JP6422751B2 - 金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 - Google Patents

金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法 Download PDF

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本発明は、金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法に関する。
各種部品の軽量化の観点から、金属の代替品として樹脂が使用されている。しかし、全ての金属部品を樹脂で代替することは難しい場合も多い。そのような場合には、金属成形体と樹脂成形体を接合一体化することで新たな複合部品を製造することが考えられる。しかしながら、金属成形体と樹脂成形体を工業的に有利な方法で、かつ高い接合強度で接合一体化できる技術は実用化されていない。
近年、金属成形体と樹脂成形体を接合一体化する技術として、金属部材の表面に微細な凹凸を形成させたものに、その金属部材と親和性を有する極性基を持つエンジニアリングプラスチックを接合させることが検討されている(例えば、特許文献1〜5等)。
例えば、特許文献1〜3には、アルミニウム合金をヒドラジン水溶液で浸漬処理することによって、その表面に30〜300nm径の凹部を形成した後、該処理面にポリブチレンテレフタレート樹脂(以下「PBT」という。)、またはポリフェニレンスルフィド樹脂(以下「PPS」という。)を接合させる技術が開示されている。
また、特許文献4には、アルミニウム素材を燐酸または水酸化ナトリウムの電解浴で陽極酸化処理することにより、アルミニウム素材の表面に直径が25nm以上である凹部を有する陽極酸化皮膜を形成した後、該処理面にエンジニアリングプラスチックを接合させる技術が開示されている。
さらに、特許文献5には、アルミニウム合金に対し、特定のエッチング剤により微細な凹凸もしくは孔を形成し、その孔にポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、PPSを射出接合させる技術が開示されている。
特開2004−216425号公報 特開2009−6721号公報 国際公開第2003/064150号パンフレット 国際公開第2004/055248号パンフレット 特開2013−52671号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1〜5に開示されているような方法で得られた金属/樹脂複合構造体においては、樹脂部材の樹脂組成や成形条件によって接合強度が劣る場合があることが明らかになった。
そこで、本発明者らは、特にポリカーボネート樹脂を含有する樹脂部材の物理的諸特性や成形条件と、得られる金属/樹脂複合構造体の接合強度との関係について鋭意検討した。最初に本発明者らは、成形時の金型の温度を上げると、例えばポリカーボネート樹脂を含有する樹脂部材であっても、得られる金属/樹脂複合構造体の接合強度が高くなる傾向にあることを見出した。しかし、一般的には成形時の金型の温度を上げることは、接合強度が改善されるものの、成形サイクルの遅延化を招く方向になり、生産性の面で問題になる場合があることが分かった。
つまり、従来の金属/樹脂複合構造体は、接合強度と生産性との間にトレードオフの関係が存在し、そのトレードオフの関係は成形条件のみでは改善できなかったのである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂部材の物理的性状を特定することによって、成形温度を過度に上げなくても金属部材と樹脂部材とを直接接合することができ、生産性と接合強度とのバランスに優れた金属/樹脂複合構造体を提供するものである。
本発明者らは、金属部材と、樹脂部材との接合強度に優れた金属/樹脂複合構造体を安定的に、かつ、効率よく得るために、樹脂部材の諸特性と接合強度との関係を検討した。その結果、特定の要件を満たす樹脂部材を用いることにより、上記トレードオフの関係を改善でき、幅広い成形条件で、接合強度に優れた金属/樹脂複合構造体を安定的に、かつ、効率よく得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、以下に示す金属/樹脂複合構造体および金属/樹脂複合構造体の製造方法が提供される。
[1]
間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸表面を有する金属部材と、下記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材と、が接合してなる金属/樹脂複合構造体。
(a)10℃/minの降温条件下での示差走査熱量計(DSC)測定において、50℃以上120℃以下の範囲に発熱量(ΔH)が0.2mJ/mg以上30mJ/mg以下である発熱ピークが観察される
(b)上記DSC測定において、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上150℃以下の範囲に観測される
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、数平均分子量(Mn)が2,000以上10,000以下の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と上記Mnとの比(Mw/Mn)が4以上20以下の範囲である
(d)赤外線吸収スペクトル測定をおこなったとき、1700cm-1以上1800cm-1以下の範囲に二本の吸収ピークが観測される
[2]
上記樹脂部材が繊維状無機充填材を含み、
上記樹脂部材中の上記繊維状無機充填材の含有量が5質量%以上50質量%以下である、上記[1]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[3]
上記繊維状無機充填材がガラス繊維である、上記[2]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[4]
上記樹脂部材がポリカーボネート樹脂を含む、上記[1]乃至[3]いずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
[5]
上記樹脂部材がエチレン/(メタ)アクリレートコポリマーをさらに含む、上記[4]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[6]
上記樹脂部材中の上記ポリカーボネート樹脂と上記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマーの合計を100質量%としたとき、
上記樹脂部材中の上記ポリカーボネート樹脂の含有量が50質量%以上99質量%以下であり、
上記樹脂部材中の上記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマーの含有量が1質量%以上50質量%以下である、上記[5]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[7]
上記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマーが、エチレン/n−ブチルアクリレートコポリマー、エチレン/ヘキシルアクリレートコポリマー、エチレン/ブチルアクリレートコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される一種または二種以上である、上記[5]または[6]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[8]
上記金属部材がアルミニウムおよびアルミニウム合金から選択される一種または二種以上の金属を含む金属材料からなる、上記[1]乃至[7]いずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
[9]
上記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たす、上記[1]乃至[8]いずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
(1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む
(2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える
[10]
上記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(3)をさらに満たす、上記[9]に記載の金属/樹脂複合構造体。
(3)切断レベル40%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が60%以下である直線部を1直線部以上含む
[11]
上記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、すべての直線部の上記十点平均粗さ(Rz)が5μmを超える、上記[9]または[10]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[12]
上記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、すべての直線部の上記十点平均粗さ(Rz)が15μm以上である、上記[11]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[13]
上記[1]乃至[12]いずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
金型のキャビティ部に、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸表面を有する上記金属部材を配置する工程と、
上記キャビティ部に上記樹脂部材を射出することにより上記金属部材と上記樹脂部材とを接合する工程と、
を含み、
上記樹脂部材の射出開始から保圧完了までの間、上記金型の表面温度を上記樹脂部材の上記ガラス転移温度以上の温度に維持し、上記保圧完了後、上記金型の表面温度を上記樹脂部材の上記ガラス転移温度未満の温度に冷却する金属/樹脂複合構造体の製造方法。
本発明によれば、金属部材と樹脂部材とを直接接合することができ、生産性と接合強度とのバランスに優れた金属/樹脂複合構造体を提供することができる。
本実施形態の金属/樹脂複合構造体の構造の一例を模式的に示した外観図である。 本実施形態の金属/樹脂複合構造体を製造する過程の一例を模式的に示した構成図である。 本実施形態に係る金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部の測定箇所を説明するための模式図である。 本実施形態に係る金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部の測定箇所を説明するための模式図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、文中の数字の間にある「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
[金属/樹脂複合構造体]
まず、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106について説明する。
図1は、本実施形態の金属/樹脂複合構造体106の構造の一例を示す外観図である。金属/樹脂複合構造体106は、金属部材103と、樹脂部材105とが接合されており、金属部材103と樹脂部材105とを接合することにより得られる。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、下記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材105が、金属部材103の表面110に形成された間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸に進入して金属と樹脂が接合し、金属―樹脂界面を形成することにより得られる。
(a)10℃/minの降温条件下での示差走査熱量計(DSC)測定において、50℃以上120℃以下の範囲に発熱量(ΔH)が0.2mJ/mg以上30mJ/mg以下である発熱ピークが観察される
(b)上記DSC測定において、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上150℃以下の範囲に観測される
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、数平均分子量(Mn)が2,000以上10,000以下の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と上記Mnとの比(Mw/Mn)が4以上20以下の範囲である
(d)赤外線吸収スペクトル測定をおこなったとき、1700cm-1以上1800cm-1以下の範囲に二本の吸収ピークが観測される
金属部材103の表面110には、金属部材103と樹脂部材105との間の接合強度向上に適した凹凸形状が形成されているため、接着剤を使用せずに金属部材103と樹脂部材105との間の接合性確保が可能となる。
具体的には金属部材103の表面110の上記微細凹凸形状の中に樹脂部材105が進入することによって、金属部材103と樹脂部材105との間に物理的な抵抗力(アンカー効果)が効果的に発現し、通常では接合が困難な金属部材103と樹脂部材105とを強固に接合することが可能になる。
このようにして得られた金属/樹脂複合構造体106は、金属部材103と樹脂部材105の界面への水分や湿気の浸入を防ぐこともできる。つまり、金属/樹脂複合構造体106の付着界面における気密性や水密性を向上させることもできる。
本発明者らは、上記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材105を用いると、成形時の金型の温度を下げて、成形サイクルを向上させたとしても、得られる金属/樹脂複合構造体について、高い接合強度が維持できることを新たに知見した。
すなわち、本実施形態によれば、上記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材105を用いることにより、金属部材103と樹脂部材105とを直接接合することができ、生産性と接合強度とのバランスに優れた金属/樹脂複合構造体106を実現できる。
このような金属/樹脂複合構造体106が生産性と接合強度とのバランスに優れる理由は必ずしも明らかではないが、上記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材105は、金型温度を低下させたとしても、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への進入性、金属部材103との密着性、および成形後の機械的強度とのバランスに優れているからだと考えられる。
すなわち、上記要件(a)〜(d)を同時に満たすことは、金型温度を低下させても、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への進入性、金属部材103との密着性、および成形後の機械的強度を維持できることを意味していると考えられる。
上記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材105を得るためには、樹脂部材105を構成する熱可塑性樹脂や繊維状無機充填材の種類や含有量等の各因子を高度に制御することが特に重要となる。
以下、金属/樹脂複合構造体106を構成する各部材について説明する。
<金属部材>
以下、本実施形態に係る金属部材103について説明する。
本実施形態に係る金属部材103は、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸表面を有する。
上記微細凹凸表面の間隔周期は凸部から隣接する凸部までの距離の平均値であり、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から求めることができる。
具体的には、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡により、金属部材103の表面110を撮影する。その写真から、任意の凸部を50個選択し、それらの凸部から隣接する凸部までの距離をそれぞれ測定する。凸部から隣接する凸部までの距離の全てを積算して50で除したものを間隔周期とする。
凸部の間隔周期は、好ましくは10nm以上300μm以下、より好ましくは20nm以上200μm以下である。
凸部の間隔周期が上記下限値以上であると、上記微細凹凸表面の凹部に樹脂部材105が十分に進入することができ、金属部材103と樹脂部材105との接合強度をより向上させることができる。また、凸部の間隔周期が上記上限値以下であると、得られる金属/樹脂複合構造体106の金属―樹脂界面に隙間が生じるのを抑制できる。その結果、金属―樹脂界面の隙間から水分等の不純物が浸入することを抑制できるため、金属/樹脂複合構造体106を高温、高湿下で用いた際、強度が低下することを抑制できる。
上記間隔周期を有する微細凹凸表面を形成する方法としては、NaOH等の無機塩基水溶液および/またはHCl、HNO等の無機酸水溶液に金属部材を浸漬する方法、陽極酸化法により金属部材を処理する方法、国際公開第2009/31632号パンフレットに開示されているような、水和ヒドラジン、アンモニア、及び水溶性アミン化合物から選ばれる1種以上の水溶液に金属部材を浸漬する方法などが挙げられる。これらの方法は、使用する金属部材103の金属種類や、上記間隔周期の範囲内において形成する凹凸形状によって使い分けることが可能である。
本実施形態に係る金属部材103は、金属部材103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たすことが好ましい。
(1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む
(2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える
図3は、金属部材103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部を説明するための模式図である。
上記6直線部は、例えば、図3に示すような6直線部B1〜B6を選択することができる。まず、基準線として、金属部材103の接合部表面104の中心部Aを通る中心線B1を選択する。次いで、中心線B1と平行関係にある直線B2およびB3を選択する。次いで、中心線B1と直交する中心線B4を選択し、中心線B1と直交し、中心線B4と並行関係にある直線B5およびB6を選択する。ここで、各直線間の垂直距離D1〜D4は、例えば、2〜5mmである。
なお、通常、金属部材の表面110中の接合部表面104だけでなく、金属部材の表面110全体に対し、表面粗化処理が施されているため、例えば、図4に示すように、金属部材103の接合部表面104と同一面で、接合部表面104以外の箇所から6直線部を選択してもよい。
上記要件(1)および(2)を同時に満たすと、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106が得られる理由は必ずしも明らかではないが、金属部材103の接合部表面104が、金属部材103と樹脂部材105との間のアンカー効果が効果的に発現できる構造になっているためと考えられる。
本発明者らは、金属部材と、樹脂部材との接合強度を向上させるために、金属部材の表面の十点平均粗さ(Rz)を調整することを検討した。
しかし、金属部材の表面の十点平均粗さ(Rz)を単に調整するだけでは金属部材と樹脂部材との接合強度を十分に向上させることができないことが明らかとなった。
ここで、本発明者らは、負荷長さ率という尺度が金属部材表面の凹凸形状の鋭利性を表す指標として有効であると考えた。負荷長さ率が小さい場合は、金属部材表面の凹凸形状の鋭利性が大きいことを意味し、負荷長さ率が大きい場合は、金属部材表面の凹凸形状の鋭利性が小さいことを意味する。
そこで、本発明者らは、金属部材と、樹脂部材との接合強度を向上させるための設計指針として、金属部材表面の粗さ曲線の負荷長さ率という尺度に注目し、さらに鋭意検討を重ねた。その結果、金属部材表面の負荷長さ率を特定値以下に調整することにより、金属部材103と樹脂部材105との間にアンカー効果がより効果的に発現し、その結果、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106が実現できることを見出した。
金属部材103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1A)〜(1C)のうち1つ以上の要件をさらに満たすことが好ましく、要件(1C)を満たすことがとりわけ好ましい。なお、要件(1C)は上述した要件(3)と同一である。
(1A)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を好ましくは2直線部以上、より好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
(1B)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が20%以下である直線部を好ましくは1直線部以上、より好ましくは2直線部以上、さらに好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
(1C)切断レベル40%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が60%以下である直線部を好ましくは1直線部以上、より好ましくは2直線部以上、さらに好ましくは3直線部以上、最も好ましくは6直線部含む
また、金属部材103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材103の表面110上の、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)の平均値が好ましくは0.1%以上40%以下であり、より好ましくは0.5%以上30%以下であり、さらに好ましくは1%以上20%以下であり、最も好ましくは2%以上15%以下である。
なお、上記負荷長さ率(Rmr)の平均値は、前述の任意の6直線部の負荷長さ率(Rmr)を平均したものを採用することができる。
本実施形態に係る金属部材103の表面110の各負荷長さ率(Rmr)は、金属部材103の表面に対する粗化処理の条件を適切に調節することにより制御することが可能である。
本実施形態においては、とくにエッチング剤の種類および濃度、粗化処理の温度および時間、エッチング処理のタイミング等が、上記各負荷長さ率(Rmr)を制御するための因子として挙げられる。
金属部材103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(2A)をさらに満たすことが好ましい。
(2A)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が好ましくは5μm超、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上である
金属部材103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材103の表面110上の、十点平均粗さ(Rz)の平均値が好ましくは2μmを超えて50μm以下、より好ましくは5μmを超えて45μm以下、さらに好ましくは10μm以上40μm以下、特に好ましくは15μm以上30μm以下である。
なお、上記十点平均粗さ(Rz)の平均値は、前述の任意の6直線部の十点平均粗さ(Rz)を平均したものを採用することができる。
金属部材103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材103の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(4)をさらに満たすことが好ましい。
(4)すべての直線部の、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μmを超え300μm未満であり、より好ましくは20μm以上200μm以下である。
金属部材103と樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、金属部材103の表面110上の、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値が好ましくは10μmを超え300μm未満、より好ましくは20μm以上200μm以下である。
なお、上記粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は、前述の任意の6直線部のRSmを平均したものを採用することができる。
本実施形態に係る金属部材103の表面110の十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)は、金属部材103の表面110に対する粗化処理の条件を適切に調節することにより制御することが可能である。
本実施形態においては、とくに粗化処理の温度および時間、エッチング量等が、上記十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を制御するための因子として挙げられる。
金属部材103を構成する金属材料は特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅および銅合金等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、軽量かつ高強度の点から、アルミニウム(アルミニウム単体)およびアルミニウム合金が好ましく、アルミニウム合金がより好ましい。
アルミニウム合金としては、JIS H4000に規定された合金番号1050、1100、2014、2024、3003、5052、6061、6063、7075等が好ましく用いられる。
金属部材103の形状は、樹脂部材105と接合できる形状であれば特に限定されず、例えば、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができる。また、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。
また、樹脂部材105と接合する接合部表面104の形状は、特に限定されないが、平面、曲面等が挙げられる。
金属部材103は、金属材料を切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研磨、放電加工等の除肉加工によって上述した所定の形状に加工された後に、後述する粗化処理がなされたものが好ましい。要するに、種々の加工法により、必要な形状に加工されたものを用いることが好ましい。
必要な形状に加工された金属部材103は、樹脂部材105と接合する面が酸化や水酸化されていないことが好ましく、長期間の自然放置で表面に酸化皮膜である錆の存在が明らかなものは研磨、化学処理等でこれを取り除くことが好ましい。
次に、上記要件(1)〜(4)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材103の調製方法について説明する。
このような金属部材103は、例えば、エッチング剤を用いて粗化処理することにより形成することができる。
ここで、エッチング剤を用いて金属部材の表面を粗化処理すること自体は従来技術においても行われてきた。しかし、本実施形態では、エッチング剤の種類および濃度、粗化処理の温度および時間、エッチング処理のタイミング、等の因子を高度に制御している。上記要件(1)〜(4)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材103を得るためには、これらの因子を高度に制御することが重要となる。
以下、上記要件(1)〜(4)、(1A)〜(1C)、(2A)等を満たす金属部材103を得るための金属部材表面の粗化処理方法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る金属部材表面の粗化処理方法は、以下の例に限定されない。
(1)前処理工程
まず、金属部材103は、樹脂部材105との接合側の表面に酸化膜や水酸化物等からなる厚い被膜がないことが望ましい。このような厚い被膜を除去するため、次のエッチング剤で処理する工程の前に、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等の機械研磨や、化学研磨により表面層を研磨してもよい。また、樹脂部材105との接合側の表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行なうことが好ましい。
(2)表面粗化処理工程
本実施形態において金属部材の表面粗化処理方法としては、後述する酸系エッチング剤による処理を特定のタイミングで行うことが好ましい。具体的には、該酸系エッチング剤による処理を表面粗化処理工程の最終段階で行うことが好ましい。
なお、上述した特許文献5には、アルミニウムを含む金属材料からなる金属部材の表面粗化処理に用いるエッチング剤として、アルカリ系エッチング剤を用いる態様、アルカリ系エッチング剤と酸系エッチング剤を併用する態様、酸系エッチング剤で処理した後アルカリ系溶液で洗浄する態様が開示されている。
当該アルカリ系エッチング剤は、金属部材との反応が穏やかなため、作業性の観点からは好ましく用いられる。しかし、本発明者らの検討によれば、このようなアルカリ系エッチング剤は反応性が穏やかであるため、金属部材表面の粗化処理の度合いが弱く、深い凹凸形状を形成するのが困難であることが明らかになった。また、酸系エッチング剤処理を行った後アルカリ系エッチング剤やアルカリ系溶液を併用する場合には、酸系エッチング剤によって形成した深い凹凸形状を後のアルカリ系エッチング剤やアルカリ系溶液での処理により該凹凸形状を幾分か滑らかにしてしまうことが明らかになった。
上記酸系エッチング剤を用いて粗化処理する方法としては、浸漬、スプレー等による処理方法が挙げられる。処理温度は20〜40℃が好ましく、処理時間は5〜350秒程度が好ましく、金属部材表面をより均一に粗化できる観点から、20〜300秒がより好ましく、50〜300秒が特に好ましい。
上記酸系エッチング剤を用いた粗化処理によって、金属部材103の表面が凹凸形状に粗化される。上記酸系エッチング剤を用いた際の金属部材103の深さ方向のエッチング量(溶解量)は、溶解した金属部材103の質量、比重および表面積から算出した場合、0.1〜500μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、5〜100μmであることが更に好ましい。エッチング量が上記下限値以上であれば、金属部材103と樹脂部材105との間の接合強度をより向上させることができる。また、エッチング量が上記上限値以下であれば、処理コストの低減が可能となる。エッチング量は、処理温度や処理時間等により調整できる。
なお、本実施形態では、上記酸系エッチング剤を用いて金属部材を粗化処理する際、金属部材表面の全面を粗化処理してもよく、樹脂部材105が接合される面だけを部分的に粗化処理してもよい。
(3)後処理工程
本実施形態では、上記表面粗化処理工程の後、通常、水洗および乾燥を行うことが好ましい。水洗の方法については特に制限はないが浸漬または流水にて所定時間洗浄することが好ましい。
さらに、後処理工程としては、上記酸系エッチング剤を用いた処理により生じたスマット等を除去するため、超音波洗浄を施すことが好ましい。超音波洗浄の条件は、生じたスマット等を除去することができる条件であれば特に限定されないが、用いる溶媒としては水が好ましく、また、処理時間としては、好ましくは1〜20分間である。
(酸系エッチング剤)
本実施形態において、金属部材表面の粗化処理に用いられるエッチング剤としては、後述する特定の酸系エッチング剤が好ましい。上記特定のエッチング剤で処理することにより、金属部材の表面に、樹脂部材との間の密着性向上に適した凹凸形状が形成され、そのアンカー効果により金属部材103と樹脂部材105との間の接合強度がより一層向上するものと考えられる。
以下、本実施形態で使用できる酸系エッチング剤の成分について説明する。
上記酸系エッチング剤は、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの少なくとも一方と、酸と、を含み、必要に応じて、マンガンイオン、各種添加剤等を含むことができる。
・第二鉄イオン
上記第二鉄イオンは、金属部材を酸化する成分であり、第二鉄イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二鉄イオンを含有させることができる。上記第二鉄イオン源としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等が挙げられる。上記第二鉄イオン源のうちでは、塩化第二鉄が溶解性に優れ、安価であるという点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記第二鉄イオンの含有量は、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜12質量%、さらに好ましくは0.5〜7質量%、さらにより好ましくは1〜6質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。上記第二鉄イオンの含有量が上記下限値以上であれば、金属部材の粗化速度(溶解速度)の低下を防ぐことができる。一方、上記第二鉄イオンの含有量が上記上限値以下であれば、粗化速度を適正に維持することができるため、金属部材103と樹脂部材105との間の接合強度向上により適した均一な粗化が可能になる。
・第二銅イオン
上記第二銅イオンは金属部材を酸化する成分であり、第二銅イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二銅イオン含有させることができる。上記第二銅イオン源としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅、水酸化第二銅等が挙げられる。上記第二銅イオン源のうちでは、硫酸第二銅、塩化第二銅が安価であるという点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記第二銅イオンの含有量は、0.001〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜7質量%、さらに好ましくは0.05〜1質量%、さらにより好ましくは0.1〜0.8質量%、さらにより好ましくは0.15〜0.7質量%、特に好ましくは0.15〜0.4質量%である。上記第二銅イオンの含有量が上記下限値以上であれば、金属部材の粗化速度(溶解速度)の低下を防ぐことができる。一方、上記第二銅イオンの含有量が上記上限値以下であれば、粗化速度を適正に維持することができるため、金属部材103と樹脂部材105との間の接合強度向上により適した均一な粗化が可能になる。
上記酸系エッチング剤は、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの一方のみを含むものであってもよく、両方を含むものであってもよいが、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含むことが好ましい。酸系エッチング剤が第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含むことで、金属部材103と樹脂部材105との間の接合強度向上により適した良好な粗化形状が容易に得られる。
上記酸系エッチング剤が、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含む場合、第二鉄イオンおよび第二銅イオンのそれぞれの含有量が、上記範囲であることが好ましい。また、酸系エッチング剤中の第二鉄イオンと第二銅イオンの含有量の合計は、0.011〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
・マンガンイオン
上記酸系エッチング剤には、金属部材表面をむらなく一様に粗化するために、マンガンイオンが含まれていてもよい。マンガンイオンは、マンガンイオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該マンガンイオンを含有させることができる。上記マンガンイオン源としては、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、フッ化マンガン、硝酸マンガン等が挙げられる。上記マンガンイオン源のうちでは、硫酸マンガン、塩化マンガンが安価である等の点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記マンガンイオンの含有量は、0〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%である。
・酸
上記酸は、第二鉄イオンおよび/または第二銅イオンにより酸化された金属を溶解させる成分である。上記酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸や、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。上記カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸等が挙げられる。上記酸系エッチング剤には、これらの酸を一種または二種以上配合することができる。上記無機酸のうちでは、臭気がほとんどなく、安価である点から硫酸が好ましい。また、上記有機酸のうちでは、粗化形状の均一性の観点から、カルボン酸が好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記酸の含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜50質量%であることがさらに好ましく、1〜30質量%であることがさらにより好ましく、1〜25質量%であることがさらにより好ましく、2〜18質量%であることがさらにより好ましい。上記酸の含有量が上記下限値以上であれば、金属の粗化速度(溶解速度)の低下を防止できる。一方、上記酸の含有量が上記上限値以下であれば、液温が低下した際の金属塩の結晶析出を防止できるため、作業性を向上できる。
・他の成分
本実施形態において使用できる酸系エッチング剤には、指紋等の表面汚染物による粗化のむらを防ぐために界面活性剤を添加してもよく、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、深い凹凸を形成するために添加されるハロゲン化物イオン源、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等を例示できる。あるいは、粗化処理速度を上げるために添加されるチオ硫酸イオン、チオ尿素等のチオ化合物や、より均一な粗化形状を得るために添加されるイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等のアゾール類や、粗化反応を制御するために添加されるpH調整剤等も例示できる。これら他の成分を添加する場合、その合計含有量は、酸系エッチング剤中に0.01〜10質量%程度であることが好ましい。
本実施形態の酸系エッチング剤は、上記の各成分をイオン交換水等に溶解させることにより容易に調製することができる。
<樹脂部材>
以下、本実施形態に係る樹脂部材105について説明する。
本実施形態に係る樹脂部材105は、以下の要件(a)〜(d)を同時に満たす。
(要件(a))
樹脂部材105は、10℃/minの降温条件下での示差走査熱量計(DSC)測定において、50℃以上120℃以下、好ましくは55℃以上110℃以下、より好ましくは60℃以上100℃以下の範囲に発熱量(ΔH)が0.2mJ/mg以上30mJ/mg以下である発熱ピークが観察される。
これにより、成形時の樹脂部材105の固化速度が適度となり、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への樹脂部材105の進入量を十分に確保しつつ、樹脂部材105の剛性を高めることができるため、金属部材103と樹脂部材105との接合強度を向上させることができる。
ここで、DSC測定は、例えば、測定温度範囲30〜200℃、昇温速度10℃/min、降温速度10℃/min、窒素雰囲気の条件下により行うことができる。また、示差走査熱量計としては、特に限定されないが、例えば、SII社製X−DSC7000を使用することができる。
(要件(b))
樹脂部材105は、上記DSC測定において、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上150℃以下の範囲に観測される。
樹脂部材105のガラス転移温度が上記上限値以下であると、成形時の金型の温度を下げたとしても、樹脂部材105の分子鎖の運動性が低下することを抑制できる。その結果、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への樹脂部材105の進入量を維持することができ、金属部材103と樹脂部材105との接合強度の低下を抑制できる。
また、樹脂部材105のガラス転移温度が上記下限値以上であると、樹脂部材105の剛性が高まり、金属部材103と樹脂部材105の界面の強度を高めることができるため、得られる金属/樹脂複合構造体106の接合強度を向上させることができる。
ここで、上記ガラス転移温度は、上記DSC測定において、2ndRunのガラス転移温度を採用する。
(要件(c))
樹脂部材105は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、数平均分子量(Mn)が2,000以上10,000以下、好ましくは2,000以上5,000以下、より好ましくは2,000以上4,000以下の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と上記Mnとの比(Mw/Mn)が4以上20以下、好ましくは10以上18以下の範囲である。
数平均分子量(Mn)およびMw/Mnが上記範囲内である樹脂部材105は、樹脂部材105全体の機械的強度の向上に寄与する高分子量成分と、金属部材103の微細凹凸形状の凹部へ進入し、樹脂部材105と金属部材103の接合界面の強度の向上に寄与する低分子量成分とのバランスに優れたものになっていると考えられる。すなわち、数平均分子量(Mn)およびMw/Mnが上記範囲内である樹脂部材105は、高分子量成分と低分子量成分がバランスよく存在しているため、成形時の金型の温度を下げたとしても、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への樹脂部材105の進入量を維持することができ、金属部材103と樹脂部材105との接合強度の低下を抑制できる。
本実施形態に係るGPC測定は次のように行なわれる。GPC装置は、ポンプ、インジェクター、カラム及び検出器から構成され、溶媒にはクロロホルムを用いる。ポンプの流速は1.0ml/分にて測定を行なう。カラムには市販のPLgel 5μ MIXED−D 7.5×300mm(ポリマーラボラトリー社製)を複数本直列接続させる。検出器には486 紫外可視検出器(日本ウォーターズ社製)を用いる。
試料の解析にあたっては、単分散ポリスチレン(以下PS)標準試料により作成した検量線を用いる。
(要件(d))
樹脂部材105は、赤外線吸収スペクトル測定をおこなったとき、1700cm-1以上1800cm-1以下の範囲に二本の吸収ピークが観測される。
この吸収ピークはカルボニル基由来のピークと推察される。そのため、この二本の吸収ピークが観察される場合、樹脂部材105中のカルボニル基と、金属部材103との間で何らかの相互作用が生じ、金属部材103と樹脂部材105との密着性を良好なものとすることができると考えられる。そのため、成形時の金型の温度を下げたとしても、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への樹脂部材105の進入量を維持することができ、金属部材103と樹脂部材105との接合強度の低下を抑制できる。
以上の理由から、上記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材105を用いると、成形時の金型の温度を下げて、成形サイクルを向上させたとしても、得られる金属/樹脂複合構造体について、高い接合強度が維持できると推察される。
また、樹脂部材105は、金属部材103表面の凹凸形状への進入を容易にするため、流動性が高いことが好ましい。そのため、本実施形態において樹脂部材105は、ASTM D1238に準拠し、1.2kg荷重、300℃の条件で測定されるMFRが、好ましくは3〜200g/10min、より好ましくは5〜100g/10minである。
樹脂部材105は、主に熱可塑性樹脂(A)により形成されている。
(熱可塑性樹脂(A))
熱可塑性樹脂(A)としては特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のポリメタクリル系樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂等のポリアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール−ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、無水マレイン酸−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマー、アミノポリアクリルアミド樹脂、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ABS、ACS、AES、AS、ASA、MBS、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフトポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、カルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ノルボルネン樹脂、フッ素プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素化エチレンポリプロピレン樹脂、PFA、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリパラメチルスチレン樹脂、ポリアリルアミン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、オリゴエステルアクリレート、キシレン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリヒドロキシブチレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグルタミン酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂(A)は一種単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、上記熱可塑性樹脂(A)としては、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
本発明者らは、従来の金属/樹脂複合構造体において、樹脂部材としてポリカーボネート樹脂を用いた場合、生産性と接合強度とのバランスが特に劣ることを明らかにした。そのため、上記熱可塑性樹脂(A)としては、ポリカーボネート樹脂を用いた場合、本発明の生産性と接合強度とのバランスを向上させる効果が特に効果的に得ることができる。
上記ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン、炭酸ジエステルまたはハロゲンホルメートとを反応させて得られるポリカーボネートを挙げることができる。上記ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」とも呼ぶ。)、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を挙げることができ、これらの中でもビスフェノールAが好ましい。また、ポリカーボネート樹脂は、必要に応じて、三官能以上のポリヒドロキシ化合物に誘導される構造単位の1種または2種以上を少量であれば有していてもよい。
樹脂部材105は熱可塑性樹脂(A)のみから構成されていてもよく、また後述する充填剤(B)を含んでいてもよい。充填剤(B)を含む場合は、熱可塑性樹脂(A)の含有量は、樹脂部材105全体を100質量%としたとき、通常50質量%以上95質量%以下、好ましくは50質量%以上90質量%以下、より好ましくは60質量%以上90質量%以下である。
本実施形態において、樹脂部材105が熱可塑性樹脂(A)としてポリカーボネート樹脂を含む場合、樹脂部材105の熱的性質を制御する観点から、熱可塑性樹脂(A)としてエチレン/(メタ)アクリレートコポリマーをさらに含むことが好ましい。
エチレン/(メタ)アクリレートコポリマー(C)としては、例えば、エチレン/n−ブチルアクリレートコポリマー、エチレン/ヘキシルアクリレートコポリマー、エチレン/ブチルアクリレートコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される一種または二種以上を用いることができる。
本実施形態において、樹脂部材105中の上記ポリカーボネート樹脂と上記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマーの合計を100質量%としたとき、樹脂部材105が熱可塑性樹脂(A)としてポリカーボネート樹脂を含む場合、樹脂部材105の熱的性質を制御する観点から、樹脂部材105中の上記ポリカーボネート樹脂の含有量が好ましくは50質量%以上99質量%以下、より好ましくは50質量%以上98質量%以下、特に好ましくは75質量%以上98質量%以下であり、樹脂部材105中の上記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマー(C)の含有量が好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは2質量%以上50質量%以下、特に好ましくは2質量%以上25質量%以下である。
(充填材(B))
本実施形態において、樹脂部材105は、金属部材103と樹脂部材105との線膨張係数差の調整や樹脂部材105の機械的強度を向上させる観点から、充填材(B)をさらに含んでもよい。
充填材(B)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラル、セルロース繊維からなる群から一種または二種以上を選ぶことができる。これらのうち、好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、ミネラルから選択される一種または二種以上である。
充填材(B)の形状は特に限定されず、繊維状、粒子状、板状等どのような形状であってもよい。
なお、樹脂部材105が充填材(B)を含む場合、その含有量は、樹脂部材105全体を100質量%としたとき、通常5質量%以上50質量%以下、好ましくは10質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
充填材(B)は、樹脂部材105の剛性を高める効果の他、樹脂部材105の線膨張係数を制御できる効果がある。特に、本実施形態の金属部材103と樹脂部材105との複合体の場合は、金属部材103と樹脂部材105との形状安定性の温度依存性が大きく異なることが多いので、大きな温度変化が起こると複合体に歪みが掛かりやすい。樹脂部材105が上記充填材(B)を含有することにより、この歪みを低減することができる。また、上記充填材(B)の含有量が上記範囲内であることにより、靱性の低減を抑制することができる。
本実施形態において、充填材(B)は繊維状無機充填材であることが好ましく、ガラス繊維、炭素繊維であることがより好ましく、ガラス繊維であることが特に好ましい。
これにより、樹脂部材105の剛性を高めながら、ガラス転移温度を低下させることが可能となり、成形時の金型の温度を下げたとしても、樹脂部材105の分子鎖の運動性が低下することを抑制できる。その結果、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への樹脂部材105の進入性を維持することができ、金属部材103と樹脂部材105との接合強度の低下を抑制できる。さらに、成形後の樹脂部材105の収縮を抑制することができるため、上記微細凹凸形状の凹部内での金属部材103と樹脂部材105との接合をより強固なものとすることができる。
本実施形態において、樹脂部材105中の繊維状無機充填材の含有量は、樹脂部材105の成形性を維持しつつ接合強度を向上させる観点から、樹脂部材105全体を100質量%としたとき、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上50質量%以下、特に好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
(その他の配合剤)
樹脂部材105には、個々の機能を付与する目的でその他の配合剤を含んでもよい。
上記配合剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等、耐衝撃性改質剤が挙げられる。
(樹脂部材105の製造方法)
樹脂部材105の製造方法は、樹脂部材105を構成する熱可塑性樹脂(A)や充填材(B)の種類や含有量等の各因子を高度に制御することが特に重要となる。
例えば、前述した熱可塑性樹脂(A)、さらに必要に応じて充填材(B)、上記その他の配合剤を、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機等の混合装置を用いて、混合または溶融混合することにより、樹脂部材105が得られる。
[金属/樹脂複合構造体の製造方法]
つづいて、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法について説明する。
金属/樹脂複合構造体106の製造方法は、以下の(i)〜(ii)の工程を含む。
(i)金型のキャビティ部に、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸表面を有する金属部材103を配置する工程
(ii)上記キャビティ部に樹脂部材105を射出することにより金属部材103と樹脂部材105とを接合する工程
以下、具体的に説明する。
まず、(i)金型を用意し、その金型を開いてそのキャビティ部(空間部)に金属部材103を配置する。(ii)その後、金型を閉じ、樹脂部材105の少なくとも一部が金属部材103の上記微細凹凸表面と接するように、上記金型の上記キャビティ部に樹脂部材105を射出して固化し、金属部材103と樹脂部材105とを接合する。その後、金型を開き離型することにより、金属/樹脂複合構造体106を得ることができる。上記金型としては、例えば、高速ヒートサイクル成形(RHCM、ヒート&クール成形)で一般的に使用される射出成形用金型を用いることができる。
ここで、上記(ii)の工程において、樹脂部材105の射出開始から保圧完了までの間、上記金型の表面温度を、好ましくは樹脂部材105のガラス転移温度(以下、Tgとも呼ぶ。)以上、より好ましくはTg+(5以上100以下)℃以上の温度に維持する。
これにより、樹脂部材105を溶融させた状態に保ちながら、金属部材103の上記微細凹凸表面に樹脂部材105を高圧でより長い時間接触させることができる。
その結果、金属部材103の微細凹凸形状の凹部の奥まで樹脂部材105を十分に進入させることができるため、金属部材103と樹脂部材105との間に物理的な抵抗力(アンカー効果)が効果的に発現し、接合強度に優れた金属/樹脂複合構造体106を安定的に得ることができる。
また、上記(ii)の工程において、上記保圧完了後、上記金型の表面温度を、好ましくは樹脂部材105のガラス転移温度未満、より好ましくはTg−(5以上100以下)℃以下の温度に冷却する。
これにより、溶融状態の樹脂部材105を急速に固化させることができる。その結果、金属/樹脂複合構造体106の成形サイクルを短縮できるため、金属/樹脂複合構造体106を効率よく得ることができる。
以上から、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法によれば、金属部材103と樹脂部材105との接合強度に優れた金属/樹脂複合構造体106を安定的に、かつ、より一層効率よく製造することができる。
上記金型の表面温度の調整は、急速加熱冷却装置を金型に接続することにより、実施することができる。急速加熱冷却装置は、一般的に使用されている方式を採用することができる。
加熱方法として、蒸気式、加圧熱水式、熱水式、熱油式、電気ヒータ式、電磁誘導過熱式のいずれか1方式またはそれらを複数組み合わせた方式でよい。
具体的には、金型の表面の近くに設けられた流路に水蒸気、温水および温油から選択される加熱媒体を導入する、あるいは電磁誘導加熱を用いることにより、上記金型の上記表面温度を樹脂部材105のガラス転移温度以上の温度に維持することが好ましい。
冷却方法としては、冷水式、冷油式のいずれか1方式またはそれらを組み合わせた方式でよい。
具体的には、金型の表面の近くに設けられた流路に冷水および冷油から選択される冷却媒体を導入することにより、金型の表面温度を樹脂部材105のガラス転移温度未満の温度に冷却することが好ましい。
上記(ii)の工程において、上記射出開始から上記保圧完了までの時間は、好ましくは1秒以上40秒以下であり、より好ましくは10秒以上30秒以下である。
上記時間が上記下限値以上であると樹脂部材105を溶融させた状態に保ちながら、金属部材103の上記微細凹凸表面に樹脂部材105を高圧でより長い時間接触させることができる。これにより、接合強度により一層優れた金属/樹脂複合構造体106をより安定的に得ることができる。
また、上記時間が上記上限値以下であると、金属/樹脂複合構造体106の成形サイクルを短縮できるため、金属/樹脂複合構造体106をより効率よく得ることができる。
また、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法が適用される成形方法としては、射出成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法、反応射出成形法、ブロー成形法、熱成形法、プレス成形法などが挙げられる。これらの中でも射出成形法が好ましい。
[金属/樹脂複合構造体の用途]
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、様々な用途に展開することが可能である。
さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、高い気密性、水密性が発現するので、これらの特性に応じた用途に好適に用いられる。
例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等が挙げられる。
より具体的には、樹脂だけでは強度が足りない部分を金属がサポートする様にデザインされた次のような部品である。車両関係では、インスツルメントパネル、コンソールボックス、ドアノブ、ドアトリム、シフトレバー、ペダル類、グローブボックス、バンパー、ボンネット、フェンダー、トランク、ドア、ルーフ、ピラー、座席シート、ラジエータ、オイルパン、ステアリングホイール、ECUボックス、電装部品等が挙げられる。また、建材や家具類として、ガラス窓枠、手すり、カーテンレール、たんす、引き出し、クローゼット、書棚、机、椅子等が挙げられる。また、精密電子部品類として、コネクタ、リレー、ギヤ等が挙げられる。また、輸送容器として、輸送コンテナ、スーツケース、トランク等が挙げられる。
また、金属部材103の高い熱伝導率と、樹脂部材105の断熱的性質とを組み合わせ、ヒートマネージメントを最適に設計する機器に使用される部品用途、例えば、各種家電にも用いることができる。具体的には、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、照明機器、電気湯沸かし器、テレビ、時計、換気扇、プロジェクター、スピーカー等の家電製品類、パソコン、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、充電器、電池等電子情報機器等が挙げられる。
これらについては、金属部材103の表面を粗化することによって表面積が増加するため、金属部材103と樹脂部材105との間の接触面積が増加し、接触界面の熱抵抗を低減させることができることに由来する。
その他の用途として、玩具、スポーツ用具、靴、サンダル、鞄、フォークやナイフ、スプーン、皿等の食器類、ボールペンやシャープペン、ファイル、バインダー等の文具類、フライパンや鍋、やかん、フライ返し、おたま、穴杓子、泡だて器、トング等の調理器具、リチウムイオン2次電池用部品、ロボット等が挙げられる。
以上、本発明の金属/樹脂複合構造体106の用途について述べたが、これらは本発明の用途の例示であり、上記以外の様々な用途に用いることもできる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
なお、図1、2は各実施例の共通の図として使用する。
図1は、金属部材103と樹脂部材105との金属/樹脂複合構造体106の構造の一例を模式的に示した外観図である。
図2は、金属部材103と樹脂部材105との金属/樹脂複合構造体106を製造する過程の一例を模式的に示した構成図である。具体的には所定形状に加工され、表面に微細凹凸面を有する接合部表面104が形成された金属部材103を金型102内に設置し、射出成形機101により、樹脂部材105をゲート/ランナー107を通して射出し、微細凹凸表面を有する金属部材103と一体化された金属/樹脂複合構造体106を製造する過程を模式的に示している。
(金属部材表面の、粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の測定)
表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用し、JIS B0601(対応ISO 4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
・触針先端半径:5μm
・基準長さ:0.8mm
・評価長さ:4mm
・測定速度:0.06mm/sec
測定は、金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部についておこなった(図4参照)。なお、本実施例・比較例では、金属部材103の全面について粗化処理をおこなっているため、金属/樹脂複合構造体106の接合部表面104について粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の測定をおこなっても、図4に示す測定箇所と同様の評価結果が得られることが理解される。
(樹脂部材のDSC測定)
樹脂部材のDSC測定は、DSC装置(SII社製X−DSC7000)を用いて以下の方法でおこなった。
得られた金属/樹脂複合構造体106から樹脂部材を切り出し、切り出した樹脂部材に対し、開始温度30℃、測定温度範囲30〜200℃、昇温速度10℃/min、降温速度10℃/min、窒素雰囲気の条件下でDSC測定をおこなった。ここで、ガラス転移温度は、上記DSC測定において、2ndRunのガラス転移温度を採用した。
(樹脂部材のGPC測定)
樹脂部材についてのGPC測定は以下の方法でおこなった。
得られた金属/樹脂複合構造体106から樹脂部材を切り出し、切り出した樹脂部材15mgにクロロホルムを3.0ml加えて十分溶解し試料とした。GPC装置は、ポンプ、インジェクター、カラム及び検出器から構成され、ポンプの流速を1.0ml/分、カラム計内温度を40℃とし、測定溶液を10μlインジェクターより注入して測定を行った。また、カラムにはPLgel 5μ MIXED−D 7.5×300mm(ポリマーラボラトリー社製)を2本直列接続させた。検出器には486 紫外可視検出器(日本ウォーターズ社製)を用いた。
試料の解析にあたっては、単分散ポリスチレン(以下PS)標準試料により作成した検量線を用いた。検量線はPSの分子量の対数値とPSのピーク検出時間(保持時間)をプロットし、3次式に回帰したものを用いた。検量線作成用の標準PS試料としては、単分散ポリスチレン(アジレントテクノロジー社製)を使用した。
(樹脂部材の赤外線吸収スペクトル測定)
得られた金属/樹脂複合構造体106から樹脂部材を切り出し、切り出した樹脂部材に対し、赤外線吸収スペクトルを測定した。
(樹脂部材のMFR)
樹脂部材のMFRは、ASTM D−1238法に基づき300℃、荷重1.2kgの条件で測定した。
(接合強度の評価方法および合否判定)
引っ張り試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除することにより接合強度(MPa)を得た。
(金属部材の表面粗化処理)
[金属部材1の調製方法]
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(厚み:2.0mm)を、長さ45mm、幅18mmに切断した。このアルミニウム板を特開2005−119005号公報の実施例1に記載の処理をおこなった。具体的には、市販のアルミニウム脱脂剤「NE−6(メルテックス社製)」を15%濃度で水に溶かし75℃とした。この水溶液が入ったアルミニウム脱脂槽に上記アルミニウム板を5分間浸漬し水洗し、40℃の1%塩酸水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。つづいて、40℃の1%水酸化ナトリウム水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。次いで40℃の1%塩酸水溶液を入れた槽に1分浸漬し水洗し、60℃の2.5%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れた第1ヒドラジン処理槽に1分浸漬し、40℃の0.5%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れた第2ヒドラジン処理槽に0.5分浸漬し水洗した。これを40℃で15分間、60℃で5分程度温風乾燥させることにより、表面処理済みの金属部材1を得た。
得られた金属部材1の間隔周期は、走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM−6701F)にて測定した。
また、エッチング処理前後の金属部材1の質量比から求めたエッチング率を算出した。
得られた結果を以下に示す。
間隔周期[nm]:45
エッチング率[質量%]:0.3
[金属部材2の調製方法]
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(厚み:2.0mm)を、長さ45mm、幅18mmに切断した。このアルミニウム板を酸系エッチング剤(硫酸:8.2質量%、塩化第二鉄:7.8質量%(Fe3+:2.7質量%)、塩化第二銅:0.4質量%(Cu2+:0.2質量%)イオン交換水:残部)(30℃)中に80秒間浸漬し、揺動させることによってエッチングした。次いで、流水で超音波洗浄(水中、1分)を行い、乾燥させることにより表面処理済みの金属部材2を得た。
得られた金属部材2の間隔周期は、レーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK−X100)にて測定した。
また、得られた金属部材2の表面粗さを、表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用して測定し、6直線部について、切断レベル10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%および80%における負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を求めた。このうち、切断レベル20%におけるRmr(20%)値、上記Rmr(20%)値が30%以下となる直線部の本数、切断レベル40%におけるRmr(40%)値、上記Rmr(40%)値が60%以下となる直線部の本数、6直線部のRz値、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)、エッチング処理前後の金属部材の質量比から求めたエッチング率を算出した。
得られた結果を以下に示す。
間隔周期[μm]:92
切断レベル20%におけるRmr(20%)値:17.5、10.3、13.4、10.6、3.8、7.4
Rmr(20%)値が30%以下となる直線部の本数:6
切断レベル40%におけるRmr(40%)値:43.6、26.1、48.0、46.7、33.5、34.2
Rmr(40%)値が60%以下となる直線部の本数:6
6直線部のRz値[μm]:17.8、18.1、19.6、17.8、17.2、18.0
6直線部のRSm値[μm]:104、83.0、85.6、98.7、106.6、103.1
エッチング率[質量%]:2.6
[実施例1]
日本製鋼所社製の射出成形機J55ADに小型ダンベル金属インサート金型102を装着し、金型102内に金属部材1を設置した。次いで、金型102の表面温度を、加熱媒体である加圧熱水を用いて130℃まで加熱した。
次いで、その金型102内に、樹脂部材1(ポリカーボネート樹脂(帝人社製G3120PH)、エチレン/メチルアクリレートコポリマー(デュポン社製、Elvaloy(r) AC1125)、ガラス繊維を重量比で65/5/30でコンパウンド)を、シリンダー温度320℃、射出速度25mm/sec、保圧100MPa、保圧時間15秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体106を得た。なお、保圧完了後の金型表面温度も130℃に維持されていた。
樹脂部材1の評価結果を表1に示す。また、接合強度の評価結果を表2に示す。
[実施例2]
金属部材の種類を金属部材2に変えた以外は実施例1と同様にして、金属/樹脂複合構造体106を得た。また、金型102の表面温度を120℃に変化させた以外は上記と同様にして金属/樹脂複合構造体106を得た。これらの接合強度の評価結果を表2に示す。
[実施例3]
射出前の金型102の表面温度を160℃に変え、保圧完了後の金型の表面温度を80℃まで低下させた以外は実施例2と同様にして金属/樹脂複合構造体106を得た。接合強度は実施例2で得られた金属/樹脂複合構造体の接合強度の2.3倍であった。
[比較例1]
樹脂部材の種類を樹脂部材2(ガラス繊維含有ポリカーボネート樹脂(帝人社製G3420LI、ガラス繊維含有量:20質量%))に変えた以外は実施例2と同様にして、金属/樹脂複合構造体106をそれぞれ得た。樹脂部材2の評価結果を表1に示す。また、接合強度の評価結果を表2に示す。
[比較例2]
樹脂部材の種類を樹脂部材3(ポリカーボネート樹脂(帝人社製パンライトL1225L))に変えた以外は実施例2と同様にして、金属/樹脂複合構造体106をそれぞれ得た。樹脂部材3の評価結果を表1に示す。また、接合強度の評価結果を表2に示す。
[比較例3]
樹脂部材の種類を樹脂部材4(ガラス繊維含有ポリカーボネート樹脂(Kumho Sunny社製HCG2530HG、ガラス繊維含有量:30質量%))に変えた以外は実施例2と同様にして、金属/樹脂複合構造体106をそれぞれ得た。樹脂部材4の評価結果を表1に示す。また、接合強度の評価結果を表2に示す。
Figure 0006422751
Figure 0006422751
実施例で得られた金属/樹脂複合構造体106は、金型温度を下げて成形しても高い接合強度を有しており、生産性と接合強度とのバランスに優れていた。
一方、比較例で得られた金属/樹脂複合構造体106は、金型温度を下げて成形すると、低い接合強度となり、生産性と接合強度とのバランスに劣っていた。
101 射出成形機
102 金型
103 金属部材
104 接合部表面
105 樹脂部材
106 金属/樹脂複合構造体
107 ゲート/ランナー
110 表面

Claims (9)

  1. 間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸表面を有する金属部材と、下記要件(a)〜(d)を同時に満たす樹脂部材と、が接合してなる金属/樹脂複合構造体であって、
    前記樹脂部材が繊維状無機充填材、ポリカーボネート樹脂およびエチレン/(メタ)アクリレートコポリマーを含み、
    前記樹脂部材中の前記繊維状無機充填材の含有量が5質量%以上50質量%以下であり、
    前記樹脂部材中の前記ポリカーボネート樹脂と前記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマーの合計を100質量%としたとき、
    前記樹脂部材中の前記ポリカーボネート樹脂の含有量が50質量%以上99質量%以下であり、
    前記樹脂部材中の前記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマーの含有量が1質量%以上50質量%以下である金属/樹脂複合構造体
    (a)10℃/minの降温条件下での示差走査熱量計(DSC)測定において、50℃以上120℃以下の範囲に発熱量(ΔH)が0.2mJ/mg以上30mJ/mg以下である発熱ピークが観察される
    (b)前記DSC測定において、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上150℃以下の範囲に観測される
    (c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、数平均分子量(Mn)が2,000以上10,000以下の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と前記Mnとの比(Mw/Mn)が4以上20以下の範囲である
    (d)赤外線吸収スペクトル測定をおこなったとき、1700cm-1以上1800cm-1以下の範囲に二本の吸収ピークが観測される
  2. 前記繊維状無機充填材がガラス繊維である、請求項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  3. 前記エチレン/(メタ)アクリレートコポリマーが、エチレン/n−ブチルアクリレートコポリマー、エチレン/ヘキシルアクリレートコポリマー、エチレン/ブチルアクリレートコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される一種または二種以上である、請求項またはに記載の金属/樹脂複合構造体。
  4. 前記金属部材がアルミニウムおよびアルミニウム合金から選択される一種または二種以上の金属を含む金属材料からなる、請求項1乃至いずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  5. 前記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(1)および(2)を同時に満たす、請求項1乃至いずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
    (1)切断レベル20%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が30%以下である直線部を1直線部以上含む
    (2)すべての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超える
  6. 前記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さが以下の要件(3)をさらに満たす、請求項に記載の金属/樹脂複合構造体。
    (3)切断レベル40%、評価長さ4mmにおける粗さ曲線の負荷長さ率(Rmr)が60%以下である直線部を1直線部以上含む
  7. 前記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、すべての直線部の前記十点平均粗さ(Rz)が5μmを超える、請求項またはに記載の金属/樹脂複合構造体。
  8. 前記金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、すべての直線部の前記十点平均粗さ(Rz)が15μm以上である、請求項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  9. 請求項1乃至いずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体を製造するための製造方法であって、
    金型のキャビティ部に、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立した微細凹凸表面を有する前記金属部材を配置する工程と、
    前記キャビティ部に前記樹脂部材を射出することにより前記金属部材と前記樹脂部材とを接合する工程と、
    を含み、
    前記樹脂部材の射出開始から保圧完了までの間、前記金型の表面温度を前記樹脂部材の前記ガラス転移温度以上の温度に維持し、前記保圧完了後、前記金型の表面温度を前記樹脂部材の前記ガラス転移温度未満の温度に冷却する金属/樹脂複合構造体の製造方法。
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