JP7154705B2 - ケテンダイマー系エマルションサイズ剤、及び紙の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]アルキルケテンダイマー(A)と、
次のモノマー(b1)~(b4):
(b1)(メタ)アクリルアミド
(b2) ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上
(b3)(メタ)アクリロイルオキシ(ヒドロキシ)アルキルジアルキルベンジルアンモニウム塩及び/または(メタ)アクリルアミド(ヒドロキシ)アルキルジアルキルベンジルアンモニウム塩
(b4)不飽和カルボン酸類またはその塩
を必須の構成単位とする共重合体である両性ポリアクリルアミド(B)とを含有する、製紙用エマルションサイズ剤。
[2]アルキルケテンダイマー(A)と両性ポリアクリルアミド(B)とを、質量比で(A)/(B)=75/25~97/3の割合で含有する、[1]に記載の製紙用エマルションサイズ剤。
[3]両性ポリアクリルアミド(B)のモノマー構成が(b1)が50~95重量%、(b2)が2~30重量%、(b3)が0.01~10重量%(b4)が1~25重量%の共重合体であるポリアクリルアミドを含有する水性エマルションからなる[1]又は[2]に記載の製紙用エマルションサイズ剤。
[4]アルキルケテンダイマー(A)が下記一般式(1)で表される化合物である[1]から[3]のいずれかに記載の製紙用エマルションサイズ剤。
[5]さらに水溶性アルミニウム化合物を含有する、[1]から[4]のいずれかに記載の製紙用エマルションサイズ剤。
[6][1]から[5]のいずれかにおける製紙用エマルションサイズ剤をパルプスラリーへ添加しサイジングを行うことを特徴とする紙の製造方法。
[7][1]から[5]のいずれかにおける製紙用エマルションサイズ剤を紙に塗工してサイジングを行うことを特徴とする紙の製造方法。
に関する。
なお、本明細書において「(ヒドロキシ)アルキル」とは、アルキルまたはヒドロキシアルキルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを、「(メタ)アクリルアミド」とは、アクリルアミドまたはメタアクリルアミドを意味する。
(b1)(メタ)アクリルアミド
(b2) ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上
(b3) (メタ)アクリロイルオキシ(ヒドロキシ)アルキルジアルキルベンジルアンモニウム塩及び/または(メタ)アクリルアミド(ヒドロキシ)アルキルジアルキルベンジルアンモニウム塩
(b4) アニオン性モノマーまたはその塩
で表される化合物、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、などが挙げられ、これらの中でもジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。(B)両性ポリアクリルアミド中の共重合割合は製品安定性や経済性等の点で2~30重量%が好ましく、4~25重量%がより好ましい。また、これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることも可能である。さらに、これらの無機酸或いは有機酸でアミノ基の全部または一部を中和塩類として用いることができる。
で表される化合物、例えば、前記の(b2)ジメチルアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート及び又はジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド(塩)のハロゲン化ベンジルによる4級化物で、ハロゲン化ベンジルとしてはフッ化ベンジル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルなどが挙げられ、(B)両性ポリアクリルアミド中の共重合割合は高pHでの安定性、サイズ効果及び乳化力の点で0.01~10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02~8重量%である。
また、アニオン性分散剤の他にも本発明のアルキルケテンダイマー系サイズの性能を阻害しない範囲で、ノニオン性分散剤や両性分散剤なども使用することも可能である。
なお、重量平均分子量の測定は下記条件により行った。
測定器:東ソー(株)製 GPC-8020 modeIII
カラム:(株)東ソーGPWXL
測定温度:40℃
検出器:示差屈折計
また、粘度の測定にはB型粘度計(株式会社東京計器製 形式:BM)を使用した。
合成例1
ビーカーにジメチルアミノエチルメタクリレート19.6部と硫酸6.3部とを加え混合し、pHが7.0以下となっていることを確認した。その後、40%アクリルアミド368部、メタリルスルホン酸ソーダ9.8部、75%ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロライド4級化物13.1部、イタコン酸9.8部を加え混合した。次に、温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに水500部を加えて80℃まで加温し、過硫酸カリウムを3.9部添加後に、モノマー水溶液を1時間で滴下し反応を行った。その後、濃度調整を行うことで固形分20%、Mw190,000、粘度300mPa・sの両性ポリアクリルアミドB-1の水性分散体を得た。
ビーカーにジメチルアミノエチルアクリレート19.6部と硫酸6.5部とを加え混合し、pHが7.0以下となっていることを確認した。その後、40%アクリルアミド368部、スチレンスルホン酸ソーダ9.8部、75%ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド4級化物13.1部、アクリル酸9.8部、メルカプトプロピオン酸6部を加え混合した。次に、温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに水500部を加えて80℃まで加温し、過硫酸カリウムを3.9部添加後にモノマー水溶液を1時間で滴下し反応を行った。その後、濃度調整を行うことで固形分20%、Mw158,000、粘度250mPa・sの両性ポリアクリルアミドB-2の水性分散体を得た。
合成例1と同様の操作で、表1に示すモノマー成分で(B)両性ポリアクリルアミドB-3~B-8の水性分散体を得た。
合成例1と同様の操作で、表2に示すモノマー成分で両性ポリアクリルアミドC-1~C-6の水性分散体を得た。
なお、各合成例および比較合成例の重合pH調整用の硫酸の量は、適宜変更した。
AAM:アクリルアミド
DM:ジメチルアミノエチルメタクリレート
DMBQ:ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド4級化物
DMMQ:ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド4級化物
DA:ジメチルアミノエチルアクリレート
DABQ:ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド4級化物
DMAPAA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
DMAPAABQ:ジメチルアミノプロピルアクリルアミドベンジルクロリド4級化物
IA:イタコン酸
AA:アクリル酸
SMAS:メタリルスルホン酸ソーダ
NaSS:スチレンスルホン酸ソーダ
MPA:メルカプトプロピオン酸
製造例1
2Lビーカーにアルキルケテンダイマーとしてパルミチン酸クロライド60%、ステアリン酸クロライド40%の混合物を2量体化したものを142部、合成例1で得られた両性ポリアクリルアミドB-1の水性分散体を200部、アニオン性分散剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(ルノックス1500A 40%水溶液 東邦化学工業(株))を20部、50%硫酸アルミニウム水溶液20部、水600部を仕込み、70~75℃で溶解し、高圧ホモジナイザー(APV、GAULIN社製)で乳化させ、30℃以下まで冷却し、固形分濃度20%のケテンダイマー系サイズ剤を得た。
両性ポリアクリルアミドB-1の水性分散体の代わりに合成例2~5、比較例1~5の両性ポリアクリルアミドB-2~B-8、C-1~C-6を使用した以外は製造例1と同様の操作で、ケテンダイマー系サイズ剤を得た。
製造例1のケテンダイマー系物質を172部、両性ポリアクリルアミドB-1の水性分散体の代わりに合成例6で得た両性ポリアクリルアミドB-6の水性分散体を50部使用した以外は製造例1と同様の操作で、ケテンダイマー系サイズ剤を得た。
製造例1のケテンダイマー系物質を180部、両性ポリアクリルアミドB-1の水性分散体の代わりに合成例7,8で得た両性ポリアクリルアミドB-7、B-8の水性分散体を100部使用した以外は製造例1と同様の操作で、ケテンダイマー系サイズ剤を得た。
島津製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置SALD-2100で測定した。測定した粒子径はメディアン径である。
製造例1~8および比較製造例1~6で得られたケテンダイマー系サイズ剤を40℃および25℃の恒温槽に静置し、1カ月間保管し安定性を確認した。
DIPスラリー(灰分5%)をNo.2ろ紙でろ過し、DIP用水(ドイツ硬度34°)を採取した。この用水中に製造例および比較製造例で得られたケテンダイマー系サイズ剤を添加し、凝集するかを目視で評価した。
カナディアン・スタンダード・フリーネス320ccの脱墨パルプを絶乾固形分2%のパルプスラリーとし、全紙用薬品添加後のパルプスラリーがpH6.5となるような量の水酸化ナトリウムを添加した。このパルプスラリーに絶乾パルプに対して1.5%の硫酸バンド、0.5%のカチオン化澱粉を添加し、0.2%の上記実施例で得たケテンダイマー系サイズ剤を添加した。その後、パルプ濃度0.2%まで希釈するとともに、23%の炭酸カルシウム水溶液を添加し、歩留り剤としてカチオン性アクリルアミド添加した。JIS丸型抄紙機でJIS P8222に準拠して坪量80g/m2となるように抄紙した。湿紙の乾燥はドラムドライヤーを用いて100℃で30秒間乾燥させた。得られたサイジング紙をJIS P8111に準拠して調湿し、JIS P8122に準拠して試験紙のステキヒトサイズ度を測定した。
酸化澱粉(王子エースA 王子コーンスターチ(株)製)を固形分濃度15%として95℃で澱化したものおよび製造例および製造比較例で得たケテンダイマー系サイズ剤と水を用い、酸化澱粉濃度10%、ケテンダイマー系サイズ剤濃度0.1%の塗工液を得た。得られた塗工液を未塗工の中性上質紙(坪量80g/m2)にサイズプレス機で塗工した。尚、塗工量は酸化澱粉2g/m2、ケテンダイマー系サイズ剤0.02g/m2であった。次に湿紙の乾燥はドラムドライヤーを用いて100℃で90秒間乾燥させた。得られたサイジング紙をJIS P8111に準拠して調湿し、JIS P8122に準拠して試験紙のステキヒトサイズ度を測定した。
Claims (7)
- アルキルケテンダイマー(A)と、
次のモノマー(b1)~(b4):
(b1)(メタ)アクリルアミド
(b2) ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上
(b3)(メタ)アクリロイルオキシ(ヒドロキシ)アルキルジアルキルベンジルアンモニウム塩及び/または(メタ)アクリルアミド(ヒドロキシ)アルキルジアルキルベンジルアンモニウム塩
(b4)不飽和カルボン酸類またはその塩
を必須の構成単位とする共重合体である両性ポリアクリルアミド(B)とを含有する、製紙用エマルションサイズ剤。 - アルキルケテンダイマー(A)と両性ポリアクリルアミド(B)とを、質量比で(A)/(B)=75/25~97/3の割合で含有する、請求項1に記載の製紙用エマルションサイズ剤。
- 両性ポリアクリルアミド(B)のモノマー構成が、(b1)が50~95重量%、(b2)が2~30重量%、(b3)が0.01~10重量%(b4)が1~25重量%である、請求項1又は請求項2に記載の製紙用エマルションサイズ剤。
- さらに水溶性アルミニウム化合物を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の製紙用エマルションサイズ剤。
- 請求項1から請求項5のいずれかにおける製紙用エマルションサイズ剤をパルプスラリーへ添加し、サイジングを行うことを特徴とする紙の製造方法。
- 請求項1から請求項5のいずれかにおける製紙用エマルションサイズ剤を紙に塗工してサイジングを行うことを特徴とする紙の製造方法。
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