JP2015198052A - リチウムイオン二次電池の使用方法及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の使用方法及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極電位が4.8V以上であるリチウムイオン電池において、過充電時の高い安全性と良好な電池性能とを両立できるリチウムイオン電池およびその使用法を提供すること。【解決手段】満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li+)以上である正極と、負極と、芳香族環上の1〜4個の水素がフッ素原子で置換された含フッ素芳香族化合物を含む非水電解液と、セパレータと、を備えるリチウムイオン二次電池の充放電を4.8V以上の上限電圧で行う、リチウムイオン二次電池の使用方法。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の使用方法及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年の電子技術の発展又は環境技術への関心の高まりに伴い、様々な電気化学デバイスが用いられている。特に、省エネルギー化への要請が多くあり、それに貢献できるものへの期待はますます高くなっている。蓄電デバイスの例として、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ等が注目されている。中でも、蓄電デバイスの代表例であるリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高い二次電池であることから、従来、主として携帯機器用充電池として使用されていた。また、最近ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電池としての使用、定置用蓄電池としての使用なども開始されており、市場又は用途の更なる拡大が期待されている。
従来のリチウムイオン二次電池は、満充電時の正極の電位が通常4.25V(vsLi/Li)以下で設定されている。従来のリチウムイオン二次電池における過充電防止機構としては、化学反応を利用する方法と電子回路を利用する方法が提案されており、実用的には後者が主に採用されている。しかしながら、電子回路による方法では、コスト高になるばかりか、商品設計上種々の制約が生ずることになる。そこで、化学反応を利用して過充電を防止する技術の開発が進められている。
一方で、さらなる高エネルギー密度化のために、正極活物質の高電位化が進められており、正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上であるリチウムイオン電池が開発されている。エネルギー密度が高くなると、さらに安全性の向上が求められることとなり、より一層の過充電保護が求められる。
従来のリチウムイオン二次電池では、非水電解液に特別な添加剤を含有させて過充電安全性を確保する方法が提案されている。例えば、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、アルコキシ−ハロゲン化フェニルアダマンタン誘導体等を添加剤として用いた電池とその電池の使用法が提案されている(特許文献1〜3)。これらの電池では、高電圧で添加剤が重合して過充電時の安全性を改善することができる。
特に特許文献3に記載の電池は、従来の電池のみならず、正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極を用いたリチウムイオン電池の過充電時の安全性をも改善することができる点で有用である。
また、添加剤として、含フッ素芳香族化合物、例えばモノフルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン等を使用した電池とその使用も提案されている(特許文献4及び5)。
さらに、5,6,7,8−テトラフルオロベンゾ−1,4−ジオキサンを用いた電池とその使用も提案されている(特許文献6)。
一方、特許文献7〜12では、リチウムイオン電池の電池性能を向上させる添加剤として、含フッ素芳香族化合物のフッ素置換量を限定した化合物が提案されている。
特開平9−171840号公報 特開2001−015155号公報 特開2013−171715号公報 特開2003−187868号公報 特開2003−338317号公報 特表2010−527143号公報 特表2004−519829号公報 特開2005−340026号公報 特開2007−299569号公報 特開2003−132950号公報 特開2007−335406号公報 特開2011−165583号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼンの酸化電位は4.8Vよりも低いため、正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上であるリチウムイオン電池では、本来充電できる量の電気を充電できず、エネルギー密度が高い電池では使用できないという欠点がある。
特許文献3では、アルコキシ−ハロゲン化フェニルアダマンタン誘導体の添加時と無添加時の過充電試験での容量と電圧のグラフを比較すると、添加時は4.5V付近から添加剤の酸化分解による電圧上昇抑制効果が見られており、正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極を用いたリチウムイオン電池では、酸化分解に対する耐性が不十分であり、高エネルギー密度の電池に使用するには改善の余地がある。
特許文献4及び5では、好ましい例としてモノフルオロベンゼンが記載されているが、正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上であるリチウムイオン電池の過充電安全性に関する検討は不十分という欠点がある。また特許文献6では、5,6,7,8−テトラフルオロベンゾ−1,4−ジオキサンの酸化電位は4.7Vであり、正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上であるリチウムイオン電池では酸化分解に対する耐性が不十分という欠点がある。
特許文献7〜12では、安全性には言及しておらず、正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上の正極を用いたリチウムイオン電池の過充電時の安全性を改善する電解液の添加剤としての検討は不十分という課題があった。
かかる技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、正極電位が4.8V以上であるリチウムイオン電池において、過充電時の高い安全性と良好な電池性能とを両立できるリチウムイオン電池およびその使用法を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討し、実験を重ねた結果、正極電位が4.8V以上である正極と、含フッ素芳香族化合物を含む電解液とを備えるリチウムイオン電池の充放電を4.8V以上の上限電圧で行うことで、過充電時の高い安全性と良好な電池性能とを両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1] 満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極と、
負極と、
芳香族環上の1〜4個の水素がフッ素原子で置換された含フッ素芳香族化合物を含む非水電解液と、
セパレータと、
を備えるリチウムイオン二次電池の充放電を4.8V以上の上限電圧で行う、リチウムイオン二次電池の使用方法。
[2] 前記含フッ素芳香族化合物が、モノフルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、[1]に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
[3] 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、[1]に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
[4] 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、[1]に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
[5] 前記含フッ素芳香族化合物の添加量が前記非水電解液に対して0.2〜10体積%である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
[6] 満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極と;
負極と;
含フッ素芳香族化合物、及び
リン原子及び/又はホウ素原子を有するプロトン酸、スルホン酸、及びカルボン酸から成る群より選択される酸の水素原子の少なくとも1つが下記式(1):
Figure 2015198052
{式中、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。}で表される置換基で置換された化合物(B)
を含有する非水電解液と;
を含むリチウムイオン二次電池。
[7] 前記化合物(B)として、下記式(2):
Figure 2015198052
{式中、Mは、リン原子又はホウ素原子を示し、Mがリン原子のとき、wは0又は1であり、Mがホウ素原子のときwは0であり、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示し、そしてR及びRは、各々独立に、OH基、OLi基、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数3〜10のシロキシ基、炭素数6〜15のアリール基、及び炭素数6〜15のアリールオキシ基から成る群より選ばれる基を示す。}で表される化合物、及び/又は下記式(3):
Figure 2015198052
{式中、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示し、そしてRは、置換されていてもよい炭素数1〜20の有機基を示す。}で表される化合物を前記非水電解液に含む、[6]に記載のリチウムイオン二次電池。
[8] 前記含フッ素芳香族化合物が、モノフルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、[6]又は[7]に記載のリチウムイオン二次電池。
[9] 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、[6]又は[7]に記載のリチウムイオン二次電池。
[10] 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、[6]又は[7]に記載のリチウムイオン二次電池。
[11] 前記含フッ素芳香族化合物の添加量が前記非水電解液に対して0.2〜10体積%である、[6]〜[10]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
[12] 前記正極における正極活物質は、下記式(4):
LiMn2−xMa (4)
{式中、Maは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてxは、0.2≦x≦0.7である。}で表される酸化物、
下記式(5):
zLiMcO3−(1−z)LiMdO (5)
{式中、Mc及びMdは、各々独立に、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてzは、0.1≦z≦0.9である。}で表される複合酸化物、
下記式(6):
LiMb1−yFePO (6)
{式中、Mbは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてyは、0≦y≦1.0である。}で表される化合物、及び
下記式(7):
LiMfPOF (7)
{式中、Mfは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示す。}で表される化合物から成る群から選択される1種以上である、[6]〜[11]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
本発明は高電圧な電圧領域で、過充電時の高い安全性と良好な電池性能とを両立したリチウムイオン二次電池の使用方法を提供することができる。
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を概略的に示す断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<リチウムイオン二次電池の使用方法>
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の使用方法では、満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極と、負極と、芳香族環上の1〜4個の水素がフッ素原子で置換された含フッ素芳香族化合物を含む非水電解液と、セパレータとを備えるリチウムイオン二次電池の充放電を4.8V以上の上限電圧で行う。本実施形態では、特定の正極活物質と特定の含フッ素芳香族化合物を含む非水電解液とを組合せた電池を高い電圧で充電しても、電圧が急激に上昇することがなく、高い安全性を実現できる。また、非水電解液の酸化分解を抑制できるので、高い安全性と良好な電池特性を両立できる。
非水電解液について以下に説明する。
[非水電解液]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液(以下、単に「電解液」ともいう。)は、非水溶媒、リチウム塩及び含フッ素芳香族化合物を含有する。所望により、非水電解液は、後述される化合物(B)、その他の添加剤などを含んでよい。
〔非水溶媒〕
本実施形態に係る電解液は、非水溶媒を含有する。非水溶媒としては、特に限定されないが、例えば、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、例えば、カーボネート、鎖状エーテル、鎖状カルボン酸エステル、鎖状ジエーテル等が挙げられる。
(カーボネート)
カーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネートなどを用いることが好ましい。また、カーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートを組合せて用いることがより好ましい。このようなカーボネートを含むことにより、電解液のイオン伝導性により優れる傾向にある。
(環状カーボネート)
環状カーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、などが挙げられる。また前述した環状カーボネートの一つ以上の水素原子をフッ素原子で置換したトリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートなどのフッ素化環状カーボネート等を使用してよい。これらのなかでも、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートから成る群より選ばれる1種以上が好ましい。このような環状カーボネートを含むことにより、電解液のイオン伝導性により優れる傾向にある。
(鎖状カーボネート)
鎖状カーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等が挙げられる。このなかでも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートから成る群より選ばれる1種以上が好ましい。また、上述した鎖状カーボネートの一つ以上の水素原子をフッ素原子で置換したメチルトリフルオロエチルカーボネートなどのなどのフッ素化鎖状カーボネートから成る群より選ばれる1種以上が好ましい。このような鎖状カーボネートを含むことにより、電解液のイオン伝導性により優れる傾向にある。
(その他の非プロトン性極性溶媒)
その他の非プロトン性極性溶媒として、アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルエーテルなどの鎖状エーテル;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタンなどの鎖状ジエーテルが挙げられる。
(カーボネート系溶媒)
カーボネート系溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートを組合せて含む場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、1:10〜5:1が好ましく、1:5〜3:1がより好ましく、1:5〜1:1がさらに好ましい。混合比が上記範囲内であることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性により優れる傾向にある。
カーボネート系溶媒を用いる場合、必要に応じて、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン;スルホランなどの環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル等の別の非水溶媒をさらに添加することができる。このような非水溶媒を用いることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性又はサイクル寿命がより改善する傾向にある。
上記非水溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔リチウム塩〕
本実施形態に係る電解液は、リチウム塩を含む。リチウム塩は、電解液のイオン伝導性を担う電解質としての機能を有しているものであれば、特に限定されない。なお、後述する添加剤としてのジフルオロリン酸リチウム又はモノフルオロリン酸リチウムは、リチウム塩には含まれないものとする。リチウム塩は正極又は負極、或いは両方に作用することにより電解液の酸化分解を抑制する機能を有していてもよい。
リチウム塩の電解液中の含有量は、電解液100質量%に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、5質量%以上35質量%以下がより好ましく、7質量%以上30質量%以下がさらに好ましい。リチウム塩の電解液中の含有量が1質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性により優れる傾向にある。また、リチウム塩の電解液中の含有量が40質量%以下であることにより、リチウム塩の低温における溶解性がより向上する傾向にある。これらのリチウム塩の電解液中の含有量は、11B−NMR、19F−NMR、31P−NMRなどのNMR測定により確認することができる。
リチウム塩の構造としては、特に限定されないが、例えば、LiPF、LiBF、LiB(C、LiBF(C)、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiPF(C2k+16−n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF(C)、LiPF(Cが好ましく、LiPF、LiBF、LiB(C、LiOSO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiPF(C2k+16−n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF(C)、LiPF(Cがより好ましく、LiPF、LiBF、LiB(Cがさらに好ましく、LiPFが最も好ましい。このようなリチウム塩を用いることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性により優れる傾向にある。
リチウム塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔含フッ素芳香族化合物〕
本実施形態に係る電解液は、含フッ素芳香族化合物を含む。含フッ素芳香族化合物を含むことで、過充電(4.8V以上で充電)した際にも電圧が過度に上昇することを防止することができる。含フッ素芳香族化合物の酸化電位は、満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極を用いたリチウムイオン電池に用いる点から、5.0〜6.0Vが好ましく、より好ましくは5.05〜5.5V、さらに好ましくは5.1〜5.4Vである。この理由は、5.0〜6.0Vの間に酸化電位を有する含フッ素芳香族化合物を用いるために、満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極を用いたリチウムイオン電池の使用電圧範囲であっても良好な電池性能を維持できるからである。
含フッ素芳香族化合物の構造としては、特に限定されないが、1〜4個のベンゼン環上の水素がフッ素に置換された含フッ素芳香族化合物が好ましい。
1〜4個のベンゼン環上の水素がフッ素に置換された含フッ素芳香族化合物としては、例えば、過充電防止効果の観点から、モノフルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン等が好ましく、さらに酸化分解抑制の観点から、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン等がより好ましく、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン等が最も好ましい。
これらの含フッ素芳香族化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
含フッ素芳香族化合物の添加量は、電解液100体積%に対して、0.2体積%以上10体積%以下であることが好ましい。この添加量は、過充電防止の反応を継続する観点から、0.2体積%以上が好ましい。また、この添加量は、非水電解液の粘度、イオン伝導性の観点から、10体積%以下が好ましい。これらの含フッ素芳香族化合物の電解液に対する添加量は、19F−NMR測定等により確認することができる。
本実施形態に係る非水電解液は、含フッ素芳香族化合物を含有することにより、リチウムイオン二次電池の過充電時の安全性と良好な電池性能を両立することができる。
〔化合物(B)〕
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、4.8V以上の上限電圧で使用する場合に有効である。このような高電圧で使用する場合には、電解液の成分が酸化することにより分解する場合がある。電解液中の成分の酸化分解を抑制する観点から、電解液は、更にリン原子及び/又はホウ素原子を有するプロトン酸、スルホン酸、及びカルボン酸から成る群より選ばれる酸の水素原子の少なくとも1つが下記式(1):
Figure 2015198052
{式中、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。}で表される置換基で置換された化合物(B)を含有することが好ましい。また、化合物(B)を上述した含フッ素芳香族化合物と組み合わせて用いることも好ましい。
リン原子を有するプロトン酸としては、特に限定されないが、例えば、リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホスホン酸等が挙げられる。
ホウ素原子を有するプロトン酸としては、特に限定されないが、例えば、ホウ酸、ボロン酸、又はボリン酸等が挙げられる。
スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、プロピルスルホン酸、1,2エタンジスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、フェニルスルホン酸、ベンジルスルホン酸、硫酸等が挙げられる。
カルボン酸としては特に限定されないが、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記式(1)で表される置換基としては、特に限定されないが、例えば、−Si(CH、−Si(C、−Si(CHCH、−Si(CHCHCH、−Si(CF等が挙げられる。
化合物(B)としては、さらに下記式(2):
Figure 2015198052
{式中、Mは、リン原子又はホウ素原子を示し、Mがリン原子のとき、wは0又は1であり、Mがホウ素原子のときwは0であり、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示し、そしてR及びRは、各々独立に、OH基、OLi基、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数3〜10のシロキシ基、炭素数6〜15のアリール基、及び炭素数6〜15のアリールオキシ基から成る群より選ばれる基を示す。}で表される化合物、及び/又は下記式(3):
Figure 2015198052
{式中、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示し、そしてRは、置換されていてもよい炭素数1〜20の有機基を示す。}で表される化合物が更に好ましい。
上記式(1)〜(3)において、R、R又はRとしては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、1−メチルビニル基、プロピル基、ブチル基、フルオロメチル基等の脂肪族炭化水素基;ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。また、R、R及びRの2つが結合して環を形成していてもよい。環を形成するために、例えば、R、R及びRの2つは、置換又は無置換で飽和又は不飽和のアルキレン基で置換されることができる。
上記式(2)において、R及びRとしては、例えば、OH基、OLi基、メチル基、エチル基、アリル基(allyl)、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フルオロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、ビニロキシ基、アリロキシ基(allyloxy)、プロポキシ基、ブトキシ基、シアノヒドロキシ基、フルオロエトキシ基、又はフルオロプロポキシ基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルエチルシロキシ基、ジエチルメチルシロキシ基、ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基、フェノキシ基、ベンジルアルコキシ基、ニトリル置換フェノキシ基、フルオロ化フェノキシ基等が挙げられる。
上記式(3)において、Rとしては、例えば、脂肪族炭化水素基、フェニル基などの芳香族炭化水素基、及び炭化水素基中の水素原子がすべてフッ素原子に置換されたトリフルオロメチル基などのフッ素置換炭化水素基が挙げられる。また、炭化水素基は、必要に応じて、種々の官能基で置換されていてもよい。
化合物(B)としては、リン酸トリス(トリメチルシリル)及び/又はアジピン酸ビス(トリメチルシリル)がより好ましい。
化合物(B)の添加量は、電解液100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。この添加量が0.01質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池においてサイクル寿命がより向上する傾向にあり、10質量%以下であることにより、電池出力がより向上する傾向にある。化合物(B)の電解液に対する添加量は、NMR測定等により確認することができる。
〔添加剤〕
本実施形態に係る非水電解液には、必要に応じて、上述したリチウム塩及び含フッ素芳香族化合物以外の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる1種以上の添加剤が挙げられる。このようなその他の添加剤を用いることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。
ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる添加剤の含有量は、電解液100質量%に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる添加剤の含有量が0.001質量%以上であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。また、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる添加剤の含有量は、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる添加剤の含有量が3質量%以下であることにより、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性がより向上する傾向にある。これらのジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群より選ばれる添加剤の電解液中の含有量は、31P−NMR、19F−NMRなどのNMR測定により確認することができる。
上述した添加剤の他には、特に限定されないが、例えば、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートといったカーボネート類、スクシノニトリル、アジポニトリルといったニトリル系化合物、ホスファゼン類、リン酸エステル類といったリン系の難燃剤、電極又はセパレータの濡れ性を向上させる界面活性剤などを添加することができる。このような添加剤を用いることにより、電池のサイクル寿命又は安全性がより向上する傾向にある。
本実施形態に係る非水電解液は、水分を含まないことが好ましいが、本発明の課題を解決できる範囲であれば、ごく微量の水分を含有してもよい。そのような水分の含有量は、非水電解液の全量に対して、0〜100ppmが好ましく、1〜50ppmがより好ましく、1〜30ppmがさらに好ましい。
また、本実施形態に係る非水電解液は、フッ酸を含有してもよい。フッ酸の含有量は、0.5〜50ppmが好ましく、1〜30ppmがより好ましく、2〜20ppmがさらに好ましい。フッ酸の含有量が上記範囲であることにより、負極及び/又は正極上のSEI(solid electrolyte interface)膜の継続的な修復又は形成がより容易となる傾向にあり、サイクル寿命が向上する。
<リチウムイオン二次電池>
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)は、上記非水電解液と、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極とを備える。この電池は、上述の非水電解液を備える以外は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成を有していてもよい。また、リチウムイオン二次電池は、セパレータも備えてよい。
[正極]
正極は、満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)を上回るものであれば特に限定されず、既知のものを用いることができる。満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、満充電時の電池の電圧を制御することにより制御することができる。
正極は、正極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料から成る群より選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、満充電状態のリチウムイオン二次電池をArグローブボックス中で解体し、正極を取り出し、対極に金属リチウムを用いて再度電池を組み、電圧を測定することで容易に測定することができる。また、負極に炭素負極活物質を用いる場合、満充電時の炭素負極活物質の電位が0.05V(vsLi/Li)であることから、満充電時におけるリチウムイオン二次電池の電圧(Va)に0.05Vを足すことで、容易に満充電時における正極の電位を算出することができる。例えば、負極に炭素負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において、満充電時におけるリチウムイオン二次電池の電圧(Va)が4.4Vであった場合、満充電時の正極の電位は、4.4V+0.05V=4.45Vと算出することができる。尚、(vsLi/Li)はリチウム基準の電位を示す。
〔正極活物質〕
正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、下記式(4):
LiMn2−xMa (4)
{式中、Maは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてxは、0.2≦x≦0.7である。}で表される酸化物、下記式(5):
zLiMcO3−(1−z)LiMdO (5)
{式中、Mc及びMdは、各々独立に、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてzは、0.1≦z≦0.9である。}で表される複合酸化物、下記式(6):
LiMb1−yFePO (6)
{式中、Mbは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてyは、0≦y≦1.0である。}で表される化合物、及び下記式(7):
LiMfPOF (7)
{式中、Mfは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示す。}で表される化合物から成る群より選ばれる1種以上であることが好ましい。このような正極活物質を用いることにより、正極活物質の構造安定性がより優れる傾向にある。
上記式(4)で表される酸化物であるスピネル型正極活物質としては、特に限定されないが、下記式(4a):
LiMn2−xNi (4a)
{式中、0.2≦x≦0.7である。}で表される酸化物が好ましく、下記式(4b):
LiMn2−xNi (4b)
{式中、0.3≦x≦0.6である。}で表される酸化物がより好ましい。
式(4a)又は式(4b)で表される酸化物としては、特に限定されないが、例えば、LiMn1.5Ni0.5及びLiMn1.6Ni0.4が挙げられる。このような式(4)で表されるスピネル型酸化物を用いることにより、安定性により優れる傾向にある。
ここで、上記式(4)で表されるスピネル型酸化物は、正極活物質の安定性、電子伝導性等の観点から、Mn原子のモル数に対して10モル%以下の範囲で、上記構造以外に、さらに遷移金属又は遷移金属酸化物を含有してもよい。上記式(4)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記式(5)で表される複合酸化物である複合層状酸化物としては、特に限定されないが、例えば、下記式(5a):
zLiMnO3−(1−z)LiNiMnCo (5a)
{式中、0.3≦z≦0.7、a+b+c=1、0.2≦a≦0.6、0.2≦b≦0.6、そして0.05≦c≦0.4である。}で表される複合酸化物であることが好ましい。
上記式(5a)において、0.4≦z≦0.6、a+b+c=1、0.3≦a≦0.4、0.3≦b≦0.4、そして0.2≦c≦0.3である複合酸化物がより好ましい。このような式(5)で表される複合酸化物を用いることにより、安定性により優れる傾向にある。ここで、上記式(5)で表される複合層状酸化物は、正極活物質の安定性、電子伝導性等の観点から、Mn、Ni、Co原子のモル数の総和に対して10モル%以下の範囲で、上記構造以外に、さらに遷移金属又は遷移金属酸化物を含有してもよい。式(5)で表される複合酸化物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記式(6)で表される化合物であるオリビン型正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、下記式(6a):
LiMn1−yFePO (6a)
{式中、0.05≦y≦0.8である。}で表される化合物、及び、下記式(6b):
LiCo1−yFePO (6b)
{式中、0.05≦y≦0.8である。}で表される化合物が好ましい。
このような式(6)で表される化合物を用いることにより、安定性及び電子伝導性により優れる傾向にある。ここで、上記式(6)で表される複合層状酸化物は、正極活物質の安定性、電子伝導性等の観点から、Mn、Fe、Co原子のモル数の総和に対して10モル%以下の範囲で、上記構造以外に、さらに遷移金属又は遷移金属酸化物を含有してもよい。上記式(6)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記式(7)で表される化合物であるフッ化オリビン型正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、LiFePOF、LiMnPOF及びLiCoPOFが好ましい。このような式(7)で表される化合物を用いることにより、安定性により優れる傾向にある。ここで、上記式(7)で表される複合層状酸化物は、正極活物質の安定性、電子伝導性等の観点から、Mn、Fe、Co原子のモル数に対して10モル%以下の範囲で、上記構造以外に、さらに遷移金属又は遷移金属酸化物を含有してもよい。上記式(7)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(正極活物質の製造方法)
正極活物質は、一般的な無機酸化物の製造方法と同様の方法で製造できる。正極活物質の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、所定の割合で金属塩(例えば硫酸塩及び/又は硝酸塩)を混合した混合物を、酸素を含む雰囲気環境下で焼成することで無機酸化物を含む正極活物質を得る方法が挙げられる。また、金属塩を溶解させた液に炭酸塩及び/又は水酸化物塩を作用させて難溶性の金属塩を析出させ、それを抽出分離したものに、リチウム源として炭酸リチウム及び/又は水酸化リチウムを混合した後、酸素を含む雰囲気環境下で焼成することで、無機酸化物を含む正極活物質を得る方法が挙げられる。
〔正極の製造方法〕
ここで、正極の製造方法の一例を以下に示す。まず、上記正極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤、バインダー等を加えて混合した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、正極合剤層を必要に応じて加圧し、厚さを調整することによって、正極を作製することができる。
正極集電体としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム箔、又はステンレス箔などの金属箔により構成されるものが挙げられる。
[負極]
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、負極を有する。負極は、リチウムイオン二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、既知のものを用いることができる。負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料から成る群より選ばれる1種以上を含有することが好ましい。このような負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、炭素負極活物質、ケイ素合金負極活物質及びスズ合金負極活物質に代表されるリチウムと合金形成が可能な元素を含む負極活物質;ケイ素酸化物負極活物質;スズ酸化物負極活物質;及びチタン酸リチウム負極活物質に代表されるリチウム含有化合物から成る群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらの負極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
炭素負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド、カーボンブラックが挙げられる。コークスとしては、特に限定されないが、例えば、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークスが挙げられる。また、有機高分子化合物の焼成体としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、フラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものが挙げられる。
リチウムと合金を形成可能な元素を含む負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、金属又は半金属の単体であっても、合金又は化合物であってもよく、また、これらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものであってもよい。尚、「合金」には、2種以上の金属元素から成るものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを有するものも含まれる。また、合金には、全体として金属の性質を有するものであれば非金属元素が含まれていてもよい。
金属元素及び半金属元素としては、特に限定されないが、例えば、チタン(Ti)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)が挙げられる。これらの中でも、長周期型周期表における4族又は14族の金属元素及び半金属元素が好ましく、特に好ましくはチタン、ケイ素及びスズである。
〔負極の製造方法〕
負極は、例えば、下記のようにして得られる。まず、上記負極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤、バインダー等を加えて混合した負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し、厚みを調整することによって、負極を作製することができる。
負極集電体は、特に限定されないが、例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔などの金属箔により構成されるものが挙げられる。
〔正極及び負極の作製に使用される導電助剤又はバインダー〕
正極及び負極の作製において、必要に応じて用いられる導電助剤としては、特に限定されないが、例えば、グラファイト、アセチレンブラック及びケッチェンブラックなどのカーボンブラック、並びに炭素繊維が挙げられる。
また、正極及び負極の作製において、必要に応じて用いられるバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム及びフッ素ゴムが挙げられる。
[セパレータ]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正負極の短絡防止、シャットダウン等の安全性を電池に付与するという観点から、正極と負極との間にセパレータを備えることが好ましい。セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、既知のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様のものを用いることができる。セパレータとしては、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。
セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、及び合成樹脂製微多孔膜が挙げられ、これらのなかでも、合成樹脂製微多孔膜が好ましい。また、不織布としては、特に限定されないが、例えば、セラミック製、ポリオレフィン製、ポリエステル製、ポリアミド製、液晶ポリエステル製、アラミド製などの耐熱樹脂製の多孔膜が挙げられる。さらに、合成樹脂製微多孔膜としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜、又はこれらのポリオレフィンを共に含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が挙げられる。セパレータは、1種の微多孔膜を単層又は複数積層したものであってもよく、2種以上の微多孔膜を積層したものであってもよい。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、特に限定されないが、例えば、セパレータと、そのセパレータを両側から挟む正極と負極と、さらにそれらの積層体を挟む正極集電体(正極の外側に配置)と、負極集電体(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装とを備える。正極とセパレータと負極とを積層した積層体は、本実施形態の電解液に含浸されている。
図1は、本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるリチウムイオン二次電池100は、セパレータ110と、そのセパレータ110を両側から挟む正極120と負極130と、さらにそれらの積層体を挟む正極集電体140(正極の外側に配置)と、負極集電体150(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装160とを備える。正極120とセパレータ110と負極130とを積層した積層体は、電解液に含浸されている。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上述の非水電解液、正極、負極及び必要に応じてセパレータを用いて、既知の方法により作製することができる。例えば、正極と負極とを、その間にセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体に成形するか、又はそれらの折り曲げ、複数層の積層などによって、交互に積層した複数の正極と負極との間にセパレータが介在する積層体に成形し、次いで、電池ケース(外装)内にその積層体を収容して、本実施形態の電解液をケース内部に注液し、上記積層体をその電解液に浸漬して封印したりすることによって、リチウムイオン二次電池を作製することができる。本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されず、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形及びラミネート形などが好適に採用される。
<リチウムイオン二次電池の過充電防止効果の判定方法>
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、過充電防止効果を既知の方法により判別することができる。例えば、コイン型のリチウムイオン電池を作製し、一定の電流密度で充電し、添加剤の有無による電圧上昇速度の差を確認したり、円筒型又はラミネート型のリチウムイオン電池を作製し、JIS C 8711等の規格に沿って過充電試験を行い、電池の発火・発煙の有無を確認したりすることによって判別することができる。前者の場合、充電時間はあくまでも目安であり、試験開始前の電池の充電状態又は劣化状態によって、充電時間には多少のずれが発生する可能性がある。充電時間のずれによる問題を回避するためには、添加剤を含有する電池と添加剤を含有しない電池を同時に充電し、両者の電圧を比較することで過充電防止効果を判断するとよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
リチウムイオン二次電池の性能評価について以下に説明する。
(1)LiNi1/3Mn1/3Co1/3正極を用いたリチウムイオン二次電池による電池性能評価
<正極の作製>
正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3(日本化学工業社製)と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製)とを、90:6:4の固形分質量比で混合し、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分40質量%となるように添加して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延してシートを得た。シートを直径16mmの円盤状に打ち抜いて正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名「SFG6」)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延してシートを得た。シートを直径16mmの円盤状に打ち抜いて負極を得た。
<電池の作製>
上述のようにして得られた正極及び負極をポリプロピレン製の微多孔膜から成るセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に挿入した。次いで、そこに、下記実施例及び比較例に記載の電解液を0.2mL注入し、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉してリチウムイオン二次電池を作製した。
<電池性能評価>
得られたリチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.33Cの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で1時間充電し、0.33Cの定電流で3.0Vまで放電した。
上記初期充放電後、初期充放電の充電容量Qを電圧Vで微分したdQ/dVプロットを作成した。dQ/dVプロットにおける4.2Vの値を得た。さらに、その電池を1Cの定電流で4.2Vまで充電し、4.2Vの定電圧で1時間充電し、0.5C、1C、2C、3C、5C、及び10Cの定電流でそれぞれ3.0Vまで放電した。1Cと5Cの放電容量を比較することで電池性能を評価した。
(2)LiNi0.5Mn1.5正極を用いたリチウムイオン二次電池による電池性能評価
<正極活物質の合成>
遷移金属元素のモル比として1:3の割合となる量の硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lになるようにニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。次いで、このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液1650mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間滴下した。尚、滴下中は、攪拌の下、200mL/minの流量の空気を水溶液中にバブリングしながら吹き込んだ。これにより、析出物質が発生し、得られた析出物質を蒸留水で十分洗浄し、乾燥して、ニッケルマンガン化合物を得た。得られたニッケルマンガン化合物と粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量し、1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下において1000℃で5時間焼成し、LiNi0.5Mn1.5で表される正極活物質を得た。
<正極シートの作製>
上述のようにして得られた正極活物質と、導電助剤としてグラファイトの粉末(TIMCAL社製、商品名「KS−6」)とアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製、商品名「HS−100」)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製、商品名「L#7208」)とを、80:5:5:10の固形分質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分35質量%となるように投入してさらに混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延し正極シートを得た。
<負極シートの作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名「SFG6」)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延し負極シートを得た。
<電池の作製>
上述のようにして作製した正極シート及び負極シートを直径16mmの円盤状に打ち抜いて正極及び負極を得た。得られた正極及び負極をポリプロピレン製の微多孔膜から成るセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に挿入した。次いで、そこに、下記実施例及び比較例に記載の電解液を0.5mL注入し、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉してリチウムイオン二次電池を作製した。
<電池性能評価>
得られたリチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名「PLM−73S」)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名「ACD−01」)に接続し、20時間静置した。次いで、その電池を0.05Cの定電流で充電し、4.8Vに到達した後、4.8Vの定電圧で2時間充電し、その後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。
上記初期充放電後、初期充放電の充電容量Qを電圧Vで微分したdQ/dVプロットを作成した。dQ/dVプロットにおける4.8Vの値を比較することで、電解液の酸化分解に対する耐性を評価した。さらに、その電池を0.33Cの定電流で4.8Vまで充電し、4.8Vの定電圧で1時間充電し、0.33C、0.5C、1C、2C、5C、及び10Cの定電流でそれぞれ3.0Vまで放電した。1Cと5Cの放電容量を比較することで電池性能を評価した。
また、上記レート特性測定後、50℃に設定した恒温槽中で、その電池を1.0Cの定電流で4.9Vまで充電し、4.9Vの定電圧で2時間充電し、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電した。この一連の充放電を1サイクルとし、さらに29サイクル充放電を繰り返し、全体で30サイクルのサイクル充放電を行った。1サイクル目及び30サイクル目の正極活物質質量当たりの放電容量を確認した。また、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率を算出した。
<過充電試験>
上記レート特性測定後、その電池を0.33Cの定電流で4.8Vまで充電し、4.8Vの定電圧で1時間充電した。その後、電池を1Cの定電流で充電した。電池が6Vに到達するか、または1時間経過したところで充電を停止した。6Vに到達した場合には過充電防止効果が「無」、1時間経過後も6Vに到達しなかった場合には過充電防止効果が「有」と判断した。
[実施例1〜12、及び比較例1〜6]
〔比較例1〕
電解液としてエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)Aを用いた。
上記(1)に記載の方法で、電解液Aを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は142mAh/g、5Cにおける放電容量は122mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.13(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Aを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は122mAh/g、5Cにおける放電容量は47mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.06(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、61mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、57%であった。さらに過充電試験を実施したところ、速やかに電圧が6Vまで上昇した。
〔実施例1〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたモノフルオロベンゼン(東京化成(株)製)0.05mlを添加して、電解液Bを得た。電解液Bを得るために上記溶液に添加したモノフルオロベンゼンの量は5体積%である。
上記(1)に記載の方法で、電解液Bを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は120mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.15(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Bを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は123mAh/g、5Cにおける放電容量は38mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.20(mAh/g)/mVであった。さらに過充電試験を実施したところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例2〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,4−ジフルオロベンゼン(和光純薬工業(株)製)0.05mlを添加して、電解液Cを得た。電解液Cを得るために上記溶液に添加した1,4−ジフルオロベンゼンの量は5体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Cを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は120mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.15(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Cを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は121mAh/g、5Cにおける放電容量は、51mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、58mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、55%であった。さらに過充電試験を実施したところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例3〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4−トリフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.05mlを添加して、電解液Dを得た。電解液Dを得るために上記溶液に添加した1,2,4−トリフルオロベンゼンの量は5体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Dを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は120mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Dを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は119mAh/g、5Cにおける放電容量は、55mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.08(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、60mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、56%であった。さらに過充電試験を実施したところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例4〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)を0.05mlを添加して、電解液Eを得た。電解液Eを得るために上記溶液に添加した1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンの量は5体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Eを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Eを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は120mAh/g、5Cにおける放電容量は、50mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.10(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、60mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、56%であった。さらに過充電試験を実施したところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔比較例2〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたペンタフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.05mlを添加して、電解液Fを得た。電解液Fを得るために上記溶液に添加したペンタフルオロベンゼンの量は5体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Fを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Fを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は117mAh/g、5Cにおける放電容量は、53mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.10(mAh/g)/mVであった。さらに過充電試験を実施したところ、速やかに電圧が6Vまで上昇した。
〔比較例3〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたヘキサフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.05mlを添加して、電解液Gを得た。電解液Gを得るために上記溶液に添加したヘキサフルオロベンゼンの量は5体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Gを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Gを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は117mAh/g、5Cにおける放電容量は、50mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.08(mAh/g)/mVであった。さらに過充電試験を実施したところ、速やかに電圧が6Vまで上昇した。
〔実施例5〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4−トリフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.03mlを添加して、電解液Hを得た。電解液Hを得るために上記溶液に添加した1,2,4−トリフルオロベンゼンの量は3体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Hを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Hを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は120mAh/g、5Cにおける放電容量は、54mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.07(mAh/g)/mVであった。さらに過充電試験を実施したところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例6〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4−トリフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.01mlを添加して、電解液Iを得た。電解液Iを得るために上記溶液に添加した1,2,4−トリフルオロベンゼンの量は1体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Iを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Iを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は121mAh/g、5Cにおける放電容量は、50mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.07(mAh/g)/mVであった。さらに過充電試験を実施したところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔比較例4〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたリン酸トリス(トリメチルシリル)(PO(Si(CH、アルドリッチ社製)0.06g添加して、電解液Jを得た。電解液Jを得るために上記溶液に添加したリン酸トリス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Jを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Jを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は121mAh/g、5Cにおける放電容量は、48mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.08(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、73mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、64%であった。さらに過充電試験を実施したところ、速やかに電圧が6Vまで上昇した。
〔比較例5〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたアジピン酸ビス(トリメチルシリル)[アルドリッチ社製]0.06gを添加して、電解液Kを得た。電解液Kを得るために上記溶液に添加したアジビン酸ビス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Kを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Kを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は121mAh/g、5Cにおける放電容量は、46mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.08(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、71mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、62%であった。さらに過充電試験を実施したところ、速やかに電圧が6Vまで上昇した。
〔実施例7〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,4−ジフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.5ml、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたリン酸トリス(トリメチルシリル)(PO(Si(CH、アルドリッチ社製)0.06gを添加して、電解液Lを得た。電解液Lを得るために上記溶液に添加した1,4−ジフルオロベンゼンの量は5体積%、リン酸トリス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Lを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は120mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Lを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は121mAh/g、5Cにおける放電容量は、51mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、70mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、61%であった。さらに過充電試験を行ったところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例8〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,4−ジフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.5ml、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたアジピン酸ビス(トリメチルシリル)[アルドリッチ社製]0.06gを添加して、電解液Mを得た。電解液Mを得るために上記溶液に添加した1,4−ジフルオロベンゼンの量は5体積%、アジピン酸ビス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Mを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は120mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Mを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は121mAh/g、5Cにおける放電容量は、51mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、70mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、61%であった。さらに過充電試験を行ったところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例9〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4−トリフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.5ml、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたリン酸トリス(トリメチルシリル)(PO(Si(CH、アルドリッチ社製)0.06gを添加して、電解液Nを得た。電解液Nを得るために上記溶液に添加した1,2,4−トリフルオロベンゼンの量は5体積%、リン酸トリス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Nを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Nを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は120mAh/g、5Cにおける放電容量は、50mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.09(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、72mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、62%であった。さらに過充電試験を行ったところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例10〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4−トリフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.5ml、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたアジピン酸ビス(トリメチルシリル)[アルドリッチ社製]を0.06g含有させ、電解液Oを得た。電解液Oを得るために上記溶液に添加した1,2,4−トリフルオロベンゼンの量は5体積%、アジピン酸ビス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Oを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は120mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Oを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は119mAh/g、5Cにおける放電容量は、50mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.08(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、71mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、61%であった。さらに過充電試験を行ったところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例11〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.5ml、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたリン酸トリス(トリメチルシリル)(PO(Si(CH、アルドリッチ社製)を0.06g含有させ、電解液Pを得た。電解液Pを得るために上記溶液に添加した1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンの量は5体積%、リン酸トリス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Pを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Pを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は120mAh/g、5Cにおける放電容量は、50mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.10(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、72mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、62%であった。さらに過充電試験を行ったところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔実施例12〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)10mlに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させた1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン(ワコーケミカル社製)0.5ml、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたアジピン酸ビス(トリメチルシリル)[アルドリッチ社製]0.06gを添加して、電解液Qを得た。電解液Qを得るために上記溶液に添加した1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンの量は5体積%、リン酸トリス(トリメチルシリル)の量は0.5質量%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Qを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は141mAh/g、5Cにおける放電容量は121mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.14(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Qを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は119mAh/g、5Cにおける放電容量は、50mAh/gであった。またdQ/dVプロットにおける4.8Vの値は0.10(mAh/g)/mVであった。50℃における30サイクル目の放電容量は、71mAh/g、30サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した放電容量維持率は、61%であった。さらに過充電試験を行ったところ、電圧は1時間後も6V未満であった。
〔比較例6〕
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/L含有させた溶液(キシダ化学社製)1mlに、含フッ素化合物の代わりに、モレキュラシーブスを用いて12時間以上乾燥させたシクロヘキシルベンゼン(東京化成製)0.05mlを添加して、電解液Rを得た。電解液Rを得るために上記溶液に添加したシクロヘキシルベンゼンの量は5体積%であった。
上記(1)に記載の方法で、電解液Rを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、1Cにおける放電容量は140mAh/g、5Cにおける放電容量は120mAh/gとなった。またdQ/dVプロットにおける4.2Vの値は0.15(mAh/g)/mVであった。
次に上記(2)に記載の方法で、電解液Rを備えるリチウムイオン二次電池の電池性能評価を行った。結果、充電容量が10mAh/g近辺からシクロヘキシルベンゼンの分解が観測され、充電電圧は4.8Vまで到達しなかった。
上記実施例1〜12、及び比較例1〜6の結果を下記表1及び2に示す。
Figure 2015198052



Figure 2015198052
表1から分かるように、4.2Vで充電された正極を用いたリチウムイオン電池では、含フッ素芳香族化合物又は化合物(B)の添加の有無によって電池性能に有意差は見られない。表1から分かるように、満充電時におけるリチウム基準の正極電位が、4.8V(vsLi/Li)以上である正極を用いたリチウムイオン電池では、モノフルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼンを用いた場合、過充電防止効果が有ることが分かる。さらに4.8VにおけるdQ/dVの値による酸化耐性の比較から、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼンが好ましく、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼンがさらに好ましいことが分かる。また、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼンを用いた場合、酸化分解に対する耐性は十分にあるものの、過充電試験で速やかに6Vまで上昇したことから、過充電防止効果が不十分であることが分かる。また、シクロヘキシルベンゼンを用いた場合、充電電圧が4.8Vまで到達しなかったことから、従来の過充電防止剤では5V級正極には酸化耐性が不十分であることが分かる。
さらに、表1及び2より、リン酸トリス(トリメチルシリル)又はアジピン酸ビス(トリメチルシリル)と特定の含フッ素芳香族化合物とを用いた場合、過充電試験において電圧上昇抑制効果が得られ、50℃サイクル試験の容量維持率が良好であったことから、過充電防止効果と高温サイクル特性を両立する電池であることが分かる。
本発明に係る非水蓄電デバイス用電解液は、高電圧かつ広範囲な電圧領域で、過充電時に高い安全性を有し、かつ電池性能の良好なリチウムイオン二次電池の製造に好適に利用可能である。
100 リチウムイオン二次電池
110 セパレータ
120 正極
130 負極
140 正極集電体
150 負極集電体
160 電池外装

Claims (12)

  1. 満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極と、
    負極と、
    芳香族環上の1〜4個の水素がフッ素原子で置換された含フッ素芳香族化合物を含む非水電解液と、
    セパレータと、
    を備えるリチウムイオン二次電池の充放電を4.8V以上の上限電圧で行う、リチウムイオン二次電池の使用方法。
  2. 前記含フッ素芳香族化合物が、モノフルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
  3. 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
  4. 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
  5. 前記含フッ素芳香族化合物の添加量が前記非水電解液に対して0.2〜10体積%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の使用方法。
  6. 満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.8V(vsLi/Li)以上である正極と;
    負極と;
    含フッ素芳香族化合物、及び
    リン原子及び/又はホウ素原子を有するプロトン酸、スルホン酸、及びカルボン酸から成る群より選択される酸の水素原子の少なくとも1つが下記式(1):
    Figure 2015198052
    {式中、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。}で表される置換基で置換された化合物(B)
    を含有する非水電解液と;
    を含むリチウムイオン二次電池。
  7. 前記化合物(B)として、下記式(2):
    Figure 2015198052
    {式中、Mは、リン原子又はホウ素原子を示し、Mがリン原子のとき、wは0又は1であり、Mがホウ素原子のときwは0であり、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示し、そしてR及びRは、各々独立に、OH基、OLi基、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数3〜10のシロキシ基、炭素数6〜15のアリール基、及び炭素数6〜15のアリールオキシ基から成る群より選ばれる基を示す。}で表される化合物、及び/又は下記式(3):
    Figure 2015198052
    {式中、R、R、及びRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10の有機基を示し、そしてRは、置換されていてもよい炭素数1〜20の有機基を示す。}で表される化合物を前記非水電解液に含む、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記含フッ素芳香族化合物が、モノフルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、請求項6又は7に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、請求項6又は7に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記含フッ素芳香族化合物が、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンから成る群から選択される1種以上を含む、請求項6又は7に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記含フッ素芳香族化合物の添加量が前記非水電解液に対して0.2〜10体積%である、請求項6〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  12. 前記正極における正極活物質は、下記式(4):
    LiMn2−xMa (4)
    {式中、Maは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてxは、0.2≦x≦0.7である。}で表される酸化物、
    下記式(5):
    zLiMcO3−(1−z)LiMdO (5)
    {式中、Mc及びMdは、各々独立に、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてzは、0.1≦z≦0.9である。}で表される複合酸化物、
    下記式(6):
    LiMb1−yFePO (6)
    {式中、Mbは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示し、そしてyは、0≦y≦1.0である。}で表される化合物、及び
    下記式(7):
    LiMfPOF (7)
    {式中、Mfは、遷移金属から成る群より選ばれる1種以上を示す。}で表される化合物から成る群から選択される1種以上である、請求項6〜11のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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