JP2016188447A - 表面紙力増強剤、表面塗工液および表面塗工紙 - Google Patents

表面紙力増強剤、表面塗工液および表面塗工紙 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度でも比較的低粘度とすることで塗工適性を高めて、優れた紙力効果を示す成紙を得ると共に、表面サイズ剤と併用しても良好に相溶する表面紙力増強剤の提供。
【解決手段】少なくとも(メタ)アクリルアミド(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、カチオン性不飽和単量体(a3)及び連鎖移動剤(a4)を含み、カチオン性不飽和単量体(a3)の含有量が0.05〜5重量%であるモノマー混合物(A)を共重合させて得られるアクリルアミド系重合体(B)を含有するものであって、pHが7.0〜10である表面紙力増強剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面紙力増強剤、表面塗工液および紙に関する。
近年の環境意識の高まり、コスト削減などの要請により、古紙パルプの増配あるいは原紙自体の軽量化が進んでいる。そのため、原料パルプに紙力増強剤を添加する従来の内部添加方法では、紙力強度を維持することが困難となってきており、その強度低下を補うべく、製紙用表面紙力剤を原紙の表面に塗工する表面塗工方式が検討されている。また、該表面塗工においては、生産性向上の観点から、抄紙マシンの高速化が進んでおり、2ロールサイズプレスの従来方式からゲートロールやロッドメタリング等のフィルム転写方式のサイズプレスに替わっている。そのため、塗工液の粘度が高いと、ロール上で塗工液が紙に均一に広がらず、結果として、塗工ムラが発生しやすくなっており、比較的低粘度の塗工液であっても、紙力強度を維持できる表面紙力増強剤が求められている。
一般的に、塗工液の粘度を下げるには、塗工液中の表面紙力増強剤の濃度を低下させればよいが、この方法では、原紙に対する紙力増強剤の付着量が不足し、要求される紙力強度が十分に得られない。
また表面紙力増強剤は、塗工時にアニオン性表面サイズ剤と混合して使用されることもあるが、表面紙力増強剤のpHが低い場合には、アニオン性表面サイズ剤がガムアップ(pHが下がることで、表面サイズ剤の水に対する溶解性が低下し、凝集物を生じる)して、塗工時にマシン汚れが生じる、成紙のサイズ性能が低下するなどの操業面で悪影響を及ぼす。また、塗工時における表面サイズ剤は、その多くは最適pHが7以上であるため、表面塗工液としてもpH7以上に調整される場合が多い。
表面紙力増強剤を用いて、紙力強度を向上させる手段としては、少なくとも表層及び裏層を備える板紙の表層及び裏層の外面に少なくともポリビニルアルコール、澱粉及び架橋剤を含有する水性組成物を塗工する技術(特許文献1)が知られている。また、特定のスルホン酸系ビニルモノマー、および共重合可能なアニオン性ビニルモノマーを必須成分とする重合体の存在下で、ビニルモノマーを重合反応させることにより得られるアニオン性アクリルアミド系重合体を各種原紙に塗工する技術(特許文献2)も開示されている。また、(メタ)アクリルアミド類と、ジアリルアミン又はその塩、アニオン性モノマーとの共重合体を含有する塗工層強度改良剤を上質紙に塗工する技術(特許文献3)が知られている。また、表面紙力剤に表面サイズ剤を混合した技術としては、カルボキシル基含有ポリアクリルアミドに表面サイズ剤および水溶性アルミニウム化合物を含有する水溶液を表面塗工剤として利用したもの(特許文献4)が開示されている。しかしながら、これらの技術では、高濃度塗工で塗工適性を悪化させずに、充分に紙力強度を発揮すること、およびサイズ剤との相溶性が良好であることを共に満足するものではなかった。
特開2011−236516号公報 特開2000−129590号公報 特開2008−081889号公報 特開2000−045196号公報
本発明は、高濃度でも比較的低粘度とすることで塗工適性を高めて、優れた紙力効果を示す成紙を得ると共に、表面サイズ剤と併用しても良好に相溶する表面紙力増強剤を提供することを課題とする。
本発明者は、前記の諸特性に鑑み、アクリルアミドを必須とするモノマーの種類、その使用割合、pHなどに着目して鋭意検討を重ねた結果、所定条件下で得られるアクリルアミド系重合体を表面紙力増強剤として使用することで、表面サイズ剤と相溶し、かつ優れた塗工適性および紙力効果を示すことを見出した。
すなわち本発明は、少なくとも(メタ)アクリルアミド(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、カチオン性不飽和単量体(a3)および連鎖移動剤(a4)を含み、カチオン性不飽和単量体(a3)の含有量が0.05〜5重量%であるモノマー混合物(A)を共重合させて得られるアクリルアミド系重合体水溶液(B)を含有するであって、pHが7.0以上である表面紙力増強剤;当該紙力増強剤を含有する表面塗工液、並びに当該塗工液を含有する表面塗工紙に関する。
本発明の表面紙力増強剤は、所定のモノマー混合物からなるアクリルアミド系重合体を主成分とし、かつpHが7.0以上のものであり、原紙の表面に塗工する際に、塗工適性に優れ、かつ得られた成紙も高い紙力効果を発揮する。さらに表面紙力増強剤を高濃度にしても、表面サイズ剤との相溶性が良いため、塗工液中の固形分含量を高めて、紙力効果も確保できる。
本発明の表面紙力増強剤は、少なくとも(メタ)アクリルアミド(a1)(以下、成分(a1)という)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)(以下、成分(a2)という)、カチオン性不飽和単量体(a3)(以下、成分(a3)という)および連鎖移動剤(a4)(以下、成分(a4)という)を含むモノマー混合物(A)(以下、成分(A)という)を共重合させたアクリルアミド重合体(B)(以下、成分(B)という)を主成分とする。
成分(a1)としては、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられ、これらは、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
成分(a1)の含有量としては、特に限定されないが、十分な紙力効果を確保する観点から、通常は50〜99.7重量%、好ましくは65〜98重量%、より好ましくは70〜95重量%である。
成分(a2)としては、分子内にカルボキシル基を少なくとも1つ有し、かつラジカル重合性官能基を1つ有するものであれば特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸が挙げられる。これらはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類やアミン等の塩になっていても良い。また、これらは単独で使用しても2種以上を併用しても良い。これらの中では、重合性および最終の紙力増強剤の紙力効果を十分に発揮させる点からアクリル酸、イタコン酸が好ましい。
モノマー混合物(A)中における成分(a2)の含有量としては、特に限定されないが、紙力増強剤の紙力効果の観点から、通常は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
成分(a3)としては、紙力増強剤の紙力効果の観点から、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基などのカチオン性官能基を少なくとも1つ有し、かつラジカル重合性官能基を1つ有するものであれば特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の第3級アミノ基含有(メタ)アクリル系モノマー、前記第3級アミノ基含有(メタ)アクリル系モノマーの塩、および前記第3級アミノ基含有(メタ)アクリル系モノマーと四級化剤を反応させて得られる当該(メタ)アクリルモノマーの4級化物などが挙げられる。塩は、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩であっても、酢酸塩等の有機酸塩であってもよい。また、4級化剤としては、メチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、重合性および最終の紙力増強剤の紙力効果を十分に発揮させる点から、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及び/又はその塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物が好ましい。
モノマー混合物(A)中における成分(a3)の含有量としては、通常、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。0.05重量%未満となると十分な紙力効果を発揮し難くなる、5重量%を超えると、アニオン性表面サイズ剤と併用した場合には、相溶性が悪化し、サイズ効果が悪化しやすくなる。
成分(a4)は、生成するポリマーの鎖長を短くする機能を有するものであり、用いることにより低粘度のポリマーを得ることができる。
成分(a4)の具体例としては、2−メルカプトエタノール、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウムなどのアリルスルホン酸類、メタリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸カリウム、メタリルスルホン酸アンモニウムなどのメタリルスルホン酸類、エタノール、イソプロピルアルコールやペンタノール等のアリル基を有さないアルコール類、四塩化炭素、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クメン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。これらの中でも、当該機能により優れている点から、メタリルスルホン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
モノマー混合物(A)中における成分(a4)の含有量としては、通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。含有量が0.1重量%未満となると、塗工時に塗工ムラが生じ、表面紙力増強剤の十分な紙力効果が発揮され難くなり、20重量%を超えると、ポリマー鎖が短くなりすぎ、結果として低分子量のポリマーが生成され、十分な紙力効果を発揮し難くなる。
また、(A)成分には、本発明の目的を損なわない範囲で、その他のラジカル重合性単量体(a5)(以下、成分(a5)という)をさらに含めることができる。具体的には、N−置換アクリルアミド類、ニトリル系不飽和単量体、芳香族ビニルモノマー、アルキル(メタ)アクリレート類、カルボン酸ビニルエステル類、ビニルアルコールなどが挙げられる。N−置換アクリルアミド類としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。N−置換アクリルアミド類としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。ニトリル系不飽和単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの分子中に芳香環を有する単官能モノマー類が挙げられる。また、アルキル(メタ)アクリレート類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの単官能モノマー類が挙げられる。カルボン酸ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。また、成分(a5)の含有量は、通常、成分(a1)〜(a4)の合計量に対して、2重量%未満、好ましくは0.5重量%未満である。
なお、その他の単量体モノマーとしては、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミドなどの架橋性モノマーを挙げられるが、本発明の表面紙力増強剤の粘度が高まると、塗工適性に悪影響を及ぼすため、当該モノマーの使用は好ましくない。
成分(B)は、前記成分(A)を共重合させたものであり、各種公知の方法で製造できる。その方法は格別限定されないが、例えば、適当な加熱装置と撹拌機を備えた反応容器に、成分(a1)〜(a4)を仕込んだ後、水および必要に応じて重合開始剤、ならびに必要に応じて成分(a5)を仕込み、撹拌下に通常30〜100℃程度、1〜12時間程度、溶液重合反応を行うことにより、目的とする成分(B)を得ることができる。また、各成分の仕込み方法も特に限定されず、一括仕込み、分割滴下のいずれの方法でもよく、これらの成分の滴下順序も特に限定されず、同時または連続であってもよい。
前記重合開始剤としては、具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等)が挙げられる。なお、必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を併用して反応系をレドックス系としてもよい。
本発明の表面紙力増強剤は、成分(B)を含有する水溶液であり、所定のpH(温度25℃)に調整したものである。該紙力増強剤のpHとしては、表面紙力増強剤の塗工適性を高めて、優れた紙力効果を発揮させると共に、表面サイズ剤とも良く相溶させるため、通常は7.0以上であり、好ましくは7.5〜10.0に調整する。なお、pH調整は、成分(A)を重合させる前に行っても、重合させた後に行っても良い。
前記pH調整には、格別限定なく公知のpH調整剤を用いることができ、例えば、アルカリ金属類やアミン類などが挙げられる。アルカリ金属類の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が挙げられ、アミン類としては、アンモニア、炭酸アンモニウムなどのアンモニア類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノブチルアミン等の脂肪族アミン類、シクロヘキシルアミンなどの脂環族アミン類、アニリンなどの芳香族アミン類が挙げられる。これらの中でも、表面塗工液の粘度を低下させやすくすることで塗工適性を高めるため、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アンモニア類、脂肪族アミン類を用い、より好ましくはアンモニアを用いて調整する。なお、pH調整には、塩酸、硫酸などの酸類を併用しても良い、
かくして得られた表面紙力増強剤は、その物性は特に限定されないが、濃度20重量%、温度25℃における粘度が500〜5,000mPa・sであり、好ましくは700〜3,000mPa・sである。当該範囲にすることで、原紙表面に塗工した際に均一に紙力増強剤を分布させることができる。また、表面サイズ剤とも良く相溶するため、表面塗工液中の濃度を高めても、紙力効果を確保しやすくなる。
また、前記表面紙力増強剤の重量平均分子量(ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレンオキシド換算値により得られた重量平均分子量をいう。以下同様)は、特に限定されないが、通常、300,000〜800,000程度、好ましくは400,000〜700,000である。重量平均分子量を数値範囲に設定することにより、塗工適性に優れた紙力増強剤となり、かつ該紙力増強剤を塗工して得られる紙の紙力効果も良好となる。
本発明の表面紙力増強剤には、必要に応じて、各種添加剤を配合できる。該添加剤としては、例えば、消泡剤、防腐剤、キレート剤、水溶性アルミニウム系化合物、尿素等が挙げられる。
本発明の表面塗工液は、表面紙力増強剤をそのまま、又は希釈したものであるが、紙に均一に当該液を塗工するため、塗工液を水などで希釈する方が好ましい。希釈濃度としては、通常0.001〜10重量%程度、好ましくは1〜7重量%の範囲において実用に供される。
表面塗工液の粘度としては、特に限定されないが、塗工液の温度が通常は25℃〜60℃の範囲であることより、この温度範囲内において、通常は50mPa・s以下、好ましくは35mPa・s以下である。当該粘度とすることで、原紙表面に均一に塗工液を塗布することができ、かつ得られた成紙も優れた紙力効果を示す。
また、本発明の表面塗工液は、表面紙力増強剤と表面サイズ剤とを混合したものでも良い。表面サイズ剤としては、前記表面紙力増強剤との相溶性に優れるものであれば、特に限定なく公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸などが挙げられる。
また、本発明の表面塗工液には、必要に応じて、各種添加剤も配合できる。該添加剤としては、例えば、酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、APS変性澱粉、酵素変性澱粉、カチオン化澱粉、両性澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール類、アルギン酸ソーダ等の水溶性高分子等の紙力増強剤や、防滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤、顔料、染料等が挙げられる。
本発明の表面塗工紙は、表面塗工液を原紙の表面に塗工することで得られる。
原紙の種類としては、特に限定されないが、PPC用紙、インクジェット記録用紙、フォーム用紙、板紙、ライナー、中芯、新聞用紙、コート原紙、感熱紙などが挙げられる。また、当該原紙中には填料やサイズ剤、紙力増強剤等の各種内添薬品が添加されていても良い。
また、本発明の表面塗工液を原紙に塗工するための塗工機としては、従来公知のものを格別限定なく適用することができる。具体例としては、例えば、2ロールサイズプレス、フィルムプレス、ゲートロールコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カレンダーコーター、スプレー塗工機等が挙げられる。
以下に実施例および比較例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、部および%は特記しない限り重量基準である。
AM:アクリルアミド AA:アクリル酸 IA:イタコン酸
DM:N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
DML:N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化ベンジル4級化物
DMAEA−BQ:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル4級化物
SMAS:メタリルスルホン酸ナトリウム
APS:過硫酸アンモニウム NH:アンモニア NaOH:水酸化ナトリウム
(pH)
市販の測定機(製品名「pH METER F−14」、(株)堀場製作所製)を用いて、25℃に調整したサンプル(濃度20.0%)のpHを測定した。
(粘度)
B型粘度計(東機産業(株)製)を用いて、25℃に調整したサンプル(濃度20.0%)の粘度を測定した。
(重量平均分子量)
ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)法により、以下の測定条件で重量平均分子量を測定した。なお、カチオン基を含むポリマーについては、アルカリで加水分解した後に測定した。
(測定条件)
・装置:HLC8120GPC(東ソー(株)製)
・使用カラム:TSKgel ALPHA−M(東ソー(株)製)
・検出器:紫外可視検出器 UV−8020(東ソー(株)製)
RI検出器:示差屈折計(東ソー(株)製)
・展開溶媒:0.2M硝酸ナトリウム水溶液
・測定値:ポリエチレンオキシド換算値で得られた重量平均分子量を測定値とした。
実施例1(成分(B)の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管および2つの滴下ロートを備えた反応装置にイオン交換水522部を入れ、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、85℃まで加熱した。別途、滴下ロート(1)に50%のAM水溶液707.0部、DM4.0部、60%DML3.3部、75%DMAEA−BQ2.7部、IA14部、80%AA16.0部、SMAS8.4部およびイオン交換水383部を仕込んだ。また、滴下ロート(2)にAPS 0.56部およびイオン交換水180部を仕込んだ。次に、滴下ロート(1)および滴下ロート(2)より反応装置(I)に3時間かけて滴下した。滴下終了後、APS0.4部とイオン交換水10.0部を入れ1時間撹拌した。その後、25%NH水溶液を用いてpH調整した後に、イオン交換水で固形分濃度20%になるよう希釈することで、成分(B−1)の水溶液を得た。得られた成分(B−1)の諸物性を表1に示す(以下同様)。
実施例2〜12、比較例1〜6
モノマーの種類、使用量又はpH調整剤の種類を変えて、実施例1と同様の方法で合成し、固形分濃度20%の成分(B−2)〜(B−18)をそれぞれ得た。
<塗工液(1)の調製>
成分(B−1)を脱イオン水で固形分濃度5%に希釈した。成分(B−2)〜(B−18)についても同様に調製した。塗工液(1)(温度25℃)のpHおよび粘度(単位:mPa・s)を表2に示す。
<試験用板紙の作成>
段ボール古紙を用いて抄紙して得られた板紙(坪量150g/m)に、前記の塗工液を、バーコーターを用いて両面に塗工した後、105℃の回転式ドラムドライヤーに1分間通して乾燥させて試験用板紙を得た(評価例1〜12、比較評価例1〜6)。なお、表面紙力増強剤の固形付着量は、塗工前後の板紙の重量より計算した値である。
<破裂強度の測定>
前記方法で得られた各試験用板紙を用い、JIS P 8131に準拠して測定し、比破裂強度(kPa・m/g)で示した。結果を表2に示す(以下同様)。
<引張強度の測定>
前記試験用板紙を用い、JIS P 8113に準拠して測定し、比引張強度(N・m/g)で示した。
<圧縮強度の測定>
前記試験用板紙を用い、JIS P 8126に準拠して測定し、比圧縮強度(N・m/g)で示した。
表2の結果より、比較評価例1〜6に比べて、本発明で得られる表面紙力増強剤から調製した塗工液は板紙に塗工することで、比破裂強度、比引張強度、比圧縮強度のいずれについても優れた効果を示した。
<塗工液(2)の調製>
成分(B−1)を脱イオン水で固形分濃度10%に希釈したものと、表面サイズ剤(商品名「ポリマロン1383」、荒川化学工業(株)製)を脱イオン水で固形分濃度0.5%に希釈したものを調製し、重量比で成分(B−1)/表面サイズ剤=1/1(有姿換算)となるように混合した。成分(B−2)〜(B−18)についても同様に調製した。塗工液(2)(温度25℃)のpHおよび粘度(単位:mPa・s)を表3に示す。
<試験用紙の作成>
広葉樹の漂白クラフトパルプを用いて抄紙して得られた紙(坪量100g/m)に、前記の塗工液を、バーコーターを用いて両面に塗工した後、105℃の回転式ドラムドライヤーに1分間通して乾燥させて試験用紙を得た(評価例13〜24、比較評価例7〜12)。なお、表面紙力増強剤の固形付着量は、塗工前後の紙の重量より計算した値である。
<表面強度の測定(RI試験)>
RI印刷試験機((株)IHI機械システム製)を用いて、前記方法で得られた各試験用紙に墨インキ(タック:20)を印刷した後の表面強度(印刷後の毛羽立ち又は紙むけの程度)を以下の判定基準に基づいて5段階で評価した。結果を表3に示す(以下同様)。
(判定基準)
5:表面の毛羽立ち又は紙むけが認められない
4:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが、2箇所以下である
3:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが、3箇所〜5箇所である
2:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが、6箇所〜8箇所である
1:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが、9箇所以上である
<ステキヒトサイズ度の測定>
前記試験用紙を用い、JIS P 8122に準拠して、ステキヒトサイズ度(秒)を測定した。数値が大きいほど良好なサイズ度を表す。
表3の結果より、比較評価例13〜24に比べて、本発明の表面紙力増強剤を表面サイズ剤と混合した塗工液は洋紙に塗工することで、表面強度およびステキヒトサイズ度について優れた効果を示した。

Claims (8)

  1. 少なくとも(メタ)アクリルアミド(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、カチオン性不飽和単量体(a3)および連鎖移動剤(a4)を含み、カチオン性不飽和単量体(a3)の含有量が0.05〜5重量%であるモノマー混合物(A)を共重合させて得られるアクリルアミド系重合体(B)を含有するものであって、pHが7.0以上である表面紙力増強剤。
  2. pHが7.5〜10.0である請求項1の表面紙力増強剤。
  3. 前記pHはアミン類を添加して調整されたものである請求項1または2の表面紙力増強剤。
  4. 固形分濃度20%、温度25℃における粘度が500〜5,000mPa・sである請求項1〜3のいずれかの表面紙力増強剤。
  5. 重量平均分子量が300,000〜800,000である請求項1〜4のいずれかの表面紙力増強剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかの表面紙力増強剤を含有し、pHが7.0以上である表面塗工液。
  7. 請求項1〜5のいずれかの表面紙力増強剤と表面サイズ剤とを含有し、pHが7.0以上である表面塗工液。
  8. 請求項6又は7の表面塗工液を用いて得られる表面塗工紙。
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