JP2015059164A - ポリアミド樹脂組成物および当該ポリアミド樹脂組成物を含有する成形体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物および当該ポリアミド樹脂組成物を含有する成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融滞留安定性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)、前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して10〜100質量部の繊維状または針状フィラー(B)、および前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0.05〜5質量部の染料(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記染料(C)の5%熱減量温度が280℃以上である、ポリアミド樹脂組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物、および当該ポリアミド樹脂組成物を含有する成形体に関する。
ポリアミド樹脂は、機械的物性、耐薬品性、成形性等に優れるため、電気電子用、自動車用、産業資材用、工業材料用、日用および家庭品用等の各種用途において幅広く利用されている。
特に、自動車産業においては、環境に対する取り組みとして二酸化炭素の排出量低減のために、金属製部品の樹脂化による車両の軽量化が進められており、ポリアミド樹脂製の自動車部品が多く使用されるようになってきている。
ポリアミド樹脂製の自動車部品は、射出成形、押出成形、ブロー成形等、様々な方法によって製造される。自動車部品には中空体の部品が多く、その中空体の部品を射出成形を利用して得る場合には、2つ以上の射出成形品を溶着や接着剤によって接合する方法が採用されている。しかしながら、この方法には接合部の信頼性に課題があり、また、接着剤を使用する場合には接着剤の硬化工程が必要となる等、生産性の面でも改善すべき課題がある。一方、押出成形によれば、筒状の成形品を連続的に得ることができるため、生産効率に優れるが、筒状以外の成形品を製造する場合には、押出成形後に曲げ加工等が必要であるなど生産性に改善すべき課題があり、また、成形品のデザイン自由度が低いという課題もある。これらの他の成形法に対し、ブロー成形は、接合部が無くデザイン自由度の高い成形品を生産性良く得られるという点で優位である。
自動車部品を得るためのポリアミド樹脂のブロー成形技術に関して、例えば特許文献1には、芳香族ポリアミドを含有する吹込成形材料が開示されており、当該吹込成形材料がガラス繊維等のフィラーを含有してもよいこと、および着色剤を含有してもよいことが記載されている。また、特許文献2には、ブロー成形により得られるポリアミド中空成形品が開示されており、当該中空成形品を製造するためのポリアミド樹脂組成物が、繊維状の無機化合物などの充填材を含有してもよいこと、および染料を含有してもよいことが記載されている。さらに、特許文献3には、芳香族ポリアミド、衝撃改質剤、安定剤を含有するブロー成形可能なポリアミド樹脂組成物が開示されており、当該ポリアミド樹脂組成物が、繊維状の無機強化材を含有してもよいこと、および染料を含有してもよいことが記載されている。
特開平07−228691号公報 特開平04−153222号公報 特表2006−523763号公報
しかしながら、自動車部品は、部品点数を減らすためのモジュール化の流れによって、部品サイズが大型化する傾向にあり、それにより成形サイクルが長くなる傾向にある。そのため、溶融滞留安定性に優れるポリアミド樹脂組成物への要求が高まっているところ、従来のブロー成形材料に用いられるポリアミド樹脂組成物には溶融滞留安定性に改善の余地があった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、溶融滞留安定性に優れるポリアミド樹脂組成物、および当該ポリアミド樹脂組成物を含有する成形体を提供することを目的とする。
本発明は
〔1〕ポリアミド樹脂(A)、
前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して10〜100質量部の繊維状または針状フィラー(B)、および
前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0.05〜5質量部の染料(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
前記染料(C)の5%熱減量温度が280℃以上である、ポリアミド樹脂組成物;
〔2〕前記ポリアミド樹脂(A)が、前記ポリアミド樹脂(A)を構成する全ジアミン単位中、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を50〜100モル%含有し、かつ前記ポリアミド樹脂(A)を構成する全ジカルボン酸単位中、芳香族ジカルボン酸単位および/または脂環式ジカルボン酸単位を50〜100モル%含有する、上記〔1〕のポリアミド樹脂組成物;
〔3〕前記脂肪族ジアミン単位が、1,4−ブタンジアミン単位、1,5−ペンタンジアミン単位、1,6−ヘキサンジアミン単位、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン単位、1,8−オクタンジアミン単位、1,9−ノナンジアミン単位、2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位および1,10−デカンジアミン単位からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記〔2〕のポリアミド樹脂組成物;
〔4〕前記脂肪族ジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である、上記〔3〕のポリアミド樹脂組成物;
〔5〕前記芳香族ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位である、上記〔2〕〜〔4〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔6〕前記脂環式ジカルボン酸単位が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位である、上記〔2〕〜〔5〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔7〕前記ポリアミド樹脂(A)が、さらに、ラクタム単位および/またはアミノカルボン酸単位を含有する、上記〔2〕〜〔6〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔8〕前記ポリアミド樹脂(A)の融点が260〜350℃である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔9〕前記繊維状または針状フィラー(B)が異形断面形状を有する、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔10〕前記繊維状または針状フィラー(B)の、断面長径D1、断面短径D2で表わされる異形断面形状の異形比D1/D2が1.2〜10である、上記〔9〕のポリアミド樹脂組成物;
〔11〕前記繊維状または針状フィラー(B)がガラス繊維である、上記〔1〕〜〔10〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔12〕前記染料(C)が、5%熱減量温度が280℃以上のアジン系染料である、上記〔1〕〜〔11〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔13〕前記染料(C)の塩素含有率が、前記染料(C)の全質量に対して0.08質量%以下である、上記〔1〕〜〔12〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔14〕前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、さらに、滴下防止剤(D)を0.1〜10質量部含有する、上記〔1〕〜〔13〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物;
〔15〕上記〔1〕〜〔14〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物を含有する成形体;
〔16〕上記〔1〕〜〔14〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物を含有するブロー成形体;および
〔17〕上記〔16〕のブロー成形体を含む自動車用EGRパイプ;
に関する。
本発明によれば、溶融滞留安定性に優れるポリアミド樹脂組成物、および当該ポリアミド樹脂組成物を含有する成形体を提供できる。
実施例および比較例においてブロー成形により作製した、肉厚差を測定するための容器の斜視図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、ポリアミド樹脂(A)、前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、10〜100質量部の繊維状または針状フィラー(B)および0.05〜5質量部の染料(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記染料(C)の5%熱減量温度が280℃以上である、ポリアミド樹脂組成物である。
[ポリアミド樹脂(A)]
本発明で使用されるポリアミド樹脂(A)としては、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸等を主たる原料として得られる樹脂が挙げられる。
ポリアミド樹脂(A)を構成するジアミンとしては、例えば、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサンジアミン、5−メチルノナンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等の脂環式ジアミン;メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
ポリアミド樹脂(A)を構成するジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
ポリアミド樹脂(A)を構成するラクタムとしては、例えばε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムが挙げられ、アミノカルボン酸としては、例えば6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸が挙げられる。
本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
ポリアミド樹脂(A)の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリウンデカアミド(ポリアミド11)、ポリラウロアミド(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6T/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリウンデカンアミドコポリマー(ポリアミド6T/11)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ポリアミド6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド66/6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/M5T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシレンアゼラミド(ポリアミドMXD9)、ポリメタキシレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリパラキシレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリパラキシレンアゼラミド(ポリアミドPXD9)、ポリパラキシレンセバカミド(ポリアミドPXD10)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリ(2−メチルオクタメチレン)テレフタルアミド(ポリアミドM8T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルオクタメチレン)テレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/M8T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)、ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミド(ポリアミド6C)、ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6C/6)、ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミド/ポリウンデカンアミドコポリマー(ポリアミド6C/11)、ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ポリアミド6C/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミドコポリマー(ポリアミド66/6C)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6C/6I)、ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6C/6I)、ポリヘキサメチレンシクロへキシルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレン)シクロへキシルアミドコポリマー(ポリアミド6C/M5C)、ポリノナメチレンシクロへキシルアミド(ポリアミド9C)、ポリ(2−メチルオクタメチレン)シクロヘキシルアミド(ポリアミドM8C)、ポリノナメチレンシクロへキシルアミド/ポリ(2−メチルオクタメチレン)シクロへキシルアミドコポリマー(ポリアミド9C/M8C)、ポリデカメチレンシクロへキシルアミド(ポリアミド10C)、ポリウンデカメチレンシクロへキシルアミド(ポリアミド11C)、ポリドデカメチレンシクロへキシルアミド(ポリアミド12C)およびこれらの混合物、ならびにこれらのポリアミドが含むモノマー単位を複数種含む上記以外の共重合体などが挙げられる。
ポリアミド樹脂(A)は、耐熱性およびより高い溶融滞留安定性の観点から、末端アミノ基量が1〜50μモル/gの範囲にあることが好ましく、1〜40μモル/gの範囲にあることがより好ましい。
ポリアミド樹脂(A)は、耐熱性の観点から、繰り返し構造単位中に芳香環を含む半芳香族および/または脂環を含む半脂環式のポリアミド樹脂であることが好ましい。
半芳香族および/または半脂環式ポリアミド樹脂としては、脂肪族ジアミン単位と、ジカルボン酸単位として芳香族ジカルボン酸単位および/または脂環式ジカルボン酸単位を含有するポリアミド樹脂が挙げられる。
脂肪族ジアミン単位としては、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位が好ましい。このとき、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位は、ポリアミド樹脂(A)を構成する全ジアミン単位中、50〜100モル%含有されることが好ましく、60〜100モル%含有されることがより好ましい。
炭素数が4〜18の脂肪族ジアミン単位としては、1,4−ブタンジアミン単位、1,5−ペンタンジアミン単位、1,6−ヘキサンジアミン単位、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン単位、1,8−オクタンジアミン単位、1,9−ノナンジアミン単位、2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位および1,10−デカンジアミン単位からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位がより好ましい。1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を共に含有する場合には、これらのモル比(1,9−ノナンジアミン:2−メチル−1,8−オクタンジアミン)は、99:1〜1:99であることが好ましく、95:5〜50:50であることがより好ましく、90:10〜75:25であることがさらに好ましい。1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を上記の割合で含有するポリアミド樹脂(A)を用いると、ポリアミド樹脂組成物が耐熱性および耐薬品性に優れたものになる。
芳香族ジカルボン酸単位および/または脂環式ジカルボン酸単位は、ポリアミド樹脂(A)を構成する全ジカルボン酸単位中、50〜100モル%含有されることが好ましく、60〜100モル%含有されることがより好ましい。
芳香族ジカルボン酸単位としては、テレフタル酸単位、イソフタル酸単位、フタル酸単位、1,4−ナフタレンジカルボン酸単位、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位、2,7−ナフタレンジカルボン酸単位、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸単位、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸単位、ジフェン酸単位、4,4’−オキシジ安息香酸単位、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸単位、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸単位および4,4’−ビフェニルジカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、中でもテレフタル酸単位が好ましい。
脂環式ジカルボン酸単位としては、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸単位、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位等のシクロヘキサンジカルボン酸単位が好ましく、中でも1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位が好ましい。テレフタル酸単位および/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位を含有するポリアミド樹脂(A)を用いると、ポリアミド樹脂組成物の耐熱性が優れたものになる。
また、ポリアミド樹脂(A)として、ジアミン単位として芳香族ジアミン単位および/または脂環式ジアミン単位と、脂肪族ジカルボン酸単位とを含有する半芳香族および/または半脂環式のポリアミド樹脂を使用することもできる。
半芳香族および/または半脂環式のポリアミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、モノマー単位としてさらにラクタム単位および/またはアミノカルボン酸単位を含有してもよい。
ポリアミド樹脂(A)は、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましい。末端封止率が10%以上のポリアミド樹脂(A)を用いると、得られるポリアミド樹脂組成物の溶融滞留安定性がより優れたものとなる。
ここで、末端封止率は、ポリアミド樹脂(A)に存在する末端のカルボキシル基、末端のアミノ基および末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ測定し、以下に示す数式(1)に従って求めることができる。各末端基の数は、1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値に基づいて求めることができる。なお、数式(1)中、Xは分子鎖の末端基の総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい。)を表し、Yは封止されずに残った末端カルボキシル基および封止されずに残った末端アミノ基の合計数を表す。
末端封止率(%)=[(X−Y)/X]×100 (1)
ポリアミド樹脂(A)の末端を封止するための末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの観点からモノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの観点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル、モノアルコール等を使用することもできる。
ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基含量[NH2]は3〜13μモル/gであることが好ましく、末端カルボキシル基含量[COOH]が56〜80μモル/gであることが好ましい。また、末端カルボキシル基含量[COOH]と末端アミノ基含量[NH2]の関係が0.8≦[COOH]/[NH2]+[COOH]≦1.4であることが好ましく、0.82≦[COOH]/[NH2]+[COOH]≦1.0であることがより好ましい。末端基含量が上記範囲に含まれるポリアミド樹脂を用いると、ポリアミド樹脂組成物が溶融滞留安定性に特に優れたものになる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物等が挙げられる。中でも、反応性、封止末端の安定性、価格等の観点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物等が挙げられる。中でも、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格等の観点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド樹脂を製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出重合法等の方法により製造することができる。
ポリアミド樹脂(A)の製造方法としては、例えば最初にジカルボン酸成分と、ジアミン成分と、触媒と、必要に応じて末端封止剤とを一括して添加してポリアミド塩を製造した後、200〜250℃の温度において加熱重合して、濃硫酸中の試料濃度が0.2g/dLの30℃における固有粘度(ηinh)が0.1〜0.6dL/gであるプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合させる方法が挙げられる。ここで、プレポリマーのηinhが0.1〜0.6dL/gの範囲内であると、後の重合の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さな、各種物性や成形性に優れたポリアミド樹脂(A)が得られる。
なお、重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができる。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合の重合温度としては、370℃以下であることが好ましい。かかる条件で重合すると、ポリアミド樹脂(A)の分解がほとんど起こらず、劣化の無いポリアミド樹脂(A)が得られる。
ポリアミド樹脂(A)の製造に際し、前記の末端封止剤の他に、例えば触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩またはエステルを添加することができる。上記の塩またはエステルとしては、例えば、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステル等のエステルが挙げられる。
ポリアミド樹脂(A)は、濃硫酸中の試料濃度が0.2g/dLの30℃で測定したηinhが0.4〜3.0dL/gの範囲内であることが好ましく、0.5〜2.0dL/gの範囲内であることがより好ましく、0.6〜1.5dL/gの範囲内であることがさらに好ましい。ηinhが上記の範囲内のものを使用すると、耐熱性、機械的強度等がより優れた成形体を与えるポリアミド樹脂組成物が得られる。
ポリアミド樹脂(A)は、耐熱性および成形性の観点から、その融点が、260〜350℃であることが好ましい。
[繊維状または針状フィラー(B)]
本発明で使用される繊維状または針状フィラー(B)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、全芳香族ポリアミド繊維(例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンテレフタルアミド繊維、ポリパラフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、ジアミノジフェニルエーテルとテレフタル酸またはイソフタル酸との縮合物から得られる繊維等)、ホウ素繊維、液晶ポリエステル繊維、玄武岩繊維等の繊維状フィラー;チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイト、ゾノトライト等の針状フィラーなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、得られる成形体の機械的特性、耐熱性および寸法特性がより一層向上することから、下記の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ガラス繊維がより好ましい。
繊維状フィラー:ガラス繊維、炭素繊維、全芳香族ポリアミド繊維
針状フィラー:チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイト、ゾノトライト
繊維状または針状フィラー(B)の平均長は、良好な成形性の保持および得られる成形体の機械的特性や耐熱性の向上の観点から、1μm〜20mmの範囲内にあることが好ましく、5μm〜10mmの範囲内にあることがより好ましく、10μm〜5mmの範囲内にあることがさらに好ましい。また、アスペクト比は3〜2000の範囲内にあることが好ましく、10〜600の範囲内にあることがより好ましい。
繊維状または針状フィラー(B)の断面は異形断面形状であることが好ましい。フィラーの断面とは、フィラーの長手方向に垂直な面で切断した場合の切断面であり、異形断面形状とは、例えば円形が2本対となるまゆ形、楕円形、半円形、長方形、多角形、星形等の非円形断面が挙げられる。異形断面形状は、断面長径D1、断面短径D2で表わされる異形比D1/D2が1.2〜10の範囲であることが好ましく、1.5〜6の範囲であることがより好ましい。異形比が上記範囲内であると、ポリアミド樹脂組成物の耐ドローダウン性や、ブロー成形体の機械的強度(特に、TD方向の強度)および表面性が良好となる。
繊維状または針状フィラー(B)の含有量については、ポリアミド樹脂(A)100質量部とした場合に、下限値は、10質量部であることが必要であり、12質量部が好ましく、15質量部がより好ましい。上限値は、100質量部であることが必要であり、40質量部が好ましく、30質量部がより好ましい。繊維状または針状フィラー(B)の含有量を10質量部以上とすることで、本発明により得られるブロー成形体の機械的強度を高めることができ、100質量部以下とすることで、耐ドローダウン性を高めることができる。
繊維状または針状フィラー(B)は、マトリックス樹脂であるポリアミド樹脂(A)との接着性改善、ポリアミド樹脂組成物の機械的特性向上の観点から、表面処理が施されていてもよい。該表面処理における表面処理剤としては、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等のカップリング剤や、集束剤などが挙げられる。好適に使用されるカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシランが挙げられる。また、好適に使用される集束剤としては、エポキシ系化合物、ウレタン系化合物、カルボン酸系化合物、ウレタン/マレイン酸変性化合物、ウレタン/アミン変性系化合物が挙げられる。これらの表面処理剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、カップリング剤と集束剤を併用すると、繊維状または針状フィラー(B)とポリアミド樹脂(A)との接着性が一層改善され、得られるポリアミド樹脂組成物の機械的特性がより向上する。表面処理された繊維状または針状フィラー(B)は、625±20℃で10分間以上加熱したときの質量減少が、表面処理された繊維状または針状フィラー(B)の全質量に基づいて0.01〜8.0質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜5.0質量%の範囲内であることがより好ましい。
[染料(C)]
本発明で使用される染料(C)は5%熱減量温度が280℃以上であり、このような5%熱減量温度を有する染料(C)を用いることで、得られるポリアミド樹脂組成物の溶融滞留安定性を向上させることができる。染料(C)の5%熱減量温度としては、290℃以上が好ましく、295℃以上がより好ましく、300℃以上がさらに好ましい。
5%熱減量温度が280℃以上である染料(C)を用いることで得られるポリアミド樹脂組成物の溶融滞留安定性が改善できる理由は定かではないが、本発明者らは染料の分解物(ラジカル、塩酸等)がポリアミドの劣化を促進していると推定している。
染料(C)としては、本発明のポリアミド樹脂組成物を成形して得られる成形体の表面性が著しく向上できるという観点から、アジン系染料が好適であり、アジン系染料としては例えば、アニリンとニトロベンゼンと塩酸とを主原料とし、酸化第二鉄等を触媒に用いて得られるトリフェナジンオサジン、フェナジンアジン等のアジン系化合物の混合物を用いることができる。なお、上記のアジン系化合物などのアジン系染料は、後述の実施例および比較例が示すように、すべてが280℃以上の5%熱減量温度を有するものではない。したがって、5%熱減量温度が280℃以上の染料(C)を得るには、アジン系染料等について実際に5%熱減量温度を測定し、適宜選別すればよい。5%熱減量温度は、例えば熱重量分析装置を用い、不活性ガス気流下、昇温速度10℃/分の条件下で測定を行い、重量が5%減少した時点の温度として求めることができる。
染料(C)、特にアジン系染料は、塩素含有率の少ないものを使用することが好ましい。染料(C)、特にアジン系染料は、塩素含有率の少ないものの方が5%熱減量温度が高い傾向にあり、また、溶融滞留時の加熱によって発生する塩酸量が少なくなり、ポリアミド樹脂(A)の分解が抑制される。このため、塩素含有率の少ない染料(C)を使用することにより、より高い溶融滞留安定性が得られる。塩素含有率としては染料(C)の全質量に対し、0.08質量%以下が好ましく、0.06質量%以下がより好ましい。染料(C)としては、例えばNUBIAN BLACK TH−827(オリヱント化学工業株式会社製)を用いることができる。
上記の染料(C)の使用量に関し、少なすぎると、得られるブロー成形体の表面性が悪く、多すぎるとポリアミド樹脂組成物およびブロー成形体の機械的強度が低下することから、ポリアミド樹脂(A)100質量部とした場合に、下限値は、0.05質量部であることが必要であり、1質量部が好ましい。上限値は、5質量部であることが必要であり、3質量部が好ましい。
[滴下防止剤(D)]
本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらに滴下防止剤(D)を含有させてもよい。
滴下防止剤(D)は、例えばフルオロエチレン構造を含む重合体または共重合体であり、その具体例としては、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素原子を含まないエチレン系モノマーとの共重合体等のポリフルオロオレフィン系樹脂が挙げられる。中でも、テトラフルオロエチレン重合体(PTFE)が好ましい。
滴下防止剤(D)としてポリフルオロオレフィン系樹脂を用いる場合、フィブリル形成能を有するものを用いると、高い耐ドローダウン性を付与することができる。ここで、「フィブリル形成能」とは、せん断力等の外的作用により、樹脂同士が結合して繊維状になる傾向を示す性質を意味する。
フィブリル形成能を有するポリフルオロオレフィン系樹脂としては、例えばテフロン6−J(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)、ポリフロンF−201、ポリフロンMPA PA−5000H、ポリフロンFA−100(ダイキン工業株式会社製)、フルオンCD076(旭硝子株式会社製)、アルゴフロンF5(ソルベイソレクシス株式会社製)、アクリル樹脂変性ポリテトラフルオロエチレンであるメタブレンA3000、メタブレンA3700(三菱レイヨン株式会社製)等が挙げられる。フィブリル形成能を有するポリフルオロオレフィン系樹脂は、例えばテトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムペルオキシジスルフィド等の存在下で、7〜700kPa程度の圧力下、温度0〜200℃程度、好ましくは20〜100℃で重合させることにより、またはPTFEをアクリル樹脂で変性することにより得ることができる。これらのポリフルオロオレフィン系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
滴下防止剤(D)を含有させると、ポリアミド樹脂組成物の低せん断速度における溶融粘度は増大し、一方で、高せん断速度における溶融粘度は低下する。すなわち、せん断速度に対する溶融粘度の傾きが急になり、ブロー成形性の向上に繋がる。例えば、低せん断速度領域の粘度上昇は、パリソンの安定性と成形体の偏肉抑制に寄与する。一方、高せん断速度領域の粘度低下は、パリソン形成時のメルトフラクチャー抑制に作用し、偏肉の小さい成形体が得られる。せん断速度に対する溶融粘度の傾きとしては、ARES平行平板レオメーターを使用して、せん断速度が0.1ラジアン/秒と100ラジアン/秒における溶融粘度を測定し、下記数式(2)から算出できる。
溶融粘度比 = (0.1ラジアン/秒における溶融粘度)÷(100ラジアン/秒における溶融粘度) (2)
粘度比としては、10以上が好ましく、20以上がより好ましい。
滴下防止剤(D)の含有量について、耐ドローダウン性および成形体の表面性の観点から、ポリアミド樹脂(A)100質量部とした場合に、下限値は、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましい。上限値は、10質量部が好ましく、4質量部がより好ましい。
[その他の成分]
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、その他の無機充填材、無機充填材と樹脂との親和性を高めるためのシランカップリング剤、結晶核剤、銅系安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、加工助剤等の他の成分を含有させてもよい。
[ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造法については、ポリアミド樹脂(A)、繊維状または針状フィラー(B)、染料(C)および必要に応じて他の成分を均一に混合させ得る方法であればよく、通常溶融混練する方法が採用される。溶融混練は、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を使用して行うことができ、溶融混練条件等は特に限定されないが、例えばポリアミド樹脂(A)の融点よりも30〜50℃高い温度範囲で1〜30分間混練することにより、本発明のポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
[成形体]
本発明のポリアミド樹脂組成物を、目的とする成形体の種類、用途、形状などに応じて、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形、アシスト成形等、熱可塑性樹脂組成物に対して一般に用いられる成形方法を適用することにより、各種の成形体を製造できる。また上記の成形方法を組み合わせた成形方法を採用しても良い。さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物を、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紙、金属、木材、セラミックスなどの各種材料と接着、溶着または接合した複合成形体とすることもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、溶融滞留安定性に優れることに加え、耐熱性、機械的強度、耐薬品性、表面性にも優れる。また、耐ドローダウン性にも優れるため、ブロー成形に好適に利用できる。ブロー成形体を得る方法として、従来公知のブロー成形方法を使用することができ、例としては、ダイレクトブロー法、アキュームレーターブロー法および多次元ブロー法等を挙げることができ、また他の材料との組合せにおいて用いられる多層ブロー成形法やエクスチェンジブロー成形法等を適用することも可能である。また、ポリエチレンなどのポリオレフィンや他の熱可塑性樹脂と共押出した後、ブロー成形を行い多層構造体を得ることも可能である。その場合、ポリアミド樹脂組成物層とポリオレフィンなどの他の熱可塑性樹脂層の間に接着層を設けることも可能である。多層構造体の場合、本発明のポリアミド樹脂組成物の層を内層に配することで、耐熱性、耐薬品性に優れるブロー成形体を得ることができる。
本発明の成形体は、耐熱性、機械的強度、耐薬品性、表面性に優れることから、60℃以上の高温ガスおよび/または高温薬液と接する物品に利用することが可能である。特に、自動車用パイプとして利用することができる、例えば高温ガスが通る吸排気系パイプが挙げられ、特に自動車用EGR(エキゾーストガス・リサーキュレーション)パイプに好適である。また、近年、燃費向上、排ガス規制の観点からEGRにおける排ガスのインテークマニホールドへの戻り量が増えつつあり、それに伴い、パイプ部にSOxやNOx由来の酸性凝縮水が付着する場合がある。このような酸性凝縮水の付着するEGRパイプについても、本発明のブロー成形体は好適である。また、本発明のブロー成形体は、自動車用冷媒パイプにも好適であり、例えば高温のラジエーター液が通過する冷却系冷媒パイプやフロンなどのエアコン用冷媒が通過するエアコン系冷媒パイプにも利用可能である。従来のフロンに対して代替冷媒として導入が予定されているHFO−1234yfのような炭素原子間二重結合を有する化合物を含有するエアコン用冷媒が通過するエアコン系冷媒パイプとしても本発明のブロー成形体は耐薬品性の観点から好適である。また、エンジンルーム内における高温の燃料と接触する燃料系パイプにも使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、染料の5%熱減量温度および塩素含有率、ポリアミド樹脂の融点、溶液粘度、末端アミノ基含量、ポリアミド樹脂組成物の溶融粘度の粘度比および溶融粘度の変化率、ポリアミド樹脂組成物の成形体の引張り強さ、耐薬品性、肉厚差および表面性は以下の方法で測定した。
<5%熱減量温度>
以下の実施例および比較例で用いた染料の5%熱減量温度は、メトラー・トレド株式会社製の熱重量分析装置(TC15)を用い、窒素気流下、昇温速度10℃/分の条件下で50℃から500℃まで加熱しながら重量変化を測定し、試料の重量が5%減少した時点の温度(℃)として求めた。
<塩素含有率>
以下の実施例および比較例で用いた染料の塩素含有率は、試料10mgと吸収液としての超純水25mLとを用いた、酸素フラスコ燃焼法により得られた試料溶液を溶離液で10倍に希釈して、ダイオネクス社製イオンクロマトグラフ(DX−500)で測定した。測定の諸条件を以下に記す。
カラム:IonPac AG12A、AS12A(4mmφ×250mm)
溶離液:0.3mM NaHCO3および2.7mM Na2CO3
溶離液流量:1.2mL/min
検出器:電気伝導度検出器
<融点>
メトラー・トレド株式会社製の示差走査熱量分析装置(DSC822)を使用して、以下の実施例および比較例で用いたポリアミド樹脂を用い、窒素雰囲気下で、30℃から340℃へ10℃/分の速度で加熱し、340℃で2分間保持して試料を完全に融解させた後、10℃/分の速度で30℃まで冷却し30℃で2分間保持した。再び10℃/分の速度で360℃まで昇温した時に現れる融解ピークのピーク温度を融点(℃)とし、融解ピークが複数ある場合は最も高温側の融解ピークのピーク温度を融点(℃)とし、耐熱性の指標とした。
<溶液粘度>
以下の実施例および比較例で用いたポリアミド樹脂50mgをメスフラスコ中で98%濃硫酸25mLに溶解させ、ウベローデ型粘度計にて、得られた溶液の30℃での落下時間(t)を計り、濃硫酸の落下時間(t0)から下記数式(3)より溶液粘度ηinh(dL/g)を算出した。
ηinh(dL/g)={ln(t/t0)}/0.2 (3)
<末端アミノ基含量>
以下の実施例および比較例で用いたポリアミド樹脂1gをフェノール35mLに溶解し、そこへメタノールを2mL混合し、試料溶液とした。チモールブルーを指示薬とし、0.01規定の塩酸水溶液を使用した滴定を実施し、末端アミノ基含量([NH2]、単位:μモル/g)を測定した。
<末端カルボキシル基含量>
以下の実施例および比較例で用いたポリアミド樹脂0.2gをo−クレゾール15mLに加え、110℃に加熱して溶解させた。室温付近まで冷却後、ベンジルアルコール10mL、o−クレゾール50mLとホルムアルデヒド50μLを加えた。0.05規定のエタノール性水酸化カリウムを滴定液として、電位差滴定装置で末端カルボキシル基含量([COOH],単位:μモル/g)を測定した。
<溶融粘度の粘度比>
以下の実施例および比較例のポリアミド樹脂組成物を用いて、圧縮成形機を使用して、ポリアミド樹脂の融点よりも10〜30℃高い成形温度の下、長さ150mm×幅150mm×厚み1mmの平板を作製した。得られた平板から、φ25mmの円形の成形体を切り出し、溶融粘度の測定に供した。溶融粘度の測定には、ARES製平行平板形レオメーター(レオメトリクス製)を使用し、ポリアミド樹脂の融点よりも15℃高い測定温度において、0.1ラジアン/秒および100ラジアン/秒の溶融粘度をそれぞれ測定した。上述の数式(2)より粘度比を算出し、耐ドローダウン性の指標とした。
<溶融粘度の変化率>
以下の実施例および比較例のポリアミド樹脂組成物について、キャピログラフ(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、バレル温度320℃、せん断速度121.6sec-1(キャピラリー:内径1.0mm×長さ10mm、押出速度10mm/min)として、溶融時間4分の溶融粘度M1および溶融時間15分の溶融粘度M2を求めた。このM1およびM2を用いて下記数式(4)から溶融粘度の変化率(%)を算出し、溶融滞留安定性の指標とした。
溶融粘度の変化率(%)=(M2−M1)/M1×100 (4)
<引張り強さ>
東芝機械株式会社製の射出成形機(型締力:80トン、スクリュー径:φ32mm)を使用して、ポリアミド樹脂の融点よりも20〜30℃高いシリンダ温度、および、ポリアミド樹脂のガラス転移温度よりも20〜30℃高い金型温度の条件下で、Tランナー金型を用いて、以下の実施例および比較例のポリアミド樹脂組成物(ペレット)からISO多目的試験片A型ダンベルを作製して、引張り強さ評価用試験片とした。得られた試験片を用いて、ISO527−1に準じて、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用して、23℃における引張り強さ(MPa)を測定し、機械的強度の指標とした。
<耐薬品性>
以下の実施例および比較例のポリアミド樹脂組成物を用いて、ポリアミド樹脂の融点よりも約20℃高いシリンダ温度で射出成形(金型温度80℃)を行い、ISO多目的試験片A型を作製した。この試験片の引張強さをISO 527に従って測定した。続いて、同様に作製したISO多目的試験片A型をトヨタ製スーパーロングライフクーラント(ピンク)を水で2倍希釈した水溶液中に浸漬し、130℃、500時間浸漬した後の引張強さをISO 527に従って測定した。浸漬前の試験片の引張強さに対する浸漬後の試験片の引張強さの割合(%)を算出することで、耐薬品性の指標とした。
<肉厚差>
以下の実施例および比較例のポリアミド樹脂組成物を用い、ブロー成形機(JSW製JB105、ダイ径Φ21mm、コア径Φ18.5mm)を用いて、ポリアミド樹脂の融点よりも10〜30℃高い成形温度にて、上部に細口2を有する500mL容器1を成形した(図1)。得られた容器の底面3から上部方向5cmに位置する容器部の肉厚をT1、そこからさらに5cm上部方向に位置する容器部の肉厚をT2とし、下記数式(5)を用いて、肉厚差(mm)を計算し、ブロー成形性の指標とした。
肉厚差(mm) = T1−T2 (5)
<表面性>
肉厚差の評価の際に作製した容器の外観を観察し、以下の指標で表面性を評価した。
◎:ガラス繊維の毛羽立ち無し
○:若干のガラス繊維の毛羽立ちが認められる
×:ガラス繊維の毛羽立ち、凹凸が認められる
各実施例および比較例で使用したポリアミド樹脂、繊維状または針状フィラー、染料、滴下防止剤を以下に記す。
<ポリアミド樹脂A−1の合成>
テレフタル酸9870.6g(59.42モル)、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[前者/後者=80/20(モル比)]9497.4g(60.00モル)、安息香酸142.9g(1.17モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物19.5g(原料の総質量に対して0.1質量%)および蒸留水5リットルを内容積40リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分間攪拌し、2時間かけてオートクレーブ内部の温度を220℃に昇温した。この時、オートクレーブ内部の圧力は2MPaまで昇圧した。そのまま2時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1MPaまで下げ、さらに1時間反応させて、ηinhが0.16dL/gのプレポリマーを得た。これをホソカワミクロン株式会社製フレーククラッシャーを使って2mm以下の粒径まで粉砕し、100℃、減圧下で12時間乾燥した後、230℃、13Pa(0.1mmHg)にて10時間固相重合し、融点が304℃、ηinhが1.30dL/g、末端アミノ基含量([NH2])が10μモル/g、末端カルボキシル基含量([COOH])が60μモル/g、末端封止率が46%である白色のポリアミド樹脂を得た。
<ポリアミド樹脂A−2の合成>
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物の比率を前者/後者=50/50(モル比)に変更した以外はポリアミド樹脂A−1と同様の製造方法により、融点が265℃、ηinhが1.30dL/g、末端アミノ基含量([NH2])が10μモル/g、末端カルボキシル基含量([COOH])が60μモル/g、末端封止率が46%である白色のポリアミド樹脂を得た。
<ポリアミド樹脂A−3の合成>
テレフタル酸の使用量を9861.5g(59.36モル)に、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物9497.4(60.00モル)を1,10−デカンジアミン10339.2g(60.00モル)に、安息香酸の使用量を156.3g(1.28モル)に、次亜リン酸ナトリウム一水和物の使用量を20.4g(原料の総質量に対して0.1質量%)に変更した以外はポリアミド樹脂A−1と同様の製造方法により、融点が318℃、極限粘度ηinhが1.30dL/g、末端アミノ基含量([NH2])が10μモル/g、末端カルボキシル基含量([COOH])が58μモル/g、末端封止率が48%である白色のポリアミドを得た。
<繊維状または針状フィラー(B)>
<B−1>日東紡績株式会社製「CS−3J−256」(ガラス繊維)、横断面形状は円形(異形比=1)、直径11μm、繊維長さ3mm
<B−2>日東紡績株式会社製「CSH 3PA−870」(ガラス繊維)、繊維断面形状はまゆ形(異形比=2)、長径20μm、繊維長さ3mm
<B−3>日東紡績株式会社製「CSH 3PA−820」(ガラス繊維)、繊維断面形状は長方形(異形比=4)、長径28μm、繊維長さ3mm
<染料>
<C−1>オリエント化学工業株式会社製「Nubian Black TH−827」(アジン系染料)、5%熱減量温度=301℃、塩素含有量0.04質量%
<C−2>オリエント化学工業株式会社製「Nubian Black AH−827」(アジン系染料)、5%熱減量温度=276℃、塩素含有量1.8質量%
<C−3>オリエント化学工業株式会社製「Nubian Black PA−2800」(アジン系染料)、5%熱減量温度=268℃、塩素含有量2.3質量%
<滴下防止剤>
三菱レイヨン株式会社製「メタブレンA3000」(アクリル変性PTFE)
(実施例1〜10、比較例1〜2について)
ポリアミド樹脂およびその他の成分を表1に示す割合で予備混合した後、同方向回転二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)の供給口に一括投入した。ポリアミド樹脂の融点よりも30℃高いシリンダ温度の条件下に溶融混練した後にストランド状に押出し、冷却、切断してペレット状のポリアミド樹脂組成物を製造した。得られたペレットを用いて、上記の各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015059164
実施例1〜10は、5%熱減量温度が280℃以上である染料<C−1>を含有するため、耐熱性、耐ドローダウン性、溶融滞留安定性、機械的強度、耐薬品性、ブロー成形性、表面性が良好であった。実施例4〜7、10では、滴下防止剤をさらに組み合わせることによって、溶融滞留安定性および表面性を兼ね備えつつ、耐ドローダウン性およびブロー成形性がさらに向上した結果が得られた。一方、比較例1および2は、5%熱減量温度が280℃未満の染料<C−2>および<C−3>を用いたため、溶融滞留安定性に劣った。
本発明のポリアミド樹脂組成物を用いて各種成形体を提供することができる。特に本発明のポリアミド樹脂組成物は、ブロー成形体を提供するのに有利である。本発明のポリアミド樹脂組成物を含む成形体は、自動車パイプ等として有用である。
1 容器
2 細口
3 底部

Claims (17)

  1. ポリアミド樹脂(A)、
    前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して10〜100質量部の繊維状または針状フィラー(B)、および
    前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0.05〜5質量部の染料(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
    前記染料(C)の5%熱減量温度が280℃以上である、ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミド樹脂(A)が、前記ポリアミド樹脂(A)を構成する全ジアミン単位中、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を50〜100モル%含有し、かつ前記ポリアミド樹脂(A)を構成する全ジカルボン酸単位中、芳香族ジカルボン酸単位および/または脂環式ジカルボン酸単位を50〜100モル%含有する、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記脂肪族ジアミン単位が、1,4−ブタンジアミン単位、1,5−ペンタンジアミン単位、1,6−ヘキサンジアミン単位、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン単位、1,8−オクタンジアミン単位、1,9−ノナンジアミン単位、2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位および1,10−デカンジアミン単位からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族ジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記芳香族ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位である、請求項2〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記脂環式ジカルボン酸単位が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位である、請求項2〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 前記ポリアミド樹脂(A)が、さらに、ラクタム単位および/またはアミノカルボン酸単位を含有する、請求項2〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 前記ポリアミド樹脂(A)の融点が260〜350℃である、請求項1〜7のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. 前記繊維状または針状フィラー(B)が異形断面形状を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. 前記繊維状または針状フィラー(B)の、断面長径D1、断面短径D2で表わされる異形断面形状の異形比D1/D2が1.2〜10である、請求項9に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 前記繊維状または針状フィラー(B)がガラス繊維である、請求項1〜10のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  12. 前記染料(C)が、5%熱減量温度が280℃以上のアジン系染料である、請求項1〜11のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  13. 前記染料(C)の塩素含有率が、前記染料(C)の全質量に対して0.08質量%以下である、請求項1〜12のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  14. 前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、さらに、滴下防止剤(D)を0.1〜10質量部含有する、請求項1〜13のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含有する成形体。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含有するブロー成形体。
  17. 請求項16に記載のブロー成形体を含む自動車用EGRパイプ。
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