JPH08176991A - 表面塗工剤及びその利用 - Google Patents

表面塗工剤及びその利用

Info

Publication number
JPH08176991A
JPH08176991A JP6318190A JP31819094A JPH08176991A JP H08176991 A JPH08176991 A JP H08176991A JP 6318190 A JP6318190 A JP 6318190A JP 31819094 A JP31819094 A JP 31819094A JP H08176991 A JPH08176991 A JP H08176991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
acrylamide
coating agent
surface coating
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6318190A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiki Oyanagi
俊樹 大柳
Hirotoshi Toki
宏俊 土岐
Kenzo Kiyota
謙三 清田
Kazushi Ishigaki
一志 石垣
Tsugio Matsubara
次男 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP6318190A priority Critical patent/JPH08176991A/ja
Publication of JPH08176991A publication Critical patent/JPH08176991A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 単量体として(メタ)アクリルアミドと下記
一般式(1)で表されるビニル化合物またはそれらの塩
を重合して得られるアクリルアミド系ポリマー水溶液か
らなる表面塗工剤。 (式中R1 は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキ
ル基、nは1〜8の整数。) 【効果】 高濃度、高分子量でありながら低粘度のアク
リルアミド系ポリマー水溶液からなる表面塗工剤であ
る。紙に塗工した際に、表面強度、Z軸強度等の紙力物
性ににおいて従来の塗工剤に比べ優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面塗工剤に関する。更
に詳しくは、特定の共重合組成物を重合して得られるア
クリルアミド系ポリマーからなる、従来では認められな
いほどの紙の表面強度向上を発揮する表面塗工剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護運動がクローズアップさ
れ、木材資源を多量に消費する製紙業界への風当たりも
強まっている。また、ゴミ処理能力の限界から、紙ゴミ
の減少が叫ばれ、そのため、古紙の利用率の向上を考慮
せざるを得ない状況になりつつある。その結果、パルプ
が何回も使用されることになり、損傷度合いの高い、微
細に切断されたパルプ繊維が紙に抄き込まれることにな
る。これらはパルプ間の結合力が微弱であるがために、
紙粉となり、あるいは印刷時にインクのタックにより剥
ぎ取られ、印刷ロールあるいは印刷面の汚れの原因とな
る。
【0003】更に、紙として優秀な木材の減少により、
従来では使用されていなかったラワンやユーカリ等の南
洋材が、生育が早く、コスト面で有利であるために利用
されるようになってきた。しかしながら、これら南洋材
から製造されたパルプは従来のパルプに比較すると木材
組織等が大きく異なり、それが故の問題点も浮上してい
る。即ち、南洋材にはベッセルや柔細胞を多く含むもの
があり、これらは強固なために叩解等によっても容易に
フィブリル化がなされず、これらが抄紙された場合、他
パルプ繊維との結合が不十分であり、印刷時にピッキン
グされ、印刷面の白抜けや版汚れの発生、所謂、ベッセ
ルピックトラブルの原因となる。
【0004】以上のように、原料パルプの悪化により、
パルプ繊維間結合が十分なされない要素が増加する傾向
にあり、この防止策として、表面塗工剤の使用が広く行
われている。
【0005】表面塗工剤は、段ボール外装ライナーやそ
の他の板紙、あるいは上質紙、中質紙、塗工原紙、新聞
用紙等の表面物性の改質、例えば表面摩耗性、毛羽立
ち、滑性、吸湿性、光沢、紙粉、印刷時のピッキング等
の改良を行うための一手段として用いられる。表面塗工
剤は、キャレンダー塗工、サイズプレスによる含浸、ゲ
ートロール塗工、スプレーによる噴霧等により紙に適用
される。
【0006】その際に処理される原紙の物性は、パルプ
配合、各抄紙機の特性、内添用薬品の種類や添加量が異
なるために多種多様である。更には塗工後に要求される
物性は、紙の使用目的、印刷方式や印刷スピードの違い
等から、これもまた多様である。即ち、僅かに表面強度
を改良すれば良いものから、強固に皮膜を形成し、表面
強度を飛躍的に改良しなけばならないものまで、その程
度は千差万別であり、各抄紙機毎に様々違いがあるのが
現状である。それ故、これらの処理に使用される表面塗
工剤の種類は、非常に多品種となり、その使用方法は各
社各様である。
【0007】かかる状況下にあって、従来から使用され
ている表面塗工剤としてはアクリルアミド系ポリマーが
挙げられるが、その他に(酸化)澱粉及びその変性物
(以下澱粉系と称す)、カルボキシメチルセルロース等
のセルロース誘導体やグアーガム等の天然品あるいは半
合成品、ポリビニルアルコール及びその誘導体(以下P
VA系と称す)等がある。更に尿素樹脂、スチレン−マ
レイン酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−マレ
イン酸共重合体、ラテックス系、エマルション系等、様
々なものがある。又、実際に使用される場合は、これら
の1種または2種以上の組み合わせで塗工あるいは含浸
されるのが一般的である。
【0008】従来のアクリルアミド系の表面塗工剤はベ
ッセルや微細繊維が紙表面からピッキングされるのを抑
制するには不十分である。また、抑制効果を向上させる
ためには、塗工量を増加させなければならず、これはイ
ンキセットの低下やブロッキング等新たな問題を誘発す
る結果となり、好ましい方法とは言えない。
【0009】一方、澱粉系やPVA系は粉体であるがた
めに、水に分散後、加熱溶解して使用しなければなら
ず、省エネルギー、少人化等合理化が言われている昨今
の製造事情に反している。更に、塗工時の発泡性、粘性
等種々問題点があり、満足できる表面塗工剤とは言い難
い。
【0010】一方、ポリマーに分岐架橋構造を持たせる
ことにより、低粘度でありながら高分子量化が可能であ
ると言われている。ポリマーの低粘度化は高速塗工適性
の向上、高分子量化は表面強度、Z軸強度等の紙力強度
の向上に関与している。しかしながら、この両者を満足
するには架橋構造を均一に制御する必要があり、従来技
術ではこの構造制御は不可能であると考えられる。ま
た、従来技術において製造されるアクリルアミド系ポリ
マー水溶液は、15%濃度で分子量が300万程度のも
のの製造方法は提案されているが、高濃度のものは全く
知られていない。
【0011】何故なら、これ以上の濃度では、直鎖状の
ポリマーでは期待するような高分子量化がなされない
か、あるいは粘度が非常に高くなってしまう。また、ポ
リマーに分岐架橋構造を導入しようとすると、高濃度で
あるが故、部分的に架橋反応が異常に進行し、水に不溶
性のゲルが形成される、あるいは全体がゲル化してしま
い、水溶液の状態では得られない等、表面塗工剤として
は使用不可能となるからである。
【0012】ポリマー濃度の向上は輸送費の面でメリッ
トがあるにも拘らず、上述の様な理由により、濃度20
%以上の高分子量アクリルアミド系ポリマー水溶液はこ
れまで全く知られていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高濃
度、高分子量でありながら低粘度のアクリルアミド系ポ
リマー水溶液からなる表面塗工剤を提供することであ
る。本発明の他の目的は、紙に塗工した際に、表面強
度、Z軸強度等の紙力物性ににおいて従来の塗工剤に比
べ優れている表面塗工剤を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記事情を
鑑み、ポリアクリルアミド系表面塗工剤に関して鋭意検
討を重ねた結果、従来にはみられない優れた表面強度を
有する表面塗工剤を得るに至った。
【0015】即ち、本発明は単量体として(メタ)アク
リルアミドと下記一般式(1)(化2)で表されるビニ
ル化合物またはそれらの塩類から選ばれた1種または2
種以上のビニル化合物を重合して得られるアクリルアミ
ド系ポリマー水溶液からなる表面塗工剤および該表面塗
工剤を塗工してなる紙である。
【0016】
【化2】 (式中R1 は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキ
ル基、nは1〜8、好ましくは1〜4の整数。) 以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0017】本発明のアクリルアミドまたはメタクリル
アミドの量はその他の共重合成分の種類あるいは量によ
って相違はあるものの、表面塗工剤として効果を発揮す
るためには、概ね50〜99.8モル%が好ましく、さ
らには60〜99.5モル%であれば尚好ましい。
【0018】本発明において、一般式(1)で示される
化合物を具体的に例示すると、アリルスルホン酸、メタ
リルスルホン酸またはそれらのナトリウム塩もしくはカ
リウム塩等のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩等
を例示することができる。これら化合物の量としては、
アクリルアミド系ポリマーを構成する全単量体の総量に
対し0.005〜30モル%が好ましく、ポリマーの分
岐架橋構造の均一性の点から、さらに好ましくは0.0
1〜20モル%、特に好ましくは、0.05〜10モル
%である。これら化合物は1種もしくは、2種以上併用
して使用することができる。
【0019】本発明においては、一般式(1)で示され
る化合物に加え、架橋性ビニルモノマーを使用すること
により、後述の濃度と粘度を有する表面塗工剤を容易に
得ることができるようになる。本発明における架橋性ビ
ニルモノマーを具体的に列記すると、メチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルア
ミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベン
ゼンなどの2官能型架橋性モノマー、あるいは1,3,
5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、
トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエ
リスリトール等の多官能型架橋性モノマーを例示するこ
とができる。これら架橋性モノマーの量としては、アク
リルアミド系ポリマーを構成する全単量体の総量に対し
0.01〜5モル%が好ましく、ポリマーの分岐架橋構
造の均一性の点からは0.01〜2モル%であることが
より好ましい。これら化合物は1種もしくは、2種以上
併用して使用することができる。
【0020】本発明における表面塗工剤は、上記化合物
以外にもこれらと共重合可能な単量体を使用することが
できる。それらには、イオン性、親水性、疎水性の単量
体等が挙げられ、それらの一種以上の単量体が適用でき
る。イオン性の単量体のうちアニオン性の単量体として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸及びそれら
の塩、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリ
ルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩、ア
クリルアミド−tert−ブチルスルホン酸及びその塩が、
カチオン性の単量体としては、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミ
ノ化合物及びそれらの塩(4級化物も含む)等を挙げる
ことができる。
【0021】親水性の単量体としては、例えば、アセト
ンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリ
ルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロ
イルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、各種のメトキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロ
リドン等を挙げることができる。
【0022】疎水性の単量体としては、例えばN,N−
ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブ
チル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メ
タ)アクリルアミド、N−n−オクチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシルメ
タクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミ
ド誘導体、N,N−ジグリシジル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(4−グリシドキシブチル)(メタ)アクリル
アミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルア
ミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミ
ド等のN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)アク
リルアミド誘導体、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレ
フィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等を挙げることができる。共重合に供せ
られるこれら単量体のうち、アクリルアミドまたはメタ
クリルアミドと共重合性が特に良く、更に表面塗工剤と
しての性能や安定性等を考慮して、好ましく使用される
のはアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等である。もちろん用いられる単量体
はこれら例示化合物に限定されるものではない。これら
共重合可能な単量体の量としては、概ね0〜50モル
%、好ましくは0.5〜40モル%である。
【0023】本発明におけるアクリルアミド系ポリマー
の重合方法としてはラジカル重合が好ましい。重合溶媒
としては水が好ましいが、上記濃度の水溶液でポリマー
が析出沈降するなどして分散性を損なわない範囲でアル
コール等の有機溶媒を併用使用することは可能である。
製造方法は、全モノマーを反応容器に一括で仕込み、重
合する回分(バッチ)重合でもよいが、モノマーの一部
もしくは全部を反応容器中に滴下しながら重合する半回
分(セミバッチ)重合法であることがより望ましい。半
回分(セミバッチ)重合法を行うことにより、高濃度で
の重合における重合熱除去が容易になるだけでなく、ポ
リマーの分岐架橋構造の均一化が容易になる等、分子構
造の制御が可能となる。
【0024】重合濃度(重合時のモノマー+ポリマー濃
度)は、回分(バッチ)重合の場合、概ね20〜40重
量%である。20%より低い濃度で重合し、濃縮操作に
より20%以上の濃度のポリマー水溶液とすることも可
能であるが、経済性の点等から不利となる。半回分(セ
ミバッチ)重合の場合には、滴下中の反応器内の重合濃
度は反応器内の初期モノマー濃度およびモノマーの滴下
速度を調整することにより任意に選択することができ
る。しかしながら、滴下終了時の重合濃度は概ね20〜
60重量%である。この場合、回分(バッチ)重合と同
様20%より低い濃度で重合し、濃縮操作により20%
以上の濃度のポリマー水溶液とすることも可能である
が、上述したように有効な方法とは言えない。
【0025】重合開始剤の制限は特にないが、水溶性の
開始剤である方が好ましい。モノマーを仕込んだ反応容
器に一括添加しても良いし、あるいは連続滴下しても良
い。具体的な重合開始剤として、過硫酸塩系、過酸化物
系では、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、te
rt−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。この場合、
単独で使用する方が好ましいが、還元剤と組合せてレド
ックス系重合開始剤としても使用できる。還元剤として
は、例えば亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバルト
等の低次のイオン化の塩、N,N,N’,N’−テトラ
メチルエチレンジアミン等の有機アミン、更にはアルド
ース、ケトース等の還元糖等を挙げることができる。
【0026】また、アゾ化合物も本発明において最も好
ましい開始剤であり、2,2’−アゾビス−2−メチル
プロピオンアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−
N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン塩酸塩、2,
2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエ
チル)−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス−2−
(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン及びその
塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩
等を使用することができる。更に、上記した重合開始剤
を2種以上併用することも可能である。
【0027】重合温度は単一重合開始剤の場合、概ね3
0〜90℃であり、レドックス系重合開始剤の場合、開
始温度はより低く概ね5〜50℃である。また、重合中
同一温度に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変え
てもよいが、一般に重合反応は発熱を伴うため、必要に
応じ、冷却を加える必要が生じる場合もある。その時の
重合容器内の雰囲気は特に限定はないが、重合を速やか
に行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置換した
方がよい。
【0028】重合時間は特に限定はないが、半回分(セ
ミバッチ)重合における滴下時間も含め、概ね1〜20
時間である。重合pHも特に限定はないが、必要に応じ
pH調整して重合を行ってもよい。その場合使用可能な
pH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
アンモニア等のアルカリ化剤、リン酸、硫酸、塩酸等の
鉱酸、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられる。
【0029】本発明の表面塗工剤の粘度は5万cps
(センチポイズ)以下であるが、好ましくは、流通時、
使用時の作業性の点から、3万cps(センチポイズ)
以下、さらに好ましくは2万cps(センチポイズ)以
下であると良い。また、重量平均分子量としては50万
〜1000万であるが、分岐架橋構造の均一性の点か
ら、表面塗工剤として支障のない範囲の濃度とその分子
量は、概ね、20%濃度で50万〜800万、30%濃
度で50万〜600万、40%濃度で50万〜400
万、50%濃度で50万〜300万であることが好まし
い。
【0030】本発明でいう重量平均分子量は、静的光散
乱法により求めることができる。具体的には、多角度の
光散乱検出装置を使用し、ジムプロットを作成すること
により値を得ることができる。あるいは、GPCに多角
度光散乱検出器を接続したGPC−MALLS法によ
り、デバイプロットを作成することにより得ることがで
きる。一般に、光散乱法による分子量測定には、以下の
光散乱の基礎式 Kc/R(θ)=1/MwP(θ)+2A2c+・・・ R(θ)=角度(θ)における散乱光(レイリー係数)
の還元強度 c =サンプル濃度 Mw =重量平均分子量 A2 =第2ビリアル係数 K =光学パラメーター P(θ)=角度散乱関数 が用いられるが、本発明で言う重量平均分子量とは、G
PCに低角度光散乱検出器を接続したGPC−LALL
S法と同様、第2ビリアル係数である第2項以降を無視
した値を言うものとする。光散乱法によるポリマーの重
量平均分子量の値は、N/10硝酸ナトリウムを含むN
/15リン酸緩衝液(pH7)を溶媒(溶離液)として
測定することができる。
【0031】本発明におけるポリマー濃度はポリマー水
溶液の絶乾ポリマー濃度を測定することにより得ること
ができる。測定方法としては、熱風乾燥法、ケット法等
が挙げられる。上記のようにして、濃度22〜60%、
特に30〜60%の範囲で、25℃におけるブルックフ
ィールド粘度が5万cps以下で重量平均分子量が50
万〜1,000万のアクリルアミド系ポリマー水溶液か
らなる表面塗工剤の提供が可能となり、該表面塗工剤は
優れた諸効果を発揮し、高濃度であるが故、固形分あた
りの運搬費を節減でき、経済的でもある。
【0032】本発明の方法により得られる表面塗工剤が
いかなる理由で優れた諸効果を発揮するのか現時点では
不明であるが、従来品と比較し、高分子量であるがため
に、紙内部へのポリマーの浸透が抑制され、紙表面近傍
にポリマーが定着しているのではないかと考えられる。
それ故、従来の表面塗工剤では抑えられなかったベッセ
ルや微細繊維をも抑えることが可能となり、優れた表面
強度及びその他の改良効果を発揮すると推察される。
【0033】また、かように高濃度、高分子量でありな
がら低粘度を有するポリマー水溶液である理由は、一般
式(1)で示される化合物を取り込んだポリマー分子が
重合中、他のポリマー分子中のラジカル、もしくは架橋
性モノマー起因のペンダント二重結合と特異的に反応す
ることにより、効率的に分岐架橋が進行するためではな
いかと考えられる。その結果、従来知られているものと
比較して、よりー層均ーな分岐架橋構造を有するアクリ
ルアミド系ポリマーとなり、高濃度でも比較的低粘度で
高分子量のポリマー水溶液がえられると推察される。本
発明の表面塗工剤を使用する場合、塗工量は、紙の種類
あるいは要求する物性の度合いにより多様であるが、固
形分を0.1〜10%に希釈して使用し、塗工量の調整
を行うのが適切である。塗工方法としては、一般に行わ
れている方法、即ちサイズプレス、ゲートロールコータ
ー、キャレンダー、ブレードコーター、チャンピオンコ
ーター、スプレー等で行うことができる。
【0034】また、本発明の表面塗工剤は、種々の薬剤
と組み合わせて使用することができる。例えば、従来か
ら用いられてきた澱粉系、PVA系、カルボキシメチル
セルロース系、ポリアクリルアミド系等の表面塗工剤、
更にまた、ロジン系、合成系等のサイズ剤、或いはまた
耐水化剤、離型剤、消泡剤、防錆剤等であり、これらの
薬剤を組み合わせることによっても、更に機能的な表面
塗工剤として優れた効果を発揮する。
【0035】本発明の紙の表面塗工剤は、段ボール外装
ライナーやその他の板紙、あるいは上質紙、中質紙、コ
ート原紙等の表面摩耗性、毛羽立ち、滑性、光沢、ベッ
セルピック、紙粉その他の紙表面の改質に必要な物性を
改良するものであって、紙の表面強度を向上させるには
有効且つ極めて優れている。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を、実施例にて、具体的に説
明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。また以下において、%で示したものは特に
断わらない限り重量%を意味するものとする。
【0037】重量平均分子量の測定には、昭和電工
(株)製Shodex(R)GPC SYSTEM-11にSho-dexOHpak SB80M
を接続し、検出器として示差屈折率計とWYATT TECHNOLO
GY社製多角度光散乱検出器を併用した。
【0038】製造例1 攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、滴下口
を備えた5つ口フラスコ(以下、反応容器と呼ぶ)に純
水203gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を
80℃に調整した。一方、60%アクリルアミド水溶液
747g、メチレンビスアクリルアミド1.02g、メ
タリルスルホン酸ナトリウム52.8g、及び純分84
%の4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸0.66g
を混合溶解し、モノマー、開始剤混合液を調整した。
【0039】その後、このモノマー、開始剤混合液を反
応容器中に、150分間かけて、均等滴下した。この
間、反応容器内の温度を80℃一定に保った。また、モ
ノマー、開始剤混合液の温度は15〜25℃に保ち、滴
下前に重合が生じないよう、またモノマーが析出しない
よう注意した。滴下前のモノマー、開始剤混合溶液の重
合発生有無は同条件の混合液を3時間放置し、それをメ
タノール中に添加することにより確認した。
【0040】滴下終了後、80℃で3時間重合を続け、
冷却し反応を終了させることにより25℃におけるブル
ックフィールド粘度47600cpsのアクリルアミド
系ポリマー水溶液を得た。この製品をAとする。製品A
を固形分で約0.1gになるように重量既知のアルミカ
ップに精秤し、約1gの純水で希釈後、105℃の熱風
乾燥機で3時間乾燥させることにより絶乾ポリマー濃度
を求めたところ53.9%であった。また、製品Aの重
量平均分子量を前述の方法により測定したところ62万
であった。
【0041】製造例2 反応容器に純水173gを仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら内温を80℃に調整した。一方、50%アクリル
アミド水溶液730g、メチレンビスアクリルアミド
1.67g、メタリルスルホン酸ナトリウム25.7
g、アクリル酸9.75gを混合溶解し、20%水酸化
ナトリウムでpHを4.2に調整した。また、2,2’
−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩1.
08gを溶解した水溶液60gを調整した。
【0042】次に、上記両水溶液をそれぞれ反応容器中
に、150分間かけて均等滴下した。この間、反応容器
内の温度を80℃一定に保った。滴下終了後、80℃で
3時間重合を続け、冷却し反応を終了させることによ
り、25℃におけるブルックフィールド粘度25500
cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。この
製品をBとする。製品Bの諸物性値を製品Aと同様にし
て測定した。
【0043】製造例3 反応容器に純水296gを仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら内温を80℃に調整した。一方、50%アクリル
アミド水溶液421g、メチレンビスアクリルアミド
0.46g、メタリルスルホン酸ナトリウム6.22
g、及び純分84%の4,4’−アゾビス−4−シアノ
吉草酸0.36gを混合溶解した水溶液を調整し、反応
容器中に、150分間かけて均等滴下した。この間、反
応容器内の温度を80℃一定に、また滴下中、モノマ
ー、開始剤混合溶液の温度は15〜25℃に保った。滴
下終了後、80℃で3時間重合を続け、冷却し反応を終
了させることにより、25℃におけるブルックフィール
ド粘度21100cpsのアクリルアミド系ポリマー水
溶液を得た。この製品をCとする。製品Cの諸物性値を
製品Aと同様にして測定した。
【0044】製造例4 反応容器に純水293gを仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら内温を80℃に調整した。一方、50%アクリル
アミド水溶液282.5g、メチレンビスアクリルアミ
ド0.31g、メタリルスルホン酸ナトリウム3.18
g、及び2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド0.25gを混
合溶解した水溶液を調整し、反応容器中に、150分間
かけて均等滴下した。この間、反応容器内の温度を80
℃一定に、また滴下中、モノマー、開始剤混合溶液の温
度は15〜25℃に保った。滴下終了後、80℃で3時
間重合を続け、冷却し反応を終了させることにより、2
5℃におけるブルックフィールド粘度3770cpsの
アクリルアミド系ポリマー水溶液を得た。この製品をD
とする。製品Dの諸物性値を製品Aと同様にして測定し
た。
【0045】製造例5 反応容器に純水384gを仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら内温を80℃に調整した。一方、40%アクリル
アミド水溶液398g、メチレンビスアクリルアミド
0.308g、メタリルスルホン酸ナトリウム1.19
g、80%アクリル酸11.3g及びアクリロニトリル
6.63gを混合溶解し、また、過硫酸カリウム3.1
gを純水80gに溶解した。その後、このモノマー溶
液、及び開始剤溶液を反応容器中に、150分間かけて
均等滴下した。この間、反応容器内の温度を80℃一定
に保った。滴下終了後、80℃で3時間重合を続け、冷
却し反応を終了させることにより、25℃におけるブル
ックフィールド粘度1610cpsのアクリルアミド系
ポリマー水溶液を得た。この製品をEとする。製品Eの
諸物性値を製品Aと同様にて測定した。
【0046】製造比較例1 反応容器に純水173gを仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら内温を80℃に調整した。一方、50%アクリル
アミド水溶液733g、メチレンビスアクリルアミド
0.82g、96%アクリルアミドメチルプロパンスル
ホン酸34g及び分子量調整剤としてアリルアルコール
23.7gを混合溶解し、20%水酸化ナトリウムにて
pHを4.0に調整した。また、純分84%の4,4’
−アゾビス−4−シアノ吉草酸0.24gを溶解した水
溶液60gを調整した。次に、上記両水溶液をそれぞれ
反応容器中に、150分間かけて均等滴下した。この
間、反応容器内の温度を80℃一定に保った。滴下終了
後、80℃で、3時間重合を続け、冷却し反応を終了さ
せることにより、25℃におけるブルックフィールド粘
度8950cpsのアクリルアミド系ポリマー水溶液を
得た。この製品をFとする。製品Fの諸物性値を製品A
と同様にして測定した。
【0047】製造比較例2 反応容器に純水279gを仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら内温を80℃に調整した。一方、50%アクリル
アミド水溶液473g、メチレンビスアクリルアミド
2.62g、イタコン酸8.8gを混合し、20%水酸
化ナトリウムにてpHを4.0に調整した溶液、及び純
分84%の4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸の
0.24gを溶解した水溶液60gをそれぞれ、反応容
器中に、150分間かけて均等滴下した。この間、反応
容器内の温度を80℃一定に保った。ところが、滴下途
中で反応液は高粘度となり、流動性がなくなりゲル化し
た。このゲル化ポリマーはそれ以上水で希釈しても分散
溶解せず、諸物性値を測定することができなかった。
【0048】製造比較例3 反応容器に純水390g、40%アクリルアミド水溶液
380g、80%アクリル酸水溶液10gを、反応容器
中に仕込んで窒素置換を行いつつ混合し、容器を加熱し
て30℃となるようにした。これに重合開始剤として1
0%過硫酸カリウム及び10%亜硫酸水素ナトリウムを
加え、180分間重合反応を行った後、冷却して反応を
終了させることにより、25℃におけるブルックフィー
ルド粘度2750cpsのアクリルアミド系ポリマー水
溶液を得た。この製品をGとする。製品Gの諸物性値を
製品Aと同様にして測定した。
【0049】製造例1〜5で得られた製品A〜E及び製
造比較例1及び3で得られた製品F及びGの諸物性値を
表1にまとめて示した。 実施例1 坪量180g/m2 のジュ−トライナ−を裁断し、縦4
0cm、横30cmに調整した。これを紙(イ)と称する。
【0050】次に、製造例1で得た製品Aを固形分4%
になるように水で希釈し、希釈液を得た。これを塗工液
Aと称する。
【0051】次に、フラットなガラス板上に紙(イ)の
上部をセロテープで固定し、塗工液AをNO.4のコー
ティングロールバーを用いて1回塗工し、樹脂付着量を
秤量したところ、固形分で0.2g/m2 の塗工量であ
った。秤量後、すぐに110℃に調整したドラムドライ
ヤー中で50秒間乾燥し、紙サンプルを得た。これを紙
(イ)-A-aと称する。さらにNO.10のコーティン
グロールバーを用いた以外は同様の操作で、0.4g/
2 の塗工量の試料を得た。これを紙(イ)-A-bと称
とする。
【0052】この様にして得た紙サンプルを恒温恒湿室
(温度20℃、湿度65%)に1昼夜シーズニング後、
同室にて以下の物性評価を行った。 ・ワックスピック:JIS−P−8129 評価結果は、表−2及び表−3にワックスNO.で示し
ており、NO.の大きいものが表面強度が強いことを示
す。 ・RIピック:RI−3型 明製作所(株)製 測定条件については表−2及び表−3の下段に示す。評
価は10点法の相対評価であり、高得点のものが表面強
度が強いことを示す。
【0053】実施例2〜5 同様に実施例1で行った方法に従って、製造例2〜5で
得られた製品B〜Eを用いて、塗工液B〜Eを得た。
【0054】次に、実施例1で行った方法に従って、塗
工液B〜Eを紙(イ)に塗工して、塗工量0.2g/m
2 の紙(イ)-B-a〜紙(イ)-E-a及び塗工量0.4
g/m2 の紙(イ)-B-b〜紙(イ)-E-bを得た。こ
れらの紙サンプルについて、実施例1と同様に物性に関
する試験を行った。
【0055】比較例1及び2 同様に実施例1で行った方法に従って、製造比較例1及
び3で得られた製品F及びGを用いて、塗工液F及びG
を得た。次に、実施例1で行った方法に従って、塗工液
F及びGを紙(イ)に塗工して、塗工量0.2g/m2
の紙(イ)-F-a及び紙(イ)-G-a及び塗工量0.4
g/m2 の紙(イ)-F-b及び紙(イ)-G-bを得た。
これらの紙サンプルについて、実施例1と同様に物性に
関する試験を行った。
【0056】比較例3 攪拌器、還流冷却器、温度計を備えた1lの4つ口セパ
ラブルフラスコと、加熱装置(ウォーターバス)を準備
し、該セパラブルフラスコに水889gを仕込み、これ
に市販の酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社
製)111gを加え、充分に攪拌混合した。これを攪拌
を続けながら、加熱装置(ウォーターバス)で、室温か
ら90℃まで加温し、90℃に達したら、この状態で3
0分間保持した。30分後に冷却を開始し、室温まで冷
やした。このものの濃度は10%であり、これを4%ま
で希釈し塗工液Hとした。この塗工液Hを用いて、実施
例1と同様の方法で紙(イ)に塗工し、塗工量0.2g
/m2 の紙(イ)-H-a及び塗工量0.4g/m2 の紙
(イ)-H-bを得た。これらの紙サンプルについて、同
様に物性に関する試験を行った。
【0057】比較例4 比較例3の酸化澱粉の代わりに、変性PVA(ゴーセナ
ールT−330H:日本合成化学工業(株)製)を用い
た以外は、比較例4と同様の操作を行って、この変性P
VAをクッキングし、さらに4%に希釈した。この4%
のPVA溶液を塗工液Iとした。この塗工液Iを用い
て、実施例1と同様の方法で紙(イ)に塗工し、塗工量
0.2g/m2 の紙(イ)-I-a及び塗工量0.4g/
2 の紙(イ)-I-bを得た。これらの紙サンプルにつ
いて、同様に物性に関する試験を行った。
【0058】比較例5 紙(イ)であるジュートライナーに樹脂液の代わりに純
水を塗工した以外は、実施例1で行った方法に従って、
紙サンプルを得て、物性に関する試験を行った。このも
のをブランクと称する。
【0059】実施例6 坪量80g/m2 の上質系コート原紙(NBKP:LB
KP=70:30)を実施例1のジュートライナーと同
様に裁断し、縦40cm、横30cmに調整した。これを紙
(ロ)と称する。次に、実施例1で用いた塗工液Aを使
用し、紙(ロ)に塗工を行った。塗工方法は、4%の塗
工液Aの中に紙(ロ)を1秒間浸漬した後に2本のロー
ルでしぼり、樹脂付着量を秤量した。秤量後、すぐに1
10℃に調整したドラムドライヤーで50秒間乾燥し、
紙サンプルを得た。この時の塗工量は、固形分で2g/
2 であった。これを紙(ロ)-A-bと称とする。ま
た、塗工液Aを2%に希釈した以外は、上記と同様の操
作で、1g/m2 の塗工量の紙サンプルを得た。これを
紙(ロ)-A-aと称する。この様にして得た紙サンプル
を実施例1と同様に、恒温恒湿室(温度20℃、湿度6
5%)に1昼夜シーズニング後、同室にて物性評価を行
った。物性評価は紙(イ)で行った項目に加えて、Z軸
強度も行った。 ・Z軸強度:インターナルボンドテスター 熊谷理機工
業(株)社製
【0060】実施例7〜10 同様に実施例2〜5で使用した塗工液B〜Eを用いて、
実施例6で行った方法に従って、塗工液B〜Eを紙
(ロ)に塗工し、塗工量1g/m2の紙(ロ)-B-a〜
紙(ロ)-E-a及び塗工量2g/m2 の紙(ロ)-B-b
〜紙(ロ)-E-bを得た。これらの紙サンプルについ
て、実施例6と同様に物性に関する試験を行った。
【0061】比較例6及び7 同様に比較例1及び2で使用した塗工液F及びGを用い
て、実施例6で行った方法に従って、塗工液F及びGを
紙(ロ)に塗工し、塗工量1g/m2の紙(ロ)-F-a
及び紙(ロ)-G-a及び塗工量2g/m2 の紙(ロ)-
F-b〜紙(ロ)-G-bを得た。これらの紙サンプルに
ついて、実施例6と同様に物性に関する試験を行った。
【0062】比較例8 比較例3で使用した酸化澱粉を調整した塗工液Hを用い
て、実施例6と同様の方法で紙(ロ)に塗工し、塗工量
1g/m2 の紙(ロ)-H-a及び塗工量2g/m2 の紙
(ロ)-I-bを得た。これらの紙サンプルについて、同
様に物性に関する試験を行った。
【0063】比較例9 比較例4で使用した変性PVAを調整した塗工液Iを用
いて、実施例6と同様の方法で紙(ロ)に塗工し、塗工
量1g/m2 の紙(ロ)-I-a及び塗工量2g/m2
紙(ロ)-I-bを得た。これらの紙サンプルについて、
同様に物性に関する試験を行った。
【0064】比較例10 比較例5と同様に樹脂液の代わりに純水を用いた以外
は、実施例6で行った方法に従って、紙(ロ)に塗工を
行って紙サンプルを得て、物性に関する試験を行った。
このものをブランクと称する。以上のように実施例1〜
5、比較例1〜5で行った紙(イ)に関する試験結果、
即ちジュートライナーでの結果をまとめて表−2に示
す。同様に紙(ロ)、即ち上質系コート原紙での試験結
果、即ち実施例6〜10及び比較例6〜10を表−3に
示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】 塗工量:(a)が0.2g/m2、(b)が0.4g/m2 RIピック条件: (a)0.2g/m2;東洋インキ インキタック20、インキ量0.4ml、50rpm (b)0.4g/m2; 〃 〃 〃 70rpm
【0067】
【表3】 塗工量:(a)が1.0g/m2、(b)が2.0g/m2 RIピック条件: (a) 1.0g/m2;東洋インキ インキタック25、インキ量0.4ml、50rpm (b) 2.0g/m2; 〃 〃 、 〃 、70rpm
【0068】
【発明の効果】本発明の表面塗工剤は、従来の薬剤に比
べて紙表面のみならず紙内部の改質において、極めて優
れていることは表−2及び表−3から明白である。
【0069】即ち、表−3において、比較例6のPA
M、比較例8の酸化澱粉、比較例9のPVAは比較例1
0のブランクに比べて、ワックスピック、RIピック及
びZ軸強度が高く、表面強度、内部紙力強度の改良剤と
して優れた結果になっている。又、該PAMとPVAの
比較では、若干PVAが優れている結果を得た。これに
対して、本発明の表面塗工剤を紙に適用した場合、即ち
実施例6〜10は、特許請求の範囲外の比較例6及び7
或いは酸化澱粉よりも優れた表面強度改良効果を示し
た。更には一般的に表面強度改良効果の優れているとさ
れているPVAよりも、かなり優れた効果を発揮してい
る結果となった。かかることから、本発明の紙の表面強
度改良方法は、従来から用いられてきたPAM系、PV
A系等の優れた薬剤を更に改良した位置付けにあり、紙
の表面強度改良剤として優れていることが明かである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石垣 一志 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 松原 次男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体として(メタ)アクリルアミドと
    下記一般式(1)(化1)で表されるビニル化合物また
    はそれらの塩を重合して得られるアクリルアミド系ポリ
    マー水溶液からなる表面塗工剤。 【化1】 (式中R1 は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキ
    ル基、nは1〜8の整数。)
  2. 【請求項2】 単量体はさらに架橋性ビニルモノマーを
    含む請求項1記載の表面塗工剤。
  3. 【請求項3】 単量体はさらにアクリルアミドと共重合
    可能な他の単量体を含む請求項1または2記載の表面塗
    工剤。
  4. 【請求項4】 ポリマー濃度が22〜60%の範囲であ
    って、25℃におけるブルックフィールド粘度が5万c
    ps(センチポイズ)以下であり、重量平均分子量が5
    0万〜1000万である請求項1〜3のいずれか1項記
    載のアクリルアミド系ポリマー水溶液からなる表面塗工
    剤。
  5. 【請求項5】 単量体を連続的に滴下する半回分重合に
    より得られたアクリルアミド系ポリマー水溶液からなる
    請求項1〜4のいずれか1項記載の表面塗工剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項記載の表面塗
    工剤を塗工してなる紙。
JP6318190A 1994-12-21 1994-12-21 表面塗工剤及びその利用 Pending JPH08176991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6318190A JPH08176991A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 表面塗工剤及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6318190A JPH08176991A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 表面塗工剤及びその利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08176991A true JPH08176991A (ja) 1996-07-09

Family

ID=18096455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6318190A Pending JPH08176991A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 表面塗工剤及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08176991A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007093837A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙
WO2008102811A1 (ja) * 2007-02-21 2008-08-28 Nippon Paper Industries Co., Ltd. オフセット印刷用塗工紙

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61124694A (ja) * 1984-11-21 1986-06-12 三洋化成工業株式会社 表面サイズ剤
JPH0867715A (ja) * 1993-12-24 1996-03-12 Mitsui Toatsu Chem Inc アクリルアミド系ポリマー、およびその用途

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61124694A (ja) * 1984-11-21 1986-06-12 三洋化成工業株式会社 表面サイズ剤
JPH0867715A (ja) * 1993-12-24 1996-03-12 Mitsui Toatsu Chem Inc アクリルアミド系ポリマー、およびその用途

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007093837A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙
WO2008102811A1 (ja) * 2007-02-21 2008-08-28 Nippon Paper Industries Co., Ltd. オフセット印刷用塗工紙

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2496651B1 (en) Surface application of polymers and polymer mixtures to improve paper strength
US7482417B2 (en) Papermaking chemical, method for manufacturing same, and paper containing same
EP0659780B1 (en) Acrylamide polymers and uses thereof
EP2635645B1 (en) Surface application of polymers to improve paper strength
WO2011117177A1 (en) Composition for improving dry strength
JP2000045197A (ja) 製紙用表面塗工剤および表面塗工紙
JPH09169946A (ja) 表面塗工剤及びその利用
JP2000273387A (ja) 表面紙質向上剤
JPH0867715A (ja) アクリルアミド系ポリマー、およびその用途
JP2713021B2 (ja) 表面紙質向上剤
JPH08176991A (ja) 表面塗工剤及びその利用
US8557925B2 (en) Blends of anionic copolymers suitable for surface size and methods of making the same
JPH09296388A (ja) 製紙用添加剤
JP4395817B2 (ja) 表面サイズ剤及び塗工紙の製造方法
JP2000129590A (ja) アニオン性アクリルアミド重合体、及びその用途
JP3100443B2 (ja) 紙の表面強度改良剤
JPH07109692A (ja) 表面紙質向上用組成物
JPH10259590A (ja) 変成澱粉を用いた表面紙質向上剤
JP2002054088A (ja) 紙の表面強度向上方法
JP3099147B2 (ja) 紙の加工処理剤
JP3099148B2 (ja) 紙の加工処理剤
JP3156607B2 (ja) 中性紙用表面紙質向上剤
JPH06179728A (ja) 紙表面塗工剤の製造方法及び該塗工剤を塗工した紙
JPH06157679A (ja) 紙表面塗工剤の製造方法及びその利用
JPH1112984A (ja) 表面紙質向上剤組成物及び塗工紙の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees