JP2017214020A - シート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの乗り心地確保及びフレーム強度確保を両立することができるシート装置を提供する。【解決手段】シート装置は、ウォークイン操作のときのみシートの倒し操作をシートスライド用のロック機構の解除に連動させる作動切替機構46を備える。作動切替機構46は、シート倒し操作時にバック側ストッパ52と接触可能な可動ストッパ51を備える。可動ストッパ51は、バック側ストッパ52の回動軌跡Rの内側に配置されている。肩口レバーが操作されたとき、可動ストッパ51が収納位置から、バック側ストッパ52の回動軌跡R上に飛びだす。これにより、可動ストッパ51がバック側ストッパ52により押されて回動することにより、可動片81が回されてスライド解除ケーブル86が引かれ、シートスライド用のロック機構が解除される。【選択図】図8

Description

本発明は、シートを作動させるシート装置に関する。
従来、シートを前倒し操作(荷室拡大操作)したりウォークイン操作したりすることができるシート装置が周知である(特許文献1〜3等参照)。この種のシート装置においては、ウォークイン操作用のレバーが操作されると飛び出す可動式のストッパを備えた作動切替機構が設けられ、ストッパ位置をそのままにするのか又は飛び出させるのかによって、シート倒し操作時のウォークイン機構の作動可否を切り替える。
特開2010−221837号公報 特開2009−6931号公報 特開2010−83343号公報
しかし、特許文献1〜3のどの文献も、作動切替機構がシートバック及びシートクッションを跨いだ構造となっている。このため、作動切替機構が着座位置に影響を及ぼし易く、乗り心地に支障を来す問題があった。また、特許文献1,3の構造の場合、シートのフレームに孔を開けるなどの構造をとる必要があり、フレーム強度が確保されない問題もあった。
本発明の目的は、シートの乗り心地確保及びフレーム強度確保を両立することができるシート装置を提供することにある。
前記問題点を解決するシート装置は、シートの第1操作部を操作しながらシートバックを軸回りに回動操作することによりシートクッション側に前倒れさせる第1操作状態と、前記シートの第2操作部を操作してウォークイン機構を介し前記シートをウォークイン作動させる第2操作状態をとらせることが可能な構成において、前記第1操作部が操作されたとき、前記ウォークイン機構を作動可能な可動ストッパを収納位置に引き込ませて、シートバック側に設けられたバック側ストッパと接触しないようにすることにより、前記シートバックが前倒しされても前記ウォークイン機構が作動しないようにし、前記第2操作部が操作されたとき、前記可動ストッパを前記バック側ストッパの回動軌跡上に飛び出させて、前記バック側ストッパを前記可動ストッパに接触可能とすることにより、前記シートバックの前倒しに連動して前記ウォークイン機構を作動させる作動切替機構を備え、前記可動ストッパは、前記バック側ストッパの回動軌跡の内側に配置されている。
本構成によれば、シートクッションのフレームに作動切替機構の部品群を集約して配置することが可能となるので、作動切替機構をシートの着座者から離れた箇所にまとめて配置することが可能となる。よって、シートの座り心地を確保することが可能となる。また、シートのフレーム部分に孔を開けるなどの構造も不要となるので、シートのフレーム強度も確保することが可能となる。
前記シート装置において、前記シートは、前記シートクッションのフレームをなすロアアームと、前記シートバックのフレームをなすアッパーアームとを備え、前記作動切替機構の部品群は、前記ロアアームの外壁面に配置されていることが好ましい。この構成によれば、シートクッションの着座箇所に作動切替機構が存在しないので、シートの乗り心地を確保するのに一層有利となる。
前記シート装置において、前記作動切替機構は、前記可動ストッパと、前記バック側ストッパと、前記第2操作部が操作されたとき、複数のリンク要素の動きを通じて、前記可動ストッパを前記バック側ストッパの回動軌跡上に飛び出させるリンク機構とを備えることが好ましい。この構成によれば、可動ストッパを作動させる構造にリンク機構を用いたので、簡素なメカ構成によって可動ストッパの所望の動きを実現することが可能となる。
前記シート装置において、前記リンク機構は、前記第2操作部が操作されたとき、前記可動ストッパを前記バック側ストッパの回動軌跡上に飛び出させるようにしながら、前記シートのリクライニングを作動させるレバー連結部を回動させることが好ましい。この構成によれば、第2操作部が操作されたとき、可動ストッパ及びリクライニングの両方を同時に作動させることが可能となる。
前記シート装置において、前記リンク機構は、前記第2操作部の操作によって作動されるケーブルと連結され、軸部回りに回動可能に設けられた第1リンク要素と、一端が第1連結部を介して前記可動ストッパに連結され、他端が第2連結部を介して前記第1リンク要素に連結された第2リンク要素と、前記レバー連結部及び前記第2連結部の間に架設された第3リンク要素とを備え、前記リンク機構は、前記第1連結部が前記第2リンク要素の長孔に挿通され、前記第2連結部が前記第3リンク要素の長孔に挿通された組付状態をとっていることが好ましい。この構成によれば、第2操作状態へのシート操作時、可動ストッパがバック側ストッパによって押されたときには、可動ストッパの動きを第2リンク要素の長孔によって逃がすことが可能となる。また、第1操作状態へのシート操作時、第1操作部が操作されたときには、レバー連結部と連動する第3リンク要素の動きを、第3リンク要素の長孔によって逃がすことが可能となる。
前記シート装置において、前記可動ストッパは、軸回りに回る回動式であることが好ましい。この構成によれば、可動ストッパの構成が簡素で済む。
本発明によれば、シートの乗り心地確保及びフレーム強度確保を両立することができる。
一実施形態のシート装置の外観図。 (a)は前倒し操作されたシートの状態図、(b)はウォークイン操作されたシートの状態図。 シート装置のレール構成図。 シート装置のロック機構の動きを示す断面図。 作動切替機構の斜視図。 作動切替機構の分解斜視図。 作動切替機構の正面図。 (a)は作動切替機構が通常状態をとるときの作動図、(b)は作動切替機構が荷室拡大の前倒れ操作されたときの作動図。 (a)はウォークイン操作において作動切替機構の可動ストッパがスタンバイ状態になったときの作動図、(b)はウォークイン操作時にシートが倒し操作されたときの作動図。 ウォークイン操作において倒し操作されたシートを元に戻すときの作動図。
以下、シート装置の一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示すように、シート装置1は、車内に搭載されたシート2と、車両フロア3に固定されたロアレール4と、シート2の裏面に取り付けられたアッパーレール5とを備える。ロアレール4及びアッパーレール5は、シート幅方向に並ぶように一対配置されるとともに、シート前後方向に延在するように設けられている。このように、シート2のレールは、ロアレール4及びアッパーレール5の組がレール幅方向に並ぶように一対設けられる。なお、本例の図においては、ロアレール4及びアッパーレール5の一対の組のうち、片方のみを図示する。
図2(a),(b)に示すように、シート2は、シート2のシートバック8が起き上がった通常状態(2点鎖線の状態)と、シート2の第1操作部9を操作しながらシートバック8を軸10回りに回動操作することによりシートクッション11側に前倒れさせる第1操作状態(図2(a)の状態)と、シート2の第2操作部12を操作してウォークイン機構13を介しシート2をウォークイン作動させる第2操作状態(図2(b)の状態)とをとる。
第1操作部9は、シートバック8及びシートクッション11の連結部分に設けられたヒンジ部レバー14である。第1操作状態は、シートバック8が最大限前倒れ操作(荷室拡大の前倒れ操作)されてシートクッション11と重なった位置状態をいう。第2操作部12は、シートバック8の上部に設けられた肩口レバー15である。第2操作状態は、シートバック8が所定のウォークイン角度に前倒れするとともに、シート2のスライド操作のロック機構16が解除されてシート2のスライド操作が可能な位置状態をいう。
図3に示すように、ロアレール4は、車両フロア3に配される底壁部19と、底壁部19の幅方向両端から上方に立設された一対の側壁部20と、各々の側壁部20の上端から下方に折り返されたフランジ部21とを備える。アッパーレール5は、下側が開口したレール本体22と、レール本体22の両端から上方に折り返されたフランジ部23とを備える。アッパーレール5は、レール本体22がロアレール4の一対のフランジ部21の間に通されるとともに、フランジ部23がフランジ部21の内側に通されるようにして、ロアレール4に相対移動可能に組み付けられる。
図3及び図4に示すように、ロアレール4及びアッパーレール5の間には、シート2のスライド操作、すなわちロアレール4に対するアッパーレール5のスライド移動を規制するロック機構16が設けられている。ロック機構16は、アッパーレール5に組み付けられてロアレール4に係止可能なロックレバー27を備える。ロックレバー27は、アッパーレール5のレール本体22の側壁22aに固定された一対の支持ブラケット28,29に、軸30回りに回動可能に取り付けられている。アッパーレール5のレール本体22において一対の側壁には、ロックレバー27のレバー本体31を通す透孔32,33が形成されている。また、ロックレバー27の先端に設けられた複数の爪部34は、アッパーレール5の壁面に設けられた挿通孔35からアッパーレール5の外側に引き出されている。ロックレバー27には、ロックレバー27をロック方向(図4の矢印A1方向)に付勢する付勢部材36が取り付けられている。アッパーレール5の幅方向両側には、スライド移動を案内する車輪37(図4参照)が設けられている。
ロアレール4には、ロックレバー27の爪部34が係止可能な複数のロック孔38が、レール軸方向に沿って等間隔に複数並び配置されている。ロックレバー27の爪部34は、アッパーレール5に設けられた挿通孔35を通じてロアレール4のロック孔38に係止され、先端がアッパーレール5に複数形成された透孔39に通される。よって、ロック機構16は、ロックレバー27の爪部34がロック孔38(透孔39含む)に係止したロック状態と、ロックレバー27の爪部34がロック孔38から離脱したアンロック状態との2状態をとる。
シート2は、ロック機構16を解除するときに操作する操作ハンドル42を備える。操作ハンドル42には、ロックレバー27に至るロック解除部43が設定されている。これにより、操作ハンドル42が上方に操作(引き上げ操作)されると、操作ハンドル42のロック解除部43がロックレバー27の入力部44を押し、ロックレバー27がアンロック方向(図4の矢印A2方向)に回動する。すなわち、操作ハンドル42の操作を通じてロック機構16がロック状態からアンロック状態に解除され、シート2のスライド操作が可能にされる。
図5〜図7に示すように、シート装置1は、シート2(シートバック8)の倒し操作(荷室拡大の前倒れ操作、ウォークイン操作)の際、ウォークイン操作のときのみシート2の倒し操作をロック機構16の解除に連動させる機構(作動切替機構46)を備える。本例の作動切替機構46は、シート2の着座者との間の距離を稼いで乗り心地を確保するとともに、シート2のフレーム強度を低下させずに搭載可能とすることを実現するものである。
シート装置1は、シートクッション11のフレームをなすロアアーム47と、シートバック8のフレームをなすアッパーアーム48とを備える。ロアアーム47及びアッパーアーム48は、それぞれシート幅方向(図5のY軸方向)に並ぶように一対ずつ(図5〜図7は片側の組のみ図示)設けられ、アッパーアーム48がロアアーム47に対して軸心L1回り(図6参照)に回動可能に取り付けられている。本例の場合、シート幅方向の外側にロアアーム47が配置され、シート幅方向の内側にアッパーアーム48が配置されている。なお、本例の場合は、ロアアーム47及びアッパーアーム48の組を片側のみ図示する。
作動切替機構46は、ロアアーム47側に設けられた可動ストッパ51と、アッパーアーム48側に設けられたバック側ストッパ52と、複数のリンク要素からなるリンク機構53とを備える。可動ストッパ51は、ロアアーム47の外壁面54に取り付け固定された支持台55に、軸部56回り(図6の矢印B方向)に回動可能に組み付けられている。このように、本例の可動ストッパ51は、軸回りに回る回動式となっている。可動ストッパ51及び支持台55の間には、可動ストッパ51を軸部56回りにおいて解除方向(図6の矢印B1方向)に付勢する付勢部材57が設けられている。
バック側ストッパ52は、本体部分をなすストッパ本体60と、シートバック8の倒れ位置調整時の回動方向に沿って延びる突起61とを備える。バック側ストッパ52は、ストッパ本体60で可動ストッパ51を軸部56回りにおいて作動方向(図6の矢印B2方向)に回動するように押し込む。突起61は、可動ストッパ51の側壁面に形成された案内用のピン62と接触可能となっている。可動ストッパ51は、可動ストッパ51の突片63が支持台55に接触するまで作動方向(図6の矢印B2方向)に回動可能となっている。
リンク機構53は、リンク要素としての第1リンク要素66、第2リンク要素67及び第3リンク要素68を備える。第1リンク要素66は、第2操作部12の操作によって作動されるケーブル(肩口レバーケーブル69)と連結され、軸部70回り(図6の矢印C方向)に回動可能にロアアーム47に取り付けられている。第2リンク要素67は、一端が第1連結部71を介して可動ストッパ51に連結され、他端が第2連結部72を介して第1リンク要素66に連結されている。第3リンク要素68は、シート2のリクライニング73を作動させるレバー連結部74と第2連結部72との間に架設されている。すなわち、第3リンク要素68は、一端がレバー連結部74に第3連結部75を介して連結され、他端が第2連結部72に連結されている。リンク機構53は、第1連結部71が第2リンク要素67の長孔76に挿通され、第2連結部72が第3リンク要素68の長孔77に挿通された組付状態をとっている。第1リンク要素66には、第1リンク要素66を軸部70回りにおいて戻り方向(図6の矢印C2方向)に付勢する付勢部材78が取り付けられている。
作動切替機構46は、可動ストッパ51を通じてウォークイン機構13を作動させる可動片81を備える。可動片81は、軸部82回り(図6の矢印D方向)に回動可能となるように軸部82を介してロアアーム47の外壁面54に取り付けられている。可動片81には、可動ストッパ51の下部に設けられた押込ピン83が接触可能な突部84が設けられている。可動片81には、可動片81を戻り方向(図6の矢印D2方向)に付勢する付勢部材85が取り付けられている。
ウォークイン機構13は、本例の場合、ロック機構16のロックレバー27を解除側に作動させるときの入力となるスライド解除ケーブル86となっている。スライド解除ケーブル86は、ロアアーム47の外壁面54に固定されたブラケット87に取り付けられている。スライド解除ケーブル86が引き操作されたとき、ロックレバー27がアンロック方向に回され、ロック機構16が解除される。また、可動片81は、可動片81の突部88がブラケット87の支持片89に接触することにより、初期の位置決めがなされている。
図8(a),(b)に示すように、可動ストッパ51は、バック側ストッパ52の回動軌跡Rの内側に配置されている。作動切替機構46は、第1操作部9が操作されたとき、可動ストッパ51を回動軌跡R内の収納位置に引き込ませてバック側ストッパ52と接触しないようにすることにより、シートバック8が前倒しされてもウォークイン機構13が作動しないようにする。作動切替機構46は、第2操作部12が操作されたとき、可動ストッパ51をバック側ストッパ52の回動軌跡R上に飛び出させて、バック側ストッパ52を可動ストッパ51に接触可能とすることにより、シートバック8の前倒しに連動してウォークイン機構13を作動させる。
次に、図8〜図10を用いて、シート装置1(作動切替機構46)の作用及び効果を説明する。
図8(a)に示すように、シート2が通常状態をとっているとき、肩口レバーケーブル69が引かれておらず、可動ストッパ51は収納位置をとっている。このとき、可動片81は、付勢部材85の付勢力により軸部82回りにおいて戻り方向(図8(a)の矢印D2方向)に最大量回った非作動位置をとり、スライド解除ケーブル86を引いていない。すなわち、ロック機構16がロック状態をとり、シート2のスライド位置が固定されている。
図8(b)に示すように、通常状態のシート2において、ヒンジ部レバー14が操作されると、レバー連結部74が軸心L1回りにおいて作動方向(図8(b)の矢印E1方向)に回動してリクライニング73が作動可能となり、シートバック8がシートクッション11側に大きく倒れ込んだ第1操作状態(前倒れ状態)に操作可能となる。このとき、レバー連結部74とともに第3リンク要素68が作動方向(図8(b)の矢印F1方向)に動くが、第2連結部72が長孔77に沿って摺動することにより、第3リンク要素68の動きが逃がされ、可動ストッパ51が収納位置のまま維持される。すなわち、ヒンジ部レバー14が操作されてレバー連結部74が回動しても、これが可動ストッパ51に影響しない。
図9(a)に示すように、通常状態のシート2において、肩口レバー15が操作されると、肩口レバー15の操作により肩口レバーケーブル69が引かれ、第1リンク要素66が付勢部材78の付勢力に抗して軸部70回りにおいて作動方向(図9(a)の矢印C1方向)に回動する。これにより、第2リンク要素67が引き方向(図9(a)の矢印G1方向)に動き、可動ストッパ51が付勢部材57の付勢力に抗して軸部56回りにおいて作動方向(図9(a)の矢印B2方向)に回動する。よって、可動ストッパ51は、これまでの収納位置から、バック側ストッパ52の回動軌跡R上に飛び出した干渉位置をとる。すなわち、可動ストッパ51は、バック側ストッパ52によって押されるのを待つスタンバイ状態に入る。
また、第1リンク要素66が作動方向(図9(a)の矢印C1方向)に回動したとき、第2リンク要素67の第2連結部72が第3リンク要素68の長孔77の端縁を引き込み、第3リンク要素68が作動方向(図9(a)の矢印F1方向)に動く。これにより、レバー連結部74が作動方向(図9(a)の矢印E1方向)に回動してリクライニング73を倒れ側に操作可能にする。
図9(b)に示すように、可動ストッパ51がスタンバイ状態のとき、シートバック8が倒し操作されると、バック側ストッパ52(ストッパ本体60)が可動ストッパ51に接触し、可動ストッパ51が軸部56回りにおいて作動方向(図9(b)の矢印B2方向)に更に回動する。これにより、可動ストッパ51の下部の押込ピン83が可動片81の突部84を押し、可動片81が軸部82回りにおいて作動方向(図9(b)の矢印D1方向)に回動する。このため、可動片81が軸部82回りにおいて作動側に最大量回った解除位置をとり、可動片81に連結されたスライド解除ケーブル86が引かれ、ロック機構16が解除される。すなわち、シート2のウォークイン操作が可能となり、シートバック8を所定量倒しながらのシート2のスライド操作が可能となる。
図10に示すように、ウォークイン作動時、肩口レバー15から手が離されて肩口レバー15が操作されなくなると、肩口レバーケーブル69の引きが戻される。これにより、第1リンク要素66が付勢部材78の付勢力により軸部70回りにおいて戻り方向(図10の矢印C2方向)に回動し、第2リンク要素67の引きが戻される。このため、可動ストッパ51は、付勢部材57の付勢力により軸部56回りにおいて戻り方向(図10の矢印B1方向)に回動し、レバー連結部74が軸心L1回りにおいて戻り方向(図10の矢印E2方向)に回動して初期の位置に戻る間に、バック側ストッパ52を起き上がらせる。よって、シート2が元の初期状態に戻る。
さて、本例の作動切替機構46の場合、シートクッション11のフレーム(本例はロアアーム47)に作動切替機構46の部品群を集約して配置することが可能となるので、作動切替機構46をシート2の着座者から離れた箇所にまとめて配置することが可能となる。よって、シート2の座り心地を確保することができる。また、シート2のフレーム部分(例えばロアアーム47)に孔を開けるなどの構造も不要となるので、シート2のフレーム強度を確保することもできる。
作動切替機構46の部品群は、ロアアーム47の外壁面54に配置されている。これにより、シートクッション11の着座箇所に作動切替機構46が存在しないので、シート2の乗り心地を確保するのに一層有利となる。
リンク機構53は、第2操作部12が操作されたとき、複数のリンク要素の動きを通じて、可動ストッパ51をバック側ストッパ52の回動軌跡R上に飛び出させる。このように、可動ストッパ51を作動させる構造にリンク機構53を用いたので、簡素なメカ構成によって可動ストッパ51の所望の動きを実現することができる。
リンク機構53は、第2操作部12が操作されたとき、可動ストッパ51をバック側ストッパ52の回動軌跡R上に飛び出させるようにしながら、シート2のリクライニング73用のレバー連結部74を回動させる。これにより、第2操作部12が操作されたとき、可動ストッパ51及びリクライニング73の両方を同時に作動させることができる。
リンク機構53は、第1連結部71が第2リンク要素67の長孔76に挿通され、第2連結部72が第3リンク要素68の長孔77に挿通された組付状態をとっている。これにより、第2操作状態へのシート操作時、可動ストッパ51がバック側ストッパ52によって押されたときには、可動ストッパ51の動きを第2リンク要素67の長孔76によって逃がすことができる。また、第1操作状態へのシート操作時、第1操作部9が操作されたときには、レバー連結部74と連動する第3リンク要素68の動きを、第3リンク要素68の長孔77によって逃がすことができる。
可動ストッパ51は、軸回りに回る回動式となっている。よって、可動ストッパ51の構成が簡素で済む。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第1操作部9は、シート2を前倒れ操作することができる部材であればよい。
・第2操作部12は、シート2をウォークイン操作できる部材であればよい。
・可動ストッパ51は、回動式に限らず、例えばスライド移動式などの他の動きをとる構造に変更可能である。
・可動ストッパ51が直にスライド解除ケーブル86に連結されていてもよい。
・リンク機構53は、3つのリンク要素(第1リンク要素66、第2リンク要素67及び第3リンク要素68)からなる構造に限定されず、第2操作部12に連動して可動ストッパ51を作動させられる構造であればよい。
・作動切替機構46の部品群は、例えばロアアーム47の内側に配置してもよい。
・作動切替機構46は、実施形態に述べた以外の構造を適用してもよい。
・シート装置1は、車両に適用されることに限らず、車両以外のものに適用されてもよい。
1…シート装置、2…シート、8…シートバック、9…第1操作部、11…シートクッション、12…第2操作部、13…ウォークイン機構、14…第1操作部の一例であるヒンジ部レバー、15…第2操作部の一例である肩口レバー、46…作動切替機構、47…ロアアーム、48…アッパーアーム、51…可動ストッパ、52…バック側ストッパ、53…リンク機構、54…ロアアームの外壁面、66…第1リンク要素、67…第2リンク要素、68…第3リンク要素、69…ケーブル(肩口レバーケーブル)、70…第1リンク要素の軸部、71…第1連結部、72…第2連結部、73…リクライニング、74…レバー連結部、76…第2リンク要素の長孔、77…第3リンク要素の長孔、86…ウォークイン機構の一例であるスライド解除ケーブル、L1…シートバックの回動の軸、R…回動軌跡。

Claims (6)

  1. シートの第1操作部を操作しながらシートバックを軸回りに回動操作することによりシートクッション側に前倒れさせる第1操作状態と、前記シートの第2操作部を操作してウォークイン機構を介し前記シートをウォークイン作動させる第2操作状態をとらせることが可能なシート装置において、
    前記第1操作部が操作されたとき、前記ウォークイン機構を作動可能な可動ストッパを収納位置に引き込ませて、シートバック側に設けられたバック側ストッパと接触しないようにすることにより、前記シートバックが前倒しされても前記ウォークイン機構が作動しないようにし、前記第2操作部が操作されたとき、前記可動ストッパを前記バック側ストッパの回動軌跡上に飛び出させて、前記バック側ストッパを前記可動ストッパに接触可能とすることにより、前記シートバックの前倒しに連動して前記ウォークイン機構を作動させる作動切替機構を備え、
    前記可動ストッパは、前記バック側ストッパの回動軌跡の内側に配置されている
    ことを特徴とするシート装置。
  2. 前記シートは、前記シートクッションのフレームをなすロアアームと、前記シートバックのフレームをなすアッパーアームとを備え、
    前記作動切替機構の部品群は、前記ロアアームの外壁面に配置されている
    請求項1に記載のシート装置。
  3. 前記作動切替機構は、
    前記可動ストッパと、
    前記バック側ストッパと、
    前記第2操作部が操作されたとき、複数のリンク要素の動きを通じて、前記可動ストッパを前記バック側ストッパの回動軌跡上に飛び出させるリンク機構と
    を備える請求項1又は2に記載のシート装置。
  4. 前記リンク機構は、前記第2操作部が操作されたとき、前記可動ストッパを前記バック側ストッパの回動軌跡上に飛び出させるようにしながら、前記シートのリクライニングを作動させるレバー連結部を回動させる
    請求項3に記載のシート装置。
  5. 前記リンク機構は、
    前記第2操作部の操作によって作動されるケーブルと連結され、軸部回りに回動可能に設けられた第1リンク要素と、
    一端が第1連結部を介して前記可動ストッパに連結され、他端が第2連結部を介して前記第1リンク要素に連結された第2リンク要素と、
    前記レバー連結部及び前記第2連結部の間に架設された第3リンク要素とを備え、
    前記リンク機構は、前記第1連結部が前記第2リンク要素の長孔に挿通され、前記第2連結部が前記第3リンク要素の長孔に挿通された組付状態をとっている
    請求項4に記載のシート装置。
  6. 前記可動ストッパは、軸回りに回る回動式である
    請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のシート装置。
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