JP2016190412A - 金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 - Google Patents

金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 Download PDF

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和樹 木村
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正毅 三隅
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洋樹 江端
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Goro Inoue
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Abstract

【課題】金属部材にポリアミド系樹脂部材が強固に接合・固着した、金属と樹脂の複合構造体を提供すること。
【解決手段】本発明の金属/樹脂複合構造体106は、芳香族ポリアミド樹脂(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)、または該樹脂組成物(A)100質量部に対して無機フィラー(F)を0質量部超過100質量部以下含んでなるフィラー含有樹脂組成物(B)が、微細凹凸表面を有する金属部材(M)103の上記微細凹凸表面に固着した接合面を有する複合構造体である。そして、芳香族ポリアミド樹脂(a)が、ジアミン単位として炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンに由来するジアミン単位を10モル%以上含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法に関する。
樹脂部材と金属部材を接合する技術は、例えば、自動車、家庭電化製品、産業機器等に使われる部品の製造等広い分野において求められている。
近年、樹脂部材と金属部材を接合する技術として、樹脂材料を金属部材に射出成形することにより、樹脂部材と金属部材を接合する方法、いわゆる「射出接合法」が提案されている。
射出接合法では、例えば、表面に微細な凹凸が形成された金属部材に、その金属部材と親和性を有する極性基を持つエンジニアリングプラスチックを射出成形することにより、樹脂材料と金属部材とを接合する。この射出接合法は、大成プラス社の成富らにより精力的に研究がなされ、その技術は多くの特許文献に開示されている(例えば、特許文献1〜5等)。
成富らは、アルミニウム合金に対し、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下「PBT」という。)、またはポリフェニレンスルフィド樹脂(以下「PPS」という。)を射出接合させる技術を開示している(例えば、特許文献1参照)。また、金属表面処理法の技術をさらに進展させることによって、ポリアミド樹脂もアルミニウム合金に射出成形する方法も開示されている(特許文献6〜7)。
特開2004−216425号公報 国際公開第2004/055248号パンフレット 特開2009−6721号公報 特開2010−64496号公報 国際公開第2003/064150号パンフレット 特開2006−315398号公報 特開2007−182071号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献6〜7に開示されているような方法で得られた、ポリアミド系樹脂部材と金属部材との複合構造体の接合強度はまだまだ十分に満足するものではないことが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、金属部材にポリアミド系樹脂部材が強固に接合・固着した、金属と樹脂の複合構造体を提供するものである。
本発明者らは、ポリアミド系樹脂部材と金属部材との接合強度に優れた金属/樹脂複合構造体を得るために、ポリアミド系樹脂部材の構造と接合強度との関係を検討した。その結果、特定のジアミン単位を含むポリアミド系樹脂部材を用いることにより、ポリアミド系樹脂部材と金属部材との接合強度に優れた金属/樹脂複合構造体が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、以下に示す金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法が提供される。
[1]
芳香族ポリアミド樹脂(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)、または該樹脂組成物(A)100質量部に対して無機フィラー(F)を0質量部超過100質量部以下含んでなるフィラー含有樹脂組成物(B)が、微細凹凸表面を有する金属部材(M)の上記微細凹凸表面に固着した接合面を有する複合構造体であって、
上記芳香族ポリアミド樹脂(a)が、ジアミン単位として炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンに由来するジアミン単位を10モル%以上含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[2]
上記[1]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンが、2−メチルペンタメチレンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンから選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[3]
上記[1]または[2]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記樹脂組成物(A)が、上記樹脂組成物(A)に含まれる上記芳香族ポリアミド樹脂(a)と変性ポリオレフィン樹脂(b)との合計を100質量部としたとき、上記芳香族ポリアミド樹脂(a)を70質量部以上100質量部以下と、上記変性ポリオレフィン樹脂(b)を0質量部以上30質量部以下含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[4]
上記[1]乃至[3]いずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)が、鉄、高張力鋼、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[5]
上記[1]乃至[4]いずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面には、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立していることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[6]
上記[5]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測されることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[7]
上記[5]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測されず、かつ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が0.5μm以上500μm以下の凸部が林立した微細凹凸構造が形成されていることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[8]
上記[7]に記載の金属/樹脂複合構造体において、
上記金属部材(M)の上記微細凹凸表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たす金属/樹脂複合構造体。
(1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む。
(2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える。
[9]
上記[1]乃至[8]いずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
金属部材(M)の表面に間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部を有する微細凹凸表面を形成させる工程と、
上記微細凹凸表面が形成された上記金属部材(M)を射出成形金型にインサートするインサート工程と、
インサートされた上記金属部材(M)の表面に、芳香族ポリアミド樹脂(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)、または該樹脂組成物(A)100質量部に対して無機フィラー(F)を0質量部超過100質量部以下含んでなるフィラー含有樹脂組成物(B)を射出し、当該射出されたポリアミド系樹脂組成物が上記微細凹凸構造の微細凹凸に侵入した後に固化することによって上記金属部材(M)の表面に当該ポリアミド系樹脂組成物の成形品が接合される接合工程と、
を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体の製造方法。
本発明によれば、金属部材にポリアミド系樹脂部材が強固に接合・固着した、金属と樹脂の複合構造体を提供することができる。
本実施形態の金属/樹脂複合構造体の構造の一例を模式的に示した外観図である。 本実施形態に係る金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部の測定箇所を説明するための模式図である。 本実施形態に係る金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部の測定箇所を説明するための模式図である。 本実施形態の金属/樹脂複合構造体を作製するための金型の一例を模式的に示した外観図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、文中の数字の間にある「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
図1は、本実施形態の金属/樹脂複合構造体106の構造の一例を示す外観図である。
本実施形態の金属/樹脂複合構造体106は、芳香族ポリアミド樹脂(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)、または該樹脂組成物(A)100質量部に対して無機フィラー(F)を0質量部超過100質量部以下含んでなるフィラー含有樹脂組成物(B)(以下の説明では、樹脂組成物(A)および(B)を総称して樹脂部材105、ポリアミド系樹脂組成物あるいはポリアミド系樹脂部材と呼ぶ場合がある)が、微細凹凸表面を有する金属部材(M)103の表面に固着した接合面を有する複合構造体である。そして、芳香族ポリアミド樹脂(a)が、ジアミン単位として炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンに由来するジアミン単位を10モル%以上含むことを特徴とする。
以下、樹脂組成物(A)およびフィラー含有樹脂組成物(B)、微細凹凸表面を有する金属部材(M)、並びに金属/樹脂複合構造体の製造方法の順に説明する。
1.樹脂組成物(A)およびフィラー含有樹脂組成物(B)
樹脂組成物(A)は芳香族ポリアミド樹脂(a)を主成分として含む。なお、本実施形態において「主成分」とは50質量%を超える構成成分として定義される。樹脂組成物(A)に占める芳香族ポリアミド樹脂(a)は好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量以上である。樹脂組成物(A)に占める芳香族ポリアミド樹脂(a)の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%以下である。
また、本実施形態に係る芳香族ポリアミド樹脂(a)とは、芳香族系モノマー成分を少なくとも1成分含む芳香族ポリアミド樹脂、換言すれば繰り返し単位として芳香族構造を有するポリアミド(ただし、全芳香族ポリアミド樹脂を除く)として定義される。本実施形態では、このような芳香族ポリアミド樹脂の中でも、炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンを含む脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸を原料とする重縮合によって得られる芳香族ポリアミド樹脂(a)を含む樹脂組成物(A)またはフィラー含有樹脂組成物(B)であり、該芳香族ポリアミド樹脂(a)が、ジアミン単位として炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンに由来するジアミン単位を10モル%以上含むことを特徴としている。炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンに由来するジアミン単位の上限値は特に限定されないが、例えば80モル%以下である。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、および5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の無置換または種々の置換基で置換された炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。種々の置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、クロロ基およびブロモ基等のハロゲン基、炭素数3〜10のアルキルシリル基、並びにスルホン酸基およびナトリウム塩等のその塩である基等が挙げられる。
芳香族ポリアミド樹脂(a)を構成するジカルボン酸としては本発明の効果が損なわれない範囲において、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、およびジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸を含有させることができる。ジカルボン酸全体に占める脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸量は通常20モル%未満、好ましくは10モル%以下である。
脂肪族ジアミンは、炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミン、すなわち主鎖から分岐した置換基を持つ合計炭素数が5〜20個であるジアミンを含む脂肪族ジアミンである。主鎖から分岐した置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、およびtert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。主鎖から分岐した置換基を持つジアミンとしては、例えば、2−メチルペンタメチレンジアミン(2−メチル−1,5−ジアミノペンタンとも記される。)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、および2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン等の炭素数5〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
主鎖から分岐した置換基を持つ脂肪族ジアミンとしては、剛性等の性能面の観点、あるいは入手容易性の観点から、2−メチルペンタメチレンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンとしては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る芳香族ポリアミド樹脂(a)を構成するジアミンは、通常、炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミン以外の脂肪族ジアミンを含んでもよい。このような脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン(1,6−ヘキサンジアミン)、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン(1,9−ノナンジアミン)、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、およびトリデカメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
本実施形態に係る芳香族ポリアミド樹脂(a)を構成するアミンは、本発明の効果が損なわれない限り、その他のアミンを含有させることができる。このようなアミンとしては、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、および1,3−シクロペンタンジアミン等の脂環族ジアミン;メタキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン;ビスヘキサメチレントリアミン等の3価以上の多価アミンである。本実施形態に係る芳香族ポリアミド樹脂(a)を構成するアミン全体に占める脂肪族ジアミン以外のその他のアミン量は通常20モル%未満、好ましくは10モル%以下である。
本実施形態に係る芳香族ポリアミド樹脂(a)としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルオクタメチレンテレフタルアミド)コポリマー、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルオクタメチレンテレフタルアミド)コポリマーおよびこれらの混合物ないし共重合樹脂等が挙げられる。
樹脂組成物(A)は、耐衝撃性を改良する観点から、芳香族ポリアミド樹脂(a)以外の成分として、変性ポリオレフィン樹脂(b)を含むのが好ましい。樹脂組成物(A)に占める変性ポリオレフィン樹脂(b)は好ましくは40質量%未満、より好ましくは30質量%未満である。
また、樹脂組成物(A)が、耐衝撃性を改良する観点から、樹脂組成物(A)に含まれる芳香族ポリアミド樹脂(a)と変性ポリオレフィン樹脂(b)との合計を100質量部としたとき、芳香族ポリアミド樹脂(a)を70質量部以上100質量部以下と変性ポリオレフィン樹脂(b)を0質量部以上30質量部以下含むことが好ましく、芳香族ポリアミド樹脂(a)を70質量部以上99質量部以下と変性ポリオレフィン樹脂(b)を1質量部以上30質量部以下含むことがより好ましく、芳香族ポリアミド樹脂(a)を70質量部以上97質量部以下と変性ポリオレフィン樹脂(b)を3質量部以上30質量部以下含むことがさらに好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂(b)としては、ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン系共重合体、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル部分鹸化物系共重合体等のポリオレフィン樹脂に対して、不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト重合させた重合体等を挙げることができる。
エチレン・α−オレフィン系共重合体とは、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンを共重合した重合体であり、炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、4−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1等が挙げられ、好ましくはプロピレン、1−ブテンが挙げられる。
エチレン・α,β−不飽和カルボン酸エステル系共重合体とは、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステル単量体を共重合した重合体であり、α,β−不飽和カルボン酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。これらの中では、安価で入手でき、かつ熱安定性に優れている点から、エチレン・アクリル酸エチル共重合体やエチレン・メタクリル酸メチル共重合体が好ましい。
エチレン・酢酸ビニル部分鹸化物系共重合体とは、エチレン・酢酸ビニル共重合体を部分鹸化した化合物である。エチレン・酢酸ビニル共重合体を公知の鹸化法、例えば、メタノール、エタノール等の低沸点アルコールと水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等のアルカリからなる系で処理する方法で鹸化することで、エチレン・酢酸ビニル部分鹸化物系共重合体を得ることができる。
グラフト重合させる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸等の不飽和カルボン酸またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。誘導体の具体例としては、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその無水物が好ましく、特にマレイン酸、イタコン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好ましく、無水マレイン酸が入手容易性、経済性の視点から特に好ましく用いられる。
変性ポリオレフィン樹脂(b)の酸変性量は特に制限されないが、接着性向上の観点から、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜3質量部である。
また、変性ポリオレフィン樹脂(b)は、公知の製造方法、例えば、未変性ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とを溶融状態で反応させる方法、溶液状態で反応させる方法、スラリー状態で反応させる方法、気相状態で反応させる方法等により製造することができる。
本実施形態に係るフィラー含有樹脂組成物(B)は、上記樹脂組成物(A)100質量部に対して無機フィラー(F)を0質量部超過100質量部以下含んでなり、好ましくは1質量部以上70質量部以下含んでなる。無機フィラー(F)は、金属部材(M)103と樹脂部材105の線膨張率差の調整、樹脂部材105の機械的強度、あるいは接着強度に及ぼすヒートサイクル特性の向上等を目的として添加される。無機フィラー(F)としては繊維状充填剤、粒状充填剤、板状充填剤等の充填剤を挙げることができる。該繊維状充填剤としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。ガラス繊維の具体的な例示としては、平均繊維径が6〜14μmのチョップドストランド等が挙げられる。また、該板状、粒状充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク、ガラスバルーン、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、ガラス繊維、炭素繊維やアラミド繊維の粉砕物等が挙げられる。
2.微細凹凸表面を有する金属部材(M)
以下、本実施形態に係る金属部材(M)103について説明する。
金属部材(M)103を構成する金属材料は特に限定されないが、例えば、鉄、高張力鋼、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、軽量かつ高強度の点から、アルミニウム(アルミニウム単体)およびアルミニウム合金が好ましく、アルミニウム合金がより好ましい。また、高強度の観点から、鉄および高張力鋼が好ましい。
アルミニウム合金としては、JIS H4000に規定された合金番号1050、1100、2014、2024、3003、5052、6061、6063、7075等が好ましく用いられる。
金属部材(M)103の形状は、樹脂部材105と接合できる形状であれば特に限定されず、例えば、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができる。また、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。
また、樹脂部材105と接合する接合部表面104の形状は、特に限定されないが、平面、曲面等が挙げられる。
金属部材(M)103は、金属材料を切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研磨、放電加工等の除肉加工によって上述した所定の形状に加工された後に、後述する粗化処理がなされたものが好ましい。要するに、種々の加工法により、必要な形状に加工されたものを用いることが好ましい。
必要な形状に加工された金属部材(M)103は、長期間の自然放置で表面に酸化皮膜である錆の存在が明らかなものは研磨、化学処理等でこれを取り除くことが好ましい。
本実施形態に係る金属部材(M)103は、少なくとも樹脂部材105と接する部位(接合部表面104とも呼ぶ。)に、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸表面が形成されていることが好ましい。
これにより、本実施形態に係るポリアミド系の樹脂部材105が、金属部材(M)103表面の上記微細凹凸に入り込むため、金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度を向上させることができる。凸部の間隔周期が上記下限値以上であると、上記微細凹凸表面の凹部に樹脂部材105が十分に進入することができ、その結果、金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度を向上させることができる。また、凸部の間隔周期が上記上限値以下であると、得られる金属/樹脂複合構造体106の金属―樹脂界面に隙間が生じるのを抑制できる。その結果、金属―樹脂界面の隙間から水分等の不純物が浸入することを抑制できるため、金属/樹脂複合構造体106を高温、高湿下で用いた際、強度が低下することを抑制できる。
上記微細凹凸表面の間隔周期は凸部から隣接する凸部までの距離の平均値であり、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真、あるいは表面粗さ測定装置から求めることができる。
具体的には、間隔周期が500nm未満の超微細な凹凸構造については電子顕微鏡により測定することが可能であり、間隔周期が500nmを超える微細凹凸構造についてはレーザー顕微鏡または表面粗さ測定装置を用いることによって求めるがこの限りではない。なお、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から間隔周期を求める場合は、具体的には、金属部材(M)103の表面110を撮影する。その写真から、任意の凸部を50個選択し、それらの凸部から隣接する凸部までの距離をそれぞれ測定する。凸部から隣接する凸部までの距離の全てを積算して50で除したものを間隔周期とする。
本実施形態においては、金属部材(M)103の微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測される表面処理金属部材(m1)、または金属部材(M)103の微細凹凸表面に間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測されず、かつ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が0.5μm以上500μm以下の凸部が林立した微細凹凸構造が形成されている表面処理金属部材(m2)を用いることが接合強度発現の点から好ましい。どちらを選択するかは、当業者が有する金属表面処理装置によって任意に決定されるが、接合強度の視点からは後者の表面処理金属部材(m2)が好んで用いられる。
上記間隔周期を有する微細凹凸表面を形成する方法としては、特許第4020957号に開示されているようなレーザー加工を用いる方法、NaOH等の無機塩基水溶液および/またはHCl、HNO等の無機酸水溶液に金属部材を浸漬する方法、特許第4541153号に開示されているような陽極酸化法により金属部材を処理する方法、特開2001−348684号に開示されているような、無機酸、第二鉄イオン、第二銅イオンおよびマンガンイオンを含む水溶液によってエッチングする置換晶析法、国際公開第2009/31632号パンフレットに開示されているような、水和ヒドラジン、アンモニア、および水溶性アミン化合物から選ばれる1種以上の水溶液に金属部材を浸漬する方法(以下、NMT法と呼ぶ場合がある)等が挙げられる。これらの方法は、使用する金属部材(M)103の金属種類や、上記間隔周期の範囲内において形成する凹凸形状によって上記エッチング方法を任意に使い分けることが可能であるが、金属部材(M)103とポリアミド系の樹脂部材105との接合強度の視点から、本実施形態では、NMT法による表面処理金属部材(m1)または置換晶析法による表面処理金属部材(m2)が本実施形態の複合体の接合部の金属部材として好ましく、さらに置換晶析法による表面処理金属部材(m2)がより好ましい。
以下、置換晶析法を用いた表面処理金属部材(m2)について説明する。
本実施形態に係る金属部材(M)103は、金属部材(M)103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たすことが好ましい。このような要件を満たす表面形状を有する金属部材(M)103は、上記した置換晶析法によって得られ、その詳細な方法については後述する。
(1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む。
(2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える。
図2は、金属部材(M)103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部を説明するための模式図である。
上記6直線部は、例えば、図2に示すような6直線部B1〜B6を選択することができる。まず、基準線として、金属部材(M)103の接合部表面104の中心部Aを通る中心線B1を選択する。次いで、中心線B1と平行関係にある直線B2およびB3を選択する。次いで、中心線B1と直交する中心線B4を選択し、中心線B1と直交し、中心線B4と並行関係にある直線B5およびB6を選択する。ここで、各直線間の垂直距離D1〜D4は、例えば、2〜5mmである。
なお、通常、金属部材(M)103の表面110中の接合部表面104だけでなく、金属部材(M)103の表面110全体に対し、表面粗化処理が施されているため、例えば、図3に示すように、金属部材(M)103の接合部表面104と同一面で、接合部表面104以外の箇所から6直線部を選択してもよい。
上記要件(1)および(2)を同時に満たすと、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106が得られる理由は必ずしも明らかではないが、金属部材(M)103の接合部表面104が、金属部材(M)103と樹脂部材105との間のアンカー効果が効果的に発現し、強く結合できる構造になっているためと考えられる。
本発明者らは、金属部材と、樹脂部材との接合強度を向上させるために、金属部材の表面の十点平均粗さ(Rz)を調整することを検討した。
しかし、金属部材の表面の十点平均粗さ(Rz)を単に調整するだけでは金属部材と樹脂部材との接合強度を十分に向上させることができないことが明らかとなった。
ここで、本発明者らは、負荷長さ率という尺度が金属部材表面の凹凸形状の鋭利性を表す指標として有効であると考えた。負荷長さ率が小さい場合は、金属部材表面の凹凸形状の鋭利性が大きいことを意味し、負荷長さ率が大きい場合は、金属部材表面の凹凸形状の鋭利性が小さいことを意味する。
そこで、本発明者らは、金属部材と、樹脂部材との接合強度を向上させるための設計指針として、金属部材表面の粗さ曲線の負荷長さ率という尺度に注目し、さらに鋭意検討を重ねた。その結果、金属部材表面の負荷長さ率を特定値以下に調整することにより、金属部材(M)103と樹脂部材105との間にアンカー効果がより効果的に発現し、その結果、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106が実現できることを見出した。
金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材(M)103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1A)〜(1C)のうち1つ以上の要件をさらに満たすことが好ましく、要件(1C)を満たすことがとりわけ好ましい。
(1A)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を好ましくは2直線部以上、より好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
(1B)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が20%以下である直線部を好ましくは1直線部以上、より好ましくは2直線部以上、さらに好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
(1C)切断レベル40%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が60%以下である直線部を好ましくは1直線部以上、より好ましくは2直線部以上、さらに好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
また、金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材(M)103の表面110上の、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)の平均値が好ましくは0.1%以上40%以下であり、より好ましくは0.5%以上30%以下であり、さらに好ましくは1%以上20%以下であり、最も好ましくは2%以上15%以下である。
なお、上記負荷長さ率(Rmr)の平均値は、前述の任意の6直線部の負荷長さ率(Rmr)を平均したものを採用することができる。
本実施形態に係る金属部材(M)103の表面110の各負荷長さ率(Rmr)は、金属部材(M)103の表面に対する粗化処理の条件を適切に調節することにより制御することが可能である。
本実施形態においては、とくにエッチング剤の種類および濃度、粗化処理の温度および時間、エッチング処理のタイミング等が、上記各負荷長さ率(Rmr)を制御するための因子として挙げられる。
金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材(M)103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(2A)をさらに満たすことが好ましい。
(2A)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が好ましくは5μm超、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上である
金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材(M)103の表面110上の、十点平均粗さ(Rz)の平均値が好ましくは2μmを超えて50μm以下、より好ましくは5μmを超えて45μm以下、さらに好ましくは10μm以上40μm以下、特に好ましくは15μm以上30μm以下である。
なお、上記十点平均粗さ(Rz)の平均値は、前述の任意の6直線部の十点平均粗さ(Rz)を平均したものを採用することができる。
金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材(M)103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(3)をさらに満たすことが好ましい。
(3)すべての直線部の、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μmを超え300μm未満であり、より好ましくは20μm以上200μm以下である。
金属部材(M)103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材(M)103の表面110上の、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値が好ましくは10μmを超え300μm未満、より好ましくは20μm以上200μm以下である。
なお、上記粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は、前述の任意の6直線部のRSmを平均したものを採用することができる。
本実施形態に係る金属部材(M)103の表面110の十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)は、金属部材(M)103の表面110に対する粗化処理の条件を適切に調節することにより制御することが可能である。
本実施形態においては、とくに粗化処理の温度および時間、エッチング量等が、上記十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を制御するための因子として挙げられる。
次に、上記要件(1)〜(3)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材(M)103の調製方法について説明する。
このような金属部材(M)103は、例えば、エッチング剤を用いて粗化処理することにより形成することができる。
ここで、エッチング剤を用いて金属部材の表面を粗化処理すること自体は従来技術においても行われてきた。しかし、本実施形態では、エッチング剤の種類および濃度、粗化処理の温度および時間、エッチング処理のタイミング、等の因子を高度に制御している。上記要件(1)〜(3)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材(M)103を得るためには、これらの因子を高度に制御することが重要となる。
以下、上記要件(1)〜(3)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材(M)103を得るための金属部材表面の粗化処理方法である置換晶析法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る金属部材表面の粗化処理方法は、以下の例に限定されない。
(1)前処理工程
まず、金属部材(M)103は、樹脂部材105との接合側の表面に酸化膜や水酸化物等からなる厚い被膜がないことが望ましい。このような厚い被膜を除去するため、次のエッチング剤で処理する工程の前に、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等の機械研磨や、化学研磨により表面層を研磨してもよい。また、樹脂部材105との接合側の表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行なうことが好ましい。
(2)表面粗化処理工程
本実施形態において金属部材の表面粗化処理方法としては、後述する酸系エッチング剤による処理を特定のタイミングで行うことが好ましい。具体的には、該酸系エッチング剤による処理を表面粗化処理工程の最終段階で行うことが好ましい。
上記酸系エッチング剤を用いて粗化処理する方法としては、浸漬、スプレー等による処理方法が挙げられる。処理温度は20〜40℃が好ましく、処理時間は5〜350秒程度が好ましく、金属部材表面をより均一に粗化できる観点から、20〜300秒がより好ましく、50〜300秒が特に好ましい。
上記酸系エッチング剤を用いた粗化処理によって、金属部材(M)103の表面が凹凸形状に粗化される。上記酸系エッチング剤を用いた際の金属部材(M)103の深さ方向のエッチング量(溶解量)は、溶解した金属部材(M)103の質量、比重および表面積から算出した場合、0.1〜500μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、5〜100μmであることがさらに好ましい。エッチング量が上記下限値以上であれば、金属部材(M)103と樹脂部材105との間の接合強度をより向上させることができる。また、エッチング量が上記上限値以下であれば、処理コストの低減が可能となる。エッチング量は、処理温度や処理時間等により調整できる。
なお、本実施形態では、上記酸系エッチング剤を用いて金属部材を粗化処理する際、金属部材表面の全面を粗化処理してもよく、樹脂部材105が接合される面だけを部分的に粗化処理してもよい。
(3)後処理工程
本実施形態では、上記表面粗化処理工程の後、通常、水洗および乾燥を行うことが好ましい。水洗の方法については特に制限はないが浸漬または流水にて所定時間洗浄することが好ましい。
さらに、後処理工程としては、上記酸系エッチング剤を用いた処理により生じたスマット等を除去するため、超音波洗浄を施すことが好ましい。超音波洗浄の条件は、生じたスマット等を除去することができる条件であれば特に限定されないが、用いる溶媒としては水が好ましく、また、処理時間としては、好ましくは1〜20分間である。
(酸系エッチング剤)
本実施形態において、金属部材表面の粗化処理に用いられるエッチング剤としては、後述する特定の酸系エッチング剤が好ましい。上記特定のエッチング剤で処理することにより、金属部材の表面に、密着性向上に適した凹凸形状が形成され、そのアンカー効果により金属部材(M)103と樹脂部材105との間の接合強度がより一層向上するものと考えられる。
以下、本実施形態で使用できる酸系エッチング剤の成分について説明する。
上記酸系エッチング剤は、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの少なくとも一方と、酸と、を含み、必要に応じて、マンガンイオン、各種添加剤等を含むことができる。
・第二鉄イオン
上記第二鉄イオンは、金属部材を酸化する成分であり、第二鉄イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二鉄イオンを含有させることができる。上記第二鉄イオン源としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等が挙げられる。上記第二鉄イオン源のうちでは、塩化第二鉄が溶解性に優れ、安価であるという点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記第二鉄イオンの含有量は、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜12質量%、さらに好ましくは0.5〜7質量%、さらにより好ましくは1〜6質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。上記第二鉄イオンの含有量が上記下限値以上であれば、金属部材の粗化速度(溶解速度)の低下を防ぐことができる。一方、上記第二鉄イオンの含有量が上記上限値以下であれば、粗化速度を適正に維持することができるため、金属部材(M)103と樹脂部材105との間の接合強度向上により適した均一な粗化が可能になる。
・第二銅イオン
上記第二銅イオンは金属部材を酸化する成分であり、第二銅イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二銅イオン含有させることができる。上記第二銅イオン源としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅、水酸化第二銅等が挙げられる。上記第二銅イオン源のうちでは、硫酸第二銅、塩化第二銅が安価であるという点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記第二銅イオンの含有量は、0.001〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜7質量%、さらに好ましくは0.05〜1質量%、さらにより好ましくは0.1〜0.8質量%、さらにより好ましくは0.15〜0.7質量%、特に好ましくは0.15〜0.4質量%である。上記第二銅イオンの含有量が上記下限値以上であれば、金属部材の粗化速度(溶解速度)の低下を防ぐことができる。一方、上記第二銅イオンの含有量が上記上限値以下であれば、粗化速度を適正に維持することができるため、金属部材(M)103と樹脂部材105との間の接合強度向上により適した均一な粗化が可能になる。
上記酸系エッチング剤は、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの一方のみを含むものであってもよく、両方を含むものであってもよいが、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含むことが好ましい。酸系エッチング剤が第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含むことで、金属部材(M)103と樹脂部材105との間の接合強度向上により適した良好な粗化形状が容易に得られる。
上記酸系エッチング剤が、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含む場合、第二鉄イオンおよび第二銅イオンのそれぞれの含有量が、上記範囲であることが好ましい。また、酸系エッチング剤中の第二鉄イオンと第二銅イオンの含有量の合計は、0.011〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
・マンガンイオン
上記酸系エッチング剤には、金属部材表面をむらなく一様に粗化するために、マンガンイオンが含まれていてもよい。マンガンイオンは、マンガンイオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該マンガンイオンを含有させることができる。上記マンガンイオン源としては、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、フッ化マンガン、硝酸マンガン等が挙げられる。上記マンガンイオン源のうちでは、硫酸マンガン、塩化マンガンが安価である等の点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記マンガンイオンの含有量は、0〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%である。
・酸
上記酸は、第二鉄イオンおよび/または第二銅イオンにより酸化された金属を溶解させる成分である。上記酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸や、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。上記カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸等が挙げられる。上記酸系エッチング剤には、これらの酸を一種または二種以上配合することができる。上記無機酸のうちでは、臭気がほとんどなく、安価である点から硫酸が好ましい。また、上記有機酸のうちでは、粗化形状の均一性の観点から、カルボン酸が好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記酸の含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜50質量%であることがさらに好ましく、1〜30質量%であることがさらにより好ましく、1〜25質量%であることがさらにより好ましく、2〜18質量%であることがさらにより好ましい。上記酸の含有量が上記下限値以上であれば、金属の粗化速度(溶解速度)の低下を防止できる。一方、上記酸の含有量が上記上限値以下であれば、液温が低下した際の金属塩の結晶析出を防止できるため、作業性を向上できる。
・他の成分
本実施形態において使用できる酸系エッチング剤には、指紋等の表面汚染物による粗化のむらを防ぐために界面活性剤を添加してもよく、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、深い凹凸を形成するために添加されるハロゲン化物イオン源、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等を例示できる。あるいは、粗化処理速度を上げるために添加されるチオ硫酸イオン、チオ尿素等のチオ化合物や、より均一な粗化形状を得るために添加されるイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等のアゾール類や、粗化反応を制御するために添加されるpH調整剤等も例示できる。これら他の成分を添加する場合、その合計含有量は、酸系エッチング剤中に0.01〜10質量%程度であることが好ましい。
本実施形態の酸系エッチング剤は、上記した各成分をイオン交換水等に溶解させることにより容易に調製することができる。
3.金属/樹脂複合構造体の製造方法
つづいて、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法について説明する。
金属/樹脂複合構造体106の製造方法は、以下の(0)〜(ii)の工程を含む。
(0)金属部材(M)103の表面に間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部を有する微細凹凸構造を形成させる工程
(i)表面の少なくとも一部に微細凹凸構造が形成された金属部材(M)103を、射出成形用の金型内にインサートするインサート工程
(ii)インサートされた金属部材(M)103の表面に、樹脂組成物(A)またはフィラー含有樹脂組成物(B)を射出し、当該射出されたポリアミド系樹脂組成物が上記微細凹凸構造の微細凹凸に侵入した後に固化することによって金属部材(M)103の表面に当該ポリアミド系樹脂組成物の成形品(ポリアミド系の樹脂部材105とも呼ぶ。)が接合される接合工程
以下、具体的に説明する。なお、(0)金属部材(M)103の表面に間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部を有する微細凹凸構造を形成させる工程は前述したため、ここでは説明を省略する。
まず、(i)金型を用意し、その金型を開いてそのキャビティ部(空間部)に表面の少なくとも一部に微細凹凸構造が形成された金属部材(M)103を設置する。(ii)その後、金型を閉じ、樹脂部材105の少なくとも一部に微細凹凸構造が形成された金属部材(M)103の表面と接するように、上記金型の上記キャビティ部に樹脂部材105を射出して固化し、金属部材(M)103と樹脂部材105とを接合する。その後、金型を開き離型することにより、金属/樹脂複合構造体106を得ることができる。上記金型としては、一般的に使用される射出成形用金型を用いることができ、高速ヒートサイクル成型(RHCM,ヒート&クール成形)用金型や、発泡成形用コアバック金型を用いてもよい。
ここで、上記(ii)の工程において、樹脂部材105の射出開始から保圧完了までの間、上記金型の表面温度を、好ましくは樹脂部材105のガラス転移温度(以下、Tgとも呼ぶ。)以上、融点(Tm)未満に維持することが好ましい。
これにより、樹脂部材105が流動できる状態に保ちながら、ポリアミド系の樹脂部材105を高圧でより長い時間接触させることができる。
その結果、金属表面の凹凸に樹脂を流動・侵入させることができ、金属部材(M)103の表面と樹脂部材105との間の接着性を向上でき、その結果、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106をより安定的に得ることができる。
上記(ii)の工程において、上記射出開始から上記保圧完了までの時間は、好ましくは1秒以上60秒以下であり、より好ましくは10秒以上50秒以下である。
上記時間が上記下限値以上であると樹脂部材105を溶融させた状態に保ちながら、金属部材(M)103の上記微細凹凸表面に樹脂部材105を高圧でより長い時間接触させることができる。これにより、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106をより安定的に得ることができる。
また、上記時間が上記上限値以下であると、金属/樹脂複合構造体106の成形サイクルを短縮できるため、金属/樹脂複合構造体106をより効率よく得ることができる。
また、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法が適用される成形方法としては、射出成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法、反応射出成形法、ブロー成形法、熱成形法、プレス成形法等が挙げられる。これらの中でも射出成形法が好ましい。
射出成形法は他の成形法と組み合わせて用いてもよく、具体的には発泡成形(Mucell発泡成形、化学発泡成形)、コアバック成形、発泡コアバック成形、や高速ヒートサイクル成形(RHCM成形、ヒート&クール成形)と組み合わせることができる。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、様々な用途に展開することが可能である。
さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、高い耐熱性、機械特性、耐摩擦性、摺動性、気密性、水密性が発現するので、これらの特性に応じた用途に好適に用いられる。
例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等が挙げられる。
より具体的には、樹脂だけでは強度が足りない部分を金属がサポートする様にデザインされた次のような部品である。車両関係では、インスツルメントパネル、コンソールボックス、ドアノブ、ドアトリム、シフトレバー、ペダル類、グローブボックス、バンパー、ボンネット、フェンダー、トランク、ドア、ルーフ、ピラー、座席シート、ステアリングホイール、ECUボックス、電装部品、エンジン周辺部品、駆動系・ギア周辺部品、吸気・排気系部品、冷却系部品等が挙げられる。また、建材や家具類として、ガラス窓枠、手すり、カーテンレール、たんす、引き出し、クローゼット、書棚、机、椅子等が挙げられる。また、精密電子部品類として、コネクタ、リレー、ギヤ等が挙げられる。また、輸送容器として、輸送コンテナ、スーツケース、トランク等が挙げられる。
また、金属部材(M)103の高い熱伝導率と、樹脂部材105の断熱的性質とを組み合わせ、ヒートマネージメントを最適に設計する機器に使用される部品用途、例えば、各種家電にも用いることができる。具体的には、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、照明機器、電気湯沸かし器、テレビ、時計、換気扇、プロジェクター、スピーカー等の家電製品類、パソコン、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、充電器、電池等電子情報機器等が挙げられる。
その他の用途として、玩具、スポーツ用具、靴、サンダル、鞄、フォークやナイフ、スプーン、皿等の食器類、ボールペンやシャープペン、ファイル、バインダー等の文具類、フライパンや鍋、やかん、フライ返し、おたま、穴杓子、泡だて器、トング等の調理器具、リチウムイオン2次電池用部品、ロボット等が挙げられる。
また、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、樹脂部材105にポリアミドを用いているため、機械特性および耐摩耗性に優れている。そのため、ギア、ブッシュ、およびドアチェッカー用アーム等の動的用途を目的とする摺動部品として非常に有用である。
以上、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の用途について述べたが、これらは用途の例示であり、上記以外の様々な用途に用いることもできる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
まず、実施例および比較例で用いた原材料を示す。
<芳香族ポリミド樹脂(a)の調製>
〔芳香族ポリアミド樹脂(a−1)の調製〕
1,6−ジアミノヘキサン1290g(11.1モル)、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン1290g(11.1モル)、テレフタル酸3655g(22.0モル)、安息香酸34.2g(0.28モル)、触媒として次亜リン酸ナトリウム5.5g(5.2×10−2モル)、およびイオン交換水640mlを1リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250℃、35kg/cmの条件で1時間反応させた。1,6−ジアミノヘキサンと2−メチル−1,5−ジアミノペンタンとのモル比は50:50とした。1時間経過後、この反応器内に生成した反応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10kg/cm低く設定した受器に抜き出し、ポリアミド前駆体を得た。
次いで、このポリアミド前駆体を乾燥し、二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融重合させて、芳香族ポリアミド樹脂(a−1)を得た。この芳香族ポリアミド樹脂(a−1)の組成は次の通りであった。
ジアミン成分単位中の1,6−ジアミノヘキサン成分単位含有率は50モル%であり、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン成分単位含有率は、50モル%であった。得られた芳香族ポリアミド樹脂の融点Tmは300℃であった。
〔芳香族ポリアミド樹脂(a-2)の調製〕
テレフタル酸4537.7g(27.3モル)、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=80/20(モル比)]4385g(27.5モル)、安息香酸41.5g(0.34モル)、次亜リン酸ナトリウム1水和物9.12g(原料の総質量に対して0.1質量%)、および蒸留水2.5リットルを内容積20リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分間攪拌し、2時間かけてオートクレーブ内部の温度を220℃に昇温させた。この時、オートクレーブ内部の圧力は2MPaまで昇圧させた。そのまま2時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。
次に、30分かけて圧力を1MPaまで下げ、さらに1時間反応させてプレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の粒径まで粉砕した。これを230℃、13Pa(0.1mmHg)にて10時間固相重合し、芳香族ポリアミド樹脂(a−2)を調製した。得られた芳香族ポリアミド樹脂(a−2)の融点Tmは300℃であった。
〔芳香族ポリアミド樹脂(a-3)の調製〕
テレフタル酸2176g(13.1モル)、1,6−ヘキサンジアミン2800g(24.1モル)、アジピン酸1578g(10.8モル)、安息香酸36.6g(0.30モル)、次亜リン酸ナトリウム1水和物5.7g、および蒸留水554gを内容量13.6Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。190℃から攪拌を開始し、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温させた。このとき、オートクレーブの内圧を3.01MPaまで昇圧させた。このまま1時間反応を続けた後、オートクレーブ下部に設置したスプレーノズルから大気放出して低縮合物を抜き出した。
その後、低縮合物を室温まで冷却し、粉砕機で1.5mm以下の粒径まで粉砕し、110℃で24時間乾燥させた。次に、この低縮合物を棚段式固相重合装置にいれ、窒素置換後、約1時間30分かけて220℃まで昇温させた。その後、1時間反応させて、室温まで降温させた。その後、スクリュー径30mm、L/D=36の二軸押出機にて、バレル設定温度330℃、スクリュー回転数200rpm、6kg/hの樹脂供給速度で溶融重合して、芳香族ポリアミド樹脂(a−3)を調製した。得られた芳香族ポリアミド樹脂(a−3)の融点Tmは310℃であった。
<変性ポリオレフィン樹脂(b)の調製>
〔変性ポリオレフィン樹脂(b−1)の調製〕
十分に窒素置換したガラス製フラスコに、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを0.63mg入れ、さらにメチルアミノキサンのトルエン溶液(Al;0.13ミリモル/リットル)1.57ml、およびトルエン2.43mlを添加することにより、触媒溶液を得た。次に、十分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブに、ヘキサン912ml、および1−ブテン320mlを導入し、系内の温度を80℃に昇温した。引き続き、トリイソブチルアルミニウム0.9ミリモルおよび上記で調製した触媒溶液2.0ml(Zrとして0.0005ミリモル)をエチレンで系内に圧入し、重合反応を開始させた。エチレンを連続的に供給することにより全圧を8.0kg/cm−Gに保ち、80℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系中に導入して重合を停止させた後、未反応のエチレンをパージした。得られた溶液を大過剰のメタノール中に投下することにより白色固体を析出させた。この白色固体をろ過により回収し、減圧下で一晩乾燥し、白色固体(エチレン・1−ブテン共重合体)を得た。
得られたエチレン・1-ブテン共重合体100質量部に、無水マレイン酸1.0質量部と過酸化物(パーヘキシン25B,日本油脂社製、商標)0.04質量部とを混合した。得られた混合物を230℃に設定した1軸押出機で溶融グラフト変性することによって変性ポリオレフィン樹脂(b-1)を得た。
<樹脂組成物(A)またはフィラー含有樹脂組成物(B)の調製>
表1に示される組成比で、芳香族ポリアミド樹脂(a)、変性ポリオレフィン樹脂(b)、必要に応じて無機フィラー(F)としてのガラス繊維(オーウェンスコーニング社製、FT756D)とをタンブラーブレンダーにて混合し、さらに二軸押出機(日本製鋼所社製TEX30α)にて、シリンダー温度(芳香族ポリアミド樹脂(a)の融点(Tm)+15℃)で混合物を溶融混錬した。その後、混練物をストランド状に押出し、水槽で冷却させた。その後、ペレタイザーでストランドを引き取り、カットすることでペレット状の樹脂組成物(A−1)およびフィラー含有樹脂組成物(B−1)〜(B−2)を得た。
Figure 2016190412
〔金属部材表面の微細凹凸構造の測定方法〕
次に、微細凹凸構造が形成された金属部材(M)103の表面上の間隔周期の測定方法について述べる。既に述べたように、間隔周期が500nm未満の超微細な凹凸構造については電子顕微鏡により測定する。本実施形態ではレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−X100)または走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM−6701F)を用いて測定した。なお、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から間隔周期を求める場合は、具体的には、金属部材(M)103の表面110を撮影する。その写真から、任意の凸部を50個選択し、それらの凸部から隣接する凸部までの距離をそれぞれ測定する。凸部から隣接する凸部までの距離の全てを積算して50で除したものを間隔周期とした。
一方で、間隔周期が500nmを超える微細凹凸面についてはまたはレーザー顕微鏡または表面粗さ測定装置を用いる。表面粗さ測定装置を用いる方法では具体的には次の方法によって凹凸に係る各種パラメーターを求めた。
(金属部材表面の、粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の測定)
表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用し、JIS B0601(対応ISO 4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
・触針先端半径:5μm
・基準長さ:0.8mm
・評価長さ:4mm
・測定速度:0.06mm/sec
測定は、金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部についておこなった(図3参照)。なお、本実施例・比較例では、金属部材(M)103の全面について粗化処理をおこなっているため、金属/樹脂複合構造体106の接合部表面104について粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の測定をおこなっても、図3に示す測定箇所と同様の評価結果が得られることが理解される。
〔接合強度の評価方法および合否判定〕
引張試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除することにより接合強度(MPa)を得た。
〔実施例で用いた、表面租化された金属部材〕
(置換晶析法による金属部材1の調製)
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(厚み:2.0mm)を、長さ45mm、幅18mmに切断した。このアルミニウム板を酸系エッチング剤(硫酸:8.2質量%、塩化第二鉄:7.8質量%(Fe3+:2.7質量%)、塩化第二銅:0.4質量%(Cu2+:0.2質量%)イオン交換水:残部)(30℃)中に80秒間浸漬し、揺動させることによってエッチングした。次いで、流水で超音波洗浄(水中、1分)を行い、乾燥させることにより表面処理済みの金属部材1を得た。
得られた金属部材1の間隔周期は、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−X100)にて測定した。
また、得られた金属部材1の表面粗さを、表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用して測定し、6直線部について、切断レベル10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%および80%における負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を求めた。このうち、切断レベル20%におけるRmr(20%)値、上記Rmr(20%)値が30%以下となる直線部の本数、切断レベル40%におけるRmr(40%)値、上記Rmr(40%)値が60%以下となる直線部の本数、6直線部のRz値、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)、エッチング処理前後の金属部材の質量比から求めたエッチング率を算出した。
得られた結果を以下に示す。
間隔周期[μm]:92
切断レベル20%におけるRmr(20%)値:17.5、10.3、13.4、10.6、3.8、7.4
Rmr(20%)値が30%以下となる直線部の本数:6
切断レベル40%におけるRmr(40%)値:43.6、26.1、48.0、46.7、33.5、34.2
Rmr(40%)値が60%以下となる直線部の本数:6
6直線部のRz値[μm]:17.8、18.1、19.6、17.8、17.2、18.0
6直線部のRSm値[μm]:104.0、83.0、85.6、98.7、106.6、103.1
エッチング率[質量%]:2.6
(NMT法による金属部材2の調製)
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(厚み:2.0mm)を、長さ45mm、幅18mmに切断した。このアルミニウム板を特開2005−119005号公報の実施例1に記載の処理をおこなった。具体的には、市販のアルミニウム脱脂剤「NE−6(メルテックス社製)」を15%濃度で水に溶かし75℃とした。この水溶液が入ったアルミニウム脱脂槽に上記アルミニウム板を5分間浸漬し水洗し、40℃の1%塩酸水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。つづいて、40℃の1%水酸化ナトリウム水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。次いで40℃の1%塩酸水溶液を入れた槽に1分浸漬し水洗し、60℃の2.5%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れた第1ヒドラジン処理槽に1分浸漬し、40℃の0.5%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れた第2ヒドラジン処理槽に0.5分浸漬し水洗した。これを40℃で15分間、60℃で5分程度温風乾燥させることにより、表面処理済みの金属部材2を得た。
得られた金属部材2の間隔周期は、走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM−6701F)にて測定した。
また、エッチング処理前後の金属部材の質量比から求めたエッチング率を算出した。得られた結果を以下に示す。
間隔周期[nm]:45
エッチング率[質量%]:0.3
〔実施例1〕
日本製鋼所社製の射出成形機J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、160℃に加熱した金型102内(図4)に金属部材2を設置した。
次いで、その金型102内に、樹脂組成物(B−1)を、シリンダー温度330℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間5秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。得られた金属/樹脂複合構造体106を用いて、引張試験を実施し、接合強度を測定した。得られた接合強度を表2に示す。
〔実施例2〕
金属部材1を用いた以外は実施例1と同様の条件で実施した。得られた接合強度を表2に示す。
〔実施例3〕
日本製鋼所社製の射出成形機J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、170℃に加熱した金型102内に金属部材2を設置した。
次いで、その金型102内に、樹脂組成物(A−1)を、シリンダー温度340℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間5秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。得られた金属/樹脂複合構造体106を用いて、引張試験を実施し、接合強度を測定した。得られた接合強度を表2に示す。
〔比較例1〕
日本製鋼所社製の射出成形機J85ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、150℃に加熱した金型102内に金属部材2を設置した。
次いで、その金型102内に、樹脂組成物(B−2)を、シリンダー温度325℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間5秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。得られた金属/樹脂複合構造体106を用いて、引張試験を実施し、接合強度を測定した。得られた接合強度を表2に示す。
〔比較例2〕
金属部材1を用いた以外は比較例1と同様の条件で実施した。得られた接合強度を表2に示す。
Figure 2016190412
101 射出成形機
102 金型
103 金属部材
104 接合部表面
105 樹脂部材
106 金属/樹脂複合構造体
107 ゲート/ランナー
110 表面

Claims (9)

  1. 芳香族ポリアミド樹脂(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)、または該樹脂組成物(A)100質量部に対して無機フィラー(F)を0質量部超過100質量部以下含んでなるフィラー含有樹脂組成物(B)が、微細凹凸表面を有する金属部材(M)の前記微細凹凸表面に固着した接合面を有する複合構造体であって、
    前記芳香族ポリアミド樹脂(a)が、ジアミン単位として炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンに由来するジアミン単位を10モル%以上含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  2. 請求項1に記載の金属/樹脂複合構造体において、
    前記炭素数5以上20以下の分岐状脂肪族ジアミンが、2−メチルペンタメチレンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンから選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  3. 請求項1または2に記載の金属/樹脂複合構造体において、
    前記樹脂組成物(A)が、前記樹脂組成物(A)に含まれる前記芳香族ポリアミド樹脂(a)と変性ポリオレフィン樹脂(b)との合計を100質量部としたとき、前記芳香族ポリアミド樹脂(a)を70質量部以上100質量部以下と、前記変性ポリオレフィン樹脂(b)を0質量部以上30質量部以下含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
    前記金属部材(M)が、鉄、高張力鋼、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体において、
    前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面には、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立していることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  6. 請求項5に記載の金属/樹脂複合構造体において、
    前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測されることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  7. 請求項5に記載の金属/樹脂複合構造体において、
    前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面には、間隔周期が500nm未満の超微細凹凸構造が観測されず、かつ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が0.5μm以上500μm以下の凸部が林立した微細凹凸構造が形成されていることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  8. 請求項7に記載の金属/樹脂複合構造体において、
    前記金属部材(M)の前記微細凹凸表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たす金属/樹脂複合構造体。
    (1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む。
    (2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
    金属部材(M)の表面に間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部を有する微細凹凸表面を形成させる工程と、
    前記微細凹凸表面が形成された前記金属部材(M)を射出成形金型にインサートするインサート工程と、
    インサートされた前記金属部材(M)の表面に、芳香族ポリアミド樹脂(a)を主成分として含む樹脂組成物(A)、または該樹脂組成物(A)100質量部に対して無機フィラー(F)を0質量部超過100質量部以下含んでなるフィラー含有樹脂組成物(B)を射出し、当該射出されたポリアミド系樹脂組成物が前記微細凹凸構造の微細凹凸に侵入した後に固化することによって前記金属部材(M)の表面に当該ポリアミド系樹脂組成物の成形品が接合される接合工程と、
    を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体の製造方法。
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