JP2016189441A - 圧粉磁心および該圧粉磁心を用いたリアクトル - Google Patents

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宏明 近藤
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Abstract

【課題】重畳電流が変化してもインダクタンス値の変化率が小さい安定した重畳特性を示し、リアクトルに用いるコアの使用点数を低減できる圧粉磁心を提供する。
【解決手段】軟磁性粉末粒子と、前記軟磁性粉末粒子間の空隙を有する圧粉磁心であって、密度比90〜95%であり、断面を観察した際に、内部に厚さ1〜3μmかつ幅20μmの層状の空隙を有する圧粉磁心とする。前記層状の空隙が断面面積率において全空隙の50%以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁心に係り、特に、電力供給の制御・調整に使用されるリアクトルのコ
アに適した圧粉磁心に関する。また、該圧粉磁心を用いたリアクトルに関する。
近年、燃料電池車、電気自動車、ハイブリッド自動車等のいわゆる低公害車の開発が進
められている。他方、車載用途とは異なり、太陽光発電システム、風力発電システム、自
然冷媒ヒートポンプ給湯機等も大容量化が進んでいる。特に、ハイブリッド自動車は、国
内外で普及が進みつつある。このようなハイブリッド自動車等においては、バッテリーの
電圧から電装品用の電圧への降圧や、モータ等をインバータ制御する場合には、直流電流
から高周波数の交流電源への変換が、スイッチング電源などを介して行われる。
上記のようなスイッチング電源の回路には、コア(磁心)と、そのコアの周囲に巻回さ
れたコイルとからなるリアクトルが設けられる。リアクトルの性能としては、小型、低損
失、低騒音であることに加え、幅広い直流電流領域で安定したインダクタンス特性を有す
ること、すなわち、直流重畳特性に優れることが求められる。そのため、リアクトル用コ
アとしては、低鉄損であるとともに、低磁場から高磁場までの透磁率が安定しているコア
、すなわち、恒透磁率性に優れるコアが望ましい。
一般に、リアクトル用コアは、珪素鋼板、アモルファス薄帯、酸化物フェライト等の材
料で構成され、これらの材料で構成されるコアは、板材の積層、圧粉成形、圧粉焼結等に
より製造される。また、直流重畳特性を改善するために、コアの磁路中に適当な空隙(ギ
ャップ)を設けて見掛透磁率を調整したりすることも行われる。
モータやインバータ等の大出力化等に伴い、リアクトル等のコアは、大電流、高磁場側
での使用が求められるようになっている。このようなリアクトル用コアにおいては、高磁
場側でもインダクタンスが低下しないことが望ましいが、上記の珪素鋼板、アモルファス
薄帯、酸化物フェライト等の材料で構成されたコアは、透磁率が高い材料であるため高磁
場側では磁束密度が飽和し、インダクタンスが低下してしまう。このような重畳電流によ
りインダクタンスが大きく変動するコアをリアクトルに適用するためには、コアに設ける
ギャップを厚くする、ギャップ数を増やす等の設計が必要になるが、このようなコアの設
計は、漏れ磁束の発生、損失の増加、騒音の増大やリアクトルの大型化を招き、燃費性能
要求や搭載スペースに制限のある車載用等の用途には好ましくない。また、組み付け工程
も増えるために、生産コストの面でも不利になる。
材料組織構造に特徴のあるコアとして、鉄などの軟磁性金属粉末を圧縮成形して作製し
た圧粉磁心がある。圧粉磁心は、珪素鋼板などによる積層磁心と比較して、作製時の材料
歩留まりが良く、材料コストを低減することができる。また、形状自由度が高く、磁心形
状の最適設計を行うことにより特性向上を図ることが可能である。さらに、有機樹脂や無
機粉末などの電気絶縁物質と金属粉末を混合したり、金属粉末の表面に電気絶縁被膜を被
覆したりして金属粉末間の電気絶縁性を向上させることにより、磁心の渦電流損を大幅に
低減することができ、特に高周波域において優れた磁気特性が得られる。これらの特徴か
ら、リアクトル用コアとして圧粉磁心が注目されている。
リアクトルのコアの素材としては、従来、Fe中にSiを3〜6.5%を含む珪素鋼板
等の材料が用いられているが、珪素鋼板は硬く造形性に乏しい。このため、安価で造形性
に優れている点から、表面に絶縁被膜を有する軟磁性粉末を圧粉成形した圧粉磁心の適用
が広がりつつある(例えば特許文献1参照)。
圧粉磁心の製造方法としては、表面に無機絶縁被膜を形成した軟磁性粉末に熱硬化性樹
脂粉末を添加した混合粉末を圧縮成形し、得られた圧粉体に樹脂硬化処理を施す方法があ
る(例えば、特許文献2参照)。また、近年、圧粉磁心の更なる低鉄損化が求められ、圧
縮成形して得られた圧粉体(圧粉磁心)に熱処理を施して圧粉成形による歪みを緩和し、
ヒステリシス損を低減することが行われている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−102409号公報 特開平9−320830号公報 特開2000−235925号公報
圧粉磁心は、珪素鋼板等に比べ安定した重畳特性が得られるが、磁気ギャップ無しでリ
アクトルを構成するには至っておらず、リアクトルに用いるコアを分割するとともに、分
割したコア間にギャップ材を装填することでインダクタンスの調整を実施している。しか
しながら、この場合、分割したコアにギャップ材を配置しながら整列させてリアクトルを
組み立てなければならず手間がかかる。ここで、リアクトルに用いるコアを重畳特性に優
れたものとすれば、コアを分割せずともよくなり、リアクトルの組み立てが容易になると
ともに、分割したコア間に配置されるギャップ材を削減することができることとなり、漏
れ磁束の抑制、損失の低減、騒音の抑制、およびリアクトルの小型化を達成することがで
きる。
このことから、本発明は、重畳電流が変化してもインダクタンス値の変化率が小さい安
定した重畳特性を示し、リアクトルに用いるコアの使用点数を低減できる圧粉磁心を提供
することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、圧粉磁心内部に層
状の空隙を形成することで、コアの分割やギャップ材なしで優れた重畳特性を示す圧粉磁
心とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、軟磁性粉末粒子と、前記軟磁性粉末粒子間の空隙を有する圧
粉磁心であって、密度比90%以上であり、圧粉磁心の断面を観察した際に、圧粉磁心の
内部に粒子間距離1〜3μmかつ幅20μmの層状の空隙を有する圧粉磁心とすることを
要旨とする。
上記の態様においては、層状の空隙が、断面面積率において全隙間の50%以上である
ことが好ましい。また、圧粉磁心が、鉄基軟磁性粉末の表面に、粒子状金属酸化物及びリ
ン酸カルシウムを含む絶縁層を有し、該絶縁層がシリコーン樹脂によって被覆される絶縁
被覆鉄基軟磁性粉末によって構成されることが好ましい。
本発明によれば、重畳特性に優れた圧粉磁心を提供することができ、高周波数領域かつ
広範な重畳電流域におけるインダクタンスの安定性が向上したリアクトルコアが提供可能
となる。
本発明の圧粉磁心の一例と、従来の圧粉磁心の一例を示す断面顕微鏡写真であり、(a)が本発明例、(b)が従来例である。 実施例における各試料の重畳電流によるインダクタンス値の変化を示すグラフである。
通常の珪素鋼板、アモルファス薄帯、酸化物フェライト等の材料で構成されたコアは、
小さな重畳電流の負荷でも大きくインダクタンスが低下する。更に、大電流側では空芯コ
イルと遜色ないインダクタンス値となってしまうため、コアを使用する意味を為さなくな
る。また、インダクタンスの変動幅が大きくなってしまうと、所定の昇圧が不可能となり
、安定した電圧変換が望めない。圧粉磁心は、透磁率が低い樹脂や気孔(軟磁性粉末間の
空隙)などの磁気ギャップが分散しているため、重畳特性に優れるが、大電流、高磁場側
での特性は、未だ十分とはいえない。
本発明では、電気絶縁被膜を表面に形成した鉄基軟磁性粉末を用いて作製する圧粉磁心
の圧粉体内部に、磁束の方向に対し略垂直方向に延びた層状の空隙を存在させることによ
って、層状の空隙が磁気ギャップとして作用し、圧粉磁心の重畳特性の改善を可能とする
密度が低下すると、磁性体の占積率低下にともない全体的なインダクタンス値が低くな
る。特に、高電流側でのインダクタンスは密度の高さと相関がある。密度比が90%を下
回ると、高磁束密度を特徴とする鉄基軟磁性粉のメリットを活かすことができない。密度
の測定は、アルキメデス法により測定される。具体的には、JIS規格のZ2501に規
定された方法により測定される。このような高密度に成形する上で、絶縁被覆鉄基軟磁性
粉末として、平均粒径(メジアン径)が50〜150μm程度の軟磁性粉末を使用すると
好ましい。
一方で、密度比95%を超えてしまうと、圧粉磁心内部の空隙量が減少し、コアとして
使用した際に磁気ギャップを担う非磁性部位が極端に少なくなってしまう。この場合、高
電流下でのインダクタンス値は高くなるものの、密度の上昇に伴い透磁率が高くなってし
まう。その結果、初期のインダクタンス値が大幅に増加し、重畳電流の有無によるインダ
クタンス値の変動幅が大きくなる。
圧粉磁心において一般的な軟磁性粉末間の空隙、いわゆる気孔は、圧粉体の断面で観察
した場合、点に近い形状で局所的に配置される。この場合、磁気ギャップとしての機能は
少なく、密接した粒子間で磁束の流れが発生するため、磁束密度の飽和を抑えることは難
しい。その一方で、同じ密度すなわち同じ空隙(気孔)量でも、磁束の方向に対して略垂
直方向に層状の空隙を形成した場合は、軟磁性粉末粒子間に空気層が存在するため、各々
の層状の空隙が磁気ギャップとして機能し、磁気飽和を遅らせることができる。
本発明の層状の空隙を有する圧粉磁心と、従来の圧粉磁心の気孔分布の違いを図1に示
す。図1(a)は、本発明の層状の空隙を有する圧粉磁心の一例であり、図1(b)は、
従来の圧粉磁心の一例である。いずれも圧粉磁心の断面を鏡面研磨し顕微鏡で観察した際
の写真である。図1(b)に示すように、従来の圧粉磁心は、気孔が少なく、かつ比較的
小さい気孔のみが分散している。これに対し、図1(a)の本発明の圧粉磁心は、図中、
横方向に長く、ある程度の厚さを有する層状の空隙(気孔)が軟磁性粉末の界面に沿って
分布している。本発明の圧粉磁心においては、このような層状の気孔が磁気ギャップとし
て作用するため、磁気飽和を遅らせて、重畳電流の変化に対するインダクタンス値の変化
を抑制した優れた重畳特性を示すものとなる。
しかしながら、圧粉磁心の断面で観察した場合に、隣接する粒子間の層状の空隙の厚さ
が小さいと、磁気飽和を遅らせることが難しくなる。このため、層状の空隙の厚さは1μ
m以上であることが望ましい。一方で、層状の空隙の厚さが3μmを超えてしまうと、空
隙部の全体量が同じであっても、気孔とほぼ同様の形態となるため、磁気ギャップの機能
を為さない。
圧粉磁心の断面を観察した際の層状の空隙の幅(空隙の長手方向の距離)が20μm未
満の場合は、金属粒子径よりも短いため、粒子同士が密接することとなり、磁気ギャップ
としての機能を果たさない。また、層状の空隙の幅が200μmを超えてしまうと、軟磁
性粉末どうしのからみが乏しくなり、圧粉磁心の強度が著しく低下してしまう。リアクト
ルは、モータ等の駆動部品ではないが、コアとして用いる圧粉磁心の組み付け時のハンド
リングや、車載用においては車両から発生する振動にも耐えることができる強度が必須と
なる。更に、リアクトルとして駆動する際も磁歪による振動が発生するため、高強度であ
ることが望ましい。そのため、層状の空隙の幅としては、通常の気孔形状を有する圧粉磁
心と同等の強度を維持できる200μm以内の層幅であることが望ましい。
上記のような層状の空隙は、磁束の向きに沿って形成すると、磁気ギャップとしての作
用が得られないため、磁束の向きに対し横切るように形成されることが好ましく、磁束の
向きに対して略垂直方向に形成されるものが多いほど望ましい。
鉄基軟磁性粉末としては、純鉄や、Fe−Si合金、Fe−Al合金、パーマロイ、セ
ンダスト等の鉄合金を含む鉄系金属の粉末が用いられ、純鉄粉は、磁束密度の高さ及び成
形性等の点で優れている。
軟磁性粉末の表面に形成される電気絶縁被膜は、上記熱処理温度で絶縁性が維持される
ものであればよいが、リン酸塩を含む電気絶縁被膜は、熱処理した際に互いに結着するの
で、圧粉体の強度の観点から好ましい。無機絶縁被膜で被覆された軟磁性粉末は、市販の
製品から適宜選択して用いることができ、或いは、既知の方法に従って軟磁性粉末の表面
に無機化合物の被膜を形成して用いてもよい。例えば、前記特許文献(特開平9−320
830号公報)に従って、リン酸、ホウ酸及びマグネシウムを含有する水溶液を鉄粉末に
混合して乾燥することによって、鉄粉末1kgの表面に0.7〜11g程度の無機絶縁被
膜が形成された絶縁被覆軟磁性粉末が得られる。
また、圧粉磁心として、樹脂成分を含有し、軟磁性粉末を樹脂成分により結着したもの
としてもよい。この場合、樹脂成分が過多となると、その分、軟磁性粉末の量が少なくな
り、占積率が低下して磁束密度が低下することから、樹脂成分を添加する場合、0.5質
量%以下とすることが好ましい。
20kHz,1Vで、重畳電流を0Aから20Aまで変化させた際の、圧粉磁心のイン
ダクタンスの低下率が30%を超える場合、重畳前後での変化率が大きくなってしまい、
ギャップ材等でのインダクタンス調整が必要になる。従って、インダクタンスの変化率は
30%以内であることが好ましい。
圧粉磁心は、原料粉末となる軟磁性粉末を、ダイの型孔と、下パンチにより形成される
空間(ダイキャビティ)に充填した後、上パンチおよび下パンチにより原料粉末を圧縮成
形し、その後、圧縮成形された圧粉体をダイの型孔から抜き出し、必要に応じて熱処理さ
れて製造される。上記の層状の空隙を有する圧粉磁心は、例えば、圧縮成形時の上下パン
チの移動速度と、上下パンチとダイの型孔の隙間の間隔を調整することで製造することが
できる。すなわち、圧縮成形時の上下パンチの移動速度が遅い場合、ダイキャビティに充
填された原料粉末間に存在する空気は、上下パンチとダイの型孔の隙間を通じて抜け出る
ことができるが、圧縮成形時の上下パンチの移動速度がある程度以上早い場合、ダイキャ
ビティに充填された原料粉末間に存在する空気は、抜け出ることができないまま圧縮され
ることとなり、このような空気の存在した箇所が層状の空隙として形成されることとなる
また、もう一つの例として、圧粉磁心が熱処理されて製造される場合、原料粉末中に、
後の熱処理で揮発分解可能なパラフィン等の物質を箔状粉末の形態で添加してもよい。こ
の場合、圧縮成形後の圧粉体中には後の熱処理で揮発分解可能な箔状粉末が分散するが、
熱処理に際して箔状物質が揮発分解して消失することで、圧粉体中に箔状物質が存在して
いた箇所が層状の空隙として形成されることとなる。
絶縁被覆された鉄基軟磁性粉末として、株式会社神戸製鋼所製のMH20D粉末を用意
した。この鉄基軟磁性粉末を、サイドコア形状として縦30mm、横60mmの金型を使
用し、乾性被膜潤滑材をダイス壁面へ塗布、乾燥する金型潤滑法を用いた。サイドコアの
厚みは20mmとし、密度7.3Mg/mで成形ストロークを変化させ、成形を実施し
た。また、ミドルコア形状として直径20mmの金型を使用し、乾性被膜潤滑材をダイス
壁面へ塗布、乾燥する金型潤滑法を用いた。ミドルコアの厚みは30mmとし、サイドコ
アと同様に密度7.3Mg/mで成形ストロークを変化させ、成形を実施した。作製し
た成形体はメッシュベルト炉にて窒素ガス雰囲気中で500℃で熱処理を施した。
熱処理後のサイドコアとミドルコアはサイドコアを2個、ミドルコアを4個として、各
々パンチ面で対向させ、ギャップ材等を入れず組み合わせた。その後、励磁巻線を35タ
ーン巻き回しリアクトルコアとし、國洋電機工業製直流重畳試験機LMB−2101Bに
て重畳特性を評価した。その際の周波数は20kHzとし、0Aから20Aでのインダク
タンスを測定した。
また、圧粉体断面の層状ギャップ量に関しては光学顕微鏡写真にて200倍の倍率で各
々の面を撮影し、得られた画像から各々の空隙(気孔)の厚さおよび幅を測定するととも
に、三谷産業製画像解析ソフトウェアWinRoofにて面積率を測定した。
表1に、測定した空隙の厚さの平均値および空隙の幅の平均値を記載するとともに、0
Aでのインダクタンス値L0Aおよび20Aでのインダクタンス値L20Aと、この間のイン
ダクタンスの低下率を示す。また、各試料の重畳電流が0Aから20Aに変化したときの
インダクタンス値の変化を図2に示す。
表1および図2に示すように、層状の空隙の平均厚さが1μmに満たず、また平均幅が
20μmに満たない試料番号01の試料は、L0Aは高いがその一方でL20Aは低くなって
おり、インダクタンス値の低下率が大きい。一方、層状の空隙の平均厚さが1μmであり
、また平均幅が20μmである試料番号02の試料は、L0Aは低下するものの、L20A
高く、インダクタンス値の低下率が小さくなっている。また、層状の空隙の平均厚さおよ
び平均幅が大きくなるにしたがい、L0AおよびL20Aが低下し、インダクタンス値の低下
率が小さくなる傾向を示す。しかしながら、層状の空隙の平均厚さが3μmを超え、また
平均幅が200μmを超える試料番号05の試料ではインダクタンス値の低下率は小さい
ものの、L0Aの値が小さく、かつL20Aの値が1500を下回っている。
以上のことから、平均厚さが1〜3μmであり、かつ平均幅が20〜200μmである
層状の空隙を圧粉磁心中に分散させることにより、この層状の空隙が磁気ギャップとして
作用してインダクタンス値の低下率が小さくなり、安定した重畳特性を示すことが確認さ
れた。
本発明によれば、変圧器、リアクトル、チョークコイル等、特に、車載用リアクトル等
の小型化が求められる磁気回路用の鉄心として好適に用いることができ、優れた直流重畳
特性を有する圧粉磁心を提供することができる。特に、数kHzから百kHz未満の周波
数領域における適用に好適である。

Claims (5)

  1. 軟磁性粉末粒子と、前記軟磁性粉末粒子間の空隙を有する圧粉磁心であって、密度比9
    0〜95%であり、断面を観察した際に、内部に厚さ1〜3μmかつ幅20〜200μm
    の層状の空隙を有することを特徴とする圧粉磁心。
  2. 前記層状の空隙が断面面積率において全空隙の50%以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の圧粉磁心。
  3. 前記圧粉磁心が、鉄基軟磁性粉末の表面に、粒子状金属酸化物及びリン酸カルシウムを
    含む絶縁層を有し、該絶縁層がシリコーン樹脂によって被覆される絶縁被覆鉄基軟磁性粉
    末によって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧粉磁心。
  4. 20kHz、1Vで0Aから20Aまで重畳した場合のインダクタンス値の低下率が3
    0%以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧粉磁心。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の圧粉磁心を用いたリアクトル。
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