JP4135068B2 - 製紙用サイズ剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙用サイズ剤に関する。更に詳しくは、置換コハク酸無水物とカチオン性の水溶性共重合物からなる製紙用サイズ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製紙用サイズ剤として、ロジンや強化ロジン等のロジン系サイズ剤が広く使用されてきたが、これらロジン系サイズ剤は、それ自体ではセルロース繊維に定着させることが困難なため、硫酸バンドを併用しなければならなかった。硫酸バンドを併用するため必然的に酸性域での抄造となり、成紙の経時品質劣化が大きい、廃水処理が煩雑になる、抄造機器が腐食される等の問題があり、また、安価な填料である炭酸カルシウムを使用する場合には、分解により炭酸ガスが発生し白水系が発泡するといった問題があった。
【0003】
酸性抄紙における課題を解決するために、硫酸バンドを実質的に使用せず中性域での抄造に適した、いわゆる中性サイズ剤が開発されている。当該中性サイズ剤としては、例えばアルキルまたはアルケニル置換コハク酸無水物、無水ステアリン酸、アルキルケテンダイマー、アルキルケテンダイマー誘導体等を用いた各種が知られている。
【0004】
ところで、一般に製紙用サイズ剤は水に分散させたものを使用するが、置換コハク酸無水物の水分散液は物理的安定性、耐加水分解性に劣るといった問題があり、このような問題を解決すべく、種々の検討がなされてきた。例えば、特開昭62−156393号公報には、置換コハク酸無水物を、重合可能なカチオン性界面活性剤と、芳香族ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマー、水溶性非イオン性ビニルモノマーからなる共重合物とを用いることにより分散させる方法が開示されており、特開平6−101192号公報には置換コハク酸無水物を水中油型界面活性剤とカチオン性または両性ポリ(メタ)アクリルアミドを用いて分散させることにより当該サイズ剤の分散安定性を改良する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−101192号公報に開示されている方法では、水中油型界面活性剤等を必須使用するため有効成分である置換コハク酸無水物の含有量が少なくなり、該界面活性剤を混合していないものに比べサイズ性能が劣るといった問題があった。また、特開昭62−156393号公報に開示されている方法では、重合可能なカチオン界面活性剤や非イオン性ビニルモノマーに水酸基を含有するものを使用するため、水酸基が置換コハク酸無水物と反応してしまい分散系内に悪影響を及ぼすといった問題があった。このように前記方法で調製されたサイズ剤は分散安定性およびサイズ性能の両者を十分に向上させうるものではなかった。本発明はこれらの問題を解決し、さらには水中油型界面活性剤等を用いることなく、置換環式ジカルボン酸無水物を分散させた製紙用サイズ剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく、本発明者らは置換コハク酸無水物を水中に分散させる際に用いられる分散剤としての水溶性高分子に着目し、鋭意検討を行なったところ、分散剤として水溶性高分子を適用し、当該水溶性高分子の組成中に、アルキル基の炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマーと(メタ)アクリルアミド等の親水性モノマーを導入することにより当該水溶性高分子に界面活性作用を持たせ、サイズ性能低下要因となる水中油型界面活性剤を用いることなく安定に置換コハク酸無水物を水中に分散できることを見出した。さらに、アルキル基の炭素数が3〜18である疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマーの当該アルキル基に分岐構造、環状構造を有する疎水性モノマーを使用することによりサイズ剤の発泡性を低減、また各々のモノマー使用量を特定の範囲とすることにより、置換コハク酸無水物の微小粒子分散液を得ることができ、さらには得られる水性分散液の分散安定性をも向上させ得ることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、置換コハク酸無水物(A)ならびに(1)アルキル基の炭素数が3〜18である疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマー、(2)カチオン性モノマーおよび(3)(メタ)アクリルアミドを重合させてなるカチオン性(メタ)アクリルアミド共重合物(B)を含有してなる製紙用サイズ剤に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製紙用サイズ剤は、置換コハク酸無水物(A)(以後、(A)成分という)およびカチオン性(メタ)アクリルアミド共重合物(B)(以後、(B)成分という)を含有してなるものである。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の製紙用サイズ剤に用いる(A)成分としては、各種公知のものを特に制限なく使用できるが、例えば、一般式(I):
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、R1は炭素数9〜23のアルキル基またはアルケニル基を示す)で表される直鎖または分岐鎖状の置換基を有する置換コハク酸無水物、および
【0012】
一般式(II):
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、R2は炭素数1〜27の直鎖または分岐鎖状のアルキル基、R3は炭素数2〜28の直鎖または分岐鎖状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、かつR2とR3の炭素数の合計が9〜29である)で表される置換基を有する分岐鎖状置換コハク酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することができる。
【0015】
前記一般式(I)で表される(A)成分は、一般には末端に二重結合を有するα−オレフィンまたはそれらのオリゴマーと無水マレイン酸の付加反応により得られるものであるが、各種公知のものを市販品として入手することができる。当該置換コハク酸無水物の具体例としては、オクタデシルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、ヘプタデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、テトラプロペニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、1−メチル−2−ペンタデセニルコハク酸無水物、1−プロピル−2−トリデセニルコハク酸無水物、1−エチル−2−テトラデセニルコハク酸無水物、1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物、ポリプロピレニルコハク酸無水物、ポリブテニルコハク酸無水物などが例示できる。また、これらの不飽和置換コハク酸無水物を水素添加反応させて得られる飽和置換コハク酸無水物を使用することもできる。
【0016】
また、前記一般式(II)で表される(A)成分は、一般には内部オレフィンと無水マレイン酸との付加反応により得られるものであるが、各種公知のものを市販品として入手することができる。当該分岐鎖状置換コハク酸無水物の具体例としては、デセン−5、ドデセン−6、テトラデセン−7、ヘキサデセン−7、オクタデセン.−9、エイコセン−11などの内部オレフィンと無水マレイン酸の付加物などが挙げられる。また、これらの不飽和置換コハク酸無水物を水素添加反応させて得られる飽和置換コハク酸無水物を使用することもできる。
【0017】
本発明に用いる(B)成分は(1)アルキル基の炭素数が3〜18である疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマー、(2)カチオン性モノマーおよび(3)(メタ)アクリルアミドを共重合することにより得られる。
【0018】
(1)アルキル基の炭素数が3〜18である疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマー(以後、(1)成分という)としては、水に不溶性または難溶性のものであれば特に制限無く使用することができる。具体的には、例えば、プロピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル基が直鎖構造のもの、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基が分岐構造のもの、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの環状構造のものなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマーのうち分岐構造のものおよび/または環状構造のものを含有する場合には、得られる製紙用サイズ剤の安定性が良好となるため、好ましい。分岐構造のものおよび/または環状構造のものを用いる場合には、疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの10〜90mol%を分岐構造のものおよび/または環状構造のものとすることにより分散液の安定性、低発泡性に効果があり好ましい。なお、アルキル基の炭素数は4〜18とすることが好ましい。中でも、アルキル基の炭素数が4〜9のものは(B)成分中での疎水性と親水性のバランスを取りやすいため、(A)成分を非常に安定に分散することができるため特に好ましい。具体的には、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、(B)成分に疎水性を付与するためのモノマーとしてスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニルモノマー類、酢酸ビニルなどのビニルエステル類などを併用することもできるが、スチレン、α−メチルスチレン等は(メタ)アクリルアミドとの共重合性が悪く安定な水溶性ポリマーを合成し難くなる傾向にあり、(A)成分の分散安定化を十分とすることができなくなる場合があるため、使用する際には注意が必要である。また、酢酸ビニルなどのビニルエステル類は、重合時の反応性に劣るため未反応モノマーが多く残存する場合があるため注意が必要である。
【0019】
(1)成分の使用量としては特に制限されないが、モノマーの総モル和に対し、0.5〜20モル%程度とすることが好ましく、5〜15モル%とするのが特に好ましい。0.5モル%以上(1)成分を用いることにより(B)成分に疎水性が導入されて界面活性作用を持つようになり、(A)成分を分散する際に、分散粒子径の微小なものを得ることができるため好ましい。また、20モル%を超える場合には疎水性が高くなり過ぎ(B)成分水溶液が白濁し(A)成分の分散安定化が難しくなる傾向がある。
【0020】
(2)カチオン性モノマー(以後、(2)成分という)としては、カチオン基を有するビニル系モノマーであれば特に制限されず使用することができる。カチオン性モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの第三級アミノ基を有するビニル系モノマーまたはそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または第四級アンモニウム塩を含有するビニル系モノマーなどが挙げられる。なお、第四級アンモニウム塩を含有するビニル系モノマーは、例えば、該第三級アミノ基含有ビニルモノマーとメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応によって得られる。これらのカチオン性モノマーは1種を単独でまたは2種以上を併用できる。これらカチオン性モノマーのなかでは、(B)成分の他のモノマーとの共重合性や経済的な面からジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのベンジルクロライド塩が好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で(メタ)アクリル酸等のアニオン性モノマーを使用することもできる。
【0021】
(2)成分の使用量は、特に制限されないが、モノマーの総モル和に対し、0.5〜30モル%とすることが好ましく、5〜25モル%とするのが特に好ましい。(2)成分を0.5モル%以上用いることにより(B)成分に親水性が導入され界面活性作用を持つようになり(A)成分を分散する際に分散粒子径が微小なものを得ることができるため好ましく、かつカチオン性が付与されるため分散粒子が陽性を帯びサイズ性能が向上するため好ましい。また、30モル%以下とすることで、(B)成分に親水性を適度に付与でき、水に対する分散性を良好に保つことができるため好ましい。
【0022】
(3)(メタ)アクリルアミド(以後、(3)成分という)とは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドをいい、これらは単独使用または併用できるが、経済性の面からはアクリルアミドを単独使用することが好ましい。
【0023】
(3)成分の使用量は、特に制限されないが、モノマーの総モル和に対し、50〜99モル%とすることが好ましく、60〜90モル%とするのが特に好ましい。(3)成分の使用量を上記の範囲内に納めることで(B)成分にバランス良く(1)成分、(2)成分すなわち疎水性、親水性を導入することができるため好ましい。上記範囲外では、(A)成分を分散する際にその分散粒子径が微小なものと成り難く、また分散安定性も低下する傾向にあるためサイズ性能が悪化するおそれがある。
【0024】
(B)成分は前記(1)〜(3)成分の混合物を溶媒中、ラジカル開始剤の存在下で共重合することにより得られる。共重合は公知の重合法を採用することができる。例えば、使用する溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、ジオキサン等の有機溶媒や水が挙げられ、これらは単独でまたは複数を混合して使用できる。ラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナトリウムのごとき還元剤とを組み合わせた形のレドックス系重合開始剤や2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤や過酸化ベンゾイル等の過酸化物等が挙げられ、これらを、使用溶媒に合わせて選択使用すれば良い。分子量を調節するためにイソプロピルアルコール、メルカプトエタノール等公知の水溶性連鎖移動剤を使用しても良い。重合は(1)〜(3)成分の混合物、溶剤、開始剤、連鎖移動剤を加えた後、撹拌下、加温することにより行い、目的とするカチオン性(メタ)アクリルアミド共重合物を得ることができる。
【0025】
かくして得られたカチオン性(メタ)アクリルアミド共重合物の25℃におけるブルック・フィールド粘度(以後、粘度と記す)は固形分濃度30重量%に換算して通常500〜100,000mPa・s程度、好ましくは1,000〜20,000mPa・sであり、また同様に当該水溶液のpHは2.0〜7.0程度、好ましくは3.0〜6.0である。
【0026】
本発明に用いる(B)成分の使用量は、特に制限されないが、通常は(A)成分に対して(B)成分を5重量%(カチオン性の水溶性共重合物の固形分で換算)以上、好ましくは10重量%以上である。(B)成分の使用量については格別の上限はないが、通常は当該固形分で50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。(B)成分の使用量が5重量%より低いと、(A)成分の水分散性が低下する傾向にある。
【0027】
本発明の製紙用サイズ剤は、水中油型界面活性剤を用いることなく(B)成分により(A)成分を水に分散させたものである。(A)成分を水に分散させる方法としては従来公知の方法を採用することができる。例えば、(A)成分および(B)成分を混合した後、強制乳化法、反転乳化法、高圧乳化法等の公知の方法により製造することができる。即ち、強制乳化法による場合は、分散相を形成する(A)成分と(B)成分と分散媒である十分な水との混合物を高速ホモミキサーなどの機械的剪断断により強制的に乳化分散することにより該水性分散液を収得でき、また、反転乳化法よる場合には、分散相を形成する(A)成分と(B)成分の混合物を充分に混練した後、撹拌下に水を加え、相反転させることにより当該水性分散液を収得できる。これらの中では、得られる水性分散液の分散粒子径が微小かつ均一なものが得られ、分散安定性が向上するため、反転乳化法が好ましい。
【0028】
上記方法により得られる水性分散液の不揮発分濃度は特に制限されず、任意に決定すれば良いが、通常、0.1〜30重量%程度に調製される。また、得られる分散粒子の平均粒子径は0.1〜2μm程度であるが、当該水性分散液のサイズ性能、分散安定性を考慮すると、平均粒子径が0.3〜1μmに調製できる乳化方法、乳化条件を選定することが好ましい。このようにして得られた水性分散液は、必要に応じて更に希釈して使用することもできる。該水性分散液は乳白色の外観を呈し、通常2.0〜7.0程度のpHを有する。また、該水性分散液は室温(5〜30℃)において安定であり、沈殿または浮揚物等を生ずることもない。
【0029】
次に、当該水性分散液を用いるサイジング方法について説明する。内添サイジングの方法としては、当該水性分散液を各種公知の定量ポンプ等を通して以下に示すようなパルプスラリーに連続的、かつ定量的に添加してサイジングを行えばよい。当該パルプスラリーとしては、特に限定されず、クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率のパルプ、新聞古紙、雑誌古紙、ダンボール古紙、脱墨古紙等の古紙パルプを使用することができる。さらに、抄紙時には填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、歩留り向上剤などの内添薬品を使用することもできる。当該水性分散液の分散粒子はカチオン性を有しているため、アニオン性のパルプ繊維に自己定着しサイズ効果を発現できる。このため、カチオン変性澱粉やサイズ定着剤などのカチオン性薬品が使用されていない弱酸性から中性域の抄紙条件で使用することが好ましい。当該水性分散液の使用量は特に制限されないが、通常はセルロース繊維の重量に対して置換コハク酸無水物が固形分換算で0.01〜2.0重量%程度、好ましくは0.05〜1.0重量%である。
【0030】
また、当該水性分散液を用いて、紙の表面サイジングを行う場合の手段も特に制限がなく、各種の手段を採用できる。例えば、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレード、キャレンダー等で塗布される。当該水性分散液の使用量は特に制限されないが、通常は塗工される原紙1m2に対して置換コハク酸無水物が固形分換算で0.002〜1.0g程度、好ましくは0.005〜0.4g程度となるように原紙表面に塗工すればよい。また、表面サイジングする原紙の種類も特に制限はなく、通常のパルプ原料を用いた紙、すなわち、クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙、脱墨古紙等の古紙パルプを用いた紙のいずれも使用することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の製紙用サイズ剤は、分散安定性が良好な置換コハク酸無水物の水性分散液であり、置換コハク無水物の乳化分散性も良好である。また、本発明のサイズ剤は水中油型界面活性剤等を用いないため、従来の置換コハク酸無水物系サイズ剤に比較して、サイズ性能が良好で発泡も少ない。また、該水性分散液の分散粒子はカチオン性であるため、従来カチオン定着剤等を併用しているような抄紙系でもそれらを使用することなく十分なサイズ性能を期待できる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。尚、各例中、部及び%は特記しない限りすべて重量基準である。
【0033】
(水溶性重合物の合成)
製造例1
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管を備え付けた1000mlの四つ口コルベンに、100%アクリルアミド74.0g、水258gを加え、よく溶解した後100%ジメチルアミノプロピルアクリルアミド28.0g、75%ジメチルアミノエチルメタクリレートのベンジルクロライド塩32gを加え50%硫酸水溶液にてpHを3.5〜4.5に調整した。次いでイソプロピルアルコール140.0g、イソブチルメタクリレート25gを加えた後、窒素ガスにて反応系内の酸素を除去した。次いで攪拌下50℃まで昇温を行い、1%の過硫酸アンモニウム塩水溶液30.3gを投入した後80℃まで40分かけて昇温、さらに同温度で3時間保温状態を保った。反応終了後、イソプロピルアルコールの留去を行い、その後、更に濃度調節し固形分30.3%のカチオン性水溶性共重合物を得た。該水溶性共重合物の25℃における粘度は3,600mPa・sであり、pHは3.9であった。
【0034】
製造例2〜6、比較製造例1〜3
構成モノマー成分およびそれらの仕込みモル%を表1に示すように変更した他は、実施例1と同様の操作を行ない各種のカチオン性水溶性共重合物を得た。なお、得られた当該水溶性共重合物の物性(不揮発分、25℃における粘度およびpH)を表1に示す。
【0035】
【表1】
なお、表中に用いられるモノマーの略号は次の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
iBMA:イソブチルメタクリレート
nBMA:ノルマルブチルメタクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
CHMA:シクロへキシルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
APDM:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
DMAEABz:ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド塩
AA:アクリル酸
【0036】
(水性分散液の調製)
実施例1
攪拌機を備えた500mlコルベンに置換コハク酸無水物を100重量部、製造例1で得たカチオン性水溶性共重合物を固形分で10重量部、および水15.6重量部を加えた後、400rpmの攪拌下、3分間混練した後、水19850重量部を徐々に加えていき相反転をさせ、置換コハク酸無水物の0.5%濃度水性分散液を調製した。なお、調製方法、使用した置換コハク酸無水物、配合量を表2に示す。
【0037】
実施例2
1000mlのステンレスカップに製造例1で得た水溶性共重合物を固形分で10重量部、および水を19867.0重量部加えてよく攪拌した後、置換コハク酸無水物を100重量部加えて、該成分の混合液をホモミキサー(特殊機化工業(株)製;T.K.ホモミキサーMII型)を用い、10,000rpmで2分間シェアを与えることにより、置換コハク酸無水物の0.5%濃度水性分散液を調製した。なお、調製方法、使用した置換コハク酸無水物、配合量を表2に示す。
【0038】
実施例3〜11、比較例1〜4
製造例1〜6、比較製造例1〜3で製造されたカチオン性水溶性共重合物の配合量を表2に示すように変更した他は反転乳化法による場合は、実施例1、強制乳化法による場合は、実施例2と同様な操作を行い、置換コハク酸無水物の0.5%濃度水性分散液を調製した。なお、調製方法、使用した置換コハク酸無水物、配合量をまとめて表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
(分散粒子の表面電位(ゼータ電位)測定)
実施例1〜11、比較例1〜4で得られた調製直後の各水性分散液について、その置換コハク酸無水物の0.01%濃度水溶液となるように希釈した後、ゼータ電位計(Lazer−Zee−Model501;PENKEM社製)により分散粒子の表面電位を測定した。その結果を表3に示す。
【0041】
(分散粒子の平均粒子径測定)
実施例1〜11、比較例1〜4で得られた各水性分散液の調製直後、および室温において3時間放置した後における平均粒子経をレーザー回折式粒度分布測定装置(SALD2000;島津製作所(株)製)を用いて測定を行った。その結果を表3に示す。なお、経時的な粒子径の増大により当該装置での測定が困難である場合は、測定不可とした。
【0042】
(水性分散液の性能評価)
実施例1〜11、比較例1〜4で得られた各種水性分散液についてサイズ性能評価を行った。結果を表3にまとめて示す。
【0043】
(抄紙条件)
パルプ: 段ボール古紙(カナディアン・スタンダードフリーネス285ml)
Alum:硫酸アルミニウム・14〜18水和物(和光純薬工業(株)製)
歩留向上剤:カチオン性ポリアクリルアミド系高分子(パーコール47、協和産業(株)製)
固形分:Alum(対パルプ重量2.0%)、サイズ剤(対パルプ重量0.15%)、歩留向上剤(対パルプ重量0.005%)
添加順序:パルプ−Alum−サイズ剤−歩留向上剤
抄紙時pH:6.8±0.1
抄造:タッピー丸小型手抄き機(熊谷理機工業(株)製)
プレス:3.5kgW/cm2×2分間
乾燥:回転式ドライヤー、100℃×1分間
秤量:62.0±0.5g/m2
緊度:0.50±0.1g/cm3
【0044】
(紙質評価)
坪量:JIS P 8124に準じる。
緊度:JIS P 8118に準じる。
【0045】
(性能評価)
ステキヒトサイズ度:JIS P 8122 に準じる。
【0046】
(水性分散液の性能評価)
(発泡性試験)
実施例1〜11、比較例1〜4で得られた各種水性分散液について抄紙系を模擬し発泡性評価を行った。
薬品を添加した0.5%濃度のパルプスラリー500gを1000mlのメスシリンダーに移し、ガラスボールフィルターを用いてエアバブリングして強制発泡させた。試験中の最大泡高から試験前の液面高さを差し引き泡立ち量(ml)とした。結果を表3にまとめて示す。
(発泡性試験条件)
パルプ: 段ボール古紙(カナディアン・スタンダードフリーネス285ml)
Alum:硫酸アルミニウム・14〜18水和物(和光純薬工業(株)製)
歩留向上剤:カチオン性ポリアクリルアミド系高分子(パーコール47、協和産業(株)製)
固形分:Alum(対パルプ重量2.0%)、サイズ剤(対パルプ重量1.5%)、歩留向上剤(対パルプ重量0.005%)
添加順序:パルプ−Alum−サイズ剤−歩留向上剤
試験時pH:6.8±0.1
【0047】
【表3】
【0048】
表3の評価例1〜11および比較評価例1〜4より、本発明の製紙用サイズ剤はいずれも分散粒子がカチオン性を帯びており、優れたサイズ性能を示し、抄紙系を模擬したパルプスラリー中での発泡も少ない。また、当該(B)成分を用いることで分散粒子の微小なものが得られ、それらは経時的にも分散安定性が良好である。
Claims (4)
- 置換コハク酸無水物(A)ならびに(1)アルキル基の炭素数が3〜18である疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマー、(2)カチオン性モノマーおよび(3)(メタ)アクリルアミドを重合させてなるカチオン性(メタ)アクリルアミド共重合物(B)を含有してなる製紙用サイズ剤。
- カチオン性(メタ)アクリルアミド共重合物(B)が(1)アルキル基の炭素数が3〜18である疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマー0.5〜20モル%、(2)カチオン性モノマー0.5〜30モル%および(3)(メタ)アクリルアミド50〜99モル%の共重合物である請求項1記載の製紙用サイズ剤。
- (1)アルキル基の炭素数が3〜18である疎水性(メタ)アクリル酸アルキルエステル類モノマーのアルキル基が分岐構造、環状構造からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1または2記載の製紙用サイズ剤。
- (2)カチオン性モノマーが三級アミノ基を有するビニル系化合物、三級アミノ基を有するビニル系化合物の塩および第四級アンモニウム塩を有するビニル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の製紙用サイズ剤。
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