JP6057091B2 - 製紙用エマルションサイズ剤 - Google Patents

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Description

本発明は製紙用エマルションサイズ剤に関する。
近年、紙の製造工程においては(1)安価填料である炭酸カルシウム利用による抄紙pHの上昇、(2)古紙使用比率のアップ、更には(3)抄紙排水低減のための抄紙系クローズド化により製紙薬品の効果が発現し難い状況に変化してきている。
抄紙環境のpHに関しては、従来から汎用されてきた内添サイズ剤であるロジン型サイズ剤は、酸性域で使用する必要があり、弱酸性からアルカリ性のpH域ではそのサイズ効果を低下させる。
他方、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤やケテンダイマー系サイズ剤に代表される、いわゆる中性サイズ剤は、セルロースに対する反応性があるため弱酸性からアルカリ性の幅広いpH域で使用可能である。
一方で、上記中性サイズ剤はその安定性が不良である、すなわち水性分散液としての貯蔵安定性、機械的安定性、化学的安定性などが劣るという欠点がある。更には、上記中性サイズ剤のうち、ケテンダイマー系サイズ剤はその成紙のサイズ効果が目的値に達するまでに相当の期間を必要とするという、いわゆるサイズ効果の立上りという現象が認められることから、得られる紙製品の品質管理面で不利がある。
そこで酸性域から中性域までの幅広いpH域で適用可能であり、サイズ効果の立上り現象がなく、貯蔵安定性、機械的安定性、化学的安定性に優れるサイズ剤として特定の多塩基性カルボン酸成分と特定のアルコールまたはアミン成分とからなる脱水縮合物を水に分散したエマルション型サイズ剤が報告されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3)。
しかしながらこれらのエマルション型サイズ剤は、特に前記(2)や(3)に起因する問題を解決するには至っていない。すなわち、溶存カルシウムイオンの増加による抄紙用水の硬度の上昇はエマルションサイズ剤粒子の凝集や破壊を引き起こし、パルプ繊維へのサイズ剤の分散定着を著しく阻害しサイズ効果を低下させるので、これらのサイズ剤も近年の抄紙用水硬度の多様な変化に対応するものではなかった。
特開昭59−21797 特開昭61−70094 特開平5−339896
上述したように紙の製造環境は多様に変化しており、抄紙用水硬度も5〜200°dHの幅で、抄紙マシンにより異なり、また抄紙pHも異なるため、この様な抄造条件下でも抄紙系内で希釈分散安定性に優れ、サイズ効果が安定で且つ凝集物等が発生しないエマルション型サイズ剤が求められている。本発明は、機械的安定性が良好で抄紙系内に存在するカルシウム等のカチオン性物質との相互作用による凝集物の生成が少なく、かつ抄紙用水の硬度が低硬度から高硬度の広い範囲で安定性を有し、しかもサイズ性に優れた製紙用エマルションサイズ剤を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、サイズ剤の成分として特定多価カルボン酸と脂肪族及び特定脂肪族アミンの脱水縮合物を用い、これを親水性の(メタ)アクリルアミドを主構成成分とする共重合体で分散させて得られるエマルションサイズ剤とすることにより、前記課題を解決しうる事を見出した。
すなわち、本発明は3価又は4価のカルボン酸(a1)と、炭素数が6〜22のアルキル基又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコール(a2−1)及び炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(a2−2)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物(a2)との脱水縮合物(A)並びに(メタ)アクリルアミド(b1)を50〜90モル%、カルボキシル基含有単量体(b2)を2〜40モル%、スルホ基含有単量体(b3)を0.1〜10モル%、水性単量体(b4)を2〜30モル%、及び多官能単量体(b5)を0.1〜5モル%を含有する単量体を重合して得られる(メタ)アクリルアミド系共重合体(B)を含有することを特徴とする製紙用エマルションサイズ剤、に関する。
本発明の製紙用エマルションサイズ剤は、酸性から中性域でのサイズ効果が良好である。また、機械的安定性、抄紙用水の硬度が低硬度から高硬度の広い範囲での安定性(硬水希釈安定性)が良好であり、近年の抄紙システムのクローズド化に充分対応しうるものである。
本発明の製紙用エマルションサイズ剤は、3価又は4価のカルボン酸(a1)(以下、成分(a1)という)と、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコール(a2−1)(以下、成分(a2−1)という)及び炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(a2−2)(以下、成分(a2−2)という)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物(a2)(以下、成分(a2)という)を脱水縮合させて得られる脱水縮合物(A)(以下、成分(A)という)を含有することを特徴とする。
成分(a1)としては3価又は4価のカルボン酸であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、クエン酸、トリカルバリル酸、t−アコニット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。なお、これらの3価又は4価のカルボン酸は有するカルボキシル基が酸無水物となっていてもよい。また、成分(a1)は、エステル交換、アミド交換反応により成分(a2)と反応できる3価カルボン酸又は4価カルボン酸のエステル、アミドであってもよい。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。成分(a1)としては、耐水性向上効果が大きく、比較的安価である点からクエン酸が好ましい。
成分(a2−1)としては、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコールであれば特に限定されず公知のものを使用することができる。なお、成分(a2−1)としては、飽和脂肪族アルコールであっても分子中に炭素−炭素不飽和結合を含有する不飽和脂肪族アルコールであってもよい。具体的には、飽和脂肪族アルコールとしては、例えば、2−エチルヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられる。不飽和脂肪族アルコールとしては、例えば、オレイルアルコールなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。成分(a2−1)としては、耐水性向上の点からパルミチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物が好ましい。
成分(a2−2)としては、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミンであれば特に限定されず公知のものを使用することができる。アミンとしては第1級アミン又は第2級アミンであることが好ましい。第1級アミンとしては、例えば、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン等が、第2級アミンとしては、例えば、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジステアリルアミン、ジ硬化牛脂アミン、ジベヘニルアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
成分(a2)としては、成分(a2−1)又は成分(a2−2)を単独で用いても、併用してもよい。また、耐水性向上の点から、成分(a2)成分のうち成分(a2−2)が好ましく、中でもジステアリルアミン、ジ硬化牛脂アミンがより好ましい。
成分(a1)と成分(a2)の反応は通常のカルボン酸とアルコールを反応させてエステル化する反応、カルボン酸とアミンを反応させてアミド化する反応の反応条件で脱水縮合させることができる。具体的には、たとえば、各成分の沸点を考慮して、常圧又は減圧下に約110〜180℃程度で1〜24時間程度攪拌しながら脱水縮合させればよい。また、必要に応じて、公知の塩基性又は酸性の触媒や、溶剤を用いてもよい。ベンゼン、トルエン、キシレンなどの溶剤を用いることで共沸脱水して反応を進めてもよい。
成分(a1)として、カルボン酸の低級エステル又はカルボン酸のアミドを出発原料として使用する場合でも、同様に行うことができる。なお、エステル交換に際しては、エステル交換反応触媒を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化ジ−n−ブチルスズ、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
成分(a1)と成分(a2)の使用量は、通常は、成分(a1)の少なくとも1つのカルボキシル基が成分(a2)とエステル結合及び/又はアミド結合を形成し、かつ成分(a1)の少なくとも1個のカルボキシル基が未反応のまま残存するようにすることが好ましい。成分(a1)として、3価のカルボン酸を使用する場合には、成分(a1)のカルボキシル基の3当量に対して、成分(a2)の水酸基又はアミノ基が1〜2当量となるようにする。成分(a1)として、4価のカルボン酸を使用する場合には、成分(a1)のカルボキシル基の4当量に対して、成分(a2)の水酸基又はアミノ基が2〜3当量となるようにする。残存したカルボキシル基は、カルボキシル基のまま存在していてもよく、カルボキシル基塩を形成していてもよい。カルボキシル基塩としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア、メチルアミン、エタノールアミン等のアンモニウム塩などが挙げられる。
このようにして得られた成分(A)は、通常、融点は100℃以下であり好ましくは70℃以下である。
本発明の製紙用エマルションサイズ剤は、前記成分(A)に、分散剤として(メタ)アクリルアミド(b1)を50〜90モル%、カルボキシル基含有単量体(b2)を2〜40モル%、スルホ基含有単量体(b3)を0.1〜10モル%、水性単量体(b4)を2〜30モル%、及び多官能単量体(b5)を0.1〜5モル%を含有する単量体を重合して得られる(メタ)アクリルアミド系共重合体(B)(以下、成分(B)という)を用いて水に分散させたものである
(メタ)アクリルアミド(b1)(以下、成分(b1)という)とは、アクリルアミド及び/又はメタアクリルアミドのことをいう。該成分(b1)は、分散剤に親水性を付与するために使用される。その使用量は、成分(B)を構成する単量体の総モル和の50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%の範囲で使用する。成分(a1)の使用量が90モル%を超えると得られるエマルション粒子の微細化ができなくなり、85モル%以下とすることでより安定してエマルション粒子の微細化が可能となる。
カルボキシル基含有単量体(b2)(以下、成分(b2)という)は、乳化性を維持させるために使用される。その使用量は、成分(B)を構成する単量体の総モル和の2〜40モル%、好ましくは3〜20モル%の範囲である。成分(b2)の使用量が40モル%を超える場合には乳化力が弱くなる。成分(b2)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸あるいはそれらの塩を使用することができる。塩としては特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニア、メチルアミン、エタノールアミン等のアンモニウム塩等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。これらの中ではイタコン酸又はその塩が特に好ましい。
スルホ基含有単量体(b3)(以下、成分(b3)という)は、分散剤である成分(B)に強いアニオン性を付与するために使用される。その使用量は、成分(B)を構成する単量体の総モル和の0.1〜10モル%、好ましくは0.5〜5モル%の範囲である。成分(B)のアニオン性成分として、成分(b2)に加えて比較的酸性の強い成分(b3)を使用することで、エマルションの硬水希釈安定性を改良することができるため好ましい。(b3)成分の使用量が0.1モル%に満たない場合にはアニオン性の低下により、得られるエマルジョンサイズ剤の定着力が低下する傾向がある。また、成分(b3)使用量が10モル%を超える場合には得られるエマルジョンサイズ剤の凝集力が強くなりすぎるため、紙への分布が不均一になりサイズ効果が低下する傾向がある。
成分(b3)としては、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル、(メタ)アリルスルホン酸等のスルホン酸系モノマー及び/又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルの硫酸エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルの硫酸エステル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンの硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテルの硫酸エステル等の硫酸エステル系単量体、さらにはこれらの塩があげられる。塩としては特に限定されず、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、モノメチルアミン、モノエチルアミン等のアミン塩などが挙げられる。これらは一種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できるが、これらの中では(メタ)アリルスルホン酸又はその塩を0.5〜5モル%使用するのが最も好ましい。
疎水性単量体(b4)(以下、成分(b4)という)は、分散剤である成分(B)に疎水性を付与するために使用される。成分(b4)の使用量は、成分(B)を構成する単量体の総モル和の2〜30モル%、好ましくは5〜20モル%である。成分(b4)を2〜30モル%とすることで乳化が容易となる。
成分(b4)としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭素数1〜20の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類や、これらスチレン類の芳香環に炭素数1〜4のアルキル基を有するスチレン系化合物のスチレン系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、炭素数6〜22のα−オレフィン、炭素数1〜22のアルキルビニルエーテル、ビニルピロリドン等を例示できる。これらのなかでも、特に炭素数1から12のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルが乳化性の点で好ましい。
多官能単量体(b5)(以下、成分(b5)という)としては、ラジカル重合性官能基を2つ以上有する多官能モノマーであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。成分(b5)の使用量は、成分(B)を構成する単量体の総モル和の0.1〜5モル%が好ましい。成分(b5)を用いることにより、成分(B)に分岐(架橋)構造を導入することができる。成分(b5)としては、具体的には、例えば、メチレンビスアクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド類、ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロー1,3,5−トリアジン等の多官能(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン等の芳香族ポリビニル化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。成分(b5)としては、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートがより好ましい。
本発明の成分(B)を構成する単量体として、さらに、カチオン性ビニルモノマー(b6)(以下、成分(b6)という)を使用することができる。成分(b6)を使用することにより、抄紙用水のpHや硬度が幅広い範囲で、高いサイズ効果を確保することができる。成分(b6)とは、3級アミノ基または4級アミノ基を有するビニルモノマーなどカチオン性基とラジカル重合性官能基とを有するモノマーをいう。成分(b6)の使用量は、成分(B)を構成する単量体の総モル和の0.1〜25モル%が好ましく、1〜24モル%がより好ましい。3級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、およびジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどがジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
4級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、前記3級アミノ基を有するビニルモノマー成分に4級化剤を反応させて4級化したものが挙げられる。また、前記3級アミノ基を有するビニルモノマー成分を使用して得られた共重合体に4級化剤を反応させることによっても得ることができる。4級化剤としては、オキシド類、有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸、並びにジエチル硫酸等など従来公知のものを挙げることができる。オキシド類として、具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、並びにスチレンオキシド等を挙げることができる。有機ハロゲン化物としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、エピクロルヒドリン、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、及び3−クロル−2−ヒドロキシアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、本発明の成分(B)の単量体として、必要により、単量体の総モル和の20モル%以下の範囲で、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール等のヒドロキシル基含有モノマー;ポリオキシアルキレン(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシアルキレンモノアルキル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン基含有モノマー等を使用しても良い。
成分(B)の製造方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の各種公知の方法を採用でき、前記単量体を共重合させることにより容易に収得しうる。溶液重合による場合には、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルイソブチルケトン等の溶媒を使用できる。乳化重合方法で使用する乳化剤としては特に制限はされず各種の界面活性剤を使用できる。アニオン性界面活性剤としては、たとえばジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等を例示できる。ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びこれら界面活性剤にビニル基又はアリル基、プロペニル基を導入した反応性界面活性剤等を例示できる。これら界面活性剤は1種又は2種以上を適宜選択して使用することができ、その使用量は全仕込み単量体に対して通常は0.1〜10重量%程度とされる。また、前記重合で使用する重合開始剤としては特に限定はされず、過硫酸塩類、過酸化物、アゾ化合物、レドックス系開始剤などの各種のものを使用でき、分子量を調節するために公知の連鎖移動剤であるイソプロピルアルコール、四塩化炭素、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クメン、チオグリコール酸エステル、アルキルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等を適宜使用することもできる。
本発明の製紙用エマルションサイズ剤における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、成分(A)に対し、固形分換算で通常0.1〜50重量%程度、好ましくは1〜30重量%である。0.1重量%に満たない場合は充分な乳化性を維持し難く、また、50重量%をこえる場合は過剰に添加する意義が認められないため、いずれも好ましくない。
成分(B)を使用することにより、成分(A)の水分散が安定化し、抄紙用水のpHや硬度が幅広い範囲で、高いサイズ効果を確保することができる。
成分(A)を成分(B)で水に分散させる方法、すなわちエマルションサイズ剤を製造する方法としては、高圧乳化法、反転乳化法のいずれをも採用することができる。
高圧乳化法による場合は、分散相を形成する成分(A)を溶融させるかあるいはベンゼン、トルエンなどの溶剤に溶解させ、ついでこれに成分(B)を前記使用割合で添加すると同時に温水を混合し、高圧乳化機を使用して乳化した後、そのままで、あるいは溶媒を留去することにより水性分散液をうることができる。また、反転法による場合は、固形分である成分(A)と成分(B)とを十分混練したのち溶融下、攪拌しながら徐々に温水を滴下し、相反転させることにより溶媒及び特殊な乳化装置を使用することなく水性分散液をうることができる。該水性分散液の固形分濃度は特に制限はされないが、通常10〜50重量%であり、必要に応じて水で稀釈して使用することもできる。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「%」及び「部」は特に断りのない限り「重量%」、「重量部」を意味する。
[(A)成分の合成例]
製造例1
クエン酸一水和物210部(1モル)とステアリルアルコール(商品名「NAA−46」、ステアリルアルコール/パルミチルアルコール=85/15(%)、日本油脂(株)製)532部(2モル)を混合し、生成する水を反応系外に留去しながら160℃まで加熱し、同温度で1.5時間、脱水縮合反応を続けた。この反応生成物を冷却してジエステル化合物を主成分とするワックス状脱水縮合物を得た。該脱水縮合物の恒数は融点48〜51℃、酸価78.7mgKOH/gであった。
製造例2
クエン酸一水和物210部(1モル)とジ硬化牛脂アミン(商品名「アーミン 2HT」ライオンアクゾ(株)製:アルキル鎖長比C16/C18=40/60)1000部(2モル)、及びトルエン1252部を混合し、トルエンの還流下で20時間、脱水縮合反応を続けた。この反応混合物から減圧下でトルエンを留去し、ジアミド化合物を主成分とするワックス状脱水縮合物を得た。該脱水縮合物の恒数は融点52〜56℃、酸価55.7mgKOH/gであった。
製造例3
トリカルバリル酸176部(1モル)とステアリルアルコール(商品名「NAA−46」)532部(2モル)を混合し、160℃まで加熱し、同温度で1.5時間脱水縮合反応を続けた。この反応生成物を冷却してジエステル化合物を主成分とするワックス状脱水縮合物を得た。該脱水縮合物の恒数は融点48〜51℃、酸価78.7mgKOH/gであった。
製造例4
トリカルバリル酸176部(1モル)とジ硬化牛脂アミン(商品名「アーミン 2HT」)1000部(2モル)、及びトルエン1252部を混合し、トルエンの還流下で20時間、反応を続けた。この反応混合物から減圧下でトルエンを除き、ジアミド化合物を主成分とするワックス状脱水縮合物を得た。該脱水縮合物の恒数は融点52〜56℃、酸価53.0mgKOH/gであった。
製造例5
t−アコニット酸174部(1モル)とジ硬化牛脂アミン(商品名「アーミン 2HT」)1000部(2モル)、及びトルエン1252部を混合し、トルエンの還流下で20時間、反応を続けた。この反応混合物から減圧下でトルエンを留去し、ジアミド化合物を主成分とするワックス状脱水縮合物を得た。該脱水縮合物の恒数は融点52〜56℃、酸価53.0mgKOH/gであった。
[成分(B)(分散剤)の合成例]
製造例6
1l容の4つ口フラスコに攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置にヘキサエチレングリコールジアクリレート31.4部(1.5モル%)、アクリルアミド287.6部(75.4モル%)、イタコン酸59.3部(8.5モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム25.4部(3.0モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート29.6部(3.0モル%)、シクロヘキシルメタクリレート77.3部(8.6モル%)、イオン交換水711.3部、イソプロピルアルコール784.9部、連鎖移動剤として、2−メルカプトエタノール2.51部(重合成分の総モル数に対し0.6モル%)を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガスバブリング下で50℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)11.0部(重合成分の総モル数に対し0.9モル%)を加え、80℃まで昇温し、180分間保持した。次いで水蒸気吹き込みによりイソプロピルアルコールの留去を行い、イオン交換水を加えて固形分24%の共重合体水溶液を得た。24%水溶液粘度は1040mPa・sであった。なお、粘度の測定にはブルックフィールド回転粘度計(TOKIMEC製、VISCOMETER)、で測定した(以下、粘度の測定条件は同じ)。
製造例7〜3、比較製造例1〜9
製造例6において用いた、各モノマーの配合組成を表1に示す通りに変更した以外は同様の方法で行い、固形分24%の共重合体溶液である分散剤を得た。
表中、AMはアクリルアミド、IAはイタコン酸、MAAはメタクリル酸、SMASはメタアリルスルホン酸ナトリウム塩、NaSSはスチレンスルホン酸ナトリウム、2EHAは2−エチルヘキシルアクリレート、CHMAはシクロヘキシルメタアクリレート、6EGAはヘキサエチレングリコールジアクリレート、MBAAはメチレンビスアクリルアミド、DMはジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、DMLは、DMをベンジルクロライドにより4級化したアンモニウム塩を表わす。
表中成分 (b1)〜(b6) の数値は、重合成分の総モル数に対する各成分のモル%を、粘度の単位はmPa・sを表わす。
比較製造例10
1l容の4つ口フラスコに攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、ジメチルアミノエチルメタクリレート31.4部、アクリルアミドの50%水溶液85.3部、スチレン20.8部、イオン交換水100.6部、イソプロピルアルコール143.3部、n−ドデシルメルカプタン0.6部を仕込み、20%酢酸水溶液にてpH4.5に調節した。この混合液を攪拌しながら窒素ガス雰囲気下で、60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウムの5%水溶液2.3部を加え80℃まで昇温し、1.5時間保持した後、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.7部を追加した。さらに、1時間保持した後、イオン交換水100部を加え、イソプロピルアルコールの留去を行った。留去終了後、イオン交換水を加えてポリマーを20%含有する水溶液を得た。該共重合体の340mPa・sであった。
比較製造例11
1l容の4つ口フラスコに攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、ピバリン酸ビニル57部、メタクリル酸20部およびN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライド4級化物20部、過硫酸カリウム3部および水400部を混合し、加熱し、80℃で6時間反応を行った。その後、冷却し、60℃でアニオン性不飽和単量体と等モルのアンモニアを加えて1時間撹拌し、ポリマーを20%含有する水溶液を得た。該共重合体の415mPa・sであった。
比較製造例12
1l容の4つ口フラスコに攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に脱イオン水244部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら90℃まで昇温する。その後、ブチルアクリレート15部、メタクリル酸70部、アクアロンHS1025(第一工業製薬(株)製:ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムを25重量%含有)60部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン5部の混合液を2時間かけて滴下する。同時に重合開始剤として過硫酸アンモニウム2.5部を脱イオン水100部に溶解した液を2時間かけて滴下する。さらに90℃で3時間保温して重合を完結させたあと、48%苛性ソーダ47部を添加しポリマーを20%含有する淡黄色微濁液を得た。該共重合体の粘度は175mPa・sであった。
比較製造例13
1l容の4つ口フラスコに攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却器を備えた反応装置に、スチレン50部、メタクリル酸2−エチルヘキシル10部、メタクリル酸40部、ラウリルメルカプタン5部、ポリオキシエチレン(n=13)ドデシルフェニルエーテル硫酸エステルのナトリウム塩5部、ポリオキシエチレン(n=9)オレイルエーテル2部、過硫酸カリウム3部及び水400部を混合し、80℃で4時間重合反応を行った。ついで、50℃まで反応系を冷却した後、系内にアニオン性モノマーと等モルのアンモニアを加えて1時間攪拌し、スチレン−メタクリル酸系共重合体の中和物を20%含有する水溶液を得た。該共重合体の粘度は70mPa・sであった。
比較製造例14
製造例6において使用したモノマーに代えて、メタクリル酸n−ブチル(50部)、メタクリル酸ラウリル(10部)及びメタクリル酸(40部)をモノマーとして用いた他は、製造例2と同様に重合反応を行い、共重合体の中和物を20%含有する水溶液を得た。該共重合体の粘度は45mPa・sであった。
[製紙用エマルションサイズ剤(水分散体)の製造例]
実施例1
製造例1で得られた脱水縮合物180部を加熱溶融し、次いで製造例6で得られた共重合体系分散剤83.3部と温水(80℃)403部と混合し、高圧乳化機を使用して乳化することにより濃度30%のエマルションサイズ剤を調製した。なお、平均粒子径は、レーザ回折・散乱法による粒子径測定装置LASER DIFFRACTION PARTICLE SIZE ANALYZER SALD−2000J(SHIMADZU製)で測定した(以下、粒子径の測定条件は同様に行った)。
実施例2〜3、比較実施例1〜14
実施例1において、得られた脱水縮合物及び分散剤のうちいずれか少なくとも1種を代え、分散剤使用量を表2に示したように代えた他は、実施例1と同様に行い、各種エマルションサイズ剤を調製した。なお、分散剤使用量はエマルションサイズ剤固形分中における分散剤固形分の重量%に相当する。
比較実施例15
製造例2で得られた脱水縮合物180部を加熱溶融し、次いで48%苛性ソーダ8.9部、温水711部と混合し、高圧乳化機を使用して乳化することにより濃度20%のエマルションサイズ剤を調製した。
比較実施例16
製造例2で得られた脱水縮合物180部を加熱溶融し、次いでノイゲンET109(第一工業製薬(株)製:ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル)18部と温水702部と混合し、高圧乳化機を使用して乳化することにより濃度20%のエマルションサイズ剤を得た。
実施例1〜3および比較実施例1〜1で得られたエマルションサイズ剤の、硬水希釈安定性及び性機械的安定性を次の方法により測定した。その結果を表2に示す。
(1)硬水希釈安定性
全硬度100゜dHの硬水でエマルションサイズ剤を5%に希釈し、分散状態を観察した。評価は、◎:分散し1日以上安定、○:分散する、△:一部凝集する、×:凝集する、によった。
(2)機械的安定性
エマルションサイズ剤50gをマーロン式安定度試験器(新星産業(株)製)の容器に秤取し、温度25℃、荷重10kg、回転速度1000r.p.m.で5分間機械的シェアーを加えた後、生成した凝集物を350のメッシュ金網でロ取し、機械的安定性を次式に従い算出した。
機械的安定性(%)=(凝集物の絶乾重量/試料エマルションサイズ剤の絶乾重量)×100
(3)内添サイズ効果
実施例1〜3および比較実施例1〜1で得られたエマルションサイズ剤を、実用試験(1)、実用試験(2)および実用試験(3)において、製紙用サイズ剤として使用した場合の成紙のサイズ度(秒)をステキヒト法(JIS P 8122)とコブ吸水度(JIS P8140、水との接触時間2分間)に準じて測定した。全硬度は全硬度測定法(JIS K0101)のキレート滴定法に準じて測定した。
実用試験(1)
L−BKPをパルプ濃度2.0%になる量の水道水を加えビーターを用いて300mlカナディアン・スタンダード・フリーネスまで叩解した。叩解したパルプスラリーを更に水道水で希釈しパルプ濃度1.0%に調整した。このパルプスラリーに全硬度が15dHになるよう塩化カルシウム水溶液を添加し、対パルプ16.0%(絶乾重量基準)の填料(炭酸カルシウムとタルクの混合物)、1.5%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、市販のカチオン化澱粉(王子エースK−100 王子コーンスターチ(株)製)0.3%(絶乾重量基準)、サイズ剤固形分として対パルプ0.2%(絶乾重量基準)となるように実施例、比較実施例で調製したエマルション型サイズ剤を添加した後、抄紙機(Tappi Standard Sheet Machine(丸型))で、坪量80g/mとなるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.9であった。手抄きした湿紙を線圧5.5kg/cm、送り速度2m/minの条件のロールプレス機で脱水した。湿紙の乾燥は、回転式ドライヤーを用いて80℃で150秒間の条件で行った。得られた試験紙を恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度を測定した。
その結果を表3に示した。
実用試験(2)
表層用パルプとして、N−UKP/段ボール古紙=20%/80%で1.5重量%のパルプスラリーを調製した。そのスラリーを攪拌しながら全硬度がそれぞれ100dH、200dHおよび300dHになるよう塩化カルシウム水溶液を添加し、硫酸バンドを1%(対パルプ乾燥重量)、ポリアクリルアミド系分岐型両性紙力剤ポリストロン1228(荒川化学工業(株)製)を0.3%、次いで実施例、比較実施例で調製したエマルション型サイズ剤(荒川化学工業(株)製)を0.2%添加した。更に裏層パルプとして、段ボール古紙でパルプスラリーを調製、そのスラリーを攪拌しながら硫酸バンドを2%、ポリアクリルアミド系分岐型両性紙力剤ポリストロン1228を0.2%添加した。これら薬添処理をしたそれぞれのパルプスラリーをJIS−P8222に準じて坪量100g/mになるように抄紙し、それらのパルプシートを抄き合せして湿紙シートを得た。尚、この時の抄紙pHは6.8であった。手抄きした湿紙を線圧5.5kg/cm、送り速度2m/minの条件のロールプレス機で脱水した。湿紙の乾燥は、回転式ドライヤーを用いて80℃で150秒間の条件で行った。得られた試験紙を恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿した後、コブ吸水度(2分間)を測定した。その結果を表3に示した。
(4)表面サイズ効果
実用試験(3)
市販の酸化澱粉(王子エースA 王子コーンスターチ(株)製)を固形分濃度15%として90℃で糊化を行い、これを用いて固形分濃度で酸化澱粉5%、実施例および比較実施例で調製したエマルション型表面サイズ剤を固形分濃度0.025%含有させ、全硬度が5dHになるよう塩化カルシウム水溶液を添加して塗工液を調製した。塗工液の全硬度は5dHであった。得られた塗工液を、未塗工の中性上質原紙(坪量80g/m)にサイズプレス機にて塗工し、110℃の回転式ドラムドライヤーに1分間通して乾燥した( 酸化澱粉の固形分付着量2.2g/m。サイズ剤の固形分付着量0.011g/m)。乾燥後、23℃、RH50%の条件に24時間調湿した後、得られた塗工紙のステキヒトサイズ度を測定した。その結果を表3に示した。

Claims (4)

  1. 3価又は4価のカルボン酸(a1)と、炭素数が6〜22のアルキル基又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコール(a2−1)及び炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(a2−2)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物(a2)との脱水縮合物(A)並びに(メタ)アクリルアミド(b1)を50〜90モル%、カルボキシル基含有単量体(b2)を2〜40モル%、スルホ基含有単量体(b3)を0.1〜10モル%疎水性単量体(b4)を2〜30モル%、及び多官能単量体(b5)を0.1〜5モル%を含有する単量体を重合して得られる(メタ)アクリルアミド系共重合体(B)を含有することを特徴とする製紙用エマルションサイズ剤。
  2. スルホ基含有単量体(b3)が(メタ)アリルスルホン酸及び/又はその塩であることを特徴とする請求項1記載の製紙用エマルションサイズ剤。
  3. 3価又は4価のカルボン酸(a1)がクエン酸である請求項1又は2に記載の製紙用エマルションサイズ剤。
  4. (メタ)アクリルアミド系共重合体(B)が、(メタ)アクリルアミド(b1)を60〜85モル%、カルボキシル基含有単量体(b2)を3〜20モル%、スルホ基含有単量体(b3)として(メタ)アリルスルホン酸及び/又はその塩を0.5〜5モル%、疎水性単量体(b4)として炭素数1から12のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを5〜20モル%、ならびに多官能単量体(b5)を0.1〜5モル%を含有する単量体を重合して得られるものである請求項1〜のいずれかに記載の製紙用エマルションサイズ剤。
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