JP3580511B2 - 有機電解液二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電解液二次電池に関し、さらに詳しくは、充放電サイクルに伴う負荷特性の低下が少ない有機電解液二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機電解液二次電池は電解液の溶媒として有機溶媒を用いた二次電池であり、この有機電解液二次電池は、容量が大きく、かつ高電圧、高エネルギー密度、高出力であることから、ますます需要が増える傾向にある。
【0003】
そして、この電池の有機電解液(以下、電池を表すとき以外は、単に「電解液」という場合がある)の溶媒としては、これまで、エチレンカーボネートなどの環状エステルやジメチルカーボネート、プロピレン酸メチルなどの鎖状エステルが混合して用いられてきた。
【0004】
しかしながら、本発明者らが検討をしたところでは、鎖状エステルを主成分として用いた電池は、低温特性を改善する効果はあるものの、充放電サイクルに伴って電池の負荷特性が低下しやすいことが判明した。そこで、本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、上記負荷特性の低下の原因が負極表面で負極活物質が電解液の溶媒と反応した結果生じる皮膜によるものであることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
負極活物質と電解液溶媒との負極表面での反応については、D.Aurbachらが、負極活物質のカーボン上に有機炭酸塩(ROCOLi)、LiCOや、アルコキシド(ROLi)などが生成していることを報告している〔J,Electrochemical Soc.,Vol.142,No.9,p2882(1995)〕。また、同じD.Aurbachらの報文には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒において、鎖状エステルのジエチルカーボネートの割合が1:1より多くなると、充放電サイクル特性に悪影響が出ると報告されている。また、本発明者らの検討においても、充放電サイクルの増加に伴って電池の負荷特性が低下することがわかっている。
【0006】
したがって、本発明は、上記のような従来の有機電解液二次電池における問題点を解決し、充放電サイクルに伴う負荷特性の低下が少ない有機電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭素材料などのリチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な化合物を負極活物質として用い、かつ鎖状エステルを主電解液溶媒として全電解液溶媒中の50体積%より多い体積を占めるように含む有機電解液二次電池において、電解液の添加剤として重量平均分子量が50000以上のイオン伝導性ポリマーを電解液中に特定の比率で含有させることによって、電池特性の大幅な低下を招くことなく、充放電サイクルに伴う負荷特性の低下を抑制し、上記目的を達成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、正極、リチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な化合物を構成要素とする負極および有機電解液を有する有機電解液二次電池において、上記有機電解液が、鎖状エステルを主溶媒として全電解液溶媒中の50体積%より多い体積を占めるように含み、かつ重量平均分子量が50000以上のイオン伝導性ポリマーを電解液溶媒100重量部に対して0.1〜5重量部含有することを特徴とする有機電解液二次電池に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明において用いるイオン伝導性ポリマーおよびそのイオン伝導性ポリマーの添加によって充放電サイクルに伴う負荷特性の低下が抑制される理由を詳細に説明する。
【0010】
まず、イオン伝導性ポリマーについて説明すると、本発明において、イオン伝導性ポリマーとしては、たとえばポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのポリα,β−不飽和カルボン酸エステル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリオレフィンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸などが用いられる。これらはポリマー電解質の素材として知られているものであり、これらとリチウム塩とを混合して固体ポリマー電解質として用いたり、プロピレンカーボネートなどの環状エステルと混合してゲル電解質として用いられることはあったが、これらが鎖状エステルを主溶媒とする電解液系で用いられたことは、見当たらない。仮に用いられたとしても、これらは有機溶媒系の電解液に対して溶解しやすいため、電池特性が大幅に低下してしまう。また、これらをバインダーとして用いた場合も同様である。
【0011】
また、特開平6−52889号公報には、ポリマーを電解液に添加することによって、電池が異常昇温した場合に対する安全性を改善することが提案されている。しかし、この場合においても、ポリマーの平均分子量が10000を超えると電池特性が低下すると記載されている。
【0012】
しかしながら、本発明者らは、さらに詳細に検討を重ねた結果、電解液溶媒中の鎖状エステルの比率を高くし、かつ上記イオン伝導性ポリマーの添加量を電解液溶媒100重量部に対して5重量部以下にすることによって、電池特性の大幅な低下を解消するとともに、低温特性を改善し、かつ充放電サイクルに伴う負荷特性の低下を抑制することができることを見出したのである。
【0013】
また、本発明において、重量平均分子量が50000以上のイオン伝導性ポリマーを少量添加することによって充放電に伴う負荷特性の低下を抑制することができるのは、現在のところ必ずしも明確ではないものの、次のような理由によるものと考えられる。
【0014】
本発明において、負極活物質としてはリチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な化合物を用いるが、その最も好ましい具体例である炭素材料を例にとって説明すると、負極活物質として優れた炭素材料は、電解液中の溶媒と一部反応し、その表面に薄い良質の皮膜を形成し、ある程度反応が進行すると、上記皮膜は逆に溶媒との反応を防止する保護層として機能するようになる。しかも、上記皮膜はリチウムイオンが通過できる薄い皮膜であるため、電極反応には対して悪影響を及ぼさない。しかし、電解液溶媒中の鎖状エステルの比率が高くなると、負極表面での炭素材料と溶媒との反応性が高くなり、皮膜の厚みを適切な厚みに押さえることができなくなって、充放電サイクルに伴って皮膜が厚くなっていくものと考えられる。
【0015】
しかし、上記電解液系にイオン伝導性ポリマーを添加すると、それが炭素材料の表面に吸着あるいは反応し、薄い皮膜の状態で、電解液溶媒との反応を防止し、かつイオン伝導性のポリマーとしてリチウムイオンの移動を促進するものと考えられる。
【0016】
本発明において、イオン伝導性ポリマーとしては、前述したように、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのポリα,β−不飽和カルボン酸エステル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリオレフィンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニルなどが用いられるが、特にポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどが好ましい。
【0017】
そして、これらのイオン伝導性ポリマーは、その重量平均分子量が50000以上であることが必要である。すなわち、イオン伝導性ポリマーの重量平均分子量が50000より小さい場合は、充放電サイクルに伴う負荷特性の低下を抑制する効果が小さくなるからである。
【0018】
上記イオン伝導性ポリマーは、分子量が大きくなると、炭素材料表面に対する被覆率が高くなるとともに、該イオン伝導性ポリマーの末端の反応性基の影響による電池性能の低下が少なくなるので、特に重量平均分子量が100000以上のものが好ましい。ただし、あまりにも分子量が大きくなりすぎると、電解液に溶解しにくくなるので、重量平均分子量が50000以上の範囲内で300000以下であることが好ましい。
【0019】
このイオン伝導性ポリマーの電解液中の含有量は、前記のように、電解液溶媒100重量部に対して5重量部以下で0.1重量部以上であることが必要である。これは、イオン伝導性ポリマーの電解液中の含有量が電解液溶媒100重量部に対して0.1重量部より少ない場合は、充放電サイクルに伴う負荷特性の低下を抑制する効果が充分に発現せず、また、イオン伝導性ポリマーの電解液中の含有量が電解液溶媒100重量部に対して5重量部より多い場合は、電池特性が低下するからである。
【0020】
そして、このイオン伝導性ポリマーは、既に調製済みの電解液に添加して電解液中に含有させてもよいし、また、電解液の調製時に電解質と共に添加して電解液中に含有されるようにしてもよいし、さらには、電解質の添加に先立って有機溶媒に添加して電解液中に含有されるようにしてもよい。
【0021】
本発明において、電解液はその主溶媒として鎖状エステルを全電解液溶媒中の50体積%より多い体積を占めるように含むので、本発明においては、その鎖状エステルを主溶媒と呼んでいるが、この鎖状エステルとしては、たとえばジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチルアセテート(EA)、プロピオン酸メチル(PM)などの鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒が挙げられる。本発明において、この鎖状エステルが電解液の主溶媒であるということは、前記のように、これらの鎖状エステルが全電解液溶媒中の50体積%より多い体積を占めるということを意味しており、特に鎖状エステルが全電解液溶媒中の65体積%以上、とりわけ鎖状エステルが全電解液溶媒中の70体積%以上を占めることが好ましく、なかでも鎖状エステルが全電解液溶媒中の75%以上を占めることが好ましい。
【0022】
本発明において、電解液の溶媒として、この鎖状エステルを主溶媒にするのは、鎖状エステルが全電解液溶媒中の50体積%を超えることによって、電池特性、特に低温特性が改善されることによるものである。
【0023】
ただし、電解液溶媒としては、上記鎖状エステルのみで構成するよりも、電池容量の向上をはかるために、上記鎖状エステルに誘導率の高いエステル(誘導率30以上)を混合して用いることが好ましい。そのような誘電率の高いエステルの全電解液溶媒中で占める量としては、10体積%以上、特に20体積%以上が好ましい。すなわち、誘電率の高いエステルが全電解液溶媒中で10体積%以上になると容量の向上が明確に発現するようになり、誘電率の高いエステルが全電解液溶媒中で20体積%以上になると容量の向上がより一層明確に発現するようになる。ただし、誘電率の高いエステルの全電解液溶媒中で占める体積が多くなりすぎると電池の放電特性が低下する傾向があるので、誘電率の高いエステルの全電解液溶媒中で占める量としては、上記のように10体積%以上、好ましくは20体積%以上の範囲内で、40体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは25体積%以下である。
【0024】
上記誘電率の高いエステルとしては、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ガンマ−ブチロラクトン(γ−BL)、エチレングリコールサルファイト(EGS)などが挙げられ、特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のものが好ましく、とりわけ環状のカーボネートが好ましく、具体的にはエチレンカーボネート(EC)が最も好ましい。
【0025】
また、上記誘電率の高いエステル以外に併用可能な溶媒としては、たとえば1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジオキソラン(DO)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)、ジエチルエーテル(DEE)などが挙げられる。そのほか、アミンイミド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
【0026】
電解液の電解質としては、たとえばLiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiCnF2n+1SO(n≧2)などが単独でまたは2種以上混合して用いられる。特にLiPFやLiCSOなどが充放電特性が良好なことから好ましい。電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、通常0.3〜1.7mol/l、特に0.4〜1.5mol/l程度が好ましい。
【0027】
正極は、たとえば、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物、LiNiO などのリチウムニッケル酸化物、LiCoO などのリチウムコバルト酸化物、LiMnなどのリチウムマンガン酸化物などの金属酸化物または二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物、またはそれらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げることによって作製される。ただし、正極の作製方法は上記例示のもののみに限られることはない。
【0028】
特に正極活物質としてLiNiO 、LiCoO 、LiMnなどの充電時の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を用いる場合は、高エネルギー密度が得られるので好ましい。
【0029】
負極活物質としては、リチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な化合物であればよく、たとえば、炭素材料、リチウム合金、酸化物などが挙げられ、特に炭素材料が好ましい。そして、その炭素材料としては、たとえば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
【0030】
そして、負極活物質として用いる炭素材料は、特に下記の特性を持つものが好ましい。すなわち、その(002)面の層間距離d002 に関しては、3.5Å以下が好ましく、より好ましくは3.45Å以下、さらに好ましくは3.4Å以下である。また、c軸方向の結晶子サイズLcに関しては、30Å以上が好ましく、より好ましくは80Å以上、さらに好ましくは250Å以上である。そして、平均粒径は8〜15μm、特に10〜13μmが好ましく、純度は99.9%以上が好ましい。
【0031】
負極は、たとえば、上記負極活物質またはその負極活物質に必要に応じて導電助剤や結着剤などを適宜加えた合剤を、銅箔などの集電材料を芯材として成形体に仕上げることによって作製される。ただし、負極の作製方法は上記例示のもののみに限られることはない。
【0032】
【実施例】
つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
実施例1
メチルエチルカーボネートとエチレンカーボネートとを体積比76:24で混合し、この混合溶媒に分子量120000のポリメタクリル酸メチルを上記混合溶媒100重量部に対して0.5重量部の割合で添加し、60℃でゆっくり溶解させた後、LiPFを1.4mol/l溶解させて、組成が1.4mol/lLiPF/EC:MEC(24:76体積比)+0.5%PMMAで示される電解液を調製した。
【0034】
上記電解液における、ECはエチレンカーボネートの略称で、MECはメチルエチルカーボネートの略称であり、PMMAはポリメタクリル酸メチルの略称である。したがって、上記電解液を示す1.4mol/lLiPF/EC:MEC(24:76体積比)+0.5%PMMAは、メチルエチルカーボネート76体積%とエチレンカーボネート24体積%との混合溶媒にLiPFを1.4mol/l溶解させ、かつポリメタクリル酸メチルを全電解液溶媒100重量部に対して0.5重量部溶解させたものであることを示している。
【0035】
これとは別に、LiCoO 90重量部に導電助剤としてりん状黒鉛を6重量部加えて混合し、この混合物にポリフッ化ビニリデン4重量部をN−メチルピロリドンに溶解させた溶液を加えて混合してスラリーにした。この正極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗付して乾燥し、その後、ローラプレス機により圧縮成形して総厚を165μmにした後、切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
【0036】
つぎに、炭素材料(ただし、層間距離d002 =3.37Å、c軸方向の結晶子サイズLc=950Å、平均粒径10μm、純度99.9%以上という特性を持つ炭素材料)90重量部を、フッ化ビニリデン10重量部をN−メチルピロリドンに溶解させた溶液と混合してスラリーにした。この負極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ18μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗付して乾燥し、その後、ローラプレス機により圧縮成形して総厚165μmにした後、切断し、リード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
【0037】
前記帯状正極を厚さ25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータを介して上記帯状負極に重ね、渦巻状に巻回して渦巻状電極体とした後、外径14mmの有底円筒状の電池ケース内に挿入し、正極および負極のリード体の溶接を行った。
【0038】
つぎに電解液を電池ケース内に注入し、電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、封口し、予備充電、エイジングを行い、図1に示す構造の筒形の有機電解液二次電池を作製した。
【0039】
図1に示す電池について説明すると、1は前記の正極で、2は前記の負極である。ただし、図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体などは図示していない。そして、3はセパレータで、4は電解液であり、この電解液4には前記のようにポリメタクリル酸メチルを添加している。
【0040】
5はステンレス鋼製の電池ケースであり、この電池ケース5は負極端子を兼ねている。電池ケース5の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体6が配置され、電池ケース5の内周部にもポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体7が配置されていて、前記正極1、負極2およびセパレータ3からなる渦巻状電極体や、電解液4などは、この電池ケース5内に収容されている。
【0041】
8はステンレス鋼製の封口板であり、この封口板8の中央部にはガス通気孔8aが設けられている。9はポリプロピレン製の環状パッキング、10はチタン製の可撓性薄板で、11は環状でポリプロピレン製の熱変形部材である。
【0042】
上記熱変形部材11は温度によって変形することにより、可撓性薄板10の破壊圧力を変える作用をする。
【0043】
12はニッケルメッキを施した圧延鋼製の端子板であり、この端子板12には切刃12aとガス排出孔12bとが設けられていて、電池内部にガスが発生して電池の内部圧力が上昇し、その内圧上昇によって可撓性薄板10が変形したときに、上記切刃12aによって可撓性薄板10を破壊し、電池内部のガスを上記ガス排出孔12bから電池外部に排出して、電池の高圧下での破壊が防止できるように設計されている。
【0044】
13は絶縁パッキングで、14はリード体であり、このリード体14は正極1と封口板8とを電気的に接続しており、端子板12は封口板8との接触により正極端子として作用する。また、15は負極2と電池ケース5とを電気的に接続するリード体である。
【0045】
比較例1
電解液にポリメタクリル酸メチルを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして筒形の有機電解液二次電池を作製した。
【0046】
上記実施例1および比較例1の電池について、700mAの定電流で4.1Vまで充電し、4.1Vに達した後は4.1Vの定電圧充電を行った。充電時間は上記700mAでの定電流充電と4.1Vでの定電圧充電との両者を併せて2時間30分であった。つぎに、140mAで2.75Vまで放電し、再び上記条件での定電流充電および定電圧充電をした後、電流値のみを700mAに変えて放電し、さらに上記条件での定電流充電および定電圧充電をした後、電流を140mAに変えて放電し、その後、さらに上記条件での定電流充電および定電圧充電をした後、700mAで放電することを97回繰り返した。
【0047】
つぎに、最初の電流140mAに戻して同じ充放電サイクルを繰り返した。つまり、1サイクル、2サイクル、3サイクル、101サイクル、102サイクル、103サイクル………と電流値を変えて負荷特性の測定を100サイクルおきに行いつつ、充放電サイクルを繰り返した。そして、各サイクルの放電容量をQ(n)(ここで、nはサイクル数)で表すと、Q(3)/Q(1)を計算すると、電流が10倍になった場合の負荷特性(容量保持率)がわかり、Q(1)×Q(103)/Q(3)×Q(101)を計算すると、負荷特性が100サイクルでどの程度悪くなったかがわかる。実施例1では、この値が1.02であり、負荷特性の低下がみられなかったのに対し、比較例1では、この値が0.93となり、負荷特性が低下していた。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、負極活物質として炭素材料などのリチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な化合物を用い、電解液の主溶媒として鎖状エステルを全電解液溶媒中の50体積%より多い体積を占めるように含む有機電解液二次電池において、上記電解液に重量平均分子量が50000以上のイオン伝導性ポリマーを電解液溶媒100重量部に対して0.1〜5重量部含有させることによって、電池特性の大幅な低下を招くことなく、充放電サイクルに伴う負荷特性の低下が少ない有機電解液二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機電解液二次電池の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電解液

Claims (8)

  1. 正極、リチウムイオンを電気化学的に出し入れ可能な化合物を構成要素とする負極および有機電解液を有する有機電解液二次電池において、上記有機電解液が、鎖状エステルを全電解液溶媒の50体積%より多い体積を占めるように含み、かつ重量平均分子量が0000以上のイオン伝導性ポリマーを電解液溶媒100重量部に対して0.1〜5重量部含有することを特徴とする有機電解液二次電池。
  2. イオン伝導性ポリマーの重量平均分子量が、100000以上であることを特徴とする請求項1記載の有機電解液二次電池。
  3. イオン伝導性ポリマーが、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのポリα,β−不飽和カルボン酸エステル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリオレフィンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニルのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の有機電解液二次電池。
  4. イオン伝導性ポリマーが、ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1または2記載の有機電解液二次電池。
  5. 負極活物質として炭素材料を用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機電解液二次電池。
  6. 負極活物質として用いる炭素材料の(002)面の層間距離d002 が3.4Å以下であり、c軸方向の結晶子サイズLcが250Å以上であることを特徴とする請求項5記載の有機電解液二次電池。
  7. エチレンカーボネートを全電解液溶媒中の10体積%以上含む請求項1〜6のいずれかに記載の有機電解液二次電池。
  8. エチレンカーボネートを全電解液溶媒中の10体積%以上含み、負極活物質として用いる炭素材料の(002)面の層間距離d002 が3.4Å以下であり、c軸方向の結晶子サイズLcが250Å以上であり、正極活物質がLiNiO2 、LiMn2 4 などのリチウム複合酸化物いずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機電解液二次電池。
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