JP3100443B2 - 紙の表面強度改良剤 - Google Patents

紙の表面強度改良剤

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JP3100443B2 JP03336821A JP33682191A JP3100443B2 JP 3100443 B2 JP3100443 B2 JP 3100443B2 JP 03336821 A JP03336821 A JP 03336821A JP 33682191 A JP33682191 A JP 33682191A JP 3100443 B2 JP3100443 B2 JP 3100443B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙の表面強度改良剤に関
する。更に詳細には、特に紙の表面に於ける強度を向上
するために、(メタ)アクリルアミド重合体または(メ
タ)アクリルアミドと水溶性ビニルモノマーの共重合体
の、2つの異なる分子量分布を持つ組成物を、表面強度
向上用樹脂として用いることを特徴とする紙の表面強度
改良剤及び塗工した紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、段ボール外装ライナーやその
他の板紙、或は上質紙、中質紙、コート原紙等の表面の
物性、例えば表面摩耗性、毛羽立、滑性、光沢、ベッセ
ルピック等々を改良するために種々の手段が講じられて
いる。一般的には表面強度改良剤を用いて、カレンダー
塗工したり、サイズプレスにより含浸したり或はスプレ
ーを用いて噴霧したりすることが広く行われている。こ
れらの塗工方法によって加工される表面強度改良剤の種
類は、紙の種類と同様、多品種である。紙の表面摩耗性
を改良する樹脂一つとってみても、その使用方法は各社
各様である。即ち、パルプ配合の違い、抄紙機の違い、
内添用薬品の種類や添加量の違いなどからくる要求物性
の度合の違い等々である。即ち、僅かに摩耗性を改良す
れば良いものから、ハードに摩耗性を改良しなければな
らないものまで、又、パルプ原料の配合の違い等から、
摩耗性よりも毛羽立の改良を一義にすることもある。
又、ベッセルピックの問題も摩耗性と同義に解釈される
場合がある。この様に、多品種にわたる紙の表面を改質
するに当たっては、勿論、多品種の薬品が要求される。
この様な状況下にあって、従来から用いられてきた表面
強度改良剤は、澱粉、酸化澱粉、及びその変性物、カル
ボキシメチルセルロース等の天然或は、半合成品、又、
表面強度の改良剤として優れた効果を発揮するポリビニ
ルアルコール及びその誘導体やポリアクリルアミド及び
その変性物があり、更に尿素樹脂、スチレンーマイレン
酸共重合物、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルーマイレン酸
共重合物、ラテックス系、エマルジョン系等々列挙すれ
ば枚挙にいとまがない。又、これらの1種又は、2種以
上の組合せで紙の表面を改質するのが一般的である。以
上から、現在一般製紙会社で使用されている表面強度改
良剤を大別すると、澱粉系、ポリビニルアルコール系、
ポリアクリルアミド系となる。又、その品種が多岐にわ
たるのは公知である。本出願人は、先にポリアクリルア
ミド或はポリアクリルアミド変性物等の、紙の表面改質
剤(特開昭64-006319 号)を提案してきた。しかし、こ
れらの薬品は表面強度を向上させるのにかなり有効では
あっても、更に高度な商品を要求される現在の社会情勢
から判断すれば、今だ満足すべき薬品は出ていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれらの
問題を解決すべく、鋭意検討した結果、従来からある澱
粉系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系
表面強度向上剤では、繊維間結合を持たないベッセルや
柔細胞及び微細繊維プラグメントのようなものを紙表面
からのピッキングされるのを抑えることが出来きず、紙
粉や印刷時のトラブルの原因となる。更に澱粉系、ポリ
ビニルアルコール系は、作業性、即ち、溶解工程の問題
や、紙に加工する際の発泡性、塗工時の粘性の問題等多
々の問題があり、今だ満足しうる薬品が出ていないのが
現状である。本発明者らは、長年に亘って、特にアクリ
ルアミド系表面強度向上剤を研究しその成果を商品化し
て高い市場評価を得てきた。この長年に渡る研究蓄積の
上にたって、更に高い機能性を付与する表面強度向上剤
の検討を重ねた結果、(メタ)アクリルアミド重合体ま
たは(メタ)アクリルアミドと水溶性ビニルモノマー共
重合体の、2つの異なる分子量分布を持つ組成物が紙の
表面強度向上用樹脂として、優れた効果を発揮すること
を見出し本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、次のとお
りである。 (a)(メタ)アクリルアミド重合体または(メタ)アク
リルアミドと水溶性ビニルモノマ−の共重合体であっ
て、平均分子量が 5万〜100 万〔A〕と200 万〜2000
万〔B〕の2つのポリマーからなり、かつその配合割合
が〔A〕:〔B〕=100 : 0.1 〜30重量部で構成される
組成物を含有してなる紙の表面強度改良剤。 (b)水溶性ビニルモノマーが、エチレン系不飽和カルボ
ン酸類、エチレン系ニトリル化合物類、親水性単量体
類、陽イオン性ビニル単量体類または2量体ビニルモノ
マー類の群から選ばれた1種または2種以上である前記
(a) 記載の紙の表面強度改良剤。 (c)親水性単量体類が、アクリル酸−β−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、N−プト
キシメチルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジルである前記(b)記載の紙の表面強
度改良剤。 (d)陽イオン性ビニル単量体類が、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、トリメチルエチルメタクリレート、
ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリメチルアミ
ノエチルメタクリレートである前記(b)記載の紙の表面
強度改良剤。 (e)2量体ビニルモノマー類が、メチレンビスアクリル
アミド、ジビニルベンゼンである前記(b)記載の紙の表
面強度改良剤。 (f)前記(a)〜(e)記載の何れかの紙の表面強度改良剤
を塗工してなる紙。
【0005】以下本発明の方法につき、詳細に説明す
る。本発明に於ける紙の表面強度改良剤とは、段ボール
外装ライナーやその他の板紙、或は上、中質、コート原
紙等の表面摩耗性、毛羽立、滑性、光沢、ベッセルピッ
クその他、紙表面の改質に必要な物性を改良する薬品で
あって、(メタ)アクリルアミド重合体と(メタ)アク
リルアミドと水溶性ビニルモノマーの共重合体の、2つ
の異なる分子量分布を持つ組成物を含有してなる。な
お、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミド、メ
タアクリルアミドまたはその混合物を指す略称(以下、
同じ)である。本発明に用いられる水溶性ビニルモノマ
ーとは、(メタ)アクリルアミドと共重合可能な、更に
紙の改質剤としての機能に優れたビニルモノマー類であ
って、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マイレン酸、フマール酸、クロトン酸の如きエチレ
ン系不飽和カルボン酸、アクリルニトリル、メタクリル
ニトリルの如きエチレン系ニトリル化合物類、アクリル
酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロ
キシエチル、N−プトキシメチルアクリルアミド、アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルの如き親水
性単量体類、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ト
リメチルエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、トリメチルアミノエチルメタクリレー
トの如き陽イオン性ビニル単量体類、メチレンビスアク
リルアミド、ジビニルベンゼンの如き2量体ビニルモノ
マー類等の群から選ばれた1種または2種以上が挙げら
れる。これらのビニルモノマーの中でも、アクリルアミ
ドと特に共重合性の良いもの更に紙改質剤としての性能
や安定性等考慮して、好ましく用いられるものはアクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリルニトリル、メタクリルニ
トリルなどである。もちろん用いられる成分はこれら例
示化合物に限定されているものではない。この様に例示
したモノマー類を本発明では、水溶性ビニルモノマーと
いう。平均分子量5万〜100 万〔A〕の製造に於て、
(メタ)アクリルアミド重合または(メタ)アクリルア
ミドと水溶性ビニルモノマーの共重合に用いられるモノ
マー類は、予め混合した状態で共重合させてもよく、段
階的にモノマーを加えてブロック重合させてもよく、又
グラフト重合させてもよい。又、これらの共重合は水系
で行うことが好ましい。
【0006】アクリルアミドの重合またはアクリルアミ
ドと水溶性ビニルモノマーの共重合に用いられる触媒
は、水系で効果的にラジカルを発生し得る触媒即ち、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、或は、アンモニウム
塩、過硫化水素の如き過酸化物のみを用いて、ラジカル
重合を行うか、或は、前記の如き過酸化物と、酸性亜硫
酸ソーダー、チオ硫酸ソーダーの如き還元剤との併用、
即ちレドックス重合を行うごとが出来、又、重合途中ま
では前記過酸化物のみを用いてラジカル重合を行い、そ
の後、前記還元剤、又はトリメチルアミン、トリエチル
アミンの如きトリアルキルアミン類、トリエタノールア
ミンの如きトリアルカノールアミン類、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミンの如きジアルキルアミン類、ジエタ
ノールアミンの如きジルカノールアミン類、ブチルアミ
ンの如きモノアルキルアミン類、モノエタノールアミン
の如きモノアルカノールアミン類等を添加して、重合を
進行させることもできる。これらの触媒の中でも特に好
ましく用いられる触媒は、低温でしかも速やかに触媒効
果の現れる、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫
酸アンモニウム、或はその塩などの過酸化物が挙げら
れ、又還元剤として好ましく用いられるものは、酸性亜
硫酸ソーダ、チオ硫酸ソーダが挙げられる。それらの酸
化剤と還元剤の併用、即ち、レドックスが最も好んで用
いられる。又、これらの1種又は2種以上してもよく、
添加法も一段添加、或は多段添加であってもよい。又、
例示した触媒に限定されるものではない。この様にして
得られた本発明の(メタ)アクリルアミド重合体または
(メタ)アクリルアミドと水溶性ビニルモノマーの共重
合体は、重合性(又は共重合性)及び長期安定性を得る
ために、苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニア、及び上記
アミン化合物、或は硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、塩酸の如
きアルカリ及び酸を用いて重合開始時、或は重合途中、
又は重合終了後にpH管理用として用いることが出来
る。これらのpH調節剤の中でも好ましいものは、酸で
は、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸などであり、有機
酸としてはギ酸、酢酸などである。また、アルカリで
は、苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニアなどである。
【0007】また、さらに本発明において用いられる平
均分子量200 万〜2000万〔B〕の(メタ)アクリルアミ
ド重合体または(メタ)アクリルアミドと水溶性ビニル
モノマーの共重合体の製造法としては、従来からの手法
をとることが可能である。重量平均分子量を測定する方
法として、ゲルパーミューション法(以下GPC法と略
す)、粘度法、光散乱法種々の方法があるが、本発明で
はGPC法を採用する。GPCのカラムとしては、各種
の水性ゲルカラムを使用でき、該カラムの検量線より求
めることが出来る。本発明の表面強度改良剤を得る方法
としては、平均分子量が200 万〜2000万の(メタ)アク
リルアミド重合体または(メタ)アクリルアミドと水溶
性ビニルモノマーの共重合体〔B〕を加える時期は、平
均分子量が5万〜100 万の(メタ)アクリルアミド重合
体または(メタ)アクリルアミドと水溶性ビニルモノマ
ーの共重合体〔A〕を製造する時に、共重合する以前に
予め加えても、共重合後加えてもいずれの場合において
も差し支えない。このようにして得られた表面強度改良
剤は、従来の表面強度改良剤よりも繊維間結合を持たな
いベッセルや柔細胞及び繊維プラグメントのようなもの
を紙表面からピッキングされるものを抑えることがで
き、高い表面強度効果を得ることが可能となる。この理
由は明確には解明されていないが、(メタ)アクリルア
ミド重合体または(メタ)アクリルアミドと水溶性ビニ
ルモノマーの共重合体の、2つの異なる分子量分布を持
つ組成物にすることにより、高分子重合体が紙の表面に
多く歩留り、しかも高分子量のため強固な接着力及び表
面強度を発揮し、低分子重合体は紙層中に浸透し、紙力
強度等を向上させることにより、結果として従来の表面
強度改良剤には認められなかったような優れた効果が発
揮するものと推察される。
【0008】ここで低分子重合体の平均分子量を5万〜
100 万としたのは、紙層中に浸透しうる最適な分子量で
あり、更に紙力にも関与する分子量だからである。一
方、紙の表面の歩留りが最大限になり、強固な接着力が
発現する最も適したポリアクリルアミド系の平均分子量
は200 万〜2000万である。低分子重合体の平均分子量を
5万〜100 万とし、高分子重合体の平均分子量を200 万
〜2000万にしたのはこの理由による。従って、低分子重
合体のみであっても、高分子重合体のみであつても、本
発明の表面強度改良剤にはなりづらく、浸透と強度の両
者の性質を有する本発明の組成物が、紙の表面強度改良
剤として有効である。本発明における異なった分子量を
有する重合体の好ましい配合割合は、下記が好ましい。
即ち、低分子重合体〔A〕:高分子重合体〔B〕の割合
は重量部で、〔A〕:〔B〕=100 :0.1 〜30、好まし
くは〔A〕:〔B〕=100 :0.5 〜20である。低分子重
合体と高分子重合体の各々の特徴については既に説明し
たが、浸透と強度の兼合いから上記配合が好ましい。即
ち、高分子量体が系の中に30重量部を越えると、紙表面
の歩留りは著しく向上するが、紙層中への浸透がなくな
るため紙力強度効果は小さくなり、逆に0.1 重量部未満
だと、紙層中への浸透が大きくなり紙力強度のみが向上
し、本発明の目的とする表面強度改良剤としての効果が
小さくなる。この様にして得られた組成物が、紙の表面
強度改良剤として有効であり、つまり(メタ)アクリル
アミド重合体または(メタ)アクリルアミドと水溶性ビ
ニルモノマーの共重合体の、2つの異なる分子量分布を
持つ紙の表面強度改良剤は、長期安定性に優れ、水に無
限大に溶解し、著るしく作業性の良好な樹脂として供給
される。本発明の紙の表面強度改良剤は、製紙会社では
一般的に、サイズプレス、カレンダー塗工、スプレー等
で紙加工され、この時、加熱キュワー温度が重要なポイ
ントとなり、一般的には、水の蒸発する温度以上であれ
ばよいのであるが、マシンスピード等勘案すると、好ま
しくは、100℃以上から紙に悪影響を及ぼさない範囲
の温度、即ち、180℃位迄が良い。本発明の紙の表面
強度改良剤は、製紙会社で、適宜、水に希釈され、必要
に応じて紙に加工される。添加量は、各社に於ける紙の
要求物性の度合に応じてまちまちであり、一概には判断
できないが、概ね固形分で0.1〜5.0%が適当であ
る。
【0009】更に本発明の紙の表面強度改良剤は、種々
の薬品と組み合わせて使用することが出来る。例えば従
来から用いられてきた澱粉系、カルボキシメチルセルロ
ース系、ポリビニルアルコール系、アクリルアミド系等
であり、これらの薬品の組み合わせによっても、更に機
能的な表面強度改良剤として優れた効果を発揮する。本
発明の紙の表面強度改良剤は、段ボール外装ライナーや
その他の板紙、或は上、中質紙、コート原紙等の表面摩
耗性、毛羽立、滑性、光沢、ベッセルピツクその他の紙
表面の改質に必要な物性を改良する極めて優れた薬剤で
ある。
【0010】
【実施例】以下、本発明を、更に具体的に説明するた
め、実施例、合成例及び比較例をあげて説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
%、部は特記しない限り、重量%、重量部である。( 重
合体〔1〕〜〔16〕の製造) 合成例1 加熱装置(ウォーターバス)付き可変モーター付き撹拌
棒と冷却管と温度計を備えた容量1lセパラブルフラス
コに、水477.7g と40%アクリルアミド428.
5g、80%アクリル酸(以下AAと略称する)10.
2g、続いてアクリルニトリル14.9g(以下AN略
称する)を仕込、室温で混合溶解した。このもののPH
を測定したところPH3.4であった。次にフラスコを
セットし、既に準備しておいた加熱装置で、内温を30
℃まで昇温し、温度が安定したところで、10%に調整
した過硫酸カリウム(以下KPSと略称する)34.0
mlを添加、更に5分後、同じく10%に調整した酸性
亜硫酸ソーダ(以下SBSと略称する)15.0mlを
添加した。酸性亜硫酸ソーダを添加後1分で発熱が開始
し約20分で90℃に達し、若干黄身を帯びながら粘稠
性が出始めた。その後加熱装置で90℃に到達時点から
1時間1次重合を継続した。次に2次重合を行うため1
0%SBSを15.0ml添加し、30分重合を継続し
た。次に、このものを70℃になるまで冷却し、20%
NaOH16.1ml添加し、pHを5.5に調整し
た。得られた重合物の物性を測定した結果、粘度が66
5cpであり、平均分子量は0.5万であった。得られ
た重量は1000gこのものは固形分20%であった。
これを試料〔1〕とする。
【0011】合成例2 合成例1と同様の装置に水477.7gと40%アクリ
ルアミド428.5g、80%AA10.2g続いてA
N14.9gを仕込、室温で混合溶解した。このものの
PHを測定したところPH3.4であった。次にフラス
コをセットし、既に準備しておいた加熱装置で、内温を
30℃まで昇温し、温度が安定したところで、10%に
調整した過硫酸カリウム(以下KPSと略称する)2
1.0mlを添加、更に5分後、同じく10%に調整し
た酸性亜硫酸ソーダ(以下SBSと略称する)9.3m
lを添加した。酸性亜硫酸ソーダを添加後、1分で発熱
が開始し約20分で90℃に達し、若干黄身を帯びなが
ら粘稠性が出始めた。その後加熱装置で90℃に到達時
点から1時間1次重合を継続した。次に2次重合を行う
ため10%SBSを9.3ml添加し、30分重合を継
続した。次に、このものを70℃になるまで冷却し、2
0%NaOH16.1ml添加し、pHを5.5に調整
した。得られた重合物の物性を測定した結果、粘度が7
500cpであり、平均分子量は50万であった。得ら
れた重量は1000g、このものは固形分20%であっ
た。これを試料〔2〕とする。 合成例3 水477.7gと40%アクリルアミド428.5g、
80%AA10.2g、AN14.9gを、特公昭59
−51567記載の実施例5と同様な方法で重合を行
い、重合物を得た。上記実施例5と同様な方法で極限粘
度を測定したところ4.45であった。次式により分子
量を求めた結果150万であった。 〔η〕=3.73×10-4MW0.66 (但し、〔η〕は温度30℃で1規定硝酸ソーダ水溶液
中のポリアクリルアミドの極限粘度、MWはポリアクリ
ルアミドの重量平均分子量である。)得られた重量は1
000g、このものの固形分は20%であった。これを
試料〔3〕とする。
【0012】合成例4 水477.7g と40%アクリルアミド428.5g、
80%AA10.2g、AN14.9gの水溶液を調製
し、合成例3と同様に、アゾビスシアノ吉草酸1500
ppm、過硫酸アンモニウム37.5ppm、亜硫酸水
素ナトリウム15ppmを添加して重合を行い、含水ゲ
ルを得た。含水ゲルを実施例3と同様に極限粘度を測定
した結果、15.55であり、平均分子量は1000万
であった。得られた重量は1000g、このものの固形
分は20%であった。これを試料〔4〕とする。 合成例5 水477.7gと40%アクリルアミド428.5g、
80%AA10.2g、AN14.9gの水溶液を調製
し、合成例3と同様に、アゾビスシアノ吉草酸1000
ppm、過硫酸アンモニウム25ppm、亜硫酸水素ナ
トリウム10ppmを添加して重合を行い、含水ゲルを
得た。含水ゲルを実施例3と同様に極限粘度を測定した
結果、28.47であり、平均分子量は2500万であ
った。得られた重量は1000g、このものの固形分は
20%であった。これを試料〔5〕とする。 合成例6 合成例1と同様の装置に、水477.7gと40%アク
リルアミド428.5g、80%AA10.2g、AN
14.9gを仕込み、合成例4で得た分子量1000万
の重合物を68.1g添加し、合成例1と同様な方法で
共重合を行った。得られた重合物の分子量を次のような
方法で測定した。低分子量の測定はGPCで、排除限界
分子量3×104 のカラムを用いて測定した。その結
果、重合物の分子量は2万であった。高分子量の測定
は、排除限界分子量2×108 のカラムを用いて測定し
た結果重合物の分子量は1250万であった。得られて
重量は1068g、このものの固形分は20%であっ
た。これを試料〔6〕とする。
【0013】合成例7 合成例3と同様に、水477.7gと、40%アクリル
アミド428.5g、80%AA10.2g、AN1
4.9gを仕込み合成例4で得た分子量1000万の重
合物を68.1g添加し、合成例3と同様な方法で共重
合を行った。得られた重合物の分子量を次のような方法
で測定した。合成例6と同様のGPCでカラムは、排除
限界分子量2×106 と排除限界分子量2×108 を用
いて測定した。その結果、分子量は各々180万、15
00万であった。得られて重量は1068g、このもの
の固形分は20%であった。これを試料〔7〕とする。 合成例8 合成例2と同様の装置に、水477.7gと40%アク
リルアミド428.5g、80%AA10.2g、AN
14.9gを仕込み、合成例5で得た 分子量2500
万の重合物を68.1g添加し、合成例2と同様な方法
で共重合を行った得られた重合物の分子量を次のような
方法で測定した。低分子量の測定はGPCで、排除限界
分子量2×106 のカラムを用いて測定した。その結
果、重合物の分子量は70万であった。高分子量の測定
は、排除限界分子量2×108 のカラムを用いて測定し
た結果重合物の分子量は2000万以上であった。得ら
れて重量は、1068g、このものの固形分は20%で
あった。これを試料〔8〕する。 合成例9 合成例1と同様の装置に、合成例2で得た分子量50万
の重合物1000gに合成例5で得た分子量2500万
の重合物を68.1g仕込、常温で1時間混合撹拌し1
068gの混合物を得た。このものの固形分は20%で
あった。これを試料
〔9〕とする。
【0014】合成例10 合成例2と同様の装置に、水477.7gと40%アク
リルアミド428.5g、80%AA10.2g、AN
14.9gを仕込み、合成例4で得た分子量1000万
の重合物を9.7g添加し合成例2と同様な方法で共重
合を行った。得られた重合物の分子量を次のような方法
で測定した。低分子量の測定はGPCで、排除限界分子
量2×106 のカラムを用いて測定した。その結果、重
合物の分子量は55万であった。高分子量の測定は、排
除限界分子量2×108 のカラムを用いて測定した結果
重合物の分子量は1000万であった。得られて重量
は、1009.7g、このものの固形分は20%であっ
た。これを試料〔10〕する。 合成例11 合成例2と同様の装置に、水477.7gと40%アク
リルアミド428.5g、80%AA.10.2g、A
N14.9gを仕込み、合成例4で得た分子量1000
万の重合物を97g添加し、合成例2と同様な方法で共
重合を行った。得られた重合物の分子量を次のような方
法で測定した。低分子量の測定はGPCで、排除限界分
子量2×106 のカラムを用いて測定した。その結果、
重合物の分子量は70万であった。高分子量の測定は、
排除限界分子量2×108 のカラムを用いて測定した結
果重合物の分子量は1300万であった。得られて重量
は、1097gこのものの固形分は20%であった。こ
れを試料〔11〕とする。 合成例12 合成例2と同様の装置に、水477.7gと40%アク
リルアミド428.5g、80%AA10.2g、AN
14.9gを仕込み、合成例4で得た分子量1000万
の重合物を194g添加し合成例2と同様な方法で共重
合を行った。得られた重合物の分子量を次のような方法
で測定した。低分子量の測定はGPCで、排除限界分子
量2×106 のカラムを用いて測定した。その結果、重
合物の分子量は85万であった。高分子量の測定は、排
除限界分子量2×108 のカラムを用いて測定した結果
重合物の分子量は1600万であった。得られて重量
は、1194gこのものの固形分は20%であった。こ
れを試料〔12〕とする。
【0015】合成例13 合成例1と同様の装置に、合成例2で得た分子量50万
の重合物1000gに合成例4で得た分子量1000万
の重合物を9.7g仕込み、常温で1時間混合撹拌し1
009.7gの混合物を得た。このものの固形分は20
%であった。これを試料〔13〕とする。
【0016】合成例14 合成例1と同様の装置に、合成例2で得た分子量50万
の重合物1000gに合成例4で得た分子量1000万
の重合物を97g仕込み、常温で1時間混合撹拌し10
97gの混合物を得た。このものの固形分は20%であ
った。これを試料〔14〕とする。 合成例15 合成例1と同様の装置に、合成例2で得た分子量50万
の重合物1000gに合成例4で得た分子量1000万
の重合物を194g仕込み、常温で1時間混合撹拌し1
194gの混合物を得た。このものの固形分は20%で
あった。これを試料〔15〕とする。 合成例16 合成例1と同様の装置に、水89gとポリビニルアルコ
ール(日本ゴーセノール社製)11gを仕込み、撹拌分
散させながら加熱装置を用いて、内温90℃まで昇温
し、90℃で30分溶解した。このものを冷却し、10
%ポリビニルアルコール100gを得た。このものを試
料〔16〕とする。以上により得られた試料〔1〕〜
〔16〕をまとめて表−1に記す。
【0017】
【表1】
【0018】実施例1〜4 Kライナー(某社製)坪量150 g/m2 (A)とジュー
トライナー(某社製)坪量120 g/m2 (B)を裁断
し、縦40cm、横30cmに調製する。これを紙(A)、
紙(B)と呼称する。次に合成例10で得た試料〔1
0〕を紙に固形分で、a)1.0 %、b)2.0 %になるよ
うに水で希釈し、希釈液を得た。この希釈液を( 塗工液
〔10〕−a) 、( 塗工液〔10〕−b) と呼称する。
次にフラットなガラス板上に、紙(A)或いは紙(B)
の上部をセロハンテープで貼布し、( 塗工液〔10〕−
a) をワイヤーロット#10及び( 塗工液〔10〕−
b) をワイヤーロット#20を用いて1回塗工し樹脂付
着量を秤量後、110℃に調整した熱風乾燥機中10分間乾
燥し、試料を得た。これを順に{紙料(A)〔10〕−
a}、{紙料(B)〔10〕−a}、{紙料(A)〔1
0〕−b}、{紙料(B)〔10〕−b}と呼称する。
この様にして得た紙料を恒温恒湿室(温度20℃、湿度65
%)に一夜シーズニング後、同室にてJIS-P-8129に基ず
き、ワックスピック及びJIS-P-8136に基ずき学振型染色
堅牢度試験機(摩耗強度)を行った。
【0019】実施例5〜24 実施例1で行った方法に従って、紙(A)、紙(B)各
々に合成例11〜15で得た試料〔11〕〜〔15〕の
希釈液、即ち{塗工液〔11〕〜〔15〕−a)、
b)}を塗工し、実施例1と同様表面強度に関する試験
を行った。 比較例1〜40 実施例1で行った方法に従って、紙(A)紙(B)それ
ぞれに合成例1〜9及び16で得た試料〔1〕〜
〔9〕
及び〔16〕の希釈液、即ち{塗工液〔1〕〜
〔9〕及
び〔16〕−a)、b)}を塗工し、実施例1と同様表
面強度に関する試験を行った。 比較例41〜42 紙(A)紙(B)に樹脂液の代わりに水をとこうした以
外は、実施例1で行った方法に従って、紙料を得、表面
強度に関する試験を行った。このものをブランクと称す
る。以上実施例1〜24、比較例1〜42で行った試験
結果をまとめて表−2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明の表面強度改良剤(実施例)は、
従来の薬品類に比べて、表面強度改良剤としては、表面
を改質するのに極めて優れていることは表−2から明ら
かである。比較例1〜36のPAM、比較例37〜40
のPVA、比較例41〜42のブランクに比べて、表面
強度改良剤として優れた結果になっている。又、比較例
5〜8に示した従来のPAMとPVAの比較では、若干
PVAが優れている。本発明の紙の表面強度改良剤の実
施例1〜24に示した組成物は、いずれもPAM、PV
Aより優れている。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−199489(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/00 - 27/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリルアミド重合体または
    (メタ)アクリルアミドと水溶性ビニルモノマ−との共
    重合体であって、平均分子量が 5万〜100 万〔A〕と
    200 万〜2000万〔B〕の2つのポリマーからなり、かつ
    その配合割合が〔A〕:〔B〕=100 : 0.1 〜30重量部
    で構成される組成物を含有してなる紙の表面強度改良
    剤。
  2. 【請求項2】 水溶性ビニルモノマーが、エチレン系不
    飽和カルボン酸類、エチレン系ニトリル化合物類、親水
    性単量体類、陽イオン性ビニル単量体類または2量体ビ
    ニルモノマー類の群から選ばれた1種または2種以上で
    ある請求項1記載の紙の表面強度改良剤。
  3. 【請求項3】 親水性単量体類が、アクリル酸−β−ヒ
    ドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチ
    ル、N−プトキシメチルアクリルアミド、アクリル酸グ
    リシジル、メタクリル酸グリシジルである請求項2記載
    の紙の表面強度改良剤。
  4. 【請求項4】 陽イオン性ビニル単量体類が、ジメチル
    アミノエチルメタクリレート、トリメチルエチルメタク
    リレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリ
    メチルアミノエチルメタクリレートである請求項2記載
    の紙の表面強度改良剤。
  5. 【請求項5】 2量体ビニルモノマー類が、メチレンビ
    スアクリルアミド、ジビニルベンゼンである請求項2記
    載の紙の表面強度改良剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の何れかの紙の表面強
    度改良剤を塗工してなる紙。
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