JP5376198B2 - ロジン系エマルジョン型サイズ剤および紙 - Google Patents

ロジン系エマルジョン型サイズ剤および紙 Download PDF

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本発明は、ロジン系エマルジョン型サイズ剤および当該ロジン系エマルジョン型サイズ剤を用いて得られる紙に関する。
近年、紙の製造工程においては、(1)安価填料である炭酸カルシウム利用による抄紙pHの上昇、(2)古紙使用比率の増加、更には(3)抄紙排水低減のための抄紙系クローズド化により製紙薬品の効果が発現し難い状況に変化してきている。そのため、サイズ剤の定着に必要なカチオン成分の失活や増加するアニオン夾雑物によるカチオン成分の消費が原因でパルプ繊維へのサイズ剤の分散定着が著しく阻害され、従来のサイズ剤ではサイズ効果が低下する傾向にある。
ところで、ロジン系エマルジョン型サイズ剤は良好なサイズ効果や取り扱いの容易さから紙、板紙用のサイズ剤として広く使用されている。ロジン系エマルジョン型サイズ剤は、ロジン系樹脂を、乳化分散剤等を用いて乳化させることにより得られる。通常、乳化分散剤はロジン系樹脂を微小な粒子として分散安定化させるために使用される。
乳化剤の重量平均分子量とその乳化性には相関関係が見られ、これまで、乳化分散剤の乳化性能の向上およびエマルジョンサイズ剤のサイズ効果向上のために乳化剤の分子量を規定する提案はされているが(特許文献1、2および3参照)、当該方法では、分子量の増加に伴い乳化分散剤粘度が大きく上昇することによる製造やハンドリング上の問題およびロジン系エマルジョン型サイズ剤の高粘度化によりエマルジョン表面に膜を張る「皮張り」の問題を抱えていた。
そのため、ロジンエマルジョンサイズ剤の高粘度化や皮張りを防ぐ手段として、乳化分散剤としての共重合体の分子量を連鎖移動剤の種類や量、重合性の異なるモノマー導入などにより制御する方法が種々提案されているが(特許文献1〜7参照)、連鎖移動剤の使用により共重合物の粘度低下は実現できるものの共重合体物の分子量が著しく低下し、結果として乳化剤の乳化性能も大きく低下することが分かっておりその使用量は限定される。なお、連鎖移動効果を有するモノマーや重合を遅延させるモノマーを使用することにより同じく分子量を低下させることはできるが、共重合体の基本物性は大きく変化しないため高分子量化とともに共重合体の粘度は高まり、結果として乳化したエマルジョンの高粘度化が発生する。
特開平11−315490号公報 特開2001−327848号公報 特公平7−24747号公報 特許第3277841号公報 特許第3758210号公報 特開2005−97778号公報 特開2003−55891号公報
本発明は、皮張り性、静置安定性などの種々の安定性に優れ、かつ低発泡性、低粘度であり、取り扱い性にも優れ、更にはサイズ性能も良好なロジン系エマルジョン型サイズ剤および当該サイズ剤を用いて得られる紙を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、特定の(メタ)アクリルアミド系共重合体およびロジン系樹脂を含有するロジン系エマルジョン型サイズ剤を用いることにより、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ロジン物質(A)を、分散剤(B)を用いて乳化させて得られる製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤において、分散剤(B)が、(メタ)アクリルアミド(b1)50〜85モル%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(b2)5〜20モル%および架橋性モノマー(b3)0.5〜3モル%、(メタ)アリルスルホン酸類1〜5モル%および疎水性ビニルモノマー7〜40モル%を必須成分としたモノマー成分を共重合して得られる重量平均分子量が25,000〜200,000で、ブルックフィールド回転粘度計による粘度(24重量%水溶液、25℃)が100〜2,000mPa・sである分岐構造を有する(メタ)アクリルアミド系共重合体(b)を含有することを特徴とする製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤;当該ロジン系エマルジョン型サイズ剤を用いて得られた紙に関する。
本発明では、分散剤として高分子量でありながら低粘度である(メタ)アクリルアミド系共重合体を用いるため、乳化剤の使用量を大きく低減することができる。その結果、サイズ効果に寄与するロジンエマルジョンサイズ剤中の固形ロジン量を増加でき、サイズ効果の向上に繋がる。また乳化剤の使用量を低減できるため、ロジン系エマルジョン型サイズ剤自体は元より、使用される抄紙系内の発泡性を著しく低減することができる。さらに、本発明のロジン系エマルジョン型サイズ剤は、硬水への希釈安定性に優れ、かつ乳化安定性にも優れていることから貯蔵安定性、機械安定性にも優れており、幅広い抄紙pH範囲(特に中性域(pH6〜8))で成紙に優れたサイズ効果を付与することができる。また、本発明のロジン系エマルジョン型サイズ剤は、パルプに対する定着性に優れているため硫酸アルミニウム等の使用量を低減することができる。さらに、本発明のロジン系エマルジョン型サイズ剤は、高温抄紙の場合、用水の硬度が高い場合、古紙配合率が高い場合、抄紙系のクローズド化で夾雑物質が増加するような場合であってもサイズ効果を高く維持することができる。また、静置安定性、保存安定性に優れ、エマルジョン皮張りの生成量が少なく、皮張りの水に対する分散性も良好である。
本発明のロジン系エマルジョン型サイズ剤は、ロジン物質(A)(以下、(A)成分という)を、分散剤(B)(以下、(B)成分という)を用いて乳化させて得られる製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤において、(B)成分が、(メタ)アクリルアミド(b1)(以下、(b1)成分という)、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(b2)(以下、(b2)成分という)および架橋性モノマー(b3)(以下、(b3)成分という)を含有するモノマー成分を共重合して得られる重量平均分子量が25,000〜200,000で、ブルックフィールド回転粘度計による粘度(24重量%水溶液、25℃)が100〜2,000mPa・sである(メタ)アクリルアミド系共重合体(b)(以下、(b)成分という)を含有することを特徴とする。なお、(B)成分は、必要に応じて塩基性化合物を用いて部分中和して用いられる。中和に用いられる塩基性化合物としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物といったアルカリ金属化合物の他、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、等のアミン化合物を用いることができる。
本発明に用いられる(A)成分としては、公知のロジン類、ロジンエステル類などが挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の原料ロジン、原料ロジンを水素化して得られる水素化ロジン、原料ロジンを不均化させて得られる不均化ロジン、原料ロジンを重合させて得られる重合ロジン、原料ロジンをフェノール類で変性させることにより得られるフェノール変性ロジン、原料ロジンをα,β−不飽和カルボン酸等で変性させることにより得られるα,β−不飽和カルボン酸変性ロジンなどが挙げられる。変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、炭素数1〜4程度の低級アルコールと無水マレイン酸から得られるマレイン酸モノエステル類またはマレイン酸ジエステル類、フマル酸、N−アルキルマレイミド類、イタコン酸、イタコン酸無水物、アクリル酸等を例示できる。これらのなかでも無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル類、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸無水物が好ましい。α,β−不飽和カルボン酸の使用量は、通常、原料ロジン100重量部に対して25重量部以下、好ましくは1〜20重量部程度、特に好ましくは3〜15重量部程度である。変性反応は、通常、150〜300℃程度で、0.5〜24時間程度行う。2種以上の操作を組み合わせる場合には、所望とする樹脂の種類に応じて、適宜操作の順序を決定すれば良い。
ロジンエステル類は、アルコール類とロジン類をエステル化反応させることにより得られる。アルコール類としては特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価のアルコール類、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価のアルコール類、ジペンタエリスリトールなどの6価のアルコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる(以下、2価以上のアルコールを多価アルコールという場合がある)。これらアルコール類は1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いても良い。なお、アルコール類としては、多価アルコール類を用いることが好ましい。ロジンエステル類を調製する際のロジン類とアルコール類の使用量は、特に限定されないが、通常は、ロジン類のカルボキシル基に対するアルコール類の水酸基の当量比[−OH(eq)/−COOH(eq)]が、通常0.1〜1.5、好ましくは0.1〜1.0になる範囲とされ、ロジンエステルとして完全エステル化物を製造できる他、未反応ロジン類を含むロジンエステルを製造することもできる。当量比が0.1未満の場合にはロジンエステルの割合が少なくなり、得られるサイズ剤の中性領域でのサイズ効果の向上が十分でなくなる場合がある。また、当量比が1.5を超える場合には、生成するロジンエステルに水酸基が多量に残存するため、サイズ剤として用いた場合に残存水酸基に起因して、サイズ効果が低下する場合がある。ロジンエステル類はロジン類とアルコール類を混合した後、多価アルコールの沸点に応じて常圧、減圧または加圧下に、温度を150〜300℃程度とし、3〜40時間程度撹拌しながら脱水縮合を行う。なお、当該反応は、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤を使用して、共沸下に脱水縮合させることもできる。なお、得られたロジンエステル類に対し、前述の方法で、水素化、不均化、変性等の各操作を行ってもよい。ロジンエステル類としては、ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステルが、サイズ効果の点から好ましい。
ロジン類と、ロジンエステル類を混合して使用する場合には、ロジンエステル類の含有量は(A)成分中20〜90重量%程度とすることが好ましい。ロジンエステル類の含有量を20〜90重量%とすることで、中性領域でのサイズ効果が著しく向上するため好ましい。
本発明に用いられる(B)成分は、重量平均分子量が25,000〜200,000で、ブルックフィールド回転粘度計による粘度(24重量%水溶液、25℃)が100〜2,000mPa・sである(b)成分を含有するものである。なお、重量平均分子量は、0.5%硝酸ナトリウム水溶液を展開溶媒とし、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)を使用し測定した値(ポリエチレングリコール標準物質換算値)であり、粘度は(b)成分を24重量%水溶液に調整したものを、25℃でTOKIMEC製VISCOMETERを使用し測定した値である。(b)成分の重量平均分子量が25,000未満の場合には、乳化性、サイズ効果の点で好ましくなく、重量平均分子量が200,000を超える場合には、得られる製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤の保存安定性が悪くなるため好ましくない。また、当該(b)成分の粘度が100mPa・s未満の場合には、乳化性、サイズ効果の点で好ましくなく、粘度が2,000mPa・sを超える場合には、ロジンエマルジョンサイズ剤の保存安定性の点で好ましくない。
(b)成分は、具体的には、例えば、少なくとも(メタ)アクリルアミド(b1)(以下、(b1)成分という)、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(b2)(以下、(b2)成分という)および架橋性モノマー(b3)(以下、(b3)成分という)を含有するモノマー成分を共重合させることにより得られる。
(b1)成分としては、具体的には、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミドが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。共重合性の点からアクリルアミドが好ましい。
(b2)成分としては、分子中にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。なお、これらはアルカリ金属類やアミン等の塩になっていてもよい。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。(b2)成分としては、(b1)成分との共重合性の点から(メタ)アクリル酸、イタコン酸が好ましい。
(b3)成分としては、ラジカル重合性官能基を2つ以上有する多官能モノマーであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。(b3)成分を用いることにより、分岐(架橋)構造を導入することができる。具体的には、例えば、メチレンビスアクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド類、ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロー1,3,5−トリアジン等の多官能(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン等の芳香族ポリビニル化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。(b3)成分としては、共重合体(A)に適度な乳化性を付与するためヒドロキシル基以外に疎水性基を有する1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。
なお、必要に応じて、重合成分として、前記(b1)成分〜(b3)成分と共重合できる(b1)成分、(b2)成分、(b3)成分以外のラジカル重合性化合物(b4)(以下、(b4)成分という)を使用しても良い。(b4)成分としては、例えば、疎水性ビニルモノマー、(メタ)アリルスルホン酸類、アクリロニトリル、N−置換アクリルアミド類などが挙げられる。疎水性モノマーとしては、芳香族系モノマー、アルキル(メタ)アクリレート類、カルボン酸ビニルエステル類等が挙げられる。芳香族系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの分子中に芳香環を有する単官能モノマー類が挙げられる。また、アルキル(メタ)アクリレート類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの単官能モノマー類が挙げられる。カルボン酸ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等などが挙げられる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート類が、共重合性が良く特に好ましい。なお、(メタ)アリルスルホン酸類は、(メタ)アリルスルホン酸の塩であってもよい。N−置換アクリルアミド類としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、たとえば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミドなどの単官能N−置換アクリルアミド類が挙げられる。(b4)成分は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
(B)成分を得るために用いられる各成分の使用量は、特に限定されないが、通常、(b1)成分を50〜85モル%程度(特に好ましくは、60〜80モル%)、(b2)成分の使用量は、5〜20モル%程度(特に好ましくは、8〜12モル%)、(b3)成分を0.5〜3モル%程度(特に好ましくは、1〜2mol%)、とすることが好ましい。また、(b4)成分を用いる場合には、通常35モル%以下とすることが好ましい。特に、(b4)成分として、疎水性モノマーを用いる場合には、7〜30モル%程度が好ましく、(メタ)アリルスルホン酸類を用いる場合には1〜5モル%程度とすることが共重合体の粘度調整において好ましい。
(b1)〜(b3)成分、必要に応じて(b4)成分を含有する重合成分を重合させる方法は、特に限定されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の各種公知の方法を採用できる。溶液重合による場合には、たとえば、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルイソブチルケトン等の溶媒を使用する。乳化重合方法で使用する乳化剤としては、特に限定されず、公知の界面活性剤を使用でき、アニオン性界面活性剤としては、たとえばジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等を例示でき、ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびこれら界面活性剤にビニル基またはアリル基、プロペニル基を導入した反応性界面活性剤等を例示できる。これら界面活性剤は1種または2種以上を適宜選択して使用することができ、その使用量は乳化剤を除く全固形分量に対して通常は0.1〜10重量%程度とされる。また、前記重合で使用する重合開始剤としては特に限定はされず、過硫酸塩類、過酸化物、アゾ化合物、レドックス系開始剤などの各種のものを使用できる。また、分子量を調節するために公知の連鎖移動剤であるイソプロピルアルコール、四塩化炭素、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クメン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸エステル、アルキルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等を適宜使用することもできる。
本発明のロジン系エマルジョン型サイズ剤は、(A)成分および(B)成分を用い、例えば、特公昭53−4866号公報(溶融高圧乳化法)、特公昭53−22090号公報(溶剤高圧乳化法)または特開昭52−77206号、特公昭58−4938号公報(反転乳化法)等に記載された公知の方法で乳化することにより製造することができる。
溶剤高圧乳化法による場合には、あらかじめ水に不溶な有機溶剤に溶解させた(A)成分に対して(B)成分と水、必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、低級アミン等のアルカリ物質を加え、ホモジナイザー、ピストン型高圧乳化機、超音波乳化機等を使用して乳化し、次いで上記有機溶剤を留去する。なお、(B)成分の添加時期は特に制限はされず、少量のアルカリもしくは界面活性剤を用いて乳化した場合には、乳化機を通した後でも、また溶剤留去後でも問題なく水性エマルジョンを収得しうる。
また、反転法による場合には、(A)成分を通常90〜160℃程度に加熱攪拌して溶融し、(B)成分と所定量の熱水とを添加して相反転させ、ロジン物質が分散相であり水が連続相であるエマルジョンを形成させる。
上記溶剤高圧乳化、反転乳化に際しては、(B)成分の固形分含有量が、分散相に含まれるロジン物質(A)成分100重量部に対して1〜30重量部程度、好ましくは1〜6重量部の範囲とする。1重量%未満では分散力が充分でなく、また30重量%を超えて使用するのは経済的でない。なお、所望により、得られたこれらのエマルジョンは水またはアルカリ水で希釈して、該エマルジョンのpHを調整することができる。
また、上記溶剤高圧乳化、反転乳化に際しては、(B)成分として(b)成分に加えて発泡性、サイズ効果に悪影響を与えない範囲で公知の界面活性剤を併用添加することもできる。該界面活性剤としては、前述の共重合体の乳化重合時に使用した各種のものを使用できる。
得られた本発明のロジン系エマルジョン型サイズ剤は通常10〜70重量%程度、下限とし、好ましくは30重量%、上限としては好ましくは55重量%の固形分を有する。また、レーザ回折・散乱法による平均粒子径は、0.2〜1.0μm程度で均一な水性エマルジョンである。該水性エマルジョンは乳白色の外観を呈し、通常2.0〜7.5のpHを有し、25℃条件下でのブルックフィールド回転粘度計による粘度(50重量%の固形分濃度における粘度)が10〜100mPa・s程度である。
本発明の紙は、前記製紙用エマルジョンサイズ剤を、例えばパルプの水分散液に硫酸アルミニウム等の定着剤とともに添加しpH4〜8でサイジングする方法またはパルプの水分散液にカチオン性の定着剤等とともに添加し、pH4〜8で抄造する方法により製造することができる。幅広い抄紙pH範囲で成紙に優れたサイズ効果を付与することができる。填料を用いる場合には、タルク、クレー、カオリン等の珪酸塩や二酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填料、尿素−ホルマリン樹脂等の有機填料の一種を単独でまたは二種以上を併用して使用できる。この場合、製紙用エマルジョンサイズ剤はパルプに対して通常0.05〜3重量%程度(乾燥重量基準)で使用される。
以下、実施例および比較例をあげて本発明方法を更に詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されないことはもとよりである。なお、実施例中、表記の無い限り単位%は重量%を示す。
製造例1
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコにヘキサエチレングリコールジアクリレート31.4g(1.5モル%)、アクリルアミド287.6g(75.5モル%)、イタコン酸59.3g(8.5モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム25.4g(3.0モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート29.6g(3.0モル%)、シクロヘキシルメタクリレート77.3g(8.5モル%)、イオン交換水711.3g、イソプロピルアルコール784.9g、連鎖移動剤として、2−メルカプトエタノール2.51g(重合成分の総モルに対し0.6モル%)を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガスバブリング下で50℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)11.0g(重合成分の総モルに対し0.9モル%)を加え、80℃まで昇温し、180分間保持した。次いで水蒸気吹き込みによりイソプロピルアルコールの留去を行い、イオン交換水を加えて固形分26.3%、24%水溶液粘度1040mPa・s、pH4.7、重量平均分子量30,100の共重合体水溶液を得た。なお、粘度の測定にはブルックフィールド回転粘度計(TOKIMEC製、VISCOMETER)、pHの測定はpH METER F-14(HORIBA製)用い、25℃で測定した(以下、粘度の測定条件は同じ)。重量平均分子量の測定は、ゲルパーションクロマトグラフィー法(使用装置:東ソー株式会社製HLC8120GPC、カラム:東ソー株式会社製TSK−GEL ALPHA−M)によるポリエチレングリコール標準物質の換算値である。
製造例3〜7および9〜10
製造例1において、各モノマーの配合組成を表1に示す通りに変更した以外は同様の方法で行い、製造例3〜6、および9〜10は固形分26%、製造例7は固形分27%の共重合体水溶液である乳化分散剤を得た。なお、製造例3、5については、48%水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ2.55g、3.91g(共重合体中のイタコン酸のカルボン酸を5モル%中和)加え、イタコン酸を部分中和した。
製造例2および8
製造例2および8において、各モノマーの配合組成を表1に示す通り変更し、連鎖移動剤を、n−ドデシルメルカプタン(重合成分の総モルに対し0.6モル%)とした以外は同様の方法で行い、製造例2は固形分26%、製造例8は固形分27%の共重合体水溶液である乳化分散剤を得た。
製造例11
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコにメチレンビスアクリルアミド49.2g(5.5モル%)、アクリルアミド336.2g(81.5モル%)、メタクリル酸6.2g(1.0モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム4.6g(0.5モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート32.1g(3.0モル%)、シクロヘキシルメタクリレート83.7g(8.5モル%)、イオン交換水682.9g、イソプロピルアルコール790.5g、連鎖移動剤として、2−メルカプトエタノール1.36g(重合成分の総モルに対し0.3モル%)を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガスバブリング下で50℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)15.89g(重合成分の総モルに対し0.9モル%)を加え、80℃まで昇温後、イオン交換水を280g加えた。80℃で180分間保持した後、水蒸気吹き込みによりイソプロピルアルコールの留去を行い、固形分24.2%、24%水溶液粘度54,300mPa・s、pH4.9、重量平均分子量264,000の共重合体水溶液を製造した。
製造例12
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに界面活性剤ハイテノールLA−10(第一工業製薬(株)製)5.1g(対モノマー総量1.0重量%)、ヘキサエチレングリコールジアクリレート26.2g(1.5モル%)、アクリルアミド147.9g(46.5モル%)、イタコン酸29.1g(5.0モル%)、メタクリル酸4.8g(1.0モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム14.2g(2.0モル%)、スチレン46.6g(10.0モル%)、α−メチルスチレン52.9g(10.0モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート99.0g(12.0モル%)、シクロヘキシルメタクリレート91.1g(12.0モル%)、イオン交換水1100.0g、連鎖移動剤として、2−メルカプトエタノール2.1g(総モルに対し0.6モル%)を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガスバブリング下で60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)12.3g(総モルに対し1.2モル%)を加え、90℃まで昇温し、90分間保持した後、後重合用の触媒として過硫酸アンモニウム(APS)6.1g(総モルに対し0.6モル%)を更に加え、さらに60分間90℃で保持した。次いでイオン交換水を加えて固形分30.1%、24%希釈液粘度150mPa・s、pH4.7、重量平均分子量5,210の共重合体水溶液を製造した。
共重合体水溶液をそのまま乳化分散剤とする。
Figure 0005376198
表中、AMはアクリルアミド、IAはイタコン酸、MAAはメタクリル酸、MBAAはメチレンビスアクリルアミド、6EGAはヘキサエチレングリコールジアクリレート、SMASはメタリルスルホン酸ナトリウム、2EHAは2エチルヘキシルアクリレート、CHMAはシクロヘキシルメタクリレート、BAはブチルアクリレート、BMAはブチルメタクリレート、Stはスチレン、αMeStはα−メチルスチレンを表す。
製造例1〜12で得られた共重合体(b)の物性値を表2に示す。
Figure 0005376198
表中、24%固形分の単位は(重量%)、24%粘度の単位はmPa・sである。
製造例13(ガムロジンの無水マレイン酸強化物(1)の製造例)
160℃の溶融状態にある酸価170mgKOH/gのガムロジン664.0gに無水マレイン酸53.0g(ロジンに対して8重量部)を加えて、190〜220℃で2時間加熱加温して反応させ、酸価240mgKOH/gのガムロジンの無水マレイン酸強化物(1)を得た。
製造例14(ガムロジンのフマル酸強化物(2)の製造例)
160℃の溶融状態にある酸価170mgKOH/gのガムロジン664.0gにフマル酸53.0g(ロジンに対して8重量部)を加えて、190〜220℃で2時間加熱加温して反応させ、酸価232mgKOH/gのガムロジンのフマル酸強化物(2)を得た。
製造例15(ロジンエステル化物(3)の製造例)
攪拌機、温度計、窒素導入管、分水器および冷却器を備えたフラスコに、酸価170のガムロジン664.2gとグリセリン55.6g(仕込みモル比―OH/―COOH=0.90)、また、酸化防止剤としてノクラック300(OUCHI SHINKO
CHEMICAL INDUSTRIAL製)1.0g、および触媒としてパラトルエンスルホン酸0.1gを仕込み、窒素気流下270℃まで加熱し、攪拌下、同温度で15時間反応させ、酸価16mgKOH/gのロジンエステル化物(3)を得た。
実施例1
製造例13で得られたガムロジンの無水マレイン酸強化物(1)210gと製造例15で得られたロジンエステル化物(3)90gを約160℃に加熱溶融し、攪拌しながら製造例1で得られた共重合体水溶液を、共重合体水溶液中に含まれる総固形分が15.0gとなる量を滴下して混合し、W/O形態とし、これに熱水を添加して安定なO/Wエマルジョンとした後、室温まで冷却した。得られたロジン系エマルジョン型サイズ剤の固形分濃度は50.3%、エマルジョン粘度は42mPa・s、平均粒子径は0.48μmであった。各共重合体水溶液を用いた時の各エマルジョンの物性を表3に示す。なお、粘度の測定にはブルックフィールド回転粘度計を用い、25℃で測定した。(以下、粘度の測定条件は同様に行った)。平均粒子径は、レーザ回折・散乱法による粒子径測定装置LASER DIFFRACTION PARTICLE SIZE ANALYZER SALD−2000J(SHIMADZU製)で測定した(以下、粒子径の測定条件は同様に行った)。
実施例2〜6、比較例3〜5、比較例7
実施例1において用いた製造例1で得られた共重合体水溶液を表3に示すようにそれぞれ変更した以外は同様にしてロジン系エマルジョン型サイズ剤を調製した。
実施例7
製造例1で得られた共重合体水溶液を、共重合体水溶液中に含まれる総固形分が12.0gとなるように滴下混合する他は実施例1と同様にして、固形分濃度50.3%のロジン系エマルジョン型サイズ剤を得た。
実施例8
約160℃に加熱溶融した製造例14で得られたガムロジンのフマル酸強化物210g(2)と製造例15で得られたロジンエステル化物(3)90gの混合物に、製造例1で得られた共重合体水溶液を、共重合体水溶液中に含まれる総固形分が15.0gとなるように滴下混合する他は実施例1と同様にして、固形分濃度50.2%のロジン系エマルジョン型サイズ剤を得た。
比較例1
製造例7で得られた共重合体水溶液を、共重合体水溶液中に含まれる総固形分が25.5gとなるように滴下混合する他は実施例1と同様にして、固形分濃度50.1%のロジン系エマルジョン型サイズ剤を得た。
比較例2、比較例6
製造例8、製造例12で得られた共重合体水溶液を、共重合体水溶液中に含まれる総固形分が24.0gとなるように滴下混合する他は実施例1と同様にして、それぞれ固形分濃度50.5%、50.2%のロジンエマルジョン型サイズ剤を得た。
比較例8
製造例7で得られた共重合体水溶液を、共重合体水溶液中に含まれる総固形分が25.5gとなるように滴下混合する他は実施例8と同様にして固形分濃度50.3%のロジンエマルジョン型サイズ剤を得た。
実施例、比較例で得られたロジンエマルジョン型サイズ剤の性状を表3に示した。
Figure 0005376198
表中、ロジン系物質のCはロジンエステル化物(3)、Dはガムロジンの無水マレイン酸強化物(1)、Eはガムロジンのフマル酸強化物(2)であり、表中の単位は各々の配合比(重量%)である。分散剤使用量の単位は(ロジン系物質に対する重量部)、固形分の単位は(重量%)、粘度の単位は(mPa・s)、粒子径の単位は(μm)を表している。
機械的安定性試験
実施例、比較例で得られたロジンエマルジョン型サイズ剤50gを試験用容器に入れ、温度25℃、荷重10kg、回転数800rpmにて5分間マーロン式安定性試験を行った。生成した凝集物を350メッシュ金網にて濾別して全固形分に対する析出量を測定し百分率で表した。その結果を表4に示した。使用機器はMARON(新星産業(株)製)。
静置安定性試験
実施例、比較例で得られたロジンエマルジョン型サイズ剤100gをマヨネーズ瓶に入れ、室温で2ヶ月静置後、350メッシュ金網で全量濾過し、全固形分に対する濾過残渣量を測定した(ppm)。その結果を表4に示した。なお、濾過残渣には皮張りにより生成したものも含まれる。
発泡性試験
上記実施例、比較例で調製した各ロジンエマルジョン型サイズ剤溶液を、イオン交換水で25重量%に希釈し、マヨネーズ瓶に40gとり、液面高さを測定後、激しく振り混ぜた後、1分間静置した。静置後の液面の高さを測定し以下の式で発泡性(%)を算出した。その結果を表4に示した。(発泡性)=[(静置後の液面の高さ)/(攪拌前の液面高さ)]×100
手抄き試験
L−BKPをパルプ濃度2.0%になる量の水道水を加えビーターを用いて300mlカナディアン・スタンダード・フリーネスまで叩解した。
叩解したパルプスラリーを更に水道水で希釈しパルプ濃度1.0%に調整した。
このパルプスラリーに対パルプ16.0%(絶乾重量基準)の填料(炭酸カルシウムとタルクの混合物)、1.5%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、市販カチオン変性澱粉0.3%(絶乾重量基準)を添加した後、サイズ剤固形分として対パルプ0.4%(絶乾重量基準)となるように実施例、比較例で調製したロジンエマルジョン型サイズ剤を添加した後、抄紙機(Tappi Standard Sheet Machine(丸型))で、坪量80g/mとなるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.9であった。手抄きした湿紙を線圧5.5kg/cm、送り速度2m/minの条件のロールプレス機で脱水した。湿紙の乾燥は、回転式ドライヤーを用いて80℃で150秒間の条件で行った。得られた試験紙を恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度を測定した。ステキヒトサイズ度測定方法はJIS
−P8122に準ずる。その結果を表4に示した。
Figure 0005376198
機械安定性の単位は(%)、静置安定性の単位は(ppm)をである。
発泡性の単位は(%)、ステキヒトサイズ度の単位は(秒)である。
評価例はいずれも、固形分濃度50%においても静置安定性(皮張り量、エマルジョンの固形分粒子の沈降)に問題はなく、エマルジョン粘度も60mPa・s以下と実用上問題のないエマルジョンであった。しかし、比較評価例1〜8では静置安定性、サイズ性能に問題があった。一方、比較評価例3、4および5に使用したロジンエマルジョンでは、平均粒子径は微小化されているが、エマルジョン粘度が150〜1,370mPa・s(固形分濃度50%)と高く、皮張りが発生し易く静置安定性が劣るため実用上の取り扱いに問題が生じる。また、エマルジョンの発泡性においても評価例は比較評価例に比べて低発泡性を示すことが明らかである。

Claims (6)

  1. ロジン物質(A)を、分散剤(B)を用いて乳化させて得られる製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤において、
    分散剤(B)が、(メタ)アクリルアミド(b1)50〜85モル%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(b2)5〜20モル%および架橋性モノマー(b3)0.5〜3モル%、(メタ)アリルスルホン酸類1〜5モル%および疎水性ビニルモノマー7〜40モル%を必須成分としたモノマー成分を共重合して得られる重量平均分子量が25,000〜200,000で、ブルックフィールド回転粘度計による粘度(24重量%水溶液、25℃)が100〜2,000mPa・sである分岐構造を有する(メタ)アクリルアミド系共重合体(b)を含有することを特徴とする製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤。
  2. 架橋性モノマー(b3)が多官能(メタ)アクリルアミド類、多官能(メタ)アクリレート類および芳香族ポリビニル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項記載の製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤。
  3. カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(b2)が、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸および無水シトラコン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、未中和もしくは塩基性化合物で部分中和された請求項1又は2記載の製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤。
  4. 分散剤(B)の固形分含有量が、分散相に含まれるロジン物質(A)成分100重量部に対して1〜6重量部である請求項1〜のいずれかに記載の製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤。
  5. ロジン系エマルジョン型サイズ剤のレーザ回折・散乱法による平均粒子径が0.2〜1.0μm、かつ25℃条件下でのB型粘度計による粘度(50重量%の固形分濃度における粘度)が10〜100mPa・sである請求項1〜のいずれか1項に記載の製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の製紙用ロジン系エマルジョン型サイズ剤を用いて得られた紙。
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