JP2003086242A - 有機電解液 - Google Patents

有機電解液

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JP2003086242A
JP2003086242A JP2002198415A JP2002198415A JP2003086242A JP 2003086242 A JP2003086242 A JP 2003086242A JP 2002198415 A JP2002198415 A JP 2002198415A JP 2002198415 A JP2002198415 A JP 2002198415A JP 2003086242 A JP2003086242 A JP 2003086242A
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房次 喜多
Hideaki Yumiba
秀章 弓場
Masaharu Azumaguchi
雅治 東口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電サイクルの増加に伴う負荷特性の低下
が少ない有機電解液二次電池を実現できる有機電解液を
提供する。 【解決手段】 鎖状エステルを主溶媒とし誘電率が30
以上のエステルを混合した混合溶媒に、電解質とフッ素
含有芳香族化合物を含有させることによって有機電解液
を構成する。上記フッ素含有芳香族化合物としては、ト
リフルオロベンゼン、モノフルオロベンゼン、トリフル
オロトルエン、ビストリフルオロメチルベンゼン、ジフ
ルオロベンゼン、1−フルオロナフタレンなどが好まし
く、その含有量としては電解液の溶媒100質量部に対
して0. 1質量部以上10質量部以下が好ましい。ま
た、誘電率が30以上のエステルとしてはエチレンカー
ボネートなどの環状カーボネートが好ましく、鎖状エス
テルとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、メチルエチルカーボネート、エチルアセテート、
プロピオン酸メチルなどが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電解液に関
し、さらに詳しくは、充放電サイクルの増加に伴う負荷
特性の低下が少ない有機電解液二次電池を実現できる有
機電解液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機電解液二次電池は電解液の溶媒とし
て有機溶媒を用いた二次電池であり、この有機電解液二
次電池は、容量が大きく、かつ高電圧、高エネルギー密
度、高出力であることから、ますます需要が増える傾向
にある。
【0003】そして、この電池の有機電解液の溶媒とし
ては、これまで、エチレンカーボネートなどの環状エス
テルとジエチルカーボネート、プロピオン酸メチルなど
の鎖状エステルとが混合して用いられてきた。
【0004】しかしながら、本発明者らの検討によれ
ば、上記のような鎖状エステルを主溶媒として用いた有
機電解液は、電池の低温特性を改善できるものの、充放
電サイクルの増加に伴って電池の負荷特性が低下しやす
いことが判明した。
【0005】そこで、本発明者らは、その原因を究明す
べく、さらに検討を重ねた結果、上記負荷特性の低下
は、負極表面で負極活物質が電解液の溶媒(「有機電解
液の溶媒」を簡略化して「電解液の溶媒」と表現する)
と反応し、その反応生成物が負極表面に皮膜として付着
することによって引き起こされることが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】負極表面での負極活物
質と電解液の溶媒との反応については、D.Aurba
chらが、負極活物質のカーボン上に有機炭酸塩(RO
CO2 Li)、Li2 CO3 や、アルコキシド(ROL
i)などが生成していることを報告している〔J,El
ectrochemical Soc.,Vol.14
2(No.9),p2882(1995)〕。また、同
報文には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネー
トとの混合溶媒において、鎖状エステルのジエチルカー
ボネートの割合が1:1より多くなると、充放電サイク
ル特性に悪影響が出ると報告されている。また、本発明
者らの検討においても、充放電サイクルの増加に伴って
電池の負荷特性が低下することが判明している。
【0007】したがって、本発明は、上記のような従来
の有機電解液やそれを用いた有機電解液二次電池におけ
る問題点を解決し、充放電サイクルの増加に伴う負荷特
性の低下が少ない有機電解液二次電池を実現できる有機
電解液を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鎖状エステル
を主溶媒とし誘電率が30以上のエステルを混合した混
合溶媒に、電解質とフッ素含有芳香族化合物を含有させ
て有機電解液を構成することにより、充放電サイクルの
増加に伴う負荷特性の低下を抑制して、上記課題を解決
したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明において用いる鎖
状エステル、誘電率が30以上のエステル、電解質およ
びフッ素含有芳香族化合物について詳細に説明するとと
もに、本発明の有機電解液が充放電サイクルの増加に伴
う負荷特性の低下を抑制できる有機電解液二次電池を実
現できる理由を説明する。
【0010】本発明の有機電解液は、鎖状エステルを主
溶媒とし誘電率が30以上のエステルを混合した混合溶
媒に、電解質とフッ素含有芳香族化合物を含有させたこ
とを特徴とするが、まず、そのフッ素含有芳香族化合物
について説明すると、本発明において、上記フッ素含有
芳香族化合物としては、たとえば、トリフルオロベンゼ
ン、モノフルオロベンゼン、トリフルオロトルエン、ビ
ストリフルオロメチルベンゼン、ジフルオロベンゼン、
1−フルオロナフタレンなどが挙げられる。
【0011】このフッ素含有芳香族化合物の有機電解液
中における含有量としては、電解液の溶媒100質量部
に対して10質量部以下、特に5質量部以下、とりわけ
1質量部以下で、0.1質量部以上、特に0.2質量部
以上、とりわけ0.5質量部以上であることが好まし
い。フッ素含有芳香族化合物の含有量が上記より少ない
場合は、充放電サイクルの増加に伴う負荷特性の低下を
抑制する効果が充分に発現しなくなるおそれがあり、ま
た、フッ素含有芳香族化合物の含有量が上記より多い場
合は、電池特性が低下するおそれがある。
【0012】上記電解液の溶媒は、鎖状エステルを主溶
媒とし誘電率が30以上のエステルを混合した混合溶媒
で構成されるが、その鎖状エステルとしては、たとえ
ば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボ
ネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(ME
C)、エチルアセテート(EA)、プロピオン酸メチル
(PM)などの鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒が
挙げられる。そして、本発明においては、この鎖状エス
テルを主溶媒とするが、この鎖状エステルが電解液の溶
媒中の主溶媒であるということは、鎖状エステルが全電
解液溶媒中の50体積%より多い体積を占めるというこ
とを意味しており、特に鎖状エステルが全電解液溶媒中
の65体積%以上、とりわけ鎖状エステルが全電解液溶
媒中の70体積%以上を占めることが好ましく、なかで
も鎖状エステルが全電解液溶媒中の75体積%以上を占
めることが好ましい。
【0013】本発明において、電解液の溶媒として、こ
の鎖状エステルを主溶媒にしているのは、鎖状エステル
が全電解液溶媒中の50体積%を超えることによって、
電池特性、特に低温特性が改善されるからである。
【0014】ただし、電解液溶媒としては、上記鎖状エ
ステルのみで構成するよりも、電池容量の向上をはかる
ために、上記鎖状エステルに誘導率が30以上のエステ
ルを混合して用いることが好ましいことから、本発明に
おいては、上記鎖状エステルに誘電率が30以上のエス
テルを混合するが、そのような誘電率が30以上のエス
テルとしては、たとえば、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマ−
ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなど
が挙げられ、特にエチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネートなどの環状構造のものが好ましく、とりわけ
環状のカーボネートが好ましく、具体的にはエチレンカ
ーボネート(EC)が最も好ましい。
【0015】そのような誘電率が30以上のエステルの
全電解液溶媒中で占める量としては、10体積%以上、
特に20体積%以上が好ましい。すなわち、誘電率が3
0以上のエステルが全電解液溶媒中で10体積%以上に
なると容量の向上が明確に発現するようになり、誘電率
が30以上のエステルが全電解液溶媒中で20体積%以
上になると容量の向上がより一層明確に発現するように
なる。ただし、誘電率が30以上のエステルの全電解液
溶媒中で占める体積が多くなりすぎると電池の放電特性
が低下する傾向があるので、誘電率が30以上のエステ
ルの全電解液溶媒中で占める量としては、上記のように
10体積%以上、好ましくは20体積%以上の範囲内
で、40体積%以下が好ましく、より好ましくは30体
積%以下、さらに好ましくは25体積%以下である。
【0016】本発明においては、上記鎖状エステルや誘
電率が30以上のエステルにも、本発明の効果を損なわ
ない範囲において、使用可能な溶媒があり、そのような
溶媒としては、たとえば、1,2−ジメトキシエタン
(DME)、1,3−ジオキソラン(DO)、テトラヒ
ドロフラン(THF)、2−メチル−テトラヒドロフラ
ン(2−Me−THF)、ジエチルエーテル(DEE)
などが挙げられる。そのほか、アミンイミド系有機溶媒
や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いるこ
とができる。
【0017】電解質としては、たとえば、LiCl
4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiS
bF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、Li
CF3 CO2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN
(CF3 SO2 2 、LiC(CF 3 SO2 3 、Li
n 2n+1SO3 (n≧2)などが単独でまたは2種以
上混合して用いられる。特にLiPF6 やLiC4 9
SO3 などが充放電特性が良好なことから好ましい。有
機電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるも
のではないが、通常0.3〜1.7mol/l、特に
0.4〜1.5mol/l程度が好ましい。
【0018】本発明の有機電解液の調製にあたり、溶媒
や電解質、フッ素含有芳香族化合物などの順序は、特に
重要でなく、調製された有機電解液において、溶媒が鎖
状エステルを主溶媒とし誘電率が30以上のエステルを
混合した混合溶媒で構成され、かつ電解質およびフッ素
含有芳香族化合物が含有されておればよい。
【0019】本発明の有機電解液が充放電サイクルに伴
う負荷特性の低下を抑制できる有機電解液二次電池を実
現できる理由は、現在のところ必ずしも明確ではない
が、次のように考えられる。
【0020】本発明の有機電解液を用いて有機電解液二
次電池を構成するにあたって負極活物質として最も好ま
しい炭素材料を例に挙げて説明すると、負極活物質とし
て優れた炭素材料は、電解液中の溶媒と一部反応し、負
極の表面に薄い良質の皮膜を形成し、ある程度反応が進
行すると、上記皮膜は逆に電解液溶媒との反応を防止す
る保護層(プロテクト層)として機能するようになる。
しかも、上記皮膜はリチウムイオンが通過できる薄い皮
膜であるため、電極反応に対して影響を及ぼさない。し
かし、電解液溶媒中の鎖状エステルの比率が高くなる
と、負極表面での炭素材料と電解液の溶媒との反応性が
高くなり、皮膜の厚みを適切な厚みに押さえることがで
きなくなって、充放電サイクルの増加に伴って皮膜が厚
くなっていくものと考えられる。
【0021】しかし、上記有機電解液にフッ素含有芳香
族化合物が含まれていると、そのフッ素含有芳香族化合
物が炭素材料の表面に吸着または反応し、薄い皮膜の状
態で、電解液の溶媒との反応を抑制するものと考えられ
る。
【0022】本発明の有機電解液を用いて有機電解液二
次電池を構成するにあたり、正極は、たとえば、二酸化
マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物、LiNi
2などのリチウムニッケル酸化物、LiCoO2 など
のリチウムコバルト酸化物、LiMn2 4 などのリチ
ウムマンガン酸化物などの金属酸化物または二硫化チタ
ン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物、またはそれら
の正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレン
などの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼
製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げること
によって作製される。ただし、正極の作製方法は上記例
示のもののみに限られることはない。
【0023】特に正極活物質としてLiNiO2 、Li
CoO2 、LiMn2 4 などの充電時の開路電圧がL
i基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を用いる場
合は、高エネルギー密度が得られるので好ましい。
【0024】また、本発明の有機電解液を用いて有機電
解液二次電池を構成するにあたり、負極活物質として
は、リチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能で、電
解液の溶媒と一部反応して負極の表面に皮膜を形成する
化合物であればよく、たとえば、炭素材料、リチウム合
金、酸化物などが挙げられ、特に炭素材料が好ましい。
そして、その炭素材料としては、たとえば、黒鉛、熱分
解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化
合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊
維、活性炭などを用いることができる。
【0025】そして、負極活物質として用いる炭素材料
は、特に下記の特性を持つものが好ましい。すなわち、
その(002)面の層間距離d002 に関しては、0.3
5nm以下が好ましく、より好ましくは0.345nm
以下、さらに好ましくは0.34nm以下である。ま
た、c軸方向の結晶子サイズLcに関しては、3.0n
m以上が好ましく、より好ましくは8.0nm以上、さ
らに好ましくは25.0nm以上である。そして、平均
粒径は8〜15μm、特に10〜13μmが好ましく、
純度は99.9%以上が好ましい。
【0026】負極は、たとえば、上記負極活物質または
その負極活物質に必要に応じて導電助剤や結着剤などを
適宜加えた合剤を、銅箔などの集電材料を芯材として成
形体に仕上げることによって作製される。ただし、負極
の作製方法は上記例示のもののみに限られることはな
い。
【0027】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0028】実施例1 メチルエチルカーボネートとエチレンカーボネート(誘
電率:89.6)とを体積比76:24で混合し、この
混合溶媒に1,3,5−トリフルオロベンゼンを上記混
合溶媒100質量部に対して1質量部の割合で添加し、
溶解させた後、LiPF6 を1.4mol/l溶解させ
て、組成が1.4mol/lLiPF6/EC:MEC
(24:76体積比)+1%TFBで示される有機電解
液を調製した。
【0029】上記有機電解液における、ECはエチレン
カーボネートの略称で、MECはメチルエチルカーボネ
ートの略称であり、TFBは1,3,5−トリフルオロ
ベンゼンの略称である。したがって、上記有機電解液を
示す1.4mol/lLiPF6 /EC:MEC(2
4:76体積比)+1%TFBは、エチレンカーボネー
ト24体積%とメチルエチルカーボネート76体積%と
の混合溶媒にLiPF6を1.4mol/l溶解させ、
かつ1,3,5−トリフルオロベンゼンを全電解液溶媒
100質量部に対して1質量部含有させたものであるこ
とを示している。
【0030】これとは別に、LiCoO2 90質量部に
導電助剤としてりん状黒鉛を6質量部加えて混合し、こ
の混合物にポリフッ化ビニリデン4質量部をN−メチル
ピロリドンに溶解させた溶液を加えて混合してスラリー
にした。この正極合剤スラリーを70メッシュの網を通
過させて大きなものを取り除いた後、厚さ20μmのア
ルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗付し
て乾燥し、その後、ローラプレス機により圧縮成形して
総厚を165μmにした後、切断し、リード体を溶接し
て、帯状の正極を作製した。
【0031】つぎに、黒鉛系炭素材料(ただし、層間距
離d002 =0.337nm、c軸方向の結晶子サイズL
c=95.0nm、平均粒径10μm、純度99.9%
以上という特性を持つ黒鉛系炭素材料)90質量部を、
ポリフッ化ビニリデン10質量部をN−メチルピロリド
ンに溶解させた溶液と混合してスラリーにした。この負
極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて大きな
ものを取り除いた後、厚さ18μmの帯状の銅箔からな
る負極集電体の両面に均一に塗付して乾燥し、その後、
ローラプレス機により圧縮成形して総厚を165μmに
した後、切断し、リード体を溶接して、帯状の負極を作
製した。
【0032】前記帯状正極を厚さ25μmの微孔性ポリ
プロピレンフィルムからなるセパレータを介して上記帯
状負極に重ね、渦巻状に巻回して渦巻状電極体とした
後、外径14mmの有底円筒状の電池ケース内に挿入
し、正極および負極のリード体の溶接を行った。
【0033】つぎに有機電解液を電池ケース内に注入
し、有機電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、
封口し、予備充電、エイジングを行い、図1に示す構造
の筒形の有機電解液二次電池を作製した。
【0034】図1に示す電池について説明すると、1は
前記の正極で、2は前記の負極である。ただし、図1で
は、繁雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあた
って使用した集電体などは図示していない。そして、3
はセパレータで、4は有機電解液であり、この有機電解
液4には前記のように1,3,5−トリフルオロベンゼ
ンを含有させている。
【0035】5はステンレス鋼製の電池ケースであり、
この電池ケース5は負極端子を兼ねている。電池ケース
5の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからな
る絶縁体6が配置され、電池ケース5の内周部にもポリ
テトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体7が配置
されていて、前記正極1、負極2およびセパレータ3か
らなる渦巻状電極体や、有機電解液4などは、この電池
ケース5内に収容されている。
【0036】8はステンレス鋼製の封口板であり、この
封口板8の中央部にはガス通気孔8aが設けられてい
る。9はポリプロピレン製の環状パッキング、10はチ
タン製の可撓性薄板で、11は環状でポリプロピレン製
の熱変形部材である。
【0037】上記熱変形部材11は温度によって変形す
ることにより、可撓性薄板10の破壊圧力を変える作用
をする。
【0038】12はニッケルメッキを施した圧延鋼製の
端子板であり、この端子板12には切刃12aとガス排
出孔12bとが設けられていて、電池内部にガスが発生
して電池の内部圧力が上昇し、その内圧上昇によって可
撓性薄板10が変形したときに、上記切刃12aによっ
て可撓性薄板10を破壊し、電池内部のガスを上記ガス
排出孔12bから電池外部に排出して、電池の高圧下で
の破壊が防止できるように設計されている。
【0039】13は絶縁パッキングで、14はリード体
であり、このリード体14は正極1と封口板8とを電気
的に接続しており、端子板12は封口板8との接触によ
り正極端子として作用する。また、15は負極2と電池
ケース5とを電気的に接続するリード体である。
【0040】実施例2 1,3,5−トリフルオロベンゼンに代えて、ジフルオ
ロベンゼンを電解液溶媒100質量部に対して1質量部
含有させた以外は、実施例1と同様にして筒形の有機電
解液二次電池を作製した。
【0041】実施例3 1,3,5−トリフルオロベンゼンに代えて、モノフル
オロベンゼンを電解液溶媒100質量部に対して1質量
部含有させた以外は、実施例1と同様にして筒形の有機
電解液二次電池を作製した。
【0042】比較例1 有機電解液に1,3,5−トリフルオロベンゼンを添加
しなかった以外は、実施例1と同様にして筒形の有機電
解液二次電池を作製した。
【0043】上記実施例1〜3および比較例1の有機電
解液を用いた電池について、700mAの定電流で4.
1Vまで充電し、4.1Vに達した後は4.1Vの定電
圧充電を行った。充電時間は上記700mAでの定電流
充電と4.1Vでの定電圧充電との両者を併せて2時間
30分であった。つぎに、140mAで2.75Vまで
放電し、再び上記条件での定電流充電および定電圧充電
をした後、電流値のみを700mAに変えて放電し、さ
らに上記条件での定電流充電および定電圧充電をした
後、電流を1400mAに変えて放電し、その後、さら
に上記条件での定電流充電および定電圧充電をした後、
700mAで放電することを97回繰り返した。
【0044】つぎに、1サイクル目と同じ条件に戻して
1〜100サイクル目と同じ充放電サイクルを繰り返し
た。つまり、1サイクル、2サイクル、3サイクル、1
01サイクル、102サイクル、103サイクル………
と電流値を変えて負荷特性の測定を100サイクルおき
に行いつつ、充放電サイクルを繰り返した。そして、各
サイクルの放電容量をQ(n)(ここで、nはサイクル
数)で表すと、Q(3)/Q(1)を計算することによ
り、電流が10倍になった場合の負荷特性(容量保持
率)がわかり、Q(1)×Q(103)/Q(3)×Q
(101)を計算すると、負荷特性が100サイクルで
どの程度悪くなったかがわかる。実施例1では、この値
が0.99で、実施例2では、この値が0.98であ
り、実施例3では、この値が0.97であって、負荷特
性の低下が少なかったのに対し、比較例1では、この値
が0.93となり、負荷特性が低下していた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、充放
電サイクルに伴う負荷特性の低下が少ない有機電解液二
次電池を実現できる有機電解液を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電解液を用いた有機電解液二次電
池の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 有機電解液
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月20日(2002.8.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鎖状エステル
を主溶媒とし誘電率が30以上の環状構造のエステルを
混合した混合溶媒(ただし、全溶媒中で主溶媒としての
鎖状エステルが占める体積は50体積%より多い)に、
電解質とフッ素含有芳香族化合物(ただし、3−フルオ
ロチオフェンおよび1−メチル−3−(ピロリル−1−
メチル)ピリジニウムテトラフルオロボレートを除く)
を含有させて有機電解液を構成することにより、充放電
サイクルの増加に伴う負荷特性の低下を抑制して、上記
課題を解決したものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】ただし、電解液溶媒としては、上記鎖状エ
ステルのみで構成するよりも、電池容量の向上をはかる
ために、上記鎖状エステルに誘率が30以上のエステ
ルを混合して用いることが好ましく、そのような誘電率
が30以上のエステルとしては、たとえば、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、ガンマ−ブチロラクトン、エチレングリコール
サルファイトなどが挙げられ、特にエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネートなどの環状構造のものが好
ましいことから、本発明では、誘電率が30以上の環状
構造のエステルを混合して用いるが、そのような誘電率
が30以上の環状構造のエステルとしては、とりわけ環
状のカーボネートが好ましく、具体的にはエチレンカー
ボネート(EC)が最も好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東口 雅治 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 松本 和伸 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H024 AA01 CC02 FF14 FF15 FF18 FF19 HH02 5H029 AJ05 AK02 AK03 AK05 AL07 AM02 AM03 AM07 BJ02 HJ02 HJ20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鎖状エステルを主溶媒とし誘電率が30
    以上のエステルを混合した混合溶媒に、電解質とフッ素
    含有芳香族化合物を含有させたことを特徴とする有機電
    解液。
  2. 【請求項2】 電解質が、LiClO4 、LiPF6
    LiBF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiCF3
    SO3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li
    2 2 4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 2
    LiC(CF 3 SO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n
    ≧2)より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載
    の有機電解液。
  3. 【請求項3】 フッ素含有芳香族化合物が、トリフルオ
    ロベンゼン、モノフルオロベンゼン、トリフルオロトル
    エン、ビストリフルオロメチルベンゼン、ジフルオロベ
    ンゼン、1−フルオロナフタレンより選ばれる少なくと
    1種である請求項1または2記載の有機電解液。
  4. 【請求項4】 フッ素含有芳香族化合物の含有量が、電
    解液の溶媒100質量部に対して0.1質量部以上10
    質量部以下である請求項1〜3のいずれかに記載の有機
    電解液
  5. 【請求項5】 誘電率が30以上のエステルとして環状
    構造のエステルを含有する請求項1〜4のいずれかに記
    載の有機電解液。
  6. 【請求項6】 誘電率が30以上のエステルとして環状
    のカーボネートを含有する請求項1〜4のいずれかに記
    載の有機電解液。
  7. 【請求項7】 鎖状エステルが、ジメチルカーボネー
    ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
    ト、エチルアセテート、プロピオン酸メチルより選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載
    の有機電解液。
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