JP2016185701A - 金型、金型の制御方法、および半導体装置 - Google Patents

金型、金型の制御方法、および半導体装置 Download PDF

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弘文 進藤
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Abstract

【課題】簡潔な構造で、離型性を向上させた金型、金型の制御方法、金型により製造される半導体装置を提供する。【解決手段】金型10は、第1封止部5を形成する第1キャビティ21を有する第1金型20と、第2封止部6を形成する第2キャビティ41を有する第2金型40と、を備える。第1金型20は、第1封止部5を第1金型20から離すときに適用される第1ピン22、またはランナー部13に形成されたランナー成形体4rを第1金型20から離すときに適用される第1ランナーピン32の少なくとも一方と、第1ピン22に併せて配置される第1ピン通路24、または第1ランナーピン32に併せて配置される第1ランナーピン通路34の少なくとも一方と、第1ピン通路24、または第1ランナーピン通路34の少なくとも一方へ圧縮気体GSを導く気体導入部29と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、半導体装置の樹脂封止に適用される金型、金型の制御方法、および金型の制御方法によって製造される半導体装置に関する。
半導体装置を樹脂封止によって製造することが行われている。樹脂封止には、一般的に金型が利用される。金型を利用した樹脂封止において離型時の応力の発生があり、半導体装置へ影響を及ぼすことがある。離型時の応力を抑制する方法として、突出しピンに加えて圧縮気体を適用した技術が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1に係るワークの樹脂封止方法は、キャビティ内にイジェクターピンを突出させて封止樹脂の一部をキャビティ内面から離型させ、ついで、封止樹脂とキャビティとの界面に圧縮空気を供給して離型する技術である。
特許文献2に係るエジェクタ機構及びエジェクタ方法は、圧縮空気を上下2つの金型に供給して離型する技術である。
特開2000−127209号公報 特開2003−145594号公報
しかし、特許文献1においては、イジェクターピンの操作と圧縮空気の導入との間に時間差があり、金型の制御および構造が複雑であるなどの課題があった。また、特許文献2においては、圧縮空気を下型、上型それぞれに供給することから、金型の構造が複雑で、金型の制御工程も複雑化するなどの課題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡潔な構造で、離型性を向上させた金型、金型の制御方法、金型により製造される半導体装置を提供することを目的とする。
本発明に係る金型は、半導体チップが装着されたリードフレームの第1面に第1封止部を樹脂封止し、前記第1面の反対側の第2面に前記第1封止部に向き合わせて第2封止部を樹脂封止して半導体装置を形成する金型であって、前記第1封止部を形成する第1キャビティを有する第1金型と、前記第2封止部を形成する第2キャビティを有する第2金型と、前記第1金型および前記第2金型を型締めして前記第1キャビティおよび前記第2キャビティに封止樹脂を供給するときの経路となるランナー部と、を備え、前記第1金型は、前記第1封止部を前記第1金型から離すときに適用される第1ピン、または前記ランナー部に形成されたランナー成形体を前記第1金型から離すときに適用される第1ランナーピンの少なくとも一方と、前記第1ピンに併せて配置される第1ピン通路、または前記第1ランナーピンに併せて配置される第1ランナーピン通路の少なくとも一方と、前記第1ピン通路、または前記第1ランナーピン通路の少なくとも一方へ圧縮気体を導く気体導入路と、を備え、前記第2金型は、前記第2封止部を前記第2金型から離すときに適用される第2ピン、または前記ランナー成形体を前記第2金型から離すときに適用される第2ランナーピンの少なくとも一方と、前記第2ピンに併せて配置される第2ピン通路、または前記第2ランナーピンに併せて配置される第2ランナーピン通路の少なくとも一方と、を備え、前記第1ピンは、柱状の第1軸部と、前記第1軸部の先端に設けられ、前記第2金型の側ほど断面が大きい傾斜部と、を備え、前記第1ピン通路は、前記傾斜部に当接する当接部と、前記圧縮気体を前記傾斜部に向けて導く気体路と、を備え、前記第1ランナーピンは、柱状の第1ランナー軸部と、前記第1ランナー軸部の先端に設けられ、前記第2金型の側ほど断面が大きいランナー傾斜部と、を備え、前記第1ランナーピン通路は、前記ランナー傾斜部に当接するランナー当接部と、前記圧縮気体を前記ランナー傾斜部に向けて導くランナー気体路と、を備えることを特徴とする。
したがって、本発明に係る金型は、機械的圧力だけでは第1金型から離されにくい範囲の第1封止部に対して気体圧力を及ぼし、第1金型から第1封止部を直接的に離しやすくする。また、本発明に係る金型は、機械的圧力だけでは第1金型から離されにくい範囲のランナー部に対して気体圧力を及ぼし、ひいては第1金型から第1封止部を間接的に離しやすくする。
本発明に係る金型の一態様において、前記第1ピンおよび前記第1ピン通路は、前記第2金型に向かう方向で前記第1キャビティに面して配置され、前記傾斜部は、前記第2金型に向き合う先端面を有し、前記先端面は、前記第1キャビティに沿っている。
本発明に係る金型の一態様において、前記当接部は、前記傾斜部に沿う傾斜を有し、前記傾斜部の傾斜の中間で前記傾斜部から離れて前記第1ピン通路の壁面に向かうくびれ部を有する。
本発明に係る金型の一態様において、前記第1ランナーピンおよび前記第1ランナーピン通路は、前記第2金型に向かう方向で前記ランナー部に面して配置され、前記ランナー傾斜部は、前記第2金型に向き合うランナー先端面を有し、前記ランナー先端面は、前記ランナー部に沿っている。
本発明に係る金型の一態様において、前記ランナー当接部は、前記ランナー傾斜部に沿う傾斜を有し、前記ランナー傾斜部の傾斜の中間で前記ランナー傾斜部から離れて前記第1ランナーピン通路の壁面に向かうランナーくびれ部を有する。
本発明に係る金型の一態様において、前記封止樹脂は、透光性樹脂である。
本発明に係る金型の制御方法であって、前記金型は、前記第1ピンおよび前記第1ランナーピンの内で少なくとも第1ピンを備えてあり、前記第1封止部、前記第2封止部、および前記ランナー成形体を含む樹脂成形体が形成される樹脂封止工程と、前記樹脂封止工程の後、前記第1金型および前記第2金型を分離して前記第1封止部および前記第2封止部を前記第1金型および前記第2金型から離す離型工程と、を備え、前記離型工程は、前記第1金型を停止した状態で、前記第1ピン、前記第2金型、および前記第2ピンを前記第1金型に対して型開き方向へ移動させ、前記第2金型を前記第1金型から離す型開き工程を含み、前記型開き工程において、前記気体路へ供給された前記圧縮気体は、前記第1ピンの移動によって生じた前記傾斜部と前記当接部との間から吹き出されることを特徴とする。
本発明に係る金型の制御方法は、第1金型に対する第1封止部の離型性を向上して、第1金型から第1封止部を離しやすくする。
本発明に係る金型の制御方法の一態様である前記型開き工程において、前記第1ピン、前記第2金型、および前記第2ピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動する。
本発明に係る金型の制御方法の一態様である前記型開き工程において、前記第2金型および前記第2ピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動し、前記第1ピンは、前記第2金型に同期して移動する中間において、前記型開き移動位置より小さい移動量として予め設定された中間停止位置で移動を停止する。
本発明に係る金型の制御方法の一態様において、前記離型工程は、前記型開き工程の前に、前記第1金型、前記第2金型、および前記第2ピンを停止した状態で、前記第1ピンを前記第1金型から予め設定された先行移動位置まで突き出す第1ピン先行移動工程を備え、前記型開き工程において、前記第2金型および第2ピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動する。
本発明に係る金型の制御方法であって、前記金型は、前記第1ピンおよび前記第1ランナーピンの内で少なくとも第1ランナーピンが配置されてあり、前記第1封止部、前記第2封止部、および前記ランナー成形体を含む樹脂成形体が形成される樹脂封止工程と、前記樹脂封止工程の後、前記第1金型および前記第2金型を分離して前記第1封止部および前記第2封止部を前記第1金型および前記第2金型から離す離型工程と、を備え、前記離型工程は、前記第1金型を停止した状態で、前記第1ランナーピン、前記第2金型、および前記第2ランナーピンを前記第1金型に対して型開き方向へ移動させ、前記第2金型を前記第1金型から離す型開き工程を含み、前記型開き工程において、前記ランナー気体路へ供給された前記圧縮気体は、前記第1ランナーピンの移動によって生じた前記ランナー傾斜部と前記ランナー当接部との間から吹き出されることを特徴とする。
本発明に係る金型の制御方法は、第1金型に対するランナー成形体の離型性を向上し、ひいては第1金型から第1封止部を離しやすくする。
本発明に係る金型の制御方法の一態様における前記型開き工程において、前記第1ランナーピン、前記第2金型、および前記第2ランナーピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動する。
本発明に係る金型の制御方法の一態様における前記型開き工程において、前記第2金型および前記第2ランナーピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動し、前記第1ランナーピンは、前記第2金型に同期して移動する中間において、前記型開き移動位置より小さい移動量として予め設定された中間停止位置で移動を停止する。
本発明に係る金型の制御方法の一態様において、前記離型工程は、前記型開き工程の前に、前記第1金型、前記第2金型、および前記第2ランナーピンを停止した状態で、前記第1ランナーピンを前記第1金型から予め設定された先行移動位置まで突き出す第1ランナーピン先行移動工程を備え、前記型開き工程において、前記第2金型および第2ランナーピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動する。
本発明に係る金型の制御方法によって形成される半導体装置であって、前記半導体チップは、発光機能または受光機能を有し、前記第1封止部および前記第2封止部を樹脂封止する封止樹脂は、透光性樹脂である。
本発明に係る半導体装置は、発光機能あるいは受光機能を有する半導体チップが、離型性の良い本発明の金型の制御方法を用いて、透光性樹脂により樹脂封止されるので、発光特性または受光特性が良く、高い信頼性と高い歩留りが得られる。
本発明に係る金型は、簡潔な構造で半導体装置(樹脂成形体)に対する離型性を向上するという効果を奏する。また、本発明に係る金型の制御方法は、封止部の離型性を向上するという効果を奏する。また、本発明に係る金型の制御方法は、ランナー成形体ひいては封止部の離型性を向上するという効果を奏する。また、本発明に係る半導体装置は、特性、信頼性が良く、また、高い歩留りが得られるという効果を奏する。
本発明に係る金型との相違を示すための比較例1に係る金型における樹脂封止状態の概略を示す概略断面図である。 図1に示した金型が形成した半導体装置の上側の離型状態を示す概略断面図である。 図2に示した半導体装置の下側の離型状態を示す概略断面図である。 本発明に係る金型との相違を示すための比較例2に係る金型が形成した半導体装置の離型開始状態の概略を示す概略断面図である。 図4に示した半導体装置の離型における課題を概念的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態1に係る金型の概略構造、および封止形態の概略を示す概略断面図である。 図6に示した金型が半導体装置を樹脂封止した状態の概略を示す概略断面図である。 図7に示した半導体装置の上側を離型した状態を示す概略断面図である。 図8に示した工程の後、第1金型を離して半導体装置の離型状態を示す概略断面図である。 図9に示した工程の後、半導体装置の他方を離型した状態を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係る金型の半導体装置に対する離型の開始状態を示す概略断面図である。 図11に示した工程の後における離型の進行状態を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。初めに本発明を説明するための比較例1(図1〜図3)、比較例2(図4、図5)について説明する。その後、実施の形態1(図6〜図8)、実施の形態2(図6〜図12)、実施の形態3(不図示)について説明する。
[比較例1]
図1は、本発明に係る金型との相違を示すための比較例1に係る金型110における樹脂封止状態の概略を示す概略断面図である。
比較例1において、金型110は、第1金型120および第2金型140を備える。第1金型120は、第1キャビティ121と、第1キャビティ121に面する第1ピン122とを備え、第2金型140は、第2キャビティ141と、第2キャビティ141に面する第2ピン142とを備える。半導体装置101が有する半導体チップ102は、リードフレーム103に搭載され、第1封止部105および第2封止部106によって樹脂封止される。第1封止部105は、第1キャビティ121において形成され、第2封止部106は、第2キャビティ141によって形成される。
図2は、図1に示した金型が形成した半導体装置の上側の離型状態を示す概略断面図である。
樹脂封止が終了した金型110は、型開きされる。型開きにおいて、第1ピン122、第2金型140、および第2ピン142は、固定された第1金型120から離れる方向に移動する。その結果、第1封止部105は、第1ピン122に突かれて第1キャビティ121(第1金型120)から突き出され離される。
図3は、図2に示した半導体装置の下側の離型状態を示す概略断面図である
第1封止部105が第1金型120から離型された後、第2封止部106は、第2ピン142によって第2キャビティ141から突き出され、第2金型140から離型される。
比較例1に係る金型110における一般的な離型は、第1キャビティ121、第2キャビティ141の表面に離型剤が塗布され、また、離型性の良い黒色樹脂などが第1封止部105および第2封止部106に適用された場合に実現される。
[比較例2]
図4は、本発明に係る金型との相違を示すための比較例2に係る金型210が形成した半導体装置201の離型開始状態の概略を示す概略断面図である。
比較例2において、金型210は、第1金型220および第2金型240を備える。第1金型220は、第1キャビティ221と、第1キャビティ221に面する第1ピン222とを備え、第2金型240は、第2キャビティ241と、第2キャビティ241に面する第2ピン242とを備える。半導体装置201が有する半導体チップ202は、リードフレーム203に搭載され、第1封止部205および第2封止部206によって樹脂封止される。第1封止部205は、第1キャビティ221において形成され、第2封止部206は、第2キャビティ241によって形成される。
比較例2において、発光機能あるいは受光機能を有する半導体チップ202は、透光性樹脂で封止される。つまり、第1封止部205および第2封止部206は、透光性樹脂である。透光性樹脂は、一般のIC(半導体集積回路)に用いられる黒色の遮光性樹脂に比べて、成形時の硬さが低いため、第1ピン222が有効に作用せず、金型210を適用したときの離型性に課題がある。また、金型210の成形温度は、十分に硬化させたときの透光性樹脂の熱変形温度より高くなる。このため、型開きを開始した時、第1キャビティ221および第2キャビティ241に対応する第1封止部205および第2封止部206の封止樹脂は、固体状ではあっても柔らかくグミ状(柔らかいゴム状)が保持される。
樹脂封止が終了した後、金型210は型開きされる。型開きにおいては、第1金型220が固定された状態で、第1ピン222、第2金型240、および第2ピン242が第1金型220から離れる方向に移動される。
封止樹脂が透光性樹脂であることから、型開きのとき、第1封止部205は十分な硬化状態を確保できずに柔らかい状態が保持され、第1封止部205と第1キャビティ221との間で、真空吸着現象が発生する。したがって、第1ピン222による突出しによっては、第1封止部205は、十分な離型ができないで、第1キャビティ221との間で密着することがある。
図5は、図4に示した半導体装置201の離型における課題を概念的に示す概略断面図である。
第1封止部205と第1キャビティ221との間に真空吸着現象が生じて密着しているときに、更に離型動作を進めると第1封止部205の内部に応力が発生する。このため、比較例2における金型210では、内部での不良の発生、あるいは外部での不良などを生じる。
[実施の形態1]
図6〜図8を参照して、本実施の形態に係る金型10、金型10の制御方法、および半導体装置1について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る金型10の概略構造、および封止形態の概略を示す概略断面図である。
図7は、図6に示した金型10が半導体装置1を樹脂封止した状態の概略を示す概略断面図である。
図8は、図7に示した半導体装置1の上側を離型した状態を示す概略断面図である。
金型10は、具体的にはトランスファーモールド成形に適用される。金型10は、第1金型20および第2金型40を備える。第1金型20は、例えば上部に配置され、第2金型40は、第1金型20に向き合う下部に配置される。金型10は、第1金型20および第2金型40に封止樹脂RSを供給するために、ポット部11、プランジャー12、ランナー部13、ゲート部14を備える。
溶融された封止樹脂RSは、ポット部11に供給され、プランジャー12による加圧力によって、ランナー部13およびゲート部14を介して第1キャビティ21、第2キャビティ41に供給される。第1キャビティ21および第2キャビティ41に供給された封止樹脂RSは、第1金型20および第2金型40の熱によって硬化し、第1封止部5および第2封止部6を形成する。
この際、ランナー部13、ゲート部14に残された封止樹脂RSも同様に硬化し、樹脂成形体4(ランナー成形体4r)を形成する。本願では、第1封止部5、第2封止部6、およびランナー成形体4rを含めて樹脂成形体4ということがある。
図6は、ポット部11の溶融された封止樹脂RSが、プランジャー12に加圧されてランナー部13、ゲート部14、第1キャビティ21、および第2キャビティ41に送られる前の状態を示す。
金型10は、半導体チップ2が装着されたリードフレーム3の第1面に第1封止部5を樹脂封止し、第1面の反対側の第2面に第1封止部5に向き合わせて第2封止部6を樹脂封止して半導体装置1を形成する。金型10は、第1封止部5を形成する第1キャビティ21を有する第1金型20と、第2封止部6を形成する第2キャビティ41を有する第2金型40と、第1金型20および第2金型40を型締めして第1キャビティ21および第2キャビティ41に封止樹脂RSを供給するときの経路となるランナー部13と、を備える。
第1金型20は、第1封止部5を第1金型20から離すときに適用される第1ピン22、またはランナー部13に形成されたランナー成形体4rを第1金型20から離すときに適用される第1ランナーピン32の少なくとも一方と、第1ピン22に併せて配置される第1ピン通路24、または第1ランナーピン32に併せて配置される第1ランナーピン通路34の少なくとも一方と、第1ピン通路24、または第1ランナーピン通路34の少なくとも一方へ圧縮気体GSを導く気体導入部29と、を備える。
第2金型40は、第2封止部6を第2金型40から離すときに適用される第2ピン42、またはランナー成形体4rを第2金型40から離すときに適用される第2ランナーピン52の少なくとも一方と、第2ピン42に併せて配置される第2ピン通路44、または第2ランナーピン52に併せて配置される第2ランナーピン通路54の少なくとも一方と、を備える。
なお、気体導入部29から導入される圧縮気体GSは、例えば圧縮された空気、あるいは圧縮された不活性ガス(例えば窒素ガス)が好ましい。圧縮されているから、金型10に供給されたとき適宜の圧力を有する。また、気体導入部29は、第1ピン通路24、気体導入部29に連結され、圧縮気体GSは、第1ピン通路24および第1ランナーピン通路34へ送られる。
上記のとおり、第1ピン22および第1ランナーピン32は、第1ピン22が適用される場合、第1ランナーピン32が適用される場合、第1ピン22および第1ランナーピン32が適用される場合がある。第1ピン22を適用したときの金型10の制御方法については、実施の形態2として、第1ランナーピン32を適用したときの金型10の制御方法については、実施の形態3として説明する。
第1ピン22は、柱状の第1軸部23と、第1軸部23の先端に設けられ、第2金型40の側ほど断面が大きい傾斜部23sと、を備え、第1ピン通路24は、傾斜部23sに当接する当接部24cと、圧縮気体GSを傾斜部23sに向けて導く気体路25と、を備える。
第1ランナーピン32は、柱状の第1ランナー軸部33と、第1ランナー軸部33の先端に設けられ、第2金型40の側ほど断面が大きいランナー傾斜部33sと、を備え、第1ランナーピン通路34は、ランナー傾斜部33sに当接するランナー当接部34cと、圧縮気体GSをランナー傾斜部33sに向けて導くランナー気体路35と、を備える。
第1ピン通路24は、第1軸部23との間に環状シール26を備え、第1ランナーピン通路34は、第1ランナー軸部33との間に環状シール36を備える。このため、第1ピン通路24、第1ランナーピン通路34に供給された圧縮気体GSは、外部への漏れを抑制される。なお、環状シール26および環状シール36は、Oリング等で構成される。
第1ピン22および第2ピン42は、相互に対向して配置され、第1ランナーピン32および第2ランナーピン52は、相互に対向して配置されるのが一般的である。
第2ピン42が有する第2軸部43は、第2ピン通路44に接して配置され、
第2ランナーピン52が有する第2ランナー軸部53は、第2ランナーピン通路54に接して配置される。
第1封止部5、第2封止部6、および、ランナー成形体4rを含む樹脂成形体4が形成される樹脂封止工程が終了した後、離型工程において、樹脂成形体4の第1金型20に向き合う面は第1金型20から離され、樹脂成形体4の第2金型40に向き合う面は第2金型40から離される。その後、樹脂成形体4は、金型10から取り出され、バリ取り、リードフレーム3の整形などを施されて個別の半導体装置1が製造される。
第1ピン22が配置され、機能する場合、圧縮気体GSは、次のように作用する(図8参照)。
第1封止部5が第1金型20から離されるとき、第1ピン通路24から突き出された第1ピン22は、第1封止部5を含む樹脂成形体4を第1金型20から離すように機械的圧力を加える。また、第1ピン22の移動によって第1ピン通路24から吹き出された圧縮気体GSは、第1ピン22の周囲の広い範囲で樹脂成形体4(第1封止部5)を第1金型20から離すように気体圧力を加える。
すなわち、第1ピン22が第1封止部5を押して第1金型20から離すとき、第1ピン22による機械的圧力に加えて圧縮気体GSによる気体圧力が第1封止部5に及ぶ。このため、第1金型20(第1キャビティ21)と第1封止部5との間で生じる真空吸着現象は解消される。第1ピン22による機械的圧力は、第1ピン22が当てられる範囲の周辺に限られる。これに対して、第1ピン通路24から吹き出された圧縮気体GSは、流体であるから、第1ピン22による機械的圧力の及ぶ範囲を越えて、広い範囲に気体圧力を及ぼして真空吸着現象を解消する。
したがって、金型10は、機械的圧力だけでは第1金型20から離されにくい範囲の第1封止部5に対して気体圧力を及ぼし、第1金型20から第1封止部5を直接的に離しやすくする。
なお、真空吸着現象は、樹脂封止工程が終了した直後で、半導体装置1(第1封止部5、第2封止部6)の熱変形温度が金型温度より低いためグミ状(柔らかいゴム状)で、金型10(第1金型20、第2金型40)に接触することに起因している。真空吸着現象であるから外部からの圧縮気体GSを供給することによる作用は有効である。熱変形温度の高い遮光性樹脂などにおいても、成形物が薄板に近い形状では同様の現象が現れる。
第1ランナーピン32が配置され、機能する場合、圧縮気体GSは、次のように作用する。第1ランナーピン32の作用は、第1ピン22と同様であるので図示は省略されるが、図8を参照して同様に理解される。
ランナー成形体4rが第1金型20から離されてランナー成形体4rが第1金型20から離されるとき、第1ランナーピン通路34から突き出された第1ランナーピン32は、ランナー成形体4rを含む樹脂成形体4を第1金型20から離すように機械的圧力を加える。また、第1ランナーピン32の移動によって第1ランナーピン通路34から吹き出された圧縮気体GSは、第1ランナーピン32の周囲の広い範囲で樹脂成形体4(ランナー成形体4r)を第1金型20から離すように気体圧力を加える。
すなわち、第1ランナーピン32がランナー成形体4rを押して第1金型20から離すとき、第1ランナーピン32による機械的圧力に加えて圧縮気体GSによる気体圧力がランナー成形体4rに及ぶ。このため、第1金型20(ランナー部13)とランナー成形体4rとの間で生じる真空吸着現象は解消されやすくなる。第1ランナーピン32による機械的圧力は、第1ランナーピン32が当てられる範囲の周辺に限られる。これに対して、第1ランナーピン通路34から吹き出された圧縮気体GSは、流体であるから、第1ランナーピン32による機械的圧力の及ぶ範囲を越えて、広い範囲に気体圧力を及ぼして真空吸着現象を解消しやすくする。
したがって、金型10は、機械的圧力だけでは第1金型20から離されにくい範囲のランナー成形体4rに対して気体圧力を及ぼし、ひいては第1金型20から第1封止部5を間接的に離しやすくする。
金型10は、樹脂成形体4(第1封止部5、第2封止部6、ランナー成形体4r)としての半導体装置1に対する離型性を確保できる。なお、封止樹脂RSは、透光性樹脂である。金型10は、透光性樹脂に対しても離型性を向上して、樹脂封止しやすくなるので、発光機能あるいは受光機能を有する半導体装置1を信頼性良く高い歩留りで製造できる。
なお、金型10は、含有した離型剤を成形時に樹脂成形体4(第1封止部5、第2封止部6、ランナー成形体4r)の外部へ析出させる態様の透光性樹脂に対しても有効に適用でき、重畳的な効果が得られる。
第1ピン22および第1ランナーピン32の両方が配置されて機能する場合、圧縮気体GSは、第1ピン通路24および第1ランナーピン通路34の両方において作用するので、樹脂成形体4(第1封止部5、ランナー成形体4r)の広い範囲において真空吸着現象を抑制しやすくなり、第1金型20から第1封止部5を更に容易に離しやすくなる。
金型10は、第1金型20に対する樹脂成形体4(第1封止部5、ランナー成形体4r)の離型性を向上させて内部応力の発生を抑制するので、第1封止部5(さらには第2封止部6)に加わるストレスを抑制しやすくなる。
つまり、金型10は、リードフレーム3に装着された発光機能あるいは受光機能を有する半導体チップ2および内部配線を透光性樹脂によって樹脂封止しやすくなる。このため、発光用あるいは受光用に樹脂封止される半導体装置1の樹脂封止における歩留まりを向上し、電気的特性および光学的特性の低下を抑制しやすくなる。
金型10は、真空吸着現象を解消できることから、第1ピン22および第1ランナーピン32のピンストロークを抑制しても十分な離型性を確保できた。
第1ピン通路24は、第1軸部23の周囲に圧縮気体GSを流す気体路25を有する。気体路25は、第1軸部23の周囲に均等に配置されるので、吹き出された圧縮気体GSから周囲に加わる気体圧力を均等化できる。
第1ピン22が第2金型40へ向けて第1金型20から突き出されたとき、圧縮気体GSは、傾斜部23sと当接部24cとの間から吹き出される。第1ランナーピン32が第2金型40へ向けて第1金型20から突き出されたとき、圧縮気体GSは、ランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から吹き出される。
第1ピン22および第1ピン通路24は、第1金型20から第2金型40に向かう方向で第1キャビティ21に面して配置され、傾斜部23sは、第2金型40に向き合う先端面23pを有し、先端面23pは、第1キャビティ21に沿っている。先端面23pは、第1キャビティ21に沿っているから、型締めされたときの具体的な状態は、第1キャビティ21に対して例えば面一、あるいは微小(例えば50μm)な長さで飛び出した凸状とされる。
第1ピン22および第1ピン通路24は、第2金型40に向かう方向で第1キャビティ21に面して配置されているので、先端面23pは、第2金型40に向き合う。したがって、型開きに際し、第1ピン22が第1ピン通路24から突き出されると、先端面23pは、先端面23pの大きさに応じた広い範囲で第1封止部5を第1金型20から離しやすい。
第1ピン22は、金型10が開閉される方向に沿って第1キャビティ21が有する面に配置される。第1金型20と第2金型40とが型締めされて樹脂封止するとき、第1ピン22は第1金型20に収納される。
当接部24cは、傾斜部23sに沿う傾斜を有し、傾斜部23sの傾斜の中間で傾斜部23sから離れて第1ピン通路24の壁面に向かうくびれ部24nを有する。
当接部24cと傾斜部23sとが接触する範囲とは別に気体路25の大きさが設定されるので、供給される圧縮気体GSの流量を精度よく制御しやすい。また、気体路25の大きさとは別に当接部24cと傾斜部23sとの位置関係を設定できるので、当接部24cと傾斜部23sとの間を流れる圧縮気体GSの流量(気体圧力)を適切に設定しやすい。したがって、金型10は、気体圧力による第1封止部5の離型性の度合いを適切に調整しやすい。
第1ランナーピン32、第1ランナー軸部33、ランナー傾斜部33s、ランナー先端面33p、第1ランナーピン通路34、ランナー当接部34c、ランナーくびれ部34n(不図示)、ランナー気体路35は、第1ピン22、第1軸部23、傾斜部23s、先端面23p、第1ピン通路24、当接部24c、くびれ部24n、気体路25と同様である。
したがって、第1ランナーピン32、第1ランナー軸部33、ランナー傾斜部33s、ランナー先端面33p、第1ランナーピン通路34、ランナー当接部34c、ランナーくびれ部34n、ランナー気体路35については、図7、図8に相当する図は省略する。また、ランナーくびれ部34nは、図7、図8に示すくびれ部24nと同様である。図6では、くびれ部24n、ランナーくびれ部34nは、図面上の明瞭さを考慮して省略されている。
第1ランナーピン32および第1ランナーピン通路34は、第2金型40に向かう方向でランナー部13に面して配置され、ランナー傾斜部33sは、第2金型40に向き合うランナー先端面33pを有し、ランナー先端面33pは、ランナー部13(第2金型40に向き合う面)に沿っている。ランナー先端面33pは、ランナー部13(第2金型40に向き合う面)に沿っているから、型締めされたときの具体的な状態は、ランナー部13(第2金型40に向き合う面)に対して例えば面一、あるいは微小(例えば50μm)な深さで引っ込んだ凹状とされる。
第1ランナーピン32および第1ランナーピン通路34は、第2金型40に向かう方向でランナー部13に面して配置されているので、ランナー先端面33pは、第2金型40に向き合う。したがって、型開きに際し、第1ランナーピン32が第1ランナーピン通路34から突き出されると、ランナー先端面33pは、ランナー先端面33pの大きさに応じた広い範囲でランナー成形体4rを第1金型20から離しやすい。
第1ランナーピン32は、金型10が開閉される方向に沿ってランナー部13が有する面に配置される。第1金型20と第2金型40とが型締めされて樹脂封止するとき、第1ランナーピン32は第1金型20に収納される。
ランナー当接部34cは、ランナー傾斜部33sに沿う傾斜を有し、ランナー傾斜部33sの傾斜の中間でランナー傾斜部33sから離れて第1ランナーピン通路34の壁面に向かうランナーくびれ部34nを有する。
ランナー当接部34cとランナー傾斜部33sとが接触する範囲とは別にランナー気体路35の大きさが設定されるので、供給される圧縮気体GSの流量を精度よく制御しやすい。また、ランナー気体路35の大きさとは別にランナー当接部34cとランナー傾斜部33sとの位置関係を設定できるので、ランナー当接部34cとランナー傾斜部33sとの間を流れる圧縮気体GSの流量(気体圧力)を適切に設定しやすい。したがって、金型10は、気体圧力によるランナー成形体4rの離型性の度合いを適切に調整しやすい。
傾斜部23sの「断面」について、更に説明する。なお、ランナー傾斜部33sの「断面」は、実質的に傾斜部23sと同様に構成されるので、重複する説明は省略する。
傾斜部23sの「断面」は、第1軸部23の長さ方向に垂直な面で切断したときにあらわれる面(面積)を意味する。
傾斜部23sの形状は、第1軸部23が円柱状の場合は、円錐体を高さ方向の中央で切断した下半分の形状(円錐台)となる。第1ピン通路24は、第1軸部23に対して中心が一致する同心状に配置される。第1軸部23と第1ピン通路24は、同心状に配置される。
金型10は、上側(上型)が第1金型20および第1ピン22、下側(下型)が第2金型40および第2ピン42として説明したが、上下関係は逆でも良い。つまり、上側が第2金型40および第2ピン42、下側が第1金型20および第1ピン22とされても良い。また、プランジャー12は、上下反転した形状でも良い。
半導体装置1の封止高さは、例えば数mm〜5mm程度である。リードフレーム3に交差する方向から見た平面視形状は、一般的には矩形状とされる。矩形の平面的な大きさは、リードフレーム3に搭載される半導体チップ2の大きさ(半導体チップ2の種類)によって異なる。
上記したとおり、本実施の形態に係る金型10は、第1ピン22の移動がそのまま圧縮気体GSの吹き出しを伴い、第1ランナーピン32の移動がそのまま圧縮気体GSの吹き出しを伴う構成となっている。したがって、金型10は、極めて簡潔な構成で離型性を確保しやすい効果を実現している。
なお、第1金型20、第1ピン22、第1ランナーピン32、第2金型40、第2ピン42、および第2ランナーピン52の移動は金型10が備える制御系(不図示)によって実行される。また、気体導入部29に導かれる圧縮気体GSは、気体制御弁(不図示)によって供給の開閉制御がなされ、離型工程における第1ピン22または第1ランナーピン32の動作に応じて制御される。これらの制御(制御装置)は、一般的な金型に通常適用される技術によって行われる。したがって、詳細な説明は省略する。
[実施の形態2]
本実施の形態に係る金型10(実施の形態1参照)の制御方法および半導体装置1について図6〜図8(実施の形態1参照)、および図9〜図12を参照して説明する。実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施の形態における金型10は、第1ピン22および第1ランナーピン32の内で少なくとも第1ピン22を備えてある。したがって、本実施の形態では、第1ピン22および第1ランナーピン32の内、第1ピン22が適用される場合について説明する。第1ランナーピン32が適用される場合は、実施の形態3で説明する。
図6、図7、図8は、実施の形態1で説明したとおりである。
図9は、図8に示した工程の後、第1金型を離して半導体装置の離型状態を示す概略断面図である。
図10は、図9に示した工程の後、半導体装置の他方を離型した状態を示す概略断面図である。
図9において、第1金型20は、半導体装置1から離型され、遠くに配置されるので、省略されている。半導体装置1は、第2金型40に載置された状態となる。なお、この段階では、第1封止部5および第2封止部6は、樹脂封止工程および型開き工程における温度が低下し、外部からの機械的圧力による影響がほとんど及ばない状態となっている。
図10において、半導体装置1は、第2金型40から離型された状態となる。半導体装置1は、第1金型20および第2金型40から離されているので、金型10から容易に取り出される。取り出された半導体装置1は、リードフレーム3の加工を経て個別部品とされる。
本実施の形態に係る金型10の制御方法は、第1封止部5、第2封止部6、およびランナー成形体4rを含む樹脂成形体4が形成される樹脂封止工程(図7参照)と、樹脂封止工程の後、第1金型20および第2金型40を分離して第1封止部5および第2封止部6を第1金型20および第2金型40から離す離型工程(図8〜図10参照)と、を備える。
離型工程は、第1金型20を停止した状態で、第1ピン22、第2金型40、および第2ピン42を第1金型20に対して型開き方向へ移動させ、第2金型40を第1金型20から離す型開き工程(図8、図11、図12参照)を含み、型開き工程において、気体路25へ供給された圧縮気体GSは、第1ピン22の移動によって生じた傾斜部23sと当接部24cとの間から吹き出される。
金型10の制御方法は、型開き工程で、第1ピン22、第2金型40、および第2ピン42を第1金型20に対して型開き方向(第2金型40が第1金型20から離れる方向)へ移動させ、併せて傾斜部23sと当接部24cとの間から圧縮気体GSを吹き出す(図8参照)。つまり、第1ピン22、第2金型40、および第2ピン42は、第1金型20から離れるように移動し、また、圧縮気体GSは、第1ピン22の第1金型20からの突出しに併せて吹き出される。
このため、第1封止部5(第1金型20に向き合う側)は、第1ピン22に突かれて第1金型20から離される。また、第1ピン22の突出しに併せて吹き出された圧縮気体GSは、第1ピン22の周囲の広い範囲に気体圧力を及ぼして第1金型20と第1封止部5との間で生じる真空吸着現象を解消しやすくする。
このため、金型10の制御方法は、第1金型20に対する第1封止部5の離型性を向上して、第1金型20から第1封止部5を離しやすくする。
金型10の制御方法は、第1金型20に対する樹脂成形体4の離型性を向上させて内部応力の発生を抑制するので、第1封止部5(さらには第2封止部6)に加わるストレスを抑制しやすくする。
また、金型10の制御方法は、リードフレーム3に装着された発光機能あるいは受光機能を有する半導体チップ2および内部配線を透光性樹脂によって樹脂封止しやすくなる。このため、金型10の制御方法は、発光用あるいは受光用に樹脂封止される半導体装置1の樹脂封止における歩留まりを向上し、電気的特性および光学的特性の低下を抑制しやすくなる。
金型10(金型10の制御方法)は、円滑な離型を施すことから、半導体装置1におけるリードフレーム3と樹脂成形体4との間での剥離現象、第1封止部5および第2封止部6の表面における荒れを抑制しやすい。
型開き工程において、第1ピン22、第2金型40、および第2ピン42は、予め設定された型開き移動位置Pw(図8参照)まで同期して移動する。
したがって、金型10の制御方法は、半導体装置1の外形への影響を抑制した状態で、円滑な離型を施しやすい。
型開き移動位置Pwは、第1金型20および第2金型40が型閉めされた状態から、第2金型40が第1金型20から離れて型開きしたときの第1金型20から第2金型40までの移動量(当初位置LVから型開き移動位置Pwまでの距離)で規定される。
つまり、型開き移動位置Pwは、第2金型40および第2ピン42については、型締め状態からの移動量で定まり、第1ピン22については、第1ピン22が第1金型20から突き出された長さで定まる。第1ピン22、第2金型40、および第2ピン42の型開き移動位置Pwは、半導体装置1(第1封止部5および第2封止部6)の形状への影響を抑制するため等しいことが好ましい。
なお、第1ピン22、第2金型40、および第2ピン42は、同期して移動するので、等速で移動し、移動開始タイミング、移動停止タイミングは同一とされる。
型開き移動位置Pwは、第1封止部5を第1金型20から確実に離せる距離であれば良い。あまり離しすぎると、圧縮気体GSによる気体圧力が効果的に作用しなくなる恐れがある。
型開き移動位置Pwは、半導体装置1の厚み(リードフレーム3と交差する方向での寸法。第1封止部5および第2封止部6の厚さ)とのバランス、また、第1金型20に対する第2金型40の移動に対する制御性の精度などを考慮して規定される。半導体装置1の厚みが例えば5mm程度の場合、型開き移動位置Pwは、当初位置LVから略0.5mm〜数mm程度、好ましくは、1mm程度と設定することが好ましい。
図8に示す型開き移動位置Pwは、第1金型20に対する第2金型40の場合について当初位置LV(第1金型20の停止位置)からの移動後の位置として例示される。第1ピン22および第2ピン42のそれぞれについての型開き移動位置Pwは、同期しているので、第2金型40の移動と同様に規定される。第1ピン22および第2ピン42についての型開き移動位置Pwは、図の見やすさを考慮して図8では省略される。
[実施の形態2の変形例1]
本実施の形態に係る変形例1(不図示)として、第1ピン22を途中で停止することもできる。変形例1に係る金型10の制御方法は、次のようにされる。なお、他の技術事項については、実施の形態2の基本構成と同様であるので説明は省略する。
変形例1の型開き工程において、第2金型40および第2ピン42は、予め設定された型開き移動位置Pwまで同期して移動し、第1ピン22は、第2金型40に同期して移動する中間において、型開き移動位置Pwより小さい移動量として予め設定された中間停止位置Ps(不図示)で移動を停止する。
変形例1に係る金型10の制御方法は、型開き工程において、第2金型40および第2ピン42は、型開き移動位置Pwまで同期して移動する。また、第1ピン22は、第2金型40と同期して移動を開始した後、第2金型40および第2ピン42の型開き移動位置Pwより小さい移動量となる中間停止位置Psで移動を停止する。なお、中間停止位置Psは、型開き移動位置Pwより小さいが、傾斜部23sと当接部24cとの間から圧縮気体GSを吹き出す位置とされる。
第1ピン22は、中間停止位置Psで停止した後も、第1金型20から突き出された状態が維持される。このため、傾斜部23sと当接部24cとの間から吹き出された圧縮気体GSは、第1金型20と第1封止部5との間で生じる真空吸着現象を解消しやすくなる。また、第1ピン22の形状による影響を抑制しやすくなる。
したがって、金型10の制御方法は、半導体装置1の外形への影響を抑制した状態で、第1封止部5を第1金型20から離して円滑な離型を施しやすい。
[実施の形態2の変形例2]
本実施の形態に係る変形例2として、第1ピン22を単独で他の部材(第2金型40、第2ピン42)に先行して移動させることもできる。変形例2に係る金型10の制御方法について図11および図12を参照して説明する。なお、他の技術事項については、実施の形態2の基本構成と同様であるので説明は省略する。
図11は、本発明の実施の形態2の変形例2に係る金型の半導体装置に対する離型の開始状態を示す概略断面図である。
図12は、図11に示した工程の後における離型の進行状態を示す概略断面図である。
変形例2に係る金型10の制御方法は、次のようにされる。
変形例2の離型工程は、型開き工程の前に、第1金型20、第2金型40、および第2ピン42を停止した状態で、第1ピン22を第1金型20から予め設定された先行移動位置Pp(図11参照)まで突き出す第1ピン先行移動工程を備える。
変形例2の型開き工程において、第2金型40および第2ピン42は、予め設定された型開き移動位置Pw(図12参照)まで同期して移動する。
変形例2の金型10の制御方法は、第1ピン先行移動工程において、第1ピン22を第1金型20から先行移動位置Ppまで突き出し、移動した第1ピン22は、傾斜部23sと当接部24cとの間から圧縮気体GSを吹き出す。このため、第1ピン22に突かれた第1封止部5は、第1キャビティ21から離れる。吹き出された圧縮気体GSは、第1金型20(第1キャビティ21)と第1封止部5との間における真空吸着現象を解消しやすくする。
第1ピン先行移動工程の後の型開き工程において、第2金型40および第2ピン42は、型開き移動位置Pwまで同期して移動する。したがって、金型10の制御方法は、半導体装置1の外形への影響を抑制した状態で、円滑な離型を施しやすくなる。
型開き移動位置Pwは、第1金型20および第2金型40が型閉めされた状態から、第2金型40が第1金型20から離れて型開きされたときの第1金型20から第2金型40までの移動量(当初位置LVから型開き移動位置Pwまでの距離)で規定される。つまり、図8に記載した事項と同様である。
金型10の制御方法は、第1ピン先行移動工程で、第1ピン22を先行して第1金型20から予め設定された先行移動位置Ppまで突き出し、併せて傾斜部23sと当接部24cとの間から圧縮気体GSを吹き出す。したがって、第1ピン22に突かれた第1封止部5は、第1金型20から突き出された第1ピン22によって第1金型20から離され、第1ピン22の突出しに併せて吹き出された圧縮気体GSが加える気体圧力によって第1ピン22の周囲の広い範囲で第1金型20から更に離されやすくなる。
先行移動位置Ppは、樹脂成形体4の内部に大きな応力が生じないように設定される。絶対値としては、半導体装置1の厚みが数mm〜5mm程度であれば、0.2mm〜0.5mm程度以内が好ましい。
また、相対値としては、半導体装置1の第1封止部5および第2封止部6を加えた厚さに対して、10分の1程度以下であれば、影響を抑制しやすい。例えば、半導体装置1の厚さが5mm程度のときは、略0.5mm、半導体装置1の厚さが3mm程度のときは、略0.3mmとすることができる。
また、第1ピン22は、第2金型40および第2ピン42の型開き移動位置Pwより小さい移動量となる先行移動位置Ppで移動を停止する。第1ピン22は、移動を停止した後も、第1金型20から突き出された状態が維持される。つまり、傾斜部23sと当接部24cとの間から圧縮気体GSが継続して吹き出る。このため、第1封止部5の第1キャビティ21に対向する面の全体へ圧縮気体GSの気体圧力が及ぶので、第1封止部5は、真空吸着現象を解消しやすくなり、第1ピン22の形状の影響を受けずに第1金型20から離型されやすくなる。
なお、第1ピン22は、先行移動工程の後の型開き工程において、停止状態を維持しても良く、また、第2金型40および第2ピン42が同期して移動するのに併せて先行移動位置Ppから型開き移動位置Pwまで移動しても良い(図12参照)。この場合、第2金型40および第2ピン42の移動量に対し、第1ピン22の移動量は、先行移動位置Ppへ予め移動した状態であるから先行移動位置Ppに対応した移動量だけ小さい移動となる。
また、第1ピン先行移動工程の第1ピン22において、先行移動位置Ppまでの移動量は、中間停止位置Psまでの移動量と同程度とされる。
金型10の制御方法によって形成される半導体装置1において、半導体チップ2は、発光機能または受光機能を有し、第1封止部5および第2封止部6を樹脂封止する封止樹脂RSは、透光性樹脂である。
半導体装置1は、発光機能あるいは受光機能を有する半導体チップ2が、離型性の良い金型10の制御方法において、透光性樹脂を適用して樹脂封止されるので、発光特性または受光特性が良く、高い信頼性と高い歩留りが得られる。
[実施の形態3]
本実施の形態に係る金型10(実施の形態1参照)の制御方法および半導体装置1について説明する。実施の形態1、実施の形態2と同一の部分については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施の形態における金型10は、第1ピン22および第1ランナーピン32の内で少なくとも第1ランナーピン32を備えてある。したがって、本実施の形態では、第1ピン22および第1ランナーピン32の内、第1ランナーピン32が適用される場合について説明する。第1ピン22が適用される場合は、実施の形態2で説明したとおりである。
なお、第1ランナーピン32は、配置される場所がランナー部13であり、実質的には、第1キャビティ21に配置される第1ピン22と同様であり、図7〜図12を参照して把握できるので対応する図の記載は省略する。また、金型10の基本的な構成は、図6に記載したとおりである。
本実施の形態に係る金型10の制御方法は、第1封止部5、第2封止部6、およびランナー成形体4rを含む樹脂成形体4が形成される樹脂封止工程と、樹脂封止工程の後、第1金型20および第2金型40を分離して第1封止部5および第2封止部6を第1金型20および第2金型40から離す離型工程と、を備える。
離型工程は、第1金型20を停止した状態で、第1ランナーピン32、第2金型40、および第2ランナーピン52を第1金型20に対して型開き方向へ移動させ、第2金型40を第1金型20から離す型開き工程を含み、型開き工程において、ランナー気体路35へ供給された圧縮気体GSは、第1ランナーピン32の移動によって生じたランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から吹き出される。
金型10の制御方法は、型開き工程で、第1ランナーピン32、第2金型40、および第2ランナーピン52を第1金型20に対して型開き方向(第2金型40が第1金型20から離れる方向)へ移動させ、併せてランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から圧縮気体GSを吹き出す。つまり、第1ランナーピン32、第2金型40、および第2ランナーピン52は、第1金型20から離れるように移動し、また、圧縮気体GSは、第1ランナーピン32の第1金型20からの突出しに併せて吹き出される。
このため、ランナー成形体4r(第1金型20に向き合う側)は、第1ランナーピン32に突かれて第1金型20から離される。また、第1ランナーピン32の突出しに併せて吹き出された圧縮気体GSは、第1ランナーピン32の周囲の広い範囲に気体圧力を及ぼして第1金型20とランナー成形体4rとの間で生じる真空吸着現象を解消しやすくする。
したがって、金型10の制御方法は、第1金型20に対するランナー成形体4rの離型性を向上し、ひいては第1金型20から第1封止部5を離しやすくする。
金型10の制御方法は、第1金型20に対する樹脂成形体4の離型性を向上させて内部応力の発生を抑制するので、第1封止部5(さらには第2封止部6)に加わるストレスを抑制しやすくする。
つまり、金型10の制御方法は、リードフレーム3に装着された発光機能あるいは受光機能を有する半導体チップ2および内部配線を透光性樹脂によって樹脂封止しやすくなる。このため、金型10の制御方法は、発光用あるいは受光用に樹脂封止される半導体装置1の樹脂封止における歩留まりを向上し、電気的特性および光学的特性の低下を抑制しやすくなる。
金型10(金型10の制御方法)は、円滑な離型を施すことから、半導体装置1におけるリードフレーム3と樹脂成形体4との間での剥離現象、第1封止部5および第2封止部6の表面における荒れを抑制しやすい。
型開き工程において、第1ランナーピン32、第2金型40、および第2ランナーピン52は、予め設定された型開き移動位置Pw(図8参照)まで同期して移動する。
したがって、金型10の制御方法は、第1金型20に対するランナー成形体4rの離型性を向上し、ひいては第1金型20から第1封止部5を離しやすくし、併せて半導体装置1の外形への影響を抑制した状態で、円滑な離型を施しやすい。
型開き移動位置Pwは、第1金型20および第2金型40が型閉めされた状態から、第2金型40が第1金型20から離れて型開きしたときの第1金型20から第2金型40までの移動量(当初位置LVから型開き移動位置Pwまでの距離)で規定される。
つまり、型開き移動位置Pwは、第2金型40および第2ランナーピン52については、型締め状態からの移動量で定まり、第1ランナーピン32については、第1ランナーピン32が第1金型20から突き出された長さで定まる。第1ランナーピン32、第2金型40、および第2ランナーピン52の型開き移動位置Pwは、半導体装置1(第1封止部5および第2封止部6)の形状への影響を抑制するため等しいことが好ましい。
なお、第1ランナーピン32、第2金型40、および第2ランナーピン52は、同期して移動するので、等速で移動し、移動開始タイミング、移動停止タイミングは同一とされる。
型開き移動位置Pwは、ランナー成形体4rひいては第1封止部5を第1金型20から確実に離せる距離であれば良い。あまり離しすぎると、圧縮気体GSによる気体圧力が効果的に作用しなくなる恐れがある。
型開き移動位置Pwは、半導体装置1の厚み(リードフレーム3と交差する方向での寸法。第1封止部5および第2封止部6の厚さ)とのバランス、また、第1金型20に対する第2金型40の移動に対する制御性の精度などを考慮して規定される。半導体装置1の厚みが例えば5mm程度の場合、型開き移動位置Pwは、略0.5mm〜数mm程度、好ましくは、1mm程度と設定することが好ましい。
型開き移動位置Pw(図8参照)は、第1金型20に対する第2金型40の場合について当初位置LV(第1金型20の停止位置)からの移動後の位置として例示される。第1ランナーピン32および第2ランナーピン52のそれぞれについての型開き移動位置Pwは、同期しているので、第2金型40の移動と同様に規定される。第1ランナーピン32および第2ランナーピン52についての型開き移動位置Pwは、図8に示す第1ピン22の場合と同様であるので対応する図は省略される。
[実施の形態3の変形例1]
本実施の形態に係る変形例1(不図示)として、第1ランナーピン32を途中で停止することもできる。変形例1に係る金型10の制御方法は、次のようにされる。なお、他の技術事項については、実施の形態3の基本構成と同様であるので説明は省略する。
変形例1の型開き工程において、第2金型40および第2ランナーピン52は、予め設定された型開き移動位置Pwまで同期して移動し、第1ランナーピン32は、第2金型40に同期して移動する中間において、型開き移動位置Pwより小さい移動量として予め設定された中間停止位置Ps(不図示)で移動を停止する。
変形例1に係る金型10の制御方法は、型開き工程において、第2金型40および第2ランナーピン52を型開き移動位置Pwまで同期して移動する。また、第1ランナーピン32は、第2金型40と同期して移動を開始した後、第2金型40および第2ランナーピン52の型開き移動位置Pwより小さい移動量となる中間停止位置Psで移動を停止する。なお、中間停止位置Psは、型開き移動位置Pwより小さいが、ランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から圧縮気体GSを吹き出す位置とされる。
第1ランナーピン32は、中間停止位置Psで停止した後も、第1金型20から突き出された状態が維持される。このため、ランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から吹き出された圧縮気体GSは、第1金型20とランナー成形体4rとの間で生じる真空吸着現象を解消しやすくなる。また、第1ランナーピン32の形状による影響を抑制しやすくなる。ランナー成形体4rが第1金型20から離れると、第1封止部5は影響を受けて第1金型20から離れやすくなる。
したがって、金型10の制御方法は、半導体装置1の外形への影響を抑制した状態で、第1封止部5を第1金型20から離して円滑な離型を施しやすい。
[実施の形態3の変形例2]
本実施の形態に係る変形例2(不図示)として、第1ランナーピン32を単独で他の部材(第2金型40、第2ピン42)に先行して移動させることもできる。変形例2に係る金型10の制御方法について説明する(図11および図12参照)。なお、他の技術事項については、実施の形態3の基本構成と同様であるので説明は省略する。
変形例2に係る金型10の制御方法は、次のようにされる。
変形例2の離型工程は、型開き工程の前に、第1金型20、第2金型40、および第2ランナーピン52を停止した状態で、第1ランナーピン32を第1金型20から予め設定された先行移動位置Pp(図11参照)まで突き出す第1ランナーピン先行移動工程を備える。
変形例2の型開き工程において、第2金型40および第2ランナーピン52は、予め設定された型開き移動位置Pwまで同期して移動する。
変形例2の金型10の制御方法は、第1ランナーピン先行移動工程において、第1ランナーピン32を第1金型20から先行移動位置Ppまで突き出し、移動した第1ランナーピン32は、ランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から圧縮気体GSを吹き出す。このため、第1ランナーピン32に突かれたランナー成形体4rは、ランナー部13(向き合う第1金型20の表面)から離れる。吹き出された圧縮気体GSは、第1金型20(ランナー部13)とランナー成形体4rとの間で生じる真空吸着現象を解消しやすくする。
第1ランナーピン先行移動工程の後の型開き工程において、第2金型40および第2ランナーピン52は、型開き移動位置Pwまで同期して移動する。したがって、金型10の制御方法は、半導体装置1の外形への影響を抑制した状態で、円滑な離型を施しやすくなる。
型開き移動位置Pwは、第1金型20および第2金型40が型閉めされた状態から、第2金型40が第1金型20から離れて型開きされたときの第1金型20から第2金型40までの移動量(当初位置LVから型開き移動位置Pwまでの距離)で規定される。第1ピン22の場合(図12参照)と同様である。
金型10の制御方法は、第1ランナーピン先行移動工程で、第1ランナーピン32を先行して第1金型20から予め設定された先行移動位置Ppまで突き出し、併せてランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から圧縮気体GSを吹き出す。したがって、第1ランナーピン32に突かれたランナー成形体4rは、第1金型20から突き出された第1ランナーピン32によって第1金型20から離され、第1ランナーピン32の突出しに併せて吹き出された圧縮気体GSが加える気体圧力によって第1ランナーピン32の周囲の広い範囲で第1金型20から更に離されやすくなる。
先行移動位置Ppは、樹脂成形体4の内部に大きな応力が生じないように設定される。絶対値としては、半導体装置1の厚みが数mm〜5mm程度であれば、0.2mm〜0.5mm程度以内が好ましい。
また、相対値としては、半導体装置1の第1封止部5および第2封止部6を加えた厚さに対して、10分の1程度以下であれば、影響を抑制しやすい。例えば、半導体装置1の厚さが5mm程度のときは、略0.5mm、半導体装置1の厚さが3mm程度のときは、略0.3mmとすることができる。
また、第1ランナーピン32は、第2金型40および第2ランナーピン52の型開き移動位置Pwより小さい移動量となる先行移動位置Ppで移動を停止する。第1ランナーピン32は、移動を停止した後も、第1金型20から突き出された状態が維持される。つまり、ランナー傾斜部33sとランナー当接部34cとの間から圧縮気体GSが継続して吹き出る。このため、ランナー成形体4rのランナー部13(第1金型20のランナー成形体4rに対する面)に対向する面の全体へ圧縮気体GSの気体圧力が及ぶので、ランナー成形体4r(樹脂成形体4、ひいては第1封止部5)は、真空吸着現象を解消しやすくなり、第1ランナーピン32の形状の影響を受けずに第1金型20から離型されやすくなる。
なお、第1ランナーピン32は、先行移動工程の後の型開き工程において、停止状態を維持しても良く、また、第2金型40および第2ランナーピン52が同期して移動するのに併せて先行移動位置Ppから型開き移動位置Pwまで移動しても良い(図12参照)。この場合、第2金型40および第2ランナーピン52の移動量に対し、第1ランナーピン32の移動量は、先行移動位置Ppへ予め移動した状態であるから先行移動位置Ppに対応した移動量だけ小さい移動となる。
また、第1ランナーピン先行移動工程の第1ランナーピン32において、先行移動位置Ppまでの移動量は、中間停止位置Psまでの移動量と同程度とされる。
本実施の形態に係る金型10の制御方法によって形成された半導体装置1は、実施の形態2に係る金型10の制御方法によって形成された半導体装置1と同様の作用効果を得る。
なお、実施の形態2および実施の形態3は、併せて同時に実行することができる。同時に採用された場合はそれぞれの作用効果が重畳的に実現するので、更に効果的な金型10の制御方法となる。
本発明は、半導体装置の製造に有効に利用できる。
1 半導体装置
2 半導体チップ
3 リードフレーム
4 樹脂成形体
4r ランナー成形体(樹脂成形体)
5 第1封止部(樹脂成形体)
6 第2封止部(樹脂成形体)
10 金型
11 ポット部
12 プランジャー
13 ランナー部
14 ゲート部
20 第1金型
21 第1キャビティ
22 第1ピン
23 第1軸部
23s 傾斜部
23p 先端面
24 第1ピン通路
24c 当接部
24n くびれ部
25 気体路
26 環状シール
29 気体導入部
32 第1ランナーピン
33 第1ランナー軸部
33s ランナー傾斜部
33p ランナー先端面
34 第1ランナーピン通路
34c ランナー当接部
34n ランナーくびれ部(不図示)
35 ランナー気体路
36 環状シール
40 第2金型
41 第2キャビティ
42 第2ピン
43 第2軸部
44 第2ピン通路
52 第2ランナーピン
53 第2ランナー軸部
54 第2ランナーピン通路
GS 圧縮気体
LV 当初位置
Pp 先行移動位置
Ps 中間停止位置(不図示)
Pw 型開き移動位置
RS 封止樹脂

Claims (15)

  1. 半導体チップが装着されたリードフレームの第1面に第1封止部を樹脂封止し、前記第1面の反対側の第2面に前記第1封止部に向き合わせて第2封止部を樹脂封止して半導体装置を形成する金型であって、
    前記第1封止部を形成する第1キャビティを有する第1金型と、前記第2封止部を形成する第2キャビティを有する第2金型と、前記第1金型および前記第2金型を型締めして前記第1キャビティおよび前記第2キャビティに封止樹脂を供給するときの経路となるランナー部と、を備え、
    前記第1金型は、前記第1封止部を前記第1金型から離すときに適用される第1ピン、または前記ランナー部に形成されたランナー成形体を前記第1金型から離すときに適用される第1ランナーピンの少なくとも一方と、前記第1ピンに併せて配置される第1ピン通路、または前記第1ランナーピンに併せて配置される第1ランナーピン通路の少なくとも一方と、前記第1ピン通路、または前記第1ランナーピン通路の少なくとも一方へ圧縮気体を導く気体導入路と、を備え、
    前記第2金型は、前記第2封止部を前記第2金型から離すときに適用される第2ピン、または前記ランナー成形体を前記第2金型から離すときに適用される第2ランナーピンの少なくとも一方と、前記第2ピンに併せて配置される第2ピン通路、または前記第2ランナーピンに併せて配置される第2ランナーピン通路の少なくとも一方と、を備え、
    前記第1ピンは、柱状の第1軸部と、前記第1軸部の先端に設けられ、前記第2金型の側ほど断面が大きい傾斜部と、を備え、
    前記第1ピン通路は、前記傾斜部に当接する当接部と、前記圧縮気体を前記傾斜部に向けて導く気体路と、を備え、
    前記第1ランナーピンは、柱状の第1ランナー軸部と、前記第1ランナー軸部の先端に設けられ、前記第2金型の側ほど断面が大きいランナー傾斜部と、を備え、
    前記第1ランナーピン通路は、前記ランナー傾斜部に当接するランナー当接部と、前記圧縮気体を前記ランナー傾斜部に向けて導くランナー気体路と、を備える
    ことを特徴とする金型。
  2. 請求項1に記載の金型であって、
    前記第1ピンおよび前記第1ピン通路は、前記第2金型に向かう方向で前記第1キャビティに面して配置され、
    前記傾斜部は、前記第2金型に向き合う先端面を有し、前記先端面は、前記第1キャビティに沿っていることを特徴とする。
  3. 請求項2に記載の金型であって、
    前記当接部は、前記傾斜部に沿う傾斜を有し、前記傾斜部の傾斜の中間で前記傾斜部から離れて前記第1ピン通路の壁面に向かうくびれ部を有することを特徴とする。
  4. 請求項1に記載の金型であって、
    前記第1ランナーピンおよび前記第1ランナーピン通路は、前記第2金型に向かう方向で前記ランナー部に面して配置され、
    前記ランナー傾斜部は、前記第2金型に向き合うランナー先端面を有し、前記ランナー先端面は、前記ランナー部に沿っていることを特徴とする。
  5. 請求項4に記載の金型であって、
    前記ランナー当接部は、前記ランナー傾斜部に沿う傾斜を有し、前記ランナー傾斜部の傾斜の中間で前記ランナー傾斜部から離れて前記第1ランナーピン通路の壁面に向かうランナーくびれ部を有することを特徴とする。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の金型であって、
    前記封止樹脂は、透光性樹脂であることを特徴とする。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の金型の制御方法であって、
    前記金型は、前記第1ピンおよび前記第1ランナーピンの内で少なくとも第1ピンを備えてあり、
    前記第1封止部、前記第2封止部、および前記ランナー成形体を含む樹脂成形体が形成される樹脂封止工程と、
    前記樹脂封止工程の後、前記第1金型および前記第2金型を分離して前記第1封止部および前記第2封止部を前記第1金型および前記第2金型から離す離型工程と、を備え、
    前記離型工程は、前記第1金型を停止した状態で、前記第1ピン、前記第2金型、および前記第2ピンを前記第1金型に対して型開き方向へ移動させ、前記第2金型を前記第1金型から離す型開き工程を含み、
    前記型開き工程において、前記気体路へ供給された前記圧縮気体は、前記第1ピンの移動によって生じた前記傾斜部と前記当接部との間から吹き出される
    ことを特徴とする金型の制御方法。
  8. 請求項7に記載の金型の制御方法であって、
    前記型開き工程において、前記第1ピン、前記第2金型、および前記第2ピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動することを特徴とする。
  9. 請求項7に記載の金型の制御方法であって、
    前記型開き工程において、前記第2金型および前記第2ピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動し、前記第1ピンは、前記第2金型に同期して移動する中間において、前記型開き移動位置より小さい移動量として予め設定された中間停止位置で移動を停止することを特徴とする。
  10. 請求項7に記載の金型の制御方法であって、
    前記離型工程は、前記型開き工程の前に、前記第1金型、前記第2金型、および前記第2ピンを停止した状態で、前記第1ピンを前記第1金型から予め設定された先行移動位置まで突き出す第1ピン先行移動工程を備え、
    前記型開き工程において、前記第2金型および第2ピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動することを特徴とする。
  11. 請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の金型の制御方法であって、
    前記金型は、前記第1ピンおよび前記第1ランナーピンの内で少なくとも第1ランナーピンが配置されてあり、
    前記第1封止部、前記第2封止部、および前記ランナー成形体を含む樹脂成形体が形成される樹脂封止工程と、
    前記樹脂封止工程の後、前記第1金型および前記第2金型を分離して前記第1封止部および前記第2封止部を前記第1金型および前記第2金型から離す離型工程と、を備え、
    前記離型工程は、前記第1金型を停止した状態で、前記第1ランナーピン、前記第2金型、および前記第2ランナーピンを前記第1金型に対して型開き方向へ移動させ、前記第2金型を前記第1金型から離す型開き工程を含み、
    前記型開き工程において、前記ランナー気体路へ供給された前記圧縮気体は、前記第1ランナーピンの移動によって生じた前記ランナー傾斜部と前記ランナー当接部との間から吹き出される
    ことを特徴とする金型の制御方法。
  12. 請求項11に記載の金型の制御方法であって、
    前記型開き工程において、前記第1ランナーピン、前記第2金型、および前記第2ランナーピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動することを特徴とする。
  13. 請求項11に記載の金型の制御方法であって、
    前記型開き工程において、前記第2金型および前記第2ランナーピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動し、前記第1ランナーピンは、前記第2金型に同期して移動する中間において、前記型開き移動位置より小さい移動量として予め設定された中間停止位置で移動を停止することを特徴とする。
  14. 請求項11に記載の金型の制御方法であって、
    前記離型工程は、前記型開き工程の前に、前記第1金型、前記第2金型、および前記第2ランナーピンを停止した状態で、前記第1ランナーピンを前記第1金型から予め設定された先行移動位置まで突き出す第1ランナーピン先行移動工程を備え、
    前記型開き工程において、前記第2金型および第2ランナーピンは、予め設定された型開き移動位置まで同期して移動することを特徴とする。
  15. 請求項7から請求項14までのいずれか一つに記載の金型の制御方法によって形成される半導体装置であって、
    前記半導体チップは、発光機能または受光機能を有し、
    前記第1封止部および前記第2封止部を樹脂封止する封止樹脂は、透光性樹脂であることを特徴とする。
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