JP2010282906A - リチウムイオン二次電池用非水電解液及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用非水電解液及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性を向上させ、かつ電池サイクル特性の低下を抑制することにより、リチウムイオン二次電池の安全性とサイクル特性との両方を良好にするリチウムイオン二次電池用非水電解液を提供する。
【解決手段】リチウム塩と、非水溶媒と、下記一般式(I)で表される化合物(A)5〜50質量%と、重合性官能基を分子内に1個有する化合物(B)0.0001〜10質量%と、を含有するリチウムイオン二次電池用非水電解液。
Figure 2010282906

(式中、R1、R2及びR3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池用非水電解液及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年の電子技術の発展に伴い、移動体通信機器やポータブルコンピュータが広く普及してきている。そして、これら携帯機器の電源として、高エネルギー密度の二次電池の開発が望まれている。その中でも非水電解質二次電池であるリチウムイオン二次電池は、そのエネルギー密度の高さから様々な分野、様々な機器で携帯用電源として利用され、更なる開発が望まれている。
リチウムイオン二次電池は一般に、リチウムを吸蔵、放出可能な活物質を主体として構成された正極と負極とがセパレータを介して配された構成を有する。正極は、正極活物質としてのLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等と、導電剤としてのカーボンブラックや黒鉛等と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンやラテックス、ゴム等とが混合された正極合剤が、アルミニウム等からなる正極集電体上に被覆されて形成される。負極は、負極活物質としてのコークスや黒鉛等と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンやラテックス、ゴム等とが混合された負極合剤が、銅等からなる負極集電体上に被覆されて形成される。セパレータは、多孔性ポリエチレンや多孔性ポリプロピレン等にて形成され、その厚みは数μmから数百μmと非常に薄い。正極、負極及びセパレータは電池内で電解液に含浸されている。電解液としては、例えば、LiPF6のようなリチウム塩を、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートのような非プロトン性溶媒やポリエチレンオキシドのようなポリマーに溶解させた電解液が挙げられる。
従来、リチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液は引火点が非常に低いために、過充電時や短絡時の発熱により引火や爆発を引き起こすことを防止すべく、安全性の改善について種々の検討がなされている。
また、リチウムイオン二次電池の容量は、充放電を繰り返すに従い低下する傾向がある。そのため、従来の携帯電話やパソコン等に使用されるリチウムイオン二次電池は、通常1〜2年で電池を交換する必要がある。充放電を繰り返すに従って、どの程度容量低下が起こるのかを示す特性を電池のサイクル特性といい、充放電を繰り返しても容量低下が少ない電池はサイクル特性の良好な電池と呼ばれる。
近年、リチウムイオン二次電池は、その軽量性及び出力の高さから、携帯機器用の電源としてだけではなく、ハイブリッド、電気自動車用の大型電源としてもその利用が期待されている。特に、自動車用電源は高い安全性とサイクル特性とが求められている。そこで、リチウムイオン二次電池の安全性及びサイクル特性の向上のために、これまで様々な試みがされてきた。例えば特許文献1には、難燃添加剤としてフッ素置換されたアルキル基を有するリン酸エステルを電解液に添加することで電解液の難燃性を向上させる方法が提案されている。同様の難燃添加剤として、特許文献2には亜リン酸トリメチル、トリエチルが開示されている。また、特許文献3にはフッ素置換されたアルキル基置換の亜リン酸エステルを難燃添加剤として利用できるだけでなく、その亜リン酸エステルは同時にサイクル特性を向上させる効果もあることが開示されている。
特開2007−258067号公報 特開平8−321313号公報 特開2002−25609号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記特許文献を始めとする従来の技術は、電解液の難燃性に代表される安全性とサイクル特性との両立においてまだ不十分であり、更なる安全性とサイクル特性との改善が望まれる。本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、難燃性を向上させ、かつ電池サイクル特性の低下を抑制することにより、リチウムイオン二次電池の安全性とサイクル特性との両方を良好にするリチウムイオン二次電池用非水電解液及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく、鋭意検討を進めた結果、特定の亜リン酸エステルと、1種以上の特定の重合性官能基を有する化合物を併用することにより、難燃性とサイクル特性とに優れたリチウムイオン二次電池用非水電解液を設計可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]リチウム塩と、非水溶媒と、下記一般式(I)で表される化合物(A)5〜50質量%と、重合性官能基を分子内に1個有する化合物(B)0.0001〜10質量%と、を含有するリチウムイオン二次電池用非水電解液。
Figure 2010282906
(式中、R1、R2及びR3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。)
[2]更に重合性官能基を分子内に2個以上有する化合物(C)を含有し、前記化合物(C)に対する前記化合物(B)の含有比が、質量基準で1/99〜99.99/0.01である、[1]のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
[3]前記化合物(B)と前記化合物(C)との合計量が、前記リチウムイオン二次電池用非水電解液の全体量に対して0.0001質量%超10質量%以下である、[2]のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
[4]前記化合物(C)は、トリアジン環構造及び/又はその異性体構造を有する、[2]又は[3]のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
[5]前記化合物(C)は、トリアリルシアヌレート及び/又はトリアリルイソシアヌレートである、[2]〜[4]のいずれか一つのリチウムイオン二次電池用非水電解液。
[6]前記R1、R2及びR3の少なくとも一つは含フッ素置換アルキル基である、[1]〜[5]のいずれか一つのリチウムイオン二次電池用非水電解液。
[7]前記化合物(B)は、下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物である、[1]〜[6]のいずれか一つのリチウムイオン二次電池用非水電解液。
Figure 2010282906
(式中、R4及びR5は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
Figure 2010282906
(式中、R6は炭素数1〜3のアルケニル基を示し、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液と、正極と、負極と、セパレータと、を備えるリチウムイオン二次電池。
本発明によると、高い安全性とサイクル特性を有するリチウム二次電池、及び、当該リチウム二次電池を実現しうるリチウム二次電池用電解液を提供することが出来る。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用非水電解液(以下、単に「電解液」ともいう。)は、リチウム塩と、非水溶媒と、下記一般式(I)で表される化合物(A)と、重合性官能基を分子内に1個有する化合物(B)とを含有する。より具体的には、本実施形態のリチウムイオン二次電池用非水電解液は、リチウム塩が非水溶媒に溶解された二次電池用非水電解液であって、該非水溶媒に添加剤群と非水溶媒とを含み、上記添加剤群が、下記一般式(I)で示される亜リン酸エステルである化合物(A)及び重合性官能基を分子内に1個有する化合物(B)の各成分を含有する。
Figure 2010282906
ここで、式(I)中、R1、R2及びR3(「R1〜R3」と表記する。以下同様。)は、互いに同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。そのようなフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基が挙げられる。
化合物(A)としては、具体的には、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリイソプロピル、亜リン酸トリブチルが挙げられる。
また、上記一般式(I)中のR1〜R3の少なくとも一つが、フッ素原子で置換されたアルキル基であっても、リチウムイオン二次電池用非水電解液に好適に用いることができる。そのような化合物(A)としては、具体的に、亜リン酸トリ(トリフルオロメチル)、亜リン酸トリ(トリフルオロエチル)、亜リン酸トリ(テトラフルオロプロピル)が挙げられる。電解液の難燃性向上及びサイクル特性向上の観点から、一般式(I)中のR1〜R3は、フッ素原子で置換されたアルキル基であると好ましく、特に、化合物(A)は亜リン酸トリ(2,2,2−トリフルオロエチル)であると好ましい。
化合物(A)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
化合物(A)の電解液中に占める割合は、難燃性とサイクル特性とを求める度合いによって適宜選択できるが、高い難燃性とサイクル特性とを兼ね備える観点から、5〜50質量%であると好ましく、10〜40質量%であるとより好ましい。中でも、その割合が15〜50重量%であると難燃性の面で特に好適であり、5〜30質量%、更に5〜20質量%、特に5〜15質量%であるとサイクル特性の面で好適となる。
化合物(B)が有する重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等の炭素間不飽和二重結合基;アセチレニル基、プロパギル基等の炭素間不飽和三重結合基;エポキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、シリル基等の単官能基が挙げられる。常温のみならず、例えば60℃条件下でのサイクル特性を向上させる観点から、化合物(B)は、分子中に炭素間不飽和二重結合基を有することが好適であり、分子中に炭素間不飽和二重結合基を1個有することがより好ましい。
化合物(B)として、より具体的には、下記一般式(IIa)で表されるビニレンカーボネート化合物、下記一般式(IIb)で表されるカーボネート化合物、メチルシアネート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中では、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートが難燃性とサイクル特性との面で好ましく、ビニレンカーボネートがより好ましい。
Figure 2010282906
Figure 2010282906
ここで、式(IIa)中、R4及びR5は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。また、式(IIb)中、R6は炭素数1〜3のアルケニル基を示し、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基が挙げられ、アルキル基としては、上記式(IIa)中のR4及びR5と同様のものが挙げられる。
化合物(B)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
化合物(B)が電解液中に占める割合は、求める難燃性とサイクル特性とによって適宜選択されるが、0.0001〜10質量%であると高い難燃性とサイクル特性とを兼ね備えることができるので好ましく、0.1〜5質量%であるとより好ましい。
さらに、電解液における化合物(A)と化合物(B)との配合比(質量基準)は、化合物(A)に対する化合物(B)の含有比((A)成分/(B)成分の質量比)で1〜100であると、特に難燃性とサイクル特性との面で好適となる。その含有比は、より好ましくは5〜60であり、更に好ましくは10〜50である。
また、本実施形態の電解液は、上述の化合物(A)及び化合物(B)、後述の非水溶媒及びリチウム塩に加え、重合性官能基を分子内に2個以上有する化合物(C)を含有することが、難燃性及びサイクル特性の向上のために好ましい。
化合物(C)が有する重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等の炭素間不飽和二重結合基;アセチレニル基、プロパギル基等の炭素間不飽和三重結合基;エポキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、シリル基等の単官能基が挙げられる。これらの重合性官能基は複数種が同一の化合物中に含まれていてもよい。なお、重合性官能基が単官能基である場合、化合物(C)が1分子中に単官能基を2個以上有すると、他の分子との架橋反応を促進する観点から好適である。
また、常温のみならず、例えば60℃条件下でのサイクル特性を向上させる観点から、化合物(C)は分子中に炭素間不飽和二重結合基を有することが好適である。化合物(C)は、分子中に炭素間不飽和二重結合基を2個以上有することが、上記観点からより好ましい。
化合物(C)としては、得られるリチウムイオン二次電池のサイクル特性をより向上させるという観点から、非共有電子対を備える原子を有する化合物を用いることが好ましく、中でも、窒素原子を有する化合物を用いることが好ましい。特に、トリアジン環構造及び/又はその異性体構造を有する化合物を用いることが好適である。
化合物(C)としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、分子内にエポキシ基を3個有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、分子内にエポキシ基を3個有するクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。化合物(C)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。中でも、サイクル特性をより向上させる観点から、トリアリルシアヌレート及び/又はトリアリルイソシアヌレートが化合物(C)として好適である。
本実施形態において、化合物(C)を用いることによりサイクル特性がより向上する機構については明らかではないが、本発明者らは下記の通りと考えている。ただし、これに限定されない。つまり、化合物(B)と化合物(C)とにより形成される共重合膜が電極表面に適切に被覆されていることが関係しているものと推察される。
すなわち、リチウムイオン二次電池が充放電を繰り返す間に、その容量が低下する現象には種々の機構が考えられるが、電極表面で溶媒や電解質が分解する現象もその一因と考えられる。これに対し、電極表面に皮膜を形成することによって電極表面活性を抑制することは、サイクル特性の向上に寄与するものと考えられる。
ここで、リチウムイオン二次電池の負極には通常、炭素材が用いられるが、上記皮膜を形成する成分が非共有電子対を備える原子(例えば、窒素原子、酸素原子等)を有する場合、当該原子は炭素材表面と相互作用しやすく(配位しやすく)、炭素材表面に効率よく皮膜を形成することが可能となる。正極材料(通常、金属酸化物)への配位も同様に期待し得る。
また、環状カーボネートが電極上に皮膜を形成することは知られていたが、当該皮膜は電極表面の活性低減とイオンの透過性とを両立する観点からはなお改善の余地を有するものと考えられた。そこで、化合物(B)のような環状カーボネートと化合物(C)のような非共有電子対を備える原子を有する化合物とを併用すると、化合物(B)と化合物(C)との共重合反応が電極表面で効率よく生じると共に、電極上に形成される皮膜(上記共重合膜)が電極表面の活性低減とイオンの透過性とをより高度な次元で両立し得るものと考えられる。特に、化合物(C)としてトリアジン環構造及び/又はその異性体構造を用いた場合、サイクル特性が良好となるため好ましい。
難燃性とサイクル特性との向上の観点から、化合物(B)と化合物(C)との合計量は、電解液の全体量に対して0.0001質量%超10質量%以下であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。さらに、同様の観点から、化合物(B)と化合物(C)との配合比(質量基準)は、化合物(C)に対する化合物(B)の含有比((B)成分/(C)成分(質量比))で、1/99〜99.99/0.01であることが好ましく、より好ましくは1/10〜10/1であり、更に好ましくは1/5〜5/1であり、特に好ましくは1/4〜4/1である。
また、化合物(A)と化合物(C)との配合比(質量基準)は、化合物(C)に対する化合物(A)の含有比((A)成分/(C)成分の質量比)で1〜100であると、特に難燃性とサイクル特性との面で好適となる。この含有比は、より好ましくは5〜60であり、更に好ましくは5〜50である。
なお、本実施形態の電解液は、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)以外の添加剤(例えば、難燃性を付与させることのできるリン系化合物や、ハロゲン系化合物等、後述のリチウム塩及び非水溶媒以外の成分)を含んでもよい。ここで、化合物(A)と化合物(B)と化合物(C)との総量は、電解液中の添加剤の全体量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%以下である。
本実施形態の電解液に含まれる非水溶媒としては、例えば非プロトン性溶媒が挙げられ、非プロトン性極性溶媒が好ましい。その具体例としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、トランス−2,3−ブチレンカーボネート、シス−2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、トランス−2,3−ペンチレンカーボネート、シス−2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートに代表される環状カーボネート(ただし、上記化合物(B)及び化合物(C)に該当するものを除く。)、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンに代表されるラクトン;スルホランに代表される環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサンに代表される環状エーテル;メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート;アセトニトリルに代表されるニトリル;ジメチルエーテルに代表されるエーテル;プロピオン酸メチルに代表される鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタンに代表される鎖状エーテルカーボネート化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
特にリチウムイオン二次電池の充放電に寄与するリチウム塩の電離度を高めるために、非水溶媒は、環状の非プロトン性極性溶媒を1種類以上含むことが好ましく、特に、環状カーボネートを1種類以上含むことがより好ましい。環状の化合物は誘電率が高く、リチウム塩の電離を助けるために有効である。
本実施形態の電解液に含まれるリチウム塩は、通常の非水電解質として用いられているものであれば特に限定されず、いずれのものであってもよい。そのようなリチウム塩の具体例としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2k2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k2k+12〔kは1〜8の整数〕、LiPFn(Ck2k+16-n〔nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiBFn((Ck2k+14-n〔nは1〜3の整数、kは1〜8の整数〕、LiB(C222で表されるリチウムビスオキサリルボレート、LiBF2(C22)で表されるリチウムジフルオロオキサリルボレート、LiPF3(C22)で表されるリチウムトリフルオロオキサリルフォスフェートが挙げられる。
また、下記一般式(1a)、(1b)、(1c)で表されるリチウム塩を用いることもできる。
LiC(SO211)(SO212)(SO213) (1a)
LiN(SO2OR14)(SO2OR15) (1b)
LiN(SO216)(SO2OR17) (1c)
ここで、式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を示す。
これらのリチウム塩は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらのリチウム塩のうち、電池特性や安定性を高める観点から、特に、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2k2k+12〔kは1〜8の整数〕が好ましい。
リチウム塩は、電解液中に好ましくは0.1〜3モル/リットル、より好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で含有される。
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池について詳細に説明する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は上記リチウムイオン二次電池用非水電解液と、正極と、負極と、セパレータとを備える。
正極は、リチウムイオン二次電池の正極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものであってもよい。正極は、正極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有すると好ましい。そのような材料としては、例えば、下記一般式(2a)、(2b)で表される複合酸化物、トンネル構造及び層状構造の金属カルコゲン化物及び金属酸化物が挙げられる。
LixMO2 (2a)
Liy24 (2b)
ここで、式中、Mは遷移金属から選ばれる1種以上の金属を示し、xは0〜1の数、yは0〜2の数を示す。
より具体的には、例えば、LiCoO2に代表されるリチウムコバルト酸化物;LiMnO2、LiMn24、Li2Mn24に代表されるリチウムマンガン酸化物;LiNiO2に代表されるリチウムニッケル酸化物;LizMO2(MはNi、Mn、Co、Al及びMgからなる群より選ばれる2種以上の元素を示し、zは0.9超1.2未満の数を示す)で表されるリチウム含有複合金属酸化物が挙げられる。また、正極活物質として、例えば、S、MnO2、FeO2、FeS2、V25、V613、TiO2、TiS2、MoS2、NbSe2に代表されるリチウム以外の金属の酸化物も例示される。さらには、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリピロールに代表される導電性高分子も正極活物質として例示される。
これらの中でも、リチウム含有化合物は、高電圧及び高エネルギー密度を得ることができる傾向にあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、リチウムを含有するものであればよく、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物が挙げられる。より高い電圧を得る観点から、特に、リチウムと、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、バナジウム(V)及びチタン(Ti)からなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素とを含む複合酸化物が好ましい。
より具体的には、かかるリチウム含有化合物としてリチウムを有する金属酸化物、リチウムを有する金属カルコゲン化物が好ましく、例えば、それぞれ下記一般式(3a)で表される化合物が挙げられる。
LivI2 (3a)
ここで、式中、MIは1種以上の遷移金属元素を示し、v及びwの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常vは0.05〜1.10、wは0.05〜1.10の数を示す。
上記一般式(3a)で表される化合物は一般に層状構造を有する。この化合物において、構造を安定化させる等の目的から、遷移金属元素の一部をAl、Mg、その他の遷移金属元素で置換したり結晶粒界に含ませたりしたもの、酸素原子の一部をフッ素原子等で置換したものも挙げられる。更に、正極活物質表面の少なくとも一部に他の正極活物質を被覆したものも挙げられる。
正極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正極活物質の数平均粒子径は、好ましくは0.1μm〜100μm、より好ましくは1μm〜10μmである。正極活物質の数平均粒子径は湿式の粒子径測定装置(例えば、レーザー回折/散乱式粒度分布計、動的光散乱式粒度分布計)により測定することができる。あるいは、透過型電子顕微鏡にて観察した粒子100個をランダムに抽出し、画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、商品名「A像くん」)で解析し、その相加平均を算出することでも得られる。この場合、同じ試料に対して、測定方法間で数平均粒子径が異なる場合は、標準試料を対象として作成した検量線を用いてもよい。
正極は、例えば、下記のようにして得られる。すなわち、まず、上記正極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤やバインダー等を加えて混合した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ペーストを調製する。次いで、この正極合剤含有ペーストを正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し厚みを調整することによって、正極が作製される。
ここで、正極合剤含有ペースト中の固形分濃度は、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。
正極集電体は、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極は、リチウムイオン二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものであってもよい。負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料及び金属リチウムからなる群より選ばれる1種以上の材料を含有すると好ましい。そのような材料としては金属リチウムの他、例えば、アモルファスカーボン(ハードカーボン)、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、炭素コロイド、カーボンブラックに代表される炭素材料が挙げられる。これらのうち、コークスとしては、例えば、ピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークスが挙げられる。また、有機高分子化合物の焼成体は、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものである。
更に、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料としては、リチウムと合金を形成可能な金属元素及び半金属元素のうちの少なくとも1種を含む材料も挙げられる。この材料は金属又は半金属の単体であっても合金であっても化合物であってもよく、またこれらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものであってもよい。
なお、本明細書において、「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを有するものも含める。また、合金が、その全体として金属の性質を有するものであれば非金属元素を有していてもよい。その合金の組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物又はこれらのうちの2種以上が共存する。
このような金属元素及び半金属元素としては、例えば、チタン(Ti)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)が挙げられる。
これらの中でも、長周期型周期表における4族又は14族の金属元素及び半金属元素が好ましく、特に好ましいのはチタン、ケイ素及びスズである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、マグネシウム(Mg)、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロム(Cr)からなる群より選ばれる1種以上の元素を有するものが挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、マグネシウム、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロムからなる群より選ばれる1種以上の元素を有するものが挙げられる。
チタンの化合物、スズの化合物及びケイ素の化合物としては、例えば酸素(O)又は炭素(C)を有するものが挙げられ、チタン、スズ又はケイ素に加えて、上述の第2の構成元素を有していてもよい。
負極活物質は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
負極活物質の数平均粒子径は、好ましくは0.1μm〜100μm、より好ましくは1μm〜10μmである。負極活物質の数平均粒子径は、正極活物質の数平均粒子径と同様にして測定される。
負極は、例えば、下記のようにして得られる。すなわち、まず、上記負極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤やバインダー等を加えて混合した負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤含有ペーストを調製する。次いで、この負極合剤含有ペーストを負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し厚みを調整することによって、負極が作製される。
ここで、負極合剤含有ペースト中の固形分濃度は、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。
負極集電体は、例えば、銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
正極及び負極の作製にあたって、必要に応じて用いられる導電助剤としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維が挙げられる。導電助剤の数平均粒子径は、好ましくは0.1μm〜100μm、より好ましくは1μm〜10μmであり、正極活物質の数平均粒子径と同様にして測定される。また、バインダーとしては、例えば、PVDF、PTFE、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムが挙げられる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正負極の短絡防止、シャットダウン等の安全性付与の観点から、正極と負極との間にセパレータを備えると好ましい。セパレータとしては、公知のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様であってもよく、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。セパレータとしては、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜が挙げられ、これらの中でも、合成樹脂製多孔膜が好ましい。合成樹脂製微多孔膜としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜、あるいは、これらのポリオレフィンを共に含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が好適に用いられる。不織布としては、セラミック製、ポリオレフィン製、ポリエステル製、ポリアミド製、液晶ポリエステル製、アラミド製など、耐熱樹脂製の多孔膜が用いられる。
セパレータは、1種の微多孔膜を単層又は複数積層したものであってもよく、2種以上の微多孔膜を積層したものであってもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、上記電解液、正極、負極、セパレータを用いて、公知の方法により作製される。例えば、正極と負極とを、その間にセパレータを介在させて巻回して巻回構造の積層体にしたり、折り曲げや複数層の積層などによって積層体にしたりして成型する。次いで、電池ケース内にその積層体を収容して、本実施形態に係る電解液をケース内部に注液し、上記積層体を電解液に浸漬して封印することによって、本実施形態のリチウム二次電池を作製することができる。本実施形態のリチウム二次電池の形状は、特に限定されず、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形、ラミネート形などが好適に用いられる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は以下の方法により測定した。
(i)初充放電効率及び放電量維持率(初充放電試験及び充放電サイクル試験)
初充放電試験及び充放電サイクル試験は、アスカ電子(株)製充放電装置「ACD−01」(商品名)、及び、東京理化器械(株)製恒温槽「KCL−1000」(商品名)を用いて行った。
初充電では、2mAの定電流で充電し、4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で合計8時間充電を行った。その後2mAの定電流で電圧が3.0Vに到達するまで放電させた。初充放電効率は、初回の放電時の容量を初回の充電時の容量で除した値を百分率で表したものとした。なお、初充放電試験時の電池周囲温度は25℃に設定した。
充放電サイクル試験では、まず、6mAの定電流で充電し、4.0Vに到達した後、4.0Vの定電圧で、合計3時間充電を行った。その後、12mAの定電流で放電し、3.0Vに到達した時点で再び、充電を繰り返した。1サイクルは、充電と放電とを各々1回行なうことを意味する。電池の周囲温度は60℃に設定した。なお、放電量維持率は、初回の放電容量を100%としたときの100サイクル実施後の放電容量の割合とした。
(ii)電解液の難燃性試験
市販のガラス繊維濾紙を幅13mm、長さ110mmの短冊状に切断したものに、調製した電解液1mLを含浸させた。このようにして電解液を含浸させたガラス繊維濾紙が水平になるよう、その長さ方向の両端を固定した。その一端を最大30秒間、着火するまで試験炎にさらし、着火直後に試験炎を遠ざけて引火炎の様子を目視にて観察した。30秒間接炎し続けても着火しないものを「優」と判定し、◎◎と表記した。着火するが、離炎すると消えるものを「良」と判定し、◎と表記した。着火し、離炎しても燃焼が継続するが、炎が濾紙の他端まで伝播せず、途中で消えるものを「ほぼ良」と判定し、○と表記した。着火し、離炎しても燃焼が継続し、炎が濾紙の他端まで伝播するものを「不良」と判定し、×と表記した。こうして、電解液の難燃性を評価した。
[製造例1]
(正極の作製)
正極活物質として平均粒径5μmのリチウムコバルト酸(LiCoO2)、導電助剤として平均粒径3μmの炭素粉末、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を85:10:5の質量比で混合した。得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドンを投入し、更に混合して固形分60質量%になるようにスラリー状の溶液を作製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に3mAh/cm2の初期放電容量となるように塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いて正極を得た。
[製造例2]
(負極の作製)
負極活物質として平均粒径5μmのメソカーボンマイクロビーズ、バインダーとしてジエン系からなるバインダー(ガラス転移温度:−5℃、乾燥時の粒径:120nm、分散媒:水、固形分濃度40%)を負極活物質の固形分濃度が60質量%になるように混合して、スラリー状の溶液を作製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの銅箔の片面に3mAh/cm2の初期放電容量となるように塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延した。圧延後のものを直径16mmの円盤状に打ち抜いて負極を得た。
〔実施例1〕
エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比2:1で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなるように添加して、基本の電解質液を得た。その基本の電解質液に、更に亜リン酸トリ(トリフルオロエチル)(以下「TFEP(III)」と略記する。)及びビニレンカーボネート(以下「VC」と略記する。)を添加して、TFEP(III)の含有量が10質量%、VCの含有量が1質量%の電解液を調製した。この電解液の難燃性試験を行った結果、評価は良であった。結果を表1に示す。
続いて、製造例1、2で作製した正極と負極とを、ポリエチレンからなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)を介して重ね合わせた後、SUS製の円盤型電池に挿入し、上記電解液を1mL注入し、密閉して電池を作製した。
得られた電池について初充放電試験を実施後、充放電サイクル試験を行い、放電量維持率を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
電解液に加えるVCの含有量を1質量%から0.8質量%に代え、更にトリアリルシアヌレート(以下、「TAC」と略記する。)0.2質量%を電解液に加えた以外は実施例1と同様にして、電解液及び電池を得た。電解液の難燃性試験、並びに、初充放電試験及び充放電サイクル試験を実施した。結果を表1に示す。
〔実施例3〜9〕
電解液における基本の電解質液以外の成分の組成を表1に記載の組成に変更し、全体で100質量%となるよう基本の電解質液の含有量を変更した以外は実施例2と同様にして、電解液及び電池を得た。電解液の難燃性試験、並びに、初充放電試験及び充放電サイクル試験を実施した。結果を表1に示す。
〔実施例10〕
TFEP(III)に代えて亜リン酸トリメチル(以下、「TMP(III)」と略記する。)を用いた以外は実施例2と同様にして、電解液及び電池を得た。電解液の難燃性試験、並びに、初充放電試験及び充放電サイクル試験を実施した。結果を表1に示す。
〔実施例11〕
VCに代えてビニルエチレンカーボネート(以下、「VEC」と略記する。)を用いた以外は実施例2と同様にして、電解液及び電池を得た。電解液の難燃性試験、並びに、初充放電試験及び充放電サイクル試験を実施した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
上記基本の電解質液を電解液として用いた以外は実施例1と同様にして電池を得た。電解液の難燃性試験、並びに、初充放電試験及び充放電サイクル試験を実施した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
VCとTACとを電解液に加えなかった以外は実施例1と同様にして、電解液及び電池を得た。電解液の難燃性試験、並びに、初充放電試験及び充放電サイクル試験を実施した。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
TFEP(III)に代えてリン酸トリ(トリフルオロエチル)(以下、「TFEP(V)」と略記する。)を用いた以外は実施例2と同様にして、電解液及び電池を得た。電解液の難燃性試験、並びに、初充放電試験及び充放電サイクル試験を実施しようとしたが、電池は初充電試験が不良となり、充放電サイクル試験まで実施できなかった。結果を表1に示す。
Figure 2010282906
本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば携帯電話、携帯オーディオ、パソコンなどの携帯機器に加え、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車などの自動車用充電池としての利用も期待される。

Claims (8)

  1. リチウム塩と、非水溶媒と、下記一般式(I)で表される化合物(A)5〜50質量%と、重合性官能基を分子内に1個有する化合物(B)0.0001〜10質量%と、を含有するリチウムイオン二次電池用非水電解液。
    Figure 2010282906
    (式中、R1、R2及びR3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。)
  2. 更に重合性官能基を分子内に2個以上有する化合物(C)を含有し、
    前記化合物(C)に対する前記化合物(B)の含有比が、質量基準で1/99〜99.99/0.01である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
  3. 前記化合物(B)と前記化合物(C)との合計量が、前記リチウムイオン二次電池用非水電解液の全体量に対して0.0001質量%超10質量%以下である、請求項2記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
  4. 前記化合物(C)は、トリアジン環構造及び/又はその異性体構造を有する、請求項2又は3に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
  5. 前記化合物(C)は、トリアリルシアヌレート及び/又はトリアリルイソシアヌレートである、請求項2〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
  6. 前記R1、R2及びR3の少なくとも一つは含フッ素置換アルキル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
  7. 前記化合物(B)は、下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液。
    Figure 2010282906
    (式中、R4及びR5は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    Figure 2010282906
    (式中、R6は炭素数1〜3のアルケニル基を示し、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用非水電解液と、正極と、負極と、セパレータと、を備えるリチウムイオン二次電池。
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