタンとエタノールを添加した。ジクロロメタンとエタノールの混合溶液の入った加圧溶解タンクにシクロオレフィン樹脂を撹拌しながら投入した。これを加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。
(主ドープ)
COP1 100質量部
ジクロロメタン 200質量部
エタノール 10質量部
以上の成分を密閉容器に投入し、撹拌しながら溶解して主ドープを調製した。次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度31℃、1800mm幅でステンレスベルト基体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は28℃に制御した。
ステンレスベルト基体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶剤量が30%になるまで溶剤を蒸発させた。次いで、剥離張力128N/mで、ステンレスベルト基体上から剥離した。剥離したフィルムを、延伸開始時の残留溶剤は5質量%であった。次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させ、テンタークリップで挟んだ端部をレーザーカッターでスリットし、その後、巻き取り、厚さ30μm、幅1200mmの樹脂フィルム1を作製した。
上記で得られた樹脂フィルム1の片面に、マイクログラビアを用いてハードコート層塗布液1を、ドライ膜厚5μmになるように塗布し、乾燥した。
次いで、高圧水銀ランプを使用して、大気下で当該塗膜に光量270mJ/cmで紫外線照射して硬化し、透明樹脂フィルム1にハードコート層が形成された偏光板保護フィルム1を作製した。
《偏光板保護フィルム2の作製》
偏光板保護フィルム1の作製において、ステンレスベルト基体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶剤量が30%になるまで溶剤を蒸発させた後、剥離したフィルムを、160℃の条件下で幅方向に10%延伸した。その他は偏光板保護フィルム1の作製と同様にして樹脂フィルム2及び偏光板保護フィルム2を作製した。
《偏光板保護フィルム3の作製》
偏光板保護フィルム2の作製において、160℃の条件下で幅方向に20%延伸した。その他は偏光板保護フィルム2の作製と同様にして樹脂フィルム3及び偏光板保護フィルム3を作製した。
《偏光板保護フィルム4の作製》
偏光板保護フィルム1の作製において主ドープを以下のように変えた他は、偏光板保護フィルム2の作製と同様にして樹脂フィルム3及び偏光板保護フィルム3を作製した。微粒子は固形分がシクロオレフィン系樹脂(COP1)に対して1質量%となるように添加液の量を調整した。
(主ドープ)
COP1 100質量部
ジクロロメタン 200質量部
エタノール 10質量部
微粒子 1質量部
その他は偏光板保護フィルム1の作製と同様にして樹脂フィルム4及び偏光板保護フィルム4を作製した。
《偏光板保護フィルム5の作製》
偏光板保護フィルム4の作製において、シクロオレフィン系樹脂COP1に対して、微粒子の固形分が、5%となるように主ドープの量を変えた。その他は偏光板保護フィルム4の作製と同様にして樹脂フィルム5及び偏光板保護フィルム5を作製した。
《偏光板保護フィルム6の作製》
偏光板保護フィルム1の作製において主ドープを以下のように変えた他は、偏光板保護フィルム1の作製と同様にして樹脂フィルム6及び偏光板保護フィルム6を作製した。
(主ドープ)
COP1 100質量部
ジクロロメタン 200質量部
エタノール 10質量部
UV1 0.3質量部
《偏光板保護フィルム7〜50の作製》
偏光板保護フィルム6の作製において、主ドープに含まれるシクロオレフィン系樹脂の種類、添加物とその量、及び樹脂層の厚さ、さらにハードコート層の厚さと塗布液の種類を表2及び表3のように変えて、偏光板保護フィルム6の作製と同様にして樹脂フィルム7〜50及び偏光板保護フィルム7〜50を作製した。
《偏光板保護フィルムの評価》
作製した樹脂フィルム1〜50及び偏光板保護フィルム1〜50に対して、以下の評価を行った。
〈破断点伸度の評価〉
破断点伸度の評価は、ハードコート層を有しない樹脂層(樹脂フィルム)に対して行った。
23℃・55%RHの条件下で、フィルム搬送方向と直交する方向(TD方向)、及び搬送方向(MD方向)において、JIS K 7127に記載の方法に従い、試料幅を10mm、長さ130mmに切り出し、チャック間距離100mmにし、引っ張り速度100mm/分で引っ張り試験を行い求めた。表2及び表3では、TD方向とMD方向で得られた値の平均値を用いた。破断点伸度は、(株)エー・アンド・デイ テンシロン万能試験機 RTFシリーズを用いて測定した。
〈表面硬度の評価:マルテンス硬度の測定〉
マルテンス硬度の測定は、ハードコート層を有しない樹脂層(樹脂フィルム)に対して行った。
上記作製した各樹脂フィルムのA面(流延時、外気接触面)とB面(流延時、ステンレスベルト接触面)について、ISO14577に規定する押込み試験の手順に従って測定した。23℃、55%RHの環境下で、試験機としては超微小硬度計(フィッシャーインストルメンツ製、商品名「フィッシャースコープ100C」)を用い、圧子としては、基部が正方形で対面角度が136°の角錐型ダイヤモンド圧子を用いて測定を行った。
測定は、樹脂フィルムに圧子を一定速度で押し込んで10mNの荷重を加えた。マルテンス硬度の計算は、位相差フィルムに荷重(10mN)をかけ、接触ゼロ点を超えて侵入した圧子の表面積で除した値で求めた。表には上記A面とB面で求めた値の平均値で示した。
〈折り曲げ性の評価〉
折り曲げ性の評価として、ハードコート層を有しない樹脂フィルムと、ハードコート層を有する偏光板保護フィルムの折り曲げ試験を行った。さらに、折り曲げ試験後のハードコート層を有する偏光板保護フィルムを貼り付けた液晶表示画面における表示ムラを目視評価した。
(樹脂フィルムと、偏光板保護フィルムの折り曲げ試験)
折り曲げ試験は、MIT耐折疲労試験(東洋精機製作所製、MIT−D)を用い、MDを長さ方向、TDを幅方向とする短冊状試験片について、試験片の一端を固定した上で、他端を把持して試験片を往復折り曲げし、試験片が破断するまでの折り曲げ回数を測定した。本試験の設定条件は以下のとおりである。なお、試験時には、試験片の一方側への折り曲げを1回と数えた。試験は2回行い、2回の試験結果の算術平均値について有効数値2ケタで四捨五入した値を耐折性の測定結果とした。また、折り曲げ性の測定結果の上限値は、10万回とした。
(設定条件)
曲げ半径:R=0.38mm、荷重:0.5kgf、試験片幅:1cm、つかみと回転
軸との間の距離:100mm、折り曲げ角度:135°、折り曲げ速度:175回/分、
試験回数:n=2
以下の評価ランク付けをして評価した。
◎:折り曲げ回数10万回
○:折り曲げ回数5万回以上10万回未満
△:折り曲げ回数1万回以上5万回未満
×:折り曲げ回数1万回未満
(折り曲げ部の表示ムラ)
〈偏光板1〜50の作製〉
偏光板は一般的な方法で作製した。1万回折り曲げ試験を行ったハードコート層を有する偏光板保護フィルム1〜50をコロナ放電処理した後、完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として、偏光子の片面に貼合した。他方の片面には位相差フィルム(KC4KR−1 コニカミノルタ社製)を張り合わせた。その際、位相差フィルムKC4KR−1の遅相軸と偏光子の吸収軸が互いに直交になるように貼合した。なお、コロナ放電処理は、コロナ処理装置(AGF−B10、春日電機株式会社製)を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。
〈液晶表示装置1〜50の作製〉
市販のIPS型液晶表示装置のあらかじめ貼合されていた視認側の偏光板を剥がして、上記作製した偏光板1〜50を液晶セル(IPS型)のガラス面に貼合し、液晶表示装置を作製した。その際、上記作製した偏光板保護フィルム1〜50のハードコート層が表示面側となるように、また偏光板の貼合の向きはあらかじめ貼合されていた偏光板と同一方向に吸収軸が向くように偏光板を切り出して行った。
(液晶表示装置によるムラの評価)
作製した液晶表示装置1〜50に対して、折り曲げ試験で生じた線状のムラを、以下の評価基準で官能評価した。
◎:折り曲げた場所におけるムラが認められない
○:折り曲げた場所における線状のムラが僅かに認められた
△:折り曲げた場所における線状のムラが明確に認められた
×:1万回の折り曲げ試験に満たなかったか、又は線状のムラが太く明確に認められた
以上の結果を表2及び表3に示す。
Figure 2016200709
Figure 2016200709
上記結果から、本発明の要件を満たす偏光板保護フィルムは折り曲げ性に優れていることが分かる。
A 折り曲げる際に延ばされる側の樹脂層の折り曲げ部分
B 折り曲げる際に延ばされる側のハードコート層の折り曲げ部分
1 偏光板保護フィルム
2 樹脂層
3 ハードコート層

Claims (6)

  1. シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層を有する偏光板保護フィルムであって、23℃・55%RH環境下の測定で、前記樹脂層の引張試験の破断点伸度が6〜20%の範囲内であり、かつ、前記樹脂層の表面のマルテンス硬度が145〜160N/mmの範囲内であるように調整されたことを特徴とする偏光板保護フィルム。
  2. 前記樹脂層上に厚さ1〜8μmの範囲内のハードコート層が、具備されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
  3. 前記樹脂層が、少なくとも、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を前記シクロオレフィン系樹脂に対して、0.5〜5質量%の範囲内で含有するか、又は下記一般式(1)で表される構造を有するポリエステル系添加剤を前記シクロオレフィン系樹脂に対して、1〜10質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偏光板保護フィルム。
    一般式(1):B−(G−A)−G−B
    (式中、
    Bは、環構造を含むヒドロキシ基含有モノカルボン酸から誘導される基を表す。
    Gは、炭素原子数2〜12のアルキレンジオール、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオール及び炭素原子数6〜12のアリーレンジオールからなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
    Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジカルボン酸、及び炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸からなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
    nは、0以上の整数を表す。)
  4. 前記樹脂層の厚さが、20〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルム。
  5. 偏光子の片側に請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の偏光板保護フィルムが具備され、前記偏光子の他の片側に位相差フィルムが具備されていることを特徴とする偏光板。
  6. シクロオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂層とハードコート層とを有する偏光板保護フィルムを製造する製造方法であって、
    前記シクロオレフィン系樹脂に対し、少なくとも、ベンゾトリアゾール系若しくはトリアジン系の紫外線吸収剤を0.5〜5質量%の範囲内で含有し、又は下記一般式(1)で表されるポリエステル系添加剤を前記シクロオレフィン系樹脂に対して、1〜10質量%の範囲内で含有し、かつシクロオレフィン系樹脂を含有する溶液を基体上に流延する工程を経て、前記樹脂層を形成することを特徴とする偏光板保護フィルムの製造方法。
    一般式(1):B−(G−A)−G−B
    (式中、
    Bは、環構造を含むヒドロキシ基含有モノカルボン酸から誘導される基を表す。
    Gは、炭素原子数2〜12のアルキレンジオール、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジオール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレンジオール及び炭素原子数6〜12のアリーレンジオールからなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
    Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸、炭素原子数6〜12のシクロアルキレンジカルボン酸、及び炭素原子数8〜16のアリーレンジカルボン酸からなる群より選ばれる化合物から誘導される基を表す。
    nは、0以上の整数を表す。)
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