JP6645753B2 - ロジンエマルションサイズ剤 - Google Patents

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本発明は優れたサイズ効果を有し、製紙工程における発泡、汚れなどの問題が発生し難く操業性に優れる新規なロジンエマルションサイズ剤に関する。特に従来のロジンエマルションサイズ剤に比べ微粒子化したロジンエマルションサイズ剤に関する。
日本の製紙業界では、古くより紙のサイジングにロジンエマルションサイズ剤を使用しているが、使用する抄紙工程の条件により、酸性抄紙用ロジンエマルションサイズ剤、弱酸性、中性ロジンエマルションサイズ剤から最も性能が発揮できるサイズ剤が選ばれ使用されている。pH4.0〜5.5の酸性抄紙用としてはロジンとロジンにマレイン酸やフマル酸を付加した変性ロジンを被乳化体とし、スチレン及び/又は(メタ)アクリル系モノマーとアニオン性ビニル系モノマーの共重合物を分散剤としたロジンエマルションサイズ剤が使用されており(特許文献1〜2)、さらにpH5.0〜8.0の弱酸性、中性抄紙用としては、ロジンとロジンにマレイン酸やフマル酸を付加した変性ロジン及び多価アルコールロジンエステルの混合物を被乳化体としてスチレン及び/又は(メタ)アクリル系モノマーとアニオン性ビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリルアミドのようなノニオン性ビニル系モノマーの共重合物を分散剤としたロジンエマルションサイズ剤が主として使用されている。
ロジンエマルションサイズ剤は、今日まで、より良好な効果を発揮する様々なタイプのロジンエマルションサイズ剤が提案されている。2005年以降ロジン価格が上昇しはじめ、これに伴いロジンエマルションサイズ剤の価格も上昇し、紙の製造コストを増加させる要因の一つとなった。このためロジンエマルションサイズ剤を使用せず、ケテンダイマー系サイズ剤やアルケニルコハク酸無水物系サイズ剤など他のサイズ剤を使用する工程が増加した。しかしケテンダイマー系サイズ剤は紙滑りや経時でのサイズ低下の問題、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤はハンドリング性や汚れの問題など、それぞれのサイズ剤には問題があり、より優れたサイズ効果を付与し、従来のロジンエマルションサイズ剤よりも低コストでサイズ効果が得られるロジンエマルションサイズ剤の開発が切望されている。
ロジンエマルションサイズ剤のサイズ効果を高める方法としては、従来より粒子径を小さくする方法が知られている。これは粒子径が小さいとウェットエンドで紙匹に均一に定着し、均一に分布しやすいことから、優れたサイズ効果を発現するためである。しかし、粒子径を小さくし過ぎるとエマルション粘度の増加、サイズ効果の低下、発泡量の増加等が見られ好ましくなく(特許文献9、段落[0027])、逆にロジンエマルションの粒子径が大きいと、比表面積が小さくなるため化学変成を受け難くなり、サイズ性の低下が起こり難くなるため好ましい(特許文献10、段落[0029])とされており、これらの知見に基づく従来のロジンエマルションサイズ剤の粒子径はメディアン粒子径で0.3μmから1.0μmの範囲のもので、この粒子径よりさらに小さいエマルションサイズ剤の検討は実質的になされてなかった。
特開昭62−223393号公報 特公平2−53555号公報 特許2934803号公報 特許3030976号公報 特許3277841号公報 特許3744566号公報 特開2007−56416号公報 特許3928416号公報 特許4784015号公報 特許5138482号公報 特許5376198号公報 特許5467493号公報
本発明の課題は、従来のロジンエマルションサイズ剤よりも、さらに優れたサイズ効果を有し、製紙工程における発泡、汚れなどの問題が発生し難く操業性に優れる新規なロジンエマルションサイズ剤を提供することである。
本発明者は課題を解決するため鋭意研究を行った結果、従来、一般的であったメディアン粒子径が0.3〜1.0μmのロジン系エマルションサイズ剤よりも小さい粒子径のロジンエマルジョンサイズ剤であって、体積基準粒度分布の標準偏差が0.09μm以下であるものが、さらに優れたサイズ効果を有し、製紙工程における発泡、汚れなどの問題が発生し難く操業性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、体積平均粒子径が0.01〜0.3μmであり、かつ、体積基準粒度分布の標準偏差が0.09μm以下である、ロジンエマルジョンサイズ剤に関するものである。
また本発明は、ロジン系物質と分散剤の全固形分100重量%に対して8〜30重量%の分散剤を使用してロジン系物質を乳化することにより得られる、前記のロジンエマルションサイズ剤に関するものである。
さらに本発明は、前記ロジン系物質としてロジン類及び強化ロジン類の少なくとも1種及び/又はロジンエステル類及び強化ロジンエステル類の少なくとも1種を使用するロジンエマルションサイズ剤に関するものである。
また本発明は、前記分散剤として、下記a)〜c)のそれぞれに属する少なくとも1種のビニル系モノマーを必須成分として重合させてなる分散剤を用いるロジンエマルションサイズ剤に関するものである。
a)疎水性ビニル系モノマー類
b)アニオン性水溶性ビニル系モノマー類
c)ノニオン性水溶性ビニル系モノマー類
前記a)〜c)のビニル系モノマーの共重合割合が、a)6〜40重量%、b)6〜40重量%、c)4〜70重量%である分散剤を用いるロジンエマルションサイズ剤に関するものである。
本発明のロジンエマルションサイズ剤の体積平均粒子径は、0.01〜0.3μmであり、好ましくは、0.03〜0.2μm、より好ましくは0.05〜0.18μmである。粒子径が0.3μmを超えると、従来のロジンエマルジョンサイズ剤と同じ粒子径となり本発明による効果が得られず、粒子径を0.01μm以下とするにはより多くの分散剤の配合やより大きな剪断力、圧力などの分散エネルギーが必要となるため経済的に好ましくない。
また本発明のロジンエマルションサイズ剤の体積基準粒度分布の標準偏差は、0.09μm以下であり、好ましくは0.07μm以下である。標準偏差が0.09μmを超えると、サイズ効果は従来のロジンエマルションサイズ剤と同等のものとなる。
ロジンエマルションサイズ剤の体積平均粒子径及び体積基準粒度分布の標準偏差は、動的光散乱法により測定することができる。
本発明のロジンエマルションサイズ剤は、ロジン系物質を分散剤を用い乳化することで製造することができる。
本発明においてロジン系物質としては、例えばロジン類、強化ロジン類、ロジンエステル類及び強化ロジンエステル類の少なくとも1種で、これらを2種以上併用してもかまわない。ロジン系物質の配合割合については、ロジンエマルションサイズ剤が使用される抄紙工程の条件により適宜変更することが好ましい。例えば抄紙工程のpHが4.0〜5.5程度である場合は、強化ロジン類の配合量を50重量%〜100重量%、ロジンエステル類及び/又は強化ロジンエステル類を0〜50%配合して使用することが好ましく、抄紙工程のpHが5.0〜8.0程度である場合は、強化ロジン類を10〜60%、ロジンエステル類及び/又は強化ロジンエステル類を40〜90%配合し使用することが好ましい。
ロジン類にはガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどが挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種又は2種類以上併用して使用することができる。
強化ロジン類は、前述のロジン類にα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその無水物を1〜20重量%、好ましくは3〜18重量%付加反応させたものである。α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその無水物として挙げられるものとしてはフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等のα,β−不飽和二塩基性カルボン酸及びその無水物、アクリル酸及びメタクリル酸等のα,β−不飽和一塩基性カルボン酸が挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種又は2種類以上併用して使用できる。
ロジンエステル類は、上記ロジン類とアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物類等とのエステル化反応によって得られる。完全及び/又は部分エステル化物を含むとともに、未反応ロジン類を含んでも良い。アルコール類としてはグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール等が挙げられる。フェノール類としてはヒドロキノン、ピロガロール、ビスフェノールA等を例示できる。エポキシ化合物としてはグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。エステル化反応は、これらアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物類の中から少なくとも1種又は2種類以上併用して反応が行える。反応方法は公知の方法で行うことが可能である。
強化ロジンエステル類は、ロジンエステル類にα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその無水物等を付加させたものである。付加反応はエステル化反応前、エステル化反応と同時、エステル化反応後のいずれの段階でもよい。
さらに上記ロジン系物質に本発明の効果を阻害しない範囲で、上記ロジン類の変成物である水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、アルデヒド変性ロジンなどや、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、パラフィンワックス類、石油樹脂類などを併用することも可能である、併用する場合は、これら化合物を変性前、変性後いずれの段階でも上記ロジン類に添加し使用して良く、これらのうち1種又は2種類以上併用しても本発明の効果を阻害しない範囲では構わない。さらに本発明の効果を阻害しない範囲でアルキルケテンダイマーやアルケニルコハク酸無水物、脂肪酸アミドなども上記ロジン系物質に併用することも可能である。
さらに本発明に関わる分散剤として、a)疎水性ビニル系モノマー類、b)アニオン性水溶性ビニル系モノマー類及びc)ノニオン性水溶性ビニル系モノマー類のそれぞれに属する少なくとも1種のビニル系モノマーを必須成分として重合させてなる分散剤を用いる。
a)疎水性ビニル系モノマー類としては、炭素数1〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数5〜20の(メタ)アクリル酸脂環基エステル、或いは芳香族オレフィン、脂肪族オレフィンから選ばれる少なくとも1種のモノマーであり、2種以上併用することができる。これらの中でも、特にブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、などやスチレン類、スチレン系化合物のモノマーが好ましく、さらにはブチルアクリレートやシクロヘキシルメタクリレート、スチレンが好ましい。
a)成分の使用量はa)〜c)のモノマー類の合計、すなわち100重量%のうち6〜40重量%である。さらに好ましくは7〜30重量%である。6重量%未満の場合、ロジン系物質と分散剤との親和性が低下し、40重量%以上である場合はロジン系物質との親和性が良好になるものの水性分散媒への親和性が低下し、良好な乳化性の分散剤が得られなくなる。
次に使用するb)アニオン性水溶性ビニル系モノマー類としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアルキルスルホン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルリン酸エステルなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルリン酸エステルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アクリルリン酸エステルおよびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種のモノマーであり2種以上併用することができる。これらの中ではメタクリル酸、イタコン酸が好ましい。b)成分の使用量は6〜40重量%であり、好ましくは7重量%〜30重量%である。6重量%未満の場合には分散剤の親水性が低下し良好な乳化性が得られず、40重量%以上であると、その分散剤により得られるエマルションを含有するロジンエマルションサイズ剤の機械的安定性が悪くなる傾向がある。
c)ノニオン性水溶性ビニル系モノマー類としては(メタ)アクリルアミド、N,N−アルキル(C1〜2)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルエステルなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルエステルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アクリルエステルから選ばれる少なくとも1種類であり、2種類以上併用することができる。これらの中ではアクリルアミドが好ましい。c)成分の使用量は0〜70重量%であり、好ましくは1重量%〜60重量%である。1重量%未満の場合にはその分散剤により得られるエマルションを含有するロジンエマルションサイズ剤の炭酸カルシウムに対する安定性が良好でなく、70重量%以上であると、良好な乳化性が得られなくなる。
また上記(a)〜(c)成分の他にアミノアルキル(メタ)アクリレート、アミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリルアミド、アミノヒドロキシアルキルビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジアリルアミンなどやこれらの第4級アンモニウム塩のカチオン性モノマーやメチレンビスアクリルアミド等の多官能アクリルアミド類、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の架橋性多官能モノマーも分散剤の乳化性能を阻害しない範囲で使用できる。
また重合調整剤としては、メルカプタン類としてn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、チオフェノール、チオ安息香酸、チオサリチル酸、ナフタレンチオール、トルエンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトグリコール、チオグリセリン、システアミン塩酸(塩)、メルカプトプロピオン酸(塩)、チオグリコール酸(塩)、チオ酢酸(塩)チオリンゴ酸(塩)、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシルなどのアルキル基やエチレングリコール、ペンタエリスリトールなどの多価水酸基を有するチオグリコール酸エステル及びメルカプトプロピオン酸エステル類や、テルピノレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレン2量体等を分散剤の乳化性能を阻害しない範囲で使用できる。
該分散剤の製造における重合方法については、溶液重合、乳化重合、懸濁重合など従来公知の方法で行うことができる。溶液重合の場合は水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ターシャルブチルアルコールなどの低級アルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン等の溶剤を使用して重合する。これらの溶剤において2種以上併用して使用することも可能である。乳化重合の場合は公知のアニオン性及び/又はノニオン性界面活性剤を使用し、前記溶剤下において重合をする。
ラジカル重合触媒としては、公知のものが使用できる。例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、これら過硫酸塩と還元剤との組み合わせによるレドックス系重合触媒、あるいは2’2−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系触媒、もしくは過酸化水素、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物を挙げることができる。
得られた重合物は必要に応じて共重合体中の酸を無機及び/又は有機アルカリにより中和し使用することも可能である。中和に用いる無機アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、有機アルカリとしてはアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類が挙げられる。無機及び/又は有機アルカリによる中和は重合前、重合後、いずれの機会において、必要に応じて、また重合を阻害しない範囲で、且つ分散剤の性能を阻害しない範囲で行うことができる。
こうして得られる分散剤は、重量平均分子量(Mw)で、Mw1000〜700000程度で好ましくは50000〜500000である。重量平均分子量が、その範囲以下の場合ロジン系物質に対する乳化力が劣り、それ以上であるとこれを使用したサイズ剤の粘度が高くなる傾向があるため、乳化力が低下し好ましくない。
分散剤の使用量は、ロジン系物質と分散剤の全固形分100重量%に対して8〜30重量%、好ましくは9〜20重量%である。8重量%未満では目標とする粒子径であるメディアン径が0.01〜0.3μmであり、かつ、体積基準粒度分布の標準偏差が0.09μm以下である乳化物が得られず、従来のロジンエマルションサイズ剤と同様のサイズ剤となるため性能上好ましくなく、また30重量%以上である場合、ロジン系物質の含有量が少なくなるためサイズ性能が低下し好ましくない。
ロジン系物質を乳化する方法は、特に限定されず公知の方法(例えば米国特許第2393179号、米国特許第3565755号、米国特許4157982号)で製造可能である。例えば、転相乳化法、溶剤乳化法、機械乳化法などいずれの方法でも乳化することができる。剪断力、圧力などの乳化条件を最適化させることにより、望まれる粒子径および粒度分布のロジンエマルションを得ることができる。
また本発明の効果を害しない範囲で、乳化の際に公知の界面活性剤や高分子系共重合体を併用することも可能である。併用可能な界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、高分子系共重合体が挙げられる。カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩およびその4級化物、アルキルアミドアミン、ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシアルキレンフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンロジンエステル、アニオン性界面活性剤としてはロジン類及び強化ロジン類のアルカリ中和塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ナフタレン系スルホン酸塩、ASAのアルカリ塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、高分子系共重合体としてはスチレン−メタクリル酸系共重合体や(メタ)アクリルアミド系共重合体などが挙げられる。
このようにして得られる、体積平均粒子径が0.01〜0.3μmであり、かつ、体積基準粒度分布の標準偏差が0.09μm以下であるロジンエマルションサイズ剤は、従来のロジンエマルションサイズ剤よりも良好な性能を示す。これは粒子径が小さく、かつ揃っているとウェットエンドで紙匹に均一に定着し、均一に分布しやすいためであると考えられる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例1、4、11、13〜15は参考例である。
以下において、重量平均分子量の測定は下記条件により測定を行った。
測定器:島津製作所 LC−20AD
カラム:(株)東ソーGPWXL
測定温度:40℃
検出器:示差屈折計
また、粘度の測定にはB型粘度計(株式会社東京計器製 形式:BM)を
使用した。
ロジンエマルションサイズ剤の体積平均粒子径及び体積基準粒度分布の標準偏差は、マイクロトラック・ベル社製粒度分布測定装置マイクロトラックUPA150にて測定を行った。
製造例1(ロジンのフマル酸強化物)
ガムロジン900部を1L四つ口フラスコに仕込み200℃で加熱溶融させ、その後フマル酸100部添加し、同温度で3時間保持し、SV(ケン化価)253の反応生成物R1を得た。
製造例2(ロジンの無水マレイン酸強化物)
ガムロジン880部を1L四つ口フラスコに仕込み200℃で加熱溶融させる。その後無水マレイン酸120部を添加し、同温度で3時間保持し、SV290の反応生成物R2を得た。
製造例3(ロジンのグリセリンエステル)
ガムロジン600部とグリセリン55部を1L四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で200℃まで加熱し脱水反応を行った。その後さらに270℃で14時間脱水反応を行いAV10の反応生成物R3を得た。
製造例4(ロジンエステルの無水マレイン酸化物)
製造例3で得た反応生成物900部を1L四つ口フラスコに仕込み200℃で加熱溶融させた。その後無水マレイン酸100部を添加し、同温度で3時間保持し、SV120の反応生成物R4を得た。
製造例5
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに疎水モノマーとしてスチレン79.1部、n−ブチルメタアクリレート39.6部、アニオン性モノマーとしてメタアクリル酸69.2部、非イオン性モノマーとして40%アクリルアミド水溶液を24.7部、αメチルスチレンダイマーを11.1部、β−メルカプトプロピオン酸を4.0部仕込んだ。その後、水を250.0部、イソプロピルアルコールを250.0部加え80℃まで加熱を行った。重合触媒として過硫酸アンモニウムを7.9部添加し、4時間重合を行った。その後、イソプロピルアルコールの留去を行い、48%苛性ソーダを67.1g添加し、水を添加し、濃度25%、重量平均分子量(Mw)113000、粘度198mPa・sの分散剤1を得た。
製造例6
製造例1と同様の装置にスチレン46.9部、イソブチルメタクリルアクリレート37.5部、メタクリル酸93.7部、40%アクリルアミド水溶液23.4部、テルピノレン10.5部、2−メルカプトエタノール3.8gを仕込んだ。その後水を250部、イソプロピルアルコールを250部、重合開始剤として過硫酸アンモニウム7.5部を加え溶解し、80℃まで加熱し、同温度で4時間保持した。その後、実施例1と同様にイソプロピルアルコールの留去を行い、48%苛性ソーダ90.8gと水を添加し、濃度25%、Mw115000、粘度240mPa・sの分散剤2を得た。
製造例7
製造例1と同様の反応装置にスチレン67.2部、ノルマルブチルアクリレート22.3部、メタクリル酸53.0部、40%アクリルアミド水溶液153.0部、αメチルスチレンダイマー11.4部、β−メルカプトプロピオン酸7.4gを仕込んだ。さらに水200部、イソプロピルアルコール300部仕込み80℃で溶解を行った。重合触媒としてアゾイソブチロニトリルを8.2部添加し、4時間重合を行った。その後、イソプロピルアルコールの留去を行い、48%苛性ソーダ51.4gおよび水を添加し、濃度25%、Mw156000、粘度360mPa・sの分散剤3を得た。
製造例8
製造例1と同様の反応装置にスチレン34.7部、イソブチルアクリレート55.1部、メタクリル酸53.0部、40%アクリルアミド水溶液153.0部、テルピノレン11.4部、2−メルカプトエタノール7.3gを仕込んだ。その後、水200部、イソプロピルアルコール300部、アゾビスイソブチロニトリル7.5部を加え40℃で溶解を行った。溶解確認後80℃まで過熱し4時間温度を維持した後、イソプロピルアルコールを留去し、48%苛性ソーダ51.4gおよび水を加え濃度25%、Mw158000、粘度350mPa・sの分散剤4を得た。
製造例9
製造例1と同様の反応装置にシクロヘキシルメタクリレート22.9部、2−エチルヘキシルアクリレート11.5部、イタコン酸68.8部、40%アクリルアミド水溶液286.7部、テルピノレン6.9部、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート2.0部、βメルカプトプロピオン酸4.6gを仕込んだ。さらに、水200部、イソプロピルアルコール300部仕込み、重合開始剤をアゾビスイソブチロニトリルを5.8部加え40℃で溶解を行った。溶解確認後80℃まで過熱し4時間温度を維持した後、イソプロピルアルコールを留去し、48%苛性ソーダ8.8gおよび水を加え、濃度25%、Mw160000、粘度460mPa・sの分散剤5を得た。
実施例1(ロジンエマルションサイズ剤の製造法)
十字撹拌羽を三枚装備した1Lオートクレーブに製造例1で得たフマル化ロジンR1を92部を仕込み、150℃に加熱溶融した。これに製造例5で得た分散剤を固形分換算で8部(有姿32部)を添加混合し、撹拌数を800rpmまで上昇させた。撹拌数を維持し、さらに熱水を76部加えながら転相させ、固形分50%、粒子径0.22μmのロジンエマルションサイズ剤を得た。
実施例2〜16、比較例1〜6
実施例1において製造例1〜4のロジン系物質及び製造例5〜9の分散剤を用い、表1に示した組成比で用いたこと以外は同様の操作で、それぞれ固形分50%のロジンエマルションサイズ剤を得た。
比較例7
十字撹拌羽を1枚装備した1Lオートクレーブに実施例1と同じ仕込みで撹拌数を100rpmとし同様の操作で固形分50%粒子径1.08μmのロジンエマルションサイズ剤を得た。
Figure 0006645753
<機械的安定性試験>
実施例あるいは比較例のサイズ剤50gをカップに入れ、25℃、荷重10kg、回転数1000rpmにて10分間マーロン式安定性試験を行った。生成した凝集物を200メッシュでろ過し全固形分に対する凝集量を百分率で示した。
<水への再分散性>
サイズ剤の風乾物1gと水道水50gを試験管に取り、軽く攪拌してその風乾物の再分散性を観察した。容易に分散するものを3、十回前後攪拌することにより分散するものを2、そして全く分散しないものを1とし3段階評価で行った。
<静置安定性試験>
長さ100cm、内径3cmの試験管に実施例あるいは比較例のサイズ剤を500cc入れ、冷暗所に室温で2ヶ月静置した。底部に沈降した沈殿物の高さ(mm)を測定した。
<泡立ち性試験>
カナディアン・スタンダード・フリーネス400ccに叩解したパルプ(LBKP100%)を2.0%のパルプスラリーとし、これに対パルプ固形分2%の硫酸バンド、0.5%のカチオン化澱粉(日本NSC社Cato3210)及び2%の実施例および比較例で得たサイズ剤を添加した。その後、80メッシュワイヤーでパルプスラリーを濾過し、その白水を箱型容器に入れた。その白水をポンプで循環してこれを30cmの高さから容器中に落下させ、10分後の液面に蓄積する泡の面積を液面全体面積に対する百分率で示した。
<手抄き試験によるサイズ効果の評価>
カナディアン・スタンダード・フリーネス400ccまで叩解したパルプ(LBKP100%)を絶乾固形分2%のパルプスラリーとした。このパルプスラリーに絶乾パルプに対して1.5%の硫酸バンド、0.5%の日本NSC社製カチオン化澱粉Cato3210、0.3%の上記実施例および比較例で得たそれぞれのサイズ剤を添加し、パルプ濃度0.2%まで希釈した。JIS丸型抄紙機でJIS P8222に準拠して坪量80g/mとなるように抄紙した。湿紙の乾燥はドラムドライヤーを用いて90℃で2分間乾燥させた。得られたサイジング紙をJIS P8111に準拠して調湿し、JIS P8122に準拠して試験紙のステキヒトサイズ度およびCobbサイズ度を測定した。
上記の試験の結果を表2および表3に示す。
Figure 0006645753
Figure 0006645753
表2および表3から分かるように、本発明のロジンエマルションサイズ剤は、比較例で得られたサイズ剤に比べ、優れたサイズ効果を有し、特にCobbサイズ度(吸水性に対するサイズ効果)が良好となる。さらに機械的安定性が良好であることが確認できる。
本発明のロジンエマルションサイズ剤は従来のロジンエマルションサイズ剤に比べ、優れたサイズ効果を有し機械的安定性が良好で汚れの発生も少ないことより、製紙用ロジンエマルションサイズ剤として利用できる。

Claims (4)

  1. 分散剤として、下記a)及びb):
    a)疎水性ビニル系モノマー類
    b)アニオン性水溶性ビニル系モノマー類
    のそれぞれに属する少なくとも1種のビニル系モノマー(ただし、a)疎水性ビニル系モノマー類としてスチレン類を含む)を必須成分として重合させてなる共重合体を使用して乳化された、
    体積平均粒子径が0.05〜0.18μmであり、かつ、体積基準粒度分布の標準偏差が0.07μm以下である、ロジンエマルションサイズ剤。
  2. 前記分散剤がさらにc)ノニオン性水溶性ビニル系モノマー類に属する少なくとも1種のビニル系モノマーを必須成分として重合させてなる共重合体である、請求項1に記載のロジンエマルションサイズ剤。
  3. ロジン系物質と分散剤の全固形分100重量%に対して8〜30重量%の分散剤を使用してロジン系物質を乳化することにより得られる、請求項1又は2に記載のロジンエマルションサイズ剤。
  4. ロジン系物質としてロジン類及び強化ロジン類の少なくとも1種及び/又はロジンエステル類及び強化ロジンエステル類の少なくとも1種を使用する、請求項に記載のロジンエマルションサイズ剤。
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