JP2016199167A - 車両用シート装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】利便性を確保しつつ、後傾したシートバックが客室空間外に突出した状態となることを回避することのできる車両用シート装置を提供すること。
【解決手段】車両用シート装置30は、シートと一体に前後移動する回動リンク33と、シートの前後移動に基づき回動リンク33が係脱する第1係合部材35と、を備える。また、車両用シート装置30は、シートバックと一体に動作する第2係合部材36と、第2係合部材36の移動軌跡Rに対して進退可能に設けられたスライダ38と、その回動リンク33とスライダ38とを連動させる連動機構70と、を備える。更に、スライダ38は、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入することによりシートバックの後傾動作範囲を制限する。そして、連動機構70は、第1係合部材35から回動リンク33が脱離したシートの後方移動領域においては、スライダ38を第2係合部材36の移動軌跡R内に進入させる。
【選択図】図2
【解決手段】車両用シート装置30は、シートと一体に前後移動する回動リンク33と、シートの前後移動に基づき回動リンク33が係脱する第1係合部材35と、を備える。また、車両用シート装置30は、シートバックと一体に動作する第2係合部材36と、第2係合部材36の移動軌跡Rに対して進退可能に設けられたスライダ38と、その回動リンク33とスライダ38とを連動させる連動機構70と、を備える。更に、スライダ38は、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入することによりシートバックの後傾動作範囲を制限する。そして、連動機構70は、第1係合部材35から回動リンク33が脱離したシートの後方移動領域においては、スライダ38を第2係合部材36の移動軌跡R内に進入させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用シート装置に関するものである。
通常、車両用のシートは、車両の床部に設けられたスライドレール上において前後移動可能に支持される。また、そのシートバックは、リクライナを介してシートクッションの後端に支持されることにより傾倒可能な構成になっている。そして、車両の乗員は、そのスライドレールが形成するシートスライド装置及びリクライナが形成するシートリクライニング装置の機能を用いることによって、そのシート位置及び着座姿勢を任意に調整することが可能になっている。
また、これらのスライド機能及びリクライニング機能を同時に使用した場合、シートの移動位置によっては、その後方に傾倒したシートバックが、例えば、後方に位置する荷室空間、或いは車外空間等、その客室空間外に突出する可能性がある。この点を踏まえ、例えば、特許文献1に記載の車両用シート装置には、シートバックが所定の傾倒角度を超えた後傾動作領域にある場合に、そのシートスライド装置の操作レバーに係合することにより当該シートスライド装置を用いた後方へのスライド操作を阻止することが可能なロック部材が設けられている。そして、例えば、特許文献2に記載の車両用シート装置には、シートの後方移動領域において、シートリクライニング装置の操作レバーに係合することにより当該シートリクライニング装置を用いたシートバックの後傾操作を阻止することが可能な係止部材が設けられている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来技術では、後傾したシートバックがシートの後方移動によって客室空間外に突出する可能性のある場合には、その客室空間からの突出が実際に発生しない範囲の調整操作であっても、シートの後方移動操作が阻止される。また、上記特許文献2に記載された従来技術についても同様に、シートバックを後傾させることにより当該シートバックが客室空間外に突出する可能性のあるシートの後方移動領域においては、その客室空間からの突出が実際に発生しない範囲の調整操作であっても、シートバックの後傾操作が阻止される。そして、これにより利便性が低下するという問題があることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、利便性を確保しつつ、後傾したシートバックが客室空間外に突出した状態となることを回避することのできる車両用シート装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用シート装置は、スライドレール上に支持されたシートと一体に前後移動する第1可動部材と、前記シートの前後移動に基づき前記第1可動部材が係脱する第1係合部材と、前記シートのシートバックと一体に動作する第2係合部材と、前記シートバックの傾倒に伴う前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退可能に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材及び前記第2可動部材を連動させる連動機構と、を備え、前記第2可動部材は、前記第2係合部材の移動軌跡内に進入することにより前記シートバックの後傾動作範囲を制限するとともに、前記連動機構は、前記第1係合部材に対して前記第1可動部材が第1係脱状態となる前記シートの後方移動領域においては、前記第2可動部材を前記第2係合部材の移動軌跡内に進入させ、前記第1係合部材に対して前記第1可動部材が第2係脱状態となる前記シートの前方移動領域においては、前記第2可動部材を前記第2係合部材の移動軌跡から退出させることが好ましい。
上記構成によれば、後傾したシートバックが客室空間外に突出する可能性のあるシートの後方移動領域において、その後傾動作によってシートバックが客室空間外に突出した状態となることを回避することができる。また、このようなシートの後方移動領域においても、その第2係合部材の移動軌跡に対する第2可動部材の進入により規定される制限範囲内、つまり、その移動軌跡内に進入した第2可動部材に対して第2係合部材が係合する位置(後傾制限位置)よりも前方側の傾倒領域においては、シートバックの傾倒操作が許容される。そして、これにより、その利便性を確保することができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、スライドレール上に支持されたシートと一体に前後移動する第1可動部材と、前記シートの前後移動に基づき前記第1可動部材が係脱する第1係合部材と、前記シートのシートバックと一体に動作する第2係合部材と、前記シートバックの傾倒に伴う前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退可能に設けられた第2可動部材と、前記第1可動部材及び前記第2可動部材を連動させる連動機構と、を備え、前記第2係合部材は、前記シートバックが前記第2係合部材の移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入により規定される制限範囲を超えた後傾状態にある場合には、前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入を阻止し、前記連動機構は、前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入が阻止される場合には、前記第1可動部材の係脱姿勢を保持するとともに、前記第1係合部材は、前記連動機構により前記第1可動部材の係脱姿勢が保持された状態にある場合には、前記第1係合部材と前記第1可動部材との間における係脱状態の変更を規制することが好ましい。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第2係合部材は、前記シートバックが前記第2係合部材の移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入により規定される制限範囲を超えた後傾状態にある場合には、前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入を阻止し、前記連動機構は、前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入が阻止される場合には、前記第1可動部材の係脱姿勢を保持するとともに、前記第1係合部材は、前記連動機構により前記第1可動部材の係脱姿勢が保持された状態にある場合には、前記第1係合部材と前記第1可動部材との間における係脱状態の変更を規制することが好ましい。
上記各構成によれば、シートバックの傾倒角度が客室空間外に突出する可能性のある傾倒領域にある場合において、その傾倒したシートバックがシートの後方移動によって客室空間外に突出した状態となることを回避することができる。また、このようなシートバックの傾倒領域にある場合においても、第1係合部材と第1可動部材との間で係脱状態の変更が生じない範囲において、そのシートの前後移動操作が許容される。そして、これにより、その利便性を確保することができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第1係合部材は、前記連動機構により前記係脱姿勢が保持された前記第1可動部材に係合することにより前記第1係合部材と前記第1可動部材との間における前記係脱状態の変更を伴う前記シートの後方移動を規制する規制係合部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、第1係合部材と第1可動部材との間で係脱状態の変更が生じない範囲に、そのシートの前後移動範囲を制限することができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第2係合部材の移動軌跡内に進入した前記第2可動部材を前記シートの後方側から支持する支持部を備えることが好ましい。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第2係合部材の移動軌跡内に進入した前記第2可動部材を前記シートの後方側から支持する支持部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、第2可動部材に係合する第2係合部材の押圧力に対抗して、その第2可動部材の進入姿勢を安定的に保持することができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記支持部は、前記第2係合部材に係合することにより前記シートバックの最大後傾位置を規定するストッパ部であることが好ましい。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記支持部は、前記第2係合部材に係合することにより前記シートバックの最大後傾位置を規定するストッパ部であることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、その第2可動部材の進入姿勢を安定的に保持することができる。そして、そのストッパ部と第2係合部材との間に挟み込まれる第2可動部材の挿入幅に基づいて、第2係合部材の移動軌跡に対する第2可動部材の進入により縮小する調整可能なシートバックの傾倒角度を容易に設定することができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第2可動部材は、前記第1可動部材に連動して往復動作することにより一端に設けられた係止部が前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退するスライダであって、前記スライダは、前記シートバックの傾倒支点を通過する直線上を往復動作するものであることが好ましい。
上記構成によれば、効率的に、その移動軌跡内に進入したスライダの係止部に当接する第2係合部材の後方移動を規制することができる。その結果、安定的に、そのシートバックの後傾動作範囲を制限することができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記連動機構は、前記第1係合部材に対して前記第1可動部材が第1係脱状態となる後方移動領域に移動した前記シートの後方移動量の増加に応じて前記第2係合部材の移動軌跡内に進入する前記第2可動部材の作動量を増加させる徐変機構を備え、前記第2可動部材は、前記第2係合部材の移動軌跡内に進入する前記作動量の増加に応じて前記シートバックの後傾動作範囲を狭めるように構成されることが好ましい。
上記構成によれば、後傾したシートバックが客室空間外に突出する可能性のあるシートの後方移動領域において、その後傾動作によってシートバックが客室空間外に突出した状態となることを回避しつつ、シートの移動位置に応じた最大限度まで、そのシートバックの後傾動作を許容することができる。そして、これにより、そのシートの後方移動による足元空間の拡大効果及びシートバックの後傾動作によるシート上方空間の拡大効果を最大化することができる。その結果、より一層、乗員の利便性を向上させることができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第2可動部材は、前記シートの後方側から支持された状態で前記第2係合部材の移動軌跡内に進入するとともに、該移動軌跡に進入する前記作動量の増加に応じて前記移動軌跡内に配置される部分の挿入幅が拡大するように構成されることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、その第2係合部材の移動軌跡内に進入する作動量の増加に応じてシートバックの後傾動作範囲を狭めることができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第2可動部材は、前記第1可動部材に連動して往復動作することにより一端に設けられた係止部が前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退するスライダであって、前記係止部は、先端側に向かって先細りとなるように構成されることが好ましい。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記第2可動部材は、前記第1可動部材に連動して往復動作することにより一端に設けられた係止部が前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退するスライダであって、前記係止部は、先端側に向かって先細りとなるように構成されることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、その第2係合部材の移動軌跡内に進入する作動量の増加に応じて当該移動軌跡内に配置される部分の挿入幅を拡大することができる。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記徐変機構は、前記後方移動領域において前記第1可動部材に係合することにより、前記シートの後方移動量の増加に応じて第1可動部材の作動量を増加させる徐変係合部を備えることが好ましい。
上記課題を解決する車両用シート装置は、前記徐変機構は、前記後方移動領域において前記第1可動部材に係合することにより、前記シートの後方移動量の増加に応じて第1可動部材の作動量を増加させる徐変係合部を備えることが好ましい。
即ち、第2係合部材の移動軌跡内に進入する第2可動部材の作動量は、第1可動部材の作動量に連動して増加する。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、後方移動領域に移動したシートの後方移動量の増加に応じて第2係合部材の移動軌跡内に進入する第2可動部材の作動量を増加させる徐変機構を形成することができる。
本発明によれば、利便性を確保しつつ、後傾したシートバックが客室空間外に突出した状態となることを回避することができる。
[第1の実施形態]
以下、車両用シート装置に関する第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3とを備えている。そして、このシート1は、車両の床部4に設けられた左右一対のスライドレール5上に支持されている。
以下、車両用シート装置に関する第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3とを備えている。そして、このシート1は、車両の床部4に設けられた左右一対のスライドレール5上に支持されている。
詳述すると、これらの各スライドレール5は、それぞれ、車両の床部4に固定された車両前後方向に延びるロアレール7と、その延伸方向に沿って当該ロアレール7上を相対移動可能なアッパレール8と、を備えている。即ち、本実施形態のシート1は、そのスライドレール5を構成するアッパレール8に対してシートクッション2(のサイドフレーム)が固定される構成になっている。また、これらのロアレール7とアッパレール8との間には、そのロアレール7に対するアッパレール8の相対移動を規制し、及びその相対移動を許容可能な状態に切り替えるロック機構(図示略)が設けられている。そして、本実施形態では、これにより、そのシート1の前後位置を調整可能なシートスライド装置10が形成されている。
また、本実施形態のシート1において、そのシートクッション2とシートバック3との間には、シートクッション2に対するシートバック3の相対回動を規制し、及びその相対回動を許容することが可能なリクライナ15が介在されている。そして、本実施形態では、これにより、そのシートバック3の傾倒角度を調整可能なシートリクライニング装置20が形成されている。
ここで、図2〜図5に示すように、本実施形態では、これらのシートスライド装置10及びシートリクライニング装置20が、車両用シート装置30として一体に構成されている。
具体的には、本実施形態の車両用シート装置30は、スライドレール5上に支持されることによりシート1と一体に前後移動するロアブラケット31と、上記リクライナ15を介してロアブラケット31に連結されたアッパブラケット32と、を備えている。本実施形態のロアブラケット31は、アッパレール8に対する固定部31aと、上下方向に延びる縦壁部31bと、を有してスライドレール5上に立設されている。また、本実施形態のリクライナ15は、扁平略円筒状(円盤状)の外形を有するとともに、その厚み方向における一方側の面(図3中、右側の面)が、ロアブラケット31を構成する縦壁部31bの上端部(図3中、上側の端部)近傍に固定されている。更に、本実施形態のアッパブラケット32は、このリクライナ15における他方側の面(図3中、左側の面)に対して固定されることによりロアブラケット31の縦壁部31bと略平行に配置される長尺略矩形平板状の外形を有している。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、このアッパブラケット32に対してシートバック3のサイドフレーム(図示略)が固定されることにより、そのスライドレール5上に支持されたシートクッション2の後端部において、シートバック3を傾倒可能に支持する構成になっている。
(シートバックの突出回避装置)
次に、本実施形態の車両用シート装置30が形成するシートバック3の突出回避装置について説明する。
次に、本実施形態の車両用シート装置30が形成するシートバック3の突出回避装置について説明する。
図2〜図5に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、ロアブラケット31に支持されることによりシート1と一体に前後移動する回動リンク33と、そのシート1の前後移動に基づき回動リンク33が係脱する第1係合部材35とを備えている。また、本実施形態の車両用シート装置30は、アッパブラケット32に固定されることによりシートバック3と一体に動作する第2係合部材36と、ロアブラケット31に支持されることによりシートバック3の傾倒に伴う第2係合部材36の移動軌跡Rに対して進退可能に設けられた第2可動部材としてのスライダ38と、を備えている。更に、本実施形態の車両用シート装置30は、このスライダ38と上記回動リンク33との間に介在された連結ロッド39を備えている。具体的には、本実施形態の連結ロッド39は、押圧力を伝達可能な剛体構造を有している。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、回動リンク33とスライダ38とを連動させることで、その後傾したシートバック3が客室空間外に突出した状態となることを回避可能な突出回避装置40を形成する構成になっている。
詳述すると、本実施形態の車両用シート装置30において、その第1可動部材を構成する回動リンク33は、上記ロアブラケット31に設けられた支持軸41に軸支されている。本実施形態では、この支持軸41は、ロアブラケット31の縦壁部31bを厚み方向(図3中、左右方向)に貫通する態様で当該縦壁部31bの下端部近傍に設けられている。そして、本実施形態の回動リンク33は、この支持軸41に軸支されることにより、そのリクライナ15が固定された縦壁部31bの第1面S1に対して裏側となる当該縦壁部31bの第2面S2側(図3中、右側)に配置されている。
また、本実施形態の回動リンク33には、回動中心となる支持軸41の径方向外側に延びる第1係合突部43が形成されている。そして、本実施形態の回動リンク33は、この第1係合突部43が第1係合部材35に対して係脱することにより、その支持軸41周りに回動する構成になっている。
一方、本実施形態の第1係合部材35は、スライドレール5の側方に立設される縦板部35aと、この縦板部35aの上端部分からスライドレール5の幅方向外側(図3中、右側)に向かって延びるフランジ状の横板部35bと、を備えている。また、この第1係合部材35は、縦板部35aの下端部分から上記横板部35bの延設方向とは反対側(図3中、左側)に延びる平板状の固定部35cを有している。尚、本実施形態の第1係合部材35は、金属製の板材を塑性加工(折曲加工)することにより形成されている。即ち、本実施形態の第1係合部材35は、固定部35cをスライドレール5の下面(ロアレール7の底部7a)に固定することにより、その略L字状の端面形状(断面形状)をなす縦板部35a及び横板部35bが、スライドレール5の側方に配置されるようになっている。そして、本実施形態の第1係合部材35は、これにより、シート1の前後移動に基づいて、そのスライドレール5の側方に配置された横板部35bに対して回動リンク33の第1係合突部43が係脱する構成になっている。
さらに詳述すると、図2に示すように、本実施形態の車両用シート装置30において、第1係合部材35は、シート1の前方移動領域に設けられている。また、本実施形態の第1係合部材35は、スライドレール5の延伸方向に沿って延設されている。そして、本実施形態の回動リンク33は、この第1係合部材35の後端部が配置された係脱位置Nにおいて、そのシート1の前方移動に伴い第1係合部材35に当接し、シート1の後方移動に伴い第1係合部材35から脱離する構成になっている。
具体的には、図6に示すように、本実施形態の回動リンク33は、シート1とともに前方移動することにより、その第1係合突部43が第1係合部材35の横板部35bに対して当接する。また、図7に示すように、この回動リンク33は、この状態からシート1が前方移動することによって、同図中、反時計回り方向の回動を伴いつつ、その第1係合突部43が第1係合部材35側の係合部を構成する横板部35b上に乗り上げるように構成されている。更に、本実施形態の第1係合部材35は、その横板部35b上に乗り上げた第1係合部材35がスライドレール5の延伸方向に沿って摺動可能な構成になっている。そして、図7及び図8に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、その第1係合部材35に対して回動リンク33が係合する状態を維持したまま、シート1の前後移動を許容する構成になっている。
また、図6〜図8に示すように、本実施形態の回動リンク33は、その支持軸41を挟んで上記第1係合突部43の反対側に延びる連結部44を有している。そして、本実施形態では、この連結部44の先端部分に対して上記連結ロッド39が回動可能に接続される構成になっている。
即ち、本実施形態の回動リンク33は、第1係合突部43が第1係合部材35の横板部35bに係合して各図中、反時計回り方向に回動することにより、その連結部44に接続された連結ロッド39を引き下げる。そして、その第1係合突部43が第1係合部材35の横板部35bから脱離する際には、各図中、時計回り方向に回動することにより、その連結部44に接続された連結ロッド39を押し上げる構成になっている。
更に、本実施形態の回動リンク33は、連結部44の先端から下方側に突出する第2係合突部46を備えている。また、図4及び図7に示すように、第1係合部材35の横板部35bには、スライドレール5の延伸方向に延びる長孔47が形成されている。尚、本実施形態の第1係合部材35において、この長孔47は、その横板部35bの前端部分(図7中、左側の端部)に開口するスリット形状を有している。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、上記のように第1係合部材35の横板部35bに回動リンク33の第1係合突部43が当接し、当該回動リンク33が回動することにより、その第2係合突部46が、第1係合部材35の横板部35bに形成された長孔47内に挿入される構成になっている。
即ち、本実施形態の第1係合部材35は、その長孔47内に挿入された回動リンク33の第2係合突部46が延伸方向に沿って移動可能な範囲において、その回動リンク33の相対移動を許容する。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、その第1係合部材35に対して回動リンク33が係合する状態にある場合には、当該回動リンク33の相対移動が許容される範囲内において、そのシート1を前後移動させることが可能な構成になっている。
また、図3〜図5に示すように、本実施形態の第2係合部材36は、アッパブラケット32に対する固定部36aと、そのシートバック3の上下方向に延びるアッパブラケット32の長手方向(図3中、上下方向)に対して交差する態様でロアブラケット31側(図3中、右側)に突出して配置される略平板状の係合部36bと、を備えている。具体的には、本実施形態の第2係合部材36は、板材を略L字状に折曲加工することにより形成されている。そして、その略L字状に交差する2つの板状部の一方側を固定部36aとして、アッパブラケット32の側面32sに固定されている。
一方、図9及び図10に示すように、本実施形態の車両用シート装置30において、その第2可動部材を構成するスライダ38は、長尺略平板状に形成されている。また、ロアブラケット31には、このスライダ38を縦壁部31bの上端部近傍に支持するベースブラケット50が設けられている。そして、本実施形態のスライダ38は、このベースブラケット50に支持された状態で長手方向に沿って摺動することにより、その第1長手方向端部38aに設けられた係止部51が、シートバック3の傾倒に伴う第2係合部材36(の係合部36b)の移動軌跡R内に進入し、及びその移動軌跡Rから退出する構成になっている。
詳述すると、図2〜図5に示すように、本実施形態のベースブラケット50は、上記のようにロアブラケット31の縦壁部31bにおける第1面S1側に固定されたリクライナ15の裏側となる位置において、その縦壁部31bの第2面S2側(図3中、右側)にスライダ38を支持する。
図9及び図10に示すように、本実施形態のベースブラケット50は、略平板状に形成された一対のベース部50a,50bを備えている。また、このベースブラケット50は、ロアブラケット31の縦壁部31bに固定されることにより当該縦壁部31bの第2面S2から離間した位置において各ベース部50a,50bを同一平面上に支持する一対の支持部50c,50dを備えている。更に、このベースブラケット50は、略平板状の外形を有して各ベース部50a,50bに平行する平面上に配置された押え板50eを有している。そして、本実施形態のベースブラケット50は、この押え板50eと各ベース部50a,50bとの間に挟み込む態様で、そのスライダ38を摺動可能に支持する構成になっている。
具体的には、本実施形態のベースブラケット50において、各ベース部50a,50bは、それぞれ、その両端部分が各支持部50c,50dに支持される態様で、これらの各ベース部50a,50bが支持するスライダ38の長手方向に離間した二位置に配置されている。そして、押え板50eは、そのスライダ38の長手方向に離間した各ベース部50a,50bの間に配置されている。
尚、本実施形態のベースブラケット50は、金属製の板材を塑性加工(プレス加工)することにより、その各ベース部50a,50b、各支持部50c,50d、及び押え板50eが一体に形成されている。また、図9〜図11に示すように、各ベース部50a,50bには、それぞれ、押え板50eとの間に挟み込まれたスライダ38の幅方向両端部(図11中、左右方向の両端部)に摺接する一対のガイド部50f,50gが設けられている。そして、本実施形態のベースブラケット50は、これにより、その支持するスライダ38を長手方向に沿って安定的に摺動させることが可能になっている。
ここで、図12に示すように、本実施形態の車両用シート装置30において、リクライナ15は、相対回動可能な状態で同軸配置された一対の回動部材15a,15bと、これらの両回動部材15a,15bに係合することにより当該各回動部材15a,15bの相対回動を規制可能なロック機構15cと、を有している。即ち、このリクライナ15は、各回動部材15a,15bの回動中心を貫通する操作軸52を回動操作することにより、そのロック機構15cをロック及びアンロック動作させることが可能な周知の構成を有している。また、本実施形態では、このリクライナ15の操作軸52は、ロアブラケット31及びアッパブラケット32、並びにベースブラケット50の押え板50eに形成された各貫通孔53a〜53cを貫通する態様で支持されている。そして、この操作軸52の一端には、当該操作軸52を回動操作するための回動レバー53が固定されるようになっている(図5参照)。
また、図9、図10、及び図12に示すように、本実施形態のスライダ38には、その長手方向に延びる長孔54が形成されている。更に、本実施形態のベースブラケット50は、スライダ38に形成された長孔54に対して上記リクライナ15の操作軸52が挿通されるように構成されている。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、そのベースブラケット50に支持されたスライダ38が、リクライナ15を構成する各回動部材15a,15bの回動中心、即ちリクライナ15が形成するシートバック3の傾倒支点Xを通過する直線L上を往復動作する構成になっている。
図2〜図5、及び図10に示すように、本実施形態のスライダ38は、第1長手方向端部38aが上側、第2長手方向端部38bが下側に配置された状態で、ベースブラケット50に支持される。また、図9、図10及び図12に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、そのスライダ38とベースブラケット50との間に介在された付勢部材としての捩りコイルバネ57を備えている。本実施形態では、この捩りコイルバネ57は、上記リクライナ15の操作軸52に嵌挿された状態で、そのロアブラケット31の縦壁部31bと当該縦壁部31bに固定されたベースブラケット50との間に配置されている。更に、スライダ38及びベースブラケット50(の支持部50c)には、それぞれ、この捩りコイルバネ57の端末57a,57bに対する係合部38c,50hが形成されている。そして、本実施形態のスライダ38は、この捩りコイルバネ57の弾性力(弾性復元力)に基づいて、その第1長手方向端部38a側がロアブラケット31(の縦壁部31b)の上端部分から突出する方向に付勢されている。
即ち、図9及び図13に示すように、本実施形態のスライダ38は、捩りコイルバネ57の付勢力に基づいて長手方向に摺動することにより、その第1長手方向端部38aに設けられた係止部51が、シートバック3の傾倒に伴う第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する構成になっている。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、このスライダ38の係止部51が第2係合部材36の後方移動を妨げることにより、そのシートバック3の後傾動作範囲を制限する構成になっている。
詳述すると、本実施形態の車両用シート装置30において、ロアブラケット31の縦壁部31bには、その上端部分から上方に向かって突出するストッパ部60が設けられている。そして、本実施形態の第2係合部材36は、シートバック3が後傾することにより、このストッパ部60に対して係合する構成になっている。
即ち、図14に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、第2係合部材36の移動軌跡Rからスライダ38の係止部51が退出した状態にある場合、このストッパ部60に対して第2係合部材36が係合する位置において、そのロアブラケット31に対するアッパブラケット32の相対回動が規制されるようになっている。そして、本実施形態では、これにより、そのシートバック3の最大後傾位置P0が規定されている。
また、図13に示すように、本実施形態のスライダ38は、このストッパ部60に対して係止部51の側端部が摺接する状態で、その第1長手方向端部38a側がロアブラケット31の上方に突出する。そして、これにより、その移動軌跡R内に進入した係止部51に対して第2係合部材36が係合する位置を後傾制限位置P1として、この後傾制限位置P1よりも前方側の傾倒領域α内に、そのシートバック3の後傾動作範囲を制限することが可能となっている。
即ち、本実施形態のスライダ38は、ストッパ部60と第2係合部材36との間に係止部51が挟み込まれる態様で、そのシートバック3と一体に動作する第2係合部材36を係止する。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、そのストッパ部60と第2係合部材36との間に挟み込まれた係止部51の挿入幅Dに基づき規定される所定角度、調整可能なシートバック3の傾倒角度が縮小する構成になっている。
更に、スライダ38の第1長手方向端部38aに設けられた係止部51の側端部がロアブラケット31に設けられたストッパ部60に摺接することによって、そのストッパ部60が、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入したスライダ38を後方側から支持する支持部61として機能する。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、スライダ38の係止部51に係合する第2係合部材36の押圧力に対抗して、そのスライダ38の進入姿勢を安定的に保持することが可能になっている。
また、図2〜図5、及び図9に示すように、本実施形態のスライダ38は、そのベースブラケット50の下方に配置される第2長手方向端部38bに対して上記連結ロッド39が回動可能に接続される構成になっている。
即ち、本実施形態のスライダ38は、上記捩りコイルバネ57の付勢力に基づき、図9中、右上方向に摺動することにより、その第2長手方向端部38bに接続された連結ロッド39を上方に引き上げつつ、第1長手方向端部38aに設けられた係止部51が第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する。また、このスライダ38は、その第2長手方向端部38b側が連結ロッド39に引き下げられることによって、捩りコイルバネ57の付勢力に抗して、図9中、左下方向に摺動する。そして、これにより、その第1長手方向端部38aに設けられた係止部51が第2係合部材36の移動軌跡Rから退出する構成になっている。
さらに詳述すると、図15に示すように、本実施形態の車両用シート装置30において、第2係合部材36は、シートバック3が後傾制限位置P1よりも後方に傾倒した状態にある場合には、その第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38(の係止部51)の進入を阻止するように構成されている。
具体的には、本実施形態の第2係合部材36は、上記捩りコイルバネ57の付勢力に基づきスライダ38の係止部51が進入する位置に係合部36bが配置された状態にある場合には、そのアッパブラケット32の長手方向に交差する当該係合部36bの平板形状に対して略直交する状態でスライダ38の係止部51が係合する構成になっている。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、その第2長手方向端部38b側に接続された連結ロッド39の引き上げを伴うスライダ38の摺動が規制される構成になっている。
また、本実施形態では、このような第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38の進入が阻止されるシートバック3の傾倒領域β、つまり当該シートバック3が上記後傾制限位置P1に規定される制限範囲(傾倒領域α)を超えた後傾状態にある場合には、その第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢が保持される。
即ち、上記のように、本実施形態の回動リンク33は、連結ロッド39を引き下げつつ、図7中、反時計周り方向に回動して、その連結ロッド39との連結部44に設けられた第2係合突部46が第1係合部材35に形成されたスリット状の長孔47に挿入されることにより、当該第1係合部材35に係合する回動姿勢に移行する。そして、連結ロッド39を押し上げつつ、図6中、時計周り方向に回動し、その第2係合突部46が第1係合部材35の長孔47から抜脱されることにより、当該第1係合部材35に係合する回動姿勢が解除される構成になっている。
しかしながら、図15に示すように、第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38(の係止部51)の進入が阻止された状態にある場合には、その連結ロッド39の押し上げを伴う回動リンク33の回動が規制される。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、その第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢が保持される構成になっている。
また、図16に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、このように回動リンク33に係合する回動リンク33の回動姿勢が保持された状態にある場合には、その回動リンク33が第1係合部材35から脱離できないように構成されている。
具体的には、本実施形態の第1係合部材35は、当該第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢が保持された状態にある場合には、その長孔47内に挿入された回動リンク33の第2係合突部46が、シート1の後方移動によって、スライドレール5の長手方向に沿って延びる長孔47の後方端部47aに係合するように構成されている。即ち、本実施形態では、この長孔47の後方端部47aが、その第1係合部材35に係合した回動リンク33の脱離を伴うシート1の後方移動を規制する規制係合部65として機能する。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、上記のようにシートバック3が制限範囲を超えた後傾状態にある場合において、そのシート1の前後移動範囲を制限することが可能な構成になっている。
次に、上記のように構成された本実施形態の車両用シート装置30が形成するシートバック3の突出回避装置40の作用について説明する。
図2〜図4に示すように、本実施形態では、押圧力を伝達可能な剛体構造を有して回動リンク33とスライダ38との間に介在された連結ロッド39、及びスライダ38を付勢して第2係合部材36の移動軌跡Rに進入させる捩りコイルバネ57によって、これらの回動リンク33及びスライダ38を連動させる連動機構70が構成されている。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、シート1の後方移動領域においては、シートバック3が客室空間外に突出しない範囲に当該シートバック3の後傾動作範囲を制限し、及びシート1の前方移動領域においては、その後傾したシートバック3が客室空間外に突出しない範囲にシート1の前後移動範囲を制限する構成になっている。
図2〜図4に示すように、本実施形態では、押圧力を伝達可能な剛体構造を有して回動リンク33とスライダ38との間に介在された連結ロッド39、及びスライダ38を付勢して第2係合部材36の移動軌跡Rに進入させる捩りコイルバネ57によって、これらの回動リンク33及びスライダ38を連動させる連動機構70が構成されている。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、シート1の後方移動領域においては、シートバック3が客室空間外に突出しない範囲に当該シートバック3の後傾動作範囲を制限し、及びシート1の前方移動領域においては、その後傾したシートバック3が客室空間外に突出しない範囲にシート1の前後移動範囲を制限する構成になっている。
具体的には、図17に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、回動リンク33が第1係合部材35から脱離した状態(第1係脱状態)となるシート1の後方移動領域においては、そのスライダ38(の係止部51)が捩りコイルバネ57の付勢力に基づき第2係合部材36の移動軌跡R内に進入した状態となる。そして、これにより、シートバック3の後傾動作が、その移動軌跡R内に進入したスライダ38に対して第2係合部材36が係合する後傾制限位置P1までの範囲に制限される(図13参照)。
即ち、この後傾制限位置P1は、当該後傾制限位置P1が規定する制限範囲内、つまり後傾制限位置P1よりも前方側の傾倒領域αにおける傾倒動作によっては、そのシート1が後方移動領域にある場合においても、シートバック3が客室空間外に突出しない傾倒角度に設定される。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、後傾したシートバック3が客室空間外に突出する可能性のあるシート1の後方移動領域においても、シートバック3の傾倒操作を許容しつつ、その後傾動作によってシートバック3が客室空間外に突出した状態となることを回避することが可能になっている。
また、図18に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、シート1の前方移動に伴い第1係合部材35に係合した回動リンク33が連結ロッド39を介してスライダ38を引き下げることにより、そのスライダ38が第2係合部材36の移動軌跡Rから退出した状態となる。そして、これにより、そのシートバック3の後傾動作範囲が、ロアブラケット31に設けられたストッパ部60に対して第2係合部材36が係合する最大後傾位置P0まで拡大される(図14参照)。
更に、図19に示すように、本実施形態の車両用シート装置30は、このように第1係合部材35に対して回動リンク33が係合した状態(第2係脱状態)においても、そのシート1の前後移動を許容する。また、シートバック3が上記後傾制限位置P1に規定される制限範囲を超えた後傾状態にある場合には、その第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38の進入が阻止される(図15参照)。そして、これにより、その第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢が保持されることで、当該回動リンク33の脱離を伴うシート1の後方移動が規制される(図16参照)。
即ち、本実施形態の車両用シート装置30において、第1係合部材35に対して回動リンク33が係合した状態となるシート1の前方移動領域は、シートバック3を最大後傾位置P0まで傾倒させた状態でシート1を後方移動させた場合においても、その後傾したシートバック3が車室空間外に突出しない範囲に設定される。そして、本実施形態の車両用シート装置30は、これにより、シートバック3の傾倒角度が客室空間外に突出する可能性のある傾倒領域βにある場合においても、シート1の前後移動操作を許容しつつ、その後傾したシートバック3がシート1の後方移動によって客室空間外に突出した状態となることを回避することが可能になっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)車両用シート装置30は、スライドレール5上に支持されたシート1と一体に前後移動する回動リンク33と、シート1の前後移動に基づき回動リンク33が係脱する第1係合部材35と、を備える。また、車両用シート装置30は、シートバック3と一体に動作する第2係合部材36と、シートバック3の傾倒に伴う第2係合部材36の移動軌跡Rに対して進退可能に設けられたスライダ38と、その回動リンク33とスライダ38とを連動させる連動機構70と、を備える。更に、スライダ38は、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入することによりシートバック3の後傾動作範囲を制限する。そして、連動機構70は、第1係合部材35から回動リンク33が脱離したシート1の後方移動領域においては、スライダ38を第2係合部材36の移動軌跡R内に進入させ、第1係合部材35に対して回動リンク33が係合するシート1の前方移動領域においては、スライダ38を第2係合部材36の移動軌跡Rから退出させる。
(1)車両用シート装置30は、スライドレール5上に支持されたシート1と一体に前後移動する回動リンク33と、シート1の前後移動に基づき回動リンク33が係脱する第1係合部材35と、を備える。また、車両用シート装置30は、シートバック3と一体に動作する第2係合部材36と、シートバック3の傾倒に伴う第2係合部材36の移動軌跡Rに対して進退可能に設けられたスライダ38と、その回動リンク33とスライダ38とを連動させる連動機構70と、を備える。更に、スライダ38は、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入することによりシートバック3の後傾動作範囲を制限する。そして、連動機構70は、第1係合部材35から回動リンク33が脱離したシート1の後方移動領域においては、スライダ38を第2係合部材36の移動軌跡R内に進入させ、第1係合部材35に対して回動リンク33が係合するシート1の前方移動領域においては、スライダ38を第2係合部材36の移動軌跡Rから退出させる。
上記構成によれば、後傾したシートバック3が客室空間外に突出する可能性のあるシート1の後方移動領域において、その後傾動作によってシートバック3が客室空間外に突出した状態となることを回避することができる。また、このようなシート1の後方移動領域においても、その制限範囲内、つまり移動軌跡R内に進入したスライダ38に対して第2係合部材36が係合する後傾制限位置P1よりも前方側の傾倒領域αにおいては、そのシートバック3の傾倒操作が許容される。その結果、例えば、シートバック3が客室空間から突出しない範囲で傾倒角度の調整を行う場合であっても、一度、そのシート1を前方移動させる必要が生ずる等といった、従来技術に見られるような煩雑さを排除することができる。そして、これにより、その利便性を確保することができる。
(2)第2係合部材36は、シートバック3が上記後傾制限位置P1に規定される制限範囲(傾倒領域α)を超えた後傾状態にある場合、即ち後傾制限位置P1よりも後方の傾倒領域βにある場合には、その移動軌跡Rに対するスライダ38の進入を阻止する。また、連動機構70は、このように移動軌跡Rに対するスライダ38の進入が阻止される場合には、第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢を保持する。そして、第1係合部材35は、この第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢が保持された状態にある場合には、その回動リンク33が第1係合部材35から脱離できないように構成される。
上記構成によれば、シートバック3の傾倒角度が客室空間外に突出する可能性のある傾倒領域βにある場合において、その傾倒したシートバック3がシート1の後方移動によって客室空間外に突出した状態となることを回避することができる。また、このようなシートバック3の傾倒領域βにある場合においても、その第1係合部材35に対して回動リンク33が係合するシート1の前方移動領域においては、当該シート1の前後移動操作が許容される。その結果、例えば、その傾倒したシートバック3が客室空間から突出しない範囲でシート1の前後位置調整を行う場合であっても、一度、そのシートバック3を前方に引き起こす必要が生ずる等といった、従来技術に見られるような煩雑さを排除することができる。そして、これにより、その利便性を確保することができる。
(3)第1係合部材35は、スライドレール5の延伸方向に延設された長孔47を有する。また、回動リンク33には、当該回動リンク33が第1係合部材35に係合して回動することにより、その長孔47内に挿入される第2係合突部46が設けられる。そして、第1係合部材35は、上記連動機構70により第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢が保持された状態にある場合には、その長孔47内に挿入された回動リンク33の第2係合突部46が、シート1の後方移動に伴い長孔47の後方端部47aに係合するように構成される。
上記構成によれば、第1係合部材35に設けられた長孔47の後方端部47aが、その第1係合部材35に係合した回動リンク33の脱離を伴うシート1の後方移動を規制する規制係合部65として機能する。そして、これにより、第1係合部材35に対して回動リンク33が係合する前方移動領域内においてのみ、シート1の前後移動操作を許容することによって、その後傾したシートバック3がシート1の後方移動によって客室空間外に突出した状態となることを回避することができる。
(4)スライダ38は、スライドレール5上に支持されることによりシート1と一体に前後移動する第1支持部材としてのロアブラケット31に設けられ、第2係合部材36は、ロアブラケット31に対して相対回動可能に連結された第2支持部材としてのアッパブラケット32に設けられる。また、ロアブラケット31には、第2係合部材36に係合することによりシートバック3の最大後傾位置P0を規定するストッパ部60が設けられる。そして、スライダ38は、このストッパ部60に後方側が支持される状態で移動軌跡Rに進入する。
上記構成によれば、ストッパ部60が、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入したスライダ38を後方側から支持する支持部61として機能する。そして、これにより、スライダ38に係合する第2係合部材36の押圧力に対抗して、そのスライダ38の進入姿勢を安定的に保持することができる。加えて、そのストッパ部60と第2係合部材36との間に挟み込まれるスライダ38(の係止部51)の挿入幅Dに基づいて、第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38の進入により縮小する調整可能なシートバック3の傾倒角度を容易に設定することができる。
(5)スライダ38は、シートバック3の傾倒支点Xを通過する直線L上を往復動作する。これにより、効率的に、その移動軌跡R内に進入したスライダ38の係止部51に当接する第2係合部材36の後方移動を規制することができる。その結果、安定的に、そのシートバック3の後傾動作範囲を制限することができる。
(6)連動機構70は、押圧力を伝達可能な剛体構造を有して回動リンク33とスライダ38との間に介在された連結ロッド39を備える。即ち、このような連結ロッド39を介することにより、第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38の進入時及び退出時の双方について、効率よく、その駆動力をスライダ38と回動リンク33との間で伝達することができる。そして、これにより、簡素な構成にて、円滑に、そのスライダ38と回動リンク33とを連動させることができる。
[第2の実施形態]
以下、車両用シート装置に関する第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
以下、車両用シート装置に関する第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図20及び図21に示すように、本実施形態の車両用シート装置30Bは、第1係合部材35Bの後端部が配置された係脱位置Nの後方、即ち第1係合部材35Bから回動リンク33が脱離したシート1の後方移動領域において、その回動リンク33に係合する第3係合部材75を備えている。
詳述すると、本実施形態の第3係合部材75は、第1係合部材35Bと一体に形成されることにより、当該第1係合部材35Bの後端部(係脱位置N)に隣接した後方移動領域に配置されている。また、この第3係合部材75は、第1係合部材35Bと同様、スライドレール5の側方に立設される縦板部75aを備えている。更に、この第3係合部材75もまた、その縦板部75aの上端部分からスライドレール5の幅方向外側(図21中、紙面手前側)に向かって延びるフランジ状の横板部75bを備えている。即ち、この第3係合部材75もまた、シート1の前後移動に基づいて、その係合部を構成する横板部75bに対して回動リンク33の第1係合突部43が係脱する構成になっている。そして、本実施形態の第3係合部材75において、この横板部75bは、前方側から後方側(図21中、左側から右側)に向かって、順次、その高さ(図21中、上下方向の位置)が低くなる複数段の階段形状を有している。
具体的には、図21に示すように、本実施形態の第3係合部材75において、横板部75bは、スライドレール5の延伸方向に沿って略均等間隔で設けられた三段の係合段部81〜83を有している。また、この第3係合部材75において、最も前方側に配置される第1係合段部81は、当該第1係合段部81の前方側に位置する第1係合部材35Bの横板部35bよりも低い位置に形成されている。そして、この第1係合段部81の後方に位置する第2係合段部82は、その第1係合段部81よりも低い位置に形成され、この第2係合段部82の後方に位置する第3係合段部83は、その第2係合段部82よりも低い位置に形成されている。
即ち、図21〜図25に示すように、本実施形態の車両用シート装置30Bは、第1可動部材としての回動リンク33がシート1とともに後方移動領域を前後移動することによって、その第1係合突部43が、これら第3係合部材75の各係合段部81〜83、及び第1係合部材35Bの横板部35bに対して順次係合する構成になっている。
具体的には、図21に示すように、第1係合部材35Bの横板部35bに対する回動リンク33の係脱位置Nを起点としたシート1の後方移動量Zが、スライドレール5の延伸方向に沿った第3係合部材75の延伸長Z0よりも大きい場合(Z>Z0)、回動リンク33は、第3係合部材75から脱離した状態となっている。
また、図22に示すように、シート1の前方移動によって、その後方移動量Zが第3係合部材75の延伸長Z0以下となることで(Z≦Z0)、回動リンク33の第1係合突部43は、第3係合部材75の第3係合段部83に対し、上方に乗り上げる態様で係合する。更に、図23及び図24に示すように、回動リンク33の第1係合突部43は、シート1の後方移動量Zが第3係合部材75の延伸長Z0の略「2/3」以下となることで第2係合段部82に係合し、その後方移動量Zが第3係合部材75の延伸長Z0の略「1/3」以下となることで第1係合段部81に係合する。そして、図25に示すように、本実施形態の車両用シート装置30Bは、後方移動量Zが「0」、即ちシート1が係脱位置Nを超えた前方移動領域まで前方移動することによって、その回動リンク33の第1係合突部43が、第1係合部材35Bの横板部35bに対して係合する構成になっている。
また、図21〜図25に示すように、このとき、回動リンク33は、その第1係合突部43が係合する第3係合部材75の各係合段部81〜83及び第1係合部材35Bの横板部35bに設定された高さの違いに基づいて、段階的に、各図中、反時計回り方向に回動する。更に、同じく回動リンク33が第3係合部材75に係合する状態で、シート1が後方移動領域を後方に移動した場合、回動リンク33は、段階的に、各図中、時計回り方向に回動する。そして、本実施形態の車両用シート装置30Bは、これにより、その第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する第2可動部材としてのスライダ38Bの作動量を徐々に変化させる構成になっている。
即ち、本実施形態の車両用シート装置30Bもまた、各図中、反時計回り方向に回動する回動リンク33が、その連結部44に接続された連結ロッド39を引き下げることで、当該連結ロッド39を介して連結されたスライダ38Bが第2係合部材36の移動軌跡Rから退出する。また、各図中、時計回り方向に回動する回動リンク33が、その連結部44に接続された連結ロッド39を押し上げる(に引き上げられる)ことにより、その連結ロッド39を介して連結されたスライダ38Bが第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する。更に、本実施形態の車両用シート装置30Bは、第3係合部材75に対して回動リンク33が係合する位置に応じて、その回動リンク33の回動姿勢が段階的に変化するように構成されている。具体的には、徐変係合部としての第3係合部材75は、その三段の係合段部81〜83、及び第1係合部材35Bの横板部35bに設定された高さの違いに基づいて、回動リンク33の回動姿勢を、その図25に示すような第1係合部材35Bに対する係合姿勢から図21に示すような完全な脱離姿勢まで、4段階で変化させる。そして、本実施形態の車両用シート装置30Bは、これにより、その連動機構70Bに対し、後方移動領域に移動したシート1の後方移動量Zの増加に応じて上記第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するスライダ38Bの作動量を増加させる徐変機構85が組み込まれた構成になっている。
また、図26〜図30に示すように、本実施形態のスライダ38Bは、その先端側に向かって先細りとなる係止部51Bを有している。具体的には、この係止部51Bは、スライダ38Bの本体幅に略等しい基端部分を含め、その幅方向端部を前方側(各図中、左上側)から切り欠くかたちで形成された4段の挿入部51a〜51dを備える階段形状を有している。そして、本実施形態のスライダ38Bは、これにより、その第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mの増加に応じてシートバック3の後傾動作範囲を狭めるように構成されている。
詳述すると、本実施形態のスライダ38Bもまた、上記第1の実施形態におけるスライダ38と同様、ロアブラケット31に設けられたシートバック3のストッパ部60に後方側が支持された状態で、その係止部51Bが第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する。そして、本実施形態のスライダ38Bは、その先端側に先細りとなる係止部51Bの階段形状に基づいて、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mが増加するほど、その移動軌跡R内に配置される部分の挿入幅Dが拡大する構成になっている。
具体的には、図26に示すように、本実施形態のスライダ38Bは、その係止部51Bの基端部分に位置する第4挿入部51dが第2係合部材36の移動軌跡R内に配置された状態にある場合に、シートバック3の後傾動作範囲を最も狭めるように構成されている。そして、図20及び図21に示すように、このとき、第1可動部材としての回動リンク33は、第3係合部材75から脱離した状態となっている。
即ち、図26に示すように、本実施形態の徐変機構85は、後方移動領域に移動したシート1の後方移動量Zが第3係合部材75の延伸長Z0よりも大きい場合(図21参照、Z>Z0)に、その第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するスライダ38Bの作動量Mが最大となるように構成されている(M=M4)。そして、本実施形態のスライダ38Bは、これにより、その移動軌跡R内に配置された第4挿入部51dが第2係合部材36とストッパ部60との間に挟み込まれることで、この第4挿入部51dの挿入幅D4に相当する所定角度θ4、そのストッパ部60が規定する最大後傾位置P0の前方にシートバック3の後傾動作範囲を狭める構成になっている。尚、本実施形態では、この状態でシートバック3を後傾動作させることが可能な限界位置は、上記第1の実施形態における後傾制限位置P1と略等しい位置となっている(図13参照)。
また、図22及び図27に示すように、本実施形態のスライダ38Bは、第3係合部材75の第3係合段部83に対して回動リンク33が係合した状態にある場合に、上記第4挿入部51dの先端側に形成された第3挿入部51cが、その第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される構成になっている。尚、この場合におけるスライダ38Bの作動量M3及び第3挿入部51cの挿入幅D3は、それぞれ、上記第4挿入部51dが第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される場合におけるスライダ38Bの作動量M4及び第4挿入部51dの挿入幅D4よりも小さい(M3<M4,D3<D4)。そして、本実施形態のスライダ38Bは、これにより、その第3挿入部51cが第2係合部材36とストッパ部60との間に挟み込まれることで、この第3挿入部51cの挿入幅D3に相当する所定角度θ3、そのストッパ部60が規定する最大後傾位置P0の前方にシートバック3の後傾動作範囲を狭める構成になっている。
更に、図23及び図28に示すように、回動リンク33が第3係合部材75の第2係合段部82に係合した状態にある場合には、第3挿入部51cの先端側に形成された第2挿入部51bが、第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される。また、図24及び図29に示すように、回動リンク33が第3係合部材75の第1係合段部81に係合した状態にある場合には、第2挿入部51bの先端側に形成された第1挿入部51aが、第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される。そして、図28及び図29に示すように、本実施形態のスライダ38Bは、これにより第2係合部材36とストッパ部60との間に挟み込まれる第2挿入部51bの挿入幅D2に相当する所定角度θ2、又は第1挿入部51aの挿入幅D1に相当する所定角度θ1、その最大後傾位置P0の前方にシートバック3の後傾動作範囲を狭める構成になっている。
尚、第2挿入部51bが第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される場合におけるスライダ38Bの作動量M2及び第2挿入部51bの挿入幅D2は、それぞれ、第3挿入部51cが第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される場合におけるスライダ38Bの作動量M3及び第3挿入部51cの挿入幅D3より小さい(M2<M3,D2<D3)。そして、第1挿入部51aが第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される場合におけるスライダ38Bの作動量M1及び第1挿入部51aの挿入幅D1は、それぞれ、第2挿入部51bが第2係合部材36の移動軌跡R内に配置される場合におけるスライダ38Bの作動量M2及び第2挿入部51bの挿入幅D2より小さい(M1<M2,D1<D2)。
また、図25、図30及び図31に示すように、本実施形態の徐変機構85は、第1係合部材35Bに対して回動リンク33が係合した状態、即ちシート1が係脱位置Nを超えた前方移動領域まで移動した状態にある場合、その第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するスライダ38Bの作動量Mがゼロとなるように構成されている(M=0)。つまり、このとき、スライダ38Bは、第2係合部材36の移動軌跡Rから退出した状態となっている。そして、本実施形態の車両用シート装置30Bは、これにより、そのシートバック3の後傾動作範囲が、ストッパ部60に対して第2係合部材36が係合する最大後傾位置P0まで拡大される構成になっている。
即ち、図30及び図31に示すように、本実施形態の車両用シート装置30Bは、第1係合部材35Bに対して回動リンク33が係合した状態となるシート1の前方移動領域(図21参照、Z=0)においては、そのシートバック3を最大後傾位置P0まで傾動させることが可能になっている。また、図32に示すように、第1係合部材35Bに隣接してシート1の後方移動領域に設けられた第3係合部材75に対して回動リンク33が係合する状態(図21参照、0<Z≦Z0)においては、その後方移動量Zの増加に応じて、シートバック3の後傾動作範囲が徐々に狭くなる(図27〜図29参照、P0−θ1〜θ3)。そして、図20に示すように、シート1の後方移動によって、その第3係合部材75から回動リンク33が脱離した状態(図21参照、Z>Z0)においては、そのシートバック3の後傾動作範囲が、上記第1の実施形態における後傾制限位置P1と略等しい位置まで狭められる構成になっている(図26参照、P1≒P0−θ4)。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)連動機構70Bは、後方移動領域に移動したシート1の後方移動量Zの増加に応じて第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するスライダ38Bの作動量Mを増加させる徐変機構85を備える。そして、スライダ38Bは、その第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mの増加に応じてシートバック3の後傾動作範囲を狭めるように構成される。
(1)連動機構70Bは、後方移動領域に移動したシート1の後方移動量Zの増加に応じて第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するスライダ38Bの作動量Mを増加させる徐変機構85を備える。そして、スライダ38Bは、その第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mの増加に応じてシートバック3の後傾動作範囲を狭めるように構成される。
上記構成によれば、後傾したシートバック3が客室空間外に突出する可能性のあるシート1の後方移動領域において、その後傾動作によってシートバック3が客室空間外に突出した状態となることを回避しつつ、シート1の移動位置に応じた最大限度まで、そのシートバック3の後傾動作を許容することができる。そして、これにより、そのシート1の後方移動による足元空間の拡大効果及びシートバック3の後傾動作によるシート上方空間の拡大効果を最大化させることが可能になる。その結果、より一層、乗員の利便性を向上させることができる。
(2)スライダ38Bは、階段状に先細りとなる係止部51Bを有する。そして、ロアブラケット31に設けられたシートバック3のストッパ部60に後方側が支持された状態で、その係止部51Bが第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するように構成される。
上記構成によれば、その先端側に先細りとなる係止部51Bの階段形状に基づいて、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mが増加するほど、その移動軌跡R内に配置される部分の挿入幅Dが拡大する。そして、これにより、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mの増加に応じてシートバック3の後傾動作範囲を狭めることができる。
また、係止部51Bの階段形状に第2係合部材36が係合することで、効率的に、その係止部51Bに当接した第2係合部材36の後方移動を規制することができる。その結果、安定的に、そのシートバック3の後傾動作範囲を制限することができる。
(3)車両用シート装置30Bは、第1係合部材35Bに隣接してシート1の後方移動領域に設けられた第3係合部材75を備える。また、この第3係合部材75は、シート1の前後移動に基づいて、第1可動部材としての回動リンク33(の第1係合突部43)が係脱する横板部75bを有する。そして、この横板部75bは、前方側から後方側に向かって、順次、その高さが低くなる複数段の階段形状を有する。
上記構成によれば、第3係合部材75の横板部35bに係合する回動リンク33が、その横板部35bの階段形状に設定された各係合段部(81〜83)の高さの違いに基づいて、段階的に回動する。即ち、この第3係合部材75が、シート1の後方移動量Zの増加に応じて第1可動部材としての回動リンク33の作動量Mを増加させる徐変係合部として機能する。そして、これにより、簡素な構成にて、後方移動領域に移動したシート1の後方移動量Zの増加に応じて第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するスライダ38Bの作動量Mを増加させる徐変機構85を形成することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、シートバック3の傾倒支点Xを通過する直線L上を往復動作するスライダ38によって、そのシートバック3の傾倒に伴う第2係合部材36の移動軌跡Rに対して進退動作する第2可動部材が形成されることとした。しかし、これに限らず、その形状、配置及び支持構造等、スライダ38の構成は、任意に変更してもよい。そして、その第2係合部材36の構成についてもまた、任意に変更してもよい。
・上記各実施形態では、シートバック3の傾倒支点Xを通過する直線L上を往復動作するスライダ38によって、そのシートバック3の傾倒に伴う第2係合部材36の移動軌跡Rに対して進退動作する第2可動部材が形成されることとした。しかし、これに限らず、その形状、配置及び支持構造等、スライダ38の構成は、任意に変更してもよい。そして、その第2係合部材36の構成についてもまた、任意に変更してもよい。
・また、スライダ38以外の構成によって、その第2可動部材が形成される構成としてもよい。例えば、図33に示すように、ロアブラケット31(の縦壁部31b)の上端部近傍に回動リンク90を設ける。そして、この回動リンク90を第2可動部材とする構成であってもよい。
具体的には、この回動リンク90は、ロアブラケット31に設けられた支軸91によって、その基端側が回動自在に支持される。また、この回動リンク90は、その先端部分から鈎状(L字状)に突出する係止部92を有している。更に、この回動リンク90は、同図中、時計回り方向に回動することによって、その係止部92が、ロアブラケット31の上端部分に設けられたストッパ部60に当接する態様で、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入するように構成されている。尚、この例において、回動リンク90は、図示しない付勢部材(例えば、支軸91に嵌挿された捩りコイルバネ等)によって、その進入動作方向に付勢されている。そして、この回動リンク90は、先端部分に接続された連結ロッド39に引き下げられることにより、同図中、反時計回り方向に回動して、その係止部92が第2係合部材36の移動軌跡Rから退出するように構成されている。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、このような回動リンクを用いる場合についても、その形状や配置は任意に変更してもよい。例えば、第2係合部材36との間に、その移動軌跡Rに対する進入姿勢を保持可能な圧力角を形成する等の構成であってもよい。そして、これにより、支持部61を設けない構成にすることもできる。
・更に、第1可動部材としての回動リンク33の構成についても同様に、その形状、配置及び支持構造等、任意に変更してもよい。また、その回動リンク33が係脱する第1係合部材35についても同様に、その規制係合部65の構成を含め、任意に変更してもよい。そして、例えば、スライダ等、回動リンク33以外の構成を第1可動部材に用いる構成についてもまた、これを排除しない。
・上記各実施形態では、押圧力を伝達可能な剛体構造を有して回動リンク33とスライダ38との間に介在された連結ロッド39、及びスライダ38を付勢して第2係合部材36の移動軌跡Rに進入させる捩りコイルバネ57によって、これらの回動リンク33及びスライダ38を連動させる連動機構70が構成されることとした。しかし、これに限らず、連動機構70の構成は、任意に変更してもよい。
例えば、捩りコイルバネ57以外のバネ部材を用いる等、付勢部材は任意に変更してもよい。また、例えば、回動リンク33や連結ロッド39を付勢する等、その付勢力の付与対象は必ずしもスライダ38でなくともよい。そして、このような付勢部材を備えない構成についてもまた、これを排除しない。
・また、例えば、リンクとワイヤーケーブルとを組み合わせる等、必ずしも、連結ロッド39のような剛体構造を有する連結部材を用いなくともよい。そして、その付勢力による付勢方向についてもまた、任意に変更してもよい。
・上記各実施形態では、第1係合部材35は、シート1の前方移動領域に設けられる。また、この第1係合部材35から回動リンク33が脱離した状態を当該回動リンク33の第1係脱状態とし、その第1係合部材35に係合した状態を回動リンク33の第2係脱状態とする。そして、第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38の進入が阻止される場合において連動機構70が保持する回動リンク33の係脱姿勢は、第1係合部材35に係合する回動リンク33の回動姿勢であることとした。
しかし、これに限らず、そのシート1の前後移動により生ずる第1係合部材35と回動リンク33との間の係脱関係が上記実施形態とは反対になるように構成してもよい。即ち、シート1の後方移動領域に第1係合部材35を設ける。また、この第1係合部材35に回動リンク33が係合した状態を当該回動リンク33の第1係脱状態とし、その第1係合部材35から脱離した状態を回動リンク33の第2係脱状態とする。そして、第2係合部材36の移動軌跡Rに対するスライダ38の進入が阻止される場合において連動機構70が保持する回動リンク33の係脱姿勢を、第1係合部材35から脱離した回動リンク33の回動姿勢とする。このような構成としても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記各実施形態では、ロアブラケット31に設けられたストッパ部60が、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入したスライダ38を後方側から支持する支持部61として機能することとした。しかし、これに限らず、その支持部61をストッパ部60と別体に設ける構成としてもよい。そして、このような支持部61を有しない構成についても、これを排除しない。
・シート1(シートクッション2)をスライドレール5上に支持する構造については、任意に変更してもよい。例えば、スライドレール5を構成するアッパレール8に対してシートクッション2を直接固定する構成であってもよく、支持ブラケットを介して固定する構成であってもよい。そして、第1支持部材としてのロアブラケット31がシートクッション2の支持ブラケットを兼ねる構成であってもよい。
・上記各実施形態では、回動リンク33及びスライダ38、並びに支持部61を構成するストッパ部60は、スライドレール5上に支持されることによりシート1と一体に前後移動するロアブラケット31に設けられ、第2係合部材36は、リクライナ15を介してロアブラケット31に連結されたアッパブラケット32に支持されることとした。しかし、これに限らず、ロアブラケット31とアッパブラケット32とがリクライナ15を介することなく相対回動可能に連結された構成であってもよい。
・また、第1可動部材、第2可動部材及び支持部61(回動リンク33、スライダ38及びストッパ部60)の全部、又はその少なくとも何れか一つが、シートバック3(アッパブラケット32)を傾倒可能に支持するロアブラケット31以外の「シート1と一体に前後移動する支持部材」に支持された構成であってもよい。尚、この支持部材としては、例えばシートクッション2のフレームや支持ブラケット等が考えられる。そして、その支持部材がスライドレール5を構成するアッパレール8と一体に形成された構成であってもよい。
・更に、第2係合部材36は、シートバック3と一体に動作可能であれば、その設置される位置は、必ずしもアッパブラケット32でなくともよい。そして、第1係合部材35の固定部位についてもまた、例えば、車両の床部4等、必ずしもスライドレール5のロアレール7でなくともよい。
・上記第2の実施形態では、スライダ38Bの係止部51Bは、4段の挿入部51a〜51dを有した階段状の先細り形状であることとした。しかし、これに限らず、その階段形状の段数については、3段以下でも5段以上であってもよい。また、その先細り形状は、例えば、先端側に先細りとなる三角形状等であってもよい。更に、その第2可動部材がスライダ以外の構成である場合においてもまた、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mが増加するほど、その移動軌跡R内に配置される部分の挿入幅Dが拡大する形状を有するものであればよい。そして、例えば、第2係合部材36の移動軌跡R内に進入する作動量Mが増加するほど、その移動軌跡R内における第2可動部材との当接点が前方側に移動する等の構成であってもよい。
・また、上記第2の実施形態では、徐変係合部としての第3係合部材75は、その回動リンク33に対する係合部となる横板部75bが、前方側から後方側に向かって順次高さが低くなる複数段の階段形状を有する。そして、この階段形状は、三段の係合段部81〜83により形成されることとした。しかし、これに限らず、その階段形状の段数は、二段以下でも4段以上であってもよい。更に、その係合部となる横板部75bが前方側から後方側に向かって低くなる斜面を形成する構成であってもよい。そして、第1可動部材が回動リンク以外の構成である場合においてもまた、その徐変係合部は、シートの後方移動量の増加に応じて第1可動部材の作動量を増加させるものであればよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記連動機構は、押圧力を伝達可能な剛体構造を有して前記第1可動部材と前記第2可動部材との間に介在された連結部材を備えること、を特徴とする車両用シート装置。
(イ)前記連動機構は、押圧力を伝達可能な剛体構造を有して前記第1可動部材と前記第2可動部材との間に介在された連結部材を備えること、を特徴とする車両用シート装置。
上記構成によれば、第2係合部材の移動軌跡に対する第2可動部材の進入時及び退出時の双方について、効率よく、その駆動力を第1可動部材と第2可動部材との間で伝達することができる。そして、これにより、簡素な構成にて、円滑に、その第1可動部材と第2可動部材とを連動させることができる。
(ロ)前記第1係合部材は、前記シートの前方移動領域に設けられるものであって、前記第1係脱状態は、前記第1係合部材から前記第1可動部材が脱離した状態であること、を特徴とする車両用シート装置。
(ハ)前記係止部は、階段状に前記先細りとなるように構成されること、を特徴とする車両用シート装置。
上記構成によれば、先端側に先細りとなる係止部の階段形状に基づいて、第2係合部材の移動軌跡内に進入する作動量が増加するほど、段階的に、その移動軌跡内に配置される部分の挿入幅が拡大する。また、係止部の階段形状に第2係合部材が係合することで、効率的に、その係止部に当接した第2係合部材の後方移動を規制することができる。その結果、安定的に、そのシートバックの後傾動作範囲を制限することができる。
上記構成によれば、先端側に先細りとなる係止部の階段形状に基づいて、第2係合部材の移動軌跡内に進入する作動量が増加するほど、段階的に、その移動軌跡内に配置される部分の挿入幅が拡大する。また、係止部の階段形状に第2係合部材が係合することで、効率的に、その係止部に当接した第2係合部材の後方移動を規制することができる。その結果、安定的に、そのシートバックの後傾動作範囲を制限することができる。
(ニ)前記徐変係合部は、前方側から後方側に向かって高さが変化する係合部を有すること、を特徴とする車両用シート装置。
上記構成によれば、その係合部に設定された高さの変化に基づいて、第3係合部材に係合する第1可動部材の作動量を変更することができる。そして、これにより、簡素な構成にて、後方移動領域に移動したシートの後方移動量の増加に応じて第2係合部材の移動軌跡内に進入する第2可動部材の作動量を増加させる徐変機構を形成することができる。
上記構成によれば、その係合部に設定された高さの変化に基づいて、第3係合部材に係合する第1可動部材の作動量を変更することができる。そして、これにより、簡素な構成にて、後方移動領域に移動したシートの後方移動量の増加に応じて第2係合部材の移動軌跡内に進入する第2可動部材の作動量を増加させる徐変機構を形成することができる。
(ホ)前記徐変係合部は、前記係合部として複数段の係合段部を備えること、を特徴とする車両用シート装置。
上記構成によれば、各係合段部が形成する階段形状に基づいて、段階的に、その第3係合部材に係合する第1可動部材の作動量を変更することができる。
上記構成によれば、各係合段部が形成する階段形状に基づいて、段階的に、その第3係合部材に係合する第1可動部材の作動量を変更することができる。
(ヘ)前記第2可動部材は、前記スライドレール上に支持されて前記シートと一体に前後移動する第1支持部材に設けられ、前記第2係合部材は、前記第1支持部材に対して相対回動可能に連結された第2支持部材に設けられること、を特徴とする車両用シート装置。
1…シート、2…シートクッション、3…シートバック、5…スライドレール、7…ロアレール、8…アッパレール、10…シートスライド装置、15…リクライナ、20…シートリクライニング装置、30,30B…車両用シート装置、31…ロアブラケット(第1支持部材)、31b…縦壁部、32…アッパブラケット(第2支持部材)、33…回動リンク(第1可動部材)、35…第1係合部材、35b…横板部(係合部)、36…第2係合部材、36b…係合部、38,38B…スライダ(第2可動部材)、38a…第1長手方向端部、38b…第2長手方向端部、39…連結ロッド、40…突出回避装置、41…支持軸、43…第1係合突部、44…連結部、46…第2係合突部、47…長孔、47a…後方端部、50…ベースブラケット、51,51B…係止部、51a…第1挿入部、51b…第2挿入部、51c…第3挿入部、51d…第4挿入部、52…操作軸、57…コイルバネ(付勢部材)、60…ストッパ部、61…支持部、65…規制係合部、70,70B…連動機構、75…第3係合部材(徐変係合部)、75b…横板部(係合部)、81…第1係合段部、82…第2係合段部、83…第3係合段部、85…徐変機構、90…回動リンク(第2可動部材)、91…支軸、92…係止部、α,β…傾倒領域、P0…最大後傾位置、P1…後傾制限位置、R…移動軌跡、D,D1〜D4…挿入幅、θ1〜θ4…角度、Z…後方移動量、Z0…延伸長、M,M1〜M4…作動量、N…係脱位置、X…傾倒支点、L…直線。
Claims (11)
- スライドレール上に支持されたシートと一体に前後移動する第1可動部材と、
前記シートの前後移動に基づき前記第1可動部材が係脱する第1係合部材と、
前記シートのシートバックと一体に動作する第2係合部材と、
前記シートバックの傾倒に伴う前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退可能に設けられた第2可動部材と、
前記第1可動部材及び前記第2可動部材を連動させる連動機構と、を備え、
前記第2可動部材は、前記第2係合部材の移動軌跡内に進入することにより前記シートバックの後傾動作範囲を制限するとともに、
前記連動機構は、
前記第1係合部材に対して前記第1可動部材が第1係脱状態となる前記シートの後方移動領域においては、前記第2可動部材を前記第2係合部材の移動軌跡内に進入させ、
前記第1係合部材に対して前記第1可動部材が第2係脱状態となる前記シートの前方移動領域においては、前記第2可動部材を前記第2係合部材の移動軌跡から退出させる
車両用シート装置。 - スライドレール上に支持されたシートと一体に前後移動する第1可動部材と、
前記シートの前後移動に基づき前記第1可動部材が係脱する第1係合部材と、
前記シートのシートバックと一体に動作する第2係合部材と、
前記シートバックの傾倒に伴う前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退可能に設けられた第2可動部材と、
前記第1可動部材及び前記第2可動部材を連動させる連動機構と、を備え、
前記第2係合部材は、前記シートバックが前記第2係合部材の移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入により規定される制限範囲を超えた後傾状態にある場合には、前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入を阻止し、
前記連動機構は、前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入が阻止される場合には、前記第1可動部材の係脱姿勢を保持するとともに、
前記第1係合部材は、前記連動機構により前記第1可動部材の係脱姿勢が保持された状態にある場合には、前記第1係合部材と前記第1可動部材との間における係脱状態の変更を規制する車両用シート装置。 - 請求項1に記載の車両用シート装置において、
前記第2係合部材は、前記シートバックが前記第2係合部材の移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入により規定される制限範囲を超えた後傾状態にある場合には、
前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入を阻止し、
前記連動機構は、前記移動軌跡に対する前記第2可動部材の進入が阻止される場合には、前記第1可動部材の係脱姿勢を保持するとともに、
前記第1係合部材は、前記連動機構により前記第1可動部材の係脱姿勢が保持された状態にある場合には、前記第1係合部材と前記第1可動部材との間における係脱状態の変更を規制すること、を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の車両用シート装置において、
前記第1係合部材は、前記連動機構により前記係脱姿勢が保持された前記第1可動部材に係合することにより前記第1係合部材と前記第1可動部材との間における前記係脱状態の変更を伴う前記シートの後方移動を規制する規制係合部を備えること、
を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の車両用シート装置において、
前記第2係合部材の移動軌跡内に進入した前記第2可動部材を前記シートの後方側から支持する支持部を備えること、を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項5に記載の車両用シート装置において、
前記支持部は、前記第2係合部材に係合することにより前記シートバックの最大後傾位置を規定するストッパ部であること、を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の車両用シート装置において、
前記第2可動部材は、前記第1可動部材に連動して往復動作することにより一端に設けられた係止部が前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退するスライダであって、
前記スライダは、前記シートバックの傾倒支点を通過する直線上を往復動作するものであること、を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の車両用シート装置において、
前記連動機構は、
前記第1係合部材に対して前記第1可動部材が第1係脱状態となる後方移動領域に移動した前記シートの後方移動量の増加に応じて前記第2係合部材の移動軌跡内に進入する前記第2可動部材の作動量を増加させる徐変機構を備え、
前記第2可動部材は、前記第2係合部材の移動軌跡内に進入する前記作動量の増加に応じて前記シートバックの後傾動作範囲を狭めるように構成されること、
を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項8に記載の車両用シート装置において、
前記第2可動部材は、前記シートの後方側から支持された状態で前記第2係合部材の移動軌跡内に進入するとともに、該移動軌跡に進入する前記作動量の増加に応じて前記移動軌跡内に配置される部分の挿入幅が拡大するように構成されること、
を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項9に記載の車両用シート装置において、
前記第2可動部材は、前記第1可動部材に連動して往復動作することにより一端に設けられた係止部が前記第2係合部材の移動軌跡に対して進退するスライダであって、
前記係止部は、先端側に向かって先細りとなるように構成されること、
を特徴とする車両用シート装置。 - 請求項8〜請求項10の何れか一項に記載の車両用シート装置において、
前記徐変機構は、前記後方移動領域において前記第1可動部材に係合することにより、前記シートの後方移動量の増加に応じて第1可動部材の作動量を増加させる徐変係合部を備えること、を特徴とする車両用シート装置。
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