JP2016186910A - 電解液及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

電解液及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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信之 植松
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文亮 尾崎
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Masahito Murakami
将人 村上
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Abstract

【課題】高電圧で作動し、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池を与える非水蓄電デバイス用電解液を提供すること。
【解決手段】非水溶媒、リチウム塩(A)、並びに、式:RSiX{式中、R、R、及びRは、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R、R、及びRの炭素数の合計は5〜20であり、そして、Xはハロゲン原子を示す。}及びRSi(X{式中、R及びRは置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、かつR及びRの炭素数の合計が4〜20である。Xは、ハロゲン原子を示す。}のそれぞれで表される化合物から成る群より選ばれる1種以上の化合物(D)を含有する電解液であって、前記化合物(D)の含有量が、電解液100質量%に対して0.001質量%以上3質量%以下である、前記電解液。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解液及び該電解液を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年の電子技術の発展や環境技術への関心の高まりに伴い、様々な電気化学デバイスが用いられている。特に、省エネルギー化への要請が多くあり、それに貢献できるものへの期待はますます高くなっている。
蓄電デバイスの代表例であるリチウムイオン二次電池は、従来は主として携帯機器用の充電池として使用されていたが、近年ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電池としての使用が期待されている。
従来の4V前後の電圧で作動するリチウムイオン二次電池では、カーボネート系溶媒を主成分とした非水溶媒にリチウム塩を溶解した非水電解液が広く用いられている。このカーボネート系溶媒を含む電解液の特徴は、4V前後の電圧において、耐酸化性と耐還元性とのバランスが良く、かつ、リチウムイオンの伝導性に優れる点である。しかしながら、初回充電時、長期保管時、高温使用時等において、電解液の分解反応が起こり易く、電池特性の低下を引き起こす場合があり、その改善方法が模索されている。例えば、カーボネート溶媒にフッ素化シラン化合物を添加することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年、リチウムイオン二次電池にはより一層の高いエネルギー密度が求められており、その高いエネルギー密度を達成するため、電池の高電圧化が検討されている。電池の高電圧化を達成するためには、高電位で作動する正極を用いる必要がある。具体的には、4.2V(vsLi/Li+)以上で作動する種々の正極活物質が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−171981号公報 特表2000−515672号公報
しかしながら、4.2V(vsLi/Li+)以上の高電位で作動する正極活物質を含有する正極を備えたリチウムイオン二次電池(高電圧リチウムイオン二次電池)においては、電解液がカーボネート系溶媒を含有する場合、カーボネート化合物が正極表面にて酸化分解し、電池のサイクル寿命が低下するという問題が生ずる。従来技術においては、このようなサイクル寿命の低下に対する解決策は示されていない。従って、高電圧のリチウムイオン二次電池のサイクル寿命を向上させる電解液、及びそれを備えたリチウムイオン二次電池が望まれている。
上記の問題を解決する方法として、例えば、電解液にフルオロトリメチルシラン等のフッ素化シラン化合物を添加する方法が考えられる。しかしながら、電解液用の添加剤としてフッ素化シラン化合物を用いる場合には、別の問題が生ずる。例えば、沸点が室温(23℃)より低いフッ素化シラン化合物(例えば、フルオロトリメチルシラン、沸点:16℃)は、室温においてガス状態であるため、該フッ素化シラン化合物を含有する電解液の調製、及び該電解液の電池への注液作業が煩雑となる。更に、ラミネートフィルムから作製したシート状リチウムイオン二次電池に該電解液を注液した場合、シート状リチウムイオン二次電池が膨れ、電池の使用が困難となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものである。従って本発明は、高電圧で作動し、かつ、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池、及び、そのようなリチウムイオン二次電池を与えることのできる非水蓄電デバイス用電解液を提供することを目的とする。
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討した。その結果、非水溶媒と、リチウム塩と、ケイ素原子を有する特定の化合物と、を含有する電解液であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1] 非水溶媒、
リチウム塩(A)、並びに、
下記式(10)及び下記式(11):
SiX (10)
{式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R、R、及びRの炭素数の合計は5〜20であり、そして、Xはハロゲン原子を示す。}
Si(X (11)
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R及びRの炭素数の合計が4〜20であり、そして
は、ハロゲン原子を示す。}のそれぞれで表される化合物から成る群より選ばれる1種以上の化合物(D)
を含有する電解液であって、
前記化合物(D)の含有量が、電解液100質量%に対して0.001質量%以上3質量%以下である、前記電解液。
[2] リン原子及びホウ素原子から選ばれる1種以上の原子を有するプロトン酸、スルホン酸、並びにカルボン酸からなる群より選ばれる酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つが下記式(E1):
Figure 2016186910
{式中、Re1、Re2、及びRe3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、且つRe1、Re2、及びRe3の炭素数の合計が5〜20である。}で表される基で置換された化合物(E)を更に含有する、[1]に記載の電解液。
[3] 前記化合物(E)が、下記式(E2)〜(E4):
Figure 2016186910
{式中、Mはリン原子又はホウ素原子であり、
mは1〜20の整数であり、
がリン原子の場合、nは0又は1であり、Mがホウ素原子の場合、nは0であり、
E1は上記一般式(E1)で表される基を示し、そして
e4及びRe5は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、及びOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)から成る群より選ばれる基を示す。}、
Figure 2016186910
{式中、Mはリン原子又はホウ素原子であり、
jは2〜20の整数であり、
がリン原子の場合、kは0又は1であり、Mがホウ素原子の場合、kは0であり、そして
e6は、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、OE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)、及び一般式OP(O)(Re7e8)(式中、lは、0又は1であり、Re7及びRe8は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又はOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を示す。)で表される基から成る群より選ばれる基を示し、ただし、Re6のうちの少なくとも1つはOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を有する。}、
Figure 2016186910
{式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示し、そして
e9は置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。}のそれぞれで表される化合物、並びに
硫酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つが上記一般式(E1)で表される基で置換された化合物
から成る群より選ばれる1種以上である、[2]に記載の電解液。
[4] 前記化合物(E)の含有量が、電解液100質量%に対して0.01質量%以上10質量%以下である、[2]又は[3]に記載の電解液。
[5] 前記リチウム塩(A)が、LiPF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiPF(C2k+16−n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF(C)、及びLiPF(Cから成る群より選ばれる1種以上である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の電解液。
[6] 前記リチウム塩(A)が、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上を含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の電解液。
[7] 前記リチウム塩(A)が、下記式(4):
Figure 2016186910
{上記式(4)中、Xは、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子を示し、
10は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1から10の炭化水素基を示し、bは0又は1の整数を示し、そして
nは0〜2の整数を示す。}で表されるリチウム塩(C)を含む、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の電解液。
[8] 前記非水溶媒が、環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有する、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の電解液。
[9] 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含み、
前記鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含む、[8]に記載の電解液。
[10] 正極活物質を含有する正極と、
負極活物質を含有する負極と、
[1]〜[9]のいずれか1項に記載の電解液と、
を具備する、リチウムイオン二次電池。
[11] 前記正極活物質が、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位において10mAh/g以上の放電容量を有するものである、[10]に記載のリチウムイオン二次電池。
[12] 前記正極活物質が、
下記式(5):
LiMn2−xMa (5)
{式中、Maは遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そして
xは0.2≦x≦0.7の範囲内にある数である。}で表される酸化物;
下記式(6):
LiMeO (6)
{式中、Meは遷移金属を示す。}で表される酸化物;
下記式(7):
zLiMcO−(1−z)LiMdO (7)
{式中、Mc及びMdは、それぞれ独立に、遷移金属を示し、そして
zは0.1≦z≦0.9の範囲内にある数である。}で表される複合酸化物;
下記式(8):
LiMb1−yFePO (8)
{式中、Mbは、Mn及びCoから成る群より選ばれる1種以上を示し、そして
yは0≦y≦0.9の範囲内にある数である。}で表される化合物;及び
下記式(9):
LiMfPOF (9)
{式中、Mfは遷移金属を示す。}で表される化合物
から成る群より選ばれる1種以上である、[10]又は[11]に記載のリチウムイオン二次電池。
[13] 満充電時におけるリチウム基準の正極電位が、4.2V(vsLi/Li+)以上である、[10]〜[12]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、高電圧で作動し、かつ、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池、及び、そのようなリチウムイオン二次電池を与えることのできる電解液を提供することができる。
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を概略的に示す断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。本実施形態における寸法比率は、図示した比率に限られるものではない。
〔電解液〕
本実施形態の電解液は、
非水溶媒、
リチウム塩(A)、並びに、
下記式(10)及び下記式(11):
SiX (10)
{式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R、R、及びRの炭素数の合計が5〜20であり、そして、Xは、ハロゲン原子を示す。}
Si(X (11)
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、かつR及びRの炭素数の合計が4〜20であり、そして
は、ハロゲン原子を示す。}のそれぞれで表される化合物(D)
を含有する。
〔非水溶媒〕
非水溶媒としては、特に限定されないが、例えば、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート等の環状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン;スルホラン等の環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;アセトニトリル等のニトリル;ジメチルエーテル等の鎖状エーテル;プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタン等の鎖状ジエーテル等が挙げられる。
(カーボネート)
非水溶媒としては、特に限定されないが、例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート系溶媒を用いることがより好ましい。カーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを組合せて用いることが更に好ましい。このようなカーボネートを含むことにより、イオン伝導性により優れる傾向にある。
(環状カーボネート)
環状カーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、及び4,5−ジフルオロエチレンカーボネートが挙げられる。この中でも、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。このような環状カーボネートを含むことにより、電解液のイオン伝導性により向上する傾向にある。
(鎖状カーボネート)
鎖状カーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、及びメチルトリフルオロエチルカーボネートが挙げられる。この中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。このような鎖状カーボネートを含むことにより、電解液のイオン伝導性により向上する傾向にある。
(環状カーボネートと鎖状カーボネートとの使用割合)
カーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを組合せて含む場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比として、好ましくは1:10〜5:1であり、より好ましくは1:5〜3:1であり、更に好ましくは1:5〜1:1である。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比が上記範囲内であることにより、得られるリチウムイオン二次電池のイオン伝導性がより向上する傾向にある。
(別の非水溶媒)
カーボネート系溶媒を用いる場合、必要に応じて、アセトニトリル、スルホラン等の別の非水溶媒を更に併用することができる。別の非水溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このような別の非水溶媒を用いることにより、リチウムイオン二次電池の電池物性がより改善する傾向にある。
別の非水溶媒の使用量は、非水溶媒の全量に対して、50体積%以下とすることが好ましく、40体積%以下とすることがより好ましい。
〔リチウム塩(A)〕
本実施形態の電解液は、リチウム塩(A)を含有する。
リチウム塩(A)の含有量は、電解液100質量%に対して、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは5.0質量%以上であり、更に好ましくは7.0質量%以上である。リチウム塩(A)の含有量が1.0質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性がより向上する傾向にある。リチウム塩(A)の含有量は、電解液100質量%に対して、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。リチウム塩(A)の含有量が40質量%以下であることにより、該リチウム塩(A)の低温における溶解性がより向上する傾向にある。リチウム塩(A)の電解液中の含有量は、19F−NMR、31P−NMR等のNMR測定により確認することができる。リチウムイオン二次電池中の電解液中のリチウム塩(A)の含有量も、上記と同様に、19F−NMR、31P−NMR等のNMR測定により確認することができる。
リチウム塩(A)としては、特に限定されないが、例えば、LiPF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiPF(C2k+16−n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF(C)、及びLiPF(Cが挙げられる。この中でも、LiPF、LiOSO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiPF(C2k+16−n[は1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF(C)、及びLiPF(Cから成る群より選ばれる1種以上(以下、「リチウム塩(A−1)」ともいう。)を含むことが好ましく、LiPFを含むことが特に好ましい。このようなリチウム塩(A−1)を用いることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性により優れる傾向にある。このようなリチウム塩の含有量は、電解液の全量に対して、0.5〜40質量%とすることが好ましく、3〜35質量%とすることがより好ましく、5〜30質量%とすることが特に好ましい。
リチウム塩(A)は、上記リチウム塩(A−1)に加えて、又はこれに代えて、後述するホウ素原子を有するリチウム塩(C)、並びに
ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる1種以上のリチウム塩(F)を含んでもよい。
〔ホウ素原子を有するリチウム塩(C)〕
リチウム塩(A)は、式(4):
Figure 2016186910
{上記式(4)中、Xは、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子を示し、
10は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1から10の炭化水素基を示し、bは0又は1を示し、そしてnは0〜2の整数を示す。}で表されるホウ素原子を有するリチウム塩(C)を含有することが好ましい。リチウム塩(A)がこのようなリチウム塩(C)を含むことにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。この理由は明らかではないが、後述のケイ素原子を有する化合物(D)とホウ素原子を有するリチウム塩(C)とが協働して正極若しくは負極、又はその両方に作用し、リチウムイオン二次電池内における電解液の酸化分解を抑制するためと推察される。ホウ素原子を有するリチウム塩(C)は、イオン伝導性を担う電解質としての機能もあるが、主としてサイクル寿命を改善させる効果を目的とした添加剤として機能し得る。
式(4)において、Xはフッ素原子、塩素原子、及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子を示す。この中でもフッ素原子が好ましい。Xがフッ素原子であることにより、リチウムイオン二次電池中におけるリチウム塩の化学的耐久性がより向上する傾向にある。
10は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1から10の炭化水素基を示す。炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素基;フェニル基等の芳香族炭化水素基;水素原子がフッ素原子に置換されたジフルオロメチレン基等のフッ素置換炭化水素基等が挙げられる。これらの炭化水素基は、必要に応じて、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子(ただし、フッ素原子を除く。)、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO−)、エステル基(−CO−)、カルボニル基(−CO−)、スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO−)、ウレタン基(−NHCO−)等が挙げられる。
10の炭素数は、1〜10であり、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜6である。R10の炭素数が上記範囲内であることにより、非水溶媒との混和性により優れる傾向にある。
10の好ましい例としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、1−メチルエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,2−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、フルオロエチレン基等の脂肪族炭化水素基;フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記の中でも、メチレン基、エチレン基、1−メチルエチレン基、プロピレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,2−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、及びフルオロエチレン基がより好ましい。R10がこのような炭化水素基であることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性により優れる傾向にある。
式(4)中、bは0又は1の整数を示し、bは0であることが好ましい。bは0であることにより、安定性により優れる傾向にある。bが0の場合、式(4)中の右側の構造はシュウ酸構造となる。式(4)中、nは0〜2の整数を示す。
リチウムイオン二次電池中での化学的耐久性の観点から、式(4)で表されるホウ素原子を有するリチウム塩(C)としては、以下の式(4−1)〜式(4−7)で表される化合物が好ましい。この中でも、下記式(4−1)で表される化合物、下記式(4−2)で表される化合物、及び下記式(4−3)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、式(4−1)で表される化合物及び式(4−2)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上が更に好ましい。
Figure 2016186910
Figure 2016186910
ホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量は、電解液100質量%に対して、好ましくは0.010質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.050質量%以上5.0質量%以下であり、更に好ましくは0.10質量%以上5.0質量%以下であり、特に好ましくは0.20質量%以上3.0質量%以下であり、とりわけ好ましくは0.40質量%以上2.0質量%以下である。ホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量が0.010質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。ホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量が10質量%以下であることにより、電池出力がより向上する傾向にある。上述のとおり、ホウ素原子を有するリチウム塩(C)は、主に、上記サイクル寿命を改善させる効果を目的とする添加剤として機能し得る。そのため、電解液中の含有量が0.010質量%以上10質量%以下と少量であっても、十分な効果を発揮し得る。
ホウ素原子を有するリチウム塩(C)の電解液中の含有量は、11B−NMR、19F−NMR等のNMR測定により確認することができる。リチウムイオン二次電池中の電解液中のホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量も、上記と同様に、11B−NMR、19F−NMR等のNMR測定により確認することができる。
リチウム塩(A)が、上記のような好ましいリチウム塩(A−1)とともにホウ素原子を有するリチウム塩(C)を含む場合、該ホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量は、リチウム塩(A)の総量に対して、好ましくは0.50質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上40質量%以下であり、更に好ましくは2.0質量%以上30質量%以下であり、特に好ましくは5.0質量%以上20質量%以下である。ホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量がリチウム塩(A)の総量に対して0.50質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。ホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量がリチウム塩(A)の総量に対して50質量%以下であることにより、電池出力がより向上する傾向にある。リチウムイオン二次電池中の電解液中のホウ素原子を有するリチウム塩(C)の含有量も、上記と同様に、11B−NMR、19F−NMR等のNMR測定により確認することができる。
(ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる1種以上のリチウム塩(F))
リチウム塩(A)は、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上のリチウム塩(F)を含有することが好ましい。本実施形態の電解液がこのようなリチウム塩(F)を含むことにより、リチウムイオン二次電池のサイクル性能がより向上する傾向にある。
リチウム塩(F)の含有量は、電解液100質量%に対して、好ましくは0.0010質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.0050質量%以上2.0質量%以下であり、更に好ましくは0.020質量%以上1.0質量%以下である。リチウム塩(F)の含有量が0.0010質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。リチウム塩(F)の含有量が3.0質量%以下であることにより、リチウムイオン二次電池のイオン電導性がより向上する傾向にある。リチウム塩(F)の電解液中の含有量は、19F−NMR、31P−NMR等のNMR測定により確認することができる。リチウムイオン二次電池中の電解液中のリチウム塩(F)の含有量も、上記と同様に、19F−NMR、31P−NMR等のNMR測定により確認することができる。
リチウム塩(A)が、リチウム塩(F)を含む場合、化合物(F)の含有量は、リチウム塩(A)の総量に対して、好ましくは0.50質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上40質量%以下であり、更に好ましくは2.0質量%以上30質量%以下であり、特に好ましくは5.0質量%以上20質量%以下である。リチウム塩(F)の含有量がリチウム塩(A)の総量に対して0.50質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。リチウム塩(F)の含有量がリチウム塩(A)の総量に対して50質量%以下であることにより、リチウムイオン二次電池のイオン電導性がより向上する傾向にある。
〔ケイ素原子を有する化合物(D)〕
本実施形態の電解液は、下記式(10)及び下記式(11):
SiX (10)
{式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R、R、及びRの炭素数の合計が5〜20であり、そして
はハロゲン原子を示す。}
Si(X (11)
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R及びRの炭素数の合計が4〜20であり、そして
は、ハロゲン原子を示す。}のそれぞれで表される、ケイ素原子を有する化合物から成る群より選ばれる1種以上の化合物(D)、を含有する。本実施形態の電解液がこのような化合物(D)を含むことにより、得られる電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。
本実施形態の電解液は、化合物(D)と、上記ホウ素原子を有するリチウム塩(C)と、を含むことにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命を大幅に改善することができる。この理由は明らかではないが、式(4)の構造を有するホウ素原子を有するリチウム塩(C)と、ケイ素原子を有する化合物(D)が、正極若しくは負極、又はその両方に作用し、リチウムイオン二次電池内における電解液の酸化分解を抑制するためと推察される。式(4)の構造を有するホウ素原子を有するリチウム塩(C)は、イオン伝導性を担う電解質としての機能もあるが、主として、上記サイクル寿命を改善させる効果を目的とした添加剤として機能する。そのため、電解液中の含有量が、例えば0.01質量%以上10質量%以下と、少量においても十分な効果を発揮し得る。
ここで、ケイ素原子を有する化合物(D)の含有量は、電解液100質量%に対して、0.001質量%以上3.0質量%以下であり、好ましくは0.003質量%以上2.0質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上2.0質量%以下であり、更に好ましくは0.010質量%以上1.0質量%以下であり、特に好ましくは0.020質量%以上2.0質量%以下である。ケイ素原子を有する化合物(D)の含有量が0.001質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池において良好なサイクル寿命を得ることができる。ケイ素原子を有する化合物(D)の含有量が3.0質量%以下であることにより、リチウムイオン二次電池の膨れがより抑制できる。ケイ素原子を有する化合物(D)は、電解液中に含有していればよい。従って該化合物(D)は、電解液調製時に添加してもよく、電解液中で反応により生成させてもよい。ケイ素原子を有する化合物(D)の電解液中の含有量は、H−NMR、19F−NMR等のNMR測定により確認することができる。リチウムイオン二次電池中の電解液中のケイ素原子を有する化合物(D)の含有量も、上記と同様に、H−NMR、19F−NMR等のNMR測定により確認することができる。
式(10)で表される化合物において、R、R、及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。このような炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素基;フェニル基等の芳香族炭化水素基;炭化水素基中の水素原子がすべてフッ素原子に置換されたトリフルオロメチル基等のフッ素置換炭化水素基が挙げられる。炭化水素基は、必要に応じて、官能基を有してもよい。このような官能基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子(ただし、フッ素原子を除く。)、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO−)、エステル基(−CO−)、カルボニル基(−CO−)、スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO−)、ウレタン基(−NHCO−)が挙げられる。
、R、及びRの炭化水素基の炭素数は、1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。炭素数が上記範囲内であることにより、非水溶媒との混和性がより向上する傾向にある。R、R、及びRの好ましい例としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、1−メチルビニル基、プロピル基、ブチル基、フルオロメチル基等の脂肪族炭化水素基;ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。上記の中でも、メチル基、エチル基、ビニル基、1−メチルビニル基、フルオロメチル基、フェニル基がより好ましい。R、R、及びRがこのような炭化水素基であることにより、化学的安定性により優れる傾向にある。
式(10)で表される化合物において、R、R、及びRの炭素数の合計は5〜20であるが、5〜15がより好ましく、5〜10が特に好ましい。R、R、及びRの炭素数の合計は、ガス発生の抑制、取扱いの観点から、5以上である。本発明者等が鋭意検討した結果、R、R、及びRの炭素数の合計が5以上20以下であることにより、式(10)で表される化合物が液体、又は固体状態であることができる。そしてこのことにより、リチウムイオン二次電池中での化学的安定性がより向上する傾向にあることを見出した。
式(10)におけるXはハロゲン原子であるが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子が特に好ましい。
式(10)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、
(CH(CHCHCH)SiF
(CH(CHCHCH)SiCl
(CH(CH=CHCH)SiF
(CH(CH=CHCH)SiCl
(CH[CH=C(CH)]SiF、
(CH[CH=C(CH)]SiCl、
(CH[(CHCH]SiF、
(CH[(CHCH]SiCl、
(CH[CH(CH)]SiF、
(CH[CH(CH)]SiCl、
(CH[(CHCHCH]SiF、
(CH[(CHCHCH]SiCl、
(CH[(CHC]SiF、
(CH[(CHC]SiCl
(CSiF、
(CSiCl、
(CH=CH)SiF、
(CH=CH)SiCl、
(CH(C)SiF、
(CH(C)SiCl、
(CHCHCHSiF、
(CHCHCHSiCl、
[(CHCH]SiF、
[(CHCH]SiCl、
(CH=CHCHSiF、
(CH=CHCHSiCl
(CH[CH(CH]SiF、
(CH[CH(CH]SiCl、
[CH(CHSiF、
[CH(CHSiCl、
(CH)(CSiF、
(CH)(CSiCl、
(CH=CH)(CSiF、
(CH=CH)(CSiCl、
[CH(CHSiF、
[CH(CHSiCl
(CSiF、
(CSiCl、
(CH[CH(CH17]SiF、
(CH[CH(CH17]SiCl、
等を挙げることができ、これらのうち
(CH(CHCHCH)SiF
(CH(CHCHCH)SiCl
(CH(CH=CHCH)SiF
(CH(CH=CHCH)SiCl
(CH[CH=C(CH)]SiF、
(CH[CH=C(CH)]SiCl、
(CH[(CHCH]SiF、
(CH[(CHCH]SiCl、
(CH[CH(CH)]SiF、
(CH[CH(CH)]SiCl、
(CH[(CHCHCH]SiF、
(CH[(CHCHCH]SiCl、
(CH[(CHC]SiF、
(CH[(CHC]SiCl
(CSiF、
(CSiCl、
(CH=CH)SiF、
(CH=CH)SiCl、
(CH(C)SiF、
(CH(C)SiCl、
(CHCHCHSiF、
(CHCHCHSiCl、
[(CHCH]SiF、
[(CHCH]SiCl、
(CH=CHCHSiF、
(CH=CHCHSiCl
(CH[CH(CH]SiF、
(CH[CH(CH]SiCl、
[CH(CHSiF、
[CH(CHSiCl、
(CH)(CSiF、
(CH)(CSiCl、
(CH=CH)(CSiF、及び
(CH=CH)(CSiCl、
から成る群より選ばれる1種以上が好ましく、
(CH(CHCHCH)SiF
(CH(CHCHCH)SiCl
(CH(CH=CHCH)SiF
(CH(CH=CHCH)SiCl
(CH[CH=C(CH)]SiF、
(CH[CH=C(CH)]SiCl、
(CH[(CHCH]SiF、
(CH[(CHCH]SiCl、
(CH[CH(CH)]SiF、
(CH[CH(CH)]SiCl、
(CH[(CHCHCH]SiF、
(CH[(CHCHCH]SiCl、
(CH[(CHC]SiF、
(CH[(CHC]SiCl
(CSiF、
(CSiCl、
(CH=CH)SiF、
(CH=CH)SiCl、
(CH(C)SiF、
(CH(C)SiCl、
(CHCHCHSiF、
(CHCHCHSiCl、
[(CHCH]SiF、
[(CHCH]SiCl、
(CH=CHCHSiF、
(CH=CHCHSiCl
(CH[CH(CH]SiF、
(CH[CH(CH]SiCl、
[CH(CHSiF、及び
[CH(CHSiCl、
から成る群より選ばれる1種以上が特に好ましい。
式(10)で表される化合物の製造法については、特に限定されないが、例えば、Croatica Chemica Acta 65巻, 757−761頁(1992年)等に従って、合成できる。
式(11)で表される化合物において、R及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。この炭化水素基については、式(10)における、R、R、及びRの炭化水素基と同様である。ただし、式(11)で表される化合物のR及びRの炭素数の合計は4〜20であるが、4〜15がより好ましく、4〜10が特に好ましい。炭素数が上記範囲内であることにより、非水溶媒との混和性がより向上する傾向にある。Xのハロゲン原子については、、式(10)におけるXのハロゲン原子と同様である。
式(11)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、
(CH)(CHCHCH)SiF
(CH)(CHCHCH)SiCl
(CH)(CH=CHCH)SiF
(CH)(CH=CHCH)SiCl
(CH)[CH=C(CH)]SiF
(CH)[CH=C(CH)]SiCl
(CH)[(CHCH]SiF
(CH)[(CHCH]SiCl
(CH)[CH(CH)]SiF
(CH)[CH(CH)]SiCl
(CH)[(CHCHCH]SiF
(CH)[(CHCHCH]SiCl
(CH)[(CHC]SiF
(CH)[(CHC]SiCl
(CSiF
(CSiCl
(CH=CH)SiF
(CH=CH)SiCl
(CH)(C)SiF
(CH)(C)SiCl
(CHCHCHSiF
(CHCHCHSiCl
[(CHCH]SiF
[(CHCH]SiCl
(CH=CHCHSiF
(CH=CHCHSiCl
(CH)[CH(CH]SiF
(CH)[CH(CH]SiCl
[CH(CHSiF
[CH(CHSiCl
(CH)(C)SiF
(CH)(C)SiCl
(CH=CH)(C)SiF
(CH=CH)(C)SiCl
[CH(CHSiF
[CH(CHSiCl
(CSiF
(CSiCl
(CH)[CH(CH17]SiF
(CH)[CH(CH17]SiCl
等を挙げることができ、これらのうち、
(CH)(CHCHCH)SiF
(CH)(CHCHCH)SiCl
(CH)(CH=CHCH)SiF
(CH)(CH=CHCH)SiCl
(CH)[CH=C(CH)]SiF
(CH)[CH=C(CH)]SiCl
(CH)[(CHCH]SiF
(CH)[(CHCH]SiCl
(CH)[CH(CH)]SiF
(CH)[CH(CH)]SiCl
(CH)[(CHCHCH]SiF
(CH)[(CHCHCH]SiCl
(CH)[(CHC]SiF
(CH)[(CHC]SiCl
(CSiF
(CSiCl
(CH=CH)SiF
(CH=CH)SiCl
(CH)(C)SiF
(CH)(C)SiCl
(CHCHCHSiF
(CHCHCHSiCl
[(CHCH]SiF
[(CHCH]SiCl
(CH=CHCHSiF
(CH=CHCHSiCl
(CH)[CH(CH]SiF
(CH)[CH(CH]SiCl
[CH(CHSiF
[CH(CHSiCl
(CH)(C)SiF
(CH)(C)SiCl
(CH=CH)(C)SiF
(CH=CH)(C)SiCl
[CH(CHSiF
[CH(CHSiCl
(CSiF、及び
(CSiCl
からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、
(CH)(CHCHCH)SiF
(CH)(CHCHCH)SiCl
(CH)(CH=CHCH)SiF
(CH)(CH=CHCH)SiCl
(CH)[CH=C(CH)]SiF
(CH)[CH=C(CH)]SiCl
(CH)[(CHCH]SiF
(CH)[(CHCH]SiCl
(CH)[CH(CH)]SiF
(CH)[CH(CH)]SiCl
(CH)[(CHCHCH]SiF
(CH)[(CHCHCH]SiCl
(CH)[(CHC]SiF
(CH)[(CHC]SiCl
(CSiF
(CSiCl
(CH=CH)SiF
(CH=CH)SiCl
(CH)(C)SiF
(CH)(C)SiCl
(CHCHCHSiF
(CHCHCHSiCl
[(CHCH]SiF
[(CHCH]SiCl
(CH=CHCHSiF
(CH=CHCHSiCl
(CH)[CH(CH]SiF
(CH)[CH(CH]SiCl
[CH(CHSiF
[CH(CHSiCl
(CH)(C)SiF
(CH)(C)SiCl
(CH=CH)(C)SiF、及び
(CH=CH)(C)SiCl
からなる群より選ばれる1種以上が特に好ましい。
〔シリル基含有化合物(E)〕
本実施形態の電解液は、
リン原子及びホウ素原子から選ばれる1種以上の原子を有するプロトン酸、スルホン酸、並びにカルボン酸からなる群より選ばれる酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つが下記式(E1):
Figure 2016186910
{式中、Re1、Re2、及びRe3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、且つRe1、Re2、及びRe3の炭素数の合計が5〜20である。}で表される基(以下「シリル基(E1)」という。)で置換されたシリル基含有化合物(化合物(E))を含有することが好ましい。本実施形態の電解液がこのようなシリル基含有化合物(E)を含むことにより、該電解液を具備するリチウムイオン二次電池のサイクル性能がより向上する傾向にある。
ここで、「リン原子及びホウ素原子から選択される1種以上の原子を有する」は、「プロトン酸」のみにかかる。スルホン酸及びカルボン酸は、それぞれ、リン原子及びホウ素原子から選択される1種以上の原子を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、「酸性プロトン」とは、上記の酸が酸として働く場合にHとして放出されるべき水素原子を意味する。
特に、上記の化合物(D)と、化合物(E)と、の双方を含むことにより、サイクル寿命が更に向上する傾向にある。
本発明の実施形態では、「リン原子を有するプロトン酸」は、分子内にリン原子を有し、かつプロトンとして解離し得る水素原子を有する化合物であれば特に限定されない。リン原子を有するプロトン酸としては、分子内にフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;又はアルコキシ基、アルキル基等の有機基の他;Si、B、O、N等の異種原子を含んでいてもよい。リン原子を有するプロトン酸は、分子内に複数個のリン原子を含んでいてもよい。その例として、例えば縮合リン酸が挙げられる。
リン原子を有するプロトン酸としては、特に限定されないが、例えば、オルトリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、又は縮合リン酸が好ましい。これらのリン原子を有するプロトン酸は、置換されていてもよい。これらの中でも、オルトリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、又は縮合リン酸がより好ましい。これらのリン原子を有するプロトン酸の有する酸性プロトンの少なくとも1つがシリル基(E1)で置換された化合物(E)は、ハンドリング、及び化合物としての安定性に優れる。
本発明の実施形態では、「ホウ素原子を有するプロトン酸」は、分子内にホウ素原子を有し、かつプロトンとして解離し得る水素原子を有する化合物であれば特に限定されない。ホウ素原子を有するプロトン酸は、分子内にフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;又はアルコキシ基、アルキル基等の有機基の他;Si、P、O、N等の異種原子を含んでいてもよい。ホウ素原子を有するプロトン酸は、分子内に複数個のホウ素原子を含んでいてもよい。ホウ素原子を有するプロトン酸としては、特に限定されないが、例えば、ホウ酸、ボロン酸、又はボリン酸が好ましい。これらのホウ素原子を有するプロトン酸は、置換されていてもよい。
本発明の実施形態では、「スルホン酸」は、分子内にSOH基(スルホン酸基)を有する化合物であれば特に限定されない。分子内に複数個のスルホン酸基を有していてもよい。本実施形態におけるスルホン酸の概念には、硫酸(HOSOH)も包含される。スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸等を好ましい例をしてあげることができる。
本発明の実施形態では、「カルボン酸」は、分子内にCOH基(カルボン酸基)を有する化合物であれば特に限定されず、分子内に複数個のカルボン酸基を有していてもよい。カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらの中でも、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、及びイタコン酸等のジカルボン酸が好ましく、アジピン酸、イタコン酸、コハク酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸がより好ましい。 上記一般式(E1)において、Re1〜Re3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
e1〜Re3について、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素基;フェニル基等の芳香族炭化水素基;炭化水素基中の水素原子が全てフッ素原子に置換されたトリフルオロメチル基等のフッ素置換炭化水素基;等が挙げられる。上記炭化水素基は、必要に応じて、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子の他;ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO−)、エステル基(−CO−)、カルボニル基(−CO−)、スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO−)、ウレタン基(−NHCO−)等が挙げられる。
e1〜Re3が炭化水素基である場合、それぞれの炭化水素基の炭素数は1〜20であり、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。Re1〜Re3の炭素数が上記範囲内であることにより、非水溶媒との混和性により優れる傾向にある。
e1〜Re3の好ましい例としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フルオロメチル基等の脂肪族炭化水素基;及び、ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、入手性、ハンドリング、及び化学的安定性の観点から、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、又はフルオロメチル基がより好ましい。Re1〜Re3のうちの2つが結合して環を形成していてもよい。環を形成するために、例えば、Re1〜Re3のうちの2つは、置換又は無置換で飽和又は不飽和のアルキレン基であってもよい。
上記シリル基(E1)において、Re1、Re2、及びRe3の炭素数の合計は、5〜20であり、5〜15がより好ましく、5〜10が特に好ましい。シリル基(E1)の炭素数が5〜20である化合物(E)を非水蓄電デバイス用電解液添加剤として使用した場合、電池のサイクル特性の改善効果を維持しつつ、ガス発生を抑制できる。この現象についての詳細なメカニズムは明らかではないが、化合物(E)が正極若しくは負極又はそれらの両方に作用することにより、電池のサイクル特性の改善効果を維持しつつ、入出力特性を向上させ、かつ電解液の分解及びガス発生を抑制することができたと考えられる。
このようなシリル基(E1)としては、特に限定されないが、例えば、
−Si(CH(CHCHCH)、
−Si(CH(CHCH=CH)、
−Si(CH(C(CH)=CH)、
−Si(CH[CH(CH]、
−Si(CH[(CHCH)]、
−Si(CH[CHCH(CH]、
−Si(CH[C(CH]、
−Si(C
−Si(CH=CH
−Si(CH(C)、
−Si(CHCHCH
−Si[CH(CH
−Si(CHCH=CH
−Si(CH[(CHCH]、
−Si[(CHCH
−Si(CH)(C
−Si(CH=CH)(C
−Si[(CHCH
−Si(C
−Si(CH[(CH17CH)]、
等を好ましい例として挙げることができ、
−Si(CH(CHCHCH)、
−Si(CH(CHCH=CH)、
−Si(CH(C(CH)=CH)、
−Si(CH[CH(CH]、
−Si(CH[(CHCH)]、
−Si(CH[CHCH(CH]、
−Si(CH[C(CH]、
−Si(C
−Si(CH=CH
−Si(CH(C)、
−Si(CHCHCH
−Si[CH(CH
−Si(CHCH=CH
−Si(CH[(CHCH]、
−Si[(CHCH
−Si(CH)(C、及び
−Si(CH=CH)(C
がより好ましく、
−Si(CH(CHCHCH)、
−Si(CH(CHCH=CH)、
−Si(CH[CH(CH]、
−Si(CH[C(CH]、
−Si(C
−Si(CH(C)、
−Si(CHCHCH、及び
−Si[CH(CH
が特に好ましい。シリル基(E1)が、このような構造であることにより、該シリル基(E1)を有する化合物(E)のリチウムイオン二次電池中における化学的耐久性がより向上する傾向にある。
化合物(E)において、リン原子及びホウ素原子から選択される1種以上の原子を有するプロトン酸、スルホン酸、並びにカルボン酸から成る群より選ばれる酸が、酸性プロトンを複数個有している場合には、少なくとも1つの酸性プロトンが、シリル基(E1)で置換されていればよい。その場合、化合物(E)は、シリルエステル化合物とも呼ぶこともできる。置換されていない残りの酸性プロトンは、そのまま存在していてもよいし、又はシリル基(E1)以外の官能基で置換されていてもよい。そのような官能基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、又は炭素数1〜20の飽和若しくは不飽和のハロゲン化炭化水素基が好ましい。このような基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。
リン原子及びホウ素原子から選択される1種以上の原子を有するプロトン酸、スルホン酸、並びにカルボン酸から成る群より選ばれる酸は、該酸の有する水素原子の2つが結合して環を形成していてもよい。環を形成するためには、例えば、水素原子の2つが結合して、置換又は無置換で飽和又は不飽和のアルキレン基で置換されることができる。
化合物(E)としては、特に限定されないが、例えば、下記式(E2)〜(E4):
Figure 2016186910
{式中、Mはリン原子又はホウ素原子であり、
mは1〜20の整数であり、
がリン原子の場合、nは0又は1であり、Mがホウ素原子の場合、nは0であり、
E1は上記一般式(E1)で表される基を示し、そして
e4及びRe5は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、及びOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)から成る群より選ばれる基を示す。}、
Figure 2016186910
{式中、Mはリン原子又はホウ素原子であり、
jは2〜20の整数であり、
がリン原子の場合、kは0又は1であり、Mがホウ素原子の場合、kは0であり、そしてRe6は、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、OE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)、及び一般式OP(O)(Re7e8)(式中、lは、0又は1であり、Re7及びRe8は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又はOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を示す。)で表される基から成る群より選ばれる基を示し、ただし、Re6のうちの少なくとも1つはOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を有する。}、
Figure 2016186910
{式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示し、そして
e9は、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。}のそれぞれで表される化合物、並びに
硫酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つが上記一般式(E1)で表される基で置換された化合物
から成る群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
〔一般式(E2)で表される化合物〕
上記一般式(E2)において、Mはリン原子又はホウ素原子であり、mは1〜20の整数であり、かつnは0又は1を示す。Mがリン原子のとき、nは0又は1である。Mがホウ素原子のとき、nは0である。Re4及びRe5は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、及びOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す)から成る群より選ばれる基を示す。
がホウ素原子であり、且つnが0であるとき、一般式(E2)で表される化合物はホウ酸構造となる。
一般式(E2)で表される化合物は、Mがリン原子であるとき、下記一般式(E5):
Figure 2016186910
{式中、m、n、Re4、Re5、及びE1は、それぞれ、上記一般式(E2)において定義されたとおりである。}で表される化合物である。nが0である一般式(E5)で表される化合物は亜リン酸構造となり、nが1である一般式(E5)で表される化合物はリン酸構造となる。
上記一般式(E2)及び上記一般式(E5)において、Re4及びRe5は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、及びOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)から成る群より選ばれる基を示す。
e4及びRe5について、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素基、フェニル基等の芳香族炭化水素;炭化水素基中の水素原子の全てがフッ素原子に置換されたトリフルオロメチル基等のフッ素置換炭化水素基;等が挙げられる。炭化水素基は、必要に応じて、種々の官能基を有していてもよい。このような官能基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトリル基(−CN);エーテル基(−O−);カーボネート基(−OCO−);エステル基(−CO−);カルボニル基(−CO−);スルフィド基(−S−);スルホキシド基(−SO−);スルホン基(−SO−);ウレタン基(−NHCO−);フェニル基;ベンジル基等の芳香族基;等が挙げられる。
e4及びRe5が炭化水素基である場合、その炭素数は1〜20であり、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。該炭化水素基の炭素数が上記範囲内であることにより、非水溶媒との混和性がより優れる傾向にある。
e4及びRe5について、炭化水素基の好ましい例としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フルオロヘキシル基等の脂肪族炭化水基が挙げられる。化学的安定性の観点から、メチル基、エチル基、アリル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、又はフルオロヘキシル基がより好ましい。
e4及びRe5について、「置換されていてもよいアルコキシ基」としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族基を有するアルコキシ基;アルコキシ基中の水素原子がフッ素置換された、トリフルオロメトキシ基、ヘキサフルオロイソプロポキシ基等のフッ素置換アルコキシ基等が挙げられる。アルコキシ基は、必要に応じて、種々の官能基で置換されていてもよい。このような官能基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトリル基(−CN);エーテル基(−O−);カーボネート基(−OCO−);エステル基(−CO−);カルボニル基(−CO−);スルフィド基(−S−);スルホキシド基(−SO−);スルホン基(−SO−);ウレタン基(−NHCO−);フェニル基、ベンジル基等の芳香族基;等が挙げられる。
e4及びRe5について、アルコキシ基の炭素数は、1〜20であり、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。アルコキシ基の炭素数が上記範囲内であることにより、非水溶媒との混和性により優れる傾向にある。
アルコキシ基の好ましい例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ビニルオキシ(vinyloxy)基、アリルオキシ(allyloxy)基、プロポキシ基、ブトキシ基、シアノエトキシ基、フルオロエトキシ基、フルオロプロポキシ基等の脂肪族アルコキシ基が挙げられる。化学的安定性の観点から、メトキシ基、エトキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シアノエトキシ基、フルオロエトキシ基、又はフルオロプロポキシ基が好ましい。
一般式(E2)で表される化合物の具体例としては、
がBであり、mが1である化合物として、例えば、
ホウ酸トリス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
ホウ酸トリス(アリルジメチルシリル)、
ホウ酸トリス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
ホウ酸トリス(ジメチルイソプロピルシリル)、
ホウ酸トリス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
ホウ酸トリス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
ホウ酸トリス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
ホウ酸トリス(ジメチルフェニルシリル)、
ホウ酸トリス(ジフェニルメチルシリル]、
ホウ酸トリス(トリフェニルシリル)、
ホウ酸トリス(トリエチルシリル)、
ホウ酸トリス(トリビニルシリル)、
ホウ酸トリス[トリ(n−プロピル)シリル]、
ホウ酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
ホウ酸トリス(トリアリルシリル)等;を
がPである化合物(すなわち一般式(E5)で表される化合物)として、例えば、
mが1である場合の
リン酸トリス(ジメチル(n−プロピル)シリル)、
リン酸トリス(アリルジメチルシリル)、
リン酸トリス(ジメチル(1−メチルビニル)シリル)、
リン酸トリス(ジメチルイソプロピルシリル)、
リン酸トリス(n−ブチルジメチルシリル)、
リン酸トリス(sec−ブチルジメチルシリル)、
リン酸トリス(tert−ブチルジメチルシリル)、
リン酸トリス(ジメチルフェニルシリル)、
リン酸トリス(ジフェニルメチルシリル)、
リン酸トリス(トリフェニルシリル)、
リン酸トリス(トリエチルシリル)、
リン酸トリス(トリビニルシリル)、
リン酸トリス(トリ(n−プロピル)シリル)、
リン酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
リン酸トリス(トリアリルシリル)、
リン酸モノメチルビス(トリエチルシリル)、
リン酸モノエチルビス(トリエチルシリル)、
リン酸モノ(トリフルオロエチル)ビス(トリエチルシリル)、
リン酸モノ(ヘキサフルオロイソプロピル)ビス(トリエチルシリル)等;及び
亜リン酸トリス(ジメチル(n−プロピル)シリル)、
亜リン酸トリス(アリルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(ジメチル(1−メチルビニル)シリル)、
亜リン酸トリス(ジメチルイソプロピルシリル)、
亜リン酸トリス(n−ブチルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(sec−ブチルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(tert−ブチルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(ジメチルフェニルシリル)、
亜リン酸トリス(ジフェニルメチルシリル)、
亜リン酸トリス(トリフェニルシリル)、
亜リン酸トリス(トリエチルシリル)、
亜リン酸トリス(トリビニルシリル)、
亜リン酸トリス(トリ(n−プロピル)シリル)、
亜リン酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
亜リン酸トリス(トリアリルシリル)、
メチルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
メチルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
メチルホスホン酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
メチルホスホン酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
メチルホスホン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
メチルホスホン酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
メチルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
メチルホスホン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
メチルホスホン酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
メチルホスホン酸ビス(トリフェニルシリル)、
メチルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
メチルホスホン酸ビス(トリビニルシリル)、
メチルホスホン酸ビス[(n−プロピル)シリル]、
メチルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
メチルホスホン酸ビス(トリアリルシリル)、
エチルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
エチルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
エチルホスホン酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
エチルホスホン酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
エチルホスホン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
エチルホスホン酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
エチルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
エチルホスホン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
エチルホスホン酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
エチルホスホン酸ビス(トリフェニルシリル)、
エチルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
エチルホスホン酸ビス(トリビニルシリル)、
エチルホスホン酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
エチルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
エチルホスホン酸ビス(トリアリルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
プロピルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
プロピルホスホン酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
プロピルホスホン酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
プロピルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
プロピルホスホン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
プロピルホスホン酸ビス(トリフェニルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス(トリビニルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
プロピルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス(トリアリルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
ブチルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
ブチルホスホン酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
ブチルホスホン酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
ブチルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
ブチルホスホン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
ブチルホスホン酸ビス(トリフェニルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス(トリビニルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
ブチルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス(トリアリルシリル)等;
mが2である場合の
ピロリン酸テトラキス(ジメチル(n−プロピル)シリル)、
ピロリン酸テトラキス(アリルジメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(ジメチル(1−メチルビニル)シリル)、
ピロリン酸テトラキス(ジメチルイソプロピルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(n−ブチルジメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(sec−ブチルジメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(tert−ブチルジメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(ジメチルフェニルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(ジフェニルメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリフェニルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリエチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリビニルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリ(n−プロピル)シリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリイソプロピルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリアリルシリル)等;
mが3である場合の
トリポリリン酸ペンタキス(ジメチル(n−プロピル)シリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(アリルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(ジメチル(1−メチルビニル)シリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(ジメチルイソプロピルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(n−ブチルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(sec−ブチルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(tert−ブチルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(ジメチルフェニルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(ジフェニルメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリフェニルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリエチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリビニルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリ(n−プロピル)シリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリイソプロピルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリアリルシリル)等;
mが4である場合の
テトラポリリン酸ヘキサキス(ジメチル(n−プロピル)シリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(アリルジメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(ジメチル(1−メチルビニル)シリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(ジメチルイソプロピルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(n−ブチルジメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(sec−ブチルジメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(tert−ブチルジメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(ジメチルフェニルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(ジフェニルメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリフェニルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリエチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリビニルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリ(n−プロピル)シリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリイソプロピルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリアリルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス[トリス(トリフルオロメチル)シリル]等;
を、それぞれ挙げることができる。
これらのうち、サイクル寿命及びガス発生抑制の観点から、
ホウ酸トリス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
ホウ酸トリス(アリルジメチルシリル)、
ホウ酸トリス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
ホウ酸トリス(ジメチルフェニルシリル)、
ホウ酸トリス(トリエチルシリル)、
ホウ酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
リン酸トリス(トリエチルシリル)、
リン酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
リン酸トリス(アリルジメチルシリル)、
リン酸トリス(n−プロピルジメチルシリル)、
リン酸トリス(tert−ブチルジメチルシリル)、
リン酸トリス(フェニルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(トリエチルシリル)、
亜リン酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
亜リン酸トリス(アリルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(n−プロピルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(tert−ブチルジメチルシリル)、
亜リン酸トリス(フェニルジメチルシリル)、
メチルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
メチルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
メチルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
メチルホスホン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
メチルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
メチルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
エチルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
エチルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
エチルホスホン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
エチルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
エチルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
エチルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
プロピルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
プロピルホスホン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
プロピルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
ブチルホスホン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
ブチルホスホン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス(トリエチルシリル)、
ブチルホスホン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリエチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(トリイソプロピルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(アリルジメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(n−プロピルジメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(tert−ブチルジメチルシリル)、
ピロリン酸テトラキス(フェニルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリエチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(トリイソプロピルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(アリルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(n−プロピルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(tert−ブチルジメチルシリル)、
トリポリリン酸ペンタキス(フェニルジメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリエチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(トリイソプロピルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(アリルジメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(n−プロピルジメチルシリル)、
テトラポリリン酸ヘキサキス(tert−ブチルジメチルシリル)、及び
テトラポリリン酸ヘキサキス(フェニルジメチルシリル)
が好ましい。
〔一般式(E3)で表される化合物〕
上記一般式(E3)において、Mはリン原子又はホウ素原子であり、jは2〜20の整数であり、kは0又は1である。Mがリン原子である場合、kは0又は1である。Mがホウ素原子である場合、kは0である。Re6は、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、OE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)、及び一般式OP(O)(Re7e8)(式中、lは0又は1であり、Re7及びRe8は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又はOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を示す。)で表される基から成る群より選ばれる基を示し、ただし、Re6のうちの少なくとも1つはOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を有する。ここで、「Re6のうちの少なくとも1つはOE1基を有する」とは、
e6のうちの少なくとも1つがOE1基であるか、或いは、
e6のうちの少なくとも1つが一般式OP(O)(Re7e8)で表される基であって、かつRe7及びRe8のうちの少なくとも1つがOE1基である
場合をいう。
e6、並びに一般式OP(O)(Re7e8)中のRe7及びRe8の「置換されていてもよい炭化水素基」、及び「置換されていてもよいアルコキシ基」としては、それぞれ、上記一般式(E2)におけるRe4及びRe5と同様である。
一般式(E3)で表される化合物の具体例としては、M2がPである化合物が好ましく、より好ましいものとして、
jが3である場合の
トリメタリン酸トリス(ジメチル(n−プロピル)シリル)、
トリメタリン酸トリス(アリルジメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(ジメチル(1−メチルビニル)シリル)、
トリメタリン酸トリス(ジメチルイソプロピルシリル)、
トリメタリン酸トリス(n−ブチルジメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(sec−ブチルジメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(tert−ブチルジメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(ジメチルフェニルシリル)、
トリメタリン酸トリス(ジフェニルメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(トリフェニルシリル)、
トリメタリン酸トリス(トリエチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(トリビニルシリル)、
トリメタリン酸トリス(トリ(n−プロピル)シリル)、
トリメタリン酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
トリメタリン酸トリス(トリアリルシリル)等;
jが4である場合の
テトラメタリン酸テトラキス(ジメチル(n−プロピル)シリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(アリルジメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(ジメチル(1−メチルビニル)シリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(ジメチルイソプロピルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(n−ブチルジメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(sec−ブチルジメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(tert−ブチルジメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(ジメチルフェニルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(ジフェニルメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(トリフェニルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(トリエチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(トリビニルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(トリ(n−プロピル)シリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(トリイソプロピルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(トリアリルシリル)等を挙げることができる他;
ポリリン酸ジメチル(n−プロピル)シリル、
ポリリン酸アリルジメチルシリル、
ポリリン酸ジメチル(1−メチルビニル)シリル、
ポリリン酸ジメチルイソプロピルシリル、
ポリリン酸(n−ブチル)ジメチルシリル、
ポリリン酸(sec−ブチル)ジメチルシリル、
ポリリン酸(tert−ブチル)ジメチルシリル、
ポリリン酸ジメチルフェニルシリル、
ポリリン酸ジフェニルメチルシリル、
ポリリン酸トリフェニルシリル、
ポリリン酸トリエチルシリル、
ポリリン酸トリビニルシリル、
ポリリン酸トリ(n−プロピル)シリル、
ポリリン酸トリイソプロピルシリル、
ポリリン酸トリアリルシリル
等の、環状又は鎖状構造を有する縮合リン酸シリル化合物の混合物を挙げることができる。
これらのうち、サイクル寿命及びガス発生抑制の観点から、
トリメタリン酸トリス(トリエチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(トリイソプロピルシリル)、
トリメタリン酸トリス(アリルジメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(n−プロピルジメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(tert−ブチルジメチルシリル)、
トリメタリン酸トリス(フェニルジメチルシリル)
テトラメタリン酸テトラキス(トリエチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(トリイソプロピルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(アリルジメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(n−プロピルジメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(tert−ブチルジメチルシリル)、
テトラメタリン酸テトラキス(フェニルジメチルシリル)
ポリリン酸トリエチルシリル、
ポリリン酸トリイソプロピルシリル、
ポリリン酸アリルジメチルシリル、
ポリリン酸(n−プロピルジメチルシリル)、
ポリリン酸(tert−ブチルジメチルシリル)、及び
ポリリン酸フェニルジメチルシリル
がより好ましい。
〔一般式(E4)で表される化合物〕
上記一般式(E4)において、Re9は、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
e9における「置換されていてもよい炭化水素基」については、上記一般式(E2)におけるRe4及びRe5と同様であることができる他;下記一般式(E6):
Figure 2016186910
{式中、Re10は、置換されていてもよい2価の炭化水素基を示し、Re11は置換されていてもよい炭化水素基、又はシリル基(E1)を示す。ただし、Re10の炭素数とRe11の炭素数との合計は1〜19である。}で表される基を、好ましい例として挙げることができる。この場合、上記一般式(E4)で表される化合物の基本骨格は、ジカルボン酸誘導体構造となる。RE9が一般式(E6)で表される基ではない場合の一般式(E4)で表される化合物の基本骨格は、カルボン酸誘導体構造である。
上記一般式(E6)において、Re10としては、化合物(E)の化学的安定性の観点から、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニル基、フルオロメチレン基、フルオロエチレン基、フルオロプロピレン基、又はフルオロブチレン基が挙げられる。
上記一般式(E6)において、Ra11としては、化合物(E)の化学的安定性の観点から、好ましくは、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、又はトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基が挙げられ、より好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基が挙げられる。
一般式(E4)で表される化合物の具体例としては、
カルボン酸誘導体構造を有する例として、例えば、
酢酸[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
酢酸(アリルジメチルシリル)、
酢酸[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
酢酸(ジメチルイソプロピルシリル)、
酢酸[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
酢酸[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
酢酸[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
酢酸(ジメチルフェニルシリル)、
酢酸(ジフェニルメチルシリル]、
酢酸(トリフェニルシリル)、
酢酸(トリエチルシリル)、
酢酸(トリビニルシリル)、
酢酸[トリ(n−プロピル)シリル]、
酢酸(トリイソプロピルシリル)、
酢酸(トリアリルシリル)等;
ジカルボン酸誘導体構造を有する例として、例えば、
シュウ酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
シュウ酸ビス(アリルジメチルシリル)、
シュウ酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
シュウ酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
シュウ酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
シュウ酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
シュウ酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
シュウ酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
シュウ酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
シュウ酸ビス(トリフェニルシリル)、
シュウ酸ビス(トリエチルシリル)、
シュウ酸ビス(トリビニルシリル)、
シュウ酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
シュウ酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
シュウ酸ビス(トリアリルシリル)、
マロン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
マロン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
マロン酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
マロン酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
マロン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
マロン酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
マロン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
マロン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
マロン酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
マロン酸ビス(トリフェニルシリル)、
マロン酸ビス(トリエチルシリル)、
マロン酸ビス(トリビニルシリル)、
マロン酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
マロン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
マロン酸ビス(トリアリルシリル)、
コハク酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
コハク酸ビス(アリルジメチルシリル)、
コハク酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
コハク酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
コハク酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
コハク酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
コハク酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
コハク酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
コハク酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
コハク酸ビス(トリフェニルシリル)、
コハク酸ビス(トリエチルシリル)、
コハク酸ビス(トリビニルシリル)、
コハク酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
コハク酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
コハク酸ビス(トリアリルシリル)、
イタコン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
イタコン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
イタコン酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
イタコン酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
イタコン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
イタコン酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
イタコン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
イタコン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
イタコン酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
イタコン酸ビス(トリフェニルシリル)、
イタコン酸ビス(トリエチルシリル)、
イタコン酸ビス(トリビニルシリル)、
イタコン酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
イタコン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
イタコン酸ビス(トリアリルシリル)、
アジピン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
アジピン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
アジピン酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
アジピン酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
アジピン酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
アジピン酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
アジピン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
アジピン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
アジピン酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
アジピン酸ビス(トリフェニルシリル)、
アジピン酸ビス(トリエチルシリル)、
アジピン酸ビス(トリビニルシリル)、
アジピン酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
アジピン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
アジピン酸ビス(トリアリルシリル)、
フタル酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
フタル酸ビス(アリルジメチルシリル)、
フタル酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
フタル酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
フタル酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
フタル酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
フタル酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
フタル酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
フタル酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
フタル酸ビス(トリフェニルシリル)、
フタル酸ビス(トリエチルシリル)、
フタル酸ビス(トリビニルシリル)、
フタル酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
フタル酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
フタル酸ビス(トリアリルシリル)、
イソフタル酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
イソフタル酸ビス(アリルジメチルシリル)、
イソフタル酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
イソフタル酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
イソフタル酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
イソフタル酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
イソフタル酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
イソフタル酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
イソフタル酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
イソフタル酸ビス(トリフェニルシリル)、
イソフタル酸ビス(トリエチルシリル)、
イソフタル酸ビス(トリビニルシリル)、
イソフタル酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
イソフタル酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
イソフタル酸ビス(トリアリルシリル)、
テレフタル酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
テレフタル酸ビス(アリルジメチルシリル)、
テレフタル酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
テレフタル酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
テレフタル酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
テレフタル酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
テレフタル酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
テレフタル酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
テレフタル酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
テレフタル酸ビス(トリフェニルシリル)、
テレフタル酸ビス(トリエチルシリル)、
テレフタル酸ビス(トリビニルシリル)、
テレフタル酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
テレフタル酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
テレフタル酸ビス(トリアリルシリル)等;
を、それぞれ挙げることができる。
これらのうち、サイクル寿命及びガス発生抑制の観点から、
酢酸又は炭素数2〜8のジカルボン酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つがシリル基(E1)で置換された化合物が好ましく、
酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、又はテレフタル酸の有する酸性プロトンの全部がシリル基(E1)で置換された化合物がより好ましい。具体的には、
酢酸[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
酢酸(アリルジメチルシリル)、
酢酸[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
酢酸(ジメチルフェニルシリル)、
酢酸(トリエチルシリル)、
酢酸(トリイソプロピルシリル)、
シュウ酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
シュウ酸ビス(アリルジメチルシリル)、
シュウ酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
シュウ酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
シュウ酸ビス(トリエチルシリル)、
シュウ酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
マロン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
マロン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
マロン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
マロン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
マロン酸ビス(トリエチルシリル)、
マロン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
コハク酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
コハク酸ビス(アリルジメチルシリル)、
コハク酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
コハク酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
コハク酸ビス(トリエチルシリル)、
コハク酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
イタコン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
イタコン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
イタコン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
イタコン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
イタコン酸ビス(トリエチルシリル)、
イタコン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
アジピン酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
アジピン酸ビス(アリルジメチルシリル)、
アジピン酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
アジピン酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
アジピン酸ビス(トリエチルシリル)、
アジピン酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
フタル酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
フタル酸ビス(アリルジメチルシリル)、
フタル酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
フタル酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
フタル酸ビス(トリエチルシリル)、
フタル酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
イソフタル酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
イソフタル酸ビス(アリルジメチルシリル)、
イソフタル酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
イソフタル酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
イソフタル酸ビス(トリエチルシリル)、
イソフタル酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
テレフタル酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
テレフタル酸ビス(アリルジメチルシリル)、
テレフタル酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
テレフタル酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
テレフタル酸ビス(トリエチルシリル)、及び
テレフタル酸ビス(トリイソプロピルシリル);
を、より好ましいものとして例示できる。
〔スルホン酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つがシリル基(E1)で置換された化合物〕
この類型の化合物(E)としては、
硫酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つがシリル基(E1)で置換された化合物が好ましく、
硫酸の有する酸性プロトンの全部がシリル基(E1)で置換された化合物がより好ましい。このような化合物の具体例としては、例えば、
硫酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
硫酸ビス(アリルジメチルシリル)、
硫酸ビス[ジメチル(1−メチルビニル)シリル]、
硫酸ビス(ジメチルイソプロピルシリル)、
硫酸ビス[(n−ブチル)ジメチルシリル]、
硫酸ビス[(sec−ブチル)ジメチルシリル]、
硫酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
硫酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
硫酸ビス(ジフェニルメチルシリル]、
硫酸ビス(トリフェニルシリル)、
硫酸ビス(トリエチルシリル)、
硫酸ビス(トリビニルシリル)、
硫酸ビス[トリ(n−プロピル)シリル]、
硫酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
硫酸ビス(トリアリルシリル)等を挙げることができる。
これらのうち、サイクル寿命及びガス発生抑制の観点から、
硫酸ビス[ジメチル(n−プロピル)シリル]、
硫酸ビス(アリルジメチルシリル)、
硫酸ビス[(tert−ブチル)ジメチルシリル]、
硫酸ビス(ジメチルフェニルシリル)、
硫酸ビス(トリエチルシリル)、及び
硫酸ビス(トリイソプロピルシリル)、
がより好ましい。
上記で列挙した化合物(E)は、非水蓄電デバイス用電解液の添加剤として好適である。添加剤としての化合物(E)は、上記で列挙した化合物をそれぞれ単独で使用することができ、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
化合物(E)の含有量は、電解液100質量%に対して、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは0.010質量%以上10質量%以下であり、更に好ましくは0.020質量%以上10質量%以下であり、特に好ましくは0.050質量%以上8.0質量%以下であり、とりわけ好ましくは0.10質量%以上5.0質量%以下であり、就中0.20質量%以上4.0質量%以下であることが好ましい。化合物(E)の含有量が0.010質量%以上であることにより、化合物(E)を添加することの効果が発現し、リチウムイオン二次電池においてサイクル寿命がより向上する傾向にある。化合物(E)の含有量が10質量%以下であることにより、電池出力がより向上する傾向にある。これらの化合物(E)の電解液中の含有量は、NMR測定により確認することができる。リチウムイオン二次電池中の電解液中の化合物(E)の含有量も、上記と同様に、NMR測定により確認することができる。
〔その他の添加剤〕
本実施形態の電解液は、上記以外の添加剤を、必要に応じて、含有することができる。
このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、エチレンスルファイト、プロパンスルトン、スクシノニトリル等が挙げられる。電解液がこのような添加剤を含むことにより、リチウムイオン二次電池のサイクル特性がより向上する傾向にある。
本実施形態の電解液は、非水蓄電デバイス用電解液として好適に用いられる。ここで、「非水蓄電デバイス」とは、蓄電デバイス中の電解液における溶媒として水を用いない蓄電デバイスをいう。非水蓄電デバイスの一例として、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、及びリチウムイオンキャパシタが挙げられる。これらの中でも、実用性及び耐久性の観点から、リチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタが好ましく、より好ましくはリチウムイオン二次電池である。
〔リチウムイオン二次電池〕
本実施形態のリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)は、上記電解液と、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極とを備える。この電池は、上述の電解液を備える以外は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成を有していてもよい。
〔正極〕
正極は、リチウムイオン二次電池の正極として作用するものであれば特に限定されない。従って、公知の正極を用いることができる。正極は、正極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料の1種以上を含有することが好ましい。
(正極活物質)
本実施形態の電池は、より高い電圧を実現する観点から、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質を含有する正極を備えることがより好ましい。このような正極を備えた場合であっても、本実施形態の電池は、高電圧で作動し、かつ、リサイクル寿命の向上を可能にする点で有用である。ここで、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質とは、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位でリチウムイオン二次電池の正極として充電及び放電反応を起こし得る正極活物質であり、0.1Cの定電流放電時の放電容量が活物質の質量1gに対して10mAh以上であるものである。よって、正極活物質が、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有していればよく、4.3V(vsLi/Li+)以下の電位において放電容量を有していても何ら差支えない。
本実施形態において、正極活物質の放電容量は、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位において、好ましくは10mAh/g以上であり、より好ましくは15mAh/g以上であり、更に好ましくは20mAh/g以上である。正極活物質の放電容量が上記範囲内であることにより、高電圧で駆動することができ、従って高いエネルギー密度を達成することができる。4.2V(vsLi/Li+)以上の電位における正極活物質の放電容量の上限は、特に限定されないが、400mAh/g以下が好ましい。正極活物質の放電容量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記4.2V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。正極活物質として、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質と、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有しない正極活物質とを組み合わせて用いることもできる。4.2V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有しない正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、LiFePO、LiV等が挙げられる。
本実施形態における好ましい正極活物質としては、例えば、下記式(5)で表される酸化物、下記式(6)で表される酸化物、下記式(7)で表される複合酸化物、下記式(8)で表される化合物、及び下記式(9)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。このような正極活物質を用いることにより、正極活物質の構造安定性がより優れる傾向にある。
LiMn2−xMa (5)
{式中、Maは遷移金属を示し、そして
xは0.2≦x≦0.7の範囲内にある数である。}
LiMeO (6)
{式中、Meは遷移金属を示す。}
zLiMcO−(1−z)LiMdO (7)
{式中、Mc及びMdは、それぞれ独立に、遷移金属から選ばれる1種以上を示し、そして
zは0.1≦z≦0.9の範囲内にある数である。}
LiMb1−yFePO (8)
{式中、Mbは、Mn及びCoから成る群より選ばれる1種以上を示し、そして
yは0≦y≦0.9の範囲内にある数である。}
LiMfPOF (9)
{式中、Mfは、遷移金属示す。}
上記式(5)で表される酸化物としては、特に限定されないが、例えば、スピネル型酸化物が好ましく、下記式(5a)又は下記式(5b)で表される酸化物がより好ましい。
LiMn2−xNi (5a)
{上記式(5a)中、xは0.2≦x≦0.7を満たす。}
LiMn2−xNi (5b)
{上記式(5b)中、xは0.3≦x≦0.6を満たす。}
上記式(5a)又は上記式(5b)で表される酸化物としては、特に限定されないが、例えば、LiMn1.5Ni0.5が挙げられる。このような式(5)で表されるスピネル型酸化物を用いることにより、安定性により優れる傾向にある。
上記式(5)で表される酸化物は、正極活物質の安定性、電子伝導性等の観点から、Mn原子のモル数に対して10モル%以下の範囲で、上記構造以外に、更に遷移金属を含有してもよい。上記式(5)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記式(6)で表される酸化物としては、特に限定されないが、例えば、層状酸化物であることが好ましく、下記式(6a)で表される酸化物であることがより好ましい。
LiMn1−v−wCoNi (6a)
{式中、vは0.1≦v≦0.4の範囲内にある数であり、そして
wは0.1≦w≦0.8の範囲内にある数である。}
LiCoO (6b)
LiNi1−u−tCoAl (6c)
{式中、0.1≦u≦0.2、0.01≦u≦0.1である。}
式(6a)で表される層状酸化物としては、特に限定されないが、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.7Co0.2Mn0.1、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、等が挙げられる。上記式(6c)で表される層状酸化物としては、LiNi0.8Co0.15Al0.05等が挙げられる。このような式(6)で表される化合物を用いることにより、正極活物質の安定性がより向上する傾向にある。式(6)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記式(7)で表される複合酸化物としては、特に限定されないが、例えば、複合層状酸化物であることが好ましく、下記式(7a)で表される複合酸化物であることがより好ましい。
zLiMnO−(1−z)LiNiMnCo (7a)
{上記式(7a)中、zは0.3≦z≦0.7を満たし、
a、b、及びcは、a+b+c=1、0.2≦a≦0.6、及び0.2≦b≦0.6、0.05≦c≦0.4を満たす。}
この中でも、上記式(7a)において、0.4≦z≦0.6、a+b+c=1、0.3≦a≦0.4、0.3≦b≦0.4、及び0.2≦c≦0.3の関係を見たsる複合酸化物がより好ましい。このような式(7)で表される複合酸化物を用いることにより、安定性により優れる傾向にある。式(7)で表される複合酸化物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記式(8)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、オリビン型化合物が好ましく、下記式(8a)及び下記式(8b)のそれぞれで表される化合物がより好ましい。
LiMn1−yFePO (8a)
{式中、yは0.05≦y≦0.8の範囲内にある数である。}
LiCo1−yFePO (8b)
{式中、yは0.05≦y≦0.8の範囲内にある数である。}
このような式(8)で表される化合物を用いることにより、得られる電解液が安定性及び電子伝導性により優れる傾向にある。上記式(8)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記式(9)で表される化合物は、フッ化オリビン型の正極活物質として使用することができる。このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、LiFePOF、LiMnPOF及びLiCoPOFが好ましい。このような式(9)で表される化合物を用いることにより、安定性により優れる傾向にある。式(9)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(満充電時におけるリチウム基準の正極電位)
本実施形態のリチウムイオン二次電池の満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、好ましくは4.2V(vsLi/Li+)以上であり、より好ましくは4.25V(vsLi/Li+)以上であり、更に好ましくは4.3V(vsLi/Li+)以上である。満充電時における正極電位が4.2V(vsLi/Li+)以上であることにより、リチウムイオン二次電池の有する正極活物質の充放電容量を効率的に活用できる傾向にある。満充電時における正極電位が4.2V(vsLi/Li+)以上であることにより、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度がより向上する傾向にある。満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、満充電時における電池の電圧を制御することにより制御することができる。
満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、満充電状態のリチウムイオン二次電池をArグローブボックス中で解体し、正極を取り出し、対極に金属リチウムを用いて再度電池を組み、電圧を測定する手法によって容易に測定することができる。また、負極に炭素負極活物質を用いる場合には、満充電時の炭素負極活物質の電位が0.05V(vsLi/Li+)であることから、満充電時におけるリチウムイオン二次電池の電圧(Va)に0.05Vを足すことにより、満充電時における正極の電位を算出することができる。例えば、負極に炭素負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において、満充電時におけるリチウムイオン二次電池の電圧(Va)が4.2Vであった場合、満充電時の正極の電位は、4.2V+0.05V=4.25Vと算出することができる。
(正極活物質の製造方法)
正極活物質は、一般的な無機酸化物の製造方法と同様の方法により製造できる。正極活物質の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、金属塩(例えば硫酸塩及び/又は硝酸塩)を所定の割合で混合した混合物を、酸素を含む雰囲気環境下で焼成することにより、無機酸化物を含む正極活物質を得る方法;
金属塩を溶解させた液に炭酸塩及び/又は水酸化物塩を作用させて難溶性の金属塩を析出させ、それを抽出分離したものに、リチウム源として炭酸リチウム及び/又は水酸化リチウムを混合した後、酸素を含む雰囲気環境下で焼成する方法
等により、無機酸化物を含む正極活物質を得ることができる。
(正極の製造方法)
正極の製造方法の一例を以下に示す。
先ず、上記正極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤、バインダー等を加えて混合した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを、極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し厚さを調整することによって、正極を作製することができる。正極集電体としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔等の金属箔により構成されるものが挙げられる。
〔負極〕
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、負極を有する。
負極は、リチウムイオン二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料の1種以上を含有することが好ましい。このような負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、炭素負極活物質;ケイ素合金負極活物質及びスズ合金負極活物質に代表されるリチウムと合金形成が可能な元素を含む負極活物質;ケイ素酸化物負極活物質;スズ酸化物負極活物質;チタン酸リチウム負極活物質に代表されるリチウム含有化合物等が挙げられる。これらの負極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記の炭素負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド、及びカーボンブラックが挙げられる。コークスとしては、特に限定されないが、例えば、ピッチコークス、ニードルコークス、及び石油コークスが挙げられる。有機高分子化合物の焼成体としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、フラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものが挙げられる。
リチウムと合金を形成可能な元素を含む負極活物質としては、特に限定されないが、金属又は半金属の単体であってもよいし、合金や化合物であってもよい。これらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものであってもよい。なお、本明細書において、「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを有するものも含まれる。合金には、全体として金属の性質を有するものであれば非金属元素が含まれていてもよい。
金属元素及び半金属元素としては、特に限定されないが、例えば、チタン(Ti)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ケイ素(Si)
、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニ
ウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、及びイットリウム(Y)が挙げられる。これらの中でも、長周期型周期表における4族又は14族の金属元素及び半金属元素が好ましく、特に好ましくはチタン、ケイ素、及びスズである。
(負極の製造方法)
負極は、例えば、下記のようにして得られる。
先ず、上記負極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤、バインダー等を加えて混合した負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを、負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し厚みを調整することによって、負極を作製することができる。
負極集電体は、特に限定されないが、例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔により構成されるものが挙げられる。
(正極及び負極における任意成分)
正極及び負極の作製において、必要に応じて用いられる導電助剤としては、特に限定されないが、例えば、グラファイト、アセチレンブラック及びケッチェンブラック等のカーボンブラック、並びに炭素繊維が挙げられる。
正極及び負極の作製において、必要に応じて用いられるバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム及びフッ素ゴムが挙げられる。
〔セパレータ〕
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正負極の短絡防止、シャットダウン等の安全性付与の観点から、正極と負極との間にセパレータを備えることが好ましい。セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、公知のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様のものを用いることができる。この中でも、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。
セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、及び合成樹脂製微多孔膜が挙げられ、これらの中でも、合成樹脂製微多孔膜が好ましい。不織布としては、特に限定されないが、例えば、セラミック製、ポリオレフィン製、ポリエステル製、ポリアミド製、液晶ポリエステル製、アラミド製等の耐熱樹脂製の多孔膜が挙げられる。合成樹脂製微多孔膜としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜、又はこれらのポリオレフィンを共に含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が挙げられる。セパレータは、1種の微多孔膜を単層又は複数積層したものであってもよく、2種以上の微多孔膜を積層したものであってもよい。
〔リチウムイオン二次電池の形態〕
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、特に限定されないが、例えば、セパレータと、そのセパレータを両側から挟む正極と負極と、更にそれらの積層体を挟む正極集電体(正極の外側に配置)と、負極集電体(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装とを備える。正極とセパレータと負極とを積層した積層体は、本実施形態の電解液に含浸されている。
図1は、本実施形態のリチウムイオン二次電池の一例を概略断面図で示すものである。図1に示されるリチウムイオン二次電池100は、セパレータ110と、そのセパレータ110を両側から挟む正極120と負極130と、更にそれらの積層体を挟む正極集電体140(正極の外側に配置)と、負極集電体150(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装160とを備える。正極120とセパレータ110と負極130とを積層した積層体は、電解液に含浸されている。
〔電解液の調製方法〕
本実施形態の電解液は、各成分を公知の手法により混合する手法により所定の組成となるよう調製してもよいし、電解液中における反応により所定の組成となるよう調製してもよい。
〔リチウムイオン二次電池の製造方法〕
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上述の電解液、正極、及び負極、並びに必要に応じてセパレータを用いて、公知の方法により作製することができる。例えば、正極と負極とを、その間にセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体に成形するか、又は
それらの折り曲げ、複数層の積層等によって、交互に積層した複数の正極と負極との間にそれぞれセパレータが介在する積層体に成形し、
次いで、電池ケース(外装)内にその積層体を収容して、本実施形態の電解液をケース内部に注液し、上記積層体を上記電解液に浸漬して封印することにより、リチウムイオン二次電池を作製することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されず、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形、ラミネート形等が好適に採用される。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)LiNi0.5Mn1.5正極を用いたリチウムイオン二次電池(リチウムイオン二次電池(1))による電池性能評価
<正極活物質の合成>
遷移金属元素のモル比として1:3の割合となる量の硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lになるようにニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。次いで、このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液1,650mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分かけて滴下した。滴下中は、攪拌の下、200mL/minの流量の空気を水溶液中に吹き込んでバブリングした。
上記の操作により、析出物質が生成した。得られた析出物質を回収し、蒸留水で十分洗浄したうえで乾燥して、ニッケルマンガン化合物を得た。得られたニッケルマンガン化合物と、粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量し、1時間乾式混合して混合物を得た。得られた混合物について、酸素雰囲気下、1,000℃において5時間焼成することにより、LiNi0.5Mn1.5で表される正極活物質を得た。
<正極の作製>
上述のようにして得られた正極活物質と、導電助剤としてグラファイトの粉末(TIMCAL社製、商品名「KS−6」)及びアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製、商品名「HS−100」)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製、商品名「L#7208」)とを、80:5:5:10の固形分質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを、固形分35質量%となるように投入して更に混合して、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜くことにより、正極を得た。
なお、上記により得られた正極と、負極としての金属Liと、電解液としてエチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPF塩を1mol/L含有させた溶液とを、それぞれ用いて作製したハーフセルについて、0.02Cで4.85Vまで充電した後、0.1Cで放電することにより、上記正極活物質が4.3V(vsLi/Li+)以上の電位において111mAh/gの放電容量を有することを確認した。
<負極の作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名「SFG6」)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いくことにより、負極を得た。
<電池の作製>
上述のようにして作製した正極と負極とをポリプロピレン製の微多孔膜からなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に挿入した。次いで、この外装体内に、各実施例又は比較例で調製した電解液を0.2mL注入して、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉することにより、リチウムイオン二次電池(1)を作製した。
<電池性能評価>
得られたリチウムイオン二次電池(1)を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)内に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続したうえで、20時間静置した。20時間後、その電池を0.2Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で8時間充電を継続し、その後更に0.2Cの定電流で3.0Vまで放電する手法により、初期充放電を行った。
上記初期充放電後の電池を、50℃に設定した恒温槽中で、1.0Cの定電流で4.8Vまで充電した後、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電した。この一連の充放電を1サイクルとし、更に29サイクルの充放電を繰り返し、全部で30サイクルのサイクル充放電を行った。
この時の1サイクル目及び30サイクル目の正極活物質質量当たりの放電容量を調べた。
(2)LiNi1/3Mn1/3Co1/3正極を用いたリチウムイオン二次電池(リチウムイオン二次電池(2))による電池性能評価
<正極の作製>
正極活物質としてのLiNi1/3Mn1/3Co1/3と、導電助剤としてのアセチレンブラックの粉末と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン溶液とを、90:6:4の固形分質量比で混合し、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分40質量%となるように添加して更に混合して、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜くことにより、正極を得た。
なお、上記により得られた正極と、負極としての金属Liと、電解液としてエチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液とをそれぞれ用いて作製したハーフセルについて、0.02Cで4.6Vまで充電した後、0.1Cで放電することにより、上記の正極活物質が4.4V(vsLi/Li+)以上の電位において23mAh/gの放電容量を有することを確認した。
<負極の作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名「SFG6」)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いて負極を得た。
<電池の作製>
上述のようにして作製した正極と負極とをポリプロピレン製の微多孔膜からなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に挿入した。次いで、外装体内に、各実施例又は比較例で調製した電解液を0.2mL注入し、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉することにより、リチウムイオン二次電池(2)を作製した。
<電池性能評価>
得られたリチウムイオン二次電池(2)を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続したうえで、20時間静置した。20時間静置後の電池を、0.2Cの定電流で充電し、4.4Vに到達した後、4.4Vの定電圧で更に8時間充電し、その後0.2Cの定電流で3.0Vまで放電する手法により、初期充放電を行った。
上記初期充放電後の電池について、50℃に設定した恒温槽中で、1.0Cの定電流で4.4Vまで充電した後、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電した。この一連の充放電を1サイクルとし、更に99サイクルの充放電を繰り返し、全部で100サイクルのサイクル充放電を行った。
この時の1サイクル目及び100サイクル目の正極活物質質量当たりの放電容量を調べた。
[実施例1]
<電解液の調製>
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製、LBG00069)9.95gに、FSi(Cを0.05g含有させ、電解液Aを得た。電解液A中のFSi(Cの含有量は0.5質量%であり、LiPFの含有量は13質量%であった。
<リチウムイオン二次電池(1)の作製及び性能評価>
電解液Aを用いて、上記(1)の方法によりリチウムイオン二次電池(1)を作製し、電池性能評価を行った。その結果、電解液Aを備えるリチウムイオン二次電池(1)の1サイクル目の放電容量は104mAh/gであり、30サイクル目の放電容量は83mAh/gであり、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は80%であった。
本実施例におけるリチウムイオン二次電池(1)を4.8V(満充電)まで充電した後、Arグローブボックス中で解体して正極を取り出し、対極に金属リチウムを用いて再度電池を組み、正極の電位を測定した。その結果、満充電時におけるリチウム基準の正極電位は4.85V(vsLi/Li)であった。
<リチウムイオン二次電池(2)の作製及び性能評価>
電解液Aを用いて、上記(2)の方法で、リチウムイオン二次電池(2)を作製し、電池性能評価を行った。その結果、電解液Aを備えるリチウムイオン二次電池(2)の1サイクル目の放電容量は166mAh/gであり、100サイクル目の放電容量は126mAh/gであり、100サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は76%であった。
なお、本実施例におけるリチウムイオン二次電池(2)を4.4V(満充電)まで充電した後、Arグローブボックス中で解体して正極を取り出し、対極に金属リチウムを用いて再度電池を組み、正極の電位を測定した。その結果、満充電時におけるリチウム基準の正極電位は4.45V(vsLi/Li+)であった。
[実施例2〜10及び比較例1]
上記実施例1において、電解液の組成をそれぞれ表1に記載のとおりとした他は実施例1と同様にして、電解液B〜J及びaを調製した。これらの電解液のそれぞれを用いて、リチウムイオン二次電池(1)及び(2)を作製し、電池性能を評価した。
ここで、実施例3〜5及び9(電解液C〜E及びI)においては表1記載の種類及び量のリチウム塩(リチウム塩(C)及び(F))を、
実施例7〜9(電解液G〜I)においては表1記載の種類及び量の化合物(E)を、
それぞれ更に用いた。
評価結果は、表2に示した。
Figure 2016186910
Figure 2016186910
上記の結果から明らかなように、本発明所定の化合物(D)を含有する電解液を用いることにより、満充電時の電位が4.85V(vsLi/Li+)の高電位の正極を用いた場合(リチウムイオン二次電池(1)の場合)、及び
満充電時の電位が4.45V(vsLi/Li+)の高電位の正極を用いた場合(リチウムイオン二次電池(2)の場合)
の双方において、サイクル寿命を大幅に改善できることがわかる。
以上のことから、本発明によれば、4.2V(vsLi/Li+)以上の高電圧で作動する正極活物質を含有する正極を備える場合でも、高いサイクル寿命を有するリチウムイオン二次電池が実現されることが検証された。
本発明の非水蓄電デバイス用電解液、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池は、各種民生用機器用電源、自動車用電源等へ、好適に利用することができる。
100 リチウムイオン二次電池
110 セパレータ
120 正極
130 負極
140 正極集電体
150 負極集電体
160 電池外装

Claims (13)

  1. 非水溶媒、
    リチウム塩(A)、並びに、
    下記式(10)及び下記式(11):
    SiX (10)
    {式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R、R、及びRの炭素数の合計は5〜20であり、そして、Xはハロゲン原子を示す。}
    Si(X (11)
    {式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R及びRの炭素数の合計が4〜20であり、そして
    は、ハロゲン原子を示す。}のそれぞれで表される化合物から成る群より選ばれる1種以上の化合物(D)
    を含有する電解液であって、
    前記化合物(D)の含有量が、電解液100質量%に対して0.001質量%以上3質量%以下である、前記電解液。
  2. リン原子及びホウ素原子から選ばれる1種以上の原子を有するプロトン酸、スルホン酸、並びにカルボン酸からなる群より選ばれる酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つが下記式(E1):
    Figure 2016186910
    {式中、Re1、Re2、及びRe3は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、且つRe1、Re2、及びRe3の炭素数の合計が5〜20である。}で表される基で置換された化合物(E)を更に含有する、請求項1に記載の電解液。
  3. 前記化合物(E)が、下記式(E2)〜(E4):
    Figure 2016186910
    {式中、Mはリン原子又はホウ素原子であり、
    mは1〜20の整数であり、
    がリン原子の場合、nは0又は1であり、Mがホウ素原子の場合、nは0であり、
    E1は上記一般式(E1)で表される基を示し、そして
    e4及びRe5は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、及びOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)から成る群より選ばれる基を示す。}、
    Figure 2016186910
    {式中、Mはリン原子又はホウ素原子であり、
    jは2〜20の整数であり、
    がリン原子の場合、kは0又は1であり、Mがホウ素原子の場合、kは0であり、そして
    e6は、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、OE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)、及び一般式OP(O)(Re7e8)(式中、lは、0又は1であり、Re7及びRe8は、それぞれ独立に、OH基、OLi基、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又はOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を示す。)で表される基から成る群より選ばれる基を示し、ただし、Re6のうちの少なくとも1つはOE1基(式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示す。)を有する。}、
    Figure 2016186910
    {式中、E1は上記一般式(E1)で表される基を示し、そして
    e9は置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。}のそれぞれで表される化合物、並びに
    硫酸の有する酸性プロトンのうちの少なくとも1つが上記一般式(E1)で表される基で置換された化合物
    から成る群より選ばれる1種以上である、請求項2に記載の電解液。
  4. 前記化合物(E)の含有量が、電解液100質量%に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項2又は3に記載の電解液。
  5. 前記リチウム塩(A)が、LiPF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiPF(C2k+16−n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF(C)、及びLiPF(Cから成る群より選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. 前記リチウム塩(A)が、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液。
  7. 前記リチウム塩(A)が、下記式(4):
    Figure 2016186910
    {上記式(4)中、Xは、それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子からなる群より選ばれるハロゲン原子を示し、
    10は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1から10の炭化水素基を示し、bは0又は1の整数を示し、そして
    nは0〜2の整数を示す。}で表されるリチウム塩(C)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液。
  8. 前記非水溶媒が、環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解液。
  9. 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含み、
    前記鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項8に記載の電解液。
  10. 正極活物質を含有する正極と、
    負極活物質を含有する負極と、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の電解液と、
    を具備する、リチウムイオン二次電池。
  11. 前記正極活物質が、4.2V(vsLi/Li+)以上の電位において10mAh/g以上の放電容量を有するものである、請求項10に記載のリチウムイオン二次電池。
  12. 前記正極活物質が、
    下記式(5):
    LiMn2−xMa (5)
    {式中、Maは遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そして
    xは0.2≦x≦0.7の範囲内にある数である。}で表される酸化物;
    下記式(6):
    LiMeO (6)
    {式中、Meは遷移金属を示す。}で表される酸化物;
    下記式(7):
    zLiMcO−(1−z)LiMdO (7)
    {式中、Mc及びMdは、それぞれ独立に、遷移金属を示し、そして
    zは0.1≦z≦0.9の範囲内にある数である。}で表される複合酸化物;
    下記式(8):
    LiMb1−yFePO (8)
    {式中、Mbは、Mn及びCoから成る群より選ばれる1種以上を示し、そして
    yは0≦y≦0.9の範囲内にある数である。}で表される化合物;及び
    下記式(9):
    LiMfPOF (9)
    {式中、Mfは遷移金属を示す。}で表される化合物
    から成る群より選ばれる1種以上である、請求項10又は11に記載のリチウムイオン二次電池。
  13. 満充電時におけるリチウム基準の正極電位が、4.2V(vsLi/Li+)以上である、請求項10〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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